JP3840693B2 - 自動車のフロント下部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車、とりわけ、F・F(フロントエンジン・フロントドライブ)型車のように車体前部の駆動部搭載ルームの下側中央部に車体前後方向に延在するセンターメンバを配設して、該センターメンバ上にパワーユニットの中央部分をマウントするようにした自動車のフロント下部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車にあっては、車体下側の空力特性の向上と駆動部搭載ルーム内へのスプラッシュ侵入防止のため、車体前部の駆動部搭載ルームの下側にアンダーカバーを配設して、該駆動部搭載ルームの床下をフラットにすることはよく知られているが、F・F型車の場合も例えば平成6年1月 日産自動車(株)発行 新型車解説書 B14型系車の紹介 D−4頁に示されているように、駆動部搭載ルームとしてのエンジンルームの下側前部を、エンジンとトランスミッションとからなるパワーユニットよりも前側でセンターメンバの左右に配設した一対のアンダーカバーで閉塞して、これらアンダーカバーによってエンジンルームの床下をフラットにするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにエンジンルームの前部下側にセンターメンバを境に左右に一対のアンダーカバーを配設した場合、エンジンルームの下側を流通する空気の床下流れによって、これらアンダーカバーの後端縁付近に負圧が発生し、この負圧によりエンジンルーム内の熱気の排出を行えてラジエータ通過風速を増大でき、ラジエータ液およびパワーステアリングオイル等の冷却効果を高められる利点を得ることもできる。
【0004】
ところが、左右のアンダーカバーは後端縁を、対応するパワーユニットのエンジン本体の下側前部と、トランスミッション下側のオイルパンの前部にそれぞれ近接するように配設してあって、これらアンダーカバーの後端縁の前後方向位置が左右不揃いとなつているため、左右のアンダーカバー後端縁付近の負圧発生位置に前後のずれが生じてしまう。
【0005】
このため、エンジンルーム内の熱気の流れが負圧発生位置が前側となる一方のアンダーカバーの後端部分へ偏寄るようになって、負圧効果による該エンジンルーム内の熱気の排出性能を十分に活かし切れなくなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は駆動部搭載ルーム内の熱気の排出をより一層積極的に行えると共に、左右のアンダーカバーの後端部から略均等に排出することができて、熱気排出性能を一段と向上することができる自動車のフロント下部構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、車体前部に隔成された駆動部搭載ルームの下側中央部に車体前後方向に延在するセンターメンバを備えると共に、該駆動部搭載ルームのパワーユニットよりも前方の下側前部を前記センターメンバを境にして左右に配設した一対のアンダーカバーで閉塞した構造において、前記左右一対のアンダーカバーの後端縁を左右対称位置に設定すると共に、これらアンダーカバーの後端縁に下向きに突出したエアスポイラ部を曲折成形し、このエアスポイラ部の下縁突出位置を、センターメンバの地上高とフロントバンパーの地上高との間の高さ位置に設定したこを特徴としている。
【0009】
請求項2にあっては、請求項1に記載のエアスポイラ部を、車体前端部に配設したタイダウンフックに後斜下方に向けて連結される繋留ワイヤに干渉しない位置に設定したことを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】
請求項1によれば、左右一対のアンダーカバーの後端縁を左右対称位置に設定してあるため、これらアンダーカバーの後端縁付近の負圧発生位置が車幅方向に一線上に揃い、従って、駆動部搭載ルーム内の熱気がこれらアンダーカバーの後端部からほぼ左右均等に排出されるようになることと併せて、各アンダーカバーの後端縁のエアスポイラ部によって、アンダーカバー下側の空気流の床下流れが絞られて流速が速められて発生負圧値が大きくなることから、前記熱気の排出がより一層積極的に行われ、この結果、駆動部搭載ルームの熱気排出性能を一段と向上できて熱環境を改善でき、ラジエータ液およびパワーステアリングオイル等の冷却効果を高めることができる。
【0011】
また、左右のアンダーカバー後端部からの熱気排出がほぼ左右均等に行われるため、駆動部搭載ルーム下側の空気流の床下流れの軸線が乱れることがなく、空力特性をより一層向上することができる。
【0012】
更に、左右一対のアンダーカバー後端のエアスポイラ部の下縁突出位置がセンターメンバの地上高よりも高く設定されているため、エアスポイラ部の路面干渉による損傷を回避することができ、しかも、これらエアスポイラ部の下縁突出位置はフロントバンパーの地上高よりも低く設定されているため、エアスポイラ部の下縁を該フロントバンパーの下面位置で一義的に決まる前記床下流れの層流域近くに配置できて負圧発生効果を高めることができる。
【0013】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、車両の輸送に際してタイダウンフックに繋留ワイヤを連結した場合でも、この繋留ワイヤがアンダーカバーのエアスポイラ部に干渉して該エアスポイラ部が損傷することがなく、品質感および信頼性を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0015】
図1,2において、1は車体前部に隔成された駆動部搭載ルームとしてのエンジンルームを示し、該エンジンルーム1の下側中央部には車体前後方向に延在するセンターメンバ2を配設して、該センターメンバ2上に図外のエンジンおよびトランスミッションからなるパワーユニットの中央部分をマウントするようにしてある。
【0016】
センターメンバ2はその前端部をファーストクロスメンバ3の下面にボルト・ナット4により締結固定してあると共に、後端部を図外のサブフレーム下端に締結固定してある。
【0017】
5,6はエンジンルーム1の下側に前記パワーユニットの前側で、かつ、センターメンバ2を境にして左右に配設されて、エンジンルーム1の前部下側を閉塞するアンダーカバーを示す。
【0018】
これらアンダーカバー5,6は何れも耐熱,耐油,耐候性の合成樹脂材で形成され、前端部分をファーストクロスメンバ3の下面にクリップ,ボルト・ナット等の止着手段7によって固定すると共に、前端末部をフロントバンパー8の下縁部に同様に止着手段7で固定し、更に、各側端部を図外のフロントサイドメンバにブラケットを介して止着手段7によって固定してある。
【0019】
また、フロントバンパー8の下縁中央部分は、後方に延設したブラケット部8a,8aを介してアンダーカバー5,6と共にファーストクロスメンバ3に止着手段7により固定してある。
【0020】
これら左右のアンダーカバー5,6はその後端縁を左右対称位置に、例えば本実施形態にあっては前記トランスミッションのオイルパン9の前部に近接した位置に車幅方向に略一線上に揃えて設定してあり、そして、これらアンダーカバー5,6の後端縁に下向きに突出したエアスポイラ部5a,6aを曲折成形してある。
【0021】
この実施形態にあっては、前記パワーユニットのエンジン本体の前部に配置されるアンダーカバー5の後端縁のセンターメンバ2寄りの側部は、図外のエキゾーストチューブとの干渉を回避するためにエアスポイラ部5aと共に前側に弧状に弯曲して形成してある。
【0022】
前記エスポイラ部5a,6aの下縁突出位置は路面干渉回避と負圧発生効果を考慮して、センターメンバ2の地上高H1 とフロントバンパー8の地上高H2 との間の高さ位置H3 に設定してあり、好ましくはこの高さ位置H3 はエアスポイラ部5a,6aの下縁がフロントバンパー8の下面位置で一義的に決まる空気流の床下流れの層流域Aに漸近するように、センターメンバ2の地上高H1 よりも若干上となるような位置に設定してある。
【0023】
また、車両をトレーラや船舶で輸送する際には、車両を車体前,後部に配設したタイダウンフック10にそれぞれ繋留ワイヤ11a,11bを連結して前記輸送手段の床面にしっかりと固定するが、前述のようにアンダーカバー5,6の後端縁に下向きにエアスポイラ部5a,6aを曲折成形した場合、図外のフロントサイドメンバに接合したタイダウンフック10に前後方向に連結した繋留ワイヤ11a,11bのうち、後斜下方に向けて連結される繋留ワイヤ11bがこれらエアスポイラ部5a,6aに干渉する可能性がある。
【0024】
そこで、この実施形態にあっては前述のようにエアスポイラ部5a,6aの下縁突出位置をセンターメンバ2の地上高H1 とフロントバンパー8の地上高H2 との間の高さ範囲で、かつ、センターメンバ2の地上高H1 に漸近した地上高H3 に設定することと併せて、前記タイダウンフック10にに後斜下方に向けて連結される繋留ワイヤ11bに干渉しない位置に設定してある。
【0025】
以上の実施形態の構造によれば、車両の走行時にアンダーカバー5,6の下側を前方から後方へ層流状態で流れる空気の床下流れによって、これらアンダーカバー5,6の下面付近に負圧が発生し、これらアンダーカバー5,6の後端縁部分ではエンジンルーム1内との差圧によって、該エンジンルーム1内の熱気がこれらアンダーカバー5,6の後端部から排出されるが、アンダーカバー5,6の後端縁を左右対称位置に設定してあるため、これらアンダーカバー5,6の後端縁付近の負圧発生位置が車幅方向に一線上に揃い、従って、エンジンルーム1内の熱気がこれらアンダーカバー5,6の後端部からほぼ左右均等に積極的に排出されるようになる。
【0026】
これと併せて、各アンダーカバー5,6の後端縁のエアスポイラ部5a,6aによって、アンダーカバー5,6の下側の前記床下流れが絞られて流速が速められ、エアスポイラ部5a,6a部分の発生負圧値が大きくなることから、エンジンルーム1内の熱気の排出がより一層積極的に行われる。
【0027】
この結果、エンジンルーム1内の熱気の排出性能を一段と向上することができて該エンジンルーム1内の熱環境を著しく改善でき、ラジエータ液およびパワーステアリングオイル等の冷却効果を高めることができる。
【0028】
また、前述のように左右のアンダーカバー5,6の後端縁からの熱気排出がほぼ左右均等に行われるため、エンジンルーム1下側の前記床下流れの軸線が乱れることがなく、空力特性をより一層向上することができる。
【0029】
とりわけ、本実施形態にあってはエアスポイラ部5a,6aの地上高H3 を、センターメンバ2の地上高H1 とフロントバンパー8の地上高H2 との間の高さ範囲で、かつ、フロントバンパー8の下面位置で一義的に決まる前記床下流れの層流域Aに漸近するように、該センターメンバ2の地上高H1 よりも若干上となるような位置に設定してあるため、センターメンバ2によってエアスポイラ部5a,6aの路面干渉による損傷を回避することができると共に、エアスポイラ部5a,6aによる負圧発生効果を高められて、前述の熱気排出性能を助長することができる。
【0030】
更に、車両輸送時にタイダウンフック10に後斜下方に向けて連結した繋留ワイヤ11bがこれらエアスポイラ部5a,6aと干渉することもなく、エアスポイラ部5a,6aの損傷を回避できて品質感および信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構造を下側から見た斜視図。
【図2】同実施形態の側面説明図。
【符号の説明】
1 駆動部搭載ルーム
2 センターメンバ
5,6 アンダーカバー
5a,6a エアスポイラ部
8 フロントバンパー
10 タイダウンフック
11a,11b 繋留めワイヤ
Claims (2)
- 車体前部に隔成された駆動部搭載ルームの下側中央部に車体前後方向に延在するセンターメンバを備えると共に、該駆動部搭載ルームのパワーユニットよりも前方の下側前部を前記センターメンバを境にして左右に配設した一対のアンダーカバーで閉塞した構造において、前記左右一対のアンダーカバーの後端縁を左右対称位置に設定すると共に、これらアンダーカバーの後端縁に下向きに突出したエアスポイラ部を曲折成形し、このエアスポイラ部の下縁突出位置を、センターメンバの地上高とフロントバンパーの地上高との間の高さ位置に設定したこを特徴とする自動車のフロント下部構造。
- エアスポイラ部は、車体前端部に配設したタイダウンフックに後斜下方に向けて連結される繋留ワイヤに干渉しない位置に設定したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のフロント下部構造。
Priority Applications (3)
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JP10759896A JP3840693B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 自動車のフロント下部構造 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP10759896A JP3840693B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 自動車のフロント下部構造 |
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JPH09290773A JPH09290773A (ja) | 1997-11-11 |
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JP10759896A Expired - Lifetime JP3840693B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 自動車のフロント下部構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3840693B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-26 JP JP10759896A patent/JP3840693B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09290773A (ja) | 1997-11-11 |
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