JP3832889B2 - 多層式ディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多層式ディスクに関し、特に、データを記録するデータトラックが螺旋状で記録層が複数層配置されており、読み出しヘッドが1つでデータをディスクの片側から読み出す方式の多層式ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでの記録媒体といえば、磁気テープを利用した音響用のコンパクトカセットや、映像記録用のビデオカセット等が知られている。しかしながら、これらの記録媒体に記録されるデータはランダムアクセスができない上に、記録されたデータがアナログ情報であったので、再生データにノイズが含まれたり、コピーを行うとデータが劣化したり、長期間の保存でデータが劣化する等の不具合があった。
【0003】
そこで、記録媒体として、データをディジタル信号に変換してディスク上のデータトラックに記録しておき、このデータトラックにレーザビームを照射して、その戻り光を利用して読み出しを行うことができる光ディスクが実用化されている。この光ディスクでは、光ディスクのデータトラック上にピットと呼ばれる凹部または凸部を列状に形成してデータを記録しておき、ピットの有無をデータの「1」か「0」に対応させ、レーザビームをこのピットに照射してその反射光を利用して読み出しを行っており、再生専用である。このような光ディスクの代表的な例としては音楽用としてのCD(コンパクト・ディスク)や映像用としてのLD(レーザー・ディスク)などがあり、更には、小型で映像用のDVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)の開発も進んでいる。このようなCDや長時間記録用のLD、及びDVDでは、ディスクの内周部から外周部にかけて螺旋状にデータが連続して記録されており、データ読み出し時の線速度は一定(CLV)である。
【0004】
また、近年、記録媒体にレーザビームと磁気でデータを記録し、このデータをレーザビームを用いて読み出すことができる光磁気ディスクも実用化されている。このような光磁気ディスクの代表的な例としてはMD(ミニ・ディスク)や、コンピュータの外部メモリ用として使用されている光磁気ディスクが知られている。MDもCLVであり、データは内周部から外周部にかけて螺旋状にデータが連続して記録されている。
【0005】
一方、CDのような光ディスクは片面にのみデータが記録される仕様なので、記録容量を増大させるためには、ディスク上の記録媒体の記録密度を上げる他に、ディスク上の記録層を多層にする方法がある。多層ディスクとしては、DVDの2層式タイプ等が考えられるが、将来は3層以上の多層式ディスクも可能である。
【0006】
ところで、光ディスクに記録されるデータの種類は主として以下の3つに大別することができる。
(1)音楽や映画のように完全に連続したデータ
(2)辞書のように全く連続性がないデータ
(3)地図やゲームのように所定単位の連続性があるデータ
このような3種類のデータを前述の多層式ディスクに記録しておき、1つのヘッドを用いてディスクの片側から読み出す場合、(1)のデータの場合は、各記録層の最内周部から最外周部にかけてデータを記録しておけば、各記録層の境の部分以外はデータが連続しているので、ヘッドはこの境界部において大きく移動する以外はデータをスムーズに読み出せる。また、(2)のデータの場合は、検索指定されるデータに連続性がなく、ヘッドは検索指定されたデータに応じて各記録層の所定の部位に移動するので、(2)のデータは(1)のデータの場合と同様に、各記録層の最内周部から最外周部にかけてデータを記録しておいても何ら問題はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、地図やゲームのように所定単位の連続性があるデータの場合は、所定単位のデータを各記録層の最内周部から最外周部にかけて順番に記録しておくと、検索指定されたデータの順番によっては、ヘッドの移動量が大きかったり、ヘッドがディスクの最内周部と最外周部とを何度も往復する確率が高く、アクセス性能の高い再生装置が必要となって、再生装置のコストが増大する恐れがある。
【0008】
この課題を図9(a) に示す所定単位のデータが表示装置の画面に表示できる地図の単位である場合を例にとって説明する。
図9(a) に示すように、所定の地域の地図Mがこれを表示させる表示装置の画面の大きさの制約によって9つデータ単位に分割されていたとする。そして、分割された各地域m1〜m9のデータ単位▲1▼〜▲9▼のディスクへの記録順が、▲1▼〜▲9▼の番号の順に、ディスクの或る記録層の内周側から外周側に向かって図9(b) のようになっていたとする。今、地図の検索者が地域m5(データ単位番号▲5▼)の地図を画面に表示させており、次に、地域m5の地図に隣接する地域m9(データ単位番号▲9▼)の地図を画面に表示させようとする場合、ヘッド5の移動距離は、ディスクの内周側から外周側に向かって、図9(b) に示すように、4つのデータ単位分となり、アクセス時間が長くなっていた。
【0009】
そこで、本発明は、地図やゲームのように所定単位の連続性があるデータを多層式ディスクに記録しておいて1つのヘッドでディスクの片側から読み出す場合に、上下に隣接する記録層へのデータ単位の記録順を工夫することにより、ヘッドのアクセス時間を短縮することができ、また、辞書のように全く連続性がないデータの検索においてもヘッドのアクセス時間を短縮することができる多層式ディスクを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明は、ディスクに複数の記録層を備え、各記録層のデータトラックが螺旋状に形成され、1つのデータ読み出し用ヘッドによってディスクの片側からのみデータが読み出される方式の読み出し専用多層式ディスクであって、この多層式ディスクに記録される総データが、記録層の半径方向のデータ量に大差無い単位で分断され、分断されたデータ単位が、第1層目の記録層から順番に最終層の記録層まで記録されており、これに続くデータ単位が最終層の記録層から逆の順番で第1層目の記録層まで記録されており、以後この記録順序が繰り返される規則性により、データ単位が分散されて各記録層に記録されていることを特徴とする多層式ディスクである。
各データ単位のデータ量が均一でない場合には、データ量の小さいデータ単位が同じ記録層に連続して記録されるという規則性により、データ単位が分散されて各記録層に記録される。
【0011】
また、前記目的を達成する本発明は、ディスクに複数の記録層を備え、各記録層のデータトラックが螺旋状に形成され、1つのデータ読み出し用ヘッドによってディスクの片側からのみデータが読み出される方式の読み出し専用多層式ディスクであって、この多層式ディスクに記録する総データが、データの一区切りをデータ単位として分断されており、分断されたデータ単位が、第1層目の記録層から順番に最終層の記録層まで記録されており、これに続くデータ単位が再び第1層目の記録層から順番に最終層の記録層まで記録されており、以後この記録順序が繰り返される規則性により、データ単位が分散されて各記録層に記録されており、各データ単位のデータ量が均一な場合には、データ単位が同じ記録層に1データ単位ずつ記録されるという規則性により、データ単位が分散されて前記各記録層に記録されており、各データ単位のデータ量が均一でない場合には、データ量の小さいデータ単位が同じ記録層に連続して記録されるという規則性により、データ単位が分散されて前記各記録層に記録されていることを特徴とする多層式ディスクである。
【0012】
本発明の多層式ディスクによれば、所定データ単位内ではデータが連続するようなデータを多層式ディスクに記録しておいて1つのヘッドでディスクの片側から読み出す場合に、所定データ単位を上下に隣接する記録層に分散して記録するようにしたことにより、所定データ単位を1つの記録層に連続して記録する場合に比べて、データを読み出すヘッドの移動量を少なくすることができ、ヘッドのアクセス時間が短縮される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例と共に詳細に説明する。なお、本発明が対象とする多層式ディスクは、データを記録するデータトラックが、螺旋状に形成されている読み出し専用の多層式ディスクである。
図1に示すように、多層式ディスクは、データを記録するデータトラックが螺旋状に形成されているディスク状の記録層が複数層、例えば、第1の記録層1、第2の記録層2、及び第3の記録層3のように3層、配置されて構成される多層式ディスク10である。データ読み出し用のヘッド5は1つであり、この多層式ディスク10の片側からのみデータを読み出す方式である。本発明では、この多層式ディスク10に記録する総データを所定単位毎に分断し、分断したデータ単位を、各ディスク状の記録層に、所定の規則性を持たせて分散させて記録するものである。
【0014】
図2(a) は多層式ディスクに記録すべき総データの一実施例を示すものである。そして、この総データが、例えば、所定単位毎に分断できるデータ単位A〜Zで構成されているものとする。
図2(b) は、図2(a) に示すようなデータ単位A〜Zから構成される総データを、2層式ディスクに20に書き込む場合の書き込み方法の一実施例を示す説明図である。この実施例では、所定単位で分断されたデータ単位A〜Zの最初のデータ単位Aを、まず第1の記録層1の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。続く2番目のデータ単位Bは、第2の記録層2の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録し、3番目のデータ単位Cは、再び第1の記録層1のデータ単位Aを記録した記録領域に隣接する記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。そして、以後同様に、残りのデータ単位D〜Zを順番に、第1の記録層1と第2の記録層2に交互に内周側から記録して行く。
【0015】
図2(c) は図2(b) のようにデータ単位A〜Zが記録された2層式ディスク20から、ヘッド5がデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す説明図である。なお、図2(c) の隣接するデータ単位の間には隙間が描かれているが、実際にはこの隙間はなく、隣接するデータ単位は連続して第1の記録層1または第2の記録層2に記録してある。ヘッド5がデータを連続して読み出す場合は、ディスク20の第1の記録層1の最内周部からデータ単位Aを先ず読み出し、次にヘッド5はディスクの最内周部まで戻り、焦点距離を変えて第2の記録層2の最内周部からデータ単位Bを読み出す。データ単位Bを読み出した後は、ヘッド5は移動することなく、その焦点距離を変えることによって第1記録層1のデータ単位Cを読み出すことができる。
【0016】
なお、図2(c) では、データ単位の配置を説明するために、2層式ディスクに記録したデータ単位を、ヘッド5が連続して読み出す場合について説明したが、地図やゲームのように所定単位の連続性があるデータの場合は、データ単位をヘッド5が全て連続して読み出す可能性は少ない。
図3(a) は、図2(a) に示すようなデータ単位A〜Zから構成される総データを、2層式ディスクに20に書き込む場合の書き込み方法の別の実施例を示す説明図である。この実施例では、所定単位で分断されたデータ単位A〜Zの最初のデータ単位Aを、まず第1の記録層1の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。続く2番目のデータ単位Bは、第2の記録層2の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録し、3番目のデータ単位Cは、第2の記録層2の最内周部の記録領域に隣接する記録領域に内周側から外周側に向かって記録し、4番目のデータ単位Dは、再び第1の記録層1のデータ単位Aを記録した記録領域に隣接する記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。そして、以後同様に、残りのデータ単位E〜Zを順番に、第1の記録層1と第2の記録層2に2データ単位ずつ内周側から記録して行く。
【0017】
図3(b) は図3(a) のようにデータ単位A〜Zが記録された2層式ディスク20から、ヘッド5がデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す図2(c) と同様の説明図である。ヘッド5がデータを連続して読み出す場合は、ディスク20の第1の記録層1の最内周部からデータ単位Aを先ず読み出し、次にヘッド5はディスクの最内周部まで戻り、焦点距離を変えて第2の記録層2の最内周部からデータ単位Bを読み出す。データ単位Bを読み出した後は、ヘッド5は続いて第2の記録層2の最内周部に隣接するデータ記録領域からデータ単位Cを読み出す。この後、ヘッド5は第1の記録層1の最内周部に隣接するデータ記録領域まで移動し、その焦点距離を変えることによって第1記録層1のデータ単位Dを読み出し、以後この動作を繰り返す。
【0018】
図4(a) は、図2(a) に示すようなデータ単位A〜Zから構成される総データを、3層式ディスク30に書き込む場合の書き込み方法の一実施例を示す説明図である。この実施例では、所定単位で分断されたデータ単位A〜Zの最初のデータ単位Aを、まず第1の記録層1の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。続く2番目のデータ単位Bは、第2の記録層2の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録し、3番目のデータ単位Cは、第3の記録層3の最内周部の記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。4番目のデータ単位Dは、再び第1の記録層1のデータ単位Aを記録した記録領域に隣接する記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。そして、以後同様に、残りのデータ単位E〜Zを順番に、第1の記録層1から第3の記録層3に向かって内周側から外周側に繰り返し記録する。
【0019】
図4(b) は図4(a) のようにデータ単位A〜Zが記録された3層式ディスク30から、ヘッド5がデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す説明図である。なお、図4(b) においても隣接するデータ単位の間に描かれている隙間は実際にはなく、隣接するデータ単位は連続して記録してある。
ヘッド5がデータを連続して読み出す場合は、3層式ディスク30の第1の記録層1の最内周部からデータ単位Aを先ず読み出し、次にヘッド5はディスクの最内周部まで戻り、焦点距離を変えて第2の記録層2の最内周部からデータ単位Bを読み出し、更に、ヘッド5はディスクの最内周部まで戻り、焦点距離を変えて第3の記録層3の最内周部からデータ単位Cを読み出す。データ単位Cを読み出した後は、ヘッド5は移動することなく、その焦点距離を変えることによって第1記録層1のデータ単位Dを読み出すことができる。ヘッド5は、以後以上のような読み出しを繰り返す。
【0020】
図5(a) は、図2(a) に示すようなデータ単位A〜Zから構成される総データを、3層式ディスクに30に書き込む場合の書き込み方法の別の実施例を示す説明図である。この実施例では、所定単位で分断されたデータ単位A〜Zの最初から3つのデータ単位A、B、及びCを、それぞれ第1の記録層1、第2の記録層2、及び第3の記録層3の最内周部の記録領域に、内周側から外周側に向かって記録する。続く4番目から6番目の3つのデータ単位D、E、及びFは、それぞれ逆に第3の記録層3、第2の記録層2、及び第1の記録層1の最内周部の記録領域に隣接する記録領域に内周側から外周側に向かって記録する。そして、以後同様に、残りのデータ単位G〜Zを順番に、第1の記録層1から第3の記録層3への方向と、第3の記録層3から第1の記録層1への方向の記録を繰り返しながら、1データ単位ずつ内周側から外周側に向かって記録して行く。
【0021】
図5(b) は図5(a) のようにデータ単位A〜Zが記録された3層式ディスク30から、ヘッド5がデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す図4(b) と同様の説明図である。ヘッド5がデータを連続して読み出す場合は、まず、図4(b) の再生順序と同様に、3層式ディスク30の第1の記録層1から第3の記録層3に向かって、それぞれの最内周部からデータ単位A、B、及びCを順に焦点距離を変えて読み出す。次に、ヘッド5は3層式ディスク30の第3の記録層3から逆に第1の記録層1に向かって、それぞれの最内周部に隣接する記録領域からデータ単位D、E、及びFを、焦点距離を変えて順に読み出す。ヘッド5は、以後以上のような読み出しを繰り返す。
【0022】
ここで、図2(a) で説明した総データが、図9(a) で説明した所定の地域の地図Mであり、地図Mが9つの地域m1〜m9に分割されており、分割された各地域m1〜m9のデータ単位▲1▼〜▲9▼を本発明の2層式ディスク20に記録する場合について、図2(b) 、図3(a) で説明した記録方法を例にとって、ヘッド5の本発明の2層式ディスク20からのデータの読み出しについて説明する。
【0023】
図2(b) で説明した記録方法によれば、分割された各地域m1〜m9のデータ単位▲1▼〜▲9▼は、2層式ディスク20に図6(a) に示すように記録される。また、図3(a) で説明した記録方法によれば、分割された各地域m1〜m9のデータ単位▲1▼〜▲9▼は、2層式ディスク20に図6(b) に示すように記録される。
今、地図の検索者が図9(a) の地域m5(データ単位番号▲5▼)の地図を画面に表示させており、次に、地域m5の地図に隣接する地域m9(データ単位番号▲9▼)の地図を画面に表示させようとする場合を考える。この場合、ヘッド5の移動距離は、データ単位▲1▼〜▲9▼を図6(a) のように記録した場合でも、図6(b) のように記録した場合でも、何れの場合もディスクの内周側から外周側に向かって、2つのデータ単位分となる。図9(b) で説明した従来の記録方法では、ヘッド5の移動距離は4つのデータ単位分であったので、本発明の2層式ディスク20の方が、ヘッドのアクセス時間が短くなっている。
【0024】
そこで、地図の検索者が図9(a) の地域m5(データ単位番号▲5▼)の地図を画面に表示させており、次に、地域m5の地図に隣接する地域m1(データ単位番号▲1▼)から地域m9(データ単位番号▲9▼)の各地域に表示を移動する場合について、ヘッド5の移動距離、即ち、ヘッド5が移動する領域数を、本発明の2層式ディスク20の場合と従来装置(1層式ディスク、または2層式ディスクの1層の記録領域のみにデータを記録したもの)とを比較すると、図7に示すようになる。この図7から分かるように、本発明の2層式ディスク20におけるヘッド5の移動距離の平均値は、従来装置に比べて約半分であり、本発明の2層式ディスク20のようにデータを記録した方が、ヘッドのアクセス時間は短い。
【0025】
図4または図5で説明したような3層式ディスク30を使用し、3層のデータ記録層を全て使用して図9(a) の地図のデータを記録しておけば、ヘッドのアクセス時間は更に短くなる。
以上説明した実施例では、総データが略同量に分断できたが、次に、総データを所定の状態で区切った場合に、各区切りのデータの量が均一でない場合の例について説明する。
【0026】
図8(a) は総データを所定のデータの区切りで区切った場合、各区切りのデータの量が均一でない場合の例である。このような場合、本発明では、多層式ディスクの各記録層上のデータトラックに記録するデータを、ディスク内周側から記録した時に、ディスク内周側からのデータ量が略同じになるように各区切りのデータを分散させて配置する。この場合、この実施例では、データ量の小さい区切りのデータを同じ層のデータトラックに連続して記録するようにして、各記録層のデータ量が略同じになるようにしている。
【0027】
図8(b) は図8(a) の総データを、データ量の小さい区切りのデータを同じ層のデータトラックに連続して記録するようにして、2層式ディスク20の、第1の記録層1の内周側からのデータ量と、第2の記録層2の内周側からのデータ量とが略同じになるように、各区切りのデータを分散させて配置した例を示すものである。このように、多層式ディスクの各記録層のデータ量が略同じになるように記録すると、領域で区切った地図のようにデータが部分的に連続するようなデータを検索する時に、ヘッドのアクセス時間を向上させることができる。
【0028】
なお、以上説明した実施例では、総データの分断をデータの区切りで行っているが、総データを分断する所定単位をセクタ単位とすることもできる。
前述したDVDの場合は線速度一定(CLV)であるため、アクセスに時間がかかり、12cmディスクの場合、最外周から最内周までのヘッドのアクセス時間は120〜250ms程度である。一方、以上説明した本発明の多層式ディスクをDVDに採用した場合、ヘッドの移動は最小限で済み、記録層を上下に変更する場合はヘッドから照射される光の焦点距離を変更するだけで済むので、数msでアクセスが可能になり、データを第1の記録層と第2の記録層に連続して内周側から記録した場合の、第1の記録層と第2の記録層の境界部分においてヘッドが最外周と最内周とを何度も往復する場合に比べて、ヘッドのアクセス時間を約1/30〜1/80に短縮することができる。
【0029】
また、本発明におけるヘッドの記録層の変更は、ヘッド側に依存しているために、ディスク駆動装置側は、高トルクのモータを使用していない安価なものでも同様の効果が得られる。
更に、本発明の多層式ディスクに地図やゲームのように所定単位の連続性があるデータを前述のように記録する以外に、辞書のように全く連続性がないデータを記録しておいても、データは各記録層に均等に配置されるため、ヘッドの最大移動距離を短くすることができ、ヘッドのアクセス時間を1/(記録層の数)程度に短縮することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、多層式ディスクにおいて、地図やゲーム、或いは辞書等のように、所定単位の連続性があるデータを多層式ディスクに記録しておいて1つの読み出しヘッドでディスクの片側から読み出す場合に、総データを上下に隣接する記録層にデータを所定単位で分散させて記録することにより、読み出しヘッドの最大移動距離を小さくすることができ、読み出しヘッドのアクセス時間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層式ディスクの原理構成を示す説明図である。
【図2】 (a) は本発明の多層式ディスクに書き込む分断可能な総データを示す図、(b) は2層式ディスクに(a) の総データの分断されたデータ単位を書き込む場合の書き込み方法の一例を示す説明図、(c) は(b) のようにデータ単位が記録された2層式ディスクから、ヘッドがデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す説明図である。
【図3】 (a) は2層式ディスクに図2(a) の総データの分断されたデータ単位を書き込む場合の書き込み方法の別の例を示す説明図、(b) は(a) のようにデータ単位が記録された2層式ディスクから、ヘッドがデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す説明図である。
【図4】 (a) は3層式ディスクに図2(a) の総データの分断されたデータ単位を書き込む場合の書き込み方法の一例を示す説明図、(b) は(a) のようにデータ単位が記録された3層式ディスクから、ヘッドがデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す説明図である。
【図5】 (a) は3層式ディスクに図2(a) の総データの分断されたデータ単位を書き込む場合の書き込み方法の別の例を示す説明図、(b) は(a) のようにデータ単位が記録された3層式ディスクから、ヘッドがデータを連続して読み出す場合の再生順序を示す説明図である。
【図6】 (a) は図9に示す地図の各領域のデータを図2(b) の方法で2層式ディスクに記録させた場合のデータ配置を説明する説明図、(b) は図9に示す地図の各領域のデータを図3(b) の方法で2層式ディスクに記録させた場合のデータ配置を説明する説明図である。
【図7】図9の地図の中央部の領域を表示させた状態からこれを取り囲む各領域を表示させる場合の、本発明と従来装置のヘッドの移動距離を比較して示す比較図である。
【図8】 (a) は各区切りのデータ量が均一でない総データの構造を示す説明図、(b) は(a) の総データを2層式ディスクの各記録層に内周側からのデータ量が各記録層で均一になるように配置した例を示す説明図である。
【図9】 (a) は表示装置の画面の大きさの制約によって9つ地域に分割された所定の地域の地図Mを示す説明図、(b) は(a) の各地域を示すデータ単位をディスクの或る記録層の内周側から外周側に向かって連続的に記録した従来のディスクの記録法を説明する図である。
【符号の説明】
1…第1の記録層
2…第2の記録層
3…第3の記録層
5…ヘッド
10…多層式ディスク
20…2層式ディスク
30…3層式ディスク
Claims (5)
- ディスクに複数の記録層を備え、各記録層のデータトラックが螺旋状に形成され、1つのデータ読み出し用ヘッドによって前記ディスクの片側からのみデータが読み出される方式の読み出し専用多層式ディスクであって、
この多層式ディスクに記録される総データが、前記記録層の半径方向のデータ量に大差無い単位で分断され、
分断されたデータ単位が、第1層目の記録層から順番に最終層の記録層まで記録されており、
これに続くデータ単位が前記最終層の記録層から逆の順番で前記第1層目の記録層まで記録されており、
以後この記録順序が繰り返される規則性により、前記データ単位が分散されて前記各記録層に記録されていることを特徴とする多層式ディスク。 - 請求項1に記載の多層式ディスクであって、
前記各データ単位のデータ量が均一でない場合には、データ量の小さい前記データ単位が同じ記録層に連続して記録されるという規則性により、前記データ単位が分散されて前記各記録層に記録されていることを特徴とする多層式ディスク。 - ディスクに複数の記録層を備え、各記録層のデータトラックが螺旋状に形成され、1つのデータ読み出し用ヘッドによって前記ディスクの片側からのみデータが読み出される方式の読み出し専用多層式ディスクであって、
この多層式ディスクに記録する総データが、データの一区切りをデータ単位として分断されており、
分断されたデータ単位が、第1層目の記録層から順番に最終層の記録層まで記録されており、
これに続くデータ単位が再び前記第1層目の記録層から順番に最終層の記録層まで記録されており、
以後この記録順序が繰り返される規則性により、前記データ単位が分散されて前記各記録層に記録されており、
前記各データ単位のデータ量が均一な場合には、前記データ単位が同じ記録層に1データ単位ずつ記録されるという規則性により、前記データ単位が分散されて前記各記録層に記録されており、
前記各データ単位のデータ量が均一でない場合には、データ量の小さい前記データ単位が同じ記録層に連続して記録されるという規則性により、前記データ単位が分散されて前記各記録層に記録されていることを特徴とする多層式ディスク。 - 請求項3に記載の多層式ディスクであって、
前記規則性に、前記各ディスク上の記録層に記録する前記分断したデータ単位をディスク内周側から記録した時に、ディスク内周側からのデータ量を大差なく分散させる条件を加えたことを特徴とする多層式ディスク。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載の多層式ディスクであって、
前記分断されたデータ単位が、各地域毎に分割された地図データであることを特徴とする多層式ディスク。
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