JP3830650B2 - 超音波骨計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を体内に入射させて、透過もしくは反射した信号から骨の性状に関連した指標を算出する超音波骨計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波骨計測装置は、特開平6−327674号公報に記載されたものが知られている。図7は従来の超音波骨計測装置の構成を示しており、1および2は超音波と電気信号の相互変換を行う超音波変換手段、3は超音波変換手段を駆動する送受信回路、5は解析結果を表示する表示手段、6は計測の対象となる骨を含む被検体、7は超音波の伝搬を媒介する伝搬媒質、15は被検体6中を透過した受信信号から伝搬時間を計測する伝搬時間計測手段、16は減衰特性を計測する減衰計測手段である。
【0003】
以上のように、構成された超音波骨計測装置について、その動作を説明する。まず、送受信回路3は、超音波変換手段1を駆動して音波を放射させる。超音波変換手段1により放射された音波は、伝搬媒質7を伝搬し、被検体6に入射する。被検体6に入射した音波は、主に皮膚表面および骨表面において反射した成分と、主に皮下組織および骨を透過した成分に分けられ、それぞれ超音波変換手段1および2で受信される。前記超音波変換手段2により受信された透過成分は、送受信回路3にて増幅されてディジタルデータに変換された後、伝搬時間計測手段15および減衰計測手段16に送られる。伝搬時間計測手段15では、透過した信号の振幅が最大値をとる時刻を求め、その時間と超音波変換手段1の超音波放射の時刻との差として超音波の伝搬時間dtを求める。また、伝搬時間計測手段15は、音波が伝搬媒質7中を伝搬する時間を求めるために、被検体6の透過成分の計測とは別に、超音波変換器1および2から発せられた音波が被検体表面で反射し、超音波変換器1および2に再び戻る時間をそれぞれ計測する。被検体6および伝搬媒質7を透過する時間dtから伝搬媒質7を透過する時間を差し引くことにより、被検体6のみを透過する時間dtを求める。さらに、被検体6の厚さLを計測し、下記の式(1)のように被検体6の厚さLを伝搬時間dtで除算することで被検体6中の音波の伝搬速度vを算出する。
v=dt' /L ... (1)
【0004】
また減衰計測手段16では、参照媒質の透過成分の周波数分布を計測しておき、被検体6と参照媒質の透過成分の周波数分布から同一周波数における振幅の差を2点で求める。2点の周波数f1, f2、およびf1, f2における被検体6と参照媒質との透過成分の振幅の差をA1, A2とすると、下記の式(2)により周波数依存減衰の係数Aを得る。
A=(A1−A2)/(f1−f2) ...(2)
ただし、式(1)を計算するにあたっては、A1, A2はdB単位で求められているものとする。また、参照媒質には通常、水が用いられる。表示手段5は、求められた伝搬速度vおよび周波数依存減衰Aを骨の性状を表す指標として表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の超音波骨計測装置においては、骨の特性を表す指標を算出するために利用する被検体透過信号には、骨内部を透過して送信側超音波変換器から受信側超音波変換器へ直接到達する以外の経路を伝搬した信号成分が含まれ、骨の情報のみを得ることが困難な場合があるという問題を有していた。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、骨内部を透過して送信側超音波変換器から受信側超音波変換器へ直接到達する信号成分が大きく寄与する部分を利用することで、骨の情報が大きく寄与した指標を得ることができるという優れた超音波骨計測装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明は、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段と、波形抽出手段により抽出された受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段と、周波数分布の形状に基づいて周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段とを備え、受信信号から被検体中を最短経路で透過した成分が大きく寄与する部分の周波数分布を求めることができるようにしたものである。
【0008】
また、上記問題を解決するために本発明は、被検体および参照媒質の透過波形について、振幅の周波数分布で極大となる周波数を求め、両者間の周波数のずれにより骨の減衰特性の指標を算出する減衰算出手段を備え、周波数のずれから骨の減衰に関する指標を求めることができるようにしたものである。
【0009】
また、上記問題を解決するために本発明は、位相の周波数分布から群遅延量を求める群遅延量算出手段を備え、群遅延時間もしくは群速度を算出することにより骨の伝搬速度に関する指標を求めることができるようにしたものである。
【0010】
以上により、骨内部を透過して送信側超音波変換器から受信側超音波変換器へ直接到達する信号成分が大きく寄与する部分を利用して、骨の特性を表す指標を算出するために、骨の情報が大きく寄与した指標を得ることが容易であるという優れた超音波骨計測装置が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、超音波と電気信号の変換を行なう超音波変換手段と、前記超音波変換手段の駆動を行なう超音波送受信手段と、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段と、前記波形抽出手段により抽出された受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段と、前記周波数分布の形状に基づいて前記周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段とを備え、前記波形抽出手段では、透過信号の最大ピーク直後に前記信号が零となる点を抽出の後端とすることを特徴とするものであり、受信信号から被検体中を最短経路で透過した成分が大きく寄与する部分を抽出することで、骨の成分が大きく寄与した減衰に関する指標を求めることができるという作用を有する。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における超音波骨計測装置の構成を示しており、1および2は超音波と電気信号の相互変換を行う超音波変換手段、3は超音波変換手段を駆動する送受信回路、4は被検体内の骨性状の指標を算出する骨指標算出手段、5は解析結果を表示する表示手段、6は計測の対象となる骨を含む被検体、7は超音波の伝搬を媒介する伝搬媒質である。また骨指標算出手段4において、8は受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段、9は受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段、10は周波数分布の形状に基づいて周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段、11は受信信号の減衰に関する指標を算出する減衰指標算出手段である。超音波変換手段1および2は同一性能の物を用いるものとする。また、本実施の形態1においては超音波変換手段1により超音波の放射と被検体6からの反射波を受信するもとのし、超音波変換手段2は被検体6の透過波を受信するものとする。被検体6には、音波を透過させたときの伝搬経路において皮下組織の割合より骨組織の割合が大きい踵が用いられ、伝搬媒質7としては通常、水が用いられる。
【0015】
以上のように構成された超音波骨計測装置について、その動作を説明する。まず、送受信回路3は、超音波変換手段1を駆動して音波を放射させる。超音波変換手段1により放射された音波は伝搬媒質7を伝搬し、被検体6に入射する。被検体に入射した音波は、主に皮膚表面および骨表面において反射した成分と、主に皮下組織および骨を透過した成分に分けられ、それぞれ超音波変換手段1および2で受信される。超音波変換手段2により受信された透過波は、送受信回路3にて増幅されてディジタルデータに変換された後、骨指標算出手段4に送られる。骨指標算出手段4では、まず波形抽出手段8により到達時間の長い信号成分、例えば伝搬媒質7および被検体内部9における多重反射成分や、超音波変換器1と2の間を縦波として最短経路で伝搬しなかった成分を除去し、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する。周波数解析手段9は、抽出された受信信号の周波数分布を算出する。前記周波数解析手段9により求められた周波数分布は、周波数領域抽出手段10により、振幅の周波数分布において極大となる周波数を含み、ノイズの影響が少ない周波数領域を抽出する。減衰指標算出手段11は、周波数領域抽出手段10により抽出された領域の周波数分布から骨性状の減衰に関する指標を算出する。表示手段5は、骨指標算出手段4により求められた指標を表示する。
【0016】
次に実施の形態1における波形抽出手段8の動作について、図2を用いてさらに詳細に説明する。図2は波形抽出の様子を表す図であり、図2(a)は受信波形、図2(b)は抽出された波形である。また、20は被検体を透過した受信信号、21は受信波形の最大振幅となる時間、22は最大振幅以後に現れる最初のゼロクロス点、23は受信信号の抽出する範囲である。
【0017】
超音波変換手段1から放射され被検体6に入射した音波のうち、被検体6内の骨を透過して直接超音波変換手段2に到達した成分は、最短経路で超音波変換器2に到達するために、早い時間に受信される。最短経路で透過した成分以外は骨の情報を得ることが困難であるため、超音波探触子2により受信された波形のうち、到達時間の長い信号成分、例えば他の経路を伝搬した成分もしくは多重反射成分を除去し、早い時間に到達した最短経路で透過した成分を抽出することで、骨の特性を解析する。しかしながら、最短経路で透過した成分はその他の成分と重なっていたり、測定環境あるいは被検体の個体差により信号の継続時間が異なるので、最短経路で透過した成分のみを全て抽出することは困難である。そこで、骨の特性を最も顕著に反映していると思われる領域を以下のようにして抽出し、指標を求める。
【0018】
まず、抽出する先頭の時刻は透過成分の先頭部分がノイズレベル以上となり、他の波形が存在しない限りできるだけ早い時刻とする。後端は、受信波形の最大振幅となる時間21を求め、その時間以降で最初の0レベルとの交点、すなわちゼロクロス点22を求め、抽出波形の後端とする。以上の範囲23に限定して受信信号から波形を抽出し、図2(b)のような波形を得る。水のみを透過した受信信号である参照信号に対しても同様な操作を行う。なお、以上の説明では矩形の窓によって信号を抽出したが、ハニングウィンドウに代表されるコサインウィンドウを用いてもよい。
【0019】
次に、実施の形態1における骨の性状の指標の算出について、図3と図4を用いてさらに詳細に説明する。図3は骨の周波数減衰による透過波形の違いを表す図である。図4は骨の減衰特性の指標を算出する様子を表す図であり、(a)は前記波形抽出手段8により抽出された被検体の透過波形、(b)は前記波形抽出手段8により抽出された参照波形、(c)は振幅の周波数分布、(d)は周波数領域抽出手段10により抽出された周波数分布である。また、401は抽出された透過波形の周波数分布、402は参照信号の周波数分布、403は抽出される周波数領域、404は測定系の成分を取り除いた周波数分布、405は周波数分布404を近似する直線である。
【0020】
最短経路で透過した成分は、骨以外にも皮下組織や伝搬媒質など、さまざまな媒質を透過しているため、骨以外の影響を受けたものとなる。ところで、周波数に対する減衰の変化すなわち周波数減衰は、指標の算出に使用する数百kHzから数MHzの超音波周波数では、水や皮膚の周波数依存減衰は骨に比べて小さく無視できるため、受信信号から周波数依存減衰に関連する指標を求めれば骨の性状を反映した指標とすることができる。周波数依存減衰の大きさが受信信号に顕著に表れるのは、受信信号の先頭の立ち上がり部分である。骨の減衰が周波数に比例して直線的に大きくなるとすると、図3のように周波数依存減衰が大きいほど先頭部分に低周波成分が表れてゼロクロスの間隔w1が大きくなり、小さいほど測定に使用した超音波の中心周波数に近づき間隔w1が小さくなる。最も簡単に指標を求めるには、ゼロクロスの間隔w1を測定すればよいが、立ち上がりが緩やかであることやノイズにより立ち上がり部分が埋もれてしまうことがあるために正確に求めることは困難である。そこで、透過成分の先頭付近の波形についてフーリエ変換により周波数分布を求め、中心周波数の変位から骨の性状に関する指標を算出する。
【0021】
まず、波形抽出手段8により抽出された波形を周波数解析手段5 はフーリエ変換し、周波数分布401を求める。周波数分布はdBを単位として求め、最大値を0dBとして規格化する。周波数領域抽出手段9は、周波数分布401と参照波形の周波数分布402の両方の極大値を含み、ノイズレベルにまで落ちていない領域、例えば周波数分布401および402の極大値から10dB下がった範囲として周波数領域406を抽出する。周波数領域406において、周波数分布401の極大値の周波数fc1と、参照波形の周波数分布402の極大値の周波数fc2を求める。極大値の周波数fc1とfc2の差(fc1−fc2)を求め、骨の性状の指標とする。
【0022】
また、骨の性状に関する別の指標としては以下のように求めることもできる。まず、周波数解析手段5では、波形抽出手段8により抽出された波形をフーリエ変換し、周波数分布401を求める。周波数分布はdBを単位として求め、最大値を0dBとして規格化する。周波数領域抽出手段9は、周波数分布401と参照波形の周波数分布402の両方がノイズレベルにまで落ちていない領域、例えば周波数分布401および402の極大値から10dB下がった範囲で重なる周波数領域403を抽出する。つぎに、抽出した周波数領域403において、周波数分布401から参照波形の周波数分布402を差し引くことで測定系の成分を取り除き、周波数分布404を求める。減衰指標算出手段11は。周波数分布404を近似する直線405を最小2乗法により求め、その直線の傾きを骨の性状の指標とする。このようにして求められた指標は、被検体の周波数依存減衰と厳密に一致するものではないが、骨の周波数依存減衰を反映したものとなる。なお参照波形としては、測定装置は同一かつ同条件で水のみを透過させて測定した受信信号を用いる。
【0023】
なお、以上の説明では、透過信号の抽出する方法として、透過信号の最大値の次に現れるゼロクロス点を抽出波形の後端の時刻としたが、透過信号の最大値を取る点とコサインウィンドウの最大値を取る点を一致させて、透過信号にコサインウィンドウを乗算することにより透過信号を抽出してもよい。
【0024】
また、以上の説明では、骨の性状の指標の算出に被検体の受信信号と参照信号との周波数分布の差を求め、その傾きを指標としたが、骨の減衰が周波数に比例して大きくなるとして、周波数分布401と402の極大値の周波数の差を最小とする周波数依存減衰の係数を最小2乗法により求めてもよい。
【0025】
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、骨指標算出手段4に、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段8、受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段9、周波数分布の形状に基づいて周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段10、受信信号の減衰に関する指標を算出する減衰指標算出手段11とを設けることにより、受信信号から被検体中を最短経路で透過した成分が大きく寄与する部分を抽出することで、骨の成分が大きく寄与した減衰に関する指標を求めることができる。
【0026】
(実施の形態2)
図5は実施の形態2における超音波骨計測装置の構成を示しており、12は骨指標算出手段4にあって、受信信号の群遅延および速度を算出する群遅延量算出手段であり、その他の構成要素は実施の形態1と同じである。
【0027】
以上のように構成された超音波骨計測装置について、その動作を説明する。まず、送受信回路3は、超音波変換手段1を駆動して音波を放射させる。超音波変換手段1により放射された音波は、伝搬媒質7を伝搬し、被検体6に入射する。被検体6に入射した音波は、主に皮膚表面および骨表面において反射した成分と、主に皮下組織および骨を透過した成分に分けられ、それぞれ超音波変換手段1および2で受信される。超音波変換手段2により受信された透過波は、送受信回路3にて増幅されてディジタルデータに変換された後、骨指標算出手段4に送られる。骨指標算出手段4では、まず波形抽出手段8により実施の形態1と同様の方法により、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する。周波数解析手段9は、抽出された受信信号の周波数分布を算出する。周波数解析手段9により求められた周波数分布は、周波数領域抽出手段10により、振幅の周波数分布において極大となる周波数を含み、ノイズの影響が少ない周波数領域を抽出する。群遅延量算出手段12は、周波数領域抽出手段10により抽出された領域の位相の周波数分布から群遅延量および速度を算出する。表示手段5は、骨指標算出手段4により求められた速度を表示する。なお、波形抽出手段8による波形抽出、周波数領域抽出手段9による周波数分布の抽出に関しては、実施の形態1と同様の方法により行われる。
【0028】
次に実施の形態2における群遅延量および速度算出の方法について、図6を用いてさらに詳細に説明する。図6は抽出された位相の周波数分布であり、図6(a)は波形抽出手段8により生成された被検体6の透過波形、(b)は波形抽出手段8により生成された参照波形、(c)は抽出された透過信号の位相変化の周波数分布、(d)は抽出された参照信号の位相変化の周波数分布、(e)は修正された透過信号の位相変化の周波数分布、(f)は修正された参照信号の位相変化の周波数分布、(g)は透過信号と参照信号の間の差の位相変化を表す周波数分布である。また、601は抽出および修正された位相の周波数分布、602は周波数分布601を近似する直線、603は被検体の透過波形から抽出した部分、604は参照媒質の透過波形から抽出した部分である。
【0029】
まず、実施の形態1と同様の方法を用いて波形抽出手段8により抽出された波形に、送信開始時刻から抽出波形の先頭までの長さの0を加え、送信開始時刻から抽出波形の後端の時刻までの長さの波形を生成する。波形抽出手段8により生成された被検体6 の透過波形および参照波形は、例えば、図6(a)および(b)のようになり、603、604で表されている領域が実際の測定波形から抽出した部分、それ以外は0とした部分である。その波形を周波数解析手段5はフーリエ変換し、位相の周波数分布を求める。周波数領域抽出手段10は,実施の形態1と同様の方法により、位相変化の周波数分布、図6(c)および(d)が求められる。位相変化の周波数分布は、piを円周率として、ラジアンを単位として−piからpiの範囲で求められる。群遅延量算出手段12は、この位相変化を−piもしくはpi付近における不連続な変化、例えば−piからpiに変化する点において直線的に変化するように修正し、修正した位相変化の周波数分布(e)および(f)を求める。次に透過信号と参照信号との位相変化の差を表す周波数分布601を求める。群遅延量算出手段12は、抽出された周波数領域内で位相は周波数に応じて線形的に変化するものとし、周波数分布601に対して最小2乗法で直線602を近似する。被検体6と伝搬媒質7との群遅延量の差をdtとすると、dtは近似した直線602の傾きから求めることができる。さらに被検体piの厚さLを別の方法、例えば定規による実測や超音波の被検体pi表面からの反射信号の遅延時間測定により求めることで、下記の式(3)により被検体6を透過する信号の群速度を求めることができる。
v=1/(dt/L+1/vw) ...(3)
(v:被検体piの群速度、dt:被検体piの伝搬媒質との群遅延時間の差、vw:伝搬媒質の速度、L:被検体piの厚さ)
【0030】
なお、以上の説明では、骨の性状の指標として群遅延量を透過信号と参照信号の差の位相変化から求めたが、透過信号の位相変化のみを直線で近似することにより骨の性状の指標を求めてもよい。
【0031】
なお、以上の説明では、群速度を求めるために被検体piの厚さを用いるものとしたが、超音波の骨表面からの反射信号の遅延時間測定により骨の厚さを求め、使用してもよい。
【0032】
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、骨指標算出手段4に、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段8、受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段9、周波数分布の形状に基づいて周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段10、受信信号の群遅延および速度を算出する群遅延量算出手段12とを設けることにより、受信信号から被検体中を最短経路で透過した成分が大きく寄与する部分を抽出することで、骨の成分が大きく寄与した速度に関する指標を求めることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明は、超音波と電気信号の変換を行なう超音波変換手段と、前記超音波変換手段の駆動を行なう超音波送受信手段と、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段と、前記波形抽出手段により抽出された受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段と、前記周波数分布の形状に基づいて前記周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段とを備え、前記波形抽出手段では、透過信号の最大ピーク直後に前記信号が零となる点を抽出の後端とすることを特徴とするものであり、受信信号から被検体中を最短経路で透過した成分が大きく寄与する部分を抽出することで、骨の成分が大きく寄与した減衰に関する指標を求めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における超音波骨計測装置の構成を表すブロック図
【図2】(a)は本発明の実施の形態1における受信波形を表す波形図
(b)は本発明の実施の形態1における抽出された波形を表す波形図
【図3】本発明の実施の形態1における骨の周波数減衰による透過波形の違いを表す波形図
【図4】(a)は本発明の実施の形態1における抽出された被検体の透過波形図
(b)は本発明の実施の形態1における抽出された参照波形図
(c)は本発明の実施の形態1における振幅の周波数分布図
(d)は本発明の実施の形態1における抽出された周波数分布図
【図5】本発明の実施の形態2における超音波骨計測装置の構成を表すブロック図
【図6】(a)は本発明の実施の形態2における波形抽出手段により生成された被検体の透過波形図
(b)は本発明の実施の形態2における波形抽出手段により生成された参照波形図
(c)は本発明の実施の形態2における抽出された透過信号の位相変化の周波数分布図
(d)は本発明の実施の形態2における抽出された参照信号の位相変化の周波数分布図
(e)は本発明の実施の形態2における修正された透過信号の位相変化の周波数分布図
(f)は本発明の実施の形態2における抽出された参照信号の位相変化の周波数分布図
(g)は本発明の実施の形態2における透過信号と参照信号の間の差の位相変化を表す周波数分布図
【図7】従来の超音波骨計測装置の構成を表すブロック図
【符号の説明】
1、2 超音波変換手段
3 送受信回路
4 骨指標算出手段
5 表示手段
6 被検体
7 伝搬媒質
8 波形抽出手段
9 周波数解析手段
10 周波数領域抽出手段
11 減衰指標算出手段
12 群遅延量算出手段
15 伝搬時間計測手段
16 減衰計測手段
21 受信波形の最大振幅となる時間
22 最大振幅以後に現れる最初のゼロクロス点
23 受信信号の抽出する範囲
401 抽出された透過波形の周波数分布
402 参照信号の周波数分布
403 抽出される周波数領域
404 測定系の成分を取り除いた周波数分布
405 周波数分布404を近似する直線
406 抽出される周波数領域
601 抽出および修正された位相の周波数分布
602 周波数分布601を近似する直線

Claims (1)

  1. 超音波と電気信号の変換を行なう超音波変換手段と、前記超音波変換手段の駆動を行なう超音波送受信手段と、受信信号から被検体中を最短経路で透過した部分を抽出する波形抽出手段と、前記波形抽出手段により抽出された受信信号の周波数分布を算出する周波数解析手段と、前記周波数分布の形状に基づいて前記周波数分布の領域を抽出する周波数領域抽出手段とを備え、前記波形抽出手段では、透過信号の最大ピーク直後に前記信号が零となる点を抽出の後端とすることを特徴とする超音波骨計測装置。
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