JP3833876B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体の再生を行う光ピックアップ装置に関するものである。さらに詳しくは、光源からの出射光と光記録媒体からの戻り光とを分離するための光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)等の光記録媒体の再生を行うための光ピックアップ装置としては、レーザ光源からの出射光と光記録媒体からの戻り光とを1/4波長位相差板(1/4波長板)に通すことによって出射光と戻り光とを分離可能に構成された偏光系の光ピックアップ装置が知られている。たとえば、図10および図11に示すように、レーザ光源から光検出器に至る光路の途中位置に偏光ビームスプリッタ11(偏光分離素子)、1/4波長位相差板12および対物レンズ16が配置されたものでは、レーザダイオードからなるレーザ光源13から出射された光が偏光ビームスプリッタ11および1/4波長位相差板12を通過したのち、光記録媒体5の記録面に光スポットとして照射され、光記録媒体5からの戻り光が再び1/4波長位相差板12および偏光ビームスプリッタ11を通過するように構成されている。光記録媒体5からの戻り光は1/4波長位相差板12を通過すると、レーザ光源13からの出射光の偏光方位と90°異なる偏光方位のレーザ光に変えられ、偏光ビームスプリッタ11によってレーザ光源13とは異なる方向に設置された光検出器14に導かれる。
【0003】
また、図1および図2に示すように、レーザ光源13と1/4波長位相差板12との間に偏光分離素子として回折型素子21(ホログラム素子)を配置して、この回折型素子21によって光記録媒体5からの戻り光を光検出器14に導く場合もある。
【0004】
これらいずれの偏光系の光ピックアップ装置1A、1Bでも、図12(A)、(B)に光学系の展開図、および光の偏光状態を模式的に示すように、レーザ光源13から出射された直線偏光光を1/4波長位相差板12によって円偏光光に変換するとともに、光記録媒体5からの戻り光(円偏光)を1/4波長位相差板12によってレーザ光源13から出射された直線偏光光と90°異なる偏光方位の直線偏光光に変え、レーザ光源13とは異なる方向に設置された光検出器14に導くものである。
【0005】
従って、このタイプの光ピックアップ装置1A、1Bでは、レーザ光源13からの出射光を光記録媒体5に有効に照射でき、かつ、光記録媒体5からの戻り光を高効率で光検出器14に導くことができるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の説明は、光記録媒体5の複屈折量δが0であるときに有効光量が100%となるというものであり、光記録媒体5自身が複屈折性を備えている場合には、この複屈折性によっても光の偏光状態に変化が生じるので、有効光量100%より低下するという問題点がある。
【0007】
たとえば、図12(C)に示すように、仮に、光記録媒体5自身が往復で1/4波長に相当する複屈折量δを有する場合には、光記録媒体5で反射した際にすでに直線偏光光になってしまう。その結果、光記録媒体5で反射した戻り光が、再度1/4波長位相差板12を通過すると上記直線偏光光は円偏光光になってしまい、有効光量は50%にまで低下してしまう。さらに、図12(D)に示すように、仮に、光記録媒体5が往復でλ/2(λ= 波長)に相当する複屈折量δを有するものとなった場合には、戻り光は1/4波長位相差板12を通ると、この時点でレーザ光源13から出射された直線偏光光と同一の偏光方位の直線偏光光に変わってしまう。その結果、戻り光とレーザ光源13からの出射光とを分離できず、光検出器14に届く光の有効光量が0%となってしまうことになる。
【0008】
このような光記録媒体5の複屈折量δと検出光量との関係は、図5に点線L0で示すような関係として表される。すなわち、光記録媒体5の複屈折量δが0であるときの光検出器14の検出光量を1としたとき、光記録媒体5の複屈折量δが0からλ/2になるまでは光検出器14で検出した信号強度が低下していき、光記録媒体5の複屈折量δがλ/2になると信号強度が0となる。
【0009】
一般に、光記録媒体5の基体は射出成形により製造され、この際に樹脂は光記録媒体5の中心側から半径方向外側に流れていくため、光記録媒体5では、半径方向と周方向との間で屈折率が相違するという複屈折性を有しやすい。その現状を確認するため、光記録媒体5において、その中心側から半径方向外側まで信号強度を計測していくと、非常に複屈折性を有している例として、図13に示す特性を有するものがあった。この図13に示す特性では、信号強度は、まずディスクの中心側で非常に低いレベルであり、そこからやや半径方向外側にいくと最小値を示し、この位置から半径方向最外周側にかけて信号強度が高くなっていく。この結果から考察すると、この図13に示す特性のものでは、半径方向における中心からやや外側に複屈折量δがλ/2の領域があってそこから半径方向外側では複屈折量δが徐々に小さくなっていることがわかる。この例は極端な例であるが、同じ製造方法により製造されるディスクは、同様な傾向を示すものと推測でき、半径方向全体ではある量に複屈折を一般的に有しているものと考えられる。
【0010】
これに対して、光記録媒体5が有する複屈折性の方向に位相差板12の異方軸の方向(以下、単に方位という。)を向かせることにより、光記録媒体5自身と位相差板12とが一つの位相差板として作用するように構成するとともに、位相差板12としては、1/4波長のものに代えて、光記録媒体5自身が有する複屈折量に相当する分だけ位相差量が1/4波長からずれた位相差を有するものを用いることが考えられる。
【0011】
このように構成すると、位相差板12と光記録媒体5自身とが合わせて1/4波長位相差板としての機能を果たすので、レーザ光源13から出射された光は、光記録媒体5が複屈折性を有しているとしても、戻り光が位相差板12を透過した後には、レーザ光源13から出射された直線偏光光と90°異なる偏光方位の直線偏光光に変わる。それ故、光記録媒体5が複屈折性を有しているとしても、有効光量が高い光ピックアップ装置を構成することができる。
【0012】
このような構成を採用するとした場合、レーザ光源13から出射されるレーザ光の偏光方位と位相差板12の軸方向とは45°の角度に設定するのが普通である。このような設定は、一般に、レーザ光源13を出射光軸周りに回転させてその角度位置を調整することにより行われる。しかしながら、このような調整方法は、図10および図11に示すように、レーザ光源13と光検出器14とが別体である場合にはレーザ光源13を単独で出射光軸周りに回転させることができるが、図1ないし図3に示すような光ピックアップ装置1Aのように、レーザ光源13が光源ユニット20として光検出器14と一体に形成されている場合には、このような調整方法を採用することができないなど、光学系の配置が多大な制約を受けるという問題点がある。
【0013】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、光記録媒体自身が複屈折性を有していたとしても、光学系の配置に大きな制約を加えることなく、安定した光検出を行うことのできる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、レーザ光源からの出射光および光記録媒体からの戻り光の偏光状態を変換する位相差板と、前記出射光および前記戻り光の偏光状態に基づいて前記レーザ光源から前記光記録媒体に向かう光軸上から前記戻り光を分離して光検出器に導く偏光分離素子とを有する光ピックアップ装置において、前記光記録媒体が有する複屈折量と前記検出器が検出する信号強度との関係を計測したときに当該複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に前記信号強度のピークが出現するように、前記位相差板の位相差および異方軸の方向(以下、位相差板の方位という。)を設定してなることを特徴とする。
【0015】
本発明では、光記録媒体の基体が射出成形により製造されたときに樹脂が流れた方向に従って光記録媒体に複屈折性が発現するのを吸収するように、位相差板の位相差および方位を設定する。すなわち、従来技術と違って、光記録媒体が実際にいずれの方向に複屈折性を有しているかにかかわらず、まずレーザ光源の向きを固定し、光源から出射される出射光の偏光方位が固定されていることを前提にして、光記録媒体が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化するまでの間に光検出器が検出する信号強度のピークが出現するように位相差板の位相差および方位を設定する。ここで、通常、製造される光記録媒体の複屈折量は、大きくても1/4波長相当である。従って、本発明では、光記録媒体が有する複屈折量が0から1/4波長までの間であれば、光記録媒体が有する複屈折性の方向にかかわらず、光記録媒体からの戻り光を高い強度で検出できるので、有効光量の高い光ピックアップ装置を構成することができる。また、光記録媒体の複屈折性が実際にいずれの方向に向いているかにかかわらず、設計面などからみて最適な状態にレーザ光源を配置できる。よって、レーザ光源と検出器とが一体化した光ピックアップ装置においても、いずれの光記録媒体であっても、また光記録媒体の半径方向のいずれの場所からも、安定した信号検出を行うことができる。
【0016】
本発明において、前記偏光分離素子は、偏光方向が互いに直交する方向を向く第1の直線偏光光および第2の直線偏光光を含む戻り光から当該第1および第2の直線偏光光のいずれをも一定の割合をもって前記光検出器に向けて出射する部分偏光性を有している
【0017】
このように構成すると、光記録媒体が複屈折量を有していて、偏光分離素子に入射する戻り光に第1の直線偏光光および第2の直線偏光光の双方が含まれていても、いずれの直線偏光光もその一部が光検出器で検出される。従って、戻り光に含まれる直線偏光光がすべてが第2の直線偏光光であっても、ある程度、信号強度のレベルが抑えられることになる一方、光記録媒体が有する複屈折性によって、戻り光に含まれる直線偏光光がすべてが第1の直線偏光光であっても、ある程度の強度をもって信号が検出される。ここで、光ピックアップ装置では、戻り光を検出する際に、検出した信号強度がある程度高ければ、それ以上高くてもあまりメッットがなく、検出した信号強度が低い場合にいずれのレベルにあるかの方が重要である。しかるに本発明では、従来であれば信号強度が0になるような条件下でも、偏光分離素子の部分偏光性によってある程度のレベルで信号検出できる。それ故、光記録媒体がどのような複屈折性を有していても、信号検出を確実に行うことができる。また、光記録媒体の半径方向のいずれの場所からも確実に信号を検出することができる。
【0018】
本発明は、以下のように規定することもできる。すなわち、レーザ光源からの出射光および光記録媒体からの戻り光の偏光状態を変換する位相差板と、前記出射光および前記戻り光の偏光状態に基づいて前記レーザ光源から前記光記録媒体に向かう光軸上から前記戻り光を分離して光検出器に導く偏光分離素子とを有する光ピックアップ装置において、前記位相差板は、前記レーザ光源から出射されたレーザ光に対して50度から60度の方位となるように設定されていることを特徴とする。
【0019】
本発明において、前記偏光分離素子は、偏光方向が互いに直交する方向を向くs偏光光およびp偏光光の直線偏光光を含む戻り光から前記s偏光光およびp偏光光を一定の割合をもって前記光検出器に向けて分離する部分偏光性を有している
【0020】
この場合に、前記s偏光光に対する透過率および回折率をそれぞれTsおよびRsとしたときに、前記s偏光光に対する透過率Tsおよび回折率Rsの双方を略0.3以上とするとともに、前記p偏光光に対する透過率および回折率をそれぞれTpおよびRpとしたときに、前記p偏光光に対する透過率Tpおよび回折率Rpの双方を略0.3以上とすることが好ましい。
【0021】
本発明において、前記s偏光光に対する透過率Tsと回折率Rsとの比を略0.5:0.5とするとともに、前記p偏光光に対する透過率Tpと回折率Rpとの比を略0.5:0.5とすることが好ましい。
【0022】
本発明において、前記位相差板の位相差を、90度を中心に約20度の範囲内に設定することが好ましい。
【0023】
本発明は、さらに以下のように規定することもできる。すなわち、レーザ光源からの出射光および光記録媒体からの戻り光の偏光状態を変換する位相差板と、前記出射光および前記戻り光の偏光状態に基づいて前記レーザ光源から前記光記録媒体に向かう光軸上から前記戻り光を分離して光検出器に導く偏光分離素子とを有する光ピックアップ装置において、前記レーザ光源からの出射光の偏光方向を前記光記録媒体の半径方向に対して45度を向くように配置するとともに、前記位相差板の方位を45度に対して約5度から約15度の範囲内でずらしたことを特徴とする。このように構成した場合も、前記偏光分離素子は、偏光方向が互いに直交する方向を向く第1の直線偏光光および第2の直線偏光光を一定の割合をもって前記光検出器に向けて分離するような部分偏光性を有している。
【0024】
本発明において、前記位相差板の位相差を略90度に設定するとともに、前記位相差板の方位を50度から60度の範囲内に設定することが好ましい。例えば、前記位相差板の方位を約55度に設定したことが好ましい。
【0025】
本発明において、前記位相差板の位相差を90度を中心にして約20度の範囲内に設定するとともに、前記位相差板の方位を50度から60度の範囲内に設定することが好ましい。例えば、前記位相差板の方位を約55度に設定することが好ましい
【0026】
本発明において、前記偏光分離素子としては、たとえば回折型素子を用いることができ、この回折型素子では、ポリジアセチレン誘導体膜によって回折格子を形成してもよい。
【0027】
本発明において、前記位相差板も、ポリジアセチレン誘導体膜、あるいは基板上に斜め蒸着した誘電体膜によって形成してもよい。
【0028】
本発明は、前記偏光分離素子が前記位相差板と一体に形成され、かつ、前記レーザ光源および前記光検出器を光源ユニットとして一体化した構成の光ピックアップ装置に適用すると効果的である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では偏光分離素子として回折型素子を用いた例を説明するが、それでも、本形態の光ピックアップ装置は、図9および図10を参照して説明した光ピックアップ装置と基本的な構成が共通するので、対応する要素には同一の符号を付して説明する。
【0030】
[全体構成]
図1および図2はそれぞれ、本発明を適用した光ディスクドライブ装置の要部を平面的に示す説明図、およびその光学系の配置を示す説明図である。
【0031】
図1および図2に示すように、光ディスクドライブ装置には、光記録媒体5を回転駆動するモータ6と、光記録ディスクから情報を読み取る光ピックアップ装置1Aとから構成されている。光ピックアップ装置1Aにおいて、その光学系としては、レーザダイオードからなるレーザ光源13から光記録媒体5の記録面51に到る光路上に、偏光性の回折型素子21(ホログラム素子/偏光分離素子)、位相差板12、立ち上げミラー17、および対物レンズ16がこの順序に配列されている。また、レーザ光源13の近傍には、フォトダイオードからなる光検出器14が配置されている。対物レンズ16に対しては、この対物レンズ16をトラッキング方向およびフォーカシング方向に駆動するレンズアクチュエータ7が通常のように形成され、このレンズアクチュエータ7および光学系は、光記録媒体5の半径方向に移動可能なフレーム8上に構成されている。
【0032】
図3(A)、(B)はそれぞれ、図2に示す光ピックアップ装置に用いた光源ユニットの外観を示す斜視図、およびその内部構造を示す平面図である。
【0033】
図3(A)、(B)に示すように、レーザ光源13は、光源ユニット20として、光検出器14と同一基板上に形成されている。この光源ユニット20では、パッケージ23から複数のリードフレーム22が突出し、パッケージ23内の基板上には、レーザダイオードからなるレーザ光源13、このレーザ光源13から出射されたレーザ光を90°に立ち上げるミラー24、およびレーザ光源13の側方に形成された分割型のフォトダイオードからなる光検出器14が形成されている。
【0034】
図2において、回折型素子21は、その一方の面に回折格子210が形成され、この回折格子210は常光のみを回折し、異常光をそのまま通過させる。このような回折型素子21としては、後述する各種の素子を用いることができるが、ニオブ酸リチウムにプロトン交換を施したものを用いることもできる。
【0035】
このタイプの回折型素子21は周知のものであるため、詳細な説明を省略するが、複屈折性結晶基板であるニオブ酸リチウムの結晶板の表面に回折格子210が形成され、この回折格子210においては、複屈折性結晶板であるニオブ酸リチウムの結晶板の表面に、プロトンイオン交換領域が一定の幅および深さで格子状に形成されている。隣接するプロトンイオン交換領域の間にはプロトンイオンの交換が行なわれていない非プロトンイオン交換領域が残っている。この非プロトンイオン交換領域の表面には一定の厚さの誘電体膜、例えばSiO2の膜が形成され、プロトンイオン交換領域の表面はそのまま露出している。ここで、ニオブ酸リチウムの結晶板の表面では、プロトンイオン交換領域と非プロトンイオン交換領域とが交互に(周期的に)形成されている。結晶板のプロトンイオン交換領域は、非プロトンイオン交換領域に対して異常光に対する屈折率neが0.11程度増加し、逆に、常光に対する屈折率noは0.04程度減少する。
【0036】
ここで、異常光が回折作用を受けないようにするために、非プロトンイオン交換領域の表面には所定の厚さの誘電体膜が形成され、異常光がプロトンイオン交換領域および非プロトンイオン交換領域を通過する際に発生する位相差を相殺するようになっている。常光は、プロトンイオン交換領域を通過する際に位相が進む。しかし、非プロトンイオン交換領域を通過する際には相対的に位相が遅れ、さらにその表面に形成されている誘電体膜によって更に位相が遅れる。したがって、常光は回折型素子21を通過する際に位相差が発生して回折作用を受けることになる。これに対して、異常光成分は、いずれの領域を通過する際にも、受ける位相変化が同一であるので、回折作用を受けずにそのまま直進して通過する。
【0037】
このように構成した光ピックアップ装置1Aでは、基本的には、レーザ光源13からレーザ光が出射された後、回折型素子21を通過した直線偏光光を1/4波長位相差板12によって円偏光光に変換するとともに、光記録媒体5からの戻り光(円偏光)を1/4波長位相差板12によってレーザ光源13から出射された直線偏光光と90°異なる偏光方位の直線偏光光に変えることによって、回折型素子21は、戻り光をレーザ光源13とは異なる方向に設置された光検出器14に導く。
【0038】
[位相差板の構成]
このような原理は、光記録媒体5に複屈折性がない場合に問題なく成立するが、既に説明したように、光ピックアップ装置1Aに用いられる光記録媒体5は、基体が射出成形により製造されるときに、一般に樹脂が内周側から半径方向に流れるようになっているため、光記録媒体5は、図1に矢印Dで示すように、半径方向の複屈折性を有している。そこで、本発明では、この複屈折性の起因する検出感度の低下を防止するにあたって、以下に説明する2つの対策を施している。
【0039】
図4は、図2に示す光ピックアップ装置において、位相差板の位相差量および方位を変えたときの光記録媒体が有する複屈折量と光検出器で検出した信号の強度との関係を示すグラフである。図5は、図2に示す光ピックアップ装置において、後述する第1の対策を講じたときの効果を示す光記録媒体が有する複屈折量と光検出器で検出した信号の強度との関係を示すグラフである。図6は、図2に示す光ピックアップ装置において、上記第1の対策および後述する第2の対策を講じたときの効果を示す光記録媒体が有する複屈折量と光検出器で検出した信号の強度との関係を示すグラフである。
【0040】
まず第1の対策は、光記録媒体5の複屈折方向が実際にはいずれの方向にあるか不明であるとしても、光記録媒体5に半径方向の複屈折性があるものとして設計した姿勢で光源ユニット20を配置する。すなわち、光源ユニット20は、光レーザ光源13から出射されるレーザ光の偏光方向が、光記録媒体5の半径方向に対して45°を向くように配置される。また、回折型素子21は、光源ユニット20上に配置された光検出器14の受光位置にあった向きに配置する。次に、位相差板12については、光記録媒体5が有する複屈折量を0から1/4波長まで変化させたときに(複屈折量が0から1/4波長の範囲で存在すると判断し)、その間に検出器14が検出する信号強度のピークが出現するように、位相差板12の位相差Φおよび方位θを設定する。
【0041】
このような条件に位相差板12の位相差Φおよび方位θを設定するにあたって、以下に示す各試料
試料1 位相差板12の位相差Φ=90°、方位θ=45°
試料2 位相差板12の位相差Φ=98.4°、方位θ=45°
試料3 位相差板12の位相差Φ=120°、方位θ=45°
試料4 位相差板12の位相差Φ=90°、方位θ=55.4°
試料5 位相差板12の位相差Φ=90°、方位θ=70°
試料6 位相差板12の位相差Φ=98.4°、方位θ=55.4°
の位相差板12を用いて信号強度を計測した。
【0042】
これらの試料を用いて、光記録媒体5が有する複屈折量を0から3/4波長分まで変えたときの信号強度を計測した結果を図4に示す。ここで、各試料1〜6の各データを、図4にはそれぞれ線L1〜L6で示す。
【0043】
この図4に示す結果から明らかなように、位相差板12の位相差Φおよび方位θを変えれば、光記録媒体5が有する複屈折量と信号強度との関係が変化する。
【0044】
但し、図4に試料2、3の特性を線L2、L3で示すように、従来例に相当する試料1(その特性を図4に線L1で表わす。)を基準にして、位相差板12の方位θを45°に設定したまま位相差板12の位相差Φだけを90°から98.4°、120°と変えた場合には、光記録媒体5が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に信号強度のピークは出現しないことがわかる。
【0045】
また、図4に試料5の特性を線L5で示すように、従来例である試料1を基準にして、位相差板12の位相差Φを90°に設定したまま位相差板12の方位θを70°に変えた場合には、光記録媒体5が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に信号強度のピークは出現するものの信号強度は低くなる。
【0046】
これに対して、図4に試料4の特性を線L4で示すように、従来例である試料1を基準にして、位相差板12の位相差Φを90°に設定したまま位相差板12の方位θを55.4°に設定した場合には、光記録媒体5が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に信号強度のピークが出現し、かつ、高い信号強度が得られる。
【0047】
また、図4に試料6の特性を線L6で示すように、従来例である試料1を基準にして、位相差板12の方位θを55.4°に設定し、位相差板12の位相差Φを98.4°に設定した場合には、光記録媒体5が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に信号強度のピークが出現し、かつ、信号強度も高い。しかも、試料6では、光記録媒体5について最も可能性が高いと見込まれている複屈折性が1/8波長の位置において信号強度のピークを示す。それ故、この試料6に相当するように光ピックアップ装置1Bを構成すると、図5に、従来例である試料1のデータ、および本発明の最適な実施例である試料6のデータを比較して示すように、光記録媒体5の複屈折性が0から1/2波長に至るまでの間において信号強度にピークが出現するので、光記録媒体5の複屈折率が0から1/2波長までの範囲よりも狭い条件範囲内で、光記録媒体5が複屈折性を有していることに起因するエラー発生を防止することができるようになる。
【0048】
尚、上記のように、光記録媒体5が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に信号強度のピークが出現し、かつ、信号強度も高い範囲は、位相差板12の方位θを50°から60°の範囲に設定した範囲であり、位相差板の位相差は、90度を中心に約20度の範囲に設定した場合である。
【0049】
但し、このように構成した光ピックアップ装置1Aであっても、図4に示すように、光記録媒体5の複屈折性が1/2波長から3/4波長まで変化していく間に信号強度が0となる条件がある。一般的には、光記録媒体5の複屈折率は、0から1/4波長までの範囲にあると考えられるが、光記録媒体5の複屈折性が1/2波長から3/4波長までの間であったとしても対応できるようにするためには、以下の対策をとればよい。
【0050】
本発明における第2の対策は、偏光分離素子として用いた回折型素子21を、偏光方向が互いに直交する方向を向くs偏光光(第1の直線偏光光)およびp偏光光(第2の直線偏光光)を含む戻り光からs偏光光およびp偏光光を一定の割合をもって光検出器14に向けて分離するような部分偏光性を有するように構成することである。
【0051】
すなわち、回折型素子21において、s偏光光に対する透過率および回折率をTsおよびRsとしたとき、s偏光光に対する透過率Tsと回折率Rsとの比が0:1であったものを、s偏光光に対する透過率Tsと回折率Rsとの比を0.5:0.5とする。逆にいえば、p偏光光に対する透過率および回折率をTpおよびRpとしたとき、p偏光光に対する透過率Tpと回折率Rpとの比が1:0であったものを、p偏光光に対する透過率Tpと回折率Rpとの比を0.5:0.5とする。
【0052】
例えば,光ピックアップ装置の偏光分離素子として、図10および図11に示すように、キュービックプリズムからなる偏光ビームスプリッタ11を用いた場合には、s偏光光に対する透過率および反射率をTsおよびRsとしたとき、s偏光光に対する透過率Tsと反射率Rsとの比を0.5:0.5とする。逆にいえば、p偏光光に対する透過率および反射率をTpおよびRpとしたとき、p偏光光に対する透過率Tpと反射率Rpとの比を0.5:0.5とする。
【0053】
なお、透過率Tと反射率Rとの比は、0.5:0.5というように同等とすることが好ましいが、同等でなくても設計の必要性に応じて一定の割合、即ち、双方がほぼ0.3以上を確保するようにするのがよい。
【0054】
従って、本形態の光ピックアップ装置1Aでは、図6に実線L7で示すように、光記録媒体5の複屈折性に起因して、回折型素子14に入射する戻り光にs偏光光およびp偏光光の双方が含まれており、これらの偏光光の一部がそれぞれ光検出器14で入射する。従って、戻り光に含まれる偏光光が、例えば、全てs偏光光である場合には、ある程度、信号強度のレベルが抑えられることになる代わりに、光記録媒体5が有する複屈折性によって、戻り光に含まれる偏光光が全てp偏光光であっても、ある程度の強度をもって信号を検出することができる。ここで、光ピックアップ装置1Aとしては、戻り光を検出する際に、検出した信号強度がある程度高ければ問題はない。
【0055】
従って、本形態では、従来であれば信号強度が0になるような条件下でも、ある程度高いレベルで信号検出をすることができる。それ故、光記録媒体5が複屈折性を有していることに起因して、戻り光にp偏光光しか含まれていなかった場合でも、回折型素子21の部分偏光性によって、あるレベル以上の信号を常に検出することができる。それ故、光記録媒体5がどのような複屈折性を有していても、信号検出を確実に行うことができる。
【0056】
[その他の実施の形態]
前記の実施例では、偏光分離素子としての回折型素子21と位相差板12とが別体のものを用いたが、図7(A)に示すように、回折型素子21、あるいは図10および図11に示すキュービックプリズム状の偏光ビームスプリッタ11などの偏光分離素子が、位相差板12と一体となった複合光学素子25を用いてもよい。このように構成すると、回折型素子21あるいはキュービックプリズム状の偏光ビームスプリッタ11と、位相差板12とを複合光学素子25として扱えばよいので、光ピックアップ装置の組立作業の高効率化、回折型素子21の複屈折方向と位相差板12の方位との調整作業の高効率化、部品の小型化を図ることができるこのような複合光学素子25を形成するにあたっては、回折型素子21などの偏光分離素子、および位相差板12をそれぞれ別体に形成した後、接着剤で貼り合わせる方法がある。
【0057】
また、以下に説明するように、回折型素子21、あるいはキュービックプリズム状の偏光ビームスプリッタ11に、位相差板12を形成して複合光学素子25を形成すれば、光ピックアップ装置の組立作業の高効率化、回折型素子21の複屈折方向と位相差板12の方位との調整作業の高効率化、部品の小型化に加えて、部品コストの低減も図ることができる。
【0058】
このような複合光学素子25を製造するには、たとえば、図7(B)、(C)に示すように、回折型素子21の両面のうち、回折格子210が形成されている側とは反対側の面21bに、誘電体膜121を斜め蒸着し、この誘電体膜121によって位相差板12を形成する。この場合には、回折型素子21の法線方向Hに対して所定の角度をなす矢印Aの方向から五酸化タンタル、酸化タングステン、三酸化ビスマス、酸化チタンなどの無機酸化物を斜め蒸着する。このように成膜した誘電体膜からなる複屈折膜121は、たとえば法線方向Hと複屈折膜の結晶軸とがなす角度を、たとえば70°に設定し、膜厚を調整することにより、斜め蒸着された複屈折膜121が1/4波長位相差板21としての光学作用を果たす。また、法線方向Hと複屈折膜の結晶軸とがなす角度、および膜厚を調整すれば、1/4波長板用にかぎらず、各種の位相差板21を形成することができる。この場合の位相差量は蒸着した膜厚によって制御でき、方位は蒸着方向によって制御できる。
【0059】
また、位相差板12を回折型素子21に対して形成するには、誘電体膜の斜め蒸着に変えて、ポリジアセチレン誘導体膜を用いてもよい。この場合には、たとえば、図8(A)に示すように、回折型素子21の裏面側に対して、たとえばPET膜(ポリエチレンテレフタレート膜)125、あるいはポリイミド膜を所定の厚さとなるように塗布した後、ポリエステルなどの繊維によってラビング処理を施す。次に、PET膜125の表面に、真空蒸着法によって複屈折性を有するポリジアセチレン誘導体膜122を形成する。ここで、ポリジアセチレン誘導体膜122は、図8(A)から分かるように、PET膜125に対するラビング方向に従って、X−Y平面内で配向されており、主鎖方向(配向方向)は矢印YHで示すようにY軸方向になっている。このように成膜されたポリジアセチレン誘導体膜122は複屈折性を有しており、配向方向YHの屈折率(ne)と配向方向YHに垂直な方向YIの屈折率(no)とは異なる。ここで、ポリジアセチレン誘導体膜5の膜厚dは、たとえば、下式
2πΔnd/λ=π/2
を満たすように決定すれば、1/4波長位相差板12を形成できる。
【0060】
なお、上式において、λ、Δnは、それぞれ、ポリジアセチレン誘導体膜5に入射する光の波長、異常光と常光の屈折率差(ne−no)である。異常光とはポリジアセチレン誘導体膜5の配向方向YHに振動する偏光であり、常光とはポリジアセチレン誘導体膜5の配向方向YHに垂直な方向YIに振動する偏光である。
【0061】
このようなポリジアセチレン誘導体膜122では、図8(B)に示すように、Y’−Z’平面内でY’軸方向に振動しながら進行する直線偏光に対してポリジアセチレン誘導体膜5の配向方向YHがX’−Y’平面内においてY’軸に対して45度の方向になるように傾けて配置すると、位相差板12に入射した直線偏光は、配向方向YHの成分と配向方向YHに垂直な成分のと間に1/4波長の位相差が生じて、円偏光として出射される。この円偏光が光記録媒体で反射されて再びポリジアセチレン誘導体膜122を通過すると、最初に入射した直線偏光と90度振動方向が異なる直線偏光として出射される。すなわち、本例の位相差板12は1/4波長板としての機能を果たす。また、膜厚を調整すれば、各種の位相差板を形成することもできる。このように形成した位相差板12では、方位をラビング方向で制御でき、かつ、位相量を膜厚で制御することができる。
【0062】
さらに、回折型素子15を形成するにあたってもポリジアセチレン誘導体膜を用いてもよい。この場合には、まず、図9(A)に示すように、位相差板12の裏面側に、たとえばPET膜(ポリエチレンテレフタレート膜)212、あるいはポリイミド膜を所定の厚さとなるように塗布した後、ポリエステルなどの繊維によってラビング処理を施す。次に、図9(B)に示すように、PET膜212の表面にジアセチレンモノマーを真空蒸着し、しかる後に紫外線を照射して重合させることにより、ポリジアセチレン誘導体膜213を形成する。このとき、ポリジアセチレン誘導体膜213は、PET膜212のラビング方向に沿って自発配向する。次に、図9(C)に示すように、ポリジアセチレン誘導体膜213の表面に、遮光マスク214を配置する。この遮光マスク214は、クロムなどといった紫外線遮断特性のある素材から形成され、微細な周期格子パターンが紫外線透過部分214aとして形成されている。遮光マスク214を配置した後は、その表面側から、強度の高い紫外線215を照射する。その結果、照射した光は、遮光マスク214の紫外線透過部分214aを透過するので、ポリジアセチレン誘導体膜213の表面は、遮光マスク214に形成されている微細な周期格子パターンに対応した領域が露光される。ここで、ポリジアセチレン誘導体膜213は着色していたものが、紫外線215が照射されると、その照射部分は分解して透明化する。また、紫外線215が照射された領域は、複屈折性が消失して、着色している部分における常光屈折率とほぼ等しい屈折率を有する等方性になる。従って、透明部分の膜厚と着色部分の膜厚が等しければ、完全偏光性の回折格子となる。
【0063】
ここで、紫外線照射量を調整すると、透明部分(紫外線が照射された領域)は、収縮して着色部分(紫外線が照射されない領域)よりも薄くなる。その結果、図9(D)に示すように、凸部213cと凹部213bとによって周期格子が形成される。従って、常光入射によっても、表面の段差によって回折が生じるので、完全な偏光特性とならず、部分偏光性をもつ回折型素子21となる。
【0064】
このように形成した回折型素子21では、紫外線照射量を調整することによって、完全な偏光性にすることも、部分偏光性にすることも可能である。また、常光に対する回折特性を変更するときも、プロセスの条件変更で対応できる。さらに、エッチングなどのプロセスを用いずに、露光パターンを変えるだけで、非常に微細な回折格子を形成することができるので、安価、かつ、光学系のレイアウトの設計自由度の高い格子型素子21を製造することができる。
【0065】
なお、上記形態では、偏光分離素子としての回折型素子21を用いた光ピックアップ装置1Aを例に説明したが、図9および図10に示すように、キュービックプリズム状の偏光ビームスプリッタ11を偏光分離素子として用いた光ピックアップ装置1Bに本発明を適用してもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ピックアップ装置では、位相差板の方位を必ずしも光記録媒体の複屈折性の方向に合わせることを前提にせず、光記録媒体が有する複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に光検出器での信号強度のピークが出現するように位相差板の位相差および方位を設定している。
【0067】
また、レーザ光源から出射されたレーザ光に対して50度から60度の方位となる位相差板を通して上記光記録媒体に照射するようにしている。
【0068】
また、上記レーザ光源からの出射光の偏光方向を、上記光記録媒体の半径方向に対して45°を向くように配置するとともに、前記位相差板の方位を、方位45度に対して、約5度から15度の範囲でずらせるようにしている。
【0069】
従って、本発明では、光記録媒体が有する複屈折量が0から1/4波長までの間であれば、光記録媒体が有する複屈折性の方向に位相差板の方位が向いていなくても、記録媒体からの戻り光を高い強度で検出できるので、有効光量の高い光ピックアップ装置を構成することができる。また、光記録媒体の複屈折性が実際にいずれの方向に向いているかにかかわらず、設計面などからみて最適な状態に光源を配置しておける。よって、光源と検出器とが一体化した光ピックアップ装置などにおいても、光記録媒体が有する複屈折性を吸収して安定した信号検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ピックアップ装置の偏光分離素子として回折型素子を用いた光ディスクドライブ装置において、その要部の平面的な配置を模式的に示す説明図である。
【図2】図1に示す光ディスクドライブ装置に用いた光ピックアップ装置の光学系の配置を模式的に示す説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、図2に示す光ピックアップ装置に用いた光源ユニットの外観を示す斜視図、およびその内部構造を示す平面図である。
【図4】図2に示す光ピックアップ装置において、位相差板の位相差量および方位を変えたときの光記録媒体が有する複屈折量と光検出器で検出した信号の強度との関係を示すグラフである。
【図5】図2に示す光ピックアップ装置において、第1の対策を講じたときの効果を示す光記録媒体が有する複屈折量と光検出器で検出した信号の強度との関係を示すグラフである。
【図6】図2に示す光ピックアップ装置において、第1の対策および第2の対策を講じたときの効果を示す光記録媒体が有する複屈折量と光検出器で検出した信号の強度との関係を示すグラフである。
【図7】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、位相差板と回折型素子とを一体化した複合光学素子を用いた光ピックアップ装置の光学系の要部を示す説明図、この複合光学素子の構成を示す説明図、およびこの複合光学素子を製造するために誘電体膜を斜め蒸着する様子を示す説明図である。
【図8】(A)、(B)はそれぞれ、ポリジアセチレン誘動体膜を用いた位相差板と回折型素子とを一体化した複合光学素子の構成を示す説明図、およびこの位相差板の原理を示す説明図である。
【図9】(A)、(B)、(C)、(D)はいずれも、位相差板に対して、ポリジアセチレン誘導体膜を用いた部分偏光性の回折型素子を形成して複合光学素子を製造するための工程断面図である。
【図10】光ピックアップ装置の偏光分離素子としてキュービックプリズム状の偏光ビームスプリッタを用いた光ディスクドライブ装置において、その要部の平面的な配置を模式的に示す説明図である。
【図11】図10に示す光ディスクドライブ装置に用いた光ピックアップ装置の光学系の配置を模式的に示す説明図である。
【図12】(A)は、光ピックアップ装置に構成した光学系の展開図、(B)ないし(D)はそれぞれ光記録媒体自身が有する往復の複屈折量と光の偏光状態を模式的に示す説明図である。
【図13】従来の光ピックアップ装置において、光記録媒体の半径方向における位置と、そこから光検出器で検出される信号の強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1A、1B 光ピックアップ装置
5 光記録媒体
11 偏光ビームスプリッタ偏光分離素子)
12 位相差板
13 レーザ光源
14 光検出器
16 対物レンズ
20 光源ユニット
21 回折型素子(偏光分離素子)
25 複合光学素子
121 斜め蒸着した複屈折膜
122、213 ポリジアセチレン誘動体膜

Claims (13)

  1. レーザ光源からの出射光および光記録媒体からの戻り光の偏光状態を変換する位相差板と、前記出射光および前記戻り光の偏光状態に基づいて前記レーザ光源から前記光記録媒体に向かう光軸上から前記戻り光を分離して光検出器に導く偏光分離素子とを有する光ピックアップ装置において、
    前記光記録媒体が有する複屈折量と前記検出器が検出する信号強度との関係を計測したときに当該複屈折量が0から1/4波長まで変化する間に前記信号強度のピークが出現するように、前記位相差板の位相差および異方軸の方向を設定してなり、
    前記偏光分離素子は、偏光方向が互いに直交する方向を向く第1の直線偏光光および第2の直線偏光光を含む戻り光から当該第1および第2の直線偏光光のいずれをも一定の割合をもって前記光検出器に向けて出射する部分偏光性を有していることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. レーザ光源からの出射光および光記録媒体からの戻り光の偏光状態を変換する位相差板と、前記出射光および前記戻り光の偏光状態に基づいて前記レーザ光源から前記光記録媒体に向かう光軸上から前記戻り光を分離して光検出器に導く偏光分離素子とを有する光ピックアップ装置において、
    前記位相差板は、前記レーザ光源から出射されたレーザ光に対して50度から60度の方位となるように設定されており、
    前記偏光分離素子は、偏光方向が互いに直交する方向を向くs偏光光およびp偏光光の直線偏光光を含む戻り光から前記s偏光光およびp偏光光を一定の割合をもって前記光検出器に向けて分離する部分偏光性を有していることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 請求項2において、前記s偏光光に対する透過率および回折率をそれぞれTsおよびRsとしたときに、前記s偏光光に対する透過率Tsおよび回折率Rsの双方を略0.3以上とするとともに、前記p偏光光に対する透過率および回折率をそれぞれTpおよびRpとしたときに、前記p偏光光に対する透過率Tpおよび回折率Rpの双方を略0.3以上としたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 請求項3において、前記s偏光光に対する透過率Tsと回折率Rsとの比を略0.5:0.5とするとともに、前記p偏光光に対する透過率Tpと回折率Rpとの比を略0.5:0.5とすることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれかにおいて、前記位相差板の位相差を、90度を中心に約20度の範囲内に設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. レーザ光源からの出射光および光記録媒体からの戻り光の偏光状態を変換する位相差板と、前記出射光および前記戻り光の偏光状態に基づいて前記レーザ光源から前記光記録媒体に向かう光軸上から前記戻り光を分離して光検出器に導く偏光分離素子とを有する光ピックアップ装置において、
    前記レーザ光源からの出射光の偏光方向を前記光記録媒体の半径方向に対して45度を向くように配置するとともに、前記位相差板の方位を45度に対して約5度から約15度の範囲内でずらし、
    前記偏光分離素子は、偏光方向が互いに直交する方向を向く第1の直線偏光光および第2の直線偏光光を一定の割合をもって前記光検出器に向けて分離するような部分偏光性を有していることを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求項6において、前記位相差板の位相差を略90度に設定するとともに、前記位相差板の方位を50度から60度の範囲内に設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 請求項7において、前記位相差板の方位を約55度に設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 請求項6において、前記位相差板の位相差を90度を中心にして約20度の範囲内に設定するとともに、前記位相差板の方位を50度から60度の範囲内に設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  10. 請求項9において、前記位相差板の方位を約55度に設定したこと を特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかにおいて、前記偏光分離素子は回折型素子であり、該回折型素子の回折格子は、ポリジアセチレン誘導体膜によって形成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかにおいて、前記位相差板は、斜め蒸着した誘電体膜およびポリジアセチレン誘導体膜のうちのいずれかによって形成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかにおいて、前記偏光分離素子は前記位相差板と一体に形成されており、前記レーザ光源および前記光検出器は、光源ユニットとして一体化されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
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