JP3841779B2 - リチウム二次電池用負極活物質及びその製造方法並びにリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極活物質及びその製造方法並びにリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用負極活物質及びその製造方法並びにリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池の負極活物質の高容量化の研究は、現在の負極活物質を炭素とする電池システムが実用化される以前から行われ、現在もSiやSn、Al等の金属材料を中心に活発に行われているものの、未だ実用化には至っていない。これは主として、充放電する際にSiやSn、Al等の金属がリチウムと合金化して体積の膨張収縮が生じ、これが金属の微粉化を招き、サイクル特性が低下するといった不具合を解決できないためである。そこで、この問題を解決すべく、下記特許文献1に示されているような非晶質合金や、下記非特許文献1または下記非特許文献2に示されているNi-Si系合金のように、リチウムと合金化が可能な金属及びリチウムと合金化しない金属からなる結晶質合金が検討されている。
特開2002−216746号公報 「第42回電池討論会予稿集」、社団法人電気化学会電池技術委員会、平成13年11月21日、p.296−297 「第43回電池討論会予稿集」、社団法人電気化学会電池技術委員会、平成14年10月12日、p.326−327
ところで、Si粉末を負極活物質とした場合には、サイクル特性の劣化の要因として、粉末自体の膨張収縮の他に、Si粉末表面での電解液の分解反応による特性劣化の可能性が指摘されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、粉末自体の膨張収縮を抑制するとともに、粉末表面での電解液の分解反応の発生を防止可能な負極活物質及びその製造方法並びにこの負極活物質を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、Si相及びSiM相を必ず含み、かつX相またはSiX相のいずれか一方または両方を含む多相合金粉末からなり、前記多相合金粉末の粒子表面におけるSi相の量が粒子内部におけるSi相の量より少な電子顕微鏡の面分析より得られる前記多相合金粉末の粒子表面上のSi含有量aと、粒子断面のSiの含有量bの比が、0.5≦a/b ≦0.95であり、比表面積が0.2m /g以上5m /g以下の範囲であることを特徴とする。ただし、前記MはNi、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素であり、元素XはAg、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素であり、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとする。
上記の負極活物質によれば、粒子表面におけるSi相の量が粒子内部におけるSi相の量よりも少ないか、もしくはほとんどSi相が存在しないため、主たる活物質相であるSi相による電解液の分解反応が抑制され、サイクル特性を向上することができる。
また、元素MはSiと合金化し、Liとは合金化しない元素であるため、粒子中にSi相の他にSiM相が含まれることにより、Si層単独の場合と比べて粒子自体の膨張収縮量を少なくすることができ、粒子自体の微粉化を防いでサイクル特性を向上することができる。
また、Si相より低抵抗であるX相またはSiX相のいずれか一方または両方が含まれるので、負極活物質の比抵抗を低減することができる。
なお、CuはSiと合金化するとともに、Siよりも低抵抗であるため、元素Mと元素Xの両方の性質を有する元素である。従って、本発明においては、元素Mと元素Xの双方にCuを加えることにするが、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとした。
更に、上記のSi含有量a及び含有量bについては、合金相SiM相と単相であるSi相を面分析で定量的に区別することがむずかしいことから、この場合のSi量にはSiM相のSiも含まれるとする。
また、本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、先に記載のリチウム二次電池用負極活物質であり、前記多相合金粉末の粒子表面に微細孔が形成されていることを特徴とする。
上記の負極活物質によれば、粒子表面に微細孔が形成されているため、粒子の比表面積が高くなり、リチウムイオンを速やかに吸蔵・放出させることが可能になり、高率の充放電特性を向上することができる。
尚、微細孔の平均孔径は10nm以上5μm以下の範囲が好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、先に記載のリチウム二次電池用負極活物質であり、前記多相合金粉末は、Ni、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素Mと、Ag、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素Xと、Siとを含む合金溶湯が急冷されて急冷合金粉末とされ、該急冷合金粉末がアルカリ性溶液に含侵されて粒子表面のSi相の一部または全部が除去されて形成されたものであることを特徴とする。ただし、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとする。
かかる負極活物質によれば、粒子表面におけるSi相の量を粒子内部におけるSi相の量よりも少なくすることができ、Si相による電解液の分解反応が抑制され、サイクル特性を向上することができる。また、合金粒子を形成する相の中で最も抵抗の高いSi相が減少することにより、粒子の表面抵抗を低下させることができ、高率特性を向上させることができる。
また、本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、先に記載のリチウム二次電池用負極活物質であり、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ロール急冷法のいずれかにより前記合金溶湯が急冷されたことを特徴とする。
かかる負極活物質によれば、Si相及びSiM相を必ず含み、かつX相またはSiX相のいずれか一方または両方を含む多相合金粉末を容易に得ることができる。特にガスアトマイズ法または水アトマイズ法によれば、球状粉末が得られるので、負極活物質の充填密度を高めることができ、負極活物質のエネルギー密度を高めることができる。
次に、本発明のリチウム二次電池は、先のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極活物質を備えたことを特徴とする。
このリチウム二次電池によれば、上記の負極活物質を備えているので、電解液の分解反応が抑制され、かつ粒子自体の膨張収縮量を少なくすることができ、これによりサイクル特性を向上することができる。
次に、本発明のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法は、Ni、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素Mと、Ag、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素Xと、Siとを含む合金溶湯を急冷して急冷合金粉末とし、該急冷合金粉末をアルカリ性溶液に含侵させて粒子表面のSi相の一部又は全部を除去する際に、Si相除去後の粉末の比表面積が、Si相除去前の急冷合金粉末の比表面積の1.2倍以上50倍以下になるまでアルカリ性溶液による含侵処理を行うことを特徴とする。ただし、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとする。
上記の負極活物質の製造方法によれば、元素Mと元素XとSiを含有する合金溶湯を急冷することによって、Si相及びSiM相を必ず含み、かつX相またはSiX相のいずれか一方または両方を含む急冷合金粉末を容易に形成することができる。そして、得られた急冷合金粉末をアルカリ性溶液に含侵させて粒子表面のSi相の一部または全てを除去することで、粒子表面におけるSi相の量を粒子内部におけるSi相の量よりも少なくすることができる。こうして得られた負極活物質は、電解液の分解反応が抑制されるとともに、粒子の表面抵抗を低下させることができ、かつ粒子自体の膨張収縮量を少なくすることができ、サイクル特性を向上することができる。
また、Si相より低抵抗であるX相またはSiX相のいずれか一方または両方が含まれるので、負極活物質の比抵抗を低減することができる。
なお、CuはSiと合金化するとともに、Siよりも低抵抗であるため、元素Mと元素Xの両方の性質を有する元素である。従って、本発明においては、元素Mと元素Xの双方にCuを加えることにするが、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとした。
また、比表面積が当初の1.2倍以上になるまで含侵処理を行うことで、粒子表面のSiが溶出し、Siと電解液との反応が抑制され、サイクル特性を向上させることができる。また、比表面積が当初の50倍を超えると活物質となるSiの量が減少し容量が大幅に低下するとともに、粒子が構造的に脆くなり、充放電による膨張・収縮により崩壊し、サイクル劣化を招くので好ましくない。
また、本発明のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法は、先に記載の製造方法であり、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ロール急冷法のいずれかにより前記合金溶湯を急冷することを特徴とする。
かかる製造方法によれば、Si相及びSiM相を必ず含み、かつX相またはSiX相のいずれか一方または両方を含む多相合金粉末を容易に得ることができる。特にガスアトマイズ法または水アトマイズ法によれば、球状粉末が得られるので、負極活物質の充填密度を高めることができ、負極活物質のエネルギー密度を高めることができる。なかでも、ガスアトマイズの場合は、冷却ガスにヘリウムガスを使用することにより、合金粒子中の各組織を微細にすることができるので、サイクル特性をより向上させることができる。
以上説明したように、本発明のリチウム二次電池用負極活物質によれば、Si相による電解液の分解反応が抑制され、また粒子の表面抵抗を低下させることができ、かつ粒子自体の膨張収縮量を少なくすることができ、粒子自体の微粉化を防いでサイクル特性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施形態のリチウム二次電池用の負極活物質は、Si相及びSiM相を必ず含み、かつX相またはSiX相のいずれか一方または両方を含む多相合金粉末からなり、多相合金粉末の粒子表面におけるSi相の量が粒子内部におけるSi相の量より少なくされて構成されている。図1には、多相合金粉末を構成する一粒子の外観模式図の一例を示し、図2には図1に示した一粒子の断面模式図の一例を示す。
図1及び図2に示すように、負極活物質を構成する多相合金粉末粒子1の組織にはSi相2とSiM相3とX相もしくはSiX相4とが含有されている。
Si相2は、粒子表面よりも粒子内部に多く存在している。このSi相2は、充電時にリチウムと合金化してLiSi相を形成し、放電時にはリチウムを放出してSi単相に戻る。また、粒子表面でのSi相は、存在しないかもしくは少なくなっているため、Si相が電解液に直接触れることが少なく、Si相による電解液の分解反応が抑制される。
また、SiM相3は、充放電時にリチウムと反応することなく、当該一粒子1の形状を維持して粒子1自体の膨張収縮を抑制する。SiM相3を構成する元素Mは、リチウムと合金化しない金属元素であり、Ni、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yの中から選択される少なくとも1種以上の元素である。特に元素MとしてはNiを用いることが好ましく、この場合のSiM相の組成はSiNi相となる。
またX相4は、多相合金粉末に導電性を付与して負極活物質自体の比抵抗を低減させる。X相4を構成する元素Xは、比抵抗が3Ω・m以下の金属元素であり、Ag、Cu、Auの中から選択される少なくとも1種以上の元素である。特にCuはリチウムと合金化しないので、膨張抑制効果があり好ましい。また、AgはSiとほとんど合金化しないため、元素MにAgと合金化しない金属を選択することにより、Agが単独相として存在し、粒子の伝導度を向上させることができるので好ましい。
なお、CuはSiと合金化するとともに、Siよりも低抵抗であるため、元素Mと元素Xの両方の性質を有する元素である。従って、本発明においては、元素Mと元素Xの双方にCuを加えることにするが、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとした。
また、X相4に代えて、あるいはX相4とともに、SiX相が析出していても良い。SiX相は、X相4と同様に多相合金粉末に導電性を付与して負極活物質自体の比抵抗を低減させる。
Si相2、SiM相3、X相4、SiX相の結晶形態は、急冷速度、合金組成、急冷後の熱処理の有無により定まる。本実施形態の負極活物質においては、各相の全てが結晶質相であってもよく、非晶質相であっても良く、結晶質相と非晶質相とが混在したものであってもよい。また、Si相、SiM相、X相、SiX相の他に他の合金相を含んでいても良い。
次に合金組成について言及すると、Siは、Si単相とSiM相さらにはSiX相を形成する元素であるため、合金の状態図より判断して、SiM相、SiX相を形成してもなおSi単相が生成されるように組成比を選ぶことにより、Siの容量を得ることができる。しかし、Si量が過剰に増えると、Si相が多く析出して充放電時の負極活物質全体の膨張収縮量が大きくなり、負極活物質が微粉化してサイクル特性が低下するので好ましくない。具体的には、負極活物質におけるSiの組成比が30質量%以上70質量%以下の範囲であることが好ましい。
元素Mは、SiとともにSiM相を形成する元素であるため、合金の状態図より判断してその全量がSiと合金化するように添加することが好ましい。M量がSiと合金化できる量を上回ると、Siがすべて合金化され、容量の大幅な低下を招くので好ましくない。また、M量が少ないと、SiM相が少なくなり、Si相の膨張抑制効果が減少し、サイクル劣特性が低下してしまうので好ましくない。また、M相は異なる元素、M1相、M2相、M3相というように複数存在してもかまわない。Mの組成比はSiとの固溶限界が元素により異なるため具体的に限定することはできないが、SiとMが固溶限界まで合金化したとしてもなおSi相が存在するように考慮した組成比であることが好ましい。また、元素Mはリチウムと合金化しないので、不可逆容量を持つことがない。更に元素Mはアルカリ溶液に対して不溶であることが好ましい。
またXの組成比が多くなると、比抵抗が低減するものの、Si相が相対的に減少して充放電容量が低下してしまう。一方、Xの組成比が少ないと、負極活物質の比抵抗が高くなって充放電効率が低下する。このため、負極活物質におけるXの組成比は1質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。更に元素Xはアルカリ溶液に対して不溶であることが好ましい。
多相合金粉末の平均粒径は5μm以上30μm以下の範囲が好ましい。一般にSiが含まれる合金粉末はリチウムイオン電池の既存負極材料として用いられている黒鉛粉末より抵抗が高いため、導電助材を使用することが好ましいが、平均粒径5μm以下になると、導電助材の粒径より多相合金粉末の平均粒径が小さくなる場合が生じ、導電助材の効果が得にくくなり、容量やサイクル特性などの電池特性が低下するので好ましくない。平均粒径が30μmを越えると、リチウム二次電池における負極活物質の充填密度が低下するので好ましくない。
また図1及び図2示すように、多相合金粉末の粒子表面には、多数の微細孔5が形成されている。この微細孔5は、合金溶湯を急冷した後にアルカリ性溶液に含侵処理したことによって形成されたものであり、急冷直後において粒子表面に露出していたSi相が溶出した後の痕跡である。このようにSiが粒子表面に露出しないことで充電時の電解液との反応が抑制されるとともに、この微細孔5が形成されることによって多相合金粉末の比表面積が増大し、電解液との接触面積が大きくなって充放電効率が向上する。
微細孔5の平均孔径は10nm以上5μm以下の範囲が好ましい。また、微細孔5の深さは10nm以上1μm以下の範囲が好ましい。更に、多相合金粉末の比表面積は0.2m/g以上5m/g以下の範囲が好ましい。
上記の負極活物質によれば、粒子表面におけるSi相の量が粒子内部におけるSi相の量よりも少なくなっているので、Si相による電解液の分解反応が抑制され、サイクル特性を向上することができる。また、粒子中にSi相の他にSiM相とX相とが含まれるため、Si相単独の場合と比べて粒子自体の膨張収縮量を少なくすることができ、粒子自体の微粉化を防ぐとともに、導電性を向上させ、サイクル特性を向上することができる。
更に、粒子表面に微細孔が形成されているため、粒子の比表面積が高くなり、リチウムイオンを速やかに吸蔵・放出させることが可能になり、高率の充放電特性を向上することができる。
次に、上記の負極活物質を用いたリチウム二次電池について説明する。このリチウム二次電池は、上記の負極活物質を備えた負極と、正極と、電解質を少なくとも具備してなるものである。
リチウム二次電池の負極は、例えば、負極活物質を構成する多相合金粉末が結着材によってシート状に固化成形されたものを例示できる。また、負極はシート状に固化成形されたものに限らず、円柱状、円盤状、板状若しくは柱状に固化成形されたペレットであっても良い。
結着材は、有機質または無機質のいずれでも良いが、多相合金粉末と共に溶媒に分散あるいは溶解し、更に溶媒を除去することにより多相合金粉末同士を結着させるものであればどのようなものでもよい。また、多相合金粉末と共に混合し、加圧成形等の固化成形を行うことにより多相合金粉末同士を結着させるものでもよい。このような結着材として例えば、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フェノール樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが使用でき、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバー、等の樹脂を例示できる。
また、本発明に係る負極においては、負極活物質及び結着材の他に、導電助材としてカーボンブラック、黒鉛粉末、炭素繊維、金属粉末、金属繊維等を添加しても良い。
次に正極としては例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、LiFeO、V、TiS、MoS等、及び有機ジスルフィド化合物や有機ポリスルフィド化合物等のリチウムを吸蔵、放出が可能な正極活物質を含むものや、Ni、Mn、Co系等の複合酸化物を例示できる。また正極には、上記正極活物質の他に、ポリフッ化ビニリデン等の結着材や、カーボンブラック等の導電助材を添加しても良い。
正極及び負極の具体例として、上記の正極または負極を金属箔若しくは金属網からなる集電体に塗布してシート状に成形したものを例示できる。
更に電解質としては、例えば、非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる有機電解液を例示できる。
非プロトン性溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル等の非プロトン性溶媒、あるいはこれらの溶媒のうちの二種以上を混合した混合溶媒を例示でき、特にプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)のいずれか1つを必ず含むとともにジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)のいずれか1つを必ず含むものが好ましい。
また、リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y十1SO)(ただしx、yは自然数)、LiCl、LiI等のうちの1種または2種以上のリチウム塩を混合させてなるものを例示でき、特にLiPF、LiBF4、LiN(CF3SO2、LiN(C25SOのいずれか1つを含むものが好ましい。
また電解質の別の例として、PEO、PVA等のポリマーに上記記載のリチウム塩のいずれかを混合させたものや、膨潤性の高いポリマーに有機電解液を含浸させたもの等、いわゆるポリマー電解質を用いても良い。
更に、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、電解質のみに限られず、必要に応じて他の部材等を備えていても良く、例えば正極と負極を隔離するセパレータを具備しても良い。
かかるリチウム二次電池によれば、上記の負極活物質を具備しており、充放電にともなう膨張収縮が少ないので、負極活物質が微粉化したり、集電体から脱落するおそれがなく、また導電材との接触も維持され、充放電容量を向上できるとともにサイクル特性を向上できる。
また、多相合金粉末の粒子表面におけるSi相の析出量が少なくなっているので、非水電解液の分解反応が抑制され、充放電容量を向上できるとともにサイクル特性を向上できる。
更に、多相合金粉末の粒子表面に多数の微細孔が形成されているので、リチウム二次電池の負極活物質として用いた場合に当該微細孔に非水電解液が含侵するとともに、導電性の高いX相があるので、リチウムイオンの拡散を効率よく行うことができ、高率充放電が可能になる。
次に、本実施形態のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法を説明する。本実施形態のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法は、Siと元素Mと元素Xを含有する急冷合金粉末を得る工程と、得られた急冷合金粉末をアルカリ性溶液に含侵処理する工程とから概略構成されている。以下、各工程を順に説明する。
まず、急冷合金粉末を製造する工程では、Siと元素Mと元素Xを含む合金溶湯を急冷して急冷合金粉末とする。合金溶湯は、Ni、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素Mと、Ag、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素Xと、Siとを含むものであり、これらの単体あるいは合金を例えば高周波誘導加熱法により同時に溶解することによって得られる。
合金溶湯におけるまたSiの含有率は30質量%以上70質量%以下の範囲であることが好ましい。合金溶湯におけるSiの含有率が前記の範囲を外れると、Siが少なすぎてSi相が析出されなかったり、Si量が多すぎて膨張収縮しやすい負極活物質が得られてしまうので好ましくない。
合金溶湯を急冷する方法としては、例えば、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ロール急冷法等を用いることができる。ガスアトマイズ法及び水アトマイズ法では粉末状の急冷合金が得られ、ロール急冷法では薄帯状の急冷合金が得られる。薄帯状の急冷合金は更に粉砕して粉末にする。こうして得られた急冷合金粉末の平均粒径が、最終的に得ようとする多相合金粉末の平均粒径となる。従って、急冷合金粉末を得る際には、その平均粒径を5μm以上30μm以下の範囲に調整することが必要である。
合金溶湯から得られた急冷合金粉末は、組織全体が非晶質相である急冷合金、若しくは一部が非晶質相であるとともに残部が結晶質相粒からなる急冷合金、若しくは組織全体が結晶質相である急冷合金となる。また急冷合金粉末には、SiX相及びSiM相が必ず含まれ、かつX相とSiX相のいずれか一方または両方が含まれる。また、これらSi相、SiM相、X相、SiX相の各相は合金組織中で均一に混在した状態にある。
尚、急冷の際の急冷速度は、100K/秒以上であることが好ましい。急冷速度が100K/秒未満では、Si相、SiM相、X相、SiX相の各相が合金組織中で均一に析出しないおそれがあり、また各相の結晶の大きさが大きくなりすぎ、均一な膨張抑制効果、導電性付与効果が得にくくなるので好ましくない。
次に、急冷合金をアルカリ性溶液に含侵処理する工程では、急冷合金粉末の粒子表面に析出しているSi相を溶出除去する。具体的には、急冷合金粉末を、アルカリ性溶液に含浸させた後、洗浄及び乾燥を行う。含侵条件は室温で30分〜5時間程度ゆっくり攪拌しながら行う条件とするのがよい。またアルカリ性溶液としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液を用いるのがよく、濃度は1〜5Nの範囲がよい。
尚、ここで述べた含侵条件はあくまで目安であり、実際には粒子表面に析出していたSi相のみが溶出除去されるのを確認することで含侵条件を定めることができる。含侵処理を過度に行うと、表面のみならず粒子内部のSi相まで溶出除去させてしまい、負極活物質の充放電容量が低下してしまうので好ましくない。また粒子内部のSi相まで溶出されてしまうと、粒子自体の強度が低下するので好ましくない。更に、含侵条件が不十分だと、粒子表面にSi相が残存し、電解液の分解反応を起こしてしまうので好ましくない。
具体的には、Si相除去後の粉末の比表面積が、Si相除去前の急冷合金粉末の比表面積の1.2倍以上になるまでアルカリ性溶液による含侵処理を行うことが好ましい。比表面積が当初の1.2倍以上になるまで含侵処理を行うことで、表面のSiの一部またはすべてを除去することができ、電解液との反応を抑制することができる。
また、Si相除去後の粉末の比表面積が少なくとも、Si相除去前の急冷合金粉末の比表面積の50倍以下となるようにアルカリ性溶液による含侵処理を行うことが好ましい。これにより、必要以上のSiの溶解を阻止し、電池容量の減少を防止することができる。
上記の含侵処理を行うことにより、急冷合金粉末の粒子表面に析出しているSi相が溶出除去され、粒子表面にはSiM相とX相もしくはSiX相が残存する。また、Si相が除去された部分には微細孔が形成される。更に、粒子表面のSi相が除去されることで、粒子表面におけるSi相の量が粒子内部におけるSi相の量よりも少なくなる。
尚、元素M及び元素Xはアルカリ溶液に対して不溶であり、更にSiM相、SiX相もアルカリ溶液に溶けにくいのでSi相が優先して溶出することになる。
上記の負極活物質の製造方法によれば、元素Mと元素XとSiを含有する合金溶湯を急冷することによって、SiX相及びSiM相が必ず含まれ、かつX相とSiX相のいずれか一方または両方を有する急冷合金粉末を容易に形成することができる。そして、得られた急冷合金粉末をアルカリ性溶液に含侵させて粒子表面のSi相を除去することで、粒子表面におけるSi相の量を粒子内部におけるSi相の量よりも少なくすることができる。こうして得られた負極活物質は、電解液の分解反応を抑制させ、かつ粒子自体の膨張収縮量を少なくすることができ、サイクル特性を向上することができる。
また、SiX相及びSiM相が必ず含まれ、かつX相とSiX相のいずれか一方または両方を含む多相合金粉末を容易に得ることができる。特にガスアトマイズ法または水アトマイズ法によれば、球状粉末が得られるので、負極活物質の充填密度を高めることができ、負極活物質のエネルギー密度を高めることができる。
5mm角程度の大きさの塊状のSiを55重量部と、Ni粉末を35重量部と、Ag粉末10重量部をそれぞれ用意し、これらを混合してからアルゴン雰囲気中において高周波加熱法により溶解して合金溶湯とした。この合金溶湯を80kg/cmの圧力のヘリウムガスを用いたガスアトマイズ法によって急冷することにより、平均粒径10μmの急冷合金粉末を得た。このときの急冷速度は1×10K/秒であった。
次に、得られた急冷合金粉末を5Nの水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、室温でゆっくり攪拌しながら4時間かけて含侵処理した。その後、ナトリウムの残留がないように純水で十分に洗浄してから乾燥した後、粒度の調整を行って平均粒径10μmとした。このようにして、実験例1の負極活物質を製造した。
得られた粉末に対してX線回折を行ったところ、Si結晶質相と、NiSi2なる組成の結晶質相とAg結晶質相が混在した組織が確認された。
また、含侵処理前の急冷合金粒子(比較例)と、含侵処理後の急冷合金粒子(実施例)について、電子顕微鏡によって形態観察を行った。結果を図3及び図4に示す。図3に示すように、含侵処理前の急冷合金粉末粒子(比較例)は球状であり、表面は比較的なめらかであることがわかる。尚、図3及び図4に示した写真は2次電子像であり、図3ではSi相が比較的濃いグレーで映っている。図3に示すようにSi相は外観上細長い形状を示している。また、図3ではNiSi相が比較的薄いグレーで映っている。図3に示すように、NiSi相はSi相の周りに位置している。
一方、含侵処理後の急冷合金粉末粒子(実施例)は、図4に示すように、表面に微細孔が多数形成されていることがわかる。また、粒子表面の色が比較的均一であることがわかる。表面の微細孔は、表面に露出していたSi相が溶出して形成されたものと思われる。また、粒子表面の色が比較的均一なのは、Si相が溶出された結果、表面がNiSi相で占められ、表面の組成が均一になっているためである。
このように、NiとAgとSiを含有する合金溶湯を急冷することによって、Si相、NiSi相(SiM相)及びAg相(X相)を有する急冷合金粉末を容易に形成することができる。そして、得られた急冷合金粉末をアルカリ性溶液に含侵させて粒子表面のSi相を除去することで、粒子表面におけるSi相を少なくすることができる。
Ag粉末に代えてCu粉末を用いたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例2(実施例)の負極活物質を製造した。
また、含侵処理の処理時間を1時間としたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例3(実施例)の負極活物質を製造した。
更に、含侵処理の処理温度を40℃とし、処理時間を1時間としたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例4(実施例)の負極活物質を製造した。
更に、含侵処理の処理温度を60℃とし、処理時間を1時間としたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例5(比較例)の負極活物質を製造した。
更に、含侵処理を行わなかったこと以外は上記実験例1と同様にして実験例6(比較例)の負極活物質を製造した。
上記の実験例2〜6並びに実施例1で製造した実験例1の負極活物質を用いてリチウム二次電池を製造した。実験例1〜6の各々の負極活物質70重量部と、導電材として平均粒径3μmの黒鉛粉末20重量部と、ポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてから攪拌してスラリーを作成した。次にこのスラリーを厚さ14μmの銅箔上に塗布してから乾燥し、これを圧延して厚さ40μmの負極電極を作成した。作成した負極電極を直径13mmの円形に打ち抜き、この負極電極に多孔質ポリプロピレン製のセパレータを挟んで対極として金属リチウムを重ね、更に容積比でEC:DEC=3:7の混合溶媒にLiPFを1.3モル/Lの濃度で添加してなる電解液を注液することにより、コイン型のリチウム二次電池を製造した。
得られたリチウム二次電池に対して、電池電圧0V〜1.5Vの範囲で0.2Cの電流密度による充放電を50サイクル繰り返し行った。このときの初期放電容量と、初回の充放電効率と、50サイクル後の容量維持率を求めた。結果を表1に示す。また表1には負実験例1〜6の極活物質の比表面積、電子顕微鏡の面分析より得られる前記多相合金粉末の粒子表面上のSi含有量aと、粒子断面のSiの含有量bの比(a/b)を合わせて示す。なお、Si量はSiの特性X線の強度に基づいて測定した。
Figure 0003841779
表1に示すように、負極活物質の含侵処理を行った実験例1〜4(実施例)のリチウム二次電池の容量維持率が、含侵処理を行わなかった実験例6(比較例)のリチウム二次電池の容量維持率よりも高くなっていることがわかる。これは、実験例1〜4(実施例)では負極活物質の粒子表面のSi相が含侵処理によって除去されたために、Si相による電解液の分解反応が抑制されたためと考えられる。また、含侵処理によって高比抵抗のSi相が除去されて粒子表面の表面抵抗が低下することも容量維持率の向上に寄与しているものと思われる。ただし、実施例5(比較例)のように含浸処理を過剰に行うと、粒子内部のSiも溶出するため、粒子の強度が低下し、膨張に耐えられなくなるためにサイクル特性が低下する。
また、実験例1と2(いずれも実施例)とを比較すると、実験例2の容量維持率が高くなっていることが分かる。これは、実験例1で元素Xとして用いたAgがLiと合金化したために実験例1の容量維持率が低下し、一方実験例2で元素Xとして用いたCuはLiと合金化しないために容量維持率が向上したものと考えられる。
また、実験例3(実施例)は含侵時間が実験例1(実施例)よりも短く、このためSi相が粒子表面に若干残存していた。従って、実験例1(実施例)よりは容量維持率が低下するものの、実験例6(比較例)よりは容量維持率が優れていることがわかる。
更に、実験例4(実施例)は含侵温度が実験例1(実施例)よりも高く、このため粒子内部のSi相まで溶出してしまった。従って、容量維持率については実験例1(実施例)と同等だが、初期容量が実験例1よりも若干低下した。
更に、実験例5(比較例)は含侵温度が実験例4(実施例)よりも更に高く、このため粒子内部のSi相まで溶出してしまった。従って、容量維持率及び初期容量について実験例1(実施例)よりも大幅に低下した。
以上のように、含侵処理を適度に行うことによって、粒子表面のSi相を溶出除去することができ、これによりリチウム二次電池のサイクル寿命と充放電容量を同時に改善できることが分かる。
本発明の実施形態のリチウム二次電池用負極活物質を示す模式図。 本発明の実施形態のリチウム二次電池用負極活物質を示す断面模式図。 含侵処理前の実験例1の負極活物質の電子顕微鏡写真(2次電子像) 含侵処理後の実験例1の負極活物質の電子顕微鏡写真(2次電子像)
符号の説明
1…多相合金粉末の粒子、2…Si相、3…SiM相、4…X相、5…微細孔

Claims (8)

  1. Si相及びSiM相を必ず含み、かつX相またはSiX相のいずれか一方または両方を含む多相合金粉末からなり、前記多相合金粉末の粒子表面におけるSi相の量が粒子内部におけるSi相の量より少な
    電子顕微鏡の面分析より得られる前記多相合金粉末の粒子表面上のSi含有量aと、粒子断面のSiの含有量bの比が、0.5≦a/b ≦0.95であり、比表面積が0.2m /g以上5m /g以下の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池用負極活物質。
    ただし、前記MはNi、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素であり、元素XはAg、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素であり、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとする。
  2. 前記多相合金粉末の粒子表面に微細孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
  3. 前記微細孔の平均孔径が10nm以上5μm以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
  4. 前記多相合金粉末は、Ni、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素Mと、Ag、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素Xと、Siとを含む合金溶湯が急冷されて急冷合金粉末とされ、該急冷合金粉末がアルカリ性溶液に含侵されて粒子表面のSi相の一部または全部が除去されて形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極活物質。
    ただし、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとする。
  5. ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ロール急冷法のいずれかにより前記合金溶湯が急冷されたことを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極活物質を備えたことを特徴とするリチウム二次電池。
  7. Ni、Co、As、B、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Yのうちの少なくとも1種以上の元素Mと、Ag、Cu、Auのうちの少なくとも1種以上の元素Xと、Siとを含む合金溶湯を急冷して急冷合金粉末とし、該急冷合金粉末をアルカリ性溶液に含侵させて粒子表面のSi相の一部又は全部を除去する際に、Si相除去後の粉末の比表面積が、Si相除去前の急冷合金粉末の比表面積の1.2倍以上50倍以下になるまでアルカリ性溶液による含侵処理を行うことを特徴とするリチウム二次電池負極活物質の製造方法。
    ただし、Cuは元素Mと元素Xに同時に選択されないものとする。
  8. ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ロール急冷法のいずれかにより前記合金溶湯を急冷することを特徴とする請求項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
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