JP3839637B2 - 折畳み可能な床暖房用パネル - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳み可能な床暖房用パネルに関する。さらに詳しくは、複数枚の小型板状体が縦方向および横方向に配置され、これら各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされて折畳み作業および展開作業が容易で、従って梱包、輸送、保管、敷設の際に取扱い易い、折り畳み可能な床暖房用パネルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、寒冷地の住宅の居住性、温暖地の住宅の寒冷期における居住性を向上させる目的で、住宅の床面から暖房する床暖房技術が提案され、実用化されている。例えば、一戸建て住宅にあっては、大引と床板との間、大引の上に敷いた下地床合板の面上などに床暖房用パネルを組み込む手法が採用されている。また、マンションなどのような集合住宅にあっては、スラブ床の上面に直接またはスラブ床の上に敷いた下地床合板の面上などに、上記床暖房用パネルを敷設する方法が採用されている。
【０００３】
上記床暖房用パネルは、例えば、発泡合成樹脂製の長尺板状体を基体とし、この基体の一方の面に溝を刻設し、この溝に熱媒用可撓性チューブを埋設して、その表面をアルミニウム箔などの可撓性薄板で被覆した構造のものが提案されている。このような構造の床暖房用パネルは、例えば、敷設場所の大きさに応じて、全体として長さ３００cmで幅２５０cm程度の長方形状を呈するようにして調製される。しかし、長さまたは幅が２００cm以上の場合には、折畳んで半分の幅またはそれ以下の幅にされて梱包、保管、輸送などに供され、敷設場所に搬入された後にこの折畳んだ状態から展開されて敷設されるのが普通である。
【０００４】
上記のように、幅方向に折畳み可能な従来の床暖房用パネルの一例として、溝が刻設された板状体が少なくとも２枚隣接させて配置され、この溝に熱媒用可撓性チューブが配置され、その表面に隣接部付近を除いて可撓性薄板が貼着され、上記隣接部付近に刻設された溝からチューブを外した上で折畳み可能とされてなる、分離可能な折畳み部を有する床暖房用パネルが提案されている（実開平５−２７５１４号公報参照）。
【０００５】
しかし、上記構造によると、板状体のチューブを外す部分には可撓性薄板が貼着されていないので、床暖房用パネル全体の放熱効果が低下するばかりでなく、溝から外されたチューブが折畳まれた板状体に挟まれて圧迫され、潰されるという欠点があった。また、この構造の床暖房用パネルを折畳んで保管する際には、チューブが座屈しないように隣接する板状体同士を相互にずらす必要があるため保管作業が煩雑となり、かつ、敷設の際にも複数の板状体の位置合わせ作業が必要となるため敷設作業も煩雑であるという欠点があった。
【０００６】
上記構造の放熱効果低下の問題と、折畳む際のチューブの破損の問題を解決した床暖房用パネルとして、溝が刻設された板状体が少なくとも２枚隣接させて配置されて分離可能な折畳み部が形成され、この折畳み部を形成する板状体の側面部の長さ方向の一端部に、取り付け・取り外し可能な嵌め込み部が設けられてなる床暖房用パネルが提案されている（特開平１０−８９７１２号公報参照）。しかし、この構造の床暖房用パネルも、幅方向に折畳むことはできるが長さ方向には折畳むことができないので、保管作業や敷設作業が煩雑となる問題は解決されていなかった。
【０００７】
また、折畳み可能な床暖房用パネルの他の例として、内部に中空部が設けられた長尺狭幅の板状体が可撓性薄板によって複数枚連結され、連結部付近のチューブ配置用の中空部が幅広く形成されて、これら板状体の中空部に蛇行させて熱媒用可撓性チューブが配置されてなる折畳み（巻回）可能とされた床暖房用パネルが提案されている（特開平８−２６１４８５号公報、特開平１０−３２１３４４号公報参照）。しかし、この構造の場合にも、長さ方向または幅方向のいずれか一方に巻回して折畳むことはできても他方には折畳み（巻回）ができず、梱包、保管、輸送、敷設の際には依然として取り扱いにくいという欠点があった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記した状況に鑑み、上記欠点を解消した折畳み可能な床暖房用パネルを提供すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。本発明の目的は、各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされて折畳み作業および展開作業が容易で、従って梱包、輸送、保管、敷設の際に極めて取り扱い易い、折り畳み可能な床暖房用パネルを提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の第一発明では、平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、上記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、これら複数枚の小型板状体の上面に貼着された可撓性薄板をヒンジとして各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、縦方向の折畳み部分は、切り欠いたチューブの通路が設けられた上記小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成され、横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向する広幅側面部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材(A,B)と可撓性薄板とによって構成され、横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(A)には、隣接する双方の小型板状体が可撓性薄板によって連結され、この折畳み代部材(A)にはチューブの通路が設けられ、横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(B)には、隣接する一方の小型板状体のみが可撓性薄板によって連結されてなることを特徴とする、折畳み可能な床暖房用パネルを提供する。
【００１０】
また、本発明の第二発明では、平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、上記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、これら各々の小型板状体の上面には可撓性薄板が貼着され、各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、縦方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する狭幅側面部、および、横方向の一方に相互に隣接する上記小型板状体の対向する広幅側面部には切り欠いたチューブの通路が設けられ、この各チューブの通路には、取り付け・取り外し可能な嵌め込み部材が設けられてなり、この嵌め込み部材の一方の面に、隣接する双方の小型板状体の溝と連接する溝が刻設され、この嵌め込み部材の溝には上記各チューブの通路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされてなることを特徴とする、折畳み可能な床暖房用パネルを提供する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一発明に係る折り畳み可能な床暖房用パネル（以下、「Ｉ型パネル」ということがある）は、平面形状が長方形状を呈する小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、全体の平面形状が四角形状を呈するものである。四角形の種類としては、縦方向および横方向に折畳み可能な形状であればよく、四つの角がほぼ直角とされた正方形、長方形などの矩形や台形のほか、これら矩形・台形の角に丸みを付けたものなどを挙げることができる。Ｉ型パネルの大きさは、６畳対応用（２２５０mm×３０００mm）、８畳対応用（３０００mm×３０００mm）など敷設場所の大きさに応じて適宜決めることができる。
【００１２】
小型板状体は、縦方向には原則的に２枚、横方向には少なくとも２枚配置するものとする。Ｉ型パネルは、縦方向および横方向に折畳まれ、ほぼ小型板状体一枚分の面積とされて梱包、輸送、保管、敷設に供されるので、この小型板状体一枚分の面積はこれら梱包、輸送、保管、敷設の際に取り扱い易い大きさとするのがよく、例えば、７５０mm×１５００mm程度とすることができる。小型板状体の溝と溝との間には、補強用の小根太を埋設することもできる。
【００１３】
上記小型板状体を構成する材料は、合成樹脂、硬質ゴム、木材、金属または石膏などの中から選ぶことができる。合成樹脂としては、熱可塑性合成樹脂、熱硬化性合成樹脂のいずれでもよく、発泡体でも非発泡体でもよい。発泡体としては、架橋ゴム発泡体、熱硬化性樹脂発泡体などの剛性の高い発泡体、非架橋ポリエチレン、非架橋ゴム発泡体、ポリスチレン発泡体、高密度ポリエチレンとポリスチレンとの混合物の発泡体などを挙げることができる。木材は合板であってもよく、金属としては鉄、アルミニウムなどを挙げることができる。
【００１４】
上記小型板状体の溝は、熱媒用可撓性チューブ埋設用とされる。この溝は各小型板状体に刻設され、小型板状体を縦方向および横方向に隣接させた場合に、各小型板状体に刻設された溝が一方の小型板状体から他方の小型板状体に連接するようにされる。この溝の延在する方向に直角に切断した際の断面形状は、半円形、Ｕ字型、四角形などとすることができる。この溝の幅・深さは、埋設する熱媒用可撓性チューブの外径とほぼ同一（例えば、７．２mm）とするのが好ましい。この溝の内壁にはアルミニウム箔などの金属箔を貼着して断熱効果を高めることもできる。この溝に埋設される熱媒用可撓性チューブとしては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管などを挙げることができる。このチューブの直径はパネルを敷設する部屋の大きさ、小型板状体の厚さなどによって異なるが、通常は外径が７．２mm、内径が５mmの管が一般的とされる。
【００１５】
上記小型板状体は縦方向および横方向に隣接させて複数枚配置され、この小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが刻設され、その上面に可撓性薄板が貼着される。この可撓性薄板は、隣接させて配置された小型板状体同士を連結するとともに、Ｉ型パネルを縦方向および横方向に折畳む際のヒンジとして機能する。この可撓性薄板としては、アルミニウム箔、錫箔、ステンレススチール箔、プラスチックフィルムなどを挙げることができ、この中でも、熱媒用可撓性チューブからの熱の均質化、製造の容易さ、コストを勘案してアルミニウム箔が好ましい。この可撓性薄板の厚さは、薄過ぎると強度が不十分でヒンジとしての機能を充分に果たさず、厚過ぎると製品の重量が重くなり、かつコストが高くなるので、１０〜５００μｍの範囲で選ぶのが好ましい
【００１６】
Ｉ型パネルの縦方向の折畳み部分は、切り欠いたチューブの通路が設けられた上記小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成される。すなわち、この縦方向の折畳み部分は、上記切り欠いたチューブの通路が設けられた小型板状体の狭幅側面部同士を当接させ、その上面に可撓性薄板を貼着することによって構成し、この可撓性薄板をヒンジとして縦方向に折畳み可能となる。切り欠いたチューブの通路は、熱媒用可撓性チューブのあそび、すなわち、余裕をもった空間部分とすることができ、パネルを縦方向に折畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することがなく、従って破損、挫屈などが生じ難い。
【００１７】
上記チューブの通路は、狭幅側面部の両端部近傍に切り欠き部を設け、この切り欠き部に連通する連通溝を設けて構成したり、狭幅側面部の両端部近傍に深めの切り欠き部を設け、これらの間に延在する浅めの切り欠き部を設けて構成することができる。これら切り欠き部の平面形状（上から見た形状）は、上記チューブの通路の機能を果たせばいかなる形状でもよく、コの字状、くの字状、半円形状などとすることができる。なお、上記チューブの通路を、縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在する切り欠き部から形成した横長の矩形状孔とし、このチューブの通路に、後記する嵌め込み部材を取り付け・取り外し可能に設けることもできる。
【００１８】
Ｉ型パネルの横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向する広幅側面部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材(A,B)と可撓性薄板とによって構成される。すなわち、この横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向させた広幅側面部の間に上記折畳み代部材(A,B)を介在させ、その上面に可撓性薄板を貼着することによって構成し、この可撓性薄板をヒンジとして横方向に二段階に折畳み可能となる。
【００１９】
Ｉ型パネルの横方向の一方の小型板状体の間に介在させる折畳み代部材(A)は、相互に隣接する双方の小型板状体と可撓性薄板によって連結され、二段階に折畳み可能な折畳み部分として機能する。この折畳み代部材(A)には、熱媒用可撓性チューブのあそびとして機能するチューブの通路を設ける。このチューブの通路により、Ｉ型パネルを横方向に折畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することがなく、従って破損などが生じ難い。このチューブの通路は、２個の孔とこれら孔に連通する連通溝とから形成することができる。この孔の形状は特に限定されるものではなく、矩形状、円形状、だ円形状などとすることができる。
【００２０】
Ｉ型パネルの横方向の他方の小型板状体の間に介在させる折畳み代部材(B)は、相互に隣接する一方の小型板状体とのみ可撓性薄板によって連結される。このように連結することにより、上記折畳み代部材(B)は相互に隣接する他方の小型板状体から分離して、連結された小型板状体側に可撓性薄板をヒンジとして折畳み可能となる（後記図２参照）。この折畳み代部材(B)を上記のように折畳むことにより、Ｉ型パネルの横方向の他方の小型板状体の間に狭幅長尺の空間ができ、この狭幅長尺の空間により、縦方向に折畳まれたＩ型パネルをさらに横方向に容易に折畳むことができる（後記図３参照）。
【００２１】
上記折畳み代部材(A,B)の長さは、原則的に上記小型板状体の広幅側面部とほぼ同一の長さとするが、縦方向の折畳み易さを勘案して若干短くしてもよい。また、上記折畳み代部材(A,B)の幅は、狭すぎると、二段階に折畳む際に折畳みにくく｛折畳み代部材(A)｝、横方向に相互に隣接した小型板状体間に十分な空間をつくることができず｛折畳み代部材(B)｝、広すぎると、折畳まれた状態のパネルの体積が大きくなって梱包、輸送、保管などに供する際に嵩張るので、この小型板状体一枚分の厚さに、小型板状体の総枚数から２を減じた数を乗じた程度の厚さが好ましい。
【００２２】
なお、折畳み代部材(A)および折畳み代部材(B)の上記各構造により、小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チューブは、縦方向に相互に隣接する小型板状体間、および、折畳み代部材(A)が介在された横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間において連続することとなり、折畳み代部材(B)が介在された横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間において不連続となる。
【００２３】
Ｉ型パネルを折畳むには、以下のようにする。まず、折畳み代部材(B)を可撓性薄板をヒンジとして折畳み、折畳み代部材(B)が介在されている横方向の小型板状体間に狭幅長尺の空間を形成する（後記図２参照）。次いで、この狭幅長尺の空間が設けられた横方向の小型板状体群を、可撓性薄板をヒンジとして、折畳み代部材(A)が介在されている小型板状体群側に縦方向に折畳む。次いで、狭幅長尺の空間が設けられた小型板状体群側を内側にし、折畳み代部材(A)に貼着された可撓性薄板をヒンジとして、横方向に二段階に折畳む（後記図３参照）。折畳んだＩ型パネルを展開するには、上記と逆の手順を採ればよい。
【００２４】
本発明の第二発明に係る折り畳み可能な床暖房用パネル（以下、「II型パネル」ということがある）は、全体の形状や大きさ、このII型パネルを構成する小型板状体の形状や大きさ、この小型板状体に刻設される溝の態様、この溝に埋設される熱媒用可撓性チューブの種類や太さ、各小型板状体の上面に貼着される可撓性薄板の種類や厚さは、Ｉ型パネルと同様とすることができる。このII型パネルにおいては、上記可撓性薄板はヒンジとしての機能を持たず、各小型板状体の表面にのみ貼着されて熱媒用可撓性チューブが外に飛び出さないようにしたり熱が放散しないようにするものである。それゆえ、このII型パネルを構成する各小型板状体は、熱媒用可撓性チューブのみによって連結される。
【００２５】
II型パネルにおいては、縦方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する狭幅側面部、および、横方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する広幅側面部に、切り欠いたチューブの通路が設けられる。このチューブの通路は、熱媒用可撓性チューブのあそびとすることができ、II型パネルを縦方向および横方向に折畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することがなく、従って破損などが生じ難い。このチューブの通路には、後記する嵌め込み部材が取り付け・取り外し可能に設けられる。このチューブの通路は、狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在させて切り欠き部を設け、この切り欠き部同士を対向させて矩形状、だ円形状、ひし形状などの孔とすることができる。
【００２６】
上記縦方向のチューブの通路により、小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チューブを、縦方向に相互に隣接する小型板状体間において連続させる。また、縦方向に折畳んだ後の横方向の折畳み易さを勘案して、横方向のチューブの通路を、横方向のいずれか一方に相互に隣接する小型板状体間にのみ設け、熱媒用可撓性チューブをこの小型板状体間において連続させるようにし、横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間には上記チューブの通路を設けず、熱媒用可撓性チューブをこの小型板状体間において不連続とするのが好ましい。
【００２７】
II型パネルの縦方向および横方向の各チューブの通路には、取り付け、取り外し可能な嵌め込み部材が設けられる。この嵌め込み部材の一方の面には、隣接する双方の小型板状体の溝と連接する溝が刻設される。この嵌め込み部材の溝には、上記チューブの通路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされる。この嵌め込み部材は、II型パネルを折畳む際には各チューブの通路から取り外され、II型パネルを敷設する際には各チューブの通路に取り付けられて熱媒用可撓性チューブをその溝に埋設し、II型パネルの表面に凹凸が生じないように均一にするという機能を果たす。
【００２８】
上記嵌め込み部材の他方の面に可撓性薄板を貼着すると、上記熱媒用可撓性チューブから放散される熱がパネル表面全体に均一に伝達されるので好ましい。なお、チューブの通路の平面形状が縦方向と横方向とで異なる場合には、縦方向用および横方向用の別々の平面形状の嵌め込み部材を調製する。縦方向および横方向の双方のチューブの通路の平面形状が同一である場合には、同一平面形状の嵌め込み部材を縦方向および横方向共用とすることができる。
【００２９】
II型パネルを折畳むには、以下のようにする。まず、敷設された状態のII型パネルから嵌め込み部材を取り外す。次いで、縦方向に隣接させて配置された小型板状体群を、可撓性薄板が貼着された面側に折畳む。次いで、この縦方向に折畳まれた小型板状体群を横方向に折畳む。この際には、横方向に隣接する小型板状体を交互に反対側に折畳むようにする。例えば、小型板状体が横方向に３枚連結されている場合には、一方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体の上側に折畳み、他方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体の下側に折畳むようにする。折畳んだII型パネルを展開するには、上記と逆の手順を採ればよい。
【実施例】
【００３０】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【００３１】
図１は、本発明の第一発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図であり、図２は、図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルの部分拡大斜視図であり、図３は、図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。図４は、本発明の第二発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図であり、図５は、図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルに設けられる嵌め込み部材の一例の平面図であり、図６は、図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。
【００３２】
図１に示したＩ型パネル１０は、同一平面形状の小型板状体１１が縦方向に２枚、横方向に折畳み代部材(A)または折畳み代部材(B)を介在させて３枚、各々可撓性薄板１２によって連結されて構成されている。このＩ型パネル１０を構成する小型板状体１１の表面には溝１３が刻設され、この溝１３に熱媒用可撓性チューブ１４が埋設されている。Ｉ型パネル１０の横方向の一方の小型板状体間に介在させた折畳み代部材(A)は、各々双方の小型板状体に連結されて二段階に折畳み可能とされており、Ｉ型パネル１０の横方向の他方の小型板状体間に介在させた折畳み代部材(B)は、各々一方の小型板状体に連結されている。
【００３３】
Ｉ型パネル１０の縦方向の折畳み部分には、縦方向に隣接する小型板状体１１の対向する狭幅側面部の両端部近傍に位置する切り欠き部１５とこれらに連通する連通溝１３´とから形成される縦方向のチューブの通路が設けられており、熱媒用可撓性チューブ１４は、縦方向に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この縦方向のチューブの通路を経由させて配置されている。また、Ｉ型パネル１０の横方向の折畳み部分を構成する折畳み代部材(A)には、孔１６が２個とこれらに連通する連通溝１３″とから形成される横方向のチューブの通路が設けられており、熱媒用可撓性チューブ１４は、横方向に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この横方向のチューブの通路を経由させて配置されている。
【００３４】
図２は、図１に示したＩ型パネル１０の折畳み代部材(B)を、可撓性薄板１２を貼着した面側に折畳んだ状態を示している。この折畳み代部材(B)を可撓性薄板１２をヒンジとして折畳むことにより、横方向に隣接する小型板状体１１の間に狭幅長尺の空間が設けられる。図３は、図１に示したＩ型パネル１０を縦方向に折畳んだ状態を示している。この図３の状態とするには、図１の状態から折畳み代部材(B)を折畳んで図２の状態とした後に、縦方向の折畳み部分でＩ型パネル１０を折畳む。この図３の状態から、横方向の折畳み部分でＩ型パネル１０を横方向に折畳むには、一方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体側に向けて矢印の方向に折畳んだ後に、他方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体側に向けて矢印の方向に折畳む。
【００３５】
図４に示したII型パネル２０は、同一平面形状の小型板状体２１が縦方向に２枚、横方向に３枚配置されて構成されており、各小型板状体２１には可撓性薄板２２が貼着されている。各小型板状体２１の表面には溝２３が刻設され、この溝２３に熱媒用可撓性チューブ２４が埋設されており、この熱媒用可撓性チューブ２４によって、縦方向に相互に隣接した小型板状体同士および横方向の一方に相互に隣接した小型板状体同士が連結されている。
【００３６】
このII型パネル２０において、縦方向に相互に隣接する小型板状体２１の対向する狭幅側面部に、切り欠き部２５から形成された横長の矩形状の孔２６が設けられており、上記切り欠き部２５は、上記小型板状体２１の狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在させて形成されている。熱媒用可撓性チューブ２４は、縦方向に相互に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この横長の矩形状の孔２６を経由させて配置されている。この横長の矩形状の孔２６には、嵌め込み部材３０が取り付け・取り外し可能に設けられている。
【００３７】
また、II型パネル２０において、横方向に相互に隣接する小型板状体２１の対向する広幅側面部に、切り欠き部２７から形成された縦長の矩形状の孔２８が設けられており、上記切り欠き部２７は、上記小型板状体２１の広幅側面部の一方の端部から長さ方向中央部へと延在させて形成されている。熱媒用可撓性チューブ２４は、横方向に相互に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この縦長の矩形状の孔２８を経由させて配置されている。この縦長の矩形状の孔２８には、嵌め込み部材３０´が取り付け・取り外し可能に設けられている。
【００３８】
図５は、図４に示したII型パネル２０に設けられた横長の矩形状の孔２７に取り付け・取り外し可能に設けられる嵌め込み部材３０を示している。この嵌め込み部材３０の表面には溝３１が刻設されており、この嵌め込み部材３０の溝３１は、嵌め込み部材３０を横長の矩形状の孔２６に取り付けた際に、縦方向に隣接する双方の小型板状体２１に刻設された溝２３と連接し、かつ、この横長の矩形状の孔２６に配置された熱媒用可撓性チューブ２４が埋設される。
【００３９】
図６は、図４に示したII型パネル２０を縦方向に折畳んだ状態を示している。この図６の状態とするには、図４に示したII型パネルの各矩形状の孔から嵌め込み部材を取り外した後、このII型パネル２０を縦方向に折畳む。この図６の状態から、II型パネル２０を横方向に折畳むには、右側に位置する小型板状体を矢印の方向、すなわち、中央の小型板状体の上側に折畳み、左側に位置する小型板状体を矢印の方向、すなわち、中央の小型板状体の下側に折畳む。
【００４０】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
１．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、その縦方向および横方向の折畳み部分に、熱媒用可撓性チューブをあそびをもたせて配置可能なチューブの通路が設けられているので、パネルを縦方向および横方向に容易に折畳むことができる。
２．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、縦方向および横方向に容易に折畳むことができるので、パネルの梱包、輸送、保管の各作業が極めて簡素化される。
３．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、縦方向および横方向に折畳んだ状態から容易に展開することができるので、敷設場所に搬入された後のパネルの敷設作業が極めて簡素化される。
４．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、その縦方向および横方向の折畳み部分に、熱媒用可撓性チューブをあそびをもたせて配置可能なチューブの通路が設けられているので、パネルを折畳む際に各折畳み部分で熱媒用可撓性チューブが潰されたり、破損することがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第一発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図である。
【図２】 図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルの部分拡大斜視図である。
【図３】 図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。
【図４】 本発明の第二発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図である。
【図５】 図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルに設けられる嵌め込み部材の一例の平面図である。
【図６】 図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。
【符号の説明】
１０、２０：本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネル
１１、２１：小型板状体
１２、２２：可撓性薄板
１３、２３：溝
１３´、１３″：連通溝
１４、２４：熱媒用可撓性チューブ
１５、２５：切り欠き部
１６：孔
２６、２８：矩形状の孔
３０、３０´：嵌め込み部材
３１：嵌め込み部材の溝
Ａ、Ｂ：折畳み代部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳み可能な床暖房用パネルに関する。さらに詳しくは、複数枚の小型板状体が縦方向および横方向に配置され、これら各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされて折畳み作業および展開作業が容易で、従って梱包、輸送、保管、敷設の際に取扱い易い、折り畳み可能な床暖房用パネルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、寒冷地の住宅の居住性、温暖地の住宅の寒冷期における居住性を向上させる目的で、住宅の床面から暖房する床暖房技術が提案され、実用化されている。例えば、一戸建て住宅にあっては、大引と床板との間、大引の上に敷いた下地床合板の面上などに床暖房用パネルを組み込む手法が採用されている。また、マンションなどのような集合住宅にあっては、スラブ床の上面に直接またはスラブ床の上に敷いた下地床合板の面上などに、上記床暖房用パネルを敷設する方法が採用されている。
【０００３】
上記床暖房用パネルは、例えば、発泡合成樹脂製の長尺板状体を基体とし、この基体の一方の面に溝を刻設し、この溝に熱媒用可撓性チューブを埋設して、その表面をアルミニウム箔などの可撓性薄板で被覆した構造のものが提案されている。このような構造の床暖房用パネルは、例えば、敷設場所の大きさに応じて、全体として長さ３００cmで幅２５０cm程度の長方形状を呈するようにして調製される。しかし、長さまたは幅が２００cm以上の場合には、折畳んで半分の幅またはそれ以下の幅にされて梱包、保管、輸送などに供され、敷設場所に搬入された後にこの折畳んだ状態から展開されて敷設されるのが普通である。
【０００４】
上記のように、幅方向に折畳み可能な従来の床暖房用パネルの一例として、溝が刻設された板状体が少なくとも２枚隣接させて配置され、この溝に熱媒用可撓性チューブが配置され、その表面に隣接部付近を除いて可撓性薄板が貼着され、上記隣接部付近に刻設された溝からチューブを外した上で折畳み可能とされてなる、分離可能な折畳み部を有する床暖房用パネルが提案されている（実開平５−２７５１４号公報参照）。
【０００５】
しかし、上記構造によると、板状体のチューブを外す部分には可撓性薄板が貼着されていないので、床暖房用パネル全体の放熱効果が低下するばかりでなく、溝から外されたチューブが折畳まれた板状体に挟まれて圧迫され、潰されるという欠点があった。また、この構造の床暖房用パネルを折畳んで保管する際には、チューブが座屈しないように隣接する板状体同士を相互にずらす必要があるため保管作業が煩雑となり、かつ、敷設の際にも複数の板状体の位置合わせ作業が必要となるため敷設作業も煩雑であるという欠点があった。
【０００６】
上記構造の放熱効果低下の問題と、折畳む際のチューブの破損の問題を解決した床暖房用パネルとして、溝が刻設された板状体が少なくとも２枚隣接させて配置されて分離可能な折畳み部が形成され、この折畳み部を形成する板状体の側面部の長さ方向の一端部に、取り付け・取り外し可能な嵌め込み部が設けられてなる床暖房用パネルが提案されている（特開平１０−８９７１２号公報参照）。しかし、この構造の床暖房用パネルも、幅方向に折畳むことはできるが長さ方向には折畳むことができないので、保管作業や敷設作業が煩雑となる問題は解決されていなかった。
【０００７】
また、折畳み可能な床暖房用パネルの他の例として、内部に中空部が設けられた長尺狭幅の板状体が可撓性薄板によって複数枚連結され、連結部付近のチューブ配置用の中空部が幅広く形成されて、これら板状体の中空部に蛇行させて熱媒用可撓性チューブが配置されてなる折畳み（巻回）可能とされた床暖房用パネルが提案されている（特開平８−２６１４８５号公報、特開平１０−３２１３４４号公報参照）。しかし、この構造の場合にも、長さ方向または幅方向のいずれか一方に巻回して折畳むことはできても他方には折畳み（巻回）ができず、梱包、保管、輸送、敷設の際には依然として取り扱いにくいという欠点があった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記した状況に鑑み、上記欠点を解消した折畳み可能な床暖房用パネルを提供すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。本発明の目的は、各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされて折畳み作業および展開作業が容易で、従って梱包、輸送、保管、敷設の際に極めて取り扱い易い、折り畳み可能な床暖房用パネルを提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の第一発明では、平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、上記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、これら複数枚の小型板状体の上面に貼着された可撓性薄板をヒンジとして各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、縦方向の折畳み部分は、切り欠いたチューブの通路が設けられた上記小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成され、横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向する広幅側面部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材(A,B)と可撓性薄板とによって構成され、横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(A)には、隣接する双方の小型板状体が可撓性薄板によって連結され、この折畳み代部材(A)にはチューブの通路が設けられ、横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(B)には、隣接する一方の小型板状体のみが可撓性薄板によって連結されてなることを特徴とする、折畳み可能な床暖房用パネルを提供する。
【００１０】
また、本発明の第二発明では、平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、上記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、これら各々の小型板状体の上面には可撓性薄板が貼着され、各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、縦方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する狭幅側面部、および、横方向の一方に相互に隣接する上記小型板状体の対向する広幅側面部には切り欠いたチューブの通路が設けられ、この各チューブの通路には、取り付け・取り外し可能な嵌め込み部材が設けられてなり、この嵌め込み部材の一方の面に、隣接する双方の小型板状体の溝と連接する溝が刻設され、この嵌め込み部材の溝には上記各チューブの通路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされてなることを特徴とする、折畳み可能な床暖房用パネルを提供する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一発明に係る折り畳み可能な床暖房用パネル（以下、「Ｉ型パネル」ということがある）は、平面形状が長方形状を呈する小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、全体の平面形状が四角形状を呈するものである。四角形の種類としては、縦方向および横方向に折畳み可能な形状であればよく、四つの角がほぼ直角とされた正方形、長方形などの矩形や台形のほか、これら矩形・台形の角に丸みを付けたものなどを挙げることができる。Ｉ型パネルの大きさは、６畳対応用（２２５０mm×３０００mm）、８畳対応用（３０００mm×３０００mm）など敷設場所の大きさに応じて適宜決めることができる。
【００１２】
小型板状体は、縦方向には原則的に２枚、横方向には少なくとも２枚配置するものとする。Ｉ型パネルは、縦方向および横方向に折畳まれ、ほぼ小型板状体一枚分の面積とされて梱包、輸送、保管、敷設に供されるので、この小型板状体一枚分の面積はこれら梱包、輸送、保管、敷設の際に取り扱い易い大きさとするのがよく、例えば、７５０mm×１５００mm程度とすることができる。小型板状体の溝と溝との間には、補強用の小根太を埋設することもできる。
【００１３】
上記小型板状体を構成する材料は、合成樹脂、硬質ゴム、木材、金属または石膏などの中から選ぶことができる。合成樹脂としては、熱可塑性合成樹脂、熱硬化性合成樹脂のいずれでもよく、発泡体でも非発泡体でもよい。発泡体としては、架橋ゴム発泡体、熱硬化性樹脂発泡体などの剛性の高い発泡体、非架橋ポリエチレン、非架橋ゴム発泡体、ポリスチレン発泡体、高密度ポリエチレンとポリスチレンとの混合物の発泡体などを挙げることができる。木材は合板であってもよく、金属としては鉄、アルミニウムなどを挙げることができる。
【００１４】
上記小型板状体の溝は、熱媒用可撓性チューブ埋設用とされる。この溝は各小型板状体に刻設され、小型板状体を縦方向および横方向に隣接させた場合に、各小型板状体に刻設された溝が一方の小型板状体から他方の小型板状体に連接するようにされる。この溝の延在する方向に直角に切断した際の断面形状は、半円形、Ｕ字型、四角形などとすることができる。この溝の幅・深さは、埋設する熱媒用可撓性チューブの外径とほぼ同一（例えば、７．２mm）とするのが好ましい。この溝の内壁にはアルミニウム箔などの金属箔を貼着して断熱効果を高めることもできる。この溝に埋設される熱媒用可撓性チューブとしては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管などを挙げることができる。このチューブの直径はパネルを敷設する部屋の大きさ、小型板状体の厚さなどによって異なるが、通常は外径が７．２mm、内径が５mmの管が一般的とされる。
【００１５】
上記小型板状体は縦方向および横方向に隣接させて複数枚配置され、この小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが刻設され、その上面に可撓性薄板が貼着される。この可撓性薄板は、隣接させて配置された小型板状体同士を連結するとともに、Ｉ型パネルを縦方向および横方向に折畳む際のヒンジとして機能する。この可撓性薄板としては、アルミニウム箔、錫箔、ステンレススチール箔、プラスチックフィルムなどを挙げることができ、この中でも、熱媒用可撓性チューブからの熱の均質化、製造の容易さ、コストを勘案してアルミニウム箔が好ましい。この可撓性薄板の厚さは、薄過ぎると強度が不十分でヒンジとしての機能を充分に果たさず、厚過ぎると製品の重量が重くなり、かつコストが高くなるので、１０〜５００μｍの範囲で選ぶのが好ましい
【００１６】
Ｉ型パネルの縦方向の折畳み部分は、切り欠いたチューブの通路が設けられた上記小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成される。すなわち、この縦方向の折畳み部分は、上記切り欠いたチューブの通路が設けられた小型板状体の狭幅側面部同士を当接させ、その上面に可撓性薄板を貼着することによって構成し、この可撓性薄板をヒンジとして縦方向に折畳み可能となる。切り欠いたチューブの通路は、熱媒用可撓性チューブのあそび、すなわち、余裕をもった空間部分とすることができ、パネルを縦方向に折畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することがなく、従って破損、挫屈などが生じ難い。
【００１７】
上記チューブの通路は、狭幅側面部の両端部近傍に切り欠き部を設け、この切り欠き部に連通する連通溝を設けて構成したり、狭幅側面部の両端部近傍に深めの切り欠き部を設け、これらの間に延在する浅めの切り欠き部を設けて構成することができる。これら切り欠き部の平面形状（上から見た形状）は、上記チューブの通路の機能を果たせばいかなる形状でもよく、コの字状、くの字状、半円形状などとすることができる。なお、上記チューブの通路を、縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在する切り欠き部から形成した横長の矩形状孔とし、このチューブの通路に、後記する嵌め込み部材を取り付け・取り外し可能に設けることもできる。
【００１８】
Ｉ型パネルの横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向する広幅側面部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材(A,B)と可撓性薄板とによって構成される。すなわち、この横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向させた広幅側面部の間に上記折畳み代部材(A,B)を介在させ、その上面に可撓性薄板を貼着することによって構成し、この可撓性薄板をヒンジとして横方向に二段階に折畳み可能となる。
【００１９】
Ｉ型パネルの横方向の一方の小型板状体の間に介在させる折畳み代部材(A)は、相互に隣接する双方の小型板状体と可撓性薄板によって連結され、二段階に折畳み可能な折畳み部分として機能する。この折畳み代部材(A)には、熱媒用可撓性チューブのあそびとして機能するチューブの通路を設ける。このチューブの通路により、Ｉ型パネルを横方向に折畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することがなく、従って破損などが生じ難い。このチューブの通路は、２個の孔とこれら孔に連通する連通溝とから形成することができる。この孔の形状は特に限定されるものではなく、矩形状、円形状、だ円形状などとすることができる。
【００２０】
Ｉ型パネルの横方向の他方の小型板状体の間に介在させる折畳み代部材(B)は、相互に隣接する一方の小型板状体とのみ可撓性薄板によって連結される。このように連結することにより、上記折畳み代部材(B)は相互に隣接する他方の小型板状体から分離して、連結された小型板状体側に可撓性薄板をヒンジとして折畳み可能となる（後記図２参照）。この折畳み代部材(B)を上記のように折畳むことにより、Ｉ型パネルの横方向の他方の小型板状体の間に狭幅長尺の空間ができ、この狭幅長尺の空間により、縦方向に折畳まれたＩ型パネルをさらに横方向に容易に折畳むことができる（後記図３参照）。
【００２１】
上記折畳み代部材(A,B)の長さは、原則的に上記小型板状体の広幅側面部とほぼ同一の長さとするが、縦方向の折畳み易さを勘案して若干短くしてもよい。また、上記折畳み代部材(A,B)の幅は、狭すぎると、二段階に折畳む際に折畳みにくく｛折畳み代部材(A)｝、横方向に相互に隣接した小型板状体間に十分な空間をつくることができず｛折畳み代部材(B)｝、広すぎると、折畳まれた状態のパネルの体積が大きくなって梱包、輸送、保管などに供する際に嵩張るので、この小型板状体一枚分の厚さに、小型板状体の総枚数から２を減じた数を乗じた程度の厚さが好ましい。
【００２２】
なお、折畳み代部材(A)および折畳み代部材(B)の上記各構造により、小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チューブは、縦方向に相互に隣接する小型板状体間、および、折畳み代部材(A)が介在された横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間において連続することとなり、折畳み代部材(B)が介在された横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間において不連続となる。
【００２３】
Ｉ型パネルを折畳むには、以下のようにする。まず、折畳み代部材(B)を可撓性薄板をヒンジとして折畳み、折畳み代部材(B)が介在されている横方向の小型板状体間に狭幅長尺の空間を形成する（後記図２参照）。次いで、この狭幅長尺の空間が設けられた横方向の小型板状体群を、可撓性薄板をヒンジとして、折畳み代部材(A)が介在されている小型板状体群側に縦方向に折畳む。次いで、狭幅長尺の空間が設けられた小型板状体群側を内側にし、折畳み代部材(A)に貼着された可撓性薄板をヒンジとして、横方向に二段階に折畳む（後記図３参照）。折畳んだＩ型パネルを展開するには、上記と逆の手順を採ればよい。
【００２４】
本発明の第二発明に係る折り畳み可能な床暖房用パネル（以下、「II型パネル」ということがある）は、全体の形状や大きさ、このII型パネルを構成する小型板状体の形状や大きさ、この小型板状体に刻設される溝の態様、この溝に埋設される熱媒用可撓性チューブの種類や太さ、各小型板状体の上面に貼着される可撓性薄板の種類や厚さは、Ｉ型パネルと同様とすることができる。このII型パネルにおいては、上記可撓性薄板はヒンジとしての機能を持たず、各小型板状体の表面にのみ貼着されて熱媒用可撓性チューブが外に飛び出さないようにしたり熱が放散しないようにするものである。それゆえ、このII型パネルを構成する各小型板状体は、熱媒用可撓性チューブのみによって連結される。
【００２５】
II型パネルにおいては、縦方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する狭幅側面部、および、横方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する広幅側面部に、切り欠いたチューブの通路が設けられる。このチューブの通路は、熱媒用可撓性チューブのあそびとすることができ、II型パネルを縦方向および横方向に折畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することがなく、従って破損などが生じ難い。このチューブの通路には、後記する嵌め込み部材が取り付け・取り外し可能に設けられる。このチューブの通路は、狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在させて切り欠き部を設け、この切り欠き部同士を対向させて矩形状、だ円形状、ひし形状などの孔とすることができる。
【００２６】
上記縦方向のチューブの通路により、小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チューブを、縦方向に相互に隣接する小型板状体間において連続させる。また、縦方向に折畳んだ後の横方向の折畳み易さを勘案して、横方向のチューブの通路を、横方向のいずれか一方に相互に隣接する小型板状体間にのみ設け、熱媒用可撓性チューブをこの小型板状体間において連続させるようにし、横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間には上記チューブの通路を設けず、熱媒用可撓性チューブをこの小型板状体間において不連続とするのが好ましい。
【００２７】
II型パネルの縦方向および横方向の各チューブの通路には、取り付け、取り外し可能な嵌め込み部材が設けられる。この嵌め込み部材の一方の面には、隣接する双方の小型板状体の溝と連接する溝が刻設される。この嵌め込み部材の溝には、上記チューブの通路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされる。この嵌め込み部材は、II型パネルを折畳む際には各チューブの通路から取り外され、II型パネルを敷設する際には各チューブの通路に取り付けられて熱媒用可撓性チューブをその溝に埋設し、II型パネルの表面に凹凸が生じないように均一にするという機能を果たす。
【００２８】
上記嵌め込み部材の他方の面に可撓性薄板を貼着すると、上記熱媒用可撓性チューブから放散される熱がパネル表面全体に均一に伝達されるので好ましい。なお、チューブの通路の平面形状が縦方向と横方向とで異なる場合には、縦方向用および横方向用の別々の平面形状の嵌め込み部材を調製する。縦方向および横方向の双方のチューブの通路の平面形状が同一である場合には、同一平面形状の嵌め込み部材を縦方向および横方向共用とすることができる。
【００２９】
II型パネルを折畳むには、以下のようにする。まず、敷設された状態のII型パネルから嵌め込み部材を取り外す。次いで、縦方向に隣接させて配置された小型板状体群を、可撓性薄板が貼着された面側に折畳む。次いで、この縦方向に折畳まれた小型板状体群を横方向に折畳む。この際には、横方向に隣接する小型板状体を交互に反対側に折畳むようにする。例えば、小型板状体が横方向に３枚連結されている場合には、一方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体の上側に折畳み、他方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体の下側に折畳むようにする。折畳んだII型パネルを展開するには、上記と逆の手順を採ればよい。
【実施例】
【００３０】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【００３１】
図１は、本発明の第一発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図であり、図２は、図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルの部分拡大斜視図であり、図３は、図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。図４は、本発明の第二発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図であり、図５は、図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルに設けられる嵌め込み部材の一例の平面図であり、図６は、図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。
【００３２】
図１に示したＩ型パネル１０は、同一平面形状の小型板状体１１が縦方向に２枚、横方向に折畳み代部材(A)または折畳み代部材(B)を介在させて３枚、各々可撓性薄板１２によって連結されて構成されている。このＩ型パネル１０を構成する小型板状体１１の表面には溝１３が刻設され、この溝１３に熱媒用可撓性チューブ１４が埋設されている。Ｉ型パネル１０の横方向の一方の小型板状体間に介在させた折畳み代部材(A)は、各々双方の小型板状体に連結されて二段階に折畳み可能とされており、Ｉ型パネル１０の横方向の他方の小型板状体間に介在させた折畳み代部材(B)は、各々一方の小型板状体に連結されている。
【００３３】
Ｉ型パネル１０の縦方向の折畳み部分には、縦方向に隣接する小型板状体１１の対向する狭幅側面部の両端部近傍に位置する切り欠き部１５とこれらに連通する連通溝１３´とから形成される縦方向のチューブの通路が設けられており、熱媒用可撓性チューブ１４は、縦方向に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この縦方向のチューブの通路を経由させて配置されている。また、Ｉ型パネル１０の横方向の折畳み部分を構成する折畳み代部材(A)には、孔１６が２個とこれらに連通する連通溝１３″とから形成される横方向のチューブの通路が設けられており、熱媒用可撓性チューブ１４は、横方向に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この横方向のチューブの通路を経由させて配置されている。
【００３４】
図２は、図１に示したＩ型パネル１０の折畳み代部材(B)を、可撓性薄板１２を貼着した面側に折畳んだ状態を示している。この折畳み代部材(B)を可撓性薄板１２をヒンジとして折畳むことにより、横方向に隣接する小型板状体１１の間に狭幅長尺の空間が設けられる。図３は、図１に示したＩ型パネル１０を縦方向に折畳んだ状態を示している。この図３の状態とするには、図１の状態から折畳み代部材(B)を折畳んで図２の状態とした後に、縦方向の折畳み部分でＩ型パネル１０を折畳む。この図３の状態から、横方向の折畳み部分でＩ型パネル１０を横方向に折畳むには、一方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体側に向けて矢印の方向に折畳んだ後に、他方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型板状体側に向けて矢印の方向に折畳む。
【００３５】
図４に示したII型パネル２０は、同一平面形状の小型板状体２１が縦方向に２枚、横方向に３枚配置されて構成されており、各小型板状体２１には可撓性薄板２２が貼着されている。各小型板状体２１の表面には溝２３が刻設され、この溝２３に熱媒用可撓性チューブ２４が埋設されており、この熱媒用可撓性チューブ２４によって、縦方向に相互に隣接した小型板状体同士および横方向の一方に相互に隣接した小型板状体同士が連結されている。
【００３６】
このII型パネル２０において、縦方向に相互に隣接する小型板状体２１の対向する狭幅側面部に、切り欠き部２５から形成された横長の矩形状の孔２６が設けられており、上記切り欠き部２５は、上記小型板状体２１の狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在させて形成されている。熱媒用可撓性チューブ２４は、縦方向に相互に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この横長の矩形状の孔２６を経由させて配置されている。この横長の矩形状の孔２６には、嵌め込み部材３０が取り付け・取り外し可能に設けられている。
【００３７】
また、II型パネル２０において、横方向に相互に隣接する小型板状体２１の対向する広幅側面部に、切り欠き部２７から形成された縦長の矩形状の孔２８が設けられており、上記切り欠き部２７は、上記小型板状体２１の広幅側面部の一方の端部から長さ方向中央部へと延在させて形成されている。熱媒用可撓性チューブ２４は、横方向に相互に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、この縦長の矩形状の孔２８を経由させて配置されている。この縦長の矩形状の孔２８には、嵌め込み部材３０´が取り付け・取り外し可能に設けられている。
【００３８】
図５は、図４に示したII型パネル２０に設けられた横長の矩形状の孔２７に取り付け・取り外し可能に設けられる嵌め込み部材３０を示している。この嵌め込み部材３０の表面には溝３１が刻設されており、この嵌め込み部材３０の溝３１は、嵌め込み部材３０を横長の矩形状の孔２６に取り付けた際に、縦方向に隣接する双方の小型板状体２１に刻設された溝２３と連接し、かつ、この横長の矩形状の孔２６に配置された熱媒用可撓性チューブ２４が埋設される。
【００３９】
図６は、図４に示したII型パネル２０を縦方向に折畳んだ状態を示している。この図６の状態とするには、図４に示したII型パネルの各矩形状の孔から嵌め込み部材を取り外した後、このII型パネル２０を縦方向に折畳む。この図６の状態から、II型パネル２０を横方向に折畳むには、右側に位置する小型板状体を矢印の方向、すなわち、中央の小型板状体の上側に折畳み、左側に位置する小型板状体を矢印の方向、すなわち、中央の小型板状体の下側に折畳む。
【００４０】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
１．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、その縦方向および横方向の折畳み部分に、熱媒用可撓性チューブをあそびをもたせて配置可能なチューブの通路が設けられているので、パネルを縦方向および横方向に容易に折畳むことができる。
２．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、縦方向および横方向に容易に折畳むことができるので、パネルの梱包、輸送、保管の各作業が極めて簡素化される。
３．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、縦方向および横方向に折畳んだ状態から容易に展開することができるので、敷設場所に搬入された後のパネルの敷設作業が極めて簡素化される。
４．本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、その縦方向および横方向の折畳み部分に、熱媒用可撓性チューブをあそびをもたせて配置可能なチューブの通路が設けられているので、パネルを折畳む際に各折畳み部分で熱媒用可撓性チューブが潰されたり、破損することがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第一発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図である。
【図２】 図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルの部分拡大斜視図である。
【図３】 図１に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。
【図４】 本発明の第二発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例の一部切り欠き平面図である。
【図５】 図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルに設けられる嵌め込み部材の一例の平面図である。
【図６】 図４に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。
【符号の説明】
１０、２０：本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネル
１１、２１：小型板状体
１２、２２：可撓性薄板
１３、２３：溝
１３´、１３″：連通溝
１４、２４：熱媒用可撓性チューブ
１５、２５：切り欠き部
１６：孔
２６、２８：矩形状の孔
３０、３０´：嵌め込み部材
３１：嵌め込み部材の溝
Ａ、Ｂ：折畳み代部材
Claims (8)
- 平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、上記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、これら複数枚の小型板状体の上面に貼着された可撓性薄板をヒンジとして各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、縦方向の折畳み部分は、切り欠いたチューブの通路が設けられた上記小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成され、横方向の折畳み部分は、上記小型板状体の対向する広幅側面部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材(A,B)と可撓性薄板とによって構成され、横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(A)には、隣接する双方の小型板状体が可撓性薄板によって連結され、この折畳み代部材(A)にはチューブの通路が設けられ、横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(B)には、隣接する一方の小型板状体のみが可撓性薄板によって連結されてなることを特徴とする、折畳み可能な床暖房用パネル。
- 縦方向の折畳み部分におけるチューブの通路が、縦方向に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部の両端部近傍に設けられた切り欠き部と、これらに連通する連通溝とから形成されてなる、請求項１に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。
- 縦方向の折畳み部分におけるチューブの通路が、縦方向に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部の両端部近傍に設けられた深めの切り欠き部と、これらの間に延在する浅めの切り欠き部とから形成されてなる、請求項１に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。
- 縦方向の折畳み部分におけるチューブの通路が、縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在する切り欠き部から形成された横長の矩形状孔とされ、嵌め込み部材がこのチューブの通路に取り付け・取り外し可能に設けられてなる、請求項１に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。
- 横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材(A)に設けられたチューブの通路が、２個の孔とこれら孔に連通する連通溝とから形成されてなる、請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。
- 平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向および横方向に各々複数枚隣接させて配置し、上記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、これら各々の小型板状体の上面には可撓性薄板が貼着され、各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、縦方向に相互に隣接する上記小型板状体の対向する狭幅側面部、および、横方向の一方に相互に隣接する上記小型板状体の対向する広幅側面部には切り欠いたチューブの通路が設けられ、この各チューブの通路には、取り付け・取り外し可能な嵌め込み部材が設けられてなり、この嵌め込み部材の一方の面に、隣接する双方の小型板状体の溝と連接する溝が刻設され、この嵌め込み部材の溝には上記各チューブの通路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされてなることを特徴とする、折畳み可能な床暖房用パネル。
- 縦方向のチューブの通路が、縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在する切り欠き部から形成された横長の矩形状の孔とされてなり、横方向のチューブの通路が、横方向に相互に隣接する小型板状体の対向する広幅側面部の一方の端部から長さ方向中央部へと延在する切り欠き部から形成された縦長の矩形状の孔とされてなる、請求項６に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。
- 小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チューブが、縦方向に相互に隣接する小型板状体間および横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間において連続とされ、横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間において不連続とされてなる、請求項１ないし請求項７のいずれか１項に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。
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