JP3834831B2 - 対物レンズ駆動装置及びこの対物レンズ駆動装置を用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置及びこの対物レンズ駆動装置を用いた光ピックアップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光ディスクプレーヤ等の光ディスク記録及び/又は再生装置に用いられる対物レンズ駆動装置及びこの対物レンズ駆動装置を用いた光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクを記録媒体に用いる光ディスクプレーヤ等の光ディスク記録及び/又は再生装置には、半導体レーザ等の光源から出射された光ビームを集光して光ディスクに照射させる対物レンズを、この対物レンズの光軸と平行な方向及び対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動変位させる対物レンズ駆動装置が用いられている。
【0003】
この対物レンズ駆動装置は、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号に応じて対物レンズをこの対物レンズの光軸と平行な方向及び対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動変位させることにより、ディスク回転駆動装置により回転操作される光ディスクの信号記録面に対物レンズを介して照射される光ビームを上記光ディスクの信号記録面に合焦させ、さらに光ビームが光ディスクに形成された記録トラックに追従するようになすものである。
【0004】
ところで、従来用いられている対物レンズ駆動装置として、図59及び図60に示すように構成されたものが広く用いられている。
【0005】
この対物レンズ駆動装置は、一端側に対物レンズ1を取付けたボビン2を有し、このボビン2をワイヤの如き線状をなす4本の弾性支持部材3を用いて、磁気回路部4を構成するヨーク5上に取付けられる固定支持部材6に片持ち支持してなる。
【0006】
そして、対物レンズ1が取付けられたボビン2には、中央部に上記対物レンズ1の光軸方向に貫通する開口部7が形成されている。この開口部7内には、略方形をなす筒状に形成されたフォーカシングコイル8が配設されている。このフォーカシングコイル8の外周側の一側面には、平板な矩形状に形成された一対のコイル9b,9cからなるトラッキングコイル9が並列して接合されている。
【0007】
また、上記ボビン2の相対向する各側面には、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9からそれぞれ引き出されたコイル端末8a,9aが電気的に接続される中継用のプリント配線基板10が取付けられている。このプリント配線基板10上には、このプリント配線基板10に形成された接続パターン10aに、給電線として機能する導電性材料により形成された弾性支持部材3の一端部3a側が半田等の導電性接着剤を用いて電気的及び機械的に接続されている。
【0008】
そして、各一端部3aによりボビン2を支持した弾性支持部材3は、ボビン2の両側にそれぞれ一対ずつ平行に配設され、他端部3b側をヨーク5上に取付けた固定支持部材6の各コーナ部に穿設した貫通孔11に挿通されて上記固定支持部材6に固定支持させてなる。これら弾性支持部材3の上記貫通孔11から突出された弾性支持部材3の他端部3bは、対物レンズ1を駆動変位させる駆動制御回路部に電気的に接続される接続端となる。
【0009】
このように相対向する両側を2本ずつの弾性支持部材3を介して固定支持部材6に片持ち支持されたボビン2に取付けられた対物レンズ1は、上記弾性支持部材3を変位部として図59中矢印F方向の光軸と平行な方向及び図59中矢印T方向の対物レンズ1の光軸と直交する平面方向に移動可能となる。
【0010】
また、固定支持部材6が取付けられるヨーク5には、相対向して一対の立上り片12,13が形成されている。そして、一方の立上り片12の他方の立上り片13と対向する面には、磁気回路部4を構成するマグネット14が接合配設されている。
【0011】
そして、複数の弾性支持部材3を介してボビン2を支持した固定支持部材6が、ヨーク5の他端側の上面に取付けられることにより、対物レンズ駆動装置を構成してなる。このとき、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9を挟んで一対の立上り片12,13が、図59に示すように、ボビン2の開口部7内に挿入される。そして、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9は、マグネット14から他方の立上り片13に向かう磁束に鎖交する位置に配置されることになる。
【0012】
上述のように構成された対物レンズ駆動装置は、駆動制御回路部からフォーカスエラー信号に基づく制御電流が導電性を有する弾性支持部材3を介してフォーカシングコイル8に供給されると、磁気回路部4の磁束と共働してボビン2を対物レンズ1の光軸と平行な方向に駆動変位させる駆動力が発生する。そして、ボビン2は、弾性支持部材3を弾性変位させながら対物レンズ1の光軸と平行な方向である図59中矢印F方向のフォーカシング方向に駆動変位される。そして、ボビン2が駆動変位されることにより、このボビン2に取付けられた対物レンズ1も同方向に駆動変位してフォーカシング調整が行われる。
【0013】
また、駆動制御回路部からトラッキングエラー信号に基づく制御電流が導電性を有する弾性支持部材3を介してトラッキングコイル9に供給されると、磁気回路部4の磁束と共働してボビン2を対物レンズ1の光軸と直交する平面方向に駆動変位させる駆動力が発生する。そして、ボビン2は、弾性支持部材3を弾性変位させながら対物レンズ1の光軸と直交する平面方向である図59中矢印T方向のトラッキング方向に駆動変位される。そして、ボビン2が駆動変位されることにより、このボビン2に取付けられた対物レンズ1も同方向に駆動変位してトラッキング調整が行われる。
【0014】
上述した対物レンズ駆動装置は、ボビン2の両側に中継用のプリント配線基板10を配設し、このプリント配線基板10にフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9のコイル端末8a,9aを接続するとともに、上記プリント配線基板10に一端部を接続した弾性支持部材3を接続し、この弾性支持部材3を介して制御電流をフォーカシングコイル8又はトラッキングコイル9に供給するように構成しているが、フレキシブルプリント基板16を介してフォーカシングコイル8又はトラッキングコイル9に制御電流を供給するように構成したものも用いられている。
【0015】
この対物レンズ駆動装置は、図61に示すように、ボビン2の上端面に制御回路部に接続されるフレキシブルプリント基板16の一端部を接合し、このフレキシブルプリント基板16の一端部に形成した接続パターン16aにフォーカシングコイル8又はトラッキングコイル9の各コイル端末8a,9aを接続したものである。このフレキシブルプリント基板16を用いることにより、弾性支持部材3を導電性材料で形成する必要がなくなり、所望する弾性特性等の特性を有する材料で形成することが可能となる。
【0016】
また、フレキシブルプリント基板16を用いた場合には、ボビン2に中継用のプリント配線基板10を設ける必要がないので、弾性支持部材3の一端部3a側は、図61に示すようにボビン2の両側に形成された嵌合支持部17を介して直接ボビン2に取付けられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した対物レンズ駆動装置に用いられるフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9は、いずれも線材を巻回して形成されてなるものである。そして、フォーカシングコイル8は、図60に示すように、1本の線材を方形の筒状をなすように巻回され、上下の各端部から接続用のコイル端末8aを引き出すように形成されてなる。また、トラッキングコイル9は、図60に示すように、2つの矩形状をなすコイル部9b,9cが並列して構成されるように1本の線材を巻回し、各コイル部9b,9cの一側から接続用のコイル端末9aを引き出すように形成されてなる。そして、トラッキングコイル9は、図60に示すように、筒状に形成されたフォーカシングコイル8の一側面上に接合されてこのフォーカシングコイル8と一体化される。このトラッキングコイル9が取付けられたフォーカシングコイル8は、図59に示すように、トラッキングコイル9が接合された一側面と対向する他側面を開口部7の内壁に接合することによってボビン2に直接取付けられてなる。
【0018】
そして、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9から引き出された各各コイル端末8a,9aを、中継用のプリント配線基板10又はフレキシブルプリント基板16に半田等の導電性接着剤を用いて電気的に接続するようにしている。そのため、対物レンズ駆動装置の組立て途中でコイル端末8a,9aの結線作業が必要であり、組立て効率が悪くなってしまっている。
【0019】
また、コイル端末8a,9aを結線する際、コイル端末8a,9aがボビン2上で弛まないようにする必要がある。すなわち、コイル端末8a,9aに弛みがあると、対物レンズ1が駆動変位されるときにコイル端末8a,9aが不用意に大きく振動したり移動するなどして、制御電流に応じて対物レンズ1を正確に駆動させることができなくなる虞れがある。
【0020】
また、対物レンズ駆動装置にあっては、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9に供給される駆動電流に応答性良く、且つ安定して対物レンズ1を光軸方向及び光軸方向に直交する平面方向に駆動変位させるためには、可動部としての対物レンズ1を取付けたボビン2の重心Pと、このボビン2を駆動変位させる駆動力を発生させる駆動力の発生中心が正確に一致される必要がある。
【0021】
ここで、上述した対物レンズ駆動装置において、対物レンズ1をこの対物レンズ1の光軸と平行な方向に駆動変位させるフォーカシング方向の駆動力は、図59及び図63に示すように、一対の立上り片12,13間に挿入されたフォーカシングコイル8の一側面部を構成する対物レンズ1の光軸と直交する方向を巻回方向としたコイル部8bに流れる制御電流と、マグネット14から放射され一方の立上り片12から他方の立上り片13に向かってマグネット14から放射され上記コイル部8bと鎖交する磁束とにより発生する。また、対物レンズ1をこの対物レンズ1の光軸方向と直交する平面方向に駆動変位されるトラッキング方向の駆動力は、図59及び図62に示すように、一対の立上り片12,13間に挿入されたフォーカシングコイル8の一側面上に取付けられたトラッキングコイル9を構成する一対の矩形状のコイル部9b,9cの一対の立上り片12,13間に挿入され対物レンズ1の光軸と平行な直線部19a,19bに流れる制御電流と、マグネット14から放射され一方の立上り片12から他方の立上り片13に向かってマグネット14から放射され上記直線部19a,19bと鎖交する磁束とにより発生する。
【0022】
なお、トラッキングコイル9を構成する一対のコイル部9b,9cは、一対の立上り片12,13間に挿入される直線部19a,19bの同方向に電流が流れるように接続されている。
【0023】
そして、対物レンズ1を光軸方向と平行な方向の駆動力を正確に発生させるためには、フォーカシングコイル8の一対の立上り片12,13間に挿入されるコイル部8bをこれら立上り片12,13間の構成される磁気ギャップの中心である図62中YーY’線上に一致させ、上記コイル部8bを流れる制御電流と一対の立上り片12,13間に放射される鎖交磁束が高精度に直交するようになす。また、対物レンズ1を光軸方向と直交する平面方向の駆動力を正確に発生させるためには、トラッキングコイル9を構成する一対の矩形状のコイル部9b,9cの直線部19a,19b間の中心を一対の立上り片12,13の幅方向の中心である図62中XーX’線上に一致させ、上記直線部19a,19bを流れる制御電流と一対の立上り片12,13間に放射される鎖交磁束が高精度に直交するようになす。さらにまた、対物レンズ1を光軸方向と平行な方向及び対物レンズ1を光軸方向と直交する平面方向のそれぞれに対し均等に駆動力を発生させるためには、フォーカシングコイル8のコイル部8b及びトラッキングコイル9の直線部19a,19bの高さ方向である対物レンズ1の光軸と平行な方向の図63中ZーZ’線上の中心をマグネット14の高さ方向に中心に一致させる。
【0024】
上述のようにフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9を磁気回路部4に対し配置することにより、これらフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9に供給される制御電流とマグネット14から放射される磁束とにより発生する対物レンズ1を光軸方向と平行な方向及びこの光軸方向に直交する平面方向に駆動変位させる駆動力の発生中心は、図62中のYーY’線、図62中のXーX’線及び図63中のZーZ’線の交点に位置する。
【0025】
そして、対物レンズ1を取付けた可動部としてのボビン2の重心Pを図62中のYーY’線、図62中のXーX’線及び図63中のZーZ’線の交点に一致させることにより、ボビン2は対物レンズ1の光軸と平行な駆動力及び対物レンズ1の光軸と直交する平面方向の駆動力に対し捩じれ等の変位力を発生させることなく応答性良く対物レンズ1の光軸と平行な方向及び対物レンズ1の光軸と直交する平面方向に駆動変位される。ボビン2が捩じれ等の変位力を発生させることなく応答性良く駆動変位されることから、このボビン2に取付けられた対物レンズ1も、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9に供給される制御電流に応じて上記対物レンズ1の光軸と平行な方向及び対物レンズ1の光軸と直交する平面方向に正確に駆動変位される。
【0026】
なお、対物レンズ1は、光軸を図62中XーX’線上に位置させるとともに、図63中ZーZ’線と平行となすようにしてボビン2に取付けられる。
【0027】
ところで、従来の対物レンズ駆動装置に用いられるフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9は、上述したように1本の線材を筒状若しくは矩形状に巻回して形成された立体的な構造を有してなる。そのため、対物レンズ駆動装置に用いられる各フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9を全て統一した一定の大きさに形成することが極めて困難である。このような大きさにバラツキのあるフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9をボビン2に取付けると、対物レンズ1を含むボビン2の重心Pを一定にすることができなくなる。特に、ボビン2に取付けたとき、このボビン2の重心Pから離間した位置部分でフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9に形状や寸法のバラツキがあると、対物レンズ1を含むボビン2の重心Pの位置に大きな影響を与える。
【0028】
また、一側面にトラッキングコイル9を取付けたフォーカシングコイル8は、は、ボビン2の開口部7内に接着剤等を用いて直接接合されて取付けるようにしているので、ボビン2への組付け作業が困難であるばかりか、ボビン2に対する取付け位置精度を正確に出すことが極めて困難である。そのため、対物レンズ駆動装置毎に対物レンズ1を含むボビン2の重心Pの位置が異なってしまい、この重心Pを高精度に設定することが難しい。
【0029】
さらに、ボビン2は合成樹脂の成形体により形成され、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9は銅線により形成される。そして、ボビン2を構成する合成樹脂の比重は約1.5程度であるのに対し、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9を構成する銅線の比重は8.9である。そのため、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9に形状や寸法のバラツキが生じ、さらにボビン2に対する取付け位置精度にバラツキがあると、対物レンズ駆動装置毎に対物レンズ1を含む可動部としてのボビン2の重心Pの位置を正確に設定できなくなってしまう。
【0030】
上述のように可動部の重心Pの位置が各対物レンズ駆動装置毎に一定しないと、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9と磁気回路部4の共働作用で生ずる駆動力の発生中心と可動部の重心Pが一致しなくなり、捩じれ等の変位力を発生させることなく制御電流に対し応答性良く対物レンズ1をその光軸と平行な方向及びこの光軸と直交する平面方向に駆動変位させることができなくなる。そして、対物レンズ1を介して光ディスクの信号記録面に照射される光ビームのフォーカシング及びトラッキング制御が精度良く行えなくなり、良好な記録及び/又は再生特性をもって情報信号の記録及び/又は再生が行えなくなってしまう。
【0031】
また、上述した対物レンズ駆動装置は、図59及び図64に示すように、ヨーク5を構成する一対の立上り片12,13間に略方形の筒状に巻回されたフォーカシングコイル8の一側部側のコイル部8bを挿入させた構成としている。そのため、フォーカシングコイル8は、一対の立上り片12,13に挿入された一側部側のコイル部8bと対向する他側部側のコイル部8cもマグネット14を取付けた一方の立上り片12に対向する。このフォーカシングコイル8に制御電流が供給されると、一対の立上り片12,13間にマグネット14から放射される有効磁束Bgと鎖交する一側部側のコイル部8bとの共働作用により生ずる駆動力f1 の他に、図66に示すように、一方の立上り片12の背面側に向かってマグネット14から放射される漏れ磁束Bg’と鎖交する他側部側のコイル部8bとの共働作用により生ずる駆動力f2 も発生する。この漏れ磁束Bg’と鎖交する他側部側のコイル部8bとの共働作用により生ずる駆動力f2 は、有効磁束Bgと鎖交する一側部側のコイル部8bとの共働作用により生ずる駆動力f1 とは逆向きの力であり、対物レンズ1を光軸方向に駆動させる駆動力を打ち消すように作用し、対物レンズ1を光軸方向に駆動させる駆動力を有効に利用すことができなくなる。
【0032】
そこで、従来の対物レンズ駆動装置では、漏れ磁束の影響をなくすようになすため、この漏れ磁束をシールドするためのシールド板等のシールド手段を設け、あるいはフォーカシングコイル8を大型化している。このようにシールド手段を設けたり、フォーカシングコイル8を大型化すると、対物レンズ駆動装置自体が大型化してしまう。
【0033】
また、従来の対物レンズ駆動装置に用いられるフォーカシングコイル8のうち、マグネット14から放射される磁束と共働して対物レンズ1を光軸方向に駆動させる駆動力を発生させるために作用する部分は、一対の立上り片12,13間に挿入された一側部側のコイル部8bのマグネット14に対向する図65中斜線を施した部分のみである。また、トラッキングコイル9においても、マグネット14から放射される磁束と共働して対物レンズ1を光軸と直交する平面方向に駆動させる駆動力を発生させるために作用する部分は、各コイル部9b,9cのマグネット14に対向する直線部19a,19b中の図66中斜線を施した部分のみである。すなわち、フォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9中、対物レンズ1を駆動させる駆動力を発生させるために作用する部分は、全体の1/4程度であり利用効率が極めて悪い。このようにフォーカシングコイル8及びトラッキングコイル9の利用効率が悪いため、対物レンズ1を駆動変位させるに必要な駆動電流も多く必要となり、対物レンズ駆動装置からの発熱が大きくなってしまう。この発熱は、光ピックアップ装置を構成する光源としての半導体レーザの動作に悪影響を与えて、安定した光ビームの発振を阻害する虞れがある。
【0034】
さらに、従来の対物レンズ駆動装置に用いられるフォーカシングコイル8は、筒状に巻回されてなるため、自己インダクタンスが大きくなりやすい。さらに、磁気回路部4を構成するヨーク5の立上り片12が筒状のフォーカシングコイル8内に挿入される構成となされているので、上記立上り片12が鉄心の作用をなし、フォーカシングコイル8の自己インダクタンスをさらに大きくしている。このようにフォーカシングコイル8の自己インダクタンスが大きくなると、フォーカスエラー信号に応じた駆動電流を駆動制御回路を介してフォーカシングコイル8に供給して対物レンズ1を駆動変位させるとき、フォーカスエラー信号の高い周波数領域で位相の回りが180度を越えて急速に回転し、フォーカスエラー信号に追随したフォーカス制御ができなくなる虞れがある。このようなフォーカス制御が不能になることを回避するため、フォーカスエラー信号を検出してフォーカスコイル8に制御電流を供給する制御回路側で電気的な位相補正を行うようにしている。この位相補正量が大きくなると、その補正量に比例してフォーカシングコイル8に供給される駆動電流の高調波分が増加し、消費電力を増加させる。消費電力が増加されると、発熱等により光ピックアップ装置を構成する半導体レーザの動作を不安定にする等の弊害を生ずる。
【0035】
そこで、本発明は、フォーカシングコイルやトラッキングコイルのボビンへの取付けが容易で、且つ高精度に組立てを可能となし、安定した対物レンズの駆動変位を可能となす対物レンズ駆動装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0036】
また、本発明は、フォーカスエラー信号又はトラッキングエラーに信号に正確に追随して対物レンズの駆動変位を可能となす対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0037】
さらに、本発明は、対物レンズを駆動変位するための電力の省電力化を実現し、対物レンズ駆動時の発熱を抑え、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームを出射する光源を構成する半導体レーザの安定した動作を保証し、良好な特性をもって情報信号の記録及び/又は再生を可能となす光ピックアップ装置を構成し得る対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0038】
さらにまた、本発明は、組立てが容易で安定した対物レンズの駆動変位を可能となす対物レンズ駆動装置を用いることにより、組立てが容易な光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0039】
さらにまた、本発明は、小型で、軽量であり、薄型化が図れる光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る対物レンズ駆動装置は、上述したような目的を達成するため、一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットとを有する磁気回路部とを備え、上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される
また、本発明に係る対物レンズ駆動装置は、上述したような目的を達成するため、一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状の複数のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状の複数のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットとを有する磁気回路部とを備え、上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、上記複数のフォーカシングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、上記複数のトラッキングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される。
【0041】
また、本発明は、ヨークの相対向する立上り部の対向面に上記一対のマグネットをそれぞれ固着するとともに、相対向する立上り部にこれらマグネットの磁束密度が大となる略中央部に臨んで磁気抵抗部がそれぞれ設けられてなる。
【0042】
さらに、本発明は、平板状のフォーカシングコイルとトラッキングコイルが設けられた磁気回路部を構成する平板状の部材が可動部側に取付けられたコイル可動型の対物レンズ駆動装置である。
【0043】
さらにまた、本発明は、磁気回路部を構成するマグネットが可動部側に取付けられたマグネット可動型の対物レンズ駆動装置である。
【0044】
さらにまた、本発明に係る対物レンズ駆動装置は、可動部を支持する移動可能に支持する弾性支持部材を導電性材料により形成し、上記可動部に取付けられた平板状の部材に配設されたフォーカシングコイル及びトラッキングコイルに給電を行うように構成されてなる。
【0045】
さらにまた、本発明に係る光ピックアップ装置は、一対の平行ガイド部と各々係合するガイド支持部を両端側にそれぞれ設けたベースと、一端側に対物レンズが取付けられたボビンと、このボビンの他端側に一端が取付けられ他端側を固定部に取付けられ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び対物レンズの光軸と直交する方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び対物レンズの光軸と直交する方向に移動させる少なくとも一対の相対向するマグネットと、上記マグネットが取り付けられる相対向する立上り部を有し上記立上り部に上記平板状の部材が介在されるヨークとを有する磁気回路部とを備え上記ベース上に配設されてなる対物レンズ駆動装置と、レーザ光源と、このレーザ光源から出射された光ビームの戻り光を受光する受光素子と、この受光素子から出射された光ビームと戻りビームを分離する分離素子とからなり、上記ベース上の位置に配設されてなる発光受光複合素子とを備え、上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、上記ヨークには、相対向する立上り部の対向する面に上記一対のマグネットをそれぞれ固着するとともに、相対向する立上り部にこれらマグネットの磁束密度が大となる略中央部に臨んで磁気抵抗部がそれぞれ設けられてなる。
【0046】
【作用】
本発明に係る対物レンズ駆動装置は、フォーカシングコイルにフォーカシングエラー信号に応じた駆動電流が供給されると、フォーカシングコイルと磁気回路部を構成するマグネットとの共働作用により可動部を対物レンズの光軸と平行な方向に駆動させる駆動力が発生し、対物レンズをその光軸と平行な方向に駆動変位させる。
【0047】
また、トラッキングコイルにトラッキングエラー信号に応じた駆動電流が供給される、トラッキングコイルと磁気回路部を構成するマグネットとの共働作用により可動部を対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動させる駆動力が発生し、対物レンズをその光軸と直交する平面方向に駆動変位させる。
【0048】
さらに、本発明に係る対物レンズ駆動装置は、フォーカシングコイルが発生する駆動力の作用点とトラッキングコイルが発生する駆動力の作用点とが、可動部の重心にそれぞれ一致して作用する。
【0049】
さらにまた、本発明に係る対物レンズ駆動装置は、磁気回路部を構成するヨークに、マグネットの中央部に対応して磁気抵抗部がそれぞれ設けられることによって、マグネットの中央部の磁気抵抗が大きくされている。
【0050】
さらにまた、平板状の部材が可動部側に取付けられることにより、上記平板状の部材に設けられたフォーカシングコイル及びトラッキングコイルは、可動部と一体に対物レンズの光軸と平行な方向及び光軸と直交する平面方向に可動変位する。
【0051】
さらにまた、フォーカシングコイル及びトラッキングコイルを設けた平板状の部材を可動部側に取付け、可動部を支持する弾性支持部材を導電性材料ににより形成することにより、上記フォーカシングコイル及びトラッキングコイルに供給される駆動電源は、上記弾性支持部材を介して給電される。
【0052】
さらにまた、本発明に係る光ピックアップ装置は、フォーカシングコイルが発生する駆動力の作用点とトラッキングコイルが発生する駆動力の作用点とが、可動部の重心にそれぞれ一致して作用する。
【0053】
さらにまた、本発明に係る光ピックアップ装置は、磁気回路部を構成するヨークに、マグネットの中央部に対応して磁気抵抗部がそれぞれ設けられることによって、マグネットの中央部の磁気抵抗が大きくされている。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照して説明する。
【0055】
まず、本発明に係る対物レンズ駆動装置20を説明する。この対物レンズ駆動装置20は、図1に示すように、光源としての半導体レーザから出射された光ビームを集光して光ディスクの信号記録面に照射し、また光ディスクから反射された戻り光が入射される対物レンズ21を一端側に保持し、この対物レンズ21とともに可動部を構成するボビン22を備えている。
【0056】
この可動部を構成するボビン22は、ポリスチレンの如き合成樹脂を成形して形成されてなるものであって、図1及び図2に示すように、中央部に方形をなす開口部23を形成したボビン本体24と、このボビン本体24の一端側の上方縁側から側方に向かって突出するように設けられた対物レンズ取付け部25とから構成されなる。そして、対物レンズ21は、対物レンズ取付け部25の中央部に設けた取付け凹部26内に取付けられている。この取付け凹部26の底面部には、対物レンズ21に入射される半導体レーザから出射された光ビーム及び対物レンズ21から透過される光ディスクからの戻り光を透過させるための光透過孔が穿設されている。
【0057】
そして、ボビン本体24の相対向する両側の略中央部には、開口部23を横断するようにしてコイル取付け板挿入溝27,27が穿設されている。これらコイル取付け板挿入溝27,27は、図2に示すように、ボビン本体24の上端面側から下端側に向かって対物レンズ取付け部25に取付けられた対物レンズ21の光軸と平行に穿設された凹状の溝として形成されている。
【0058】
これらコイル取付け板挿入溝27,27を介して、ボビン22には、矩形状をなす平板状の部材として形成されたコイル取付け板28が取付けられる。このコイル取付け板28は、ガラスエポキシ樹脂板や合成樹脂材料板の如き材料により形成されてなり、図1に示すように、コイル取付け板挿入溝27,27に挿入してボビン22に取付けたとき、両端部28a,28b側がボビン本体24の両側にそれぞれ突出する大きさを有する長尺な方形状に形成されてなる。
【0059】
上記コイル取付け板28の一側面側には、図2及び図3に示すように、一対の平板な矩形状をなす一対のコイル部29,30からなるフォーカシングコイル31が設けられ、他側面側には、図4に示すように、一対の平板な矩形状をなす一対のコイル部32,33からなるトラッキングコイル34が設けられている。これらフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を構成する各コイル部29,30及び各コイル部32,33は、ガラスエポキシ樹脂からなるコイル取付け板28上に被着された銅箔をエッチングして矩形状のコイルパターンを形成して構成されてなる。このように銅箔をエッチングして形成されてなるコイル部29,30及び32,33からなるフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34は、平板なものとしてコイル取付け基板28上に設けられてなる。
【0060】
また、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を構成する各コイル部29,30及び各コイル部32,33は、平板な矩形状をなすものであればよく、コイル用線材を平板状をなす矩形状に巻回したものであってもよい。このコイル用線材を巻回して形成した各コイル部29,30及び各コイル部32,33は、接着剤を用いてコイル取付け板28の一側面側及び他側面側にそれぞれ接合される。
【0061】
上述のようにフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を設けたコイル取付け板28は、コイル取付け板挿入溝27,27間に亘って挿入され、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34が設けられた平面がボビン22に取付けられる対物レンズ21の光軸と平行となるようにして、ボビン22に位置決めされて一体的に取付けられる。このコイル取付け板28のボビン22への取付けは、コイル取付け板挿入溝27,27に接着剤を塗布することによって行われる。
【0062】
また、コイル取付け板28は、ボビン22を成形する金型内に予め配設しておき、このボビン22の成形と同時に取付けるようになすインサート成形により、ボビン22に一体的に取付けられる。
【0063】
なお、対物レンズ21は、ボビン22にコイル取付け板28を取付けた後、対物レンズ取付け部25に取付けられる。これは、コイル取付け板28をボビン22に取付ける際に対物レンズ21の損傷を防止するようになすためである。
【0064】
上述のようにコイル取付け板28及び対物レンズ21が取付けられたボビン22は、複数の線状をなすワイヤーの如き弾性支持部材35を介して、磁気回路部36を構成するヨーク37に形成されたホルダ取付け部38に取付けられる支持ホルダ39に片持ち支持される。このとき、ボビン22は、相対向する両側を一対ずつの弾性支持部材35により支持ホルダ39に片持ち支持されることにより、上記弾性支持部材35を弾性変位部として対物レンズ21の光軸と平行な方向及び上記対物レンズ21の光軸と直交する平面方向に移動可能となされる。
【0065】
なお、ここで用いられる弾性支持部材35は、細長い金属ワイヤ又は細い長尺な金属性の板バネ等の導電性を有する材料により形成されてなる。
【0066】
ところで、4本の弾性支持部材35によりボビン22を支持するため、このボビン22に一体的に取付けられたコイル取付け板28のボビン本体24の両側にそれぞれ突出した両端部28a,28bには、4本の弾性支持部材35の一端側がそれぞれ挿通される4個の弾性支持部材挿通孔19が穿設されている。すなわち、弾性支持部材挿通孔19は、コイル取付け板28の両端部28a,28bの各コーナ部近傍に位置して、一対ずつ互いに平行に穿設されている。また、弾性支持部材挿通孔19が穿設された周囲には、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34のコイル端部から延長された接続端子部40が形成されている。
【0067】
そして、各弾性支持部材35の一端部35a側は、弾性支持部材挿通孔19にそれぞれ挿通され、この弾性支持部材挿通孔19内から接続端子部40上に塗布される半田41によりコイル取付け基板28に固定される。この半田41により、導電性材料からなる弾性支持部材35と接続端子部40間の電気的な導通が図られて接続される。
【0068】
なお、各弾性支持部材35は、接続端子部40に電気的な導通が図られてコイル取付け基板28に固定されればよく、半田41に代えて導電性を有する接着剤を用いてもよい。
【0069】
上述のようにコイル取付け基板28を介してボビン22を一端側に支持した4本の弾性支持部材35の他端部35b側は、支持ホルダ39に固定支持される。この支持ホルダ39の両端側には、嵌合穴42,42が設けられている。これら嵌合穴42,42内には、図1に示すように、粘弾性を有する材料により形成され、振動を減衰若しくは吸収させる作用を有するダンパー43が配設されている。そして、各弾性支持部材35の他端部35bは、ダンパー43に挿通されて支持ホルダ39に固定支持されてなる。このように各弾性支持部材33の他端部他端部35bをダンパー43を介して支持ホルダ39に固定支持することにより、対物レンズ21が駆動変位させられるときに弾性変位する各弾性支持部材35の不要な振動を急峻に減衰させ、さらに共振の発生を抑えることができ、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号に応答性良く対物レンズ21の駆動変位を可能なすことができる。
【0070】
また、ダンパー43を介して支持ホルダ39に固定支持された各弾性支持部材35の他端部35bは、上記支持ホルダ39のボビン22が配設される側と対向する背面側に取付けられる図示しない対物レンズ駆動制御回路に接続される可撓性を有するフレキシブルプリント配線基板44に電気的に接続される。各弾性支持部材33のフレキシブルプリント配線基板44への接続は、このフレキシブルプリント配線基板44に形成した接続パターン部に穿設した透孔に各弾性支持部材35の他端部を挿通し、半田若しくは導電性接着剤を各弾性支持部材35の他端部の周部から接続パターン部に亘って塗布することによって行われる。
【0071】
ところで、各弾性支持部材35の一端部35a及び他端部35bは、それぞれコイル取付け基板28に穿設した弾性支持部材挿通孔19及びフレキシブルプリント配線基板44に穿設した透孔44aに挿通され、外周囲全周に亘って半田41若しくは導電性接着剤が塗布されて支持されてなるので、コイル取付け基板28及びフレキシブルプリント配線基板44に対する電気的な接続及び機械的な結合の信頼性を向上させることができる。
【0072】
また、各弾性支持部材35の一端部35a及び他端部35bが挿通されるコイル取付け基板28及びフレキシブルプリント配線基板44に穿設される弾性支持部材挿通孔19及び透孔44aは、弾性支持部材35の外周囲に半田41若しくは導電性接着剤を塗布したとき、弾性支持部材挿通孔19及び透孔44aと弾性支持部材35との間に半田41若しくは導電性接着剤が進入しない程度の間隙が形成される大きさの円形に形成されてなる。そして、各弾性支持部材35の一端部35a及び他端部35bのそれぞれを、コイル取付け基板28に穿設した弾性支持部材挿通孔19及びフレキシブルプリント配線基板44に穿設した透孔44aに挿通した状態で、半田41若しくは導電性接着剤を各弾性支持部材35の一端部35a及び他端部35bが突出側の面の周囲に塗布する。このように半田41若しくは導電性接着剤を塗布して各弾性支持部材35の一端部35a及び他端部35bを支持部材としてのコイル取付け基板28及びフレキシブルプリント配線基板44に固定支持することにより、各弾性部35の長さL1 を正確に規定するこができる。すなわち、弾性変位する各弾性支持部材35の長さL1 が、コイル取付け基板28及びフレキシブルプリント配線基板44の外側の面を基準として正確に設定することが可能となるためである。
【0073】
そして、複数の弾性支持部材35を介してボビン22を支持した支持ホルダ39が取付けられるホルダ取付け部38を有する磁気回路部36を構成するヨーク37は、図2に示すように、略中央部に一対の立上り片45,46が立上り形成されている。これら立上り片45,46の相対向する面には、コイル取付け基板26に設けられたフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34と共働して対物レンズ21をこの対物レンズ21の光軸と平行な方向及び上記対物レンズ21の光軸と直交する平面方向に駆動変位させる駆動力を発生させるマグネット47,48が取付けられている。
【0074】
また、ヨーク37の背面側には、マグネット47,48が取付けられる立上り片45,46と平行にホルダ取付け部38が立上り形成されている。そして、支持ホルダ39は、相対向する両側に形成した嵌合支持部39a,39bをホルダ取付け部38の両側に嵌合させることによってヨーク37に取付けられる。このように支持ホルダ39をヨーク35に取付けると、マグネット47,48を取付けた立上り片45,46がボビン37に設けた開口部23内に挿入される。そして、一対の立上り片45,46間にコイル取付け板28が位置され、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34が、図5に示すように、一対のマグネット47,48により構成され磁気ギャップG内に配置されて、図1に示すような本発明に係る対物レンズ駆動装置が構成されてなる。
【0075】
ここで、コイル取付け基板28に設けられるフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34の構成及びこれらフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34と対向させられるマグネット47,48及びこのマグネット47,48が取付けられる立上り片45,46を設けたヨーク37の配置の構成を説明する。
【0076】
フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30は、図3に示すように、ボビン22に取付けられた対物レンズ21の光軸に直交する方向であるコイル取付け基板28の長手方向と平行な水平部29a,29b及び水平部30a,30bを長辺となし、上記対物レンズ21の光軸方向と平行な方向であるコイル取付け基板28の短辺方向と平行な垂直部29c,29d及び垂直部30c,30dを短辺となす矩形状の平板状に形成されてなる。これら一対のコイル部29,30は、互いに巻回方向を逆向きにして形成され、互いに隣接する一方の水平部29a,30a間に僅かの間隙を設けて並列してコイル取付け基板28の一側面上に設けられている。そして、一対のコイル部29,30は、対物レンズ21が光軸と直交する平面方向であるトラッキング方向に駆動変位させられたとき、垂直部29c,29d及び垂直部30c,30dが一対のマグネット47,48により構成される磁気ギャップG1 内に臨むことがない長さを有する矩形状に形成されている。すなわち、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30は、垂直部29c,29d及び垂直部30c,30d間の間隔(W1 )が、少なくともマグネット47,48の幅(W2 )に対物レンズ1のトラッキング方向の駆動変位量を加えた長さに設定される。これは、垂直部29c,29d及び垂直部30c,30dがマグネット47,48間に構成される磁気ギャップG1 内に位置することによって、フォーカシングコイル29,30に供給される駆動電流により対物レンズ21を光軸と平行な方向に駆動させる駆動力以外の不要な駆動力を発生させないようにするためである。
【0077】
また、トラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33は、図4に示すように、ボビン22に取付けられた対物レンズ21の光軸と平行な方向であるコイル取付け基板28の長手方向に直交する短辺方向と平行な垂直部32a,32b及び垂直部33a,33bを長辺となし、上記対物レンズ21の光軸と直交する方向であるコイル取付け基板28の長辺方向と平行な水平部32c,32d及び水平部33c,33dを短辺となす矩形状の平板状に形成されてなる。これら一対のコイル部32,33は、互いに巻回方向を逆向きにして形成され、図4に示すように、互いに隣接する一方の垂直部32a,33a間に僅かの間隙を設けて並列してコイル取付け基板28の他側面上に設けられている。そして、一対のコイル部32,33は、対物レンズ21が光軸と平行な方向であるフォーカシング方向に駆動変位させられたとき、水平部32c,32d及び水平部33c,33dが一対のマグネット47,48により構成される磁気ギャップG1 内に臨むことがない長さを有する矩形状に形成されている。すなわち、トラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33は、水平部32c,32d及び水平部33c,33d間の間隔(W3 )が、少なくともマグネット47,48の高さ(H1 )に対物レンズ1のフォーカシング方向の駆動変位量を加えた長さに設定される。また、一対のコイル部32,33は、互いに隣接する一方の垂直部32a,33aが、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30の互いに隣接する一方の水平部29a,30aの中央で積層されるようにしてコイル取付け基板28上に設けられる。
【0078】
上述のようにフォーカシングコイル31とトラッキングコイル34を形成することにより、これらコイル31及び34を設けたコイル取付け基板28を取付けたボビン22が支持ホルダ39を介して磁気回路部36上に配設されると、図3及び図4に示すように、上記フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30の互いに隣接する一方の水平部29a,30a及び上記トラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33の互いに隣接する一方の垂直部32a,33aが一対のマグネット47,48により構成される磁気ギャップG1 内の共通磁束Bg中に位置させられることになる。
【0079】
なお、各マグネット47,48は、単極着磁をもって厚さ方向に着磁が施されている。これらマグネット47,48は、相対向する面側をそれぞれ異極として着磁されている。
【0080】
ここで、フォーカシングエラー信号に応じた制御電流が対物レンズ駆動制御回路から導電性を有する弾性支持部材33を介してフォーカシングコイル31を構成る一対のコイル部29,30に供給されると、これらコイル部29,30の互いに隣接する一方の水平部29a,30aに流れる電流I1 又はI2 と磁気ギャップG1 内に放射されるマグネット47,48からの磁束Bgとにより、ボビン22を対物レンズ21の光軸と平行な方向に駆動変位させる駆動力が発生する。この駆動力によりボビン22が弾性支持部材35を弾性変位部として対物レンズ21の光軸と平行な方向に弾性変位させられることにより、上記ボビン22に取付けられた対物レンズ21がその光軸と平行な方向の図1中矢印F方向に駆動変位させられ、この対物レンズ21を介して照射される光ビームのフォーカシング制御が行われる。
【0081】
ところで、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30は、互いに巻き方向を逆向きとして巻回されてなるので、これらコイル部29,30に同一方向の駆動電流I1 又は駆動電流I2 を供給したとき、互いに隣接する一方の水平部29a,30aにおいて電流の向きは同一となる。
【0082】
また、トラッキングエラー信号に応じた制御電流が対物レンズ駆動制御回路から導電性を有する弾性支持部材35を介してトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33に供給されると、これらコイル部32,33の互いに隣接する一方の垂直部32a,33aに流れる駆動電流I1 又はI2 と磁気ギャップG1 内に放射されるマグネット47,48からの磁束Bgとにより、ボビン22を対物レンズ21の光軸と直交する平面方向に駆動変位させる駆動力が発生する。この駆動力によりボビン22が弾性支持部材35を弾性変位部として対物レンズ21の光軸と直交する平面方向に弾性変位させられることにより、上記ボビン22に取付けられた対物レンズ21がその光軸と直交する平面方向の図1中矢印T方向に駆動変位させられ、この対物レンズ21を介して照射される光ビームのトラッキング制御が行われる。
【0083】
このトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33も、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30と同様に互いに巻き方向を逆向きとして巻回されてなるので、各コイル部32,33に同一方向の駆動電流I1 又は駆動電流I2 を供給したとき、互いに隣接する一方の垂直部32a,33aにおいて電流の向きは同一となる。
【0084】
なお、コイル取付け板28の下側縁とヨーク37の上面との間には、図5に示すように、フォーカシングコイル31が図1中矢印F方向に駆動変位する最大ストロークls分の間隙が設けられる。これは対物レンズ21の図1中矢印F方向への駆動変位を阻害しないようにするためである。
【0085】
上述のように、平板状をなすコイル部29,30及びコイル部32,33から構成されるフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を設けた平板状のコイル取付け基板28をボビン22に取付けるようにしてなるので、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34の全てを磁気回路部36のマグネット47,48に対向する側に位置させることができる。従って、磁気回路部36の漏れ磁束により不要な駆動力を発生させることがない。
【0086】
また、平板状をなすコイル部29,30及びコイル部32,33から構成されるフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を設けた平板状のコイル取付け基板28をボビン22に取付けるようにしてなるので、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34のボビン22に対する取付け位置精度を容易に出すことができ、ボビン22の可動重心を正確に設定でき、対物レンズ21の安定した駆動変位が実現される。
【0087】
上述の磁気回路部36は、ヨーク37に相対向する互いに平行な一対の立上り片45,46を設け、これら立上り片45,46の開放された上端側の相対向する面に単極着磁されたマグネット47,48を取付けた構成となされている。そのため、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34と共働して駆動力を発生させる有効磁束Bgは、一対のマグネット47,48により構成される磁気ギャップG1 内に放射される磁束のみである。そして、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34の有効磁束Bgと共働して駆動力を発生させる部分は、上記磁気ギャップG1 内に位置する互いに隣接する一対のコイル部32,33の一方の水平部29a,30a及び一対のコイル部32,33の垂直部32a,33aの一辺のみである。
【0088】
そこで、少なくとも駆動力を発生されるために利用されるフォーカシングコイル31の利用効率を向上させるため、ヨーク37を構成する立上り片45,46のマグネット47,48が取付けられる面の上下端側に、図6及び図7に示すように、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30の上記マグネット47,48と対向しない他方の水平部29b,30bに近接対向する突出片45a,45b及び突出片46a,46bを形成する。これら突出片45a,45b及び突出片46a,46bは、マグネット47,48の厚さW4 と略等しい幅をもって折曲され、一対のコイル部29,30の他方の水平部29a,30aが位置する部分にマグネット47,48間に構成される磁気ギャップG1 に略等しい磁気ギャップG2 ,G3 を構成する。これら磁気ギャップG2 ,G3 間には、マグネット47,48からの磁束が集中し、各コイル部29,30の他方の水平部29b,30bに作用する有効磁束Bg1 及びBg2 が得られる。そして、突出片45a,45b及び突出片46a,46bにより構成される磁気ギャップG2 ,G3 間の磁束Bg1 及び磁束Bg2 と、これら磁気ギャップG2 ,G3 内に位置するコイル部29,30の他方の水平部29b,30bに流れる電流とによりボビン22を対物レンズ21の光軸と平行な方向に駆動変位させる駆動力が発生する。従って、駆動力を発生されるために利用されるフォーカシングコイル31の利用効率が向上される。
【0089】
ところで、突出片45a,45b及び突出片46a,46bとにより構成される磁気ギャップG2 ,G3 に放射される磁束Bg1 及びBg2 とマグネット47,48間に放射される磁束Bgとは図7に示すように方向が逆となる。しかし、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部20,30に一方向の駆動電流が供給されたとき、図7に示すように、矩形状に形成された一対のコイル部29,30の他方の水平部29b,30bに流れる電流と一方の水平部29a,30aに流れる電流も互いに逆向きとなるので、磁気ギャップG2 ,G3 の磁束Bg1 及び磁束Bg2 と、これら磁気ギャップG2 ,G3 内に位置する他方の水平部29b,30bに流れる電流とにより発生する駆動力と一方の水平部29a,30aに流れる電流とマグネット47,48間に放射される磁束Bgとにより発生する駆動力の向きは同一となる。従って、フォーカシングコイル31に供給される駆動電流に対する発生駆動力の割合が向上し、対物レンズ駆動装置としての省電力化が実現される。
【0090】
なお、上述の如くフォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30の他方の水平部29b,30bに近接対向する突出片45a,45b及び突出片46a,46bを立上り片45,46に設けて磁気ギャップG2 ,G3 を形成し、他方の水平部29b,30bに作用する磁束Bg1 及び磁束Bg2 を得るようにヨーク37を構成すると、上記フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30に積層するようにしてコイル取付け基板28上に設けられたトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33の水平部32c,32d及び水平部33c,33dの一部が磁気ギャップG2 ,G3 中に位置する。そして、一対のコイル部32,33の水平部32c,32d及び水平部33c,33dに流れる駆動電流と磁気ギャップG2 ,G3 内の磁束Bg1 及び磁束Bg2 との作用により、ボビン22を対物レンズ21の光軸と平行な方向に駆動変位させる駆動力が発生する。しかし、一対のトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33は、巻回方向が互いに逆向きであるので、各コイル部32,33に一方向の駆動電流が供給されたとき、図6に示すように、上記水平部32c,32d及び上記水平部33c,33dに流れる電流の向きが逆向きになる。従って、各コイル部32,33の水平部32c,32d及び水平部33c,33dに流れる駆動電流と磁気ギャップG2 ,G3 内の磁束Bg1 及び磁束Bg2 との作用により発生する駆動力は、互いに逆向きとなって打ち消しあうことになり、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30に流れる駆動電流と磁気回路部36の磁束Bg,Bg1 及びBg2 とにより発生する駆動力に大きな影響を与えることはない。
【0091】
上述したフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34の配置の構成及び磁気回路部36の構成は、フォーカシングコイル31の利用効率の向上を図ることを目的に構成されてなるものであるが、さらにトラッキングコイル34の利用効率を向上を図り、フォーカシングコイル31又はトラッキングコイル34に供給される駆動電流に対する駆動効率の改善を図るため、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34の配置の構成及び磁気回路部36の構成を図6及び図7に示すように構成すればよい。
【0092】
まず、磁気回路部36の構成を説明すると、この磁気回路部36は、ヨーク37を構成する立上り片45,46のマグネット47,48が取付けられる面の上下端側に、図6に示すように、互いに近接対向する水平方向突出片45a,45b及び46a,46bを設け、磁気ギャップG及びGを形成する。さらに、立上り片45,46のマグネット47,48が取付けられる面の両側に、図11に示すように、互いに近接対向する垂直方向突出片45e,45f及び46e,46fを設け、磁気ギャップG及びGを形成する。
【0093】
一方、コイル取付け基板28の一側面側及び他側面側には、それぞれフォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30及びトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33が設けられる。そして、フォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30は、図12に示すように、コイル取付け基板28の長手方向と平行な一対の水平部29a,29b及び水平部30a,30bと上記コイル取付け基板28の短辺方向と平行な垂直部29c,29d及び垂直部30c,30dを有する平板な矩形状に巻回され、一方の水平部29a及び30aを互いに隣接させてコイル取付け基板28の一側面側に設けられてなる。そして、これら一対のコイル部29,30は、互いに隣接する一方の水平部29a及び30aが一対のマグネット47,48により構成される磁気ギャップG内の略中央に位置し、一方のコイル部29の他方の水平部29bが一方の水平方向突出片45a及び46aにより構成される磁気ギャップG内に位置し、他方のコイル部30の他方の水平部30bが他方の水平方向突出片45b及び46bにより構成される磁気ギャップG内に位置する大きさに形成されている。
【0094】
そして、一対のコイル部29,30は、対物レンズ21が光軸と直交する平面方向であるトラッキング方向に駆動変位させられたとき、各垂直部29c,29d及び30c,30dが垂直方向突出片45e,45f及び46e,46fにより構成される磁気ギャップG4 及びG5 内に臨むことがない幅(W4 )もって形成されている。
【0095】
また、コイル取付け基板28の一側面上には、トラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33が、図13に示すように、コイル取付け基板28の長手方向と直交する短辺方向と平行な一対の垂直部32a,32b及び垂直部33a,33bと上記コイル取付け基板28の長手方向と平行な一対の水平部32c,32d及び水平部33c,33dを有する平板な矩形状に巻回され、一方の垂直部32a及び33aを互いに隣接させてコイル取付け基板28の他側面側に設けられてなる。そして、これらトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33は、互いに隣接する一方の垂直部32a及び33aが一対のマグネット47,48により構成される磁気ギャップG1 内の略中央に位置し、一方のコイル部32の他方の垂直部32bが一方の垂直方向突出片45e及び46eにより構成される磁気ギャップG4 内に位置し、他方のコイル部33の他方の垂直部33bが他方の垂直方向突出片45f及び46fにより構成される磁気ギャップG5 内に位置する大きさに形成されている。
【0096】
そして、上記トラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33は、対物レンズ21が光軸と平行な方向であるフォーカシング方向に駆動変位させられたとき、水平部32c,32d及び水平部33c,33dが水平方向突出片45a,45b及び46a,46bにより構成される磁気ギャップG及びG臨むことがない高さ(H)をもって形成されている。
【0097】
上述のようにフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34並びに磁気回路部36を構成することにより、フォーカシングコイル31を構成する各コイル部29,30の各水平部29a,29b及び各水平部30a,30bが磁束Bg,Bg1 ,Bg2 が集中する磁気ギャップG1 ,G2 ,G3 内に臨まされる。また、トラッキングコイル34を構成する各コイル部32,33の各垂直部32a,32b及び各垂直部33a,33bも、磁束Bg,Bg3 ,Bg4 が集中する磁気ギャップG1 ,G4 ,G5 内に臨まされる。
【0098】
従って、磁気回路部36からの磁束と共働して駆動力を発生させるために利用されるフォーカシングコイル31を構成する一対のコイル部29,30及びトラッキングコイル34を構成する一対のコイル部32,33の利用効率が向上され、上記フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34に供給される駆動電流に対する発生駆動力の向上が実現できる。
【0099】
上述の磁気回路部36は、単極着磁を施したマグネット47,48を用いているが、2極着磁を施したマグネット47,48を用いることによって少なくともフォーカシングコイル31を構成するコイル部の利用効率を向上させることができる。
【0100】
この2極着磁を施したマグネット47,48を用いて磁気回路部36を構成した例を挙げて説明する。ここに用いられるマグネット47,48は、対物レンズ21の光軸と平行な高さ方向の中心で着磁の向きを代えて2極着磁となされている。すなわち、これらマグネット47,48は、図14に示すように、厚さ方向に着磁の向きを異にする第1の着磁部47a,48a及び第2の着磁部47b,48bを、図14に示すように、高さ方向に並列して設けて構成されてなる。これらマグネット47,48は、ヨーク37を構成する相対向する一対の立上り片45,46の相対向する内側面に取付けられ、各マグネット47,48の第1の着磁部47a及び48aにより第1の磁気ギャップGを構成し、第2の着磁部47b及び48bにより第2の磁気ギャップGを構成している。そして、各マグネット47,48の第1の着磁部47a,48a及び第2の着磁部47b,48bは、互いに着磁の方向を逆にしてなるので、第1の磁気ギャップG及び第2の磁気ギャップGには、方向を逆にする磁束Bg及び磁束Bgが放射される。
【0101】
この磁気回路部36に適用されるフォーカシングコイル31は、平板な矩形状をなす1つのコイル部51により構成される。すなわち、フォーカシングコイル31を構成するコイル部51は、コイル取付け基板28の長手方向と平行な一対の水平部51a,51bとコイル取付け基板28の短辺方向と平行な垂直部51c,51dを有する平板な矩形状に巻回されてコイル取付け基板28の一側面側に設けられてなる。このコイル部51は、一方の水平部51が第1の着磁部47a,48aにより構成される第1の磁気ギャップG1 内に位置し、他方の水平部51bが第2の着磁部47b,48bにより構成される第2の磁気ギャップG2 内に位置する大きさをもって形成されてなる。
【0102】
また、コイル部51は、対物レンズ21が光軸と直交する平面方向であるトラッキング方向に駆動変位させられるとき、各垂直部51c,51dが一対のマグネット47,48により構成される第1及び第2の磁気ギャップG1 ,G2 内に位置しないような幅をもって形成されている。具体的には、各垂直部51c,51d間の間隔(W5 )が、マグネット47,48の幅(W2 )に対物レンズ21のトラッキング方向の駆動変位量を加えた幅となされている。
【0103】
ここで、フォーカシングコイル31を構成するコイル部51に一方向の駆動電流I1 又はI2 が供給されると、各水平部51a,51bに流れる電流の方向が互いに逆向きになるが、第1及び第2の着磁部47a,48a及び47b,48bは厚さ方向に着磁の向きを変えてあるので、第1及び第2の磁気ギャップG1 、G2 内の磁束Bg1 ,Bg2 も逆向きになる。従って、コイル部51に駆動電流を供給することにより、コイル部51の各水平部51a,51bを同時に利用して対物レンズ21の光軸と平行な方向であるフォーカシング方向に駆動力を得ることができる。
【0104】
一方、トラッキングコイル34は、図16に示すように、各マグネット47,48の第1の着磁部47a,48aに対向配置される一対のコイル部52,53と第2の着磁部47b,48bに対向配置される一対のコイル部54,55とから構成されてなる。これらコイル部52,53及びコイル部54,55は、いずれも図16に示すように、コイル取付け基板28の長手方向と直交する短辺方向と平行な一対の垂直部52a,52b,53a,53b及び54a,54b,55a,55bと上記コイル取付け基板28の長手方向と平行な一対の水平部52c,52d,53c,53d及び54c,54d,55c,55dを有する平板な矩形状に巻回されている。そして、第1の着磁部47a,48aに対向配置される一対のコイル部52,53及び第2の着磁部47b,48bに対向配置される一対のコイル部54,55は、いずれも一方の垂直部52a,53a及び54a,55aを互いに隣接させてコイル取付け基板28の他側面側に設けられてなる。そして、これらトラッキングコイル34を構成する一対ずつのコイル部52,53及び54,55は、互いに隣接する一方の垂直部52a,53a及び54a,55aが第1の着磁部47a,48a及び第2の着磁部47b,48bによりそれぞれ構成される第1及び第2の磁気ギャップG、G内に位置し、他方の垂直部52b,53b及び54b,55bが第1及び第2の磁気ギャップG、Gの外方に位置する大きさに形成されてなる。
【0105】
上述の例では、単一のマグネット47,48に着磁方向を異にする2つの着磁部を設けた2極着磁として構成しているが、図17、図18及び図19に示すように、第1の着磁部47a,48a及び第2の着磁部47b,48bに対応して、単極着磁のマグネット147,148及149,150を設けるようにしてもよい。この場合、ヨーク37を構成する各立上り片45,46に取付けられるマグネット147,148及149,150は、図17に示すように互いに着磁の方向を異されている。
【0106】
そして、本実施例に係る対物レンズ駆動装置20の要部である磁気回路部36には、図20及び図21に示すように、ヨーク37の相対向する立上り片45、46に取り付けられたマグネット47、48の磁気ギャップに、重ね合わされた1組のコイル取付け基板28、28が設けられている。この1組のコイル取付け基板28、28は、両側面にフォーカシングコイル31とトラッキングコイル34とがそれぞれ設けられたコイル取付け基板28が、トラッキングコイル34が設けられた一側面をそれぞれ重ね合わせて非導電性の接着剤等によって接合されている。
【0107】
すなわち、この磁気回路部36のマグネット47、48の磁気ギャップには、図22に示すように、トラッキングコイル34、34が重ね合わされており、重ね合わされたトラッキングコイル34、34の両側にフォーカシングコイル31、31がそれぞれ設けられている。
【0108】
これらフォーカシングコイル31、31及びトラッキングコイル34、34は、トラッキングコイル34、34が重ね合わされた重ね合わせ面に対して、フォーカシングコイル31、31とトラッキングコイル34、34とがそれぞれ面対称な4層構造に配設されている。また、フォーカシングコイル31、31及びトラッキングコイル34、34は、各コイルを構成するコイルの巻数がそれぞれ等しくされている。
【0109】
以上のようにフォーカシングコイル31、31及びトラッキングコイル34、34とが配設された磁気回路部36について、フォーカシングコイル31、31が発生する駆動力FFCSとトラッキングコイル34、34が発生する駆動力FTRKとを図20、図21及び図23を参照して説明する。
【0110】
なお、XーX' 軸、YーY' 軸及びZ−Z' 軸は、磁気ギャップの中央部を通過して互いに直交しており、これら軸線の交点にフォーカシングコイル31、31とトラッキングコイル34、34とが設けられて重ね合わされたコイル取付け基板28、28の重心Pがある。また、図23において、マグネット47、48によって構成される磁気ギャップの間隔を磁気ギャップ長さLgとし、磁気ギャップ長さ1/2LgにYーY' 軸及びXーX' 軸がそれぞれ位置している。
【0111】
さらに、図23中に示す破線は、マグネット47、48が発生する磁束密度Bgを示す。磁束密度Bgは、マグネット47、48側が高く、磁気ギャップの中央部に近づくに従って低くなっている。したがって、磁気ギャップには、マグネット47、48によって発生する磁界密度Bgが、XーX' 軸、YーY' 軸及びZーZ' 軸を中心としてそれぞれ対称に形成されている。
【0112】
そして、4層構造のフォーカシングコイル31、31及びトラッキングコイル34、34は、図23において左から順に第1層コイル乃至第4層コイルとして、各層のコイルが発生する駆動力を順にFFCS(1)、FTRK(2)、FTRK(3)及びFFCS(4)とする。
【0113】
また、各フォーカシングコイル31、31は、ZーZ' 軸に対する距離△XFCS(1)、△XFCS(4)とすれば、
△XFCS(1)=△XFCS(4)
となる位置に配設されている。
【0114】
上述したように、マグネット47、48が発生する磁束密度は、ZーZ' 軸を中心として対称に形成されているため、各フォーカシングコイル31、31が磁気ギャップ内でそれぞれ鎖交する磁束密度の大きさが等しくなる。そして、各フォーカシングコイル31、31は、コイルの巻数が等しくされており、同じ大きさの電流がそれぞれ供給される。
【0115】
このため、
FCS(1)=FFCS(4)
となる。
【0116】
そして、各フォーカシングコイル31、31が発生する駆動力FFCSは、FFCS(1)とFFCS(4)との合力であり、
FCS=FFCS(1)+FFCS(4)
となる。
【0117】
したがって、各フォーカシングコイル31、31が発生する駆動力FFCSは、作用点が重心Pに一致して作用する。
【0118】
また、各トラッキングコイル34、34は、ZーZ' 軸に対する距離△XTRK(2)、△XTRK(3)とすれば、
△XTRK(2)=△XTRK(3)
となる位置に配設されている。
【0119】
上述したように、マグネット47、48が発生する磁束密度は、YーY' 軸を中心として対称に形成されているため、各トラッキングコイル34、34が磁気ギャップ内でそれぞれ鎖交する磁束密度の大きさが等しくなる。そして、各トラッキングコイル34、34は、コイルの巻数が等しくされており、同じ大きさの電流がそれぞれ供給される。
【0120】
このため、
TRK(2)=FTRK(3)
となる。
【0121】
そして、各トラッキングコイル34、34が発生する駆動力FTRKは、FTRK(2)とFTRK(3)との合力であり、
TRK=FTRK(2)+FTRK(3)
となる。
【0122】
したがって、各トラッキングコイル34、34が発生する駆動力FTRKは、作用点が重心Pに一致して作用する。
【0123】
上述した磁気回路部36によれば、各フォーカシングコイル31、31及び各トラッキングコイル34、34が、Z−Z’軸に対して対称にそれぞれ配設されることによって、駆動力F FCS 及び駆動力F TRK とが各作用点を重心Pにそれぞれ一致して作用する。このため、磁気回路部36は、対物レンズ21が移動動作する際、弾性支持部材35に捻れや撓みを生じさせる変位力の発生を低減させる。
【0124】
なお、上述した実施例は、図24に示すように、トラッキングコイル34、34がそれぞれ重ね合わされて、トラッキングコイル34、34の外方にフォーカシングコイル31、31がそれぞれ重ね合わされた4層構造であるが、図25に示すように、フォーカシングコイル31、31がそれぞれ重ね合わされて、フォーカシングコイル31、31の外方にトラッキングコイル34、34がそれぞれ重ね合わされる4層構造としても良い。
【0125】
また、上述した実施例は、フォーカシングコイル31、31及びトラッキングコイル34、34によって4層構造に構成されていたが、図26に示すように、トラッキングコイル34の重心がZ−Z' 軸上に一致するように配設して、このトラッキングコイル34の両側面に各フォーカシングコイル31、31をZ−Z' 軸に対して対称にそれぞれ配設される3層構造にされた構成としても良い。
【0126】
さらに、上述した実施例は、図27に示すように、フォーカシングコイル31の重心がZ−Z' 軸上に一致するように配設して、このフォーカシングコイル31の両側面に各トラッキングコイル34、34をそれぞれ配設するとともに、これらトラッキングコイル34、34の外方に各フォーカシングコイル31、31をそれぞれ配設される5層構造にされた構成としても良い。各フォーカシングコイル31、31、31及び各トラッキングコイル34、34は、ZーZ' 軸に対して対称にそれぞれ配設されている。
【0127】
一般に、マグネットが発生する磁界強度は、マグネットからの距離の二乗に反比例して小さくなるため、マグネットに隣接する位置である外方に配設されているコイルに発生する電磁力が、重心P側である内方に配設されているコイルに発生する電磁力より大きくなる。
【0128】
すなわち、マグネットに隣接する位置に配設されたコイルは、内方に配設されたコイルより大きな駆動力を得ることが可能となり、動作感度を高くすることができる。したがって、上述した実施例において、フォーカシングコイル31又はトラッキングコイル34は、必要に応じて、いずれか一方のコイルがマグネット47、48に隣接する位置に配設され、また構成層数が適宜選択されて構成される。
【0129】
ところで、一般に、マグネット14が発生する磁気エネルギ分布いわゆる磁束密度は、図28及び図29に示すように、マグネット14の中央部が最も大きく、マグネット14の外周部側に向かって次第に小さくなっている。そして、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34は、磁気ギャップ内を移動動作するため、マグネット14の中央部に臨む位置に必ずしも位置しない。
【0130】
したがって、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34は、磁気ギャップ内を移動動作する際、磁束Bgとの鎖交状態が急激に変化するため、共振が発生したり、消費電力の急激な増減や、動作制御の精度の低下等の不都合がある。
【0131】
これらの不都合の対策として、マグネットの中央部の厚み寸法を外周部の厚み寸法に比較して薄く形成したり、マグネットの中央部に穴を設けることによって、磁気エネルギ分布の均一化を図る対策が、実公平5ー16652に開示されている。しかしながら、この対策は、マグネット及びヨークを加工する加工費が高く製造コストがかさむという不都合があった。
【0132】
そこで、上述した不都合を改善した磁気回路部136について、図30乃至図32を参照して説明する。この磁気回路部136は、ヨーク137を構成する相対向する一対の立上り片145、146の一方の立上り片146の内側に、マグネット447が取り付けられている。
【0133】
ヨーク137には、立上り片145、146に、マグネット447の中央部に臨んで、互いに相対向する磁気抵抗部がそれぞれ設けられている。これらの磁気抵抗部は、立上り片145、146と直交して貫通された所定寸法の穴137H1、137H2によって構成されている。
【0134】
すなわち、磁気回路部136は、ヨーク137の立上り片145、146に、穴137H1、137H2がそれぞれ設けられることによって、マグネット447の中央部の磁気抵抗が大きくされている。このため、磁気回路部136は、マグネット447によって発生する磁束密度の均一化が図られている。
【0135】
したがって、上述した磁気回路部36を改善した磁気回路部236について、図33乃至図35を参照して説明する。この磁気回路部236は、ヨーク237を構成する相対向する一対の立上り片245、246の内側に、マグネット47、48がそれぞれ取り付けられている。
【0136】
ヨーク237には、立上り片245、246に、マグネット47、48の中央部に対応して、互いに相対向する磁気抵抗部がそれぞれ設けられている。これらの磁気抵抗部は、立上り片245、246に直交して幅方向に延長された所定寸法の長穴237J1、237J2によって構成されている。すなわち、磁気回路部236は、ヨーク237の立上り片245、246に、長穴237J1、237J2がそれぞれ設けられることによって、マグネット47、48の中央部の磁気抵抗が大きくされている。
【0137】
上述した磁気回路部236によれば、ヨーク237に長穴237J1、237J2がそれぞれ設けられることによって、マグネット47、48の磁気ギャップ内の磁束密度の均一化が図られている。したがって、磁気回路部236は、磁気ギャップ内を対物レンズ21が移動動作する際、共振が発生したり動作感度が変化するという不都合を低減させる。
【0138】
なお、磁気回路部236は、マグネット47、48の長さ寸法、幅寸法等の外形寸法に応じて、磁気抵抗部を構成する穴の形状、外形寸法を適宜設定することによって、マグネット47、48が発生する磁気エネルギ分布を任意に設定することが可能とされる。
【0139】
また、2極着磁されたマグネットを用いた磁気回路部336について、図36乃至図38を参照して説明する。この磁気回路部336は、ヨーク337を構成する相対向する一対の立上り片345、346の内側に、マグネット147、148及びマグネット149、150がそれぞれ取り付けられている。
【0140】
ヨーク337の立上り片345、346には、マグネット147、149の中央部に対応して、相対向する磁気抵抗部がそれぞれ設けられている。これらの磁気抵抗部は、立上り片345、346と直交して貫通された所定寸法の穴337K1、337K2によって構成されている。すなわち、磁気回路部336は、ヨーク337の立上り片345、346に、穴337K1、337K2がそれぞれ設けられることによって、マグネット147、149の中央部の磁気抵抗が大きくされている。
【0141】
また、ヨーク337の他方の立上り片346には、マグネット148、150の中央部に対応して、相対向する磁気抵抗部がそれぞれ設けられている。これらの磁気抵抗部は、立上り片345、346と直交して貫通された所定寸法の穴337L1、337L2によって構成されている。すなわち、磁気回路部336は、ヨーク337の立上り片345、346に、穴337L1、337L2がそれぞれ設けられることによって、マグネット148、150の中央部の磁気抵抗が大きくされている。
【0142】
上述したように、磁気回路部336によれば、ヨーク337に穴337K1、337K2及び穴337L1、337L2がそれぞれ設けられることによって、マグネット147、149及びマグネット148、150の磁気ギャップ内の磁束密度の均一化が図られている。したがって、磁気回路部336は、磁気ギャップ内を対物レンズ21が移動動作する際、共振が発生したり動作感度が変化するという不都合を低減させる。また、磁気回路部336は、マグネット147、148の隣接部及びマグネット149、150の隣接部の近傍位置における磁界強度の変化率を緩やかにすることができる。
【0143】
なお、上述した磁気回路部236、336に設けられた磁気抵抗部は、ヨーク237の立上り片245、246、及びヨーク337の立上り片345、346に合成樹脂等の非磁性材料を穴に埋設する構成としても良い。
【0144】
ところで、上述した対物レンズ駆動装置20を構成する対物レンズ21が取付けられたボビン22を支持する弾性支持部材35は、上記ボビン22に取付けられるコイル取付け基板28の各コーナ部に設けた接続端子部40内に位置して穿設された弾性支持部材挿通孔19に挿通した一端部35aを半田41等の導電性を有する接着剤を用いてコイル取付け基板28に固定支持させてボビン22を移動可能に支持している。
【0145】
このようにコイル取付け基板28に弾性支持部材挿通孔19を穿設し、この挿通孔19に一端部35aを挿通して弾性支持部材35の支持を行うことにより、半田41等の接着剤が弾性支持部材35の外周囲全周に亘って塗布されるので、弾性支持部材35と接続端子部40間の確実な電気的な導通を図り、コイル取付け基板28に対する取付け強度を十分に確保することができる。
【0146】
この場合、弾性支持部材35の一端部35aを弾性支持部材挿通孔19に挿通させる必要があり、弾性支持部材35のコイル取付け基板28への取付け作業性を悪くする虞れがある。
【0147】
そこで、弾性支持部材挿通孔19に代えて、図39に示すように、接続端子部40内に位置して長手方向の辺側を開放した嵌合凹部71をコイル取付け基板28に設け、この嵌合凹部71に一端部35aを嵌合させて弾性支持部材35のコイル取付け基板28への取付けを行うようにしてもよい。このようにコイル取付け基板28の長手方向の辺側を開放させた嵌合凹部71を用いることにより、コイル取付け基板28の辺に長手方向を直交させて嵌合させるだけで弾性支持部材35の嵌合凹部71への配置を行うことができるので、弾性支持部材35のコイル取付け基板28への取付け作業性を向上させることができる。
【0148】
この場合にあっても、弾性支持部材35は、嵌合凹部71内に浮かされた状態で接続端子部40に被着される半田41等の導電性接着剤によりコイル取付け基板28に電気的な導通が図られて固定支持される。
【0149】
また、各嵌合凹部71は、図40に示すように、コイル取付け基板28の長手方向の辺と直交する短辺方向の辺を開放させて形成するようにしてもよい。このように各嵌合凹部71を形成することにより、ボビン22の両側にそれぞれ配設される一対ずつの弾性支持部材35,35の一端部35a,35a側及び他端部35b,35b側の中途部を、図41に示すように、連結具72,72により連結した状態でコイル取付け基板28に取付けることができる。このように連結具72により連結することにより、一対の弾性支持部材35,35の互いの平行度を正確に維持した状態でコイル取付け基板28への取付けを行うことができる。なお、連結具72,72は、導電性を有する一対の弾性支持部材35,35の絶縁を確保するため、合成樹脂等の絶縁材料により形成される。
【0150】
上述した例にあっては、各弾性支持部材35は、コイル取付け基板28のコイルが設けられる平面に設けた接続端子部40に被着される半田41等の導電性材料により固定されてなるので、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を設けたコイル取付け基板28の板厚にバラツキがあると、弾性支持部材35により支持された状態のボビン22の重心バランスに悪影響を与える場合がある。
【0151】
そこで、図42及び図43に示すように、嵌合凹部71の内周面に接続端子部73を形成し、この嵌合凹部71内に被着される半田41等の導電性材料により各弾性支持部材35と接続端子部73間の電気的な接続及び機械的な接続を図るようにする。このようにコイル取付け基板28の板厚内で弾性支持部材35の固定を行うことにより、コイル取付け基板28の板厚にバラツキに大きな影響を受けることなくボビン22の支持を行うことが可能となる。
【0152】
上述の実施例では、ボビン22を支持する弾性支持部材35を導電性の材料により形成し、この弾性支持部材35を介してコイル取付け基板28に設けたフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34への給電を行うようにしているが、図44に示すように、コイル取付け基板28に給電線となるフレキシブルプリント配線基板74を取付け、このフレキシブルプリント配線基板74を介してフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34への給電を行うようにしてもよい。この場合、弾性支持部材35には、導電性を有する材料で形成する必要性がなくなる。そのため、弾性支持部材35は、ボビン22を含む可動部を移動可能に支持するために弾性特性等に適切な特性を有する材料を自在に選択し形成することができる。例えば、弾性支持部材35を、電気的特性に優れない金属性の板バネや絶縁体である合成樹脂やゴム等により構成することができる。
【0153】
ここに用いられるコイル取付け基板28としては、図40に示すような短辺方向を開放した嵌合凹部71を設けたものが用いられる。すなわち、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34への給電用のフレキシブルプリント配線基板74が延在されたコイル取付け基板28への弾性支持部材35の取付けを容易をなすためである。
【0154】
また、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34への給電にフレキシブルプリント配線基板74を用いた場合、コイル取付け基板28に導電性を有する弾性支持部材35との電気的接続を図るための接続端子部40を形成する必要もなくなる。さらに、弾性支持部材35の他端部35bを外部の駆動制御回路に接続させるためのフレキシブルプリント配線基板44を支持ホルダ39に設ける必要がなる。この場合、弾性支持部材35の他端部35bは、支持ホルダ39に直接若しくはこの支持ホルダ39に取付けられる固定板39aを介して固定支持される。
【0155】
ところで、上述の対物レンズ駆動装置20にあっては、コイル取付け板挿入溝27,27がボビン22の両側を開放された凹状の溝として形成されているので、コイル取付け板28をボビン22に取付ける際、支持具を用いてボビン22に対する長手方向の位置合わせを行った状態で接着剤を塗布して固定を行う必要がある。すなわち、コイル取付け基板28に設けたフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34と磁気回路部36を構成するマグネット47,48との対向位置を位置決めするため、コイル取付け基板28のボビン22に対する長手方向の位置合わせを行う必要がある。
【0156】
そこで、ボビン22の両側に、図45に示すように、側方に突出する鍔部76,76を設け、これら鍔部76,76の中途部に至るまでコイル取付け板挿入溝27,27を穿設し、側端部27a,27bを閉塞する。そして、これら側端部72a,72bをコイル取付け基板28のボビン22に対する長手方向の位置規制部となすことにより、支持具を用いることなくコイル取付け基板28のボビン22への位置決めを図った取付けが可能となる。
【0157】
また、前述したフレキシブルプリント配線基板74を用いてフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34への給電を行うように構成した場合には、弾性支持部材35を介してコイル取付け基板35に設けたフォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34への給電を行う必要がなくなる。そこで、支持ホルダ39に他端部35bを固定支持された弾性支持部材35の一端部35a側をボビン22に直接支持させるようにしてもよい。
【0158】
この場合、例えば合成樹脂からなるボビン22の側面に、図46に示すように、ボビン22と一体に形成した弾性支持部材取付け部75を設け、この弾性支持部材取付け部75に穿設した貫通孔75aに弾性支持部材35の一端部35aを挿通させて支持させるようになす。
【0159】
さらにまた、上述した対物レンズ駆動装置20は、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34を取付けたコイル取付け基板28をボビン22に取付け、このボビン22に取付けられたコイル取付け基板28を複数の弾性支持部材35により支持したコイル可動型のものとして構成されているが、マグネット47,48を取付けたヨーク37をボビン22側に取付け、コイル取付け基板28を固定部を構成する支持基板78側に配設したマグネット可動型のもとして構成してもよい。
【0160】
このマグネット可動型の対物レンズ駆動装置120は、図47及び図48に示すように、ボビン22を構成するボビン本体24に形成した開口部23内に、マグネット47,48を取付けたヨーク37を嵌合配設する。このヨーク37は、相対向する立上り片45,46を有する断面コ字状に形成され、これら立上り片45,46の相対向する面にそれぞれマグネット47,48を取付けている。そして、ヨーク37は、開放された先端側をボビン22の下方側に面に向けてボビン本体24の開口部23内に嵌合配設される。このようにヨーク37を開口部23内に配設することにより、立上り片45,46の相対向する面に取付けられたマグネット47,48は、相対向する面を開口部23に臨ませた状態でボビン22に配設されてなる。
【0161】
なお、ヨーク37には、一方のマグネット47のみを設けるだけでもよい。また、一対のマグネット47,48を用いる場合には、これらマグネット47,48は、ヨーク37を用いることなく直接ボビン22の開口部23内に相対向させて取付けるようにしてもよい。すなわち、一対のマグネット47,48を用いることにより、これらマグネット47,48間に磁束の集中を図ることができるためである。
【0162】
そして、ヨーク35を介してマグネット47,48を取付けたボビン22は、前述のコイル可動型の対物レンズ駆動装置20と同様に、図47及び図48に示すように、支持基板78に取付けられる支持ホルダ39に支持された一対ずつの線状をなすワイヤーの如き弾性支持部材35により相対向する両側を支持される。このボビン22を移動可能に支持する弾性支持部材35は、一端部35aがボビン22の両側に突設した支持部材支持部79に支持され、他端部35bが支持ホルダ39に支持されることにより、対物レンズ21を保持したボビン22を上記対物レンズ21の光軸と平行な方向及び上記対物レンズ21の光軸と直交する平面方向に移動可能に支持してなる。
【0163】
なお、マグネット可動型の対物レンズ駆動装置120にあっては、ボビン22を含む可動部側に給電部が設けられないので、弾性支持部材35を導電性材料で形成する必要性はない。
【0164】
一方、コイル取付け基板28は、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34が設けられた平面をボビン22に保持された対物レンズ21の光軸と平行になるようして、弾性支持部材35を介して移動可能にボビン22が配設される支持基板78上に取付けられる。このコイル取付け基板28は、支持基板78上に取付けられた状態で、ボビン22に取付けられたヨーク37を構成する一対の立上り片45,46間に位置され、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34をマグネット47,48にさせてなる。
【0165】
ここで用いられるコイル取付け基板28は、図47に示すように、基端側に支持基板78に穿設した嵌合溝78aに嵌合する嵌合片80が設けられている。この嵌合片80の平面には、フォーカシングコイル31を構成するコイル部29,30及びトラッキングコイル34を構成するコイル部31,32から延長された接続端子部81が設けられている。このコイル取付け基板28は、嵌合片80を嵌合溝79に嵌合させて支持基板78に植立するように取付けられる。そして、嵌合溝79を介して支持基板78の下面側に突出した嵌合片80に設けた接続端子部81が、支持基板78の下面側に形成された配線パターン82に半田83等の導電性接着剤により電気的に接続されることにより、図49に示すように、フォーカシングコイル31を構成するコイル部29,30及びトラッキングコイル34を構成するコイル部31,32が、上記配線パターン82を介して図示しない駆動制御回路に接続される。
【0166】
また、フォーカシングコイル31を構成するコイル部29,30及びトラッキングコイル34を構成するコイル部31,32を駆動制御回路に接続するため、図50に示すように、嵌合片80からフレキシブルプリント基板84を延長する。そして、このフレキシブルプリント基板84を、図51に示すように、駆動制御回路が設けられたプリント配線基板85の接続パターン85aに半田84a等の導電性接着剤を用いて接続することによって、フォーカシングコイル31を構成するコイル部29,30及びトラッキングコイル34を構成するコイル部31,32を駆動制御回路に接続するようにしてもよい。
【0167】
この下端側にフレキシブルプリント基板84を延長し、このフレキシブルプリント基板84を介して駆動制御回路が設けられたプリント配線基板85にフォーカシングコイル31を構成するコイル部29,30及びトラッキングコイル34を接続する構成は、フレキシブルプリント基板84が可撓性を有するものであるので、コイル可動型の対物レンズ駆動装置20に用いられるコイル取付け基板28も適用することができる。コイル可動型の対物レンズ駆動装置20に適用する場合には、支持基板78に支持させるための嵌合片80は不要である。
【0168】
また、コイル可動型の対物レンズ駆動装置20に適用する場合には、フレキシブルプリント基板84に代えて、可撓性を有する細線であるリッツ線を用いてもよい。
【0169】
なお、マグネット可動型の対物レンズ駆動装置120にあっても、前述したコイル可動型の対物レンズ駆動装置20に適用されるコイル取付け基板28及び磁気回路部36の構成がそのまま適用できるので、詳細な説明は省略する。すなわち、フォーカシングコイル31及びトラッキングコイル34が設けられるコイル取付け基板28を固定側に配し、磁気回路部36を構成するマグネット47,48、147,148,247,347を可動部を構成するボビン22側に配する構成となすことにより、マグネット可動型の対物レンズ駆動装置120にそのまま適用できるものである。
【0170】
上述した対物レンズ駆動装置20、120は、光ビームを出射する光源や光ディスクからの戻り光を検出する受光素子を設けたベース上に配置されて光ピックアップ装置を構成する。
【0171】
そこで、前述したコイル可動型の対物レンズ駆動装置20を用いて光ピックアップ装置を構成した例を挙げて説明する。
【0172】
この光ピックアップ装置は、図52に示すように、相対向する両側に、光ディスク記録及び/又は再生装置内に互いに平行に配設される平行ガイド部を構成するスライドガイド基準軸91及びスライドガイド軸92がそれぞれ挿通され又は係合される被ガイド部としてのガイド軸挿通部93及びガイド軸係合部94を相対向する両側に設けた略平板状をなすベース95を備えている。このベース95の両側に設けらるガイド軸挿通部93は、スライドガイド基準軸91が挿通される貫通孔93aを穿設して構成され、またガイド軸係合部94は、一側側を開放した凹溝を有する断面コ字状に形成されてなる。
【0173】
そして、対物レンズ駆動装置20は、図52に示すように、対物レンズ21を保持したボビン22を移動可能に支持する弾性支持部材35の延長方向を、互いに平行なスライドガイド基準軸91及びスライドガイド軸92の軸方向に直交させ、これらスライドガイド基準軸91及びスライドガイド軸92間の中央部分に位置してベース95上に配設されてなる。より具体的には、ボビン22の一端側に保持された対物レンズ21の光軸が、スライドガイド基準軸91及びスライドガイド軸92間の略中心に位置して配設されなる。
【0174】
なお、この対物レンズ駆動装置20は、磁気回路部36を構成するヨーク37をビス等を用いて固定することによってベース95上に取付けられる。
【0175】
この対物レンズ駆動装置20が取付けられるベース95上には、対物レンズ駆動装置20に設けられた対物レンズ21を介して記録媒体としての光ディスクに照射される光ビームを出射するレーザ光源としての半導体レーザ素子及び光ディスクから反射された戻り光を受光する受光素子、半導体レーザから出射された光ビームと上記戻り光を分離する分離光学素子を一体的に構成した発光受光複合素子96が配設されている。
【0176】
この発光受光複合素子96は、パッケージ97内にマウントされて、このパッケージ97を介してベース95に取付けられる。そして、発光受光複合素子96は、図53に示すように、半導体基板98を含む複数の半導体層を積層して半導体レーザ素子99を形成している。また、半導体基板98上には、半導体レーザ素子99の一方の光ビーム出射面99aと対向して、この半導体素子99から出射された光ビームと光ディスクから反射された戻り光を分離するビームスプリッタプリズム100が設けられている。このビームスプリッタプリズム100は、接着剤101を介して半導体基板98上に接合されている。
【0177】
そして、ビームスプリッタプリズム100は、半導体レーザ素子99の一方の光ビーム出射面99aに対向する面を、図53及び図54に示すように、半導体レーザ素子99から出射された光ビームLs の光軸に対して傾斜させた傾斜面としている。この傾斜面は、具体的には光ビームの光軸に対して45度の傾斜角をもって傾斜されている。そして、傾斜面上には、半導体レーザ素子99から出射された光ビームLs を反射させ、戻り光Lb を透過させる機能を有する半透過反射膜101が形成されている。このような半透過反射膜101を傾斜面に形成することにより、半導体レーザ素子99から出射された光ビームLs は、半透過反射膜101により光軸を90度折り曲げられて進行する。
【0178】
また、半透過反射膜101は、光ディスクから反射された戻り光を透過させてビームスプリッタプリズム100内に透過させる。この半透過膜101を透過した戻り光は、ビームスプリッタプリズム100内を反射されながら進行する。
【0179】
そして、半導体基板98上のビームスプリッタプリズム100が配設された下面側には、ビームスプリッタプリズム100内を反射されながら進行する光ディスクからの戻り光を受光する受光素子である第1及び第2の分割ディテクタ102,103が形成されている。これら第1及び第2の分割ディテクタ102,103は、各分割ディスク102,103を構成する複数の受光素子で戻り光を検出することによって、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及び光ディスクに記録された情報信号の読み取り信号を出力する。
【0180】
上述のように共通の半導体基板98上に半導体レーザ素子99及び第1及び第2の分割ディテクタ102,103を設けて構成された発光受光複合素子96は、図54に示すように、半導体レーザ素子99から出射される光ビームLs の出射方向がベース95上に配設された対物レンズ駆動装置20に設けられた対物レンズ21の光軸と平行になるようにしてベース95上に取付けられる。すなわち、半導体基板98が、半導体レーザ素子99及び第1及び第2の分割ディテクタ102,103を形成した面を対物レンズ21の光軸と平行となされてベース95上に取付けられている。
【0181】
ところで、発光受光複合素子96は、半導体レーザ素子99及び第1及び第2の分割ディテクタ102,103を形成した半導体基板98がパッケージ97にマウントされてこのパッケージ97内に収納配置されてなる。そして、発光受光複合素子96は、パッケージ97がベース95に形成された一対の複合素子取付け部105,105間に取付けられることによりベース95上に配置されてなる。この発光受光複合素子96が取付けられる複合素子取付け部105,105は、対物レンズ1の光軸と平行となるようにベース95面に垂直に立上り形成されている。
【0182】
すなわち、発光受光複合素子96は、半導体レーザ素子99から出射された光ビームLs の光路を90度偏向する半透過反射膜101を複合素子取付け部105,105間に臨まさせ、パッケージ97の両側をそれぞれ複合素子取付け部105,105に支持させることによりベース95上に取付けられてなる。
【0183】
このように半導体基板98の半導体レーザ素子99及び第1及び第2の分割ディテクタ102,103を形成した面を対物レンズ21の光軸と平行となし、ビームスプリッタプリズム100の半透過反射膜101を複合素子取付け部105,105間に臨ませて発光受光複合素子96をベース95上に配置することにより、対物レンズ1の光軸と平行と平行な方向に半導体レーザ素子99から光ビームLs の出射が行われる。そして、この光ビームLs は、半透過反射膜101により光路が90度偏向させることにより、対物レーザ21の光軸と直交する方向であるベース95面と平行な方向に進行する。
【0184】
そして、発光受光複合素子96は、図55に示すように、ベース95上に配設された対物レンズ駆動装置20の一端側に設けられた対物レンズ21の斜め側方に位置である対物レンズ21の光軸回りに略45度傾けた位置に配置されてなる。すなわち、発光受光複合素子96は、半透過反射膜101により光路を90度偏向されて進行する光ビームLs の光路が、対物レンズ21を取付けたボビン22を片持ち支持する弾性支持部材35の延長方向X1 に対し略45度の角度をなすようにしてベース95上に配置されてなる。
【0185】
また、ベース95上には、このベース95上に配設された対物レンズ駆動装置20に設けられた対物レンズ21の直下に位置して反射ミラー106が設けられている。この反射ミラー106は、半導体レーザ素子99から出射されビームスプリッタプリズム100の半透過反射膜101により光路を90度偏向されて進行する光ビームLs の光路を、図54に示すように、90度偏向してこの光ビームLs を対物レンズ21に入射させるためのものである。そして、光ビームLs の光路を90度偏向させる反射ミラー106の反射面106aは、図54に示すように、対物レンズ21の直下の光軸に対し45度傾けて形成されている。また、反射ミラー106は、反射面106aが半透過反射膜101により光路を90度偏向されて進行する光ビームLs に正対するようになすため、対物レンズ21の光軸回りに略45度傾けた状態でベース95上に設けられている。すなわち、反射ミラー106は、対物レンズ21を取付けたボビン22を片持ち支持する弾性支持部材35の延長方向X1 に対し略45度の角度をなすようにしてベース95上に配置されてなる。
【0186】
また、ベース95上に配設される対物レンズ駆動装置20を構成するボビン22の対物レンズ21が取付けられる側の端部の下面側で、ベース95上に配設された反射ミラー106と対向する部分には、図1及び図52に示すように、切欠部107が形成されている。すなわち、切欠部107は、ボビン22を構成するボビン本体24の一端側に突設した対物レンズ21を保持する対物レンズ取付け部25の下面側周縁に形成されてなる。このような切欠部107を形成することにより、反射ミラー106を対物レンズ21に一層近接させることができ、光ピックアップ装置の高さを抑えることができ、装置の一層の薄型化を図ることができる。
【0187】
上述のように共通の半導体基板98上に半導体レーザ素子99及び第1及び第2の分割ディテクタ102,103を設け、さらに光ビームの分離光学素子としてのビームスプリッタプリズム100をパッケージ97に収納して構成した発光受光複合素子96を用いることにより、光ディスクに入射される光ビームの光路と光ディスクから反射された戻り光の光路を分離してベース95に構成する必要がないので、光学ブロックの構成を小型化することができ、装置自体の小型化が可能となる。
【0188】
また、発光受光複合素子96を構成する半導体レーザ素子99から出射された光ビームLs は、ベース95面と平行に進行するので、光ピックアップ装置の薄型化が可能となる。
【0189】
さらに、発光受光複合素子96は、対物レンズ21の斜め側方に位置である対物レンズ21の光軸回りに略45度傾けた位置に配置されてなることから、光ピックアップ装置の対物レンズ21がその光軸に直交する平面方向に移動するトラッキング方向に幅を小さくすることができる。
【0190】
上述した光ピックアップ装置に用いられる発光受光複合素子96は、この半導体素子99から出射された光ビームと光ディスクから反射された戻り光を分離する分離光学素子として、半導体レーザ素子99及び第1及び第2の分割ディテクタ102,103が共通に形成される半導体基板98上に設けられたビームスプリッタプリズム100により構成しているが、図56及び図57に示すように、ホログラム素子110を用いたものであってもよい。
【0191】
このホログラム素子110を用いた発光受光複合素子111は、図57に示すように、前述した発光受光複合素子96と同様に共通の基板112上に半導体レーザ素子113及び5分割ディテクタ114を並列して設ける。この半導体レーザ素子113及び5分割ディテクタ114を設けた共通の基板112は、パッケージ115にマウントされてなる。そして、半導体レーザ素子113から出射される光ビームLs の光路上に位置してホログラム素子110を配置する。このホログラム素子110は、接着剤等を用いてパッケージ115の前面側に取付けられる。
【0192】
なお、半導体レーザ素子113とホログラム素子110間には、グレーティング116が設けられる。
【0193】
このホログラム素子110を用いた発光受光複合素子111は、図56に示すように、半導体レーザ素子113及び5分割ディテクタ114を内蔵し、ホログラム素子110を取付けたパッケージ115をベース95上に設けたレーザホログラムユニット取付け部117に支持させることによって上記ベース95上に取付けられてなる。
【0194】
このホログラム素子110を用いた発光受光複合素子111も、前述した発光受光複合素子96と同様に、基板112が半導体レーザ素子113及び5分割ディテクタ114を設けた面を対物レンズ21の光軸と平行となるようにしてベース95上に取付けられてなる。そして、半導体レーザ素子113から出射される光ビームLs は、基板112に垂直であって、ベース95面と平行な方向に出射される。
【0195】
また、上記発光受光複合素子111も、ベース95上に配設された対物レンズ駆動装置20の一端側に設けられた対物レンズ21の斜め側方に位置である対物レンズ21の光軸回りに略45度傾けた位置に配置されてなる。すなわち、発光受光複合素子111は、半導体レーザ素子113から出射される光ビームLs の出射方向が、対物レンズ21を取付けたボビン22を片持ち支持する弾性支持部材35の延長方向X1 に対し略45度の角度をなすようにしてベース95上に配置されてなる。
【0196】
上述したホログラム素子110を用いた発光受光複合素子111を構成する半導体レーザ素子111から出射された光ビームLs は、グレーティング116により2つのトラッキング用サブビームと情報信号読出し用の主ビームに分離される。この3つのビームに分離された光ビームLs は、ホログラム素子110を介してベース95上に配設した反射ミラー106に入射され、この反射ミラー106により光路が90度偏向されて対物レンズ21に入射され、この対物レンズ21を介して光ディスクに照射される。
【0197】
また、光ディスクにより反射された戻り光Lb は、対物レンズ21を介して反射ミラー106に入射され、この反射ミラー106により光路が90度偏向されてホログラム素子110に入射されて回折される。このホログラム素子110により回折された戻り光は、5分割ディテクタ114上に導かれる。
【0198】
ところで、ホログラム素子110は、格子周期の異なる2つの領域を設けることにより、グレーティング116により分離された主ビームに基づく光ディスクDS からの戻り光Lb のうち、一方の領域に入射したものは、図58に示すように、5分割ディテクタ114を構成する光検出部D2 ,D3 の分割線上に、他方の領域に入射したものは、光検出部D4 上に集光される。また、サブビームに基づく戻り光Lb は、それぞれ光検出部D1 ,D5 に集光される。そして、各光検出部D1 〜D5 から得られる戻り光Lb の検出出力S1 〜S5 に基づいてフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及び情報信号読み取り信号が得られる。すなわち、フォーカスエラーエラー信号は、主ビームに基づく戻り光Lb を検出する光検出部D2 ,D3 の検出出力S2 ,S3 の差から得られ、トラッキングエラー信号は、サブビームに基づく戻り光Lb を検出する光検出部D1 ,D5 の検出出力S1 ,S5 の差から得られる。そして、情報信号読み取り信号は、主ビームに基づく戻り光を検出する光検出部D2 ,D3 ,D4 の検出出力S2 ,S3 ,S4 の総和から得られる。
【0199】
このホログラム素子110を用いた発光受光複合素子111をベース95上に取付けた光ピックアップ装置も、基板112上に半導体レーザ素子113及び5分割ディテクタ114を共通の基板112に設け、さらに光ビームの分離光学素子としてのホログラム素子110を一体化してなるので、光ディスクに入射される光ビームの光路と光ディスクから反射された戻り光の光路を分離してベース95に構成する必要がないので、光学ブロックの構成を小型化でき、装置自体の小型化が可能となる。
【0200】
また、発光受光複合素子111を構成する半導体レーザ素子113から出射された光ビームLs は、ベース95面と平行に進行するので、光ピックアップ装置の薄型化が可能となる。
【0201】
さらに、発光受光複合素子111は、対物レンズ21の斜め側方に位置である対物レンズ21の光軸回りに略45度傾けた位置に配置されてなることから、光ピックアップ装置の対物レンズ21がその光軸に直交する平面方向に移動するトラッキング方向の幅を小さくすることができる。
【0202】
【発明の効果】
本発明に係る対物レンズ駆動装置は、平板状のフォーカシングコイルとトラッキングコイルを設けた平板状の部材を、可動部を構成するボビン若しくは固定側に固定基板に取付けるだけで、フォーカシングコイルとトラッキングコイルを磁気回路部を構成するマグネットに対向配置させることができ、コイルの取付け作業が極めて容易となる。
【0203】
特に、フォーカシングコイル及びトラッキングコイルを構成するコイル部の制御回路部への電気的な接続を、線状のコイル端末の接続を行うことなくコイル取付け基板を介して行うことができるので、自動組立て装置による自動組立てが極めて容易となり、量産化を容易に実現することができる。
【0204】
また、平板状に形成されたコイル部からなるフォーカシングコイルとトラッキングコイルを設けた平板状の部材であるコイル取付け基板は、ボビンに精度良く取付けることができるので、ボビンを含む可動部の重心のバラツキの発生を抑えるとができ、フォーカスエラー信号又はトラッキングエラー信号に正確に追随して対物レンズの駆動変位を可能となす対物レンズ駆動装置を提供することができる。
【0205】
さらに、平板状に形成されたフォーカシングコイルと平板状のトラッキングコイルとがそれぞれ面対称に積層されて配設された平板状の部材は、フォーカシングコイルが発生する駆動力とトラッキングコイルが発生する駆動力とが、平板状の部材の重心にそれぞれ一致して作用する。このため、この平板状の部材は、対物レンズを移動動作させる際、安定した対物レンズの駆動変位を実現することができる。
【0206】
さらにまた、マグネットの中央部に対応して相対向する一対の立上り部に磁気抵抗部がそれぞれ設けられたヨークは、マグネットの中央部の磁気抵抗が大きくされている。したがって、このヨークは、マグネットが発生する磁束密度の均一化を図っている。このため、このヨークを備える磁気回路部は、対物レンズを移動動作させる際、共振の発生や動作感度の変化等の不都合が低減されて、安定した対物レンズの駆動変位を実現することができる。
【0207】
さらにまた、フォーカシングコイル内にヨークの一部が介在されることもないので、フォーカシングコイルの自己インダクタンスを大きくすることもないので、電力の省電力化を実現し、対物レンズ駆動時の発熱を抑え、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームを出射する光源を構成する半導体レーザの安定した動作を保証し、良好な特性をもって情報信号の記録及び/又は再生を可能となす光ピックアップ装置を構成することが可能となる。
【0208】
さらにまた、平板状に形成されたコイル部からなるフォーカシングコイルとトラッキングコイルは、磁気回路部の磁束と共働して駆動力を発生させるために利用できる部分を増加させることができるので、対物レンズを駆動変位するための電力の省電力化を実現し、対物レンズ駆動時の発熱を抑え、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームを出射する光源を構成する半導体レーザの安定した動作を保証し、良好な特性をもって情報信号の記録及び/又は再生を可能となす光ピックアップ装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイル可動型の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す対物レンズ駆動装置の分解斜視図である。
【図3】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成するフォーカシングコイルとマグネットとの配置構成を示す正面図である。
【図4】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成するトラッキングコイルとマグネットとの配置構成を示す正面図である。
【図5】フォーカシングコイル及びトラッキングコイルが設けられたコイル取付け基板と磁気回路部を示す側面図である。
【図6】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成する磁気回路部の他の例を示す斜視図である。
【図7】図6に示す磁気回路部とフォーカシングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図8】図6に示す磁気回路部とトラッキングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図9】図6に示す磁気回路部とコイル取付け基板との配置の関係を示す側面図である。
【図10】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成する他の磁気回路部とコイル取付け基板の配置の関係を示す側面図である。
【図11】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成する他の磁気回路部とコイル取付け基板の配置の関係を示す平面図である。
【図12】図10及び図11に示す磁気回路部とコイル取付け基板に設けられたフォーカシングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図13】図10及び図11に示す磁気回路部とコイル取付け基板に設けられたトラッキングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図14】2極着磁されたマグネットを用いた磁気回路部とコイル取付け基板との配置の関係を示す側面図である。
【図15】2極着磁されたマグネットを用いた磁気回路部とフォーカシングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図16】2極着磁されたマグネットを用いた磁気回路部とトラッキングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図17】単極着磁されたマグネットを複数用いた磁気回路部とコイル取付け基板との配置の関係を示す側面図である。
【図18】単極着磁されたマグネットを複数用いた磁気回路部とフォーカシングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図19】単極着磁されたマグネットを複数用いた磁気回路部とトラッキングコイルとの配置の関係を示す正面図である。
【図20】磁気回路部とフォーカシングコイル及びトラッキングコイルとの配置構成を示す平面図である。
【図21】磁気回路部とフォーカシングコイル及びトラッキングコイルとの配置構成を示す断面図である。
【図22】フォーカシングコイルとトラッキングコイルとの配置構成を説明するために示す模式図である。
【図23】フォーカシングコイルとトラッキングコイルとの配置の関係を説明するために示す断面模式図である。
【図24】磁気回路部とフォーカシングコイル及びトラッキングコイルとの配置の関係を示す側面図である。
【図25】磁気回路部とフォーカシングコイル及びトラッキングコイルとの配置の関係を示す側面図である。
【図26】磁気回路部とフォーカシングコイル及びトラッキングコイルとの配置の関係を示す側面図である。
【図27】磁気回路部とフォーカシングコイル及びトラッキングコイルとの配置の関係を示す側面図である。
【図28】磁気回路部のマグネットが発生する磁界エネルギの分布を説明するために示す平面模式図である。
【図29】磁気回路部のマグネットが発生する磁界エネルギの分布を説明するために示す側面模式図である。
【図30】磁気回路部のヨークを示す平面図である。
【図31】磁気回路部のヨークを示す側面図である。
【図32】磁気回路部のヨークを示す正面図である。
【図33】磁気回路部のヨークを示す平面図である。
【図34】磁気回路部のヨークを示す側面図である。
【図35】磁気回路部のヨークを示す正面図である。
【図36】2極着磁されたマグネットを複数用いた磁気回路部のヨークを示す平面図である。
【図37】2極着磁されたマグネットを複数用いた磁気回路部のヨークを示す側面図である。
【図38】2極着磁されたマグネットを複数用いた磁気回路部のヨークを示す正面図である。
【図39】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成するコイル取付け基板の他の例を示す正面図である。
【図40】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成するコイル取付け基板のさらに他の例とこのコイル取付け基板に用いられる弾性支持部材を示す正面図である。
【図41】図40に示すコイル取付け基板に用いられる弾性支持部材を示す側面図である。
【図42】図39に示すコイル取付け基板に設けられた弾性支持部材が嵌合される嵌合凹部を示す平面図である。
【図43】図40に示すコイル取付け基板に設けられた弾性支持部材が嵌合される嵌合凹部を示す側面図である。
【図44】フォーカシングコイル及びトラッキングコイルの導通をフレキシブルプリント配線基板を用いた対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図45】本発明に係る対物レンズ駆動装置を構成するボビンの他の例を示す斜視図である。
【図46】弾性支持部材でボビンを直接支持した例を示す対物レンズ駆動装置の斜視図である。
【図47】マグネット可動型の対物レンズ駆動装置を示す組立て斜視図である。
【図48】マグネット可動型の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図49】マグネット可動型の対物レンズ駆動装置の側断面図である。
【図50】フォーカシングコイル及びトラッキングコイルへの給電をフレキシブルプリント配線基板を用いて行うコイル取付け基板の斜視図である。
【図51】フレキシブルプリント配線を接続したコイル取付け基板の取付け状態を示す側面図である。
【図52】コイル可動型の対物駆動装置を用いて構成した本発明に係る光ピックアップ装置を示す斜視図である。
【図53】図52に示す光ピックアップ装置に用いられる発光受光複合素子を示す斜視図である。
【図54】発光受光複合素子と反射ミラーの配置構成を示す側面図である。
【図55】発光受光複合素子と対物レンズ駆動装置に設けられた対物レンズの配置構成を示す平面図である。
【図56】本発明に係る光ピックアップ装置の他の例を示す斜視図である。
【図57】ホログラムを用いた発光受光複合素子と反射ミラーの配置構成を示す斜視図である。
【図58】ホログラムを用いた発光受光複合素子の光ディスクからの戻り光の検出状態を示す斜視図である。
【図59】従来の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図60】従来の対物レンズ駆動装置の分解斜視図である。
【図61】従来の対物レンズ駆動装置の他の例を示す斜視図である。
【図62】従来の対物レンズ駆動装置におけるフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと磁気回路部との配置構成を示す平面図である。
【図63】従来の対物レンズ駆動装置におけるフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと磁気回路部との配置構成を示す断面図である。
【図64】従来の対物レンズ駆動装置におけるフォーカシングコイルと磁気回路部の磁束の状態を示す平面図である。
【図65】従来の対物レンズ駆動装置におけるトラッキングコイルとマグネットとの対向状態を示す正面図である。
【図66】従来の対物レンズ駆動装置におけるトラッキングコイルとマグネットとの対向状態を示す側面図である。
【符号の説明】
20 対物レンズ駆動装置
21 対物レンズ
22 ボビン
23 ボビンに設けた開口部
27 コイル取付け板挿入溝
28 コイル取付け板
31 フォーカシングコイル
34 トラッキングコイル
35 弾性支持部材
36 磁気回路部
37 ヨーク
39 支持ホルダ
45,46 ヨークを構成する立上り片
47,48 マグネット
93 ガイド軸挿通部
94 ガイド係合部
95 光ピックアップ装置を構成するベース
96 発光受光複合素子

Claims (18)

  1. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、
    上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットとを有する磁気回路部とを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置。
  2. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、
    上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状の複数のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状の複数のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットとを有する磁気回路部とを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、
    上記複数のフォーカシングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記複数のトラッキングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置。
  3. 上記磁気回路部を構成する平板状の部材と上記マグネットのいずれか一方を上記可動部に取付けるとともに、他方を上記ボビンの開口部内に配設してなる請求項1又は請求項2に記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンと、
    両端部分が上記ボビンの両側にそれぞれ突出され、且つその平面が上記対物レンズの光軸と平行となるように配設されてなる矩形状をなす平板状の部材と
    上記平板状の部材に上記ボビンの開口部内に臨ませられた状態で支持され、平板状のフォーカシングコイルと、
    上記平板状の部材に上記ボビンの開口部内に臨ませられた状態で支持され、平板状のトラッキングコイルと、
    一端側を平板状の部材の上記ボビンの両側から突出した部分に連結するとともに他端側を固定部に支持させ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    上記平板状の部材を挟んで配設される少なくとも一対の相対向するマグネットとを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置。
  5. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンと、
    両端部分が上記ボビンの両側にそれぞれ突出され、且つその平面が上記対物レンズの光軸と平行となるように配設されてなる矩形状をなす平板状の部材と、
    上記平板状の部材に上記ボビンの開口部内に臨ませられた状態で支持され、平板状の複数のフォーカシングコイルと、
    上記平板状の部材に上記ボビンの開口部内に臨ませられた状態で支持され、平板状の複数のトラッキングコイルと、
    一端側を平板状の部材の上記ボビンの両側から突出した部分に連結するとともに他端側を固定部に支持させ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    上記平板状の部材を挟んで配設される少なくとも一対の相対向するマグネットとを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、
    上記複数のフォーカシングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記複数のトラッキングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置。
  6. 相対向する一対の立上り部を有するヨークを備え、このヨークの立上り部に上記マグネットをそれぞれ取付けるとともに、上記一対の立上り部間に上記平板状の部材を介在させてなる請求項4又は請求項5に記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンと、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行となるように配設されてなる矩形状をなす平板状の部材と、
    上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、
    上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、
    一端側を上記ボビンに取付けられるとともに他端側を固定部に支持させ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    上記平板状の部材を挟んで上記ボビンの開口部内に臨むように配設された少なくとも一対の相対向するマグネットとを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置。
  8. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンと、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行となるように配設されてなる矩形状をなす平板状の部材と、
    上記平板状の部材に支持される平板状の複数のフォーカシングコイルと、
    上記平板状の部材に支持される平板状の複数のトラッキングコイルと、
    一端側を上記ボビンに取付けられるとともに他端側を固定部に支持させ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    上記平板状の部材を挟んで上記ボビンの開口部内に臨むように配設された少なくとも一 対の相対向するマグネットとを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、
    上記複数のフォーカシングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記複数のトラッキングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置。
  9. 相対向する一対の立上り部を有するヨークを備え、上記ヨークは上記一対の立上り部間に上記平板状の部材を介在させて上記ボビンに配設されるとともに、上記立上り部に上記マグネットを取付けてなる請求項7記載又は請求項8に記載の対物レンズ駆動装置。
  10. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、
    上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットと、上記マグネットが取り付けられる相対向する立上り部を有し上記立上り部に上記平板状の部材が介在されるヨークとを有する磁気回路部とを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記ヨークには、相対向する立上り部の対向する面に上記一対のマグネットをそれぞれ固着するとともに、相対向する立上り部にこれらマグネットの磁束密度が大となる略中央部に臨んで磁気抵抗部がそれぞれ設けられてなる対物レンズ駆動装置。
  11. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、
    上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状の複数のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状の複数のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットと、上記マグネットが取り付けられる相対向する立上り部を有し上記立上り部に上記平板状の部材が介在されるヨークとを有する磁気回路部とを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され、
    上記複数のフォーカシングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記複数のトラッキングコイルは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記ヨークには、相対向する立上り部の対向する面に上記一対のマグネットをそれぞれ固着するとともに、相対向する立上り部にこれらマグネットの磁束密度が大となる略中央 部に臨んで磁気抵抗部がそれぞれ設けられてなる対物レンズ駆動装置。
  12. 上記磁気抵抗部は、上記マグネットの略中央部に対応して上記ヨークを貫通して設けられる穴によって構成される請求項10又は請求項11に記載の対物レンズ駆動装置。
  13. 上記穴は、上記対物レンズの光軸と直交する方向に延長された長穴に形成されてなる請求項12に記載の対物レンズ駆動装置。
  14. 一対の平行ガイド部と各々係合するガイド支持部を両端側にそれぞれ設けたベースと、
    一端側に対物レンズが取付けられたボビンと、このボビンの他端側に一端が取付けられ他端側を固定部に取付けられ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び対物レンズの光軸と直交する方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び対物レンズの光軸と直交する方向に移動させる少なくとも一対の相対向するマグネットと、上記マグネットが取り付けられる相対向する立上り部を有し上記立上り部に上記平板状の部材が介在されるヨークとを有する磁気回路部とを備え上記ベース上に配設されてなる対物レンズ駆動装置と、
    レーザ光源と、このレーザ光源から出射された光ビームの戻り光を受光する受光素子と、この受光素子から出射された光ビームと戻りビームを分離する分離素子とからなり、上記ベース上の位置に配設されてなる発光受光複合素子とを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置され、
    上記ヨークには、相対向する立上り部の対向する面に上記一対のマグネットをそれぞれ固着するとともに、相対向する立上り部にこれらマグネットの磁束密度が大となる略中央部に臨んで磁気抵抗部がそれぞれ設けられてなる光ピックアップ装置。
  15. 上記発光受光複合素子は、レーザ光源と受光素子を共通の基板に配設して構成されてなるとともに、この基板が上記対物レンズ駆動装置の対物レンズの光軸と略平行になるように上記ベース上に配設されてなる請求項14に記載の光ピックアップ装置。
  16. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンを有する可動部と、
    上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行になるように配設される平板状の部材と、上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルと対向してこれらフォーカシングコイル及びトラッキングコイルと共働して上記可動部を上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に駆動する少なくとも一対の相対向して配置されるマグネットとを有する磁気回路部とを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置を備える光ピックアップ装置。
  17. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンと、
    両端部分が上記ボビンの両側にそれぞれ突出され、且つその平面が上記対物レンズの光軸と平行となるように配設されてなる矩形状をなす平板状の部材と
    上記平板状の部材に上記ボビンの開口部内に臨ませられた状態で支持され、平板状のフォーカシングコイルと、
    上記平板状の部材に上記ボビンの開口部内に臨ませられた状態で支持され、平板状のトラッキングコイルと、
    一端側を平板状の部材の上記ボビンの両側から突出した部分に連結するとともに他端側を固定部に支持させ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    上記平板状の部材を挟んで配設される少なくとも一対の相対向するマグネットとを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置を備える光ピックアップ装置。
  18. 一端側に対物レンズが保持され、中央部に開口部が形成されたボビンと、
    その平面が上記対物レンズの光軸と平行となるように配設されてなる矩形状をなす平板状の部材と、
    上記平板状の部材に支持される平板状のフォーカシングコイルと、
    上記平板状の部材に支持される平板状のトラッキングコイルと、
    一端側を上記ボビンに取付けられるとともに他端側を固定部に支持させ、上記ボビンを上記対物レンズの光軸と平行な方向及び上記対物レンズの光軸と直交する平面方向に移動可能に支持する複数の弾性支持部材と、
    上記平板状の部材を挟んで上記ボビンの開口部内に臨むように配設された少なくとも一対の相対向するマグネットとを備え、
    上記一対のマグネットは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して磁束密度が対称に形成されるように配置され
    上記フォーカシングコイルと上記トラッキングコイルとは、上記一対のマグネットの厚み方向の中央の面に対して略対称に配置される対物レンズ駆動装置を備える光ピックアップ装置。
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