JP3836597B2 - ガス使用量の用途別分解方法および省エネ診断システム - Google Patents

ガス使用量の用途別分解方法および省エネ診断システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス使用量の用途別分解方法、および、ガスに関する省エネ診断システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
環境意識の高まりとともに、家庭でのユーティリティ(電気・ガス・水道)使用量の削減は重要な課題となってきている。
【0003】
しかし、従来のユーティリティ使用量の削減する手段は、ユーティリティ事業者等からユーティリティ使用者へ一般的な省エネ・省資源の手法を記載した冊子を配布するなどしかなかった。使用者はユーティリティ事業者あるいは他のメディアから受け取る一般的な手法を元に省エネ・省資源手法を実践するなど、具体的な手法は使用者の裁量にまかされていた。
【0004】
一部のユーティリティ事業者では毎月の検針結果を記載した用紙に前年同月の使用量を記載し、前年同月との比較をサポートしている。しかし、最近1年間の使用量のトレンドを知りたい場合は、毎月の検針結果用紙を保管しておくか、ユーティリティ事業者へ問い合わせるしかない。また、履歴のトレンドを見たとしても、そのトレンドから具体的な省エネ行動へ結び付けるのは使用者の裁量に任されている。すなわち、使用者がユーティリティ使用量を的確に把握するためには時間的負担が大きく、省エネ・省資源への関心は薄くなると思われる。
【0005】
新エネルギー・産業技術総合開発機構は、「平成8年度研究報告書 NEDO―P―9632 平成8年度負荷集中制御システム確立実証試験委託(負荷集中制御システム確立実証試験)高度負荷集中制御システム等の研究」において、オンライン(家庭のTV)で電気使用量履歴トレンドや電気使用工夫アドバイスなどが視聴可能となり、電気使用量を随時的確に把握でき、電気使用量に関する関心が高まる効果があると報告している。しかし、本報告書中の電気使用工夫アドバイスは、一般的な電気の省エネ手法の提示にとどまり、従来の紙媒体の省エネ手法を電子化しTVに流したものにすぎない。
【0006】
オランダのオブラガス社では「DE AKKERS」プロジェクト(http://www.obragas.nl/akkeralg.htm)を実施し、その中で、毎週の電気・ガス・水道について標準使用量と使用者の実績使用量を比較してCATVで提示している。標準使用量と比較することにより、使用者が標準より使用量が多い場合には、省エネ行動を誘導できる効果があるとされている。しかし、例えばガス使用量の合計の実績と標準を比較し実績が多いとしても、具体的な行動は使用者の裁量に任されている。ガスの場合、暖房、厨房、給湯の主に3つの用途があり、どの用途での消費量が多いのかは不明である。
【0007】
米国のCSW社ではHome Energy Analysis 'Home View'(http://home1.voltview.com/csw/intro.htm)を提供している。本システムは使用者の過去1年間の電気使用量履歴と詳細なアンケートから、用途分解している。例えば、空調、厨房、温水器、照明などである。これは、例えば「週に何分電子レンジを使用するか」というアンケートに対して、「週に60分電子レンジを使用する」と答えると、電子レンジの標準的な消費電力量から週当たりの電気使用量を求め、他の電気厨房機器などの総和を厨房用の電気使用量としている。すなわち機器の使用頻度や時間を元に、標準的な家電の消費量から機器毎の電気使用量を求める積上げ方式である。しかし、積み上げただけでは過去1年間の使用量履歴と合わない部分が生じるため、その差は使用量履歴に合うように積み上げたデータを修正している。この手法では電気使用量を詳細な用途別に分解しているため、どの用途に年間いくら使っているかが分かるメリットがある。しかし、この手法はあくまでも自分の電気使用量を詳細に分解するだけであり、標準的な使用量の比較は行っていないため、どの部分が使いすぎなのかの判断は使用者に任されている。また、アンケート項目が非常に複雑で多いため、使用者が利用しにくい問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
表1に、上述した従来の手法を比較して示す。表中において、「紙媒体」は、ユーティリティ事業者から使用者への冊子等の配布による手法を、「NEDO実験」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究報告書による手法を、「オブラガス」は、オブラガス社による手法を、「CSW」は、CSW社による手法をそれぞれ示す。また、「オンライン閲覧」の欄においては、○はオンラインでの閲覧によるものを表し、×はそうでないものを表す。「標準値との比較」の欄においては、○は実績使用量と一般的な使用者の標準使用量との比較を行うものを表し、×はそうでないものを表す。「用途別分解」の欄においては、○は使用量を用途別に分解するものを表し、×はそうでないものを表す。
【0009】
【表1】
Figure 0003836597
【0010】
「用途別標準比較」の欄においては、○は用途別に分解した使用量をそれに対応する一般的な使用者の標準使用量と比較するものを表し、×はそうでないものを表すが、上述した従来の手法においては○のものはない。この「用途別標準比較」が実現できれば、使用量全体での比較に比べて、きめ細かな省エネ・省資源に対する診断が行える。
【0011】
表1からわかるように、上述した従来の手法においては、全ての項目を実現できる手法は存在しない。また、「用途別分解」については、CSW社による手法により実現可能であるが、本手法は、前述したように、使用者によるアンケート結果を基にした「用途別分解」であるので、誤差が大きいことが懸念される。
【0012】
ユーティリティがガスである場合、「用途別分解」の手法としては、特開平7−92001公報に示されている方法がある。この方法は、ガス総使用量の経時的変化を計測し、ガス総使用量データの変化が所定範囲内である安定期を判別し、隣接する2つの安定期における各ガス使用量データの変化量に基づいて、ガス使用の用途、器具を判別する方法である。
【0013】
特開平7−92001公報に示されている用途別分解方法は、精度良くガス使用量を用途別ガス使用量に分解できる方法として知られているが、パルスデータを測定するためには、使用者毎に専用の測定装置を設置する必要があり、このための費用は過大となる。したがって、全ての使用者のガス使用量に対して、特開平7−92001公報に示されている方法による用途別分解を行うことは、実際的には無理である。
【0014】
本発明は、上述したこのような従来のガス使用量の用途別分解方法および省エネ診断システムが有する課題を考慮して、低コストで、手間がかからず、かつ、精度よく、使用者毎のガス使用量を用途別に分解できるガス使用量の用途別分解方法、および、ユーティリティの各使用者に対してきめ細かな省エネ・省資源に対する診断が行える省エネ診断システムを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、使用者毎のガス使用量を縦軸に、そのときの気温を横軸にとったときに、給湯用ガス使用量と前記気温との関係は、直線で近似され、前記直線は、前記使用者の条件に関わらず、前記横軸と実質的に所定の気温にて交差することを利用して、前記関係が明らかにされていない使用者の任意の気温での前記給湯用ガス使用量を求めることを特徴とするガス使用量の用途別分解方法である。
【0016】
請求項2の本発明は、厨房用ガス使用量が気温に関わらず実質的に一定であり、暖房不使用時における全ガス使用量が、前記給湯用ガス使用量と前記厨房用ガス使用量との和であることを利用して、暖房不使用時において測定された前記全ガス使用量と前記気温との関係を近似する直線上において、前記所定の気温における前記全ガス使用量の値を、暖房不使用時における前記厨房用ガス使用量として求め、暖房不使用時における任意の気温での前記給湯用ガス使用量を、前記全ガス使用量から前記求められた厨房用ガス使用量を差し引いたものとして求めることを特徴とする請求項1に記載のガス使用量の用途別分解方法である。
【0017】
請求項3の本発明は、暖房使用時における任意の気温での前記給湯用ガス使用量は、前記求められた暖房不使用時における任意の気温での前記給湯用ガス使用量と同じとし、暖房使用時における前記厨房用ガス使用量は、前記求められた暖房不使用時における前記厨房用ガス使用量と同じとし、暖房用ガス使用量を、暖房使用時において測定された前記全ガス使用量から、前記任意の気温での前記給湯用ガス使用量および前記厨房用ガス使用量を差し引いたものとして求めることを特徴とする請求項2に記載のガス使用量の用途別分解方法である。
【0018】
請求項4の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のガス使用量の用途別分解方法を用いて、使用者毎のガス使用量を用途別に分解する使用量用途別分解手段と、任意の前記使用者の属性に対応する用途別標準使用量を算出する用途別標準使用量算出手段と、前記用途別に分解された使用量とそれに対応する用途別標準使用量とを比較して、使用量削減手法を診断する診断手段とを備えることを特徴とする省エネ診断システムである。
【0020】
請求項の本発明は、前記診断の結果を表示する診断結果表示手段を、前記使用者毎に備えることを特徴とする請求項4に記載の省エネ診断システムである。
【0021】
請求項の本発明は、前記診断の結果にしたがって、前記診断の結果に対応する使用機器の全部または一部に対して、前記使用量削減手法を実行させる制御手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の省エネ診断システムである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態は、本発明の省エネ診断システムに関するものである。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態における省エネ診断システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態における省エネ診断システムは、ユーティリティとしてガスを想定したものである。本実施の形態における省エネ診断システムは、図1に示すように、事業者の管理センター1に備えられた管理サーバー10と、各使用者宅2に備えられた使用者端末20との間を、インターネット3を介して接続したものである。
【0025】
管理サーバー10は、使用者毎のガス使用量を用途別に分解する使用量用途別分解手段11と、任意の前記使用者の属性に対応する用途別標準使用量を算出する用途別標準使用量算出手段12と、前記用途別に分解された使用量とそれに対応する用途別標準使用量とを比較して、使用量削減手法を診断する診断手段13とから構成されている。
【0026】
使用者端末20は、前記診断の結果を表示する診断結果表示手段21と、使用者の属性を入力する使用者入力手段22と、前記診断の結果にしたがって、使用者宅2内にある使用機器(本実施の形態においては、暖房機24、食器洗い機25、給湯器26およびシャワーヘッド27を例として挙げている。)の全部または一部に対して、前記使用量削減手法を実行させる制御手段23とから構成されている。
【0027】
次に、このような本実施の形態の動作を説明する。
【0028】
まず、管理サーバー10と使用者端末20とが、インターネット3を介して情報を送受信する際の手順について、図2を参照して説明する。なお、図2において、左側に、管理サーバー10で行われる処理が、右側に、使用者端末20で行われる処理が示されている。
【0029】
最初に、使用者は、使用者端末20をインターネット3を介して管理サーバー10に接続する(ステップS1)。接続が完了すると、使用者端末20のモニタに入力フォームの画面が表示され、使用者は、それにしたがって、当該使用者自身の属性を入力する(ステップS2)。このときの入力フォームの具体例を図3に示す。なお、属性に変化がない場合は、あらかじめ登録されているデータを利用するため、ステップS2は省略してもよい。入力された使用者属性をもとにして、用途別標準使用量算出手段12は、当該使用者に対する月別の用途別標準使用量を算出する(ステップS3)。すなわち、本実施の形態は、ユーティリティとしてガスを想定したものであるため、給湯用ガス使用量、厨房用ガス使用量および暖房用ガス使用量それぞれに対応する標準使用量が算出される。この算出方法の具体例については後述する。
【0030】
つぎに、使用量用途別分解手段11は、当該使用者のガス使用量の実績を参照する(ステップS4)。この実績値は、月別の検針結果の値をそのまま用いる。月別の検針結果については管理サーバー10が記憶しておくとしてもよいし、例えば、使用料金管理用のホストコンピュータ等の外部に記憶されているものを引用してもよい。使用量用途別分解手段11は、参照してきたガス使用量は、全ガス使用量であるので、これを給湯用ガス使用量、厨房用ガス使用量および暖房用ガス使用量に分解する(ステップS5)。分解の方法の具体例については、第2の実施の形態において説明する。
【0031】
つぎに、診断手段13は、ステップS3において算出された給湯用ガス使用量、厨房用ガス使用量および暖房用ガス使用量それぞれに対応する標準使用量と、ステップS5において全ガス使用量の実績値を分解されて得られた給湯用ガス使用量、厨房用ガス使用量および暖房用ガス使用量とを、それぞれ比較分析し(ステップS6)、実績値と標準値の差が大きいものに対しては、それに対応する省エネ手法を検索して(ステップS7)、前記比較分析結果とともに当該使用者に対する省エネ診断結果とする(ステップS8)。なお、この省エネ手法は、データベースとして管理サーバー10内に保存されている。ステップS6〜S8の具体例については後述する。
【0032】
ステップS8において決定された省エネ診断結果は、インターネット3を介して使用者端末20に送られて、診断結果表示手段21によって表示される(ステップS9)。このとき、ステップS6での月別の各ガス使用量の実績値と標準値の比較結果を合わせて表示させてもよい。この後、制御手段23は、ステップS8において決定された省エネ診断結果にしたがって、使用者宅2内にある使用機器の全部または一部に対して、具体的な省エネ手法を実行させる(ステップS10)。使用者は、表示内容を確認した後、要すれば保存、プリントアウト等の措置をとって、使用者端末20と管理サーバー10との接続を切断する(ステップS11)。
【0033】
ステップS10において実行される具体的な省エネ手法とは、例えば、暖房機24に対しては、暖房使用量が多い場合に暖房設定温度を下げる(例えば、1℃下げる)制御を行うことであり、食器洗い機25および給湯器26に対しては、給湯使用量が多い場合に給湯設定温度を下げる(例えば、1℃下げる)制御を行うことであり、シャワーヘッド27に対しては、給湯使用量が多い場合にシャワーヘッドを絞って流量を少なくする(例えば、5%少なくする)ことが例として挙げられる。なお、これらの設定については、全使用者宅に対して一括して、管理サーバー10において設定が行われるとしてもよいし、使用者宅毎の使用者端末20の使用者入力手段22において設定が行われるとしてもよい。また、制御手段23は、自動的に各機器に対して設定された省エネ手法を実行させるとしてもよいし、一旦、診断結果表示手段21にこれを表示させ、使用者入力手段22を介して使用者の指示があったものについてのみ、実行させるとしてもよい。
【0034】
次に、ステップS3において給湯用ガス使用量、厨房用ガス使用量および暖房用ガス使用量それぞれに対応する標準使用量を算出する算出方法の具体例について説明する。
【0035】
本具体例では、統計的に信頼性を有する程度の数の使用者に対して、本発明のガス使用量の用途別分解方法等によって、月毎に各ガス使用量の実績値を推計し、それらの使用者に対して、図3に示したような使用者の属性を調査して、各ガス使用量の実績値に対して前記属性についての重回帰分析を行って、各ガス使用量の標準値の最適な回帰式を選定して、これを各ガス使用量の標準値の推定式とするものである。給湯用ガス使用量に対応する標準使用量(標準給湯用ガス使用量)の推定式を数1に、厨房用ガス使用量に対応する標準使用量(標準厨房用ガス使用量)の推定式を数2に、暖房用ガス使用量に対応する標準使用量(標準暖房用ガス使用量)の推定式を数3に示す。
【0036】
【数1】
Figure 0003836597
【0037】
【数2】
Figure 0003836597
【0038】
【数3】
Figure 0003836597
【0039】
数1〜数3において、Aは世帯人数を表す指数(例えば、世帯人数をnとすると、A=n、ただし、n>6のとき、A=6)、Bは住居形態を表す指数(例えば、一戸建てはB=1、集合住宅はB=0)、Cは風呂場シャワーの有無を表す指数(例えば、有の場合、C=1、無の場合、C=0)、Dは浴槽使用頻度を表す指数(例えば、週にn日使用するとD=n、ただし、本指数は夏場(5月〜10月)と冬場(11月〜4月)に分けて属性を調査し、それぞれの指数を用いる)、Eは洗面所のカラン数を表す指数(例えば、カラン数をn台とすると、E=n)、Fはガス炊飯器の有無を表す指数(例えば、有の場合、F=1、無の場合、F=0)、Gは日中在宅者を表す指数(例えば、たいてい誰いる場合、G=1、週の半分くらいは誰いる場合、G=1、ほとんど誰もいない場合、G=0)、Hは暖房部屋数を表す指数(例えば、暖房部屋数をn室とすると、H=n)である。また、k1〜k5、c1〜c3、d1〜d4は、重回帰分析によって求められた係数であり、これらは月毎に求められている。α、β、γは、重回帰分析によって求められた定数項であり、これらも月毎に求められている。
【0040】
数1〜数3を用いて、月毎の標準給湯用ガス使用量、標準厨房用ガス使用量、標準暖房用ガス使用量がそれぞれ推算される。ただし、夏場(5〜10月)における標準暖房用ガス使用量は0とする。
【0041】
なお、用途別標準使用量の算出の方法としては、上記具体例においては、推定式である回帰式は線形モデル(1次式)を用いたが、非線型モデルの回帰式を用いてもよい。また、回帰式に地域等の住居環境を表す指数を加える、もしくは、重回帰分析を地域に分割して行うとしてもよい。
【0042】
次に、ステップS6〜S8において、診断手段13が省エネ診断結果を作成する方法の具体例について説明する。
【0043】
診断手段13は、当該使用者の用途別ガス使用量の月別の実績値を、数1〜数3によって得られた、当該使用者と同じ属性に対応する用途別ガス使用量の月別の標準値と比較する。重回帰分析を行ったデータのうち、当該使用者と同じ属性に対応するものの平均値は、数1〜数3によって得られた用途別ガス使用量の標準値である。前記当該使用者と同じ属性に対応するものの標準偏差をσとすると、これを用いて、当該使用者の用途別ガス使用量の月別の実績値は、表2に示すように分析される。表2において、「標準」は、数1〜数3によって得られた用途別ガス使用量の標準値を、「実績」は、当該使用者の用途別ガス使用量の月別の実績値を示す。また、表2の「月別分析結果」欄の「多い」、「少ない」等の表示は、当該使用者の用途別ガス使用量の月別の実績値が標準値に比べて多い、少ない等であることを示す。また、「給湯設定温度変更」欄および「暖房設定温度変更」欄は、ステップS10において実行される具体的な省エネ手法に対応するものである。表2で示した例は、上述した様に、全使用者宅に対して一括して、管理サーバー10において設定が行われるとした場合に対応するものである。
【0044】
【表2】
Figure 0003836597
【0045】
また、各月の標準値、実績値の年間の総和を求め、これらについても月別の場合に準じて、表3に示すように分析される。表3において、「Σ標準」は、用途別ガス使用量の月別の標準値の年間の総和を、「Σ実績」は、用途別ガス使用量の月別の実績値の年間の総和を示す。また、表3の「月別分析結果」欄の「多い」、「少ない」等の表示は、当該使用者の用途別ガス使用量の年間の実績値が標準値に比べて多い、少ない等であることを示す。「給湯設定温度変更」欄および「暖房設定温度変更」欄については、表2と同様である。
【0046】
【表3】
Figure 0003836597
【0047】
上記の年間分析結果にしたがって、データベースから省エネ手法が検索されて、表4に示す分析結果とともに、当該使用者に提示される省エネ診断結果となる。この提示される省エネ手法の数は、上記の年間分析結果にしたがって、表3の右欄のように決定される。
【0048】
【表4】
Figure 0003836597
【0049】
表5〜表8に省エネ手法のデータベースに保存されているデータの一例を示す。
【0050】
【表5】
Figure 0003836597
【0051】
【表6】
Figure 0003836597
【0052】
【表7】
Figure 0003836597
【0053】
【表8】
Figure 0003836597
【0054】
なお、省エネ手法のデータベースに季節あるいは月別のコードを入れてもよい。例えば、夏場に給湯使用量が多い場合は、夏場の給湯省エネ手法のみを提示できるようにしてもよい。
【0055】
また、診断結果表示手段21が表示するのは、表4〜表8のように、テキストデータ等に限らず、グラフ等で示すものであってもよい。
【0056】
以上説明したところから、本実施の形態における省エネ診断システムは、ユーティリティの各使用者に対してきめ細かな省エネ・省資源に対する診断が行える省エネ診断システムであることがわかる。
【0057】
なお、本実施の形態においては、ユーティリティとしてガスを想定して説明したが、これに限るものではなく、電気、水道等であってもよい。例えば、電気の場合には、用途別の区分けとして、空調、厨房、照明、温水器などが挙げられ、水道の場合には、用途別の区分けとして、バス、厨房、屋外などが挙げられる。
【0058】
また、本実施の形態においては、診断の時間的単位として、月を採用したが、これに限るものではなく、年、季節、週、日等であってもよい。
【0059】
さらに、本発明の診断結果表示手段は、本実施の形態においては、各使用者宅に備えられた使用者端末に備えられているとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、管理センターにおいてのみ、入力および出力を行うものであってもよい。
【0060】
また、本実施の形態における省エネ診断システムは、本発明の診断結果表示手段および制御手段を備えるとして説明したが、これに限るものではなく、いずれか一方もしくは両方とも備えていなくてもよい。本発明の診断結果表示手段がない場合は、別の手段によって、診断結果が出力または表示されるものとする。
【0061】
また、本実施の形態においては、管理サーバーと使用者端末を接続する通信手段として、インターネットを用いるとして説明したが、これに限るものではなく、他の双方向通信手段であってもよい。
【0062】
(第2の実施の形態)
以下に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態は、本発明のガス使用量の用途別分解方法に関するものである。
【0063】
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるガス使用量の用途別分解方法の原理および具体例を示す図である。図4において、横軸は、気温(℃)、縦軸は、ガス使用量(例えば、m3 /月)を表している。図中の●は、ある使用者の夏期(暖房を使用しない月、本実施の形態においては4〜10月の7ヶ月とする。)の各月の全ガス使用量の実績値を、その月の平均気温とともにプロットしたものであり、太い直線は、●を回帰した直線である。厨房用ガス使用量が気温に関わらず実質的に一定であることが、経験的に確認されており、夏期における全ガス使用量が、給湯用ガス使用量と前記厨房用ガス使用量との和であるので、前記給湯用ガス使用量と気温との関係は、前記太い直線に平行な直線(図中の細い直線)で表される。この直線は、使用者の条件に関わらず、前記横軸と実質的に気温T0 にて交差する。また、この給湯用ガス使用量と気温との関係は、暖房の使用/不使用に関わらず実質的に同一直線で近似されることも確認されている。すなわち、図中の細い直線が求まると、冬期(暖房を使用する月、本実施の形態においては11〜3月の5ヶ月とする。)の月の平均気温から、その月の給湯用ガス使用量が求まる。図4中に3月の平均気温が12.4℃の場合の3月の給湯用ガス使用量を求めた例を示す。この場合の、T0 は37.4℃とする。
【0064】
以上の原理を利用して、本実施の形態におけるガス使用量の用途別分解方法は、図5のフロー図で示される。すなわち、まず、図4のような座標平面に、用途別分解を行おうとする使用者の夏期の各月の全ガス使用量と平均気温の関係をプロットし(ステップS21)、これらの点の回帰直線を算出する(ステップS22)。前記回帰直線と平行で、(気温,ガス使用量)=(T0 ,0)を通る直線を設定し、これを給湯用ガス使用量直線とする(ステップS23)。この給湯用ガス使用量直線において、夏期の各月の平均気温から当該月の給湯用ガス使用量を読み取る(ステップS24)。前記回帰直線において、気温37.4℃でのガス使用量の値を読み取り、これを各月の厨房用ガス使用量(夏冬一定)とする(ステップS25)。ここにおいて、夏期の各月の給湯用ガス使用量および厨房用ガス使用量が求められたので、夏期の各月におけるガス使用量の用途別分解が終了したことになる。次に、前記給湯用ガス使用量直線において、冬期の各月の平均気温から当該月の給湯用ガス使用量を読み取る(ステップS26)。冬期の各月の全ガス使用量から、各月において求められた給湯用ガス使用量および厨房用ガス使用量を差し引くことによって、冬期の各月の暖房用ガス使用量が求められる(ステップS27)。ここにおいて、冬期の各月の給湯用ガス使用量、厨房用ガス使用量および暖房用ガス使用量が求められたので、冬期の各月におけるガス使用量の用途別分解も終了したことになる。
【0065】
本実施の形態におけるガス使用量の用途別分解方法は、通常の検針結果を用いているために、データ収集のための新たな機器の設置、データ収集の手間等が省けるので、低コストで、手間がかからないものであることがわかる。
【0066】
以上説明したところから、本実施の形態におけるガス使用量の用途別分解方法は、低コストで、手間がかからず、かつ、精度よく、使用者毎のガス使用量を用途別に分解できるものであることがわかる。
【0067】
なお、上述した本実施の形態においては、ガス使用量は月単位で集計され、分解も月単位で行うとして説明したが、これに限らず、例えば、週単位、日単位であってもよい。
【0068】
さらに、上述した本実施の形態においては、本発明のガス使用量の用途別分解方法を中心に説明したが、本発明を実現するものとして、上述した各方法の全部または一部をコンピュータに実行させるプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、請求項1〜3の本発明は、低コストで、手間がかからず、かつ、精度よく、使用者毎のガス使用量を用途別に分解できるガス使用量の用途別分解方法を提供することができる。
【0070】
また、請求項4〜6の本発明は、ユーティリティの各使用者に対してきめ細かな省エネ・省資源に対する診断が行える省エネ診断システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における省エネ診断システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における省エネ診断システムにおいて、管理サーバー10と使用者端末20とが情報を送受信する際の手順を示すフロー図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における省エネ診断システムにおいて、使用者の属性を入力するときの入力フォームの具体例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるガス使用量の用途別分解方法の原理および具体例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるガス使用量の用途別分解方法の手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 管理センター
2 使用者宅
3 インターネット
10 管理サーバー
11 使用量用途別分解手段
12 用途別標準使用量算出手段
13 診断手段
20 使用者端末
21 診断結果表示手段
22 使用者入力手段
23 制御手段
24 暖房機
25 食器洗い機
26 給湯器
27 シャワーヘッド

Claims (6)

  1. 使用者毎のガス使用量を縦軸に、そのときの気温を横軸にとったときに、給湯用ガス使用量と前記気温との関係は、直線で近似され、前記直線は、前記使用者の条件に関わらず、前記横軸と実質的に所定の気温にて交差することを利用して、前記関係が明らかにされていない使用者の任意の気温での前記給湯用ガス使用量を求めることを特徴とするガス使用量の用途別分解方法。
  2. 厨房用ガス使用量が気温に関わらず実質的に一定であり、暖房不使用時における全ガス使用量が、前記給湯用ガス使用量と前記厨房用ガス使用量との和であることを利用して、暖房不使用時において測定された前記全ガス使用量と前記気温との関係を近似する直線上において、前記所定の気温における前記全ガス使用量の値を、暖房不使用時における前記厨房用ガス使用量として求め、暖房不使用時における任意の気温での前記給湯用ガス使用量を、前記全ガス使用量から前記求められた厨房用ガス使用量を差し引いたものとして求めることを特徴とする請求項1に記載のガス使用量の用途別分解方法。
  3. 暖房使用時における任意の気温での前記給湯用ガス使用量は、前記求められた暖房不使用時における任意の気温での前記給湯用ガス使用量と同じとし、暖房使用時における前記厨房用ガス使用量は、前記求められた暖房不使用時における前記厨房用ガス使用量と同じとし、暖房用ガス使用量を、暖房使用時において測定された前記全ガス使用量から、前記任意の気温での前記給湯用ガス使用量および前記厨房用ガス使用量を差し引いたものとして求めることを特徴とする請求項2に記載のガス使用量の用途別分解方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のガス使用量の用途別分解方法を用いて、使用者毎のガス使用量を用途別に分解する使用量用途別分解手段と、任意の前記使用者の属性に対応する用途別標準使用量を算出する用途別標準使用量算出手段と、前記用途別に分解された使用量とそれに対応する用途別標準使用量とを比較して、使用量削減手法を診断する診断手段とを備えることを特徴とする省エネ診断システム。
  5. 前記診断の結果を表示する診断結果表示手段を、前記使用者毎に備えることを特徴とする請求項4に記載の省エネ診断システム。
  6. 前記診断の結果にしたがって、前記診断の結果に対応する使用機器の全部または一部に対して、前記使用量削減手法を実行させる制御手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の省エネ診断システム。
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