JP3845994B2 - 開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法 - Google Patents

開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、イージーオープン缶の蓋として用いられるオープンエンドの製造方法に関し、特に該オープンエンドに形成されるスコア部の開口性すなわち開蓋性および開口部安全性、さらにはスコア加工部の耐さび性の有利な改善を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
缶蓋にスコアとよばれる切れ目を予め導入することによって、缶切り等の特殊な道具を用いることなしに缶を開け、缶体内部の食品・飲料を取り出すことができるいわゆるイージーオープン缶が、ビール缶、炭酸飲料ジュース缶等をはじめとして各種の飲料缶および食缶に使用されている。
タイプとしては、開口時にいわゆる「てこ」の役目を果たすタブが完全に切り取られる「プルオフ型」のものと、開口後もタブが缶に付随した状態となる「ステイオン型」に大別される。また、開口が缶径に対し部分的に行われるパーシャルイージーオープンエンドとほぼ全体が開口されるフルイージーオープンエンドとがあり、食缶の多くは後者である。
【0003】
このイージーオープン缶蓋の開け易さすなわち開口性には、上述したスコア加工が大きな影響を及ぼしている。
開口性は、スコア加工後の板厚の残存量(スコア残厚)をできるだけ小さくすれば向上することが知られているが、工業的な安定性および内圧上昇に対する耐圧強度の維持という観点から限界があった。
すなわち、開口性を優先するあまり、スコア残厚を減少させ過ぎると、加工の際にスコア部分に亀裂が生じたり、運送・貯蔵などの際に熱的な内部圧力の増大や衝撃的な応力の付与などによって内容物がもれるなどの不具合が生じる危険性が高まるのである。
【0004】
これまでの技術としては、特開昭54-54786号公報、特開昭57−175034号公報さらには特開昭62−235053号公報等に開示の技術が知られている。これらはいずれも、スコア部の成形に関する技術であり、開口性の改善効果は見られるものの、必ずしも十分とは言い難かった。
他方、鋼中に粗大な非金属介在物を分散させて、ボイドの起点として破壊を容易にするという幾つかの提案があり、理想的状態では確かに開口性が改善されるけれども、実際には、これらの非金属介在物の分散が極めて不均一なことに起因して予想外の不安定破壊を引き起こすため、信頼性という面で問題があった。加えて、これらの材料は、成形性の低下が不可避なため、タブを固定するために必要ないわゆるリベット加工を行なう際に割れが発生し、成形が不可能となるなどの問題もあった。
【0005】
また、鉄製のイージーオープン缶蓋の欠点の一つは、スコア加工部の防錆対策が不可欠なことである。この種缶蓋では、開口性が最優先課題であるため、鋭い切り込み(スコア)を付与するが、これは仮に表面処理鋼板を用いた場合でも、地鉄の露出が避けられないため、そのままの状態では、保存中に発生する錆が大きな問題となる。従って、鉄製のイージーオープン蓋はスコア加工後に加工部に補修塗装を施す必要があったが、これは余分な工程の追加となるため、コスト的に極めて不利であった。
【0006】
この点、押出し加工や押圧加工を利用することによって、スコア形成後の補修塗装を不要とした技術が、特開平6−115546〜115548号各公報や特開平7-51779号公報、特開平8-99140号公報で提案された。
しかしながら、これらの技術は、樹脂皮膜を有する材料を用いることでスコア加工部の耐食性をかなり改善できるとはいうものの、スコア加工部の歪みが広範囲にわたるため、未だ十分とは言えなかった。さらに、フルオープンエンドの場合には、切り口のかえり(バリ)が鋭い形態で存在するため、手、指、口先などを切傷するという問題があり、この開口部安全性の確保という点で十分とは言えなかった。
【0007】
このように、イージーオープン缶蓋を開口し、使用に供する際は、その破断面に手、指、口先等が接する機会が極めて多いため、かような際に手、指、口先等を切傷しにくい、換言すれば、開缶後の安全性の確保も重要な要件である。
【0008】
この点、イージーオープン缶蓋の製造法に関し、特に切断面の安全性を向上させる技術として特開昭60−204452号公報、特開昭62-64729号公報等がある。
これらの技術は、蓋の切り込み部(これに沿って蓋を切り開く)の断面構造を、板をあたかも畳み込んだような複雑な形状に成形し、その弾性的な復元力を利用して、鋭い切り口が孤立して露出することがないようにすることによって、使用者の手や指などの切傷事故を防止しようとするものである。
しかしながら、上記の技術では、安全性の向上は図り得るものの、切り口の面積が小さい場合には適用が困難なことに加え、複雑な金型で多くの加工工程を必要とするところに問題を残していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の問題を有利に解消するもので、スコア加工部の開口性に優れるのはいうまでもなく、開缶後の安全性に優れ、さらにはスコア加工部の耐さび性にも優れたイージーオープン缶のオープンエンドの有利な製造方法提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、まず適用素材について検討したところ、素材を単純に脆くするという従来から提案されている手法では、原素材を均一な材質に製造すること自体が困難なことに加え、缶体として組み立てられた後の信頼性に疑問が生じることが明らかとなった。
そこで、素材としては、鉄の持つ優れた延性を活かしつつ、開口性および切り口の安全性さらには耐食性をも確保すべく、種々の成形法を重点的に検討した。その結果、以下のような注目すべき知見が得られた。
【0011】
1)切り込みが板面の片側だけに存在する従来のスコア形状よりも、両面に切り込みが存在する方が開口に要するエネルギーは低い。
2)同じスコア残厚の場合は、切り込みの形状が鋭いほど開口に要するエネルギーは低い。
3)スコア部の加工において、単一方向の加工より、まず一方向から加工を行った後に逆の方向から加工を加える繰り返し加工を行うことで、より有効に鉄の強度を低下させることができる。
4)上記3)の場合、最終の破断位置に発生するいわゆる「かえり」と呼ばれる凸部の発生が少ない。
5)上記3)の場合、開口強度の低下は起るものの、缶蓋材として、内圧の上昇・衝撃的な荷重の付与に対する剛性は十分に高い。
6)単一方向の大きな歪み量の加工では、表面のめっき層や被膜層の変形に対する追随性には限界があり、容易にこれらの層が剥離して地鉄が露出するが、繰り返し加工であれば、これらの層の地鉄の変形に対する追随性は良好で、地鉄の露出を有効に防止することができる。
【0012】
この発明は、上記の知見に立脚して、スコア部形状の制御および加工履歴の最適化について鋭意検討を行った結果、開発されたものである。
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである
【0033】
.イージーオープン缶のオープンエンドの製造方法において、該イージーオープン缶の素材として、C:0.1wt%以下、Si:0.30wt%以下、Mn:1.00wt%以下、Al:0.005〜0.20wt%およびN:0.020 wt%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、表面に、金属系めっき層および有機樹脂被覆層のいずれか単層または複数層あるいは両者の複合層からなる表面処理層を有する冷延鋼板を用い、該オープンエンドにスコアを形成するに当たり、まずスコア加工想定部に一方向から、予備せん断加工量が板厚の10〜50%である予備せん断加工を施し、ついで、それとは逆の方向から戻しせん断加工を、該予備せん断加工および該戻しせん断加工によるせん断破壊部が板厚の30〜90%となる条件下で施し、さらに該スコア部の加工時または加工後に、鋼板を 150 250 ℃に加熱することを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
.上記において、前記冷延鋼板が、さらに、Nb:0.003〜0.02wt%、Ti:0.003〜0.02wt%およびB:0.0005〜0.004 wt%のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
【0035】
.上記1または2において、前記表面処理層が有機樹脂被覆層を含む場合に、加熱温度を有機樹脂のガラス転移点以上とすることを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
【0036】
.上記1または2において、前記表面処理層がSnめっき層である場合に、加熱温度をSnの融点以上とすることを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
【0037】
.上記1または2において表面処理層がSnめっき層である場合、または上記において、地鉄表面に、予めNiの拡散層を形成させておくことを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
【0038】
.上記1〜4のいずれかにおいて、素材である冷延鋼板について、冷間圧延後の焼鈍を省略することを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
【0039】
.上記1〜6のいずれかにおいて、素材である冷延鋼板の焼鈍工程において、5ppm 以上の脱炭を施すことを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の特徴であるスコアの形成方法について説明する。
1)スコア加工想定部分に予備加工を加える(図1参照)。
図1に示すように、スコア加工想定部分に一方向から予備せん断加工を施す。この加工により、表層部はせん断破壊が生じた状態となり、また中央部はせん断加工を受けた状態となる。
2)次に、上記した予備せん断加工部に逆方向から戻しせん断加工を付与する(図2参照)。
この戻しせん断加工により、素材表面は、ほぼ初期状態の平坦な状態に戻る。
3)最終的に全板厚の30〜90%をせん断破壊させた状態とする(図3参照)。
上記した1),2)の加工履歴をスコア加工想定部に加えることで、板厚方向でみると、表側および裏側には形状的に鋭い(かつ開口部の小さい、すなわち閉じた)割れ部分(せん断破壊部)が、また中央部には板厚の10〜70%を占める強い繰り返しせん断歪みを受けた部分が存在することになる。
【0041】
上記のようにして形成したスコア部は、開口時には、表・裏面に存在する鋭い切り欠きによる大きな応力集中によって、割れが進行する。割れが進行する部分は破断は生じていないものの、すでに大きな繰り返しせん断歪みを受けているため、材料自体の延性が低下しているので、割れは容易に進展する。
また、最終せん断破壊位置(かえりの生成位置) は、少なくとももとの板材に対して、板厚方向のより内部に相当するし、さらに素材の延性も低下傾向にあるので、大きなかえりを生成することはなく、その発生形態から実際の使用に当たって手、指の切傷等の発生のおそれはない。
【0042】
また、開口部の耐さび性については、次のように説明される。
すなわち、予め錫などのめっき層が存在する場合、予備せん断加工により一部は剥離するが、その量はわずかであって大半は鋼板に追随して表面を被覆した状態で存在する。このような状態で、この発明のように、さらに逆方向のせん断を行うことは、めっきの被覆を回復する方向であると共に、せん断部分に被覆材を寄せ集めるような効果も期待できる。従って、成形終了時点においては、下地の鉄の露出は極めて軽微なものとなる。
さらに、その後、加熱処理を施してやれば、めっき層の破断部がリフロー効果により修復されるので、耐さび効果は完全に回復する。
【0043】
以下、この発明について具体的に説明する。
まず、この発明の適用範囲について説明すると、この発明に係るスコア形成技術は、スチール缶に適用することができる。
また、適用素材については、十分な成形性を有する冷延鋼板であればいずれもが有利に適合するが、缶用鋼板は特に好適である
【0044】
ここで、缶用鋼板の好適組成は次のとおりである。
すなわち、
C:0.1 wt%以下、
Si:0.30wt%以下、
Mn:1.00wt%以下、
Al:0.005 〜0.20wt%、
N:0.020 wt%以下
を含有し、また必要に応じ
Nb:0.003 〜0.02wt%、
Ti:0.003 〜0.02wt%、
B:0.0005〜0.004 wt%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部は実質的にFeの組成になるもの。
【0045】
なお、上記した好適素材鋼板において成分組成を上記の範囲に限定した理由は次のとおりである。
C:0.1 wt%以下
C量が 0.1wt%を超えると、鋼板中に存在する炭化物の分率が急激に増加し、鋼板の延性が著しく劣化するので、C量は 0.1wt%以下とする必要がある。さらに、加工性の面からは0.02wt%以下とするのが望ましい。
なお、下限は特に設定しないが、C量が0.0005wt%未満になると、結晶粒の粗大化が顕著になり、いわゆるオレンジピール現象に類似した肌荒れ不良が発生する危険性が増大するので、C量は0.0005wt%以上とすることが望ましい。
さらに、高度な材質安定性と優れた延性を必要とする場合には0.0015〜0.015 wt%の範囲が望ましい。
【0046】
Si:0.30wt%以下
Siは、過度に含有されると表面処理性が劣化し、ひいては耐食性の劣化等の問題が生じるので、その上限を0.30wt%とした。特に優れた耐食性が要求される場合は、0.02wt%以下が好適である。
【0047】
Mn:1.00wt%以下
Mnは、Sによる熱間割れを防止するのに有効な元素であり、含有S量に応じて添加する必要がある。またMnは、結晶粒を微細化する効果があるので、あの程度の添加は材質上望ましい。
一方、Mnを多量に添加すると、耐食性が劣化するだけでなく、鋼板を硬質化させ、冷間圧延を悪化させて、最終的に蓋材としての開口性を劣化させるので、その上限を 1.0wt%とした。より良好な耐食性および成形性が要求される用途では0.60wt%以下、さらには0.20wt%以下が望ましい。
【0048】
Al:0.005 〜0.20wt%
Alは、脱酸剤として少なくとも 0.005wt%の含有を必要とするが、含有量が多くなると表面性状の悪化、固溶Nの顕著な低下につながるため、その上限を0.20wt%とした。なお、材質の安定性という観点からは、 0.008〜0.060 wt%が望ましい。
【0049】
N:0.020 wt%以下
N含有量が 0.020wt%を超えると、鋼板の表面欠陥の発生率が高くなるだけでなく、連続鋳造時のスラブ割れなどの発生も顕著となるため、その上限を0.020 wt%とした。N添加により鋼を強化することで、缶蓋の耐圧強度、耐衝撃強度を向上させることができ、またそれらを十分なレベルに維持した上での鋼板の薄肉化なども可能になる。さらに、このようなNの固溶強化を利用した場合であっても、この発明法の蓋材では開蓋性の悪化はほとんどないという特長を有している。なお、特に下限は規定しないが、蓋材としての強度が必要な場合にはおおむね30 ppm以上のNを添加することによって上記の望ましい効果が発揮される。
なお、製造工程全体を考慮した材質の安定性・歩留り向上という観点からは、0.015 wt%以下の範囲がさらに好適である。特に、蓋材としての強度が要求されない用途では、20 ppm程度の低窒素鋼の適用が望ましい。
【0050】
上述した鋼組成で、要求特性を十分に満足する鋼材が得られるが、さらにこれらの特性を改善する元素として、Nb, TiおよびBを選択的に添加することは有利である。
Nb:0.003 〜0.02wt%
Nbを添加することによって、鋼板の微視組織の微細化が可能である。鋼板組織の微細化により、EOE加工後、使用時までに加えられる衝撃的な荷重に対する信頼性が著しく向上する。このような効果が得られるのは、おおむね 0.003wt%以上の添加からである。しかしながら、0.02wt%を超えて添加してもこれらの効果は飽和することに加え、再結晶温度が著しく上昇するため、鋼板の製造に際し焼鈍処理が困難となる。従って、Nb添加量は 0.003〜0.02wt%程度とするのが好ましい。
【0051】
Ti:0.003 〜0.02wt%
Tiを添加することで、Nbと同様、鋼板の微視組織の微細化が可能である。またTi添加により、介在物の形態制御が達成され、EOE加工後、使用時までに加えられに衝撃的な荷重に対する信頼性が顕著の向上する。このような効果が得られるのは、おおむね0.003 wt%以上の添加からである。しかしながら、0.02wt%を超えて添加してもこれらの効果は飽和するだけでなく、再結晶温度が著しく上昇するため、鋼板の製造に際し焼鈍処理が困難となる。従って、Ti添加量は0.003 〜0.02wt%程度とするのが好ましい。
【0052】
B:0.0005〜0.004 wt%
Bを添加することによって、鋼板の成形性、特に局部延性を改善できる。このような効果が発揮されるのは0.0005wt%以上の添加からである。しかしながら、0.0040wt%を超えて添加した場合は、このような効果が飽和することに加え、逆に降伏応力が増加し、加工性が劣化する。従って、B添加量は0.0005〜0.004 wt%程度とするのが好ましい。
なお、上記したNb, Ti, Bは単独の添加のみならず、2種以上を複合添加した場合であっても、各々の効果が相殺されることはない。
【0053】
上記した好適成分組成に調整された鋼スラブに、熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、ついで軽スキンパスまたは5〜30%程度の2次冷延を施して得た冷延鋼板を素材として使用するが、さらにこの冷延鋼板の表面に電気錫めっき、クロメート処理等の金属系めっきやPETフィルム、塗料等の有機樹脂被覆を施した表面処理鋼板は一層有利である。
【0054】
次に、上記鋼素材の好適製造条件について説明する。
スラブは、成分のマクロな偏析を防止すべく連続鋳造法で製造することが望ましい。連続鋳造されたスラブはそのまま一旦室温まで冷却しても、また冷却することなく直接に加熱炉に高温装入されても良い。
【0055】
仕上げ圧延温度は、特に規制条件とはならないが、通常のように 850℃以上とすることで、均一微細な熱延母板組織を得ることができ、これにより最終製品の組織の均一微細化を図ることができる。しかしながら、 950℃を超える仕上げ圧延温度では、スケールに起因した疵の発生が顕著となり、表面の健全性が強く要求される缶用鋼板の分野においてははなはだ好ましくない。材質均一性からさらに望ましいのは 880〜920 ℃の範囲である。
熱延巻き取り温度についても、特に規制されることはないが、通常缶用の極薄鋼板の母板で行われているような、中間的な温度として、 550〜750 ℃程度が推奨される。
【0056】
焼鈍条件;再結晶温度以上 800℃以下
材料の延性を向上させるには、再結晶温度以上での焼鈍が必須となる。しかしながら、 800℃を超える焼鈍を行った場合は著しい粒成長が生じるため、成形後の肌荒れが顕在化する危険性が増大する。従って、焼鈍温度は再結晶温度以上、800 ℃以下が好適である。板厚が0.35mm以下の極薄物である缶用鋼板においては、生産性の向上の観点からより低温・短時間(おおむね20秒程度)の焼鈍が有利である。
【0057】
焼鈍後の冷間圧下率;軽スキンパスまたは5%以上40%以下
焼鈍後の2次冷延は、鋼板の表面状態の調整と、用途に応じた強度レベルに調整する目的で実施される。焼鈍後に1%以上程度の軽スキンパスを行わないと、詳細な機構は不明であるが表面が不均一な変形をするためか、製品として加工後の表面の美麗さが顕著に低下する。またこの圧下率が40%を超えると延性の劣化が顕著となり、成形時の破断等を生じる危険性が増大する。
【0058】
仕上げ圧延機入側でシートバー接合を行う連続的な圧延(エンドレス圧延)
エンドレス圧延を行うことで、鋼帯の先端・後端部での熱間圧延がより定常的な条件で行われるようになるため、特に長手方向の材質の均一性が安定して高められる。また、この手法によれば、先端・後端の通板が安定して行われるため、最終製品の母板となる熱延母板の形状・寸法を極めて高い精度で確保できる。
【0059】
熱延時に摩擦係数が 0.2以下の潤滑圧延を行う
熱延時に潤滑圧延を行うことにより、詳細な機構は不明であるが、特に熱延コイルの先端部および後端部の最終的な材質の変動を軽減できる。おそらく、熱延時に板厚方向の歪み分布がより均一化することにより、変態・析出時の種々の冶金現象がより均一に進行するためと推定している。熱延時の潤滑条件を種々に変化させ、材料の変化を調査した結果、どのような潤滑剤を使用した場合であっても圧延時の摩擦係数を 0.2以下さらに望ましくは0.15以下とすることで顕著な材質均一化効果が得られた。
【0060】
表面処理
上記のようにして製造された冷延鋼板には、通常、耐さび性向上のため、表面処理が施される。かかる表面処理としては、通常の缶用鋼板に適用されているものであればいずれでも良く、例えば、金属系めっきとしては、錫めっき、クロムめっき、ニッケルめっき、ニッケル・クロムめっき、さらにはクロメート処理などがある。また、有機樹脂被覆としては、PET等の有機樹脂フィルム、塗料などがある。
なお、上記の金属系めっきおよび有機樹脂被覆は、それぞれ単層としても複数層としてもいずれでも良く、さらには金属系めっきと有機樹脂被覆の複合層としても問題はない。
【0061】
以上、素材冷延鋼板の代表的な製造方法について説明したが、上記の工程のうち焼鈍工程を省略して、素材金属板として加工硬化したものを用いることは、蓋材としての強度を向上させる点で、またより薄い厚みで同等の蓋材強度を確保できる点で有利である。
というのは、強度の高い、より薄い材料を素材とすることで、1缶当たりに使用される金属素材のコストを低減することができるからである。
【0062】
この焼鈍省略方法は、素材として、C量が0.0015wt%以下の高純度・極低炭素鋼を用いた場合に特に有効で、焼鈍工程を省略することによる製造コスト上の利点の他に、合金元素の表面濃化(焼鈍中における)がないので耐食性が向上する等の利点がある。
なお、このように焼鈍を省略しても、開蓋性および開口部安全性に対する不利はない。
【0063】
また、上記の焼鈍工程において、または別途に、脱炭処理を施して、鋼板表面に脱炭層を形成することは、蓋材を構成した場合に、開口性をさらに改善できる点、および成形時における金型(工具)の摩耗を軽減して金型寿命を延長することができる点で有利である。
ただし、この効果は、脱炭量が5ppm に満たないと十分には発揮されないので、かような脱炭処理を施す場合には脱炭量を5ppm 以上とする必要がある。
なお、脱炭処理手段としては、連続焼鈍炉内における水素ガス濃度、露点等の調整が有利である。
【0064】
上記のようにして製造した素材に、次のようにしてスコア部を形成する。
すなわち、前掲図1に示したように、スコア加工想定部分に一方向から予備せん断加工を施す。この加工により、表層部にはせん断破壊が生じた部分が、中央部にはせん断加工を受けた部分が生じる。
開口性を向上させるには、この段階でより大きなせん断加工を行う方が望ましいが、加工量が板厚の50%を超えると、後述する戻しせん断加工後に満足いくほどのスコア部強度が確保できない。一方、全板厚に対しておおむね10%以上の予備せん断加工を行うことで最終的に開口性に優れたスコア部を形成させることができるので、予備せん断加工量は10〜50%とする必要がある
この際、クリアランスの設定は、最終的に残存するクラック(切り欠き)部の形状に影響を及ぼす。クリアランスを小さく設定すると、最終的により鋭い切り欠き部分を形成させることができるので有利であるけれども、過度に小さなクリアランスを設定することは、金型の摩耗などの面では不利となる。おおむね板厚の+10%〜−10%が推奨される。
【0065】
次に、上記した予備せん断加工部に逆方向から戻しせん断加工を付与する。
この工程は、上記した予備せん断加工とは全く逆に行うことが最も望ましいが、前掲図2に示したように、圧縮・押圧等の簡易手段によってせん断部を予備せん断以前の平坦な状態に戻すことによっても同様の効果を得ることができる。なお、この際には逆せん断を付与することが重要であり、完全に初期状態の平坦な状態に戻すことは必ずしも必須ではない。
また、戻しせん断加工によって図2の下面側に導入されるせん断破壊量は、塑性変形のため予備せん断加工量よりも小さくなる傾向にある。このため、50%程度の予備せん断加工を加え、同じ程度の戻し加工を加えても、せん断破壊部は必ずしも貫通するわけではない。
【0066】
上記した1),2)の加工履歴をスコア加工想定部に加えることで、前掲図3に示したように、板厚方向でみると、表側および裏側には形状的に鋭い割れ部分すなわちせん断破壊部が、また中央部には板厚の10〜70%を占める強い繰り返しせん断歪みを受けた部分が存在することになる。
せん断的に破壊している部分が30%以上存在することで、開口性(開口に要する力、ネルギーの低下)が顕著に向上する。しかしながら、該部分が90%を超えると、単体強度の顕著な低下を生じ、缶内圧の上昇、衝撃応力などに対しての信頼性が著しく低下する。従って、せん断破壊部は全板厚の30〜90%とする必要がある
【0067】
上記のようにして形成されたスコア部は、開口時には、割れは容易に進行するので、開口性の点で問題はない。
また、最終せん断破壊位置(かえりの生成位置) が、少なくとももとの板材に対して、板厚方向のより内部に相当しており、また素材の延性も低下傾向にあるので、大きなかえりが生じることはなく、従って開缶後の開口部安全性にも優れている。
さらに、予め錫などのめっき層が存在する場合には、せん断加工により一部は剥離するものの、その量はわずかであり、また逆方向の戻しせん断加工によって幾分かは補修されるので、耐さび性についても向上する。
なお、スコア加工時またはスコア加工後、加熱軟化処理を施してやれば、強加工部の延性を適度に回復させて不安定な破壊を防止することができ、保管時における容器の信頼性を向上させることができる。
かような軟化処理は、冷延鋼板を素材とする場合、十分な軟化効果を得るために 150℃以上とする必要がある。また 250℃を超える加熱は、テンパーカラー発生の点で好ましくない
【0068】
また、上記の加熱軟化処理により、表面処理層の破断部はリフロー効果によって修復され、耐さび効果は完全に回復するが、この効果を十分に発揮させるためには、加熱温度は、表面処理層がSnめっき層である場合にはSnの融点(232 ℃)以上、また表面処理層が有機樹脂被覆層である場合にはガラス軟化点以上とすることが望ましい。
【0069】
さらに、金属系めっきとして、特にSnめっきを施す場合には、地鉄表面に、予めNiの拡散層を形成させておくことが有利である。
というのは、地鉄表面に、予めNiの拡散層を形成させておくと、層構造体として電気化学的な電位差が小さくなるため腐食速度が顕著に低下するからである。
このようなNi拡散層の形成は、連続焼鈍炉の入側にて0.10 g/m2 以下程度の薄いめっきを施し、通常の条件で焼鈍することで達成される。
【0074】
【実施例】
実施例
素材としては、C:0.03wt%、Si:0.02wt%、P:0.005 wt%、Mn:0.15wt%、Al:0.045 wt%、S:0.010 wt%およびN:0.0035wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる鋼スラブを、次の条件
・スラブ加熱温度:1250℃
・仕上げ圧延温度:850 ℃
・仕上げ厚み:2.0 mm
・1次冷延圧下率:90%
・焼鈍:連続焼鈍(700 ℃−20s過時効なし)
・2次冷延圧下率:1.5 %(スキンパス)
で製造した冷延鋼板(厚み:0.20mm)およびその表面に目付量:2.8 g/m2のSnめっきを施した25#ブリキ板を用いた。なお、ブリキ板については、エポキシエステル系の塗装を施して試験に供した。
上記の各素材鋼板に、図1,2に示す要領で、スコア加工想定部に、表1に示すような種々の加工量で予備せん断加工を施し、ついで同じく表1に示すような種々の加工量で戻しせん断加工を施して、表1に示すせん断破壊部比率になる、長円形状(長さ40mm、半径10mmφ−20mmφ)のオープンエンドスコア部を形成した。
また、一部については、その後に 210℃、20 minの加熱軟化処理を施した。
かくして得られたオープンエンドスコア部を開口したときの開口性、開口部安全性および耐さび性について調査した結果を、表2に併記する。
なお、開口性は、引張り試験機で引張り荷重を負荷して荷重−変位の関係から測定したポップ値、テイア値およびデタッチ値(いずれもN= 10 の平均)で評価した。ここに、ポップ値とはタブを起こして初期クラックが生成されるに要する応力、テイア値とはスコア部でせん断破壊を安定して継続させる必要な応力およびデタッチ値とはタブが蓋本体から離脱するのに必要な応力であり、板厚、デザインなどに大きく依存する数値ではあるが、これまでの知見からそれぞれ 2.0, 3.5, 4.0 kgf 以下程度であれば開口性はおおむね良好と言える。
また、耐さび性は、材料を結露・乾燥を繰り返す環境で約1か月保持し、表面特にスコア成形部分におけるさび発生の有無で評価した。
なお、表1には、比較のため、従来法に従い、一方向からのプレスノッチによってスコア部を形成した場合の調査結果も、併せて示す。
【0075】
【表1】
Figure 0003845994
【0076】
この発明に従うスコア加工を行うことにより、スコア部の開口性、開口部安全性および耐さび性に優れたオープンエンドを得ることができた。特にスコア加工後、加熱処理を施した場合は、耐さび性が一層向上することが確認された。
【0077】
参考例1
表2に示す成分組成になる鋼スラブを、表3に示す種々の条件で処理して冷延鋼板とした。ついで、冷延鋼板の一部については、同じく表3に示すSnめっき、Crめっき等の金属系めっき層またはエポキシアミノ系クリア、 PETフィルム等の有機樹脂被覆層、さらには金属系めっきと有機樹脂との複合層を被成した。
上記の各素材鋼板に、実施例1と同様にして、長円形状(長さ40mm、半径10mmφ−20mmφ)のオープンエンドスコア部を形成した。
かくして得られたオープンエンドスコア部を開口したときの開口性、開口部安全性および耐さび性について調査した結果を、表4に示す。
【0078】
【表2】
Figure 0003845994
【0079】
【表3】
Figure 0003845994
【0080】
【表4】
Figure 0003845994
【0081】
この例は、スコア加工後の加熱軟化処理を省略した参考例であるが、この発明に従う条件下でスコア加工を行うことにより、開蓋性に優れ、かつ破断面に安全上好ましくない大きな「かえり」などが発生しない望ましいスコアが成形されることが明らかである。
この発明条件で成形されたスコアを有する蓋を取り付けた3ピース缶を製造し、水を充填して、加熱することで約2bar の内圧を発生させてその耐圧性を評価したところ、この発明条件で製造したものは従来のスコア成形法によるものと同等の耐圧性能を有していることが確認された。
また、同様に準備した試料缶をコンクリート面の上に1.5mm 高さから落下させて、スコア部の耐衝撃特性を調査したところ、この発明条件で製造されたスコア部は従来の方法で製造されたスコア部のほぼ同等の耐衝撃特性を有していることが明らかとなった。
【0082】
実施例
素材としては、
鋼A--- C:0.0018wt%、Si:0.01wt%、Mn:0.50wt%、P:0.004 wt%、Al:0.055 wt %、S:0.007 wt%、N:0.0095wt%およびNb:0.005 wt%を含有し、残部は実 質的にFeの組成
鋼B--- C:0.0018wt%、Si:0.01wt%、Mn:0.50wt%、P:0.004 wt%、Al:0.055 wt %、S:0.007 wt%、N:0.0095wt%、Ti:0.008 wt%およびB:0.0005wt%を 含有し、残部は実質的にFeの組成
になる鋼スラブを、それぞれ次の条件
・スラブ加熱温度:1250℃
・仕上げ圧延温度:890 ℃
・仕上げ厚み:2.3 mm
・1次冷延圧下率:90%
・焼鈍:連続焼鈍(750 ℃−20s過時効なし)
・2次冷延圧下率:10%(スキンパス)
で製造した冷延鋼板(厚み:0.20mm)およびその表面に目付量:6.5 g/m2のSnめっきを施した硬度:60のブリキ板を用いた。
上記の各素材鋼板を用いて、表5に示す条件で 202径(約54.0mmφ)のSOT(Stay−on−tab)蓋を作製し、諸特性を調査した。スコア成形法は、従来法のものと、この発明法によるものとで比較した。この時、開口性などに最も大きな影響を及ぼすと考えられるスコア残厚量を等しく設定した。
また、No.1については、その後に 240℃, 0.5minの加熱軟化処理を施した。
かくして得られたオープンエンドスコア部を開口したときの開口性、開口部安全性および耐さび性について調査した結果を、表5に併記する。
【0083】
【表5】
Figure 0003845994
【0084】
同表より明らかなように、この発明に従い得られたオープンエンドはいずれも、スコア部開口性、開口部安全性および耐さび性の全てに優れていた。
【0085】
参考例2
実施例3の鋼Aと同一の鋼板を素材とし、表面処理として、金属Crを 100 mg/m2、酸化Crを20 mg/m2それぞれめっきした鋼板を製造し、その上に20μm 厚みのPETフィルムを熱融着させたフィルムラミネート鋼板を製造した。
ついで、表6に示す条件でスコア加工を行い、実施例3と同様にして開口性、開口部安全性および耐さび性について調査した。
得られた結果を表6に併記する。
【0086】
【表6】
Figure 0003845994
【0087】
この例は、スコア加工後の加熱軟化処理を省略した参考例であるが、同表より明らかなように、加熱軟化処理前の段階でも、得られたオープンエンドはいずれも、スコア部開口性、開口部安全性および耐さび性の全てに優れていた。
【0088】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、スコア部の開口性および開口部安全性に優れるだけでなく、耐さび性にも優れたオープンエンドを、簡便かつ安価に得ることができる。
特に、この発明は、アルミ材で多く製造されていた缶蓋材に替わって鉄材を適用する場合に、従来問題とされた、余分な補修塗装を必要とすることなしに、イージーオープン缶蓋を製造することができ、またこのイージーオープン缶蓋は、開口の際、その切り口に従来のような鋭い「かえり」を生じることがないため、その部分で手、指、口先等を切傷するなどの危険が極めて小さい、すなわち極めて高い安全性を有する点で大きな利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】素材鋼板に予備せん断加工を施した状態を示した図である。
【図2】予備せん断加工後、逆方向からの戻しせん断加工を付加する状態を示した図である。
【図3】予備せん断加工ついで戻しせん断加工を施した後の素材鋼板の脆化状態を示した図である。

Claims (7)

  1. イージーオープン缶のオープンエンドの製造方法において、該イージーオープン缶の素材として、C:0.1 wt%以下、Si:0.30wt%以下、Mn:1.00wt%以下、Al:0.005〜0.20 wt%およびN:0.020 wt%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、表面に、金属系めっき層および有機樹脂被覆層のいずれか単層または複数層あるいは両者の複合層からなる表面処理層を有する冷延鋼板を用い、該オープンエンドにスコアを形成するに当たり、まずスコア加工想定部に一方向から、予備せん断加工量が板厚の10〜50%である予備せん断加工を施し、ついで、それとは逆の方向から戻しせん断加工を、該予備せん断加工および該戻しせん断加工によるせん断破壊部が板厚の30〜90%となる条件下で施し、さらに該スコア部の加工時または加工後に、鋼板を 150 250 ℃に加熱することを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
  2. 請求項において、前記冷延鋼板が、さらに、Nb:0.003〜0.02wt%、Ti:0.003〜0.02wt%およびB:0.0005〜0.004 wt%のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記表面処理層が有機樹脂被覆層を含む場合に、加熱温度を有機樹脂のガラス転移点以上とすることを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
  4. 請求項1または2において、前記表面処理層がSnめっき層である場合に、加熱温度をSnの融点以上とすることを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
  5. 請求項1または2において表面処理層がSnめっき層である場合、または請求項において、地鉄表面に、予めNiの拡散層を形成させておくことを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかにおいて、素材である冷延鋼板について、冷間圧延後の焼鈍を省略することを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、素材である冷延鋼板の焼鈍工程において、5ppm 以上の脱炭を施すことを特徴とする、開蓋性と開口部安全性およびスコア加工部の耐さび性に優れたオープンエンドの製造方法。
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