JP3835025B2 - 排ガス浄化材及びこれを用いた排ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関などの燃焼機関や産業排ガス中に含有される炭化水素や可燃性炭素微粒子などの粒子状物質(以下パティキュレートという)を除去する排ガス浄化材とその製造方法及びこれを用いた排ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン等の排ガス中のパティキュレートはその粒子径のほとんどが1ミクロン以下であり、大気中に浮遊しやすく呼吸により人体に取り込まれやすい。しかも発ガン性物質を含んでいることから、排出の規制は今後更に厳しくなることが予測される。
【0003】
従来、これらの微粒子状物質の除去方法としては、大別すると以下の2つの方法がある。
【0004】
(1)片端閉じのセラミックハニカム、セラミックフォーム、金属発泡体などの耐熱性のガスフィルターを用いて排ガス中の微粒子を捕集し、背圧が上昇すれば電気ヒーターなどで堆積した微粒子を燃焼させ、フィルターを再生する方法。
【0005】
(2)触媒を用いて微粒子を触媒作用により燃焼反応を行わせ、ヒーターなどを要せず、排ガス中で排ガスの温度で燃焼再生を行う方法。
【0006】
しかしながら、前記(1)の方法ではパティキュレートの燃焼温度が高温であり、捕集したパティキュレートを燃焼除去し、フィルターを再生するために多量のエネルギーが必要となる。さらに高温域での燃焼とその反応熱によりフィルターの溶損や割れを生じる。また、特殊な装置を必要とするために浄化装置としての大型化、高コスト化になるという課題を有していた。
【0007】
一方、前記(2)の方式ではディーゼルエンジン排ガスの排出条件(ガス組成及び温度)において、触媒活性を維持できる触媒が使用されれば効果的な方法と考えられる。しかし、ディーゼルエンジンの排ガス温度はガソリンエンジンの場合と比較して低く、通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域ではパティキュレートが良好着火燃焼しないという課題を有していた。
【0008】
近年、この問題を解決するために、種々の排ガス浄化材及びその製造方法が開発されている。
【0009】
特開昭59−82944号公報(以下イ号公報という)には、バナジウム、モリブデン、銅、アルカリ金属化合物などからなる排ガス触媒が開示されている。また、前記化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬し、乾燥後に一度に焼成する排ガス触媒の製造方法も開示されている。また、同様の構成として特開昭58−183945号公報が知られている。
【0010】
また、特公平4−42063号公報(以下ロ号公報という)には、バナジウム、モリブデン、銅、マンガン、鉛、鉄、コバルト、銀元素とアルカリ元素と白金属などからなる排ガス触媒が開示されている。また、3次元構造体の表面に白金属化合物を焼成した後に、遷移金属化合物とアルカリ金属化合物を含む溶液を含浸、乾燥、焼成する方法も開示されている。
【0011】
更に、特開昭62−7447号公報(以下ハ号公報という)には、バナジウム、モリブデン、銅、アルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬して乾燥、焼成する排ガス触媒の製造方法が開示されている。また、前記銅化合物とアルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬し、乾燥後にバナジウム化合物とモリブデン化合物の溶液を浸漬して、乾燥後に一度に焼成する排ガス触媒の製造方法も開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の排ガス浄化材とその製造方法は、以下の課題を有していた。
【0013】
イ号公報に記載の排ガス触媒では、バナジウム、モリブデン、銅、アルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬し、乾燥後に一度に焼成するので、遷移金属化合物或いはアルカリ金属化合物と3次元構造体或いは3次元構造体表面に形成した耐熱性の多孔質材料との反応が起こり、望ましい複合酸化物の最適な構造物が得られることができなく、触媒活性に欠けるという課題を有していた。
【0014】
ロ号公報に記載の排ガス触媒では、3次元構造体の表面に白金属化合物を焼成した後に、遷移金属化合物とアルカリ金属化合物を含む溶液を含浸、乾燥、焼成するので、白金属化合物を有する排ガス浄化性能を十分に引き出すことできないという課題を有していた。
【0015】
ハ号公報に記載の排ガス触媒では、銅化合物とアルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬し、乾燥後にバナジウム化合物とモリブデン化合物の溶液を浸漬して、乾燥後に一度に焼成するので、銅化合物とアルカリ金属化合物と共存すると、加熱際に著しく反応し、複合酸化物の最適な構造物が得られることができなく、触媒活性に欠けるという課題を有していた。
【0016】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、耐熱性の3次元構造体と耐熱性の多孔質のセラミック層と遷移金属触媒層とアルカリ金属化合物層との積層構造により、遷移金属触媒とアルカリ金属化合物を持つ高い触媒性能を引き出すことができるとともに、低い温度でも触媒活性を有し、耐久性に優れる排ガス浄化材の提供、及び簡単の構造で通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域でパティキュレートを良好に着火燃焼でき、排ガス浄化特性に優れ、再生するための電気ヒーター等を必要とせず、小型且つ低原価で量産できる排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の排ガス浄化材及びこれを用いた排ガス浄化装置は次の構成からなる。
【0018】
本発明の排ガス浄化材は、耐熱性の3次元構造体(a)と、前記(a)の表面に800℃〜1200℃の焼成温度で形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、前記(c)の表面に形成されたCu、Mn、Co、V、Mo、W遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1種からなる触媒層(b)と、次にこれをアルカリ金属の硫酸塩の溶液に含浸させ凍結乾燥後焼成して、前記(b)の表面に形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、を備えた構成を有している。
【0019】
この構成により、触媒元素間や3次元構造体との反応にる劣化が抑制され、効率よくパティキュレートを燃焼させることが可能になるという作用を有する。
【0020】
排ガス浄化材の製造方法の参考例は、触媒層の表面でアルカリ金属の硫酸塩層を形成する際に、凍結乾燥に変えて、アルカリ金属の硫酸塩溶液にカルボキシル基のイオン交換基を有する有機化合物を添加した構成を有している。
【0021】
この凍結乾燥に変えての参考構成により、アルカリ金属の硫酸塩層を乾燥時にアルカリの凝集を防ぐことができ、アルカリ金属の硫酸塩が表面に高分散した触媒を得ることができ、アルカリ金属の硫酸塩と遷移金属及びそれらの化合物とパティキュレートとの接点を多くするという作用を有する。
【0022】
更に、本発明の排ガス浄化装置は、請求項1または2に記載の排ガス浄化材と、前記排ガス浄化材を収納する収納容器と、前記収納容器の一端の上流側に形成された排ガス流入口と、前記収納容器の他端の下流側に形成された排ガス排出口と、を備えた構成を有している。
【0023】
この構成により、通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域でパティキュレートを良好に着火燃焼できるとともに、3次元構造体の再生のための電気ヒーターなどの特殊な装置を必要としなく、排ガス浄化特性に優れるという作用を有する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、耐熱性の3次元構造体(a)と、前記(a)の表面に800℃〜1200℃の焼成温度で形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、前記(c)の表面に形成されたCu、Mn、Co、V、Mo、W遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1種からなる触媒層(b)と、次にこれをアルカリ金属の硫酸塩の溶液に含浸させ凍結乾燥後焼成して、前記(b)の表面に形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、を備えた構成を有している。ここで、凍結乾燥法としては、液体N 2 等の寒剤で瞬間に凍結し、0.1〜3mmHgの減圧で氷を昇華させて乾燥する方法が用いられる。ここで、遷移金属の化合物としては、硫酸塩以外にも、所定の金属元素を含む酢酸塩、硝酸塩、水酸化物、塩化物等が用いられる。その塩が水に溶解するものであればこれらに限定されない。
【0025】
これにより、(1)触媒層を形成する前に、先に耐熱性の3次元構造体の表面にアルカリ金属の硫酸塩層を焼成するために、遷移金属及びそれらの化合物と耐熱性の3次元構造体との反応による劣化が抑制され、効率よくパティキュレートを燃焼させることが可能になるという作用を有する。
【0026】
(2)触媒層とアルカリ金属の硫酸塩層を別々に焼成するために、遷移金属及びそれらの化合物とアルカリ金属の硫酸塩との反応による劣化が抑制され、効率よくパティキュレートを燃焼させることが可能になるという作用を有する。
【0027】
(3)最も高い燃焼活性を有す触媒構成組成の組み合わせが得られるという作用を有する。また、凍結乾燥法を用いたことで、乾燥時にアルカリの凝集を防ぐことができ、アルカリ金属の硫酸塩の表面に高分散した触媒を得ることができるとともに、アルカリ金属の硫酸塩と遷移金属及びそれらの化合物とパティキュレートとの接点を多くし、触媒反応の効率を向上できるという作用を有する。ここで、耐熱性の3次元構造体の表面のアルカリ金属の硫酸塩層の焼成温度が、800℃〜1200℃が用いられる。焼成温度が800℃より低くなるにつれて、アルカリ金属化合物層を焼成できなくという傾向が認められ、また1200℃よりも高くなるにつれて、アルカリ金属の硫酸塩と3次元構造体や多孔質のセラミック層と著しく反応するという傾向が認められるので、いずれも好ましくない。
【0028】
ここで、耐熱性の3次元構造体としては、セラミックフォーム、セラミックハニカム、ウオールフロータイプのハニカムモノリス等が用いられる。これらの大きさ及び形状は目的に応じて種々変更することができる。また必要に応じて複数段重ねても良い。3次元構造体の材料としてはコージェライト、ムライト、SiC、アルミナ、Al 2 O 3 ,Al 2 O 3 −SiO 2 ,Al 2 O 3 −ZrO 2 ,Al 2 O 3 −TiO 2 等が用いられるが、これらに限定されない。
【0029】
3次元構造体の表面に形成されるアルカリ金属の硫酸塩層と、触媒層に形成されるアルカリ金属の硫酸塩層は同一又は異なったアルカリ金属の硫酸塩が用いられる。
【0030】
本発明の請求項2に記載の発明は、耐熱性の3次元構造体(a)と、前記(a)の表面に形成された耐熱性の多孔質のセラミック層(d)と、前記(d)の表面に800℃〜1200℃の焼成温度で形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、前記(c)の表面に形成されたCu、Mn、Co、V、Mo、W遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1種からなる触媒層(b)と、次にこれをアルカリ金属の硫酸塩の溶液に含浸させ凍結乾燥後焼成して、前記(b)の表面に形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、を備えた構成を有している。ここで、凍結乾燥法としては、液体N 2 等の寒剤で瞬間に凍結し、0.1〜3mmHgの減圧で氷を昇華させて乾燥する方法が用いられる。ここで、遷移金属の化合物としては、硫酸塩以外にも、所定の金属元素を含む酢酸塩、硝酸塩、水酸化物、塩化物等が用いられる。その塩が水に溶解するものであればこれらに限定されない。
【0031】
これにより、(1)先ずアルカリ金属元素と3次元構造体表面に形成した耐熱性の多孔質材料との反応層を形成することにより、遷移金属元素と3次元構造体表面に形成した耐熱性の多孔質材料との反応による性能劣化を抑制できるという作用を有する。
【0032】
(2)触媒層とアルカリ金属の硫酸塩層を別々に焼成するために、遷移金属及びそれらの化合物とアルカリ金属の硫酸塩との反応による劣化が抑制され、効率よくパティキュレートを燃焼させることが可能になるという作用を有する。
【0033】
(3)アルカリ金属の硫酸塩と遷移金属及びそれらの化合物両者の本来の特性を維持したまま3次元構造体表面に形成した耐熱性の多孔質材料にこれらの触媒層が形成でき、触媒層の有効面積が向上し、ガス状成分との接触性が向上するという作用を有する。また、凍結乾燥法を用いたことで、乾燥時にアルカリの凝集を防ぐことができ、アルカリ金属の硫酸塩の表面に高分散した触媒を得ることができるとともに、アルカリ金属の硫酸塩と遷移金属及びそれらの化合物とパティキュレートとの接点を多くし、触媒反応の効率を向上できるという作用を有する。ここで、耐熱性の多孔質のセラミック層の表面のアルカリ金属の硫酸塩層の焼成温度が、800℃〜1200℃が用いられる。焼成温度が800℃より低くなるにつれて、アルカリ金属化合物層を焼成できなくという傾向が認められ、また1200℃よりも高くなるにつれて、アルカリ金属の硫酸塩と3次元構造体や多孔質のセラミック層と著しく反応するという傾向が認められるので、いずれも好ましくない。
【0034】
ここで、耐熱性の3次元構造体としては、、セラミックフォーム、セラミックハニカム、ウオールフロータイプのハニカムモノリス等が用いられる。これらの大きさ及び形状は目的に応じて種々変更することができる。また必要に応じて複数段重ねても良い。3次元構造体の材料としてはコージェライト、ムライト、SiC、アルミナ、Al 2 O 3 ,Al 2 O 3 −SiO 2 ,Al 2 O 3 −ZrO 2 ,Al 2 O 3 −TiO 2 等が用いられるが、これらに限定されない。
【0035】
耐熱性の多孔質のセラミック層の表面に形成されるアルカリ金属の硫酸塩と、触媒層に形成されるアルカリ金属の硫酸塩層は同一又は異なったアルカリ金属の硫酸塩が用いられる。
【0036】
耐熱性の多孔質層のセラミック材料としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア等が好適に用いられる。
【0037】
耐熱性の多孔質のセラミック層を担持させる方法としては、ゾルーゲル法や、スラリー法等が用いられる。ゾルーゲル法とは、耐熱性の多孔質層を構成する金属元素の有機塩(アルコキシドなど)を含む溶液に酸(塩酸、酢酸など)を加えて溶液のpHを調製した後、この溶液に3次元構造体を含浸して耐熱性の多孔質層を構成する金属元素を含む溶液をコーティングし、次いで3次元構造体にコーティングされた溶液と水蒸気とを接触させ加水分解反応によりゾル化させ、さらにゲル化を行った後に焼成するものである。これらが担持の一般的方法として挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0052】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の排ガス浄化材と、前記排ガス浄化材を収納する収納容器と、前記収納容器の一端の上流側に形成された排ガス流入口と、前記収納容器の他端の下流側に形成された排ガス排出口と、を備えた構成を有している。
【0053】
これにより、簡単の構造で通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域(300℃〜500℃)でパティキュレートを良好に着火燃焼できるとともに、3次元構造体の再生のための電気ヒーターなどの特殊な装置を必要としなく、排ガス浄化特性に優れるという作用を有する。
【0054】
ここで、収納容器の形状としては、円筒状又は楕円筒状等が用いられる。本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、収納容器及び/又は前記排ガス流入口とエンジンを接続する接続管の周囲に設置された断熱手段を有した構成を有している。
【0055】
これにより、請求項3により得られる作用の他、エンジン燃焼部からの排ガスが触媒部に流入する温度の低下を防止して触媒活性を向上させ得るという作用を有する。
【0056】
ここで、断熱手段としては、容器を真空二重構造にしたり、容器を断熱材で包む方法が用いられる。
【0057】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、収納容器がエンジンマニホールドに近接して配置されていた構成を有している。
【0058】
これにより、請求項3または4により得られる作用の他、エンジン燃焼部からの排ガスが触媒部に流入する温度の低下を防止して触媒活性を向上させることができるという作用を有する。
【0059】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(参考の形態1)
図1は本発明の参考の形態1における排ガス浄化材の要部断面図である。
【0060】
図1において、1は参考の形態1の排ガス浄化材、2は排ガス浄化材1の耐熱性の3次元構造体、3は耐熱性の3次元構造体2の表面に形成された遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1つからなる触媒層、4は触媒層3の表面に形成されたアルカリ金属化合物から選ばれる少なくとも1つからなるアルカリ金属化合物層である。
【0061】
以下、参考の形態1の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。Cu、Mn、Co、V、Mo、W遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1つの水溶液に耐熱性の3次元構造体を含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に500℃〜950℃、好ましくは700℃〜850℃で1時間〜8時間、好ましくは3時間〜6時間焼成を行い、遷移金属の酸化物層を形成した。次にこれをアルカリ金属化合物の溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後400℃〜800℃、好ましくは500℃〜700℃で1時間〜8時間、好ましくは3時間〜6時間焼成を行いCu,V,Cs等を担持した参考の形態1の浄化材を得た。
【0062】
(実施の形態1)
図2は本発明の実施の形態1における排ガス浄化材の要部断面図である。
【0063】
図2において、20は実施の形態1の排ガス浄化材、4aは耐熱性の3次元構造体2と触媒層3との間に形成されたアルカリ金属化合物から選ばれる少なくとも1つからなるアルカリ金属化合物層である。尚、参考の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
以下、実施の形態1の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。アルカリ金属の硫酸塩の溶液に耐熱性の3次元構造体2を含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に850℃で5時間焼成を行った。その後参考の形態1と同様の方法で遷移金属の酸化物層3とアルカリ金属の硫酸塩層4を形成した。実施の形態1の排ガス浄化材が参考の形態1と相違には耐熱性の3次元構造体2と遷移金属の酸化物層の間にアルカリ金属の硫酸塩層4aを形成する点である。尚、参考の形態1と同様の調製操作には説明を省略する。
【0065】
(参考の形態2)
図3は本発明の参考の形態2における排ガス浄化材の要部断面図である。
【0066】
図3において、30は参考の形態2の排ガス浄化材、5は耐熱性の3次元構造体2と触媒層3との間に形成された耐熱性の多孔質のセラミック層である。尚、参考の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
以下、参考の形態2の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。γ−Al2O3の粉末等を用い、これに対して0.5wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩等を溶解させた水溶液に、更に接着剤としてアルミニウムイソプロポキシト等を加えた後、真空デシケーター内で、得られたスラリーに耐熱性の3次元構造体2を含浸した後、真空デシケーター内を減圧してコージェライト製のハニカム内の気泡を取り除き、耐熱性の3次元構造体2の内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し、振り切って90℃〜140℃で1時間〜8時間、好ましくは3時間〜6時間乾燥したのち、好ましくは900℃〜1000℃で1時間〜5時間、好ましくは1.5時間〜3時間焼成して表面に耐熱性の多孔質のセラミック層5を形成した耐熱性の3次元構造体2を作製した。その後実施の形態1と同様の方法で遷移金属の酸化物層3とアルカリ金属化合物層4を形成した。参考の形態2の排ガス浄化材が参考の形態1と相違には耐熱性の3次元構造体2と遷移金属の酸化物層3の間に耐熱性の多孔質のセラミック層5を形成する点である。尚、参考の形態1と同様の調製操作には説明を省略する。
【0068】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における排ガス浄化材の要部断面図である。
【0069】
図4において、40は実施の形態2の排ガス浄化材である。尚、参考の形態1乃至2、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
実施の形態2排ガス浄化材が実施の形態1と相違には耐熱性の3次元構造体2とアルカリ金属の硫酸塩層4aの間に耐熱性の多孔質のセラミック層5を形成する点である。尚、参考の形態1乃至2、実施の形態1と同様の調製操作には説明を省略する。
【0071】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3における排ガス浄化装置の要部模式図である。
【0072】
図5において、50は実施の形態3の排ガス浄化装置、51は参考の形態1乃至2、実施の形態1、2で得られた排ガス浄化材を収納する収納容器、52は収納容器51の一端の上流側に形成されたエンジンを接続する排ガス流入口、53は収納容器51の他端の下流側に形成された排ガス排出口、54は収納容器51及び/又は排ガス流入口52とエンジンを接続する接続管の周囲に設置された断熱手段の保温層である。
【0073】
以下、実施の形態3の排ガス浄化装置の動作を具体的に説明する。ディーゼルエンジン等より排出されたパティキュレートを実施の形態2の排ガス浄化装置50の排ガス流入口52から流入させ、エンジンの排気温度で排ガス浄化材1内パティキュレートが燃焼され、CO2等気体酸化物になり、収納容器51の他端の下流側に形成された排ガス排出口53による排出される。また、排ガス中のCOがパティキュレートと共にCO2に酸化される。COとパティキュレートの酸化反応には熱が放出され、排ガス浄化装置50の浄化反応に必要な温度を保持できる。また、収納容器51及び/又は排ガス流入口52とエンジンを接続する接続管の周囲に設置された断熱手段の保温層が排ガス浄化装置50の浄化反応に必要な温度を保持できる。
【0074】
なお、以上の説明では、収納容器の両端に排ガス流入口と排ガス排出口それぞれ設けられた例で説明したが、その他の構造を構成したものについても同様に実施可能である。
【0075】
【実施例】
次に本発明の具体例を用いて説明する。
【0076】
(参考例1)
硫酸銅1mol/lと酸化硫酸バナジウム0.5mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、バナジウム酸化物層を形成した。次にこれを1mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間焼成を行いCu,V,Csを担持した参考例1の浄化材を得た。
【0077】
(参考例2〜4)
参考例1と同様にして硫酸銅1mol/lと酸化硫酸バナジウム0.5mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、バナジウム酸化物層を形成した。さらに1mol/lの硫酸リチウム、硫酸ナトリウム又は硫酸カリウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間焼成を行いCu,V,Li又はCu,V,Na又はCu,V,Kを担持した参考例2、3、4の浄化材を得た。
【0078】
(参考例5)
硫酸銅1mol/lとモリブデン酸アンモニウム塩1mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、モリブデン酸化物層を形成した。次にこれを1mol/lの硫酸カリウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間焼成を行い銅、モリブデン、カリウムを担持した参考例5の浄化材を得た。
【0079】
(参考例6)
硫酸マンガン1mol/lと酸化硫酸バナジウム0.5mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、モリブデン酸化物層を形成した。次にこれを1mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間焼成を行いマンガン、バナジウム、セシウムを担持した参考例6の浄化材を得た。
【0080】
(参考例7)
硫酸コバルト1mol/lと酸化硫酸バナジウム0.5mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、モリブデン酸化物層を形成した。次にこれを1mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間焼成を行いコバルト、バナジウム、セシウムを担持した参考7の浄化材を得た。
【0081】
(実施例1)
硫酸セシウム1mol/lの水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。乾燥後、800℃で5時間焼成した。以下参考例1と同様にして銅とバナジウムの層を形成後、更に硫酸セシウム層を形成して実施例1の浄化材を得た。
【0082】
(実施例2)
硫酸セシウム1mol/lの水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。乾燥後、1100℃で5時間焼成した。以下参考例1と同様にして銅とバナジウムの層を形成後、更に硫酸セシウム層を形成して実施例9の浄化材を得た。
【0083】
(参考例8)
硫酸セシウム1mol/lの水溶液と20wt%のSiO2ゾル水溶液を2:1の割合で混合した水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。乾燥後、800℃で5時間焼成した。以下参考例1と同様にして銅とバナジウムの層を形成後、更に硫酸セシウム層を形成して参考例8の浄化材を得た。
【0084】
(参考例9)
γ−Al2O3の粉末を用い、これに対して0.5wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液に、更に接着剤としてアルミニウムイソプロポキシトを加えた後、真空デシケーター内で、得られたスラリーにコージェライト製のハニカムを含浸した後、真空デシケーター内を減圧してコージェライト製のハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し、振り切って120℃で5時間乾燥したのち、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性多孔質体を形成したコージェライト製のハニカムを作製した。このコージェライト製ハニカムを用いて、参考例1と同一の方法で参考例9の排ガス浄化材を用いた。
【0085】
(参考例10)
硫酸銅1mol/lと酸化硫酸バナジウム0.5mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、バナジウム酸化物層を形成した。次にこれを1mol/lの硫酸セシウム水溶液に硫酸セシウムの濃度の0.3倍のリンゴ酸を溶解させた後に、銅、バナジウム層を表面に形成したコージェライト製ハニカムを含浸させ80℃で10時間乾燥させた。その後600℃で5時間焼成を行いCu,V,Csを担持した参考例10の浄化材を得た。
【0086】
(参考例11)
硫酸セシウムの溶液に溶解させる物質がクエン酸である他は参考例10と同一の方法により参考例11の浄化材を得た。
【0087】
(比較例1)
1mol/lの硫酸銅と0.5mol/lの酸化硫酸バナジウムと1mol/lの硫酸セシウムを溶解した水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し減圧下で氷を昇華させ乾燥した。次いで800℃で5時間焼成を行い硫酸銅と酸化硫酸バナジウム、硫酸セシウムを同時に担持した比較例1の浄化材を得た。
【0088】
(比較例2)
出発原料に硫酸銅、モリブデン酸アンモニウム塩、硫酸カリウムを用いる他は比較例1と同一の方法で銅とモリブデンとカリウムを同時に担持した比較例2の浄化材を得た。
【0089】
(比較例3)
出発原料に硫酸マンガン、酸化硫酸バナジウム、硫酸セシウムを用いる他は比較例1と同一の方法でマンガンとバナジウムとセシウムを同時に担持した比較例3の浄化材を得た。
【0090】
(比較例4)
出発原料に硫酸コバルト、酸化硫酸バナジウム、硫酸セシウムを用いる他は比較例1と同一の方法でマンガンとバナジウムとセシウムを同時に担持した比較例4の浄化材を得た。
【0091】
(比較例5)
参考例1と同一の方法で銅とバナジウム酸化物を形成した後に1mol/lの炭酸セシウムの水溶液を含浸させ、以下、参考例1と同一の方法で比較例5の浄化材を得た。
【0092】
(比較例6)
参考例1と同一の方法で銅とバナジウム酸化物を形成した後に1mol/lの水酸化セシウムの水溶液を含浸させ、以下参考例1と同一の方法で比較例6の浄化材を得た。
【0093】
(比較例7)
γ−Al2O3の粉末を用い、これに対して0.5wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液に、更に接着剤としてアルミニウムイソプロポキシトを加えた後、真空デシケーター内で、得られたスラリーにコージェライト製のハニカムを含浸した後、真空デシケーター内を減圧してコージェライト製のハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し、振り切って120℃で5時間乾燥したのち、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性多孔質体を形成したコージェライト製のハニカムを作製した。このコージェライト製ハニカムを用いて、比較例1と同一の方法で比較例7の排ガス浄化材を得た。
【0094】
(比較例8)
硫酸セシウム1mol/lの水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。乾燥後、700℃で5時間焼成した。以下実施例1と同様にして銅とバナジウムの層を形成後、更に硫酸セシウム層を形成して比較例8の浄化材を得た。
【0095】
(比較例9)
硫酸銅1mol/lと酸化硫酸バナジウム0.5mol/lの水溶液を1:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に800℃で5時間焼成を行い、銅、バナジウム酸化物層を形成した。次にこれを1mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に電気炉にて120℃で10時間で乾燥した。その後600℃で5時間焼成を行いCu,V,Csを担持した比較例9の浄化材を得た。
【0096】
(評価例1)
パティキュレートの燃焼活性を調べるのに先だって、安定した触媒活性比較するためにまず調製した前述の各触媒をSO2を400ppm、O2を1%(残りN2)で1昼夜450℃で処理を行った。
【0097】
次にディーゼルエンジンより排出されたパティキュレートをセラミックス製のフィルターで捕集し、これをエタノール中に懸濁させて、エアーブラシで、10mm×10mm×30mmの大きさの参考例1〜7及び比較例1〜4の触媒付きコージェライト製ハニカムの外周部にパティキュレート量が約0.005g/mm2となるように吹き付けた。これを乾燥させた後にガスを流通できる電気炉に入れてCOを200ppm、SO2を20ppm、O2を1%(残りN2)を流して400℃下で反応させて反応開始1時間までのパティキュレートの燃焼率を調べた。その結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
(表1)から明らかなように当該遷移金属及びそれらの化合物とアルカリ金属化合物を同時に担持した場合に比べて遷移金属及びそれらの化合物を担持後にアルカリ金属化合物を担持した場合に、パティキュレートに対する高い燃焼活性を有すことが判った。また、アルカリ金属化合物の原料としては硫酸塩が良好であることが判った。
【0100】
(評価例2)
評価例1と同一の方法にて実施例1、2及び比較例8を用いてパティキュレートの燃焼率を調べた。その結果を(表2)に示す。
【0101】
【表2】
【0102】
(表1)の比較例1の結果と比べ(表2)の実施例1、2の結果から明らかなように当該遷移金属及びそれらの化合物とアルカリ金属化合物を同時に形成した場合に比べてアルカリ金属の硫酸塩を先ず形成し、次いで遷移金属及びそれらの化合物を形成後にアルカリ金属の硫酸塩を形成した場合の方がパティキュレートに対する高い燃焼活性を有すことが判った。また、最初に形成するアルカリ金属の硫酸塩の焼成温度は800℃以上が有効であることが判った。
【0103】
(評価例3)
評価例1と同様に前処理を行った後にディーゼルエンジンより排出されたパティキュレートをセラミックス製のフィルターで捕集し、これをエタノール中に懸濁させて、エアーブラシで、10mm×10mm×30mmの大きさの参考例9及び比較例7の触媒付きコージェライト製ハニカムの外周にパティキュレート量が約0.005g/mm2となるように吹き付けた。これを乾燥させた後にガスを流通できる電気炉に入れてCOを200ppm、SO2を20ppm、O2を1%(残りN2)を流して400℃下で反応させて反応開始1時間までのパティキュレートの燃焼率及びCOの酸化率を調べた。その結果を(表3)に示す。
【0104】
【表3】
【0105】
(表3)から明らかなように当該遷移金属及びそれらの化合物とアルカリ金属化合物を同時に担持した場合に比べて遷移金属及びそれらの化合物を担持後にアルカリ金属化合物を担持した場合に、パティキュレートに対する高い燃焼活性を有すと共にCOの燃焼率も高くなることが判った。
【0106】
(評価例4)
評価例1と同一の方法にて参考例10,11及び比較例9を用いてパティキュレートの燃焼率を調べた。その結果を(表4)に示す。
【0107】
【表4】
【0109】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、以下の優れた効果を実現できる。
【0110】
本発明の排ガス浄化材は、触媒層を形成する前に、先に耐熱性の3次元構造体の表面に800℃〜1200℃の焼成温度でアルカリ金属の硫酸塩層を焼成するために、遷移金属及びそれらの化合物と耐熱性の3次元構造体との反応による劣化が抑制され、効率よくパティキュレートを燃焼させることが可能になり、また、触媒層とアルカリ金属の硫酸塩層を別々に焼成するために、遷移金属及びそれらの化合物とアルカリ金属の硫酸塩との反応による劣化が抑制され、効率よくパティキュレートを燃焼させることが可能になる。
【0112】
更に、本発明の排ガス浄化装置は、請求項1または2に記載の排ガス浄化材を用いることにより、簡単な構造で通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域(300℃〜500℃)でパティキュレートを良好に着火燃焼できるとともに、3次元構造体の再生のための電気ヒーターなどの特殊な装置を必要としなく、排ガス浄化特性に優れ、小型且つ低原価で量産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考の形態1における排ガス浄化材の要部断面図
【図2】 本発明の実施の形態1における排ガス浄化材の要部断面図
【図3】 本発明の参考の形態2における排ガス浄化材の要部断面図
【図4】 本発明の実施の形態2における排ガス浄化材の要部断面図
【図5】 本発明の実施の形態3における排ガス浄化装置の要部模式図
【符号の説明】
1 参考の形態1の排ガス浄化材
2 耐熱性の3次元構造体
3 触媒層
4,4a アルカリ金属化合物層
5 耐熱性の多孔質のセラミック層
20 実施の形態1の排ガス浄化材
30 参考の形態2の排ガス浄化材
40 実施の形態2の排ガス浄化材
50 実施の形態3の排ガス浄化装置
51 収納容器
52 排ガス流入口
53 排ガス排出口
54 保温層
Claims (5)
- 耐熱性の3次元構造体(a)と、
前記(a)の表面に800℃〜1200℃の焼成温度で形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、
前記(c)の表面に形成されたCu、Mn、Co、V、Mo、W遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1種からなる触媒層(b)と、
次にこれをアルカリ金属の硫酸塩の溶液に含浸させ凍結乾燥後焼成して、
前記(b)の表面に形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、
を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。 - 耐熱性の3次元構造体(a)と、
前記(a)の表面に形成された耐熱性の多孔質のセラミック層(d)と、
前記(d)の表面に800℃〜1200℃の焼成温度で形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、
前記(c)の表面に形成されたCu、Mn、Co、V、Mo、W遷移金属及びそれらの化合物から選ばれる少なくとも1種からなる触媒層(b)と、
次にこれをアルカリ金属の硫酸塩の溶液に含浸させ凍結乾燥後焼成して、
前記(b)の表面に形成された少なくとも1種のアルカリ金属の硫酸塩からなるアルカリ金属化合物層(c)と、
を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。 - 前記請求項1または2に記載の排ガス浄化材と、前記排ガス浄化材を収納する収納容器と、前記収納容器の一端の上流側に形成された排ガス流入口と、前記収納容器の他端の下流側に形成された排ガス排出口と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化装置。
- 前記収納容器及び/又は前記排ガス流入口とエンジンを接続する接続管の周囲に設置された断熱手段を有することを特徴とする請求項3に記載の排ガス浄化装置。
- 前記収納容器がエンジンマニホールドに近接して配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の排ガス浄化装置。
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