JP3833353B2 - シリコーン系粘着剤保護用離形フィルム - Google Patents

シリコーン系粘着剤保護用離形フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離形フィルムに関し、さらに詳しくはシリコーン粘着剤層を保護し、離型層を形成する硬化物が粘着剤層へ転写されることがなく、かつ良好な離形性を有する離形フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
耐熱性工業用テープとして、フッ素系基材にシリコーン系粘着剤を組合せたものが上市されている。かかるテープは、フッ素系基材自体にシリコーン系粘着剤に対する離形性があるため離形剤を新たにコーティングすることが不要な簡便な理想的な粘着テープである。しかし、フッ素系基材が高価であり汎用的ではない。
【0003】
フッ素系基材に代えて、従来から知られている安価なフィルム(例えば、ポリエステルフィルム)を基材に使用することが試みられている。しかし、これらのフィルムの多くはフィルム自身に離形性がないために、シリコーン系粘着剤に対する離型層を新たに設ける必要がある。さらに、一般的に広く用いられている硬化型シリコーン離形剤は、シリコーン系粘着剤に対して効果がない。非シリコーン系離形剤としてワックス、ポリビニルカーバメイト等が知られているが良好な剥離特性が得られない問題がある。
【0004】
近年、シリコーン系粘着剤に対し優れた剥離特性を示すフッ素含有シリコーン離形剤が適用されつつあるがコストが高い欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を改良し、シリコーン系粘着剤に対し適度の力で剥離が可能でかつ安価なシリコーン系粘着剤保護用離形フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、式(1)で表わされるフッ素系シラン化合物層を設けてなるシリコーン系粘着剤保護用離形フィルムである。
【0007】
【化2】
CF3(CF2)nCH2CH2Si(OX)3 (1)
(上記式中、Xは低級アルキル基、nは0〜10の数を表わす。)
【0008】
本発明の離形フィルムの基材フィルムには、ポリエステルフィルムを使用する。透明性が要求される用途には透明性の良好なポリエステルフィルムを用いることが好ましく、特に二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。また、遮光性が要求される用途には無機顔料を配合したポリエステルフィルムを用いることが好ましく、特にTiO2、SiO2の如き顔料を配合した二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。
【0009】
かかるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とからなる結晶性の線状飽和ポリエステルであって、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらの中、ポリエチレン−2,6−ナフタレートまたはポリエチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
また、ポリエステルには、上記以外の改良剤を配合することもできる。
【0010】
本発明において用いられるポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の温度(但し、Tm:ポリエステルの融点)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、40〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で縦方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、横方向2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、必要に応じて180〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造できる。フィルムの厚みは5〜250μmの範囲が好ましい。
【0011】
かかるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、フッ素系シラン化合物層を設ける。
フッ素系シラン化合物としては、下記式(1)で表わされる化合物である。
【0012】
【化3】
CF3(CF2)nCH2CH2Si(OX)3 (1)
(上記式中、Xは低級アルキル基、nは0〜10の数を表わす。)
【0013】
式(1)中、Xがメチル基またはエチル基であることが好ましく、nが0〜7であることが好ましい。
【0014】
かかるフッ素系シラン化合物を、数%のアルコール(例えばメタノール、エタノール)で希釈した塗液を、乾燥後の塗膜厚みが0.01〜0.2μmの範囲になる量基材フィルム表面に塗布する。
【0015】
乾燥後の塗膜厚みが0.01μm未満であると有効な剥離特性が示せない。他方、0.2μmを超えると離形フィルムの耐ブロッキング性が低下する。
【0016】
本発明においてはポリエステルフィルムの少なくとも片面に、フッ素系シラン化合物からなる離形層を設けるが、ポリエステルフィルムと離型層の接着性を高めるため、両者の間にアンカーコート層を設けることができる。
【0017】
かかるアンカーコート層としては、(1)シランカップリング剤層、(2)SiOX蒸着層、あるいは(3)SiOX湿式膜を好ましく用いることができる。
【0018】
(1)シランカップリング剤としては、一般式Y−Si−X3で示されるものを挙げることができる。ここで、Yはアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、またはメルカプト基等で代表される官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基を示す。アンカーコート層の厚みは0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.02〜2μmの範囲であることが特に好ましい。アンカーコート層の厚みが上記の範囲内であると、フッ素系シラン化合物層とポリエステルフィルムの密着性が良好となり、またアンカーコート層を設けたフィルムがブロッキングし難いためフィルムを取り扱う際に支障が生じ難い利点がある。
【0019】
(2)SiOX蒸着層をポリエステルフィルム表面に設ける方法としては、SiOを蒸着源とした真空蒸着法、SiO2基板をターゲットに用いたスパッター法、あるいはオルガノシロキサンを出発原料としたプラズマCVD法などが挙げられる。これらの方法の中、SiOを蒸着源とした真空蒸着法がコスト面で優れるので好ましい。
【0020】
また、SiOX層の形成は、単独の方法で実施してもよいし、2種以上の方法を併用して実施してもよい。
【0021】
かかるSiOX層の厚みは、40〜100nmの範囲が好ましく、50〜80nmの範囲がさらに好ましい。厚みが40nm未満であると効果が低く、他方、100nmを超えるとSiOX層の剛性が増し、離形フィルムを屈曲した際、ポリエステルフィルムから剥離しやすくなる。
【0022】
(3)SiOX湿式膜をポリエステルフィルム表面に設ける方法としては、Si(OC25)4のアルコール溶液を塗布・乾燥させる方法、あるいはポリシラザンの有機溶剤溶液を塗布・乾燥させる方法などが挙げられる。
【0023】
前述のフッ素系シラン化合物層、およびアンカーコート層(シランカップリング剤層またはSiOX湿式膜層)をポリエステルフィルム表面に形成させる方法としては、任意の公知の方法を用いることができる。例えば、各々の化合物を含む塗液を調製し、ポリエステルフィルム表面に塗布・乾燥する方法が好ましく挙げられる。この場合の塗布方法としてはバーコート法、ドクターブレード法、リバースロールコート法またはグラビアロールコート法等の従来から知られている方法が利用できる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳述する。なお、実施例中に「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明における物性値及び特性値は、下記の方法にて測定した。
【0025】
1.剥離強度
フィルムの離形層面にポリエステル粘着テープ(ニットー336)を貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着し20時間放置後、離形層と粘着テープとの剥離力を引張り試験機にて測定した。
【0026】
2.残存接着率
ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f0)とした。また、前記ポリエステル粘着テープをサンプルフィルムの離形層塗設面に貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着し30秒間放置した後粘着テープを剥がした。そして、この剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼合部の剥離力を測定し残留接着力(f)とした。得られた基礎接着力と残留接着力とから下記式を用いて残留接着率を求めた。
【0027】
【数1】
残留接着率(%)=(f/f0)×100
【0028】
[実施例1]
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、エステル交換触媒として酢酸カルシウム1水塩0.028部及び酢酸マグネシウム4水塩0.043部を反応器に仕込み、内温を145℃から徐々に上げながらエステル交換反応を行った。なお、エステル交換反応時の内温が190℃になった時点で平均粒径0.1μmの二酸化ケイ素の10wt%エチレングリコールスラリー0.03部を添加した。エステル交換反応率が95%となった時点で、安定剤としてトリメチルフォスフェート0.014部を添加し、さらに重合触媒としてテトラブチルチタネート0.03部を添加した。次いで、反応生成物を重合反応器に移し、高温真空下(最終内温290℃)にて重縮合反応を行い、固有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリエチレンテレフタレートを常法に従って溶融押出し、急冷して厚さ138μmの未延伸フィルムを作成し、次いで該未延伸フィルムを縦方向に90℃で3.4倍、横方向に120℃で4.0倍の逐次二軸延伸を行い、さらに220℃で30秒間熱固定を行って、厚さ25μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。
【0029】
この二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に高周波誘導加熱法を用いて、SiOXを蒸着した。水晶振動子により該層厚を測定したところ70nmであった。
【0030】
このSiOX層の表面に、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(東芝シリコーン(株)製、TSL8233)のメタノール2%溶液を塗布量(wet)8g/m2で塗布し、130℃、1分間の条件で乾燥、硬化処理して離形フィルムを得た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0031】
[実施例2]
ポリエチレンテレフタレートの代わりに、固有粘度0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレートを用いるほかは実施例1と同じ方法で離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0032】
[実施例3]
SiOX層を設けない以外は実施例1と同じ方法で離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0033】
[比較例1]
ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン層を設ける代わりに、ポリジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランの混合溶液に白金触媒を加えて付加反応させるタイプの硬化型シリコーン(信越シリコーン(株)製KS−847(H))をメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合溶剤中に溶解させたシリコーン樹脂塗液を塗布量(wet)8g/m2で塗布し、130℃、30秒の条件で乾燥、硬化処理して塗膜厚み0.24μmの離形フィルムを得た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0034】
[比較例2]
実施例3においてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン層を設ける代わりに、比較例1と同じ硬化型シリコーンを設けた。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003833353
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、シリコーン系粘着剤層に対し、適度の力で剥離が可能でかつ安価な離形フィルムを得ることができる。この離形フィルムはシリコーン系粘着剤を用いた工業用テープの離形フィルムとして極めて有用である。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、式(1)で表わされるフッ素系シラン化合物層を設けてなるシリコーン系粘着剤保護用離形フィルム。
    【化1】
    CF(CF)CHCHSi(OX) (1)
    (上記式中、Xは低級アルキル基、nは0〜10の数を表わす。)
  2. 式(1)中のXがメチル基またはエチル基、かつnが0〜7の数である請求項1記載の離形フィルム。
  3. ポリエステルフィルムが、ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムである請求項1記載の離形フィルム。
  4. ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1記載の離形フィルム。
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