JP3837497B2 - 新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素、それをコードする遺伝子、ならびに該酵素の製造方法 - Google Patents

新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素、それをコードする遺伝子、ならびに該酵素の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有する特定のアミノ酸配列を有するポリペプチド、その遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベクターにより形質転換された形質転換体、及び該形質転換体を培養して上記ポリペプチドを製造する方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
キシログルカンは、グルコース、キシロース、ガラクトース、フコース、アラビノースなどを構成単糖とするヘテロ多糖であるが、グルコースがβ-1,4-グルコシド結合で多数結合した主鎖に対して、キシロースがα-1,6キシロシド結合で高頻度に分岐結合した構造を基本とすることから、キシログルカンと呼称されている。このキシログルカンは、植物の一次細胞壁の構成成分として、またタマリンド豆に代表される熱帯産マメ科植物の種子貯蔵多糖として重要な役割を担っており、その構造や機能が注目されている。特に、植物の一次細胞壁中におけるキシログルカンは、セルロースと密接に関わって存在していると考えられており、セルロースとの相対的な存在形態が、植物細胞の伸長や形態分化に重要な役割を担っているものと考えられている。このようなキシログルカンの役割を解明するために種々の手法が用いられているが、中でもキシログルカンを分解することのできる各種グリコシダーゼは、重要で強力な分析手段を提供する。
【0003】
上述のようにキシログルカンはグルコース、キシロース、ガラクトース、フコース、アラビノースなどを構成単糖とし、かつ主鎖の構造がセルロースと同様なものであることから、これを分解できるグリコシダーゼとして、エンド-1,4-β-D-グルカナーゼ、β-ガラクトシダーゼ、イソプリメベロース生成オリゴキシログルカン分解酵素、α-キシロシダーゼ、β-グルコシダーゼおよびα-フコシダーゼが知られており、キシログルカンの構造や機能の解明に、各種起源のこれら酵素が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キシログルカンの複雑な構造から察せられるように、既知のグリコシダーゼでは切断できない結合が数多く残っており、既知酵素とは異なる分解様式をもつ新しいグリコシダーゼの開発が嘱望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、キシログルカンには既知のグリコシダーゼでは直接切断できないグリコシド結合のほうが多いこと、また酵素は一般的に高い基質特異性を有していることに着目し、自然界よりキシログルカンを炭素源として生育できる微生物のスクリーニングを行い、さらに分離微生物の生産するキシログルカン分解酵素系を、種々の構造をもつキシログルカンオリゴ糖を分解基質として精査することにより、これまで知られていない分解様式でキシログルカンを分解する酵素の存在の可能性について鋭意検討した。その結果、酵母菌の一種であり、高純度キシログルカンオリゴ9糖の大量調製に有効な菌株として知られているゲオトリカム属の一菌株(ゲオトリカム(Geotrichum)属菌M128株)が 新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素を生産することを見出すとともに、該酵素のアミノ酸配列及びその遺伝子の塩基配列を解明し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は以下の(1)〜(20)に係るものである。
(1)配列番号14に示されるアミノ酸配列を有するポリぺプチド、若しくは該ポリペプチドにおける1個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、かつキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチド。
(2)N末端にメチオニンが付加された上記(1)に記載のポリペプチド。
(3)シグナル配列が付加された上記(1)に記載のポリペプチド。
(4)配列番号12中に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、若しくは該ポリペプチドにおける1個のアミノ酸が欠失、付加、挿入または置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体となるポリペプチド。
(5)配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する上記(2)に記載のポリペプチド。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(7)配列番号13に示される塩基配列を有するポリヌクレオチド、若しくは該ポリヌクレオチドにおける1個の核酸が欠失、付加、挿入または置換された塩基配列を有するものであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを発現するポリヌクレオチド。
(8)開始コドンが付加された上記(7)に記載のポリヌクレオチド。
(9)シグナルペプチド配列に対応する塩基配列が付加された上記(7)に記載のポリヌクレオチド。
(10)配列番号11に示される塩基配列を有するポリヌクレオチド、若しくは該ポリヌクレオチドにおける1個の核酸が欠失、付加、挿入または置換された塩基配列を有するポリヌクレオチドであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体を発現するポリヌクレオチド。
(11)上記(7)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドに対し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを発現するポリヌクレオチドであって、ストリンジェントな条件が、0.5%SDS、5×デンハルツ及び100μ g/ mlサケ***DNAを含む6×SSC中で、50℃〜65℃で4時間〜一晩保温し、次いで、6×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む2×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む0.2×SSC中、45℃で30分間洗浄する条件である、上記ポリヌクレオチド。
(12) 上記(10)に記載のポリヌクレオチドに対し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体を発現するポリヌクレオチドであって、ストリンジェントな条件が、0.5%SDS、5×デンハルツ及び100μ g/ mlサケ***DNAを含む6×SSC中で、50℃〜65℃で4時間〜一晩保温し、次いで、6×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む2×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む0.2×SSC中、45℃ で30分間洗浄する条件である、上記ポリヌクレオチド。
(13) 上記(7)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドに対し、95%以上の相同性を有し、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを発現するポリヌクレオチド。
(14)上記(10)に記載のポリヌクレオチドに対し、95%以上の相同性を有し、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体を発現するポリヌクレオチド。
(15)上記(7)〜(14)のいずれかに記載のポリヌクレオチドに縮重するポリヌクレオチド。
(16) 上記(6)〜(15)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする組換えベクター。
(17)上記(16)に記載の組換えベクターを含むことを特徴とする形質転換体。
(18)上記(17)に記載の形質転換体を培養し、培養物から、組み換えられたポリヌクレオチドに対応するポリペプチドを採取することを特徴とする、ポリペプチドの製造方法。
(19)ポリペプチドが、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するものである上記(18)に記載のポリペプチドの製造方法。
(20)キシログルカンオリゴ糖分解活性が、キシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解するものである上記(19)に記載のポリペプチドの製造方法。
【0007】
なお、本発明においては、「アミノ酸配列を有するポリペプチド」あるいは「塩基配列を有するポリヌクレオチド」というとき、該記載において指摘するアミノ酸配列または塩基配列のみではなく、これら配列をその部分として含有するポリペプチド、ポリヌクレオチドも包含する。
【0008】
本発明におけるキシログルカンオリゴ糖分解酵素は、キシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解する機能を有する。
この酵素は、ゲオトリカム(Geotrichum)属菌M128株により生産され、ゲオトリカム(Geotrichum)属菌M128株は、ゲオトリカム・エスピー (Geotrichum sp.)M128株、FERM P-16454として産業技術総合研究所、特許微生物寄託センターに寄託されている。
【0009】
上記ゲオトリカム(Geotrichum )属菌M128株より、本発明の酵素を生産するためには、通常、タマリンド種子キシログルカンを炭素源とし、これに窒素源として、硝酸塩、アンモニウム塩或いはペプトン、酵母エキスのような無機または有機の窒素源と少量の金属塩を含む液体または固体培地を用い、20〜30℃で、4〜10日程度、好気的に培養される。本発明の酵素は、菌体外に生産される酵素であるため、液体培地の場合は培養後、濾過或いは遠心分離した上澄液を、そして固体培養の場合は培養後、水または適当な無機塩類で抽出した液を、粗酵素液とすることができる。粗酵素液中には、本発明の酵素以外にキシログルカンを分解する種々の酵素活性が含まれるため、これを除去する必要があるが、公知のクロマトグラフィーにより、本発明の酵素以外の共存するグリコシダーゼ活性を除去することができる。
【0010】
上記のようにして得られた本発明の酵素(精製物)は、以下のような性質を有している。
【0011】
(1)分子量及び等電点;精製された本発明の酵素は、分子量が約96,000で、等電点pHは約6.0である。
【0012】
(2)作用;本発明の酵素は、各種起源のキシログルカンのエンド-β-1,4-グルカナーゼによる部分分解で生ずるキシログルカン由来オリゴ糖のうち、主鎖の重合度が3以上のキシログルカンオリゴ糖に作用し、そのオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解する。このとき、還元末端に位置するグルコース残基の結合にあずかる4位の水酸基以外が修飾されていると、本発明の酵素は当該のβ-グルコシド結合を分解できない。
【0013】
また、キシログルカンオリゴ糖について、主鎖の還元末端グルコースから数えて3番目のグルコース残基に結合している、側鎖キシロースの水酸基のうち2位水酸基が修飾されていると、本発明の酵素は還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を分解できない。さらに、キシロース側鎖を持たない重合度4以上のセロオリゴ糖について、本酵素は還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を分解しセロビオースを生成するが、キシログルカンオリゴ糖の分解速度にくらべて非常に遅く、その比は200分の1以下である。
【0014】
重合度4以上のセロオリゴ糖について、これを分解しセロビオースを生成する酵素として、1,4-β-D-グルカン-セロビオヒドロラーゼ(EC 3.2.1.91)が知られているが、該酵素はキシロース側鎖をもつキシログルカンオリゴ糖の、主鎖を構成するβ-グルコシド結合を分解することはできない。このように、既知のグリコシダーゼには、キシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合に特異的に作用する酵素は知られておらず、したがって本発明の酵素は、新規な分解様式をもつ新しいキシログルカンオリゴ糖分解酵素である。
【0015】
(3)作用pH及び最適作用pH;キシログルカンオリゴ7糖を分解基質としたとき、本発明の酵素の作用pH範囲は、45℃で10分間作用させた場合、pH3〜5であり、最適作用pHは約4.0付近に認められた。
【0016】
(4)安定pH範囲;本発明の酵素をクエン酸-リン酸塩緩衝液中で、45℃,3時間放置してその残存活性からみた安定pH範囲は約pH3.5〜8.0であった。
【0017】
(5)作用温度範囲及び最適作用温度;キシログルカンオリゴ7糖を分解基質としたとき、本発明の酵素の作用温度範囲は、pH4.0で10分間作用させた場合、約55℃まで作用が認められたが、最適作用温度は50℃であった。
【0018】
(6)熱安定性;本発明の酵素を50mM酢酸緩衝液(pH4.0)のもとで、各温度で10分間加熱処理した残存活性は50℃までは殆ど失活せず、55℃で約10%、60℃で約85%が活性を失った。
【0019】
(7)阻害剤;各種金属イオンのうちで、1mM以上の水銀イオンにより、本発明の酵素は強く阻害された。
【0020】
(8)精製法;本発明の酵素は、培養上清を限外濾過により濃縮・脱塩した後、陰イオン交換体PBE94のカラムを用いたイオン交換及び吸着クロマトグラフィーを繰り返し行い、活性を保持している画分を濃縮して、さらにトヨパールHW55Fカラムによるゲル濾過を行うことで、SDS電気泳動的に均一なまで分離精製することができた。
【0021】
(9)活性測定法;本発明の酵素は、キシログルカンオリゴ糖を特異的に分解することから、タマリンドガムより調製したキシログルカンオリゴ7糖の30ミリモル水溶液0.5ミリリットル(pH4.0)に対して、適量の酵素を添加して全量を1ミリリットルとし、45℃で10分間反応させ、生成する還元糖をネルソン-ソモギー法により測定し、活性を求めた。この条件で、1分間に1マイクロモルのグルコースに相当する還元力を生成する酵素量を1単位とした。
【0022】
本発明の新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素は、分泌蛋白であり、配列番号12に示されるアミノ酸配列を有し、該配列中、残基1〜23はシグナル配列である。本酵素の成熟体蛋白は、この残基1〜23の配列が除かれたものであり、このアミノ酸配列を配列番号14に示す。
【0023】
したがって、本発明のポリペプチドとして好適なものは、少なくともこの配列番号14のアミノ酸配列を有するものであるが、また、このポリペプチドと1個又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入若しくは置換によりアミノ酸配列が異なるものであっても、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有する限り本発明に含まれる。
【0024】
また、本発明のポリペプチドとしては、配列番号12で示されるような、上記シグナル配列を有する前駆体ポリペプチド、あるいは、該ポリペプチドと1個又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入若しくは置換によりアミノ酸配列が異なるものであっても、スプライシングによりキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを産生可能なものも挙げることができる。
【0025】
さらに、本発明のポリペプチドは、遺伝子組換え手段を用いて製造することができる。この場合、例えば、上記配列番号14に示されるアミノ酸配列のN末端に開始コドン由来のメチオニンが付加したもの、あるいはそのC末端に発現ベクター由来のアミノ酸残基及び得られるポリペプチドの精製のためのヒスチジンタグ等が付加したものであってもよく、例えば、配列番号18に示されるポリペプチドについて、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有することが確認されている。
【0026】
本発明のキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子としては、該酵素を産生する微生物から該遺伝子のクローニングによって取得することができる遺伝子や該遺伝子に相同性を有する遺伝子があげられる。相同性としては、少なくとも60%以上の相同性を有する遺伝子、好ましくは80%以上の相同性を有する遺伝子、さらに好ましくは95%以上の相同性を有する遺伝子が挙げられる。
本発明のキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子としては、例えば以下のようなポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)が好ましい。
【0027】
(1)配列番号13に示す塩基配列を有するポリヌクレオチド、あるいは該ポリペプチドの1個又は複数個の核酸が欠失、付加、挿入または置換された塩基配列を有するポリヌクレオチドであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(2)上記(1)のポリヌクレオチドに開始コドンが付加されているポリヌクレオチド。
(3)上記(1)に示されるポリヌクレオチドにシグナル配列に対応する塩基配列が付加されたポリヌクレオチド、あるいは該ポリヌクレオチドにおける1個又は複数個の核酸が欠失、付加、挿入または置換された塩基配列を有し、かつスプライシングにより成熟体を発現可能なポリヌクレオチドであって、具体的には配列番号11に示される塩基配列を有するポリヌクレオチド。
【0028】
さらに、このほか上記(1)〜(3)のポリヌクレオチドに対しストリンジェントな条件下でハイブリダイズする遺伝子、該ポリヌクレオチドに相同性を有するポリヌクレオチド、及び該ポリヌクレオチドに縮重するポリヌクレオチドもそれらがコードするポリペプチドがキシログルカンオリゴ糖分解活性を有する限り本発明に含まれる。
なお、ここでいう「ストリンジェントな条件下」とは、例えば以下の条件をいう。すなわち0.5%SDS、5×デンハルツ(Denhartz's、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400)及び100μg/mlサケ***DNAを含む6×SSC(1×SSCは、0.15 mol/l、0.015mol/lクエン酸ナトリウム、pH7.0 )中で、50℃〜65℃で4時間〜一晩保温する条件をいう。
【0029】
本発明のキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、上述したキシログルカンオリゴ糖分解酵素を産生する微生物から、例えば以下に記載するような方法で該遺伝子のクローニングを行うことによって取得することができる。まず、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素を産生する微生物から上述の方法によって本発明の新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素を単離、精製し、その部分アミノ酸配列に関する情報を得る。
【0030】
部分アミノ酸配列決定方法としては、例えば、精製された本酵素蛋白質を直接エドマン分解法〔Journal of Biological Chemistry, 256, 7990-7997 (1981)〕によりアミノ酸配列分析〔プロテイン−シーケンサ476A、アプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製等〕に供してもよいし、あるいはタンパク質加水分解酵素を作用させて限定加水分解を行い、得られたペプチド断片を分離精製し、得られた精製ペプチド断片についてアミノ酸配列分析を行うのが効果的である。
【0031】
こうして得られる部分アミノ酸配列の情報を基に、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素遺伝子をクローニングする。一般的に、 PCRを用いる方法あるいはハイブリダイゼーション法を利用してクローニングを行うことができる。
【0032】
PCR法やハイブリダイゼーション法を利用する場合、例えば、Sambrook and Russell,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Third edition, Cold Spring Habor Laboratory Press(2001)に記載の方法を用いることができる。
【0033】
PCR法を利用する場合、以下のような方法を用いることができる。まず、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素を産生する微生物のcDNAを鋳型とし、部分アミノ酸配列の情報を基にデザインした合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子断片を得る。
【0034】
この増幅DNA断片について通常用いられる方法、例えば、ジデオキシチェーンターミネーター法で塩基配列を決定すると、決定された配列中に合成オリゴヌクレオチドプライマーの配列以外に新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素の部分アミノ酸配列に対応する配列が見出され、目的の酵素遺伝子の一部を取得することができる。さらに、得られた遺伝子断片をプローブとして用いるハイブリダイゼーション法や、5′−RACE(Rapid Amplification of cDNA ends)及び 3′−RACE法等を行うことによって、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素全長をコードする遺伝子をクローニングすることができる。
【0035】
本発明においては、ゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株を用い、PCR法を利用して、キシログルカンオリゴ糖分解酵素をコードする遺伝子の全塩基配列を決定した。この塩基配列は配列番号11に示される。
これによってコードされるアミノ酸配列を配列番号12に記載した。 このアミノ酸配列のうち、N末端1〜23のアミノ酸残基はシグナル配列を示し、成熟体のポリペプチドは、24番目のリジンから始まるアミノ酸配列を有し(配列番号14)、該成熟体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は配列番号13に示すとおりである。
なお、配列番号12あるいは14に記載したアミノ酸配列に対応する塩基配列は配列番号11あるいは13に記載したもの以外に無数に存在するが、これらはすべて本発明の範囲に含まれる。
【0036】
また、配列番号12あるいは14に記載のアミノ酸配列や配列番号11あるいは13に記載の塩基配列の情報を元にして、化学合成によって目的とする遺伝子ポリヌクレオチドを得ることもできる(Gene,60(1), 115-127 (1987))。
【0037】
さらに、ゲオトリカム・エスピーM128株を用いて全塩基配列が明らかにされた新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素遺伝子の全体あるいは一部分をハイブリダイゼーション用のプローブとして用いて、他のキシログルカンオリゴ糖分解酵素を産生する微生物のゲノムDNAライブラリーあるいはcDNAライブラリーから、配列番号11の新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素遺伝子と相同性の高いDNAを選別することができる。
【0038】
ハイブリダイゼーションは、上記に示したストリンジェントな条件下で行うことができる。例えば、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素を産生する微生物から得たゲノムDNAライブラリーあるいはcDNAライブラリーを固定化したナイロン膜を作成し、6×SSC 、 0.5%SDS 、5×デンハルツ、100μg/mlサケ***DNAを含むプレハイブリダイゼーション溶液中、65℃でナイロン膜をブロッキングする。その後、32Pでラベルした各プローブを加えて、65℃で一晩保温する。このナイロン膜を6×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む2×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む0.2×SSC中、45℃で30分間洗浄した後、オートラジオグラフィーをとり、プローブと特異的にハイブリダイズするDNAを検出することができる。また、洗いなどの条件を変えることによって様々な相同性を示す遺伝子を得ることができる。
【0039】
一方、本発明の遺伝子の塩基配列からPCR反応用のプライマーをデザインすることができる。このプライマーを用いてPCR反応を行うことによって、本発明の遺伝子と相同性の高い遺伝子断片を検出したり、更にはその遺伝子全体を得ることもできる。
【0040】
得られた遺伝子が目的のキシログルカンオリゴ糖分解酵素活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子であるかどうかを確認するには、決定された塩基配列を本発明の新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素の塩基配列又はアミノ酸配列と比較し、その遺伝子構造及び相同性から推定することもできる。また、得られた遺伝子のポリペプチドを製造し、キシログルカンオリゴ糖分解酵素活性を測定することにより、目的の酵素活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子であるかどうか確認することができる。
【0041】
本発明のキシログルカンオリゴ糖分解酵素遺伝子を用いて、キシログルカンオリゴ糖分解酵素活性を有するポリペプチドを生産するには以下の方法が便宜である。まず、目的の酵素遺伝子により発現ベクターを組み換え、該遺伝子を含む組換えベクターを用いて宿主の形質転換を行い、次いで該形質転換体の培養を通常用いられる条件で行うことによって、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素活性を有するポリペプチドを生産させる。この際、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有する成熟体ポリペプチドを得るには、該ポリペプチドのN末端にメチオニン残基が付いていないため、該成熟体ポリペプチドに対応する塩基配列において開始コドン(atg)を付加し、さらに、必要に応じ終止コドンを付加する(taa/tag/tga)。
【0042】
また、宿主としては微生物、動物細胞、植物細胞等を用いることができる。微生物としては、大腸菌、Bacillus属、Streptomyces属、Lactococcus属等の細菌、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属等の酵母、Aspergillus属、Penicillium属、Trichoderma属等の糸状菌が挙げられる.動物細胞としては、バキュロウイルスの系統が挙げられる。
このうち、真核細胞を用いる場合においては、例えば、遺伝子として、配列番号11に示すような、シグナル配列に対応する塩基配列を有する前駆体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを用いても、スプライスィングにより成熟体ポリペプチドが生産される。
【0043】
発現の確認や発現産物の確認は、新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素に対する抗体を用いて行うことが簡便であるが、酵素活性を測定することにより発現の確認を行うこともできる。
【0044】
形質転換体の培養物から新規なキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを精製するには上述のように、遠心分離、UF濃縮、塩析、イオン交換樹脂等の各種クロマトグラフィーを適宜組み合わせて行うことができる。また、ポリペプチドの精製を有利に行うためには、例えば、使用する遺伝子として、生成するポリペプチドのC末端にヒスチジンタグが付加されるように、cay cay cay cay cay cay配列を設けてもよく、また、使用する発現ベクターとしてヒスチジンタグ配列および終止コドンを有するベクターを用い、該ヒスチヂンタグの5’末端上流側に当該遺伝子を挿入してもよい。
【0045】
一方、本発明によりキシログルカンオリゴ糖分解酵素の一次構造及び遺伝子構造が明らかとなったことにより、本発明の遺伝子を用いて、ランダム変異あるいは部位特異的変異を導入し、天然のキシログルカンオリゴ糖分解酵素のアミノ酸配列中に、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換の少なくとも1つがなされている遺伝子を得ることが可能である。これにより、キシログルカンオリゴ糖分解酵素活性を有するが、至適温度、安定温度、至適pH、安定pH、基質特異性等の性質が少しずつ異なったキシログルカンオリゴ糖分解酵素をコードする遺伝子を得ることが可能であり、遺伝子工学的にこれら酵素活性を有するポリペプチドを製造することが可能となる。
【0046】
ランダム変異を導入する方法としては、例えば、 DNAを化学的に処理する方法として、亜硫酸水素ナトリウムを作用させシトシン塩基をウラシル塩基に変換するトランジション変異を起こさせる方法〔Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 79, 1408−1412(1982)〕、生化学的方法として、〔α-S〕dNTP存在下、二本鎖を合成する過程で塩基置換を生じさせる方法〔Gene, 64, 313-319(1988)〕、 PCRを用いる方法として、反応系にマンガンを加えてPCRを行い、ヌクレオチドの取込みの正確さを低くする方法〔Analytical Biochemistry, 224, 347-353(1995)〕等を用いることができる。
【0047】
部位特異的変異を導入する方法としては、例えば、アンバー変異を利用する方法〔ギャップド デュプレックス(gapped duplex )法、Nucleic Acids Research, 12(24), 9441-9456(1984)〕、制限酵素の認識部位を利用する方法〔Analytical Biochemistry, 200, 81-88(1992)、Gene, 102, 67-70(1991)〕、dut (dUTPase )とung (ウラシルDNAグリコシラーゼ)変異を利用する方法〔クンケル(Kunkel)法、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 82, 488-492(1985)〕、DNAポリメラーゼ及びDNAリガーゼを用いたアンバー変異を利用する方法〔オリゴヌクレオチド ダイレクティッド デュアル アンバー(Oligonucleotide-directed Dual Amber :ODA)法、Gene, 152, 271-275(1995)、特開平7-289262号公報〕、DNAの修復系を誘導させた宿主を利用する方法(特開平8-70874号公報)、DNA鎖交換反応を触媒するタンパク質を利用する方法(特開平8-140685号公報)、制限酵素の認識部位を付加した2種類の変異導入用プライマーを用いたPCRによる方法(USP5,512,463)、不活化薬剤耐性遺伝子を有する二本鎖DNAベクターと2種類のプライマーを用いたPCRによる方法〔Gene, 103, 73-77(1991)〕、アンバー変異を利用したPCRによる方法〔国際公開WO98/02535号公報〕等を用いることができる。
【0048】
また、市販されているキットを使用することにより、部位特異的変異を容易に導入することができる。市販のキットとしては、例えば、ギャップドデュプレックス法を用いたMutan(登録商標)-G(宝酒造社製)、クンケル法を用いたMutan(登録商標)-K(宝酒造社製)、ODA法を用いたMutan (登録商標)-Express Km(宝酒造社製)、変異導入用プライマーとピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来DNAポリメラーゼを用いたQuikChangeTM Site-Directed Mutagenesis Kit〔ストラタジーン(STRATAGENE)社製〕等を用いることができ、また、 PCR法を利用するキットとして、TaKaRa LA PCR in vitro Mutagenesis Kit(宝酒造社製)、Mutan (登録商標)-Super Express Km (宝酒造社製)等を用いることができる。
【0049】
このように、本発明により、キシログルカンオリゴ糖分解酵素の一次構造及び遺伝子構造が提供されたことにより、キシログルカンオリゴ糖分解酵素活性を有するポリペプチドの安価で高純度な遺伝子工学的な製造が可能となる。なお、本明細書では種々の文献等を引用したが、これらはすべて参考として本明細書に組み込まれるものである。以下、本発明を実施例を用いて詳述するが本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に明記しない限り、本明細書において%はW/V%で示した。
【0050】
【実施例】
【実施例1】
タマリンド種子キシログルカン1%とペプトン0.8%と硫酸マグネシウム0.05%とリン酸一カリウム0.2%と酵母エキス0.05%とを含む培地(pH6.0)20mlを200ml容の三角フラスコに入れ、常法により殺菌した後、ゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株(FERM P-16454)を接種し、30℃で6日間通気培養した。その後、遠心分離により除菌し、得られた上澄液について前記活性測定法により活性を測定した結果、培養液1ml当り0.05単位であった。
【0051】
【実施例2】
前記実施例1と同様な組成の培養液4000mlを調製し、ゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株を接種して同様に培養し、培養上清を得た。培養液中の全酵素活性は216単位であった。培養上清を限外濾過により濃縮・脱塩した後、陰イオン交換体PBE94のカラムを用いたイオン交換及び吸着クロマトグラフィーを行い、さらにトヨパールHW55Fカラムによるゲル濾過により精製した。精製酵素はSDS−電気泳動的に均一であり、活性の収率は培養濾液に対して9.2%であった。また、精製酵素タンパク質1mg当たりの活性は、11.8単位であった。
【0052】
【実施例3】
前記実施例2で得られた本精製酵素0.08単位を、80ミリグラムのキシログルカンオリゴ7糖を含む反応液1ミリリットルに加え、pH4.0,45℃で3時間作用させた。反応終了後、生成物をバイオ・ゲルP-2〔バイオラッド(Bio-Rad)社製〕を用いたゲル濾過法により分離・精製し構造を解析した。生成物は、重合度3(オリゴ糖A)と重合度4(オリゴ糖B)の2種類のオリゴ糖からなり、オリゴ糖Aは、イソプリメベロース生成オリゴキシログルカン分解酵素により、等モルのイソプリメベロースとグルコースに分解された。また、オリゴ糖Bは、イソプリメベロース生成オリゴキシログルカン分解酵素により分解され、イソプリメベロースのみを生成した。以上の結果から、本酵素は基質としてあたえたキシログルカンオリゴ7糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、該オリゴ糖の還元末端から数えて2番目のβ-グルコシド結合を切断し、分岐4糖と分岐3糖を生成することが明らかになった。
【0053】
【実施例4】
前記実施例2で得られた本精製酵素0.01単位を、表1に示す各種のキシログルカンオリゴ糖5ミリグラムに18時間作用させた後、高速液体クロマトグラフィーにより生成オリゴ糖を分析した。その結果、本酵素は、主鎖の重合度が3以上のキシログルカンオリゴ糖に作用し、そのオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解することが示された。また、このとき、還元末端に位置するグルコース残基が修飾されていると、当該の結合を分解できないこと、さらに主鎖の還元末端グルコースから数えて3番目のグルコース残基に結合している側鎖キシロース残基が重要であり、このキシロース残基が修飾されていると、本酵素は当該結合を分解できないことが示された。
【0054】
【表1】
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【0055】
側鎖を有するキシログルカンオリゴ糖について、その主鎖を構成する1,4-β-D-グルコシド結合を直接分解する酵素としては、イソプリメベロース生成オリゴキシログルカン分解酵素が従来より知られていた。しかし、該酵素はキシログルカンオリゴ糖を、その非還元末端よりエキソ型の分解様式でイソプリメベロース単位に分解する酵素であるのにた対して、本酵素はキシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を直接分解できる点で、既知酵素とは全く異なる基質特異性と分解様式を持つ酵素であった。
【0056】
【実施例5】
〈ゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株由来の新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素をコードする遺伝子の単離〉
【0057】
本明細書においては、遺伝子操作手法は特に記載しない限り成書(例えばSambrook and Russell,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Third edition, Cold Spring Habor Laboratory Press, 2001)に従って行った。
【0058】
〔部分アミノ酸配列の決定〕
実施例2で得られたキシログルカンオリゴ糖分解酵素の精製標品を、プロテイン・シークエンサー〔アプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製〕に供し、配列番号1に示す22残基のN末端アミノ酸配列を決定した。次に、実施例2で得られたキシログルカンオリゴ糖分解酵素の精製標品をリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬工業社製)による分解を行った。得られた分解物を逆相液体クロマトグラフィーに供し、分離されたペプチド画分のうち三つをプロテイン・シークエンサーに供し、配列番号2,3,4に示す9〜12残基の内部アミノ酸配列を決定した。
【0059】
配列番号1:
Lys-Glu-His-Tyr-Glu-Phe-Lys-Asn-Val-Ala-Ile-Gly-Gly-Gly-Gly-Tyr-Ile-Thr-Gly-Ile-Val-Ala
配列番号2:
Asp-Leu-Leu-Tyr-Ala-Arg-Thr-Asp-Ile-Gly-Gly-Ala
配列番号3:
Ala-Ser-Ala-Pro-Ser-Ala-Val-Phe-Ile-Trp-Gly-Thr
配列番号4:
Val-Tyr-Gly-Arg-Val-Tyr-Leu-Gly-Thr
【0060】
全RNAの調製 実施例1と同様に培養を行い、常法によりRNA単離キット(FastRNA Kit-RED、BIO 101社製)を用いて、添付の説明書に従って全RNAを調整し、mRNA調製キット〔QuickPrep mRNA Purification Kit、アマシャムファルマシア バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech)社製〕を用いてmRNAを精製した。得られたmRNAから、cDNA合成キット〔TimeSaver cDNA Synthesis kit、アマシャム ファルマシア バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech)社製〕を用いて、オリゴdTプライマーと逆転写酵素によるcDNA合成を行った。
【0061】
PCRによる増幅 配列番号1のN末端領域アミノ酸配列および配列番号3の内部アミノ酸配列をもとに、配列番号5に示すセンス・プライマーと配列番号6に示すアンチセンス・プライマーの2種の混合オリゴヌクレオチドをDNA合成機〔アプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製〕により合成し、PCRプライマーとした。
【0062】
配列番号5 センス・プライマー:
5'-GARCAYTAYGARTTYAARAAYGT -3'
配列番号6 アンチセンス・プライマー:
5'-GTNCCCCADATRAANACNGC-3'
【0063】
これらのプライマーとゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株のcDNAを鋳型として、以下の条件下、GeneAmp PCR system 9700〔アプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製〕を用いてPCR反応を行なった。
【0064】
<PCR反応液> 10×PCR反応緩衝液 (宝酒造社製)10μl 、dNTP混合液 (それぞれ2.5mmol/l、宝酒造社製) 8 μ、 100μmol/lセンス・プライマー5μl 、100μmol/lアンチセンス・プライマー5μl 、蒸留水71μl、cDNA溶液(100μg/ml)0.5μl 、EX−TaqDNAポリメラーゼ (宝酒造社製)0.5μl
【0065】
<PCR反応条件> ステージ1: 変性(94℃、5分) 1サイクル
ステージ2: 変性(94℃、1分)アニール(45℃、1分)伸長(72℃、2分)35サイクル
ステージ3: 伸長(72℃、10分)1サイクル
【0066】
得られた約2kbpのDNA断片をpGEM-T Easy〔プロメガ(Promega)社製〕にクローニング後、塩基配列を確認したところ、センス・プライマーの直後とアンチセンス・プライマーの直前に、上記の部分アミノ酸配列をコードする塩基配列が見出された。また、配列番号2の内部アミノ酸配列をコードする塩基配列も見いだされた。
【0067】
〔5′末端及び3′末端の決定〕
前記DNAの塩基配列をもとにして、5′−RACE(Rapid Amplification of cDNA ends)用のアンチセンス・プライマーとして配列番号7及び配列番号8で示される2種のプライマーを作製し、cDNAを鋳型として、5′−RACE法により5′末端のDNA断片を得て、その塩基配列を決定した。また、同様に、3′−RACE用のセンス・プライマーとして配列番号9及び配列番号10で示される2種のプライマーを作製し、3′−RACE法により3′末端のDNA断片を得て、その塩基配列を決定した。
【0068】
配列番号7:
5'-CGTACAGCAGGTCCTTGGTCTTTGG-3'
配列番号8:
5'-TAATGTACCCGCCGCCGCCGAT-3'
配列番号9:
5'-GGCAAGTTCTTCGTCTCGACCGAC-3'
配列番号10:
5'- CCAAGTCGGACGGCAAGAAGGCTA -3'
【0069】
決定されたキシログルカンオリゴ糖分解酵素をコードするcDNAの塩基配列を配列番号11に示す。得られたcDNAは全長2646塩基対からなり、120〜122番目の開始コドン(atg)から2556〜2558番目の終止コドン(taa)で終了する、配列番号12に示す812アミノ酸からなる蛋白質をコードすると予想されるオープンリーディングフレームを有する。開始コドンの周辺は、翻訳開始部位に重要な−3位及び+4位のgの要求を満たしている。このアミノ酸配列中には、N末端領域アミノ酸配列(配列番号1)および内部アミノ酸配列(配列番号2〜4)が見出された。
翻訳開始部位から、成熟体のN末端領域アミノ酸(配列番号1)の直前までの配列(残基1〜23)は、シグナル配列であり、本発明の酵素が分泌蛋白であることを示唆している。
成熟体蛋白質のアミノ酸配列を配列番号14に、該成熟体蛋白質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を配列番号13に示す。
【0070】
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【0071】
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【0072】
本発明はキシログルカンオリゴ糖分解活性を有する前記の配列のポリペプチドやそれをコードするヌクレオチドに特に限定されるものではなく、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドからなる更に長いポリペプチドやそれをコードするヌクレオチドを含むものである。
【0073】
実施例6
〈新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素の大腸菌での発現プラスミドの構築〉成熟体のN末端領域アミノ酸配列およびC末端領域アミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列をもとに、配列番号15に示すセンス・プライマーと配列番号16に示すアンチセンス・プライマーを作製した。この際、N末端領域側のセンス・プライマーの5’側には、制限酵素Nde I認識配列(catatg)を、C末端領域側のアンチセンス・プライマーの5’側には制限酵素Bgl II認識配列(agatct)を付加した。制限酵素認識配列のさらに5’側に付加されている複数の塩基は、制限酵素の切断効率を増加させるためのものである。
【0074】
配列番号15 成熟体発現用センスプライマー:
5'-TCGCTCGCGCATATGAAGGAGCACTACGAGTTCAAGAATG-3'
配列番号16 成熟体発現用アンチセンスプライマー
5'-TGGAAGATCTCCTTTTTCACATAGCAGTGCGTGCCCTT-3'
【0075】
これらのプライマーとゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株のcDNAを鋳型として、以下の条件下、GeneAmp PCR system 9700〔アプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製〕を用いてPCR反応を行なった。
【0076】
<PCR反応液>10×PCR反応緩衝液 (宝酒造社製)10μl 、dNTP混合液 (それぞれ2.5mmol/l、宝酒造社製) 8 μ、10μmol/lセンス・プライマー5μl 、10μmol/lアンチセンス・プライマー5μl 、蒸留水71μl、cDNA溶液(100μg/ml)0.5μl 、EX−Taq DNAポリメラーゼ (宝酒造社製)0.5μl
【0077】
<PCR反応条件> ステージ1: 変性(96℃、1分) 1サイクル
ステージ2: 変性(96℃、10秒)アニール及び伸長(68℃、4分)30サイクル
【0078】
得られた約2.4kbpのDNA断片を制限酵素Nde I及びBgl IIで切断し、制限酵素Nde I及びBgl IIで切断したpET29a(+)〔ノバジェン(Novagen)社製〕にクローニングした。塩基配列が正しいことを確認した後、大腸菌BL21-CodonPlus (DE3)-RP〔ストラタジーン(STRATAGENE)社製〕に導入した。得られた形質転換体を30μg/mlのカナマイシンを含むLB培地で37℃で振盪培養した。培地にイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシドを添加して生産誘導すると、目的の遺伝子産物は、蛋白質封入体として菌体内に蓄積した。
【0079】
【実施例7】
〈タンパク質封入体の単離・可溶化・巻き戻し〉
上述のようにして培養した菌体を集菌後、蛋白質抽出キット〔バグバスター(BugBuster)、ノバジェン(Novagen)社製〕を用いて細胞の破砕および蛋白質封入体の精製を行った。精製された蛋白質封入体を、8M尿素−1mMジチオトレイトール−50mMトリス・塩酸−1mMエチレンジアミン四酢酸溶液(pH8.0)に、タンパク質濃度が約1mg/mlになるよう溶解した。
【0080】
可溶化上清を25mMイミダゾール・塩酸(pH7.4)に透析し、尿素、ジチオトレイトールを除去することによって巻き戻しを行った。
【0081】
得られたポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号18に示し、また、該アミノ酸配列に対応する塩基配列を配列番号17に示す。該ポリペプチドは、配列番号14に記載の成熟体ポリペプチドのアミノ酸配列のC末端(789番目のLys)に、発現ベクターpET29a(+)由来の30アミノ酸残基及び6個のヒスチジンからなるヒスチジンタグが付加されているものである。該ポリペプチドのキシログルカンオリゴ糖分解活性について、表1に示した各種キシログルカンオリゴ糖を基質として検討した結果、ゲオトリカム・エスピー(Geotrichum sp.)M128株から得られた酵素とまったく同様な結果を得た。すなわち、この組み換え酵素は、キシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解する酵素活性を有していた。
【0082】
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【0083】
これらの結果より、本発明で得られた新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素遺伝子を用いて、組換え酵素を大腸菌を用いて製造出来ることが確認された。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、キシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解する新規な酵素を提供するとともにそのアミノ酸配列、その遺伝子の構造を明らかにしたものであり、本発明によれば、植物細胞の伸長や形態分化に重要な役割を担っているものと考えられているキシログルカンの構造や機能を解明するための新しい分析手段が提供できる。
【0085】
【配列表】
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Claims (20)

  1. 配列番号14に示されるアミノ酸配列を有するポリぺプチド、若しくは該ポリペプチドにおける1個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、かつキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチド。
  2. N末端にメチオニンが付加された請求項1に記載のポリペプチド。
  3. シグナル配列が付加された請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 配列番号12中に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、若しくは該ポリペプチドにおける1個のアミノ酸が欠失、付加、挿入または置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体となるポリペプチド。
  5. 配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する請求項2に記載のポリペプチド。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  7. 配列番号13に示される塩基配列を有するポリヌクレオチド、若しくは該ポリヌクレオチドにおける1個の核酸が欠失、付加、挿入または置換された塩基配列を有するものであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを発現するポリヌクレオチド。
  8. 開始コドンが付加された請求項7に記載のポリヌクレオチド。
  9. シグナルペプチド配列に対応する塩基配列が付加された請求項7に記載のポリヌクレオチド。
  10. 配列番号11に示される塩基配列を有するポリヌクレオチド、若しくは該ポリヌクレオチドにおける1個の核酸が欠失、付加、挿入または置換された塩基配列を有するポリヌクレオチドであって、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体を発現するポリヌクレオチド。
  11. 請求項7〜9のいずれかに記載のポリヌクレオチドに対し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを発現するポリヌクレオチドであって、ストリンジェントな条件が、0.5%SDS、5×デンハルツ及び100μ g/ mlサケ***DNAを含む6×SSC中で、50℃〜65℃で4時間〜一晩保温し、次いで、6×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む2×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む0.2×SSC中、45℃で30分間洗浄する条件である、上記ポリヌクレオチド。
  12. 請求項10に記載のポリヌクレオチドに対し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつキシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体を発現するポリヌクレオチドであって、ストリンジェントな条件が、0.5%SDS、5×デンハルツ及び100μ g/ mlサケ***DNAを含む6×SSC中で、50℃〜65℃で4時間〜 一晩保温し、次いで、6×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む2×SSC中、室温で10分間、0.1% SDSを含む0.2×SSC中、45℃で30分間洗浄する条件である、上記ポリヌクレオチド。
  13. 請求項7〜9のいずれかに記載のポリヌクレオチドに対し、95%以上の相同性を有し、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドを発現するポリヌクレオチド。
  14. 請求項10に記載のポリヌクレオチドに対し、95%以上の相同性を有し、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するポリペプチドの前駆体を発現するポリヌクレオチド。
  15. 請求項7〜14のいずれかに記載のポリヌクレオチドに縮重するポリヌクレオチド。
  16. 請求項6〜15のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする組換えベクター。
  17. 請求項16に記載の組換えベクターを含むことを特徴とする形質転換体。
  18. 請求項17に記載の形質転換体を培養し、培養物から、組み換えられたポリヌクレオチドに対応するポリペプチドを採取することを特徴とする、ポリペプチドの製造方法。
  19. ポリペプチドが、キシログルカンオリゴ糖分解活性を有するものである請求項18に記載のポリペプチドの製造方法。
  20. キシログルカンオリゴ糖分解活性が、キシログルカンオリゴ糖の主鎖を構成するβ-グルコシド結合について、還元末端側から2番目のβ-グルコシド結合を特異的に分解するものである請求項19に記載のポリペプチドの製造方法。
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