JP3835755B2 - 燃料供給用ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料供給用ポンプに関し、特に、加圧用ピストンを利用して、大流量の燃料を増圧する蓄圧式燃料噴射装置(APCRS:Amplified Piston Common Rail System)に適した燃料供給用ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジン等において、高圧の燃料を効率良く噴射するために、蓄圧器(コモンレール)を用いた蓄圧式燃料噴射装置(CRS: Common Rail System)が各種提案されている。
例えば、図22に示すように、エンジンの運転条件に応じて、蓄圧器の圧力を容易に切り替えるべく、メイン噴射を担当する第1蓄圧器236およびパイロット噴射を担当する第2蓄圧器278をそれぞれ備え、切り替え装置286によって、これらの蓄圧器236、278を切り替えて燃料噴射を実施する蓄圧式燃料噴射装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる燃料供給用ポンプにおいては、通常、カムシャフトとプランジャとの間に介在するタペット構造体を上下方向に案内するために、タペット側にピンが配設されるとともに、このピンを案内するためのガイド溝がポンプハウジングに設けられていた。
【0003】
また、エンジン性能の最適な噴射圧力を得られることを目的として、蓄圧器と、燃料噴射弁との間に、燃料を増圧するための増圧ピストンおよびシリンダ室が設けられた蓄圧式燃料噴射装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、図23に示すように、蓄圧器395と、燃料の供給油路360と、制御油路361と、燃料噴射制御用切り替え弁362と、増圧ピストン378を収容するためのシリンダ室383と、70〜120MPa(約70〜120kgf/cm2)程度に燃料圧力を上げるための増圧ピストン378と、液圧回路363と、ピストン作動用切り替え弁(増圧装置用三方電磁弁)364と、コントローラ(図示せず。)と、を備えた蓄圧式燃料噴射装置380が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−93936号公報 (第4−5頁、図1)
【特許文献2】
特許第2885076号公報 (第5−9頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された従来の燃料供給用ポンプにおいては、ポンプハウジングの内周面に対して、切削加工を施すことによってガイド溝が形成されており、タペット案内構造を容易かつ迅速に設けることが困難であった。
また、このようなガイド溝の形成には、高価な専用装置を必要とし、燃料供給用ポンプ全体として、製造コストが嵩むという課題もあった。
そこで、本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたものであり、タペット案内構造を簡単に形成することができるとともに、製造コストの低廉化を図ることができる燃料供給用ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポンプハウジングと、プランジャと、タペット構造体と、カ
ムシャフトと、を備えた燃料供給用ポンプであって、ポンプハウジングは、内部をタペット構造体が昇降する円柱空間を有するとともに、円柱空間の側面方向に開口する孔部を有し、タペット構造体は、ローラと、ローラが収容されたローラボディと、ローラボディの周囲に配置され、円柱空間の内周面と適合するシェルと、を含むとともに、シェルの側壁にスリット状の固定用の貫通孔を有し、ポンプハウジングの孔部及びシェルの貫通孔に案内ピンを挿通することによって、タペット構造体がポンプハウジングに対して取付けてあり、案内ピンを、ねじ部と、当該ねじ部よりも先端側の圧入部と、を有する段付きピンとし、ポンプハウジングの孔部を、案内ピンのねじ部と螺合するねじ穴からなる大径部と、案内ピンの圧入部が圧入される小径部と、を含む段状孔とし、段付きピンを段状孔に螺合することによって圧入してあることを特徴とする燃料供給用ポンプが提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することにより、燃料供給用ポンプのプランジャを高速駆動させた場合であっても、シェルの外周面を円柱空間の周面に適合させることにより、ローラの自転方向の動きを効果的に規制することができる。
また、このようにタペット構造体側に案内構造が設けてあるため、ポンプハウジング側にガイド溝等を配設する必要がなくなり、燃料供給用ポンプの全体として、案内構造を簡略化、小型化することができる。
また、このような燃料供給用ポンプであれば、高価な専用作成装置と必要とせずに構成することができるため、製造コストの低廉化を図ることもできる。
【0007】
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、固定用の貫通孔が、スリット状であることにより、ポンプハウジング側にガイド溝等を配設することなく、シェルに設けたスリット状の貫通孔を利用して、タペット構造体における案内構造をさらに容易に設けることができる。したがって、ポンプハウジング側の案内ピンと、スリット状の固定用の貫通孔が協働し、シェルを含むタペット構造体が横ぶれすることなく、上下方向にさらに効果的に案内することができる。
【0008】
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、案内ピンが、所定の段付きピンであって、当該段付きピンを挿入するための所定の段状孔がポンプハウジングに設けてあることにより、段付きピンを段状孔にねじ込むことによって圧入することができ、その結果、段状孔の内周面と段付きピンの外周面との間のシール性を効果的に高めることができる。
【0009】
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、単位時間当たりの流量が500〜1、500リットル/時間である燃料を、50MPa以上の値に加圧するための蓄圧式燃料噴射装置に用いることが好ましい。
このような蓄圧式燃料噴射装置に用いることにより、容易に大流量の燃料の加圧処理ができるため、燃料噴射装置における燃焼効率を高めたり、エロ−ジョンの発生を容易に防止したり、あるいは耐久性を向上させたりすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1および図2に例示されるように、ポンプハウジング52と、プランジャ54と、タペット構造体6と、カム60と、を備えた燃料供給用ポンプ50であって、タペット構造体6が、ローラ29と、ローラボディ28と、シェル27と、を含むとともに、当該タペット構造体6の側壁に設けてある貫通孔27aを介して、ポンプハウジング52に対して、案内ピン99によって取付けてあることを特徴とする燃料供給用ポンプ50である。
以下、かかる燃料供給用ポンプ50を、構成要件等に分けて、具体的に説明する。
【0012】
1.燃料供給用ポンプの基本的形態
燃料供給用ポンプの基本的形態は特に制限されるものでは無いが、例えば、図1および図2に示されるような燃料供給用ポンプ50を備えることが好ましい。すなわち、かかる燃料供給用ポンプ50は、例えば、ポンプハウジング52と、バレル(シリンダ)53と、プランジャ54と、スプリングシート10と、タペット構造体6と、カム60と、から構成してあることが好ましい。
また、ポンプハウジング52に収容されたバレル53の内側に、カム60の回転運動に対応してプランジャ54が往復運動し、導入された燃料を加圧するための燃料圧縮室74が形成されている。
したがって、フィードポンプ64から圧送されてくる燃料を、燃料圧縮室74において、プランジャ54によって、高圧の燃料に効率的に加圧することができる。
なお、この燃料供給用ポンプ50の例では、ポンプハウジング52内に、例えば二組のバレル(シリンダ)53およびプランジャ54を備えているが、より大容量の燃料を高圧処理するために、二組以上の数に増加することも好ましい。
【0013】
(1)ポンプハウジング
ポンプハウジング52は、図1および図2に例示されるように、バレル(シリンダ)53と、プランジャ54と、タペット構造体6と、カム60とを収容する筐体である。
したがって、かかるポンプハウジング52は、図3(a)および(b)に示すように、左右方向に開口するシャフト挿通孔92a、および上下方向に開口する円柱空間92b、92cをそれぞれ有している。
また、かかるポンプハウジング52には、図3(b)に示すように、円柱空間92b、92cの側面方向に開口する貫通孔97、98がさらに設けられている。すなわち、かかる貫通孔97、98は、例えば、各口径が相互に異なる大中小三つの孔部97a〜97c、98a〜98cからなる段状孔によって形成されており、孔部97c、98cに案内ピン99の先端部が圧入され、案内ピンの位置決めの精度が確保されている。また、孔部97b、98bは、不完全ねじ部であって、案内ピン99の先端部を孔部97c、98cにガイドする機能を有している。さらに、孔部97a、98aは、案内ピン99が螺合するねじ部として構成されており、かかる螺合によって案内ピン99の先端部が圧入されて固定される。このように構成することにより、ポンプハウジング52に対する案内ピン99の取付け強度を高めることができる。
【0014】
(2)プランジャバレル
プランジャバレル53は、図1および図2に例示されるように、プランジャ54を支持するための筐体であって、当該プランジャ54によって大量の燃料を高圧に加圧するための燃料圧縮室(ポンプ室)74の一部を構成している要素である。したがって、プランジャバレル53は、ポンプハウジング52の円柱空間92b、92cの上方開口部に対して装着されていることが好ましい。
なお、プランジャバレルを設ける燃料供給用ポンプの種類が、インラインタイプおよびラジアルタイプの場合には、それぞれにタイプに対応させて、プランジャバレルの形態を適宜変更することができる。
【0015】
(3)プランジャ
プランジャ54は、図1および図2に例示されるように、プランジャバレル53内の燃料圧縮室74における燃料を高圧に加圧するための主要素である。したがって、プランジャ54は、ポンプハウジング52の円柱空間92b、92cにそれぞれ装着されるプランジャバレル53内に、昇降自在に配設されていることが好ましい。
また、このプランジャ54は、図4および図5に示すように、燃料圧縮室74内に出入りするための加圧部54aを有していることが好ましい。この加圧部54aは、プランジャバレル53の径よりも細くなるように設計されており、上死点に移動した場合に、当該加圧部54aと、吐出バルブ79との間に隙間を形成することが好ましい。この理由は、プランジャ54を高速駆動させて、大量の燃料を加圧処理した後であっても、加圧部54aが吐出バルブ79の入り口を塞ぐことなく、コモンレールに対して、円滑に燃料を圧送するためである。
また、プランジャ54は、プランジャバレル53内で、円滑に高速駆動できるように、全体として、丸棒状に形成されているとともに、加圧部54aとは反対の端部につば部55を有していることが好ましい。すなわち、円柱形のプランジャ54の先端部(下端部)外周面には、係止用のつば部55が一体的に設けられていることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、プランジャ取付け部14に設けた開口部15に対して、容易かつ確実に固定することができるためである。
また、かかるプランジャ54は、図2に示すように、プランジャ復帰用のスプリング68によってカム側に常時付勢されるとともに、カム60の回転に対応して、上昇し、燃料圧縮室74内の燃料を加圧するように構成されていることが好ましい。
なお、第1の実施形態の燃料供給用ポンプにおいては、カムおよびプランジャを高速駆動させて、大量の燃料を加圧処理することが好ましい。具体的に、かかるカムおよびプランジャの回転数を1、500〜4、000rpmの範囲内の値とすることが好ましい。また、ギア比を考慮して、カムおよびプランジャの回転数を、エンジンの回転数の1〜5倍の範囲内の値とすることが好ましい。
【0016】
(4)燃料圧縮室
燃料圧縮室74は、図2および図5に示すように、プランジャ54とともに、プランジャバレル53内に形成される小部屋である。したがって、かかる燃料圧縮室74において、燃料供給バルブ73を介して定量的に流入した燃料について、プランジャ54が高速駆動することによって、効率的かつ大量に加圧することができる。なお、このようにプランジャ54が高速駆動した場合であっても、潤滑油または潤滑用燃料がプランジャ54の高速動作を阻害しないように、後述するスプリングシートやローラボディには、それぞれ通過孔が設けられており、それぞれの通過孔が連通していることが好ましい。
一方、プランジャ54による加圧が終了した後は、加圧された燃料は、燃料吐出バルブ79を介して、図9に示すコモンレール106に供給されることになる。
【0017】
(5)スプリングシート
スプリングシート10は、図6および図7(a)〜(b)に例示するように、燃料供給用ポンプのプランジャを引き下げる際に用いられるスプリングを保持するためのスプリング保持部12と、当該プランジャ54に取付けるための開口部15を有するプランジャ取付け部14と、を備え、プランジャバレル内に設置される要素である。
すなわち、燃料を加圧処理するためにプランジャが上昇する際には、スプリングシート10に設けられた通過孔16を介して、スプリングの周囲に存在する潤滑用燃料が、迅速にカム側に移動することができるように構成してあることが好ましい。一方、燃料を吸入するためにプランジャが下降する際には、スプリングシート10に設けられた通過孔16を介して、カム側に存在する潤滑用燃料が、迅速にスプリングの周囲に移動することができるように構成してあることが好ましい。
したがって、プランジャを高速駆動させた場合であっても、スプリング側と、カム側との間を、潤滑用燃料が自由に行き来できるため、かかる潤滑用燃料がプランジャの高速動作を阻害することが少なくなるばかりか、スプリング側やカム側において、所定の潤滑効果を有効に発揮することができる。
【0018】
(6)タペット構造体
タペット構造体については、シェルと、ローラボディと、ローラと、から構成されており、ローラボディの周囲に円筒状のシェルを設けるとともに、当該シェルの側壁に対して、固定用の貫通孔が設けてあるタペット構造体であって、後述する第2の実施形態と同様の内容とすることができる。したがって、ここでの説明は省略する。
【0019】
(7)カム
カム60は、図1および図2に例示されるように、モータの回転運動を、タペット構造体6を介して、プランジャ54の上下運動に変えるための主要素である。したがって、カム60は、シャフト挿通孔92aに軸受体を介して回転自在に挿通保持されていることが好ましい。そして、ディーゼルエンジン(カムシャフト3)の駆動によって回転するように構成されている。
このカム60の外周面には、ポンプハウジング52の円柱空間92b、92cの下方に位置し、かつ軸線方向に所定の間隔をもって並列する二つのカム部3a、3bが一体に設けられていることが好ましい。
なお、これらカム部3a、3bは、相互に円周方向に所定の間隔をもって並列配置されていることが好ましい。
【0020】
(8)燃料吸入用バルブおよび燃料吐出用バルブ
燃料吸入用バルブおよび燃料吐出用バルブを、図5に例示するように配置するとともに、図8(a)〜(b)に例示するような構成とすることが好ましい。
すなわち、燃料吸入用バルブ73は、図8(b)に示すように、弁本体19および、先端につば部20bを供えた弁体20を有していることが好ましい。また、この弁本体19には、図8(b)に示すように、下方に開口する円柱状の燃料吸入室19aおよびこの燃料吸入室19aに燃料を吸入するための燃料吸入孔19bが設けられていることが好ましい。
また、燃料吐出用バルブ79についても、弁体を有し、バレルに取り付けられた状態で、ポンプハウジングの一部に収容されていることが好ましい。そして、スプリングによって閉弁方向に常時付勢されるとともに、開弁・閉弁によって、加圧された燃料を、コモンレールに対して供給するように構成されていることが好ましい。
【0021】
また、図8(a)〜(b)に示すように、燃料吸入用バルブ73および燃料吐出用バルブ79は、弁本体19と、その内部において稼動可能に取付けられた弁体20と、弁本体19内部に設けられた燃料吸入室19aと、燃料吸入孔19bと、弁体20および弁本体19の一部が相互に接するシート部23と、を備えて、燃料吸入孔19bを複数個設けるとともに、当該燃料吸入孔19bを燃料吸入室19aに対して、非放射状に配置することが好ましい。
この理由は、かかる燃料吸入用バルブであれば、燃料供給用ポンプに対して、例えば、単位時間当たりの流量が500〜1、500リットル/時間程度の燃料であっても、極めて正確かつ定量的に供給することができるためである。
また、同様に、かかる構成の燃料吐出用バルブであれば、蓄圧器(コモンレール)に対して、例えば、単位時間当たりの流量が500〜1、500リットル/時間程度の燃料であっても、極めて正確かつ定量的に供給することができるためである。
【0022】
(9)潤滑システム
また、燃料供給用ポンプの潤滑システムとしては特に制限されるものではないが、燃料油の一部を潤滑成分(潤滑油燃料)として使用する燃料潤滑システムを採用することが好ましい。
この理由は、大量の燃料を加圧処理するためにカムおよびプランジャを高速駆動させた場合、シール性を高めたとしても、燃料加圧室から漏れた燃料の一部と、スプリング保持室に存在する潤滑成分が混合しやすくなる場合があるためである。すなわち、燃料潤滑システムを採用することにより、大量に加圧処理する燃料と、潤滑成分としての潤滑油燃量とが一部混合したとしても、同一成分であるため、排ガス浄化性が低下することがない一方、潤滑成分がワックス化することを有効に防止することができるためである。
【0023】
2.蓄圧式燃料噴射装置(APCRS)
また、第1の実施形態の燃料供給用ポンプは、以下のような構成を有するピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射装置(APCRS)100の一部であることが好ましい。
すなわち、図9に例示されるように、燃料供給用ポンプ103は、燃料タンク102と、かかる燃料タンク102の燃料を供給するためのフィードポンプ(低圧ポンプ)104と、燃料供給用ポンプ(高圧ポンプ)103と、かかる燃料供給用ポンプ103から圧送された燃料を蓄圧するための蓄圧器としてのコモンレール106と、ピストン増圧装置(増圧ピストン)108と、および燃料噴射装置110と、から構成されていることが好ましい。
【0024】
(1)燃料タンク
図9に例示される燃料タンク102の容積や形態は、例えば、単位時間当たりの流量が500〜1、500リットル/時間程度の燃料を循環できることを考慮して定めることが好ましい。
【0025】
(2)フィードポンプおよび燃料供給用ポンプ
フィードポンプ104は、図9に示すように、燃料タンク102内の燃料(軽油)を燃料供給用ポンプ103に圧送するものであり、フィードポンプ104と、燃料供給用ポンプ103との間にはフィルター105が介在されていることが好ましい。そして、このフィードポンプ104は、一例ではあるが、ギヤポンプ構造を有し、カムの端部に取付け、ギヤの駆動を介して、カム軸と直結または適当なギヤ比を介して駆動されていることが好ましい。
【0026】
また、フィードポンプ104から、フィルター105を介して圧送された燃料は、図10に示すような噴射量調整を行う比例制御弁(FMU)120をさらに経由して、燃料供給用ポンプ103に供給されることが好ましい。かかる比例制御弁120は、例えば、ECUの制御を受けて、コイル124に流す電流量を調整することにより、アンカー125の位置を比例的に制御することが好ましい。すなわち、アンカー125の位置に対応させて、アンカー125の先端部におけるピストン127の位置を制御することにより、かかるピストン127に設置されたスリット122と、燃料供給部129との間の、燃料通過面積を変化させ、燃料供給用ポンプ103における吸入バルブ(図示せず)に供給する燃料を制御することができる。
【0027】
また、図10に示すように、フィードポンプ104から供給された燃料は、比例制御弁120および燃料供給用ポンプ103に対して圧送される他に、かかる比例制御弁120と並列的に設けられたオーバーフローバルブ(OFV)134を介して、燃料タンク102に戻されるように構成することが好ましい。そして、さらに、一部の燃料は、オーバーフローバルブ134に取付けられたオリフィス136を介して、燃料供給用ポンプ103の軸受(図示せず)に圧送され、軸受の燃料潤滑油として使用されることが好ましい。
なお、燃料供給用ポンプ103は、上述したように、フィードポンプ104から供給された燃料を高圧に加圧処理する装置であり、燃料を加圧した後、高圧通路107を介してコモンレール106に圧送するように構成されている。
【0028】
(3)一方向弁
また、図9に示すように、燃料供給用ポンプ103の出口、あるいは、後述するコモンレール106と、燃料供給用ポンプ103とに、一方向弁(図示せず)を設けることが好ましい。
この理由は、かかる一方向弁によって、燃料供給用ポンプ103からコモンレール106への燃料の送液のみを可能とできるためである。したがって、電磁制御弁を開いた際の逆流を有効に防止して、コモンレール106内の圧力が低下するのを有効に防止することができる。
【0029】
(4)コモンレール
また、図9に示すように、コモンレール106には、複数のインジェクタ(噴射弁)110が接続されており、コモンレール106で高圧に蓄圧された燃料を各インジェクタ110から内燃機関(図示せず)内に噴射することが好ましい。また、これらの各インジェクタ110は、図示しないが、IDU(IDU:Injector Driving Unit )を介してその吐出量が制御されていることが好ましい。かかるIDUは、後述する制御装置としての電子制御ユニット(ECU:Electrical Controlling Unit)に接続されており、このECUの駆動信号により駆動されている。
また、コモンレール106の側端には、圧力検知器117が接続されており、かかる圧力検知器117で得られた圧力検知信号をECUに送ることが好ましい。すなわち、ECUは、圧力検知器117からの圧力検知信号を受けると、電磁制御弁(図示せず。)を制御するとともに、検知した圧力に応じてIDUの駆動を制御することが好ましい。
【0030】
(5)ピストン増圧装置
また、ピストン増圧装置(増圧ピストン)としては、図11に例示されるように、シリンダ155と、機械式ピストン154と、加圧室158と、電磁弁170と、循環路157とを含むとともに、機械式ピストン154が比較的大面積を有する受圧部152と、比較的小面積を有する加圧部156と、を備えていることが好ましい。
すなわち、シリンダ155内に収容された機械式ピストン154が、当該受圧部152において、コモンレール圧を有する燃料により押圧されて移動し、加圧室158のコモンレール圧、例えば、30MPa程度の圧力を有する燃料を、さらに比較的小面積を有する加圧部156によって加圧し、150MPa〜300MPaの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0031】
また、機械式ピストン154を加圧するために、コモンレール圧を有する燃料を大量に使用するが、加圧後には、電磁駆動式のオーバーフロー弁170を介して、燃料タンク等に還流させることが好ましい。すなわち、コモンレール圧を有する燃料の大部分は、機械式ピストン154を加圧した後、燃料噴射装置の電磁弁180から流出した燃料とともに燃料タンク等に還流され、再び、機械式ピストン154を加圧するために使用されることが好ましい。
一方、加圧部156によって増圧された燃料は、燃料噴射装置(燃料噴射ノズル)163に送液され、効率的に噴射されて、燃焼されることになる。
【0032】
したがって、このようにピストン増圧装置を設けることにより、コモンレールを過度に大型化することなく、コモンレール圧を有する燃料によって、効果的に機械式ピストンを押圧することができる。
すなわち、図12に模式図を示すように、APCRSシステムによれば、機械式ピストンに、比較的大面積の受圧部と、比較的小面積の加圧部と、を備えるとともに、機械式ピストンのストローク量を考慮することにより、加圧損失を少なく、コモンレール圧を有する燃料を、所望値に効率的に増圧することが可能である。
より具体的には、コモンレールからの燃料(圧力:p1、体積:V1、仕事量:W1)を、比較的大面積を有する受圧部により受け、比較的小面積を有する加圧部を備えた機械式ピストンにより、より高圧の燃料(圧力:p2、体積:V2、仕事量:W2)とすることができる。
【0033】
(6)燃料噴射装置
▲1▼基本的構造
また、燃料噴射装置(燃料噴射ノズル)110の形態は特に制限されるものでは無いが、例えば、図11に例示されるように、ニードル弁体162が着座する着座面164と、この着座面164の弁体当接部位よりも下流側に形成される噴孔165と、を有するノズルボディ163を備え、ニードル弁体162のリフト時に着座面164の上流側から供給される燃料を噴孔165へ導く構成であることが好ましい。
また、このような燃料噴射ノズルシステム166は、スプリング161等によってニードル弁体162を着座面164に向かって常時付勢しておき、ニードル弁体162をソレノイド180の通電/非通電の切り替えによって開閉する電磁弁型であることが好ましい。
【0034】
▲2▼噴射タイミングチャート
また、高圧燃料の噴射タイミングチャートに関し、図13に例示するように、実線Aで示されるような、二段階の噴射状態を有する燃料噴射チャートを示すことが好ましい。
この理由は、コモンレール圧と、ピストン増圧装置(増圧ピストン)における増圧の組み合わせにより、かかる二段階の噴射タイミングチャートを達成することができ、それによって燃料の燃焼効率を高めるとともに、排気ガス浄化させることができるためである。
また、本発明によれば、コモンレール圧と、ピストン増圧装置(増圧ピストン)における増圧の組み合わせにより、図13中、点線Bで示されるような燃料噴射チャートを示すことも好ましい。
なお、ピストン増圧装置(増圧ピストン)を使用しない場合、すなわち従来の噴射タイミングチャートは、図13中、点線Cで示されるように、低噴射量の一段階の噴射タイミングチャートとなる。
【0035】
(7)動作
次に、第1の実施形態における燃料供給用ポンプ103、ピストン増圧装置(増圧ピストン)108および燃料噴射弁110の作用を、図9を参照しながら説明する。すなわち、燃料噴射装置(燃料噴射ノズルシステム)166の運転時には、燃料タンク102の燃料を、フィードポンプ104から燃料供給用ポンプ103に供給し、次いで、燃料供給用ポンプ103から高圧燃料を高圧通路107に対して圧送することが好ましい。
次いで、図11に示すように、コモンレール106で50MPa程度に蓄圧され、さらに、燃料噴射弁110との間に、ピストン増圧装置(増圧ピストン)108が設けてあり、例えば、150MPa以上の超高圧条件に加圧することが好ましい。
また、ピストン増圧装置(増圧ピストン)108を動作させる上で、極めて大流量の燃料を使用すべく、プランジャを高速回転させているが、図9および図11に示す例では、ハウジング側に案内構造(案内溝)を形成することなく、上下動するシェルに対してタペット構造体を固定することができるため、ローラの自転方向の動きを規制して、ポンプハウジングに対するタペット構造体の芯出しを容易に行うことができる。
よって、例えば、単位時間当たりの流量が500〜1、500リットル/時間程度の燃料であっても、燃料供給用ポンプ103およびコモンレール106によって、それぞれ大量処理を実施することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図14(a)〜(c)に例示されるように、ローラ29と、ローラボディ28と、を含むタペット構造体6であって、ローラボディの周囲に円筒状のシェル27を設けるとともに、当該シェル27の側壁に対して、固定用の貫通孔27aが設けてあるタペット構造体6である。
以下、第1の実施形態におけるタペット構造体6の基本的構造および貫通孔27aを有するシェル27について、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0037】
1.基本的構造
タペット構造体6は、図14(a)〜(c)に示すように、基本的に、シェル27と、ローラボディ28と、ローラ29とから構成されており、図1に示すようなカムシャフト3およびそれに連なるカム60の回転運動によって、昇降するように構成されていることが好ましい。なお、図14(a)は、タペット構造体6の側面図であり、図14(b)は、タペット構造体6の上面図であり、図14(c)は、タペット構造体6の下面図である。また、図1は、かかるタペット構造体6を含む燃料供給用ポンプ50の部分切り欠け断面図である。
【0038】
2.ローラ
また、図15(a)および(b)に、ローラ29の拡大図をそれぞれ示すが、表面全体にカーボン処理(炭素処理)、例えば、カーボンコーティング皮膜が形成されていることが好ましい。
この理由は、かかるローラ29の表面に炭素処理を施し、炭素皮膜を形成することによって、ローラ受け30aにおいて回転自在に収容されるとともに、カムシャフト3に連通したカム60との間で、適度な摩擦力を発揮することができるためである。すなわち、ローラ29の表面状態および機械的強度を制御することができ、カム60の回転運動を、効率的にローラ29の往復運動(上下運動)に変換することができるためである。
したがって、このように構成されたタペット構造体6であれば、カムシャフト3に連通するカム60の回転運動に対応して、繰返し、かつ長期間にわたって高速で往復動することができる。
【0039】
3.ローラボディ
また、図16および図17(a)〜(b)に、ローラボディ28の拡大図をそれぞれ示すが、かかるローラボディ28は、ボディ本体30を有し、図18(a)に示すシェル27内に装着されているとともに、全体が軸受鋼からなる平面円形状のブロック体によって形成してあることが好ましい。ここで、図16は、ローラボディ28の斜視図であり、図17(a)は、ローラボディ28の側面図であり、図17(b)は、ローラボディ28を垂直方向に切断した場合の断面図である。
また、図17(b)に示すように、ボディ本体30には、ローラ29の外周面に適合する内周面を有するローラ受け30aが設けられている。また、ボディ本体30の上面中央部には、プランジャ54に対する接触部30cが一体に突設されている。そして、このボディ本体30の周縁部には、スプリングシート10を受けるシート受部30dが一体に突設されていることが好ましい。
したがって、プランジャ54が高速回転し、ボディ本体30の接触部30cが多少磨耗したとしても、プランジャ54と、ローラボディ28との間の位置ずれを有効に防止することができる。
【0040】
また、図14(b)および図16に例示するように、ローラボディ28の周囲に、通過孔30bを放射状に設けることが好ましい。なお、図14(b)に示す例では、二つの通過孔30bが、プランジャ54に対する接触部としての中央の突起部30cに対して、対称位置に配置されている。
この理由は、このように構成することにより、大量の燃料であっても、タペット構造体の組み付け位相にかかわらず、迅速に通過させることができるためである。また、このような通過孔の配置であれば、通過孔を形成することについても容易になるためである。さらに、通過孔をこのように配置することにより、ローラボディの機械的強度の低下も少なくなるためである。
したがって、燃料潤滑システムを採用した場合に、クランク室内での潤滑用燃料の行き来が自由になって、潤滑用燃料がプランジャの高速動作を阻害することなく、プランジャを容易に高速駆動させることができるようになる。よって、プランジャを高速回転させた場合であっても、十分に加圧処理ができるとともに、クランク室内のスプリング側やカム側のそれぞれにおいて、優れた潤滑効果を発揮することができる。
【0041】
また、図14(b)および図16に例示するローラボディ28の通過孔30bの直径は、単位時間当たりの燃料通過量等を考慮して定めることが好ましいが、通過孔30bが実質的に円形の場合、その直径を0.5〜12mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる通過孔の直径が0.5mm未満の値になると、潤滑用燃料を自由に行き来させることが困難になる場合があるためである。したがって、かかる燃料供給用ポンプに連結されたピストン増圧装置(増圧ピストン)を併用した蓄圧式燃料噴射装置において、例えば、50MPa以上の超高圧条件を達成することが困難になるためである。
一方、かかる通過孔の直径が12mmを超えると、ローラボディの機械的強度が低下したり、耐久性が低下したりする場合があるためである。
【0042】
4.シェル
また、図18および図19(a)〜(b)に、シェル27の拡大図をそれぞれ示すが、かかるシェル27は、上下方向に開口し、図3に示すようなポンプハウジング52の円柱空間92b、92cの周面に適合するような外周面を有する円筒体として形成されている。
この理由は、燃料供給用ポンプのカム60を高速回転させた場合であっても、このように円筒状のシェル27の外周面を円柱空間の周面に適合させることにより、ローラ29の自転方向の動きを規制するとともに、ポンプハウジング52に対するタペット構造体6の芯出しを容易に行うことができるためである。
【0043】
また、かかるシェル27の周壁上部には、図20および図21(a)〜(b)に示すような段付きの案内ピン99が挿通するための貫通孔(スリット部)27aが設けられており、シェル27の軸線方向に延在する貫通孔として形成されている。
この理由は、タペット構造体6が昇降時に、案内ピンと貫通孔27aとが協働し、ローラ29の自転方向の動きを規制して、タペット構造体6が円柱空間92b、92cの軸線に沿って、ずれることなく昇降できるためである。
また、このようにタペット構造体6の側に、スリット状の貫通孔27aを有するシェル27が設けてあることにより、ポンプハウジング側にガイド溝等を配設する必要がなくなり、全体として、タペット構造体6の案内構造を簡略化、小型化することができるためである。
また、このようなスリット状の貫通孔27aであれば、高価な専用作成装置と必要とせずに構成することができるため、製造コストの低廉化を図ることもできる。
なお、固定用の貫通孔を複数個設けてあることにより、ポンプハウジング側にガイド溝等を配設することなく、シェルに設けた複数の貫通孔を利用して、タペット構造体における案内構造をさらに容易に設けることができる。
さらに、固定用の貫通孔がスリット状であることにより、案内ピン99の移動方向が実質的に上下方向に規制されるため、シェルを含むタペット構造体が横ぶれすることがさらに少なくなる。
【0044】
また、図19(b)に示すように、シェル27の内周面には、ローラボディ28の上方移動を規制するための第一突起部27bが設けてあることが好ましい。同様に、シェル27の内周面には、スプリング68の外周をガイドするための第二の突起部27cが、一体的に設けられていることが好ましい。
この理由は、このような第一突起部27bおよび第二突起部27cを設けることにより、ローラボディ28にスプリングシート10の径方向移動を規制する機能をもたせる必要がなくなり、ローラボディ28の形状を簡単な形状とすることができるためである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料供給用ポンプによると、ローラボディの周囲に円筒状のシェルを設けるとともに、当該シェルの側壁に対して、固定用の貫通孔が設けてあることから、ハウジング側に案内構造(案内溝)を形成することなく、上下動するシェルに対してタペット構造体を固定することができるため、次のような効果が得られるようになった。
(1)燃料供給用ポンプのプランジャを高速駆動させた場合であっても、シェルの外周面を円柱空間の周面に適合させることにより、ローラの自転方向の動きを規制するとともに、ポンプハウジングに対するタペット構造体の芯出しを容易に行うことができるようになった。
(2)ポンプハウジング側にガイド溝等を配設する必要がなくなり、そのかわりに、タペット構造体の側に案内構造が設けることができるため、燃料供給用ポンプの全体として、案内構造を簡略化、小型化することができるようになった。
(3)シェルの側壁に対して、固定用の貫通孔が設けることができることから、高価な専用作成装置と必要とせず、製造コストの低廉化を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料供給用ポンプにおける部分切り欠きを有する側面図である。
【図2】 本発明の燃料供給用ポンプにおける断面図である。
【図3】 (a)および(b)は、それぞれハウジングの斜視図および断面図である。
【図4】 (a)および(b)は、それぞれプランジャの斜視図および側面図である。
【図5】 燃料吸入用バルブおよび燃料吐出用バルブを説明するために供する図である。
【図6】 スプリングシートの斜視図である。
【図7】 (a)〜(b)は、それぞれスプリングシートの平面図および断面図である。
【図8】 (a)および(b)は、燃料吸入用バルブを説明するために供する図である。
【図9】 ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射装置(APCRS)のシステムを説明するために供する図である。
【図10】 比例制御弁の構造を説明するために供する図である。
【図11】 ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射装置(APCRS)の構造を説明するために供する図である。
【図12】 ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射装置(APCRS)による燃料の増圧方法を概念的に示す図である。
【図13】 高圧燃料の噴射タイミングチャート説明するために供する図である。
【図14】 (a)〜(c)は、タペット構造体を説明するために供する図である。
【図15】 (a)および(b)は、本発明の実施形態に係るタペット構造体のローラを示す拡大斜視図と拡大側面図である。
【図16】 ローラボディを説明するために供する斜視図である。
【図17】 (a)〜(b)は、それぞれローラボディを説明するために供する図である。
【図18】 シェルを説明するために供する斜視図である。
【図19】 (a)〜(b)は、それぞれシェルを説明するために供する斜視図である。
【図20】 段付きピンを説明するために供する斜視図である。
【図21】 (a)〜(b)は、それぞれ段付きピンを説明するために供する斜視図である。
【図22】 従来の蓄圧式燃料噴射装置の構造を説明するために供する図である。
【図23】 従来の別の蓄圧式燃料噴射装置の構造を説明するために供する図である。
【符号の説明】
3: カムシャフト
6: タペット構造体
10:スプリングシート
12:スプリング保持部
14:プランジャ取付け部
15:開口部
15a:中心孔
15b:開口部
16:通過孔(連通部)
17:段差
27:シェル
28:ローラボディ
29:ローラ
30b:通過孔(連通部)
52:ポンプハウジング
53:バレル(シリンダ)
54:プランジャ
60:カム
73:燃料供給バルブ
74:燃料圧縮室
100:APCRSシステム
102:燃料タンク
104:フィードポンプ(低圧ポンプ)
103:燃料供給用ポンプ(高圧ポンプ)
106:コモンレール
107:高圧通路
108:ピストン増圧装置(増圧ピストン)
110:燃料噴射装置
120:比例制御弁
134:オーバーフローバルブ(OFV)
152:受圧部
154:機械式ピストン
155:シリンダ
156:加圧部
158:加圧室
166:燃料噴射ノズルシステム
Claims (3)
- ポンプハウジングと、プランジャと、タペット構造体と、カムシャフトと、を備えた燃料供給用ポンプであって、
前記ポンプハウジングは、内部を前記タペット構造体が昇降する円柱空間を有するとともに、前記円柱空間の側面方向に開口する孔部を有し、
前記タペット構造体は、ローラと、前記ローラが収容されたローラボディと、前記ローラボディの周囲に配置され、前記円柱空間の内周面と適合するシェルと、を含むとともに、前記シェルの側壁にスリット状の固定用の貫通孔を有し、
前記ポンプハウジングの孔部及び前記シェルの貫通孔に案内ピンを挿通することによって、前記タペット構造体が前記ポンプハウジングに対して取付けてあり、
前記案内ピンを、ねじ部と、当該ねじ部よりも先端側の圧入部と、を有する段付きピンとし、前記ポンプハウジングの孔部を、前記案内ピンのねじ部と螺合するねじ穴からなる大径部と、前記案内ピンの圧入部が圧入される小径部と、を含む段状孔とし、前記段付きピンを前記段状孔に螺合することによって圧入してあることを特徴とする燃料供給用ポンプ。 - ポンプハウジングと、プランジャと、タペット構造体と、カムシャフトと、を備えた燃料供給用ポンプであって、
前記ポンプハウジングは、内部を前記タペット構造体が昇降する円柱空間を有するとともに、前記円柱空間の側面方向に開口する孔部を有し、
前記タペット構造体は、ローラと、前記ローラが収容されたローラボディと、少なくとも前記ローラの軸方向端面と前記円柱空間の内周面との間に介在するように前記ローラボディの周囲に配置され、前記円柱空間の内周面と適合するシェルと、を含むとともに、前記シェルの側壁にスリット状の固定用の貫通孔を有し、
前記ポンプハウジングの孔部及び前記シェルの貫通孔に案内ピンを挿通することによって、前記タペット構造体が前記ポンプハウジングに対して取付けてあり、
前記案内ピンを、ねじ部と、当該ねじ部よりも先端側の圧入部と、を有する段付きピンとし、前記ポンプハウジングの孔部を、前記案内ピンのねじ部と螺合するねじ穴からなる大径部と、前記案内ピンの圧入部が圧入される小径部と、を含む段状孔とし、前記段付きピンを前記段状孔に螺合することによって圧入してあることを特徴とする燃料供給用ポンプ。 - 単位時間当たりの流量が500〜1、500リットル/時間である燃料を、50MPa以上の値に加圧するための蓄圧式燃料噴射装置に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給用ポンプ。
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