JP3842699B2 - 飲料ディスペンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、飲料ディスペンサに関し、更に詳細には、冷却水を貯留する貯水槽の内側に配設された蒸発管を冷却し、この蒸発管の周囲に冷却水の一部を氷結させると共に、氷結していない冷却水を循環させることにより、貯水槽に収納された飲料タンク内の飲料を冷却するようにした飲料ディスペンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジュースや炭酸飲料等の冷たい飲料を注出する装置として、畜氷式の飲料ディスペンサが知られている。図7に示すように、この飲料ディスペンサ10は、冷却水13が貯留された貯水槽14が装置本体12の内部に配設されると共に、該貯水槽14の内部に、所要量の飲料を貯留する飲料タンク16が、冷却水に略全体を浸漬させた状態で収納配置される。また飲料タンク16の外側面と貯水槽14の内側面との間に画成された空間には、該貯水槽14の内側面に沿って蒸発管18が巻回状態で配置されている。この蒸発管18は、装置本体12の内部に配設された圧縮機20や凝縮器22等からなる冷凍装置23に接続されており、該冷凍装置23の運転に伴って冷媒が循環供給されて冷却されることにより、その周囲に冷却水13の一部が氷結して氷塊39が生成されるようになっている。
【0003】
また前記飲料タンク16は、図に示すように、前記貯水槽14の内径よりも充分に小さい外径に設定され、その底部が該貯水槽14の内底部から所定間隔離間した状態で配設された円筒形状の部材であって、その上端部から略中央部に掛けての外周部に、外部水道系に連通する給水パイプ24の一部が巻回状態で配設されている。この給水パイプ24は、その一端部が飲料タンク16の上端部から内部に臨むようになっており、給水電磁弁25を開放したもとで加圧ポンプ26を駆動することで飲料水が適宜タイミングで噴霧供給されるようになっている。
【0004】
また飲料タンク16の外周部には、前記給水パイプ24と干渉しない略中央部から下端部に至る部位に掛けて、該給水パイプ24と同様に、注出パイプ28の一部が巻回状態で配設されている。この注出パイプ28は、飲料タンク16の底部に一端部が接続されると共に、他端部が貯水槽14の外部に引出されて注出バルブ29に接続されている。なお飲料タンク16には、ガスボンベ32から供給パイプ30を介して炭酸ガスが供給され、タンク16内で炭酸飲料を生成し得るようになっている。
【0005】
更に、前記貯水槽14の内底部には、該貯水槽14の外部底面に配設された循環ポンプ38に連通接続される吐出管34および吸引管36が配設されている。吐出管34は、図に示すように、貯水槽14の内底部に沿って所要長さで延在すると共に、蒸発管18に近接する両端部位が上方に向けて屈曲成形されて、その吐出口34aを上向きに開口している。また吸引管36は、吐出管34における吐出口34a,34aの間に臨む貯水槽14の略中央部において、その吸引口36aを上向きに開口している。
【0006】
前記飲料ディスペンサ10が起動すると、前記圧縮機20および凝縮器22等からなる前記冷凍装置23から蒸発管18に冷媒が循環供給され、この蒸発管18が経時的に冷却することで、貯水槽14に貯留された冷却水の一部が順次氷結し、蒸発管18の周囲に所要厚みの氷塊39が生成される。またこの工程に対して適宜タイミングで前記加圧ポンプ26が駆動することで、給水パイプ24を介して飲料タンク16に飲料水が噴霧供給されると共に、前記ガスボンベ32からの炭酸ガスが供給パイプ30を通して同じく飲料タンク16に供給されて混合される。これにより、飲料タンク16の内部で炭酸飲料が生成される。更に、適宜タイミングで前記循環ポンプ38が起動することにより、冷却水13が吸引管36の吸引口36aから吸込まれ、しかる後に前記吐出管34の吐出口34aを介して貯水槽14の内部に吐出される。このように前記氷塊39によって冷却されている冷却水13を、吐出管34と吸引管36とを介して貯水槽14内で循環させることにより、飲料タンク16内に貯留した炭酸飲料、給水パイプ24や注出パイプ28を流通する飲料水や炭酸飲料を効率的に冷却することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記飲料ディスペンサ10では、吐出管34の吐出口34aからは、冷却水13が貯水槽14の底部から上方に向けて吐出されるが、前記吸引管36の吸引口36aが吐出口34aと隣り合った位置に臨んでいるため、該吐出口34aから吐出された冷却水13が飲料タンク16の側面部まで充分に行き渡る前に吸引口36aに吸込まれてしまう。このため、飲料タンク16の外周囲において冷却水13の充分な撹拌が行なわれず、飲料タンク16に貯留されている炭酸飲料、給水パイプ24や注出パイプ28を流通する飲料水や炭酸飲料の冷却が効率的に行なわれなくなったり、飲料タンク16に貯留されている炭酸飲料が上下位置で温度差を生ずる問題がある。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に係る飲料ディスペンサに内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、貯水槽の内部で効率的に冷却水を循環させることで、飲料タンクに貯留されている飲料を効率的に冷却し得るようにした飲料ディスペンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る飲料ディスペンサは、
冷却水が貯留される貯水槽と、該貯水槽の内部に浸漬状態で収納される飲料タンクと、該飲料タンクと貯水槽との間に配設された蒸発管とを備え、該蒸発管に冷媒を供給して冷却することでその周囲に冷却水の一部を氷結させ、前記貯氷槽の内底部に配設されて氷結しない冷却水を飲料タンクと蒸発管との間に臨む吸引管の上向きに開口する吸引口で吸込むと共に吐出管の上向きに開口する吐出口から吐出することで循環させる飲料ディスペンサにおいて、
前記吸引管の吸引口と、前記吐出管の吐出口との間を、該吐出口からの冷却水の吐出方向に所定長さに亘って仕切る仕切部材を配設したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る飲料ディスペンサにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、図7を参照して従来の技術で説明した既出の同一部材に関しては、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0011】
【第1実施例】
図1は、第1実施例に係る飲料ディスペンサを示すものであって、前記貯水槽14の内底部に配設される吐出管34の吐出口34aは、前記蒸発管18の周囲に生成される氷塊39と飲料タンク16との間において、該氷塊39に近接する位置で上向きに開口している。これに対して前記吸引管36の吸引口36aは、吐出管34における吐出口34a,34aから離間する貯水槽14の略中央部において上向きに開口している。そして第1実施例においては、貯水槽14の内底部に、前記吸引管36の吸引口36aと、前記吐出管34の吐出口34aとの間を仕切る仕切部材40が配設される。この仕切部材40は、前記飲料タンク16の外径より大きく、より好適には該タンク16に巻回されている前記給水パイプ24や注出パイプ28の外径と略同一内径に寸法設定された円筒形状を呈し、その外側に吐出管34の吐出口34a,34aが臨むと共に、その内側に吸引管36の吸引口36aが臨むよう位置決めされ、両口34a,36aを空間的に仕切っている。
【0012】
また前記仕切部材40は、貯水槽14の内底部から飲料タンク16の底部に近接する高さ寸法に設定される。すなわち仕切部材40は、吐出管34の吐出口34aからの冷却水13の吐出方向に所定長さに亘って延在するよう設定され、吐出口34aから吐出された冷却水13が直ぐに吸引管36の吸引口36aに吸込まれるのを防止するよう構成される。なお、仕切部材40の下端は、貯水槽14の内底部に接している必要はないが、吐出管34の吐出口34aより下方に設定されることが好ましい。
【0013】
【第1実施例の作用】
次に、第1実施例に係る飲料ディスペンサの作用につき以下説明する。飲料ディスペンサ10が起動すると、前述した如く、前記圧縮機20および凝縮器22等からなる前記冷凍装置23から蒸発管18に冷媒が循環供給され、この蒸発管18の周囲に冷却水の一部が順次氷結することで、所要厚みの氷塊39が生成される。
【0014】
また適宜タイミングで起動する前記循環ポンプ38によって、貯水槽14内の冷却水13の一部が前記吸引管36の吸引口36aを介して該ポンプ38内に吸込まれ、しかる後に前記吐出管34の各吐出口34aを介して貯水槽14の内部に吐出される。吐出口34aから吐出される冷却水13は、前記氷塊39に沿って上方に移動した後、前記飲料タンク16の外側面に沿って下降し、前記吸引管36の吸引口36aに吸込まれるよう循環する。この場合に、吐出管34の吐出口34aと吸引管36の吸引口36aとは、吐出口34aから吐出される冷却水13の吐出方向に所定長さに亘って延在する前記仕切部材40により仕切られているから、吐出口34aから吐出された冷却水13が直ぐに吸引口36aから吸込まれるのは防止される。すなわち、冷却水13が飲料タンク16の下方でのみ循環するのは防止され、該タンク16の側部においても冷却水13が効率的に循環し、これによって飲料タンク16に貯留されている炭酸飲料、給水パイプ24や注出パイプ28を流通する飲料水や炭酸飲料等を効率的に冷却することができると共に、飲料タンク16に貯留されている炭酸飲料の全体を均一に冷却し得る。
【0015】
なお、前記仕切部材40により吐出管34の吐出口34aと吸引管36の吸引口36aとを仕切ることで、貯水槽14内の冷却水13の全体を効率的に循環させ得るから、貯水槽14に対する飲料タンク16、給水パイプ24や注出パイプ28の配設位置を自由に設定することができる。また、貯水槽14の内底部に仕切部材40を配設するだけの簡単な構成であるから、コストを低廉に抑えることが可能である。
【0016】
【第2実施例】
図2〜図6は、第2実施例に係る飲料ディスペンサを示すものであって、基本的な構成は前述した第1実施例と同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。また既出の同一部材については、同じ符号を付して示すこととする。
【0017】
第2実施例では、図3に示す如く、前記貯水槽14は平断面において略四角形に形成され、該貯水槽14の内側面に沿って前記蒸発管18が略四角形状の巻回状態で配置されると共に、該貯水槽14の内部中央に前記飲料タンク16が配置されている。この飲料タンク16の外周部には、図2および図5に示す如く、その上下方向の略中央部から下端部に至る部位に掛けて、前記給水パイプ24の一部が、タンク外周から所定間隔離間して巻回状態で配設されると共に、該給水パイプ24と干渉しない上端部側に前記注出パイプ28の一部が、同じくタンク外周から所定間隔離間して巻回状態で配設されている。なお、給水パイプ24および注出パイプ28の夫々において、上下の巻回部が相互に接するように配管され、該パイプ24,28の内周面と飲料タンク16の外周面との間に冷却水13の流通路が画成されるようになっている。
【0018】
前記貯水槽14の内底部に配設される吐出管50は、図4に示す如く、貯水槽14の中央部において前後方向(飲料ディスペンサ10の前後方向)に延在する第1分岐管50aと、該第1分岐管50aの各端部に夫々連通接続された第2分岐管50bを備える。両第2分岐管50b,50bは、内側に開放する略コ字状に形成されて、前記蒸発管18の周囲に生成される氷塊39の内側面に略沿って延在すると共に、その上側に複数の吐出口50cが所定間隔で上向きに開口するよう開設され、各吐出口50cから吐出される冷却水13が氷塊39の内側面に沿って上方に移動するよう構成される。なお、第1分岐管50aおよび第2分岐管50b,50bは、貯水槽14の内底面から所定高さで突出する凸状に形成されている。
【0019】
前記貯水槽14の内底部に配設される前記吸引管36の吸引口36aは、図4に示す如く、前記貯水槽14の中央部から所定位置の隅部側に偏倚し、かつ前記吐出管50における一方の第2分岐管50bの内側において上向きに開口している。
【0020】
前記貯水槽14の内底部に配設される第2実施例の仕切部材52は、図5および図6に示す如く、前記飲料タンク16に対して所定間隔離間して巻回されている前記給水パイプ24の外径と略同一外径に寸法設定された下円筒部52aと、該下円筒部52aの上側に形成されて給水パイプ24の内径と略同一外径に寸法設定された上円筒部52bとを備える。そして、下円筒部52aが、図3に示す如く、その外側に吐出管50の吐出口50cが臨むと共に、その内側に吸引管36の吸引口36aが臨むように吐出管50の内側に嵌合するよう配置され、該仕切部材52により吐出口50cと吸引口36aとの間を空間的に仕切るよう構成される。また仕切部材52の上円筒部52bは、前記給水パイプ24の内側に嵌合され、飲料タンク16と給水パイプ24との間を下降して上下の円筒部52a,52b内に入った冷却水13が、下円筒部52aの内側に臨む前記吸引管36の吸引口36aから吸込まれるようになっている。すなわち、第2実施例においても、両円筒部52a,52bから構成される仕切部材52は、吐出管50の吐出口50cからの冷却水13の吐出方向に所定長さに亘って延在し、吐出口50cから吐出された冷却水13が直ぐに吸引管36の吸引口36aに吸込まれるのを防止するよう構成される。なお、仕切部材52の下円筒部52aにおける周面には、前記吐出管50の第1分岐管50aが挿通される下方に開口する一対の凹部52c,52cが形成されており、両凹部52c,52cを第1分岐管50aに上側から嵌合することにより、当該仕切部材52の位置決めがなされるよう構成される。
【0021】
【第2実施例の作用】
次に、第2実施例に係る飲料ディスペンサの作用につき以下説明する。前記蒸発管18の周囲に所要厚みの氷塊39が生成された状態で、前記仕切部材52の外側に位置する吐出管50における複数の吐出口50cから吐出される冷却水13は、前記給水パイプ24および注出パイプ28と氷塊39との間を、該氷塊39の内側面に沿って上方に移動する。そしてこの冷却水13は、給水パイプ24および注出パイプ28と前記飲料タンク16との間を、該タンク16の外側面に沿って下降し、前記仕切部材52の内側に位置する前記吸引管36の吸引口36aに吸込まれるよう循環する。
【0022】
すなわち、第2実施例においても、吐出管50の吐出口50cと吸引管36の吸引口36aとは、吐出口50cから吐出される冷却水13の吐出方向に所定長さに亘って延在する前記仕切部材52により仕切られているから、前記第1実施例と同様の作用を奏する。なお、第2実施例では、仕切部材52の上円筒部52bを給水パイプ24の内側に嵌合し、前記吐出管50における吐出口50cからの吐出作用により冷却水13が上昇する、給水パイプ24および注出パイプ28と氷塊39との間に画成される流通路と、前記吸引管36における吸引口36aの吸引作用により冷却水13が下降する、給水パイプ24および注出パイプ28と飲料タンク16との間に画成される流通路とが略完全に仕切られているから、飲料タンク16内の炭酸飲料のより効率的な冷却を達成し得る。
【0023】
各実施例では、飲料タンクで炭酸飲料を生成する場合で説明したが、本願はこれに限定されるものでなく、他の飲料を貯留するものであってもよい。また仕切部材は、吐出管の吐出口と吸引管の吸引口とを空間的に仕切り得る筒状であればよく、実施例のような円筒形状に限らず、角筒等他の形状を採用し得る。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る飲料ディスペンサでは、貯水槽の内部に臨む吐出管の吐出口と吸引管の吸引口との間に仕切部材を配設したことにより、吐出口から吐出された冷却水が直ぐに吸引口から吸引されて両口が臨む部位のみの冷却水が循環するのを防止することができる。すなわち、貯水槽に貯留されている冷却水の全体を効率的に循環させることができ、これによって飲料タンクに貯留されている飲料の効率的で均一な冷却を達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な第1実施例に係る飲料ディスペンサを示す縦断側面図である。
【図2】 本発明の好適な第2実施例に係る飲料ディスペンサを示す縦断側面図である。
【図3】 第2実施例に係る飲料ディスペンサを示す横断平面図である。
【図4】 第2実施例に係る飲料ディスペンサから飲料タンク、給水パイプ、注出パイプおよび仕切部材を取外した状態で示す横断平面図である。
【図5】 第2実施例に係る飲料ディスペンサから取外した飲料タンク、給水パイプ、注出パイプおよび仕切部材を示す一部切欠き側面図である。
【図6】 第2実施例に係る仕切部材を示す平面図と側面図である。
【図7】 従来の技術に係る飲料ディスペンサを示す縦断側面図である。
【符号の説明】
13 冷却水,14 貯水槽,16 飲料タンク,18 蒸発管,34 吐出管
34a 吐出口,36 吸引管,36a 吸引口,40 仕切部材
50 吐出管,50c 吐出口,52 仕切部材
Claims (1)
- 冷却水(13)が貯留される貯水槽(14)と、該貯水槽(14)の内部に浸漬状態で収納される飲料タンク(16)と、該飲料タンク(16)と貯水槽(14)との間に配設された蒸発管(18)とを備え、該蒸発管(18)に冷媒を供給して冷却することでその周囲に冷却水(13)の一部を氷結させ、前記貯氷槽 (14) の内底部に配設されて氷結しない冷却水(13)を飲料タンク(16)と蒸発管(18)との間に臨む吸引管(36)の上向きに開口する吸引口 (36a)で吸込むと共に吐出管(34,50)の上向きに開口する吐出口 (34a,50c)から吐出することで循環させる飲料ディスペンサにおいて、
前記吸引管(36)の吸引口(36a)と、前記吐出管(34,50)の吐出口(34a,50c)との間を、該吐出口(34a,50c)からの冷却水(13)の吐出方向に所定長さに亘って仕切る仕切部材(40,52)を配設した
ことを特徴とする飲料ディスペンサ。
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