JP3830331B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵輪等の操舵手段に連結される操舵軸が車輪の向きを変える舵取機構に機械的に連結されていない車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用操舵装置は、操舵輪等の操舵手段に連結される操舵軸が舵取機構に機械的に連結されているリンク式と、前記操舵軸が前記舵取機構に機械的に連結されていないリンクレス式とに大別される。
【0003】
後者のリンクレス式操舵装置は、例えば、特開平1−153379号公報に記載されているように、操舵軸を舵取機構から切り離して配し、舵取機構の中途に操舵アクチュエータとしての舵取モータを設け、操舵用の車輪の実舵角と目標舵角との偏差に応じてマイクロプロセッサを用いてなる舵取制御部が前記舵取モータを駆動制御することにより、操舵用の車輪を目標舵角に調整する構成となっている。
【0004】
また、リンクレス式操舵装置として、操舵輪の操舵に応じて前記舵取機構を駆動する前記舵取制御部等の駆動手段の故障によって前記舵取機構を駆動することができなくなったとき前記操舵軸を前記舵取機構に自動的に連結する自動連結手段を備えた車両用操舵装置が知られている。
【0005】
この車両用操舵装置の自動連結手段は、電磁クラッチ、又は、摩擦クラッチが用いられている。電磁クラッチは、前記駆動手段が正常である場合に電磁石が励磁されず、トルクの伝達が遮断されており、前記駆動手段が故障した場合に通電されてトルクを操舵軸から舵取機構へ伝達する構成となっている。
【0006】
また、摩擦クラッチは、駆動手段が故障した場合にばねの力で摩擦面を接触させ、前記駆動手段が正常である場合に電磁石が励磁され、摩擦面を離脱させる構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、自動連結手段を備えていないリンクレス式操舵装置にあっては、舵取機構を駆動する駆動手段が故障し、該駆動手段によって前記舵取機構を駆動することができなくなったとき、操舵して車両を移動させることができないという問題があった。
【0008】
また、自動連結手段を備えたリンクレス式操舵装置は、駆動手段によって舵取機構を駆動している場合、換言すれば車両を走行している場合に舵取機構を駆動する駆動手段が故障し、該駆動手段によって舵取機構を駆動することができなくなったとき、自動連結手段によって操舵軸を舵取機構に自動的に連結するようにしたものであるため、前記駆動手段による舵取機構の駆動系が完成していない状態であり、車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等、車両を走行していないときには前記駆動手段によって舵取機構を駆動することができないし、また、前記自動連結手段を動作させることもできず、車両の移動及び走行に支障を来すことになる。
【0009】
本発明は上記問題点を解決することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
第1発明に係る車両用操舵装置は、車輪の向きを変える舵取機構に機械的に連結されることなく静止側部材に支持される操舵軸と、該操舵軸に連結される操舵手段の操舵に応じて前記舵取機構を駆動する駆動手段と、該駆動手段が非作動であるとき、前記操舵軸の舵取機構への機械的連結を手動操作によって可能とする手動連結手段とを備えた車両用操舵装置において、前記手動連結手段は、前記操舵軸及び舵取機構の夫々に設けられた連結部と、該連結部の一方に設けられているめねじと、該めねじに螺合されるおねじと、該おねじが係合可能であり、且つ前記連結部の他方に設けられている係合部とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第1発明にあっては、自動連結手段を備えていないリンクレス式操舵装置において、舵取機構を駆動する駆動手段が故障したり、車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等には、手動連結手段を操作して操舵軸と舵取機構とを機械的に連結することができ、操舵手段の操舵力を操舵軸から手動連結手段を介して舵取機構に伝達し、車両を移動させたり、走行させたりすることができる。また、手動連結手段が一対の連結部及び一つのおねじを備える構造であるため、部品点数が非常に少なく、比較的安価に提供することができる。
しかも、おねじのめねじへの螺合によって係止体を良好に保持することができるとともに、おねじを回転操作することにより該おねじを係合部に係合させて操舵軸と舵取機構とを機械的に連結することができる。
【0012】
第2発明に係る車両用操舵装置は、車輪の向きを変える舵取機構に機械的に連結されることなく静止側部材に支持される操舵軸と、該操舵軸に連結される操舵手段の操舵に応じて前記舵取機構を駆動する駆動手段と、該駆動手段の故障によって前記舵取機構を駆動することができなくなったとき前記操舵軸を前記舵取機構に自動的に連結する自動連結手段と、前記操舵軸の舵取機構への機械的連結を手動操作によって可能とする手動連結手段とを備えた車両用操舵装置において、前記手動連結手段は、前記操舵軸及び舵取機構の夫々に設けられた連結部と、該連結部の一方に設けられているめねじと、該めねじに螺合されるおねじと、該おねじが係合可能であり、且つ前記連結部の他方に設けられている係合部とを備えていることを特徴とする。
【0013】
この第2発明にあっては、自動連結手段を備えたリンクレス式操舵装置において、舵取機構を駆動する駆動手段が故障した場合は、自動連結手段によって操舵軸を舵取機構に自動的に連結することができ、また、車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等には、手動連結手段を操作して操舵軸と舵取機構とを機械的に連結することができ、操舵手段の操舵力を操舵軸から手動連結手段を介して舵取機構に伝達し、車両を移動させたり、走行させたりすることができる。また、手動連結手段が一対の連結部及び一つのおねじを備える構造であるため、部品点数が非常に少なく、比較的安価に提供することができる。
しかも、おねじのめねじへの螺合によって係止体を良好に保持することができるとともに、おねじを回転操作することにより該おねじを係合部に係合させて操舵軸と舵取機構とを機械的に連結することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【0021】
この車両用操舵装置は、図示しない車体の左右に配された一対の操舵用の車輪A,Aに操舵動作を行わせるための舵取機構1と、舵取機構1から機械的に切り離して軸ハウジング2等の静止側部材に回転自在に支持される操舵軸3と、該操舵軸3の上端に連結され操舵手段である操舵輪4と、該操舵輪4の操舵に応じて前記舵取機構1を駆動する駆動手段5と、駆動手段5の故障によって前記舵取機構1を駆動することができなくなったとき前記操舵軸3の下端を前記舵取機構1に手動操作によって連結する手動連結手段6とを備えた構成となっている。
【0022】
操舵軸3を支持する軸ハウジング2には、操舵輪4に操舵方向と逆向きの反力を付与する反力アクチュエータ7が設けられている。この反力アクチュエータ7は、前記駆動手段5から与えられる動作指令信号に応じた駆動回路70からの通電により正逆両方向に駆動され、操舵輪4の操舵方向と逆方向の力(反力)を付与する動作をなす。
【0023】
このため、操舵輪4の操舵には反力アクチュエータ7が発生する反力に抗する操舵トルクを加える必要があり、この操舵トルクを検出するトルクセンサ8と、操舵輪4の操舵量及び操舵方向を検出するセンサ,例えばロータリエンコーダ9が軸ハウジング2に付設されており、これらトルクセンサ8及びロータリエンコーダ9が検出した結果はインタフェース回路10を介して駆動手段5に与えられている。
【0024】
舵取機構1は、公知のように、車体の左右方向に延設されて軸長方向へ移動する舵取軸11の両端部と、車輪A,Aを支持するナックルアーム12,12とを連結し、舵取軸11の両方向への移動によりナックルアーム12,12を押し引きし、車輪A,Aを左右に操向させるものであり、この操向は舵取軸11の中途部に同軸的に構成されたブラシレス形の舵取モータ51の回転を、適宜の運動変換機構により舵取軸11の移動に変換して行われる。
【0025】
この舵取軸11は、軸長方向一端側に螺旋溝を、また、他端側にラック歯を夫々備え、軸ハウジング13内に回転不能であり、軸長方向への移動を可能に支持されている。軸ハウジング13内には、前記ラック歯に噛合するピニオンを下端に有し、上端にジョイント14を介して伝動軸15が連結されたピニオン軸16が回転可能に支持され、前記駆動手段5が故障した場合、ピニオン軸16を回転させることにより前記舵取軸11を移動させる構成となっている。また、軸ハウジング13にはピニオン軸16の回転量及び回転方向を検出するセンサ,例えばロータリエンコーダ20が設けられ、該ロータリエンコーダ20が検出した結果はインタフェース回路10を介して駆動手段5の舵取制御部52に与えられている。
【0026】
舵取モータ51は、前記舵取軸11を支持する軸ハウジング13内に固定される円筒状のステータ、及び該ステータの内周面及び舵取軸11の外周面間に回転が可能に支持されており、その外周面に複数個の永久磁石が周方向に離隔して設けられている円筒状のロータを備えている。このロータに、前記舵取軸11に設けられる螺旋溝と係合する伝動環が連結されており、該伝動環を介して舵取モータ51の回転が舵取軸11に伝達され、該舵取軸11が軸長方向へ移動する構成となっている。
【0027】
駆動手段5は前記舵取モータ51とマイクロプロセッサを用いてなる舵取制御部52とを備えている。舵取モータ51は、舵取制御部52から与えられる駆動回路50からの通電により回転し、その舵取モータ51の回転は、舵取軸11の軸長方向の摺動に変換され、舵取モータ51の回転に応じた操舵(操舵用の車輪A,Aの操向)が行われる。舵取制御部52はエンジン起動のためのキースイッチのオン操作に応じて動作を開始する。
【0028】
図2は手動連結手段部分の拡大断面図である。
手動連結手段6は、前記操舵軸3の下端部及び伝動軸15の上端部に夫々設けられた第1及び第2の連結部61,62と、第2の連結部62に移動可能に保持され、第2の連結部62に係止される係止体63とを備えている。
【0029】
連結部61,62は外側に回転方向への滑りを止めるセレーション、スプライン等の歯を有しており、係止体63は前記歯に噛合する歯を内側に有する筒を用いてなり、前記歯の噛合によって係止体63が第2の連結部62に保持され、係止体63を上方へ移動させることにより該係止体63の上端部の歯が第1の連結部61の歯に噛合し、係止体63を係止させるようにしてある。
【0030】
以上の如く構成された車両用操舵装置は、舵取制御部52及び舵取モータ51等の駆動手段5が正常である場合、操舵輪4の操舵に応じて舵取制御部52が舵取モータ51を駆動制御し、該舵取モータ51が舵取機構1を駆動することにより、操舵用の車輪A,Aに操舵動作を行わせる。
【0031】
このとき、操舵輪4の操舵には反力アクチュエータ7が発生する反力に抗する操舵トルクが加えられる。この操舵トルクはトルクセンサ8により検出され、また、操舵輪4の操舵量がロータリエンコーダ9により操舵方向を含めて検出され、これらの検出結果は舵取制御部52に与えられている。
【0032】
図3は手動連結手段を操作した状態の拡大断面図である。
また、前記駆動手段5の例えば舵取制御部52が故障し、舵取機構1を駆動することができなくなった場合、伝動軸15の連結部62に保持されている係止体63を運転者が手動操作によって上方へと移動させ、該係止体63を操舵軸3の連結部61に係止させることにより、操舵軸3及び舵取機構1を、第1の連結部61、係止体63及び第2の連結部62を介して機械的に連結することができる。従って、前記駆動手段5による舵取機構1の駆動系が完成していない状態であり、車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等、車両を走行していないときに操舵輪4を操作して車両を移動させたり、走行させたりすることができる。
【0033】
実施の形態2
図4は実施の形態2の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図、図5は手動連結手段を操作した状態の拡大断面図である。
この実施の形態2は、前記伝動軸15の上端部に内側にセレーション、スプライン等の歯を有する嵌合筒21を取付けて該嵌合筒21を第2の連結部62aとし、前記第1の連結部61の歯に噛合する歯を内側に有し、前記嵌合筒21の歯に噛合する歯を外側に有する筒形の係止体63aを前記操舵軸3の前記連結部61に軸長方向への移動を可能に保持し、該係止体63aを下方へ移動させることにより該係止体63aの外側の歯が第2の連結部62aの歯に噛合し、係止体63aを係止させるようにしてある。
【0034】
実施の形態2においては、前記駆動手段5の例えば舵取制御部52が故障し、舵取機構1を駆動することができなくなった場合、操舵軸3の連結部61に保持されている係止体63aを運転者が手動操作によって下方へと移動させ、該係止体63aを嵌合筒21の連結部62aに係止させることにより、操舵軸3及び舵取機構1を、第1の連結部61、係止体63a、第2の連結部62a及び嵌合筒21を介して機械的に連結することができる。
【0035】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
【0036】
実施の形態3
図6は実施の形態3の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図、図7は手動連結手段部分の斜視図、図8は手動連結手段を操作した状態の拡大断面図である。
【0037】
この実施の形態3は、前記伝動軸15の上端部にめねじ22aを有するフランジ22を取付けて該フランジ22を第2の連結部62bとし、前記操舵軸3の下端部に前記めねじ22aに臨む凹状の係合部23aを有するフランジ23を取付けて該フランジ23を第1の連結部61bとし、さらに前記係合部23aに係合するおねじ24を前記めねじ22aに螺合して該おねじ24を軸長方向への移動が可能な係止体63bとしてある。
【0038】
実施の形態3においては、舵取制御部52及び舵取モータ51等の駆動手段5が正常である場合、係合部23aとの係合が離脱するようにおねじ24が締め込まれている。そして、前記駆動手段5の例えば舵取制御部52が故障し、舵取機構1を駆動することができなくなった場合、めねじ22aへの螺合によって第2の連結部62bに保持されているおねじ24を運転者が手動操作によって弛緩させ、該おねじ24の一端部(頭部)を第1の連結部61bの係合部23aに係合させることにより、操舵軸3及び舵取機構1を、フランジ23、おねじ24及びフランジ22を介して機械的に連結することができる。
【0039】
尚、前記めねじ22a、おねじ24及び係合部23aは夫々一つである他、複数であってもよい。
【0040】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
【0041】
実施の形態4(参考例)
図9は実施の形態4の参考例の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
この実施の形態4の参考例は、前記操舵軸3を軸長方向へ移動可能とし、該操舵軸3の移動を阻止/解除する操作手段と、前記操舵軸3及び舵取機構1に設けられ、前記操舵軸3の移動によって連結される第1及び第2の連結部61c,62cとを備えた構成となっている。
【0042】
操作手段は例えば阻止位置及び解除位置への揺動が可能なレバーを用いてなり、前記駆動手段5が正常である場合、前記レバーが阻止位置に停止し、操舵軸3の移動を阻止してあり、また、前記駆動手段5が故障した場合、前記レバーを解除位置へ揺動させることにより操舵軸3の移動阻止を解除することができるようにしてある。
【0043】
第2の連結部62cは内側にセレーション、スプライン等の歯を有する嵌合筒25を用いてなり、該嵌合筒25が前記伝動軸15の上端部に取付けてある。第1の連結部61cは前記嵌合筒25の歯に噛合する歯を外側に有する筒体26を用いてなり、該筒体26が操舵軸3の下端部に嵌合固定されている。
【0044】
実施の形態4においては、舵取制御部52及び舵取モータ51等の駆動手段5が正常である場合、前記操作手段によって操舵軸3の移動が阻止されているため、操舵輪4の操舵に応じて舵取制御部52が舵取モータ51を駆動制御し、該舵取モータ51が舵取機構1を駆動することにより、操舵用の車輪A,Aに操舵動作を行わせる。
【0045】
また、舵取機構1を駆動する駆動手段5が故障したり、車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等には、運転者が前記操作手段のレバーを手動操作によって解除位置へと揺動操作し、操舵軸3の移動阻止を解除した状態で操舵軸3に連結されている操舵輪4を下方へ押し操作し、第1の連結部61cを第2の連結部62cに嵌合連結させる。これによって操舵軸3を舵取機構1に連結することができ、操舵輪4の操舵力を操舵軸3から連結部61c,62cを介して舵取機構に伝達し、車両を移動させたり、走行させたりすることができる。
【0046】
実施の形態5
図10は実施の形態5の全体構成を示す模式図、図11は自動連結手段及び手動連結手段部分の拡大断面図である。
この実施の形態5は、前記駆動手段5の故障によって前記舵取機構1を駆動することができなくなったとき前記操舵軸3の下端を前記舵取機構1に自動的に連結する自動連結手段30と、前記操舵軸3の舵取機構1への連結を手動操作によって可能とする手動連結手段6とを備えた構成となっている。
【0047】
図12は図11のXII −XII 線の拡大断面図である。
自動連結手段30は、外側に回転方向への滑りを止める複数の係止部31aを有し、歯車である係止体31と、歯である前記係止部31aと係合する係止位置及び図12の非係止位置への切換えが可能であり、前記舵取制御部52の故障が発生したとき前記係止位置へ切換えられる揺動体である繋体32とを備え、該繋体32が筒状の保持体33を介して前記ピニオン軸16に連結され、前記係止体31が筒状の回転体34を介して前記操舵軸3に連結されている。
【0048】
この回転体34は、その一端部が操舵軸3の下端に嵌合固定され、他端部の外側に環状の前記係止体31が嵌合固定され、該係止体31の両側に軸受35,35が設けられ、これら軸受35,35を介して回転体34及び保持体33の相対回転を可能としてある。
【0049】
係止体31は、前記回転体34の外側に嵌合される嵌合孔を有する環状部31bの外側に歯である複数の係止部31aが設けられた歯車を用いてなる。係止部31aは鋸歯状、スプライン状の連続した歯形状である他、その形状は特に制限されない。
【0050】
保持体33はその他端部が前記伝動軸15に嵌合固定されており、中間部に前記繋体32と、該繋体32に連結され、繋体32を係止位置及び非係止位置へ切換える第1のソレノイド36と、前記繋体32の係止位置から非係止位置への切換わりを阻止する阻止位置及び図12の非阻止位置への切換えが可能なピンを用いてなり、前記繋体32が係止位置へ切換えられたとき、前記阻止位置へ切換えられる阻止体37と、該阻止体37に連結され、阻止体37を阻止位置及び非阻止位置へ切換える第2のソレノイド38とが設けられている。
【0051】
また、保持体33の中間部には、前記係止体31の外周側に臨む切欠孔33a及び該切欠孔33aに配され、前記阻止体37が阻止位置へ切欠えられたとき当接する受座33bと、前記切欠孔33aに連通する一対の凹部33c,33dとが設けられている。切欠孔33aには前記操舵軸3の軸心と平行な枢支軸39を介して前記繋体32が枢支されており、一対の凹部33c,33dには第1及び第2の前記ソレノイド36,38が収容されている。
【0052】
これら第1及び第2のソレノイド36,38は前記舵取制御部52からの動作指令信号に応じて図示しないリレーを介して電源から電磁コイルへの通電がなされることによって吸引され、後退移動する可動鉄心36a,38aと、車両電源系の故障又はキースイッチのオフ操作等によって前記電磁コイルへの通電が禁止されたとき前記可動鉄心36a,38aを前進移動させるばね体36b,38bとを備えており、第1のソレノイド36の可動鉄心36aに前記繋体32が、また、第2のソレノイド38の可動鉄心38aに前記阻止体37が夫々連結されている。
【0053】
繋体32はアーム状の揺動体を用いてなり、その一端に前記係止部31aと係合する係合部32a(突起)が設けられ、他端に長孔32bが設けられ、該長孔32bに挿入するピン40を介して前記第1のソレノイド36の可動鉄心36aに連結されている。
【0054】
阻止体37は、前記第2のソレノイド38の可動鉄心38aに一体的に連結されたピンを用いてなり、その端縁に傾斜状の案内面37aが設けられている。
【0055】
手動連結手段6は、基本的に実施の形態1の手動連結手段と同じであり、前記回転体34及び保持体33に設けられた第1及び第2の連結部61d,62dと、第2の連結部62dに移動可能に保持され、第1の連結部61dに係止される係止体63dとを備えている。
【0056】
連結部61d,62dは外側に回転方向への滑りを止めるセレーション、スプライン等の歯を有しており、係止体63dは前記歯に噛合する歯を内側に有する筒を用いてなり、前記歯の噛合によって係止体63dが第2の連結部62dに保持され、係止体63dを上方へ移動させることにより該係止体63dの上端部の歯が第1の連結部61dの歯に噛合し、係止体63dを係止させるようにしてある。
【0057】
以上の如く構成された車両用操舵装置は、舵取制御部52及び舵取モータ51等の駆動手段5が正常である場合、操舵輪4の操舵に応じて舵取制御部52が舵取モータ51を駆動制御し、該舵取モータ51が舵取機構1を駆動することにより、操舵用の車輪A,Aに操舵動作を行わせる。
【0058】
図13は自動連結手段が切換えられた状態の拡大断面図である。
車両の走行時において、前記駆動手段5の舵取制御部52が故障し、舵取機構1を駆動することができなくなった場合、前記第1及び第2のソレノイド36,38の電磁コイルへの通電が禁止される。
【0059】
これに伴い第1のソレノイド36の可動鉄心36aがばね体36bの力によって前進移動し、繋体32が係止位置へ切換えられ該繋体32の係合部32aが係止体31の係止部31aに係合する。この繋体32が係止位置へ切換えられた後、第2のソレノイド38の可動鉄心38aがばね体38bの力によって前進移動し、阻止体37が阻止位置へ切換えられ、該阻止体37の案内面37aが繋体32の端縁に当接しながら受座33b及び繋体32の間で挟まれ、繋体32の非係止位置への切換わりを確実に防止でき、操舵軸3及び舵取機構1を、回転体34、係止体31、繋体32、保持体33を介して機械的に連結させることができる。
【0060】
図14は手動連結手段が操作された状態の拡大断面図である。
また、前記駆動手段5による舵取機構1の駆動系が完成していない状態であり、車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等、車両を走行していないときに操舵輪4を操作して車両を移動させたり、走行させたりする場合は、保持体33の連結部62dに保持されている係止体63dを運転者が手動操作によって上方へと移動させ、該係止体63dを回転体34の連結部61dに係止させることにより、操舵軸3及び舵取機構1を、第1の連結部61d、係止体63d及び第2の連結部62dを介して機械的に連結することができる。従って、上述の如く車両の組立て途中に車両を移動させたり、完成された車両の走行前に操舵装置の不調が判明したりしたとき等、車両を走行していないときであっても操舵輪4を操作して車両を移動させたり、走行させたりすることができる。
【0061】
実施の形態6
図15は実施の形態6の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
この実施の形態6は、実施の形態5の如く自動連結手段30と、手動連結手段6とを備えた構成において、前記保持体33の上端部内側にセレーション、スプライン等の歯を設けて該歯を第2の連結部62eとし、前記第1の連結部61eの歯に噛合する歯を内側に有し、前記第2の連結部62eの歯に噛合する歯を外側に有する筒形の係止体63eを前記回転体34の前記連結部61eに軸長方向への移動を可能に保持し、該係止体63eを下方へ移動させることにより該係止体63eの外側の歯が第2の連結部62eの歯に噛合し、係止体63eを係止させるようにしてある。
【0062】
図16は手動連結手段が操作された状態の拡大断面図である。
実施の形態6においては、上述の如く車両を走行していないときに操舵輪4を操作して車両を移動させたり、走行させたりする場合、操舵軸3の連結部61eに保持されている係止体63eを運転者が手動操作によって下方へと移動させ、該係止体63eを保持体33の連結部62eに係止させることにより、操舵軸3及び舵取機構1を、第1の連結部61e、係止体63e及び第2の連結部62eを介して機械的に連結することができる。
【0063】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
【0064】
実施の形態7
図17は実施の形態7の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
この実施の形態7は、実施の形態5の如く自動連結手段30と、手動連結手段6とを備えた構成において、前記保持体33の上端部にめねじを設けて該めねじを第2の連結部62fとし、前記回転体34の上端部に前記めねじに臨む凹状の係合部27aを有するフランジ27を取付けて該フランジ27を第1の連結部61fとし、さらに前記係合部27aに係合するおねじ28を前記めねじに螺合して該おねじ28を軸長方向への移動が可能な係止体63fとしてある。
【0065】
図18は手動連結手段が操作された状態の拡大断面図である。
実施の形態7においては、上述の如く車両を走行していないときに操舵輪4を操作して車両を移動させたり、走行させたりする場合、運転者が手動操作によっておねじ28をめねじに螺合し、該おねじ28の一端部(頭部)を第1の連結部61fの係合部27aに係合させることにより、操舵軸3及び舵取機構1を、フランジ27、おねじ28及びめねじを介して機械的に連結することができる。
【0066】
尚、実施の形態5乃至7で説明した自動連結手段30は図12,図13の構造に限定されるものでなく、例えば公知の電磁クラッチ、摩擦クラッチであってもよく、その構成は特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る車両用操舵装置の手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る車両用操舵装置の手動連結手段を操作した状態の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態2の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図5】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態2の手動連結手段を操作した状態の拡大断面図である。
【図6】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態3の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図7】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態3の構成を示す手動連結手段部分の斜視図である。
【図8】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態3の手動連結手段を操作した状態の拡大断面図である。
【図9】 本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態4の参考例の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図10】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態5の全体構成を示す模式図である。
【図11】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態5の構成を示す自動連結手段及び手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図12】図11のXII −XII 線の拡大断面図である。
【図13】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態5の自動連結手段が切換えられた状態の拡大断面図である。
【図14】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態5の手動連結手段が操作された状態の拡大断面図である。
【図15】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態6の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図16】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態6の手動連結手段が操作された状態の拡大断面図である。
【図17】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態7の構成を示す手動連結手段部分の拡大断面図である。
【図18】本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態7の手動連結手段が操作された状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 舵取機構
2 静止側部材(軸ハウジング)
3 操舵軸
4 操舵手段(操舵輪)
5 駆動手段
6 手動連結手段
61,61b,61c,61d,61e,61f 連結部
62,62a,62b,62c,62d,62e,62f 連結部
63,63a,63b,63d,63e,63f 係止体
22a めねじ
23a 係合部
24 おねじ
30 自動連結手段
Claims (2)
- 車輪の向きを変える舵取機構に機械的に連結されることなく静止側部材に支持される操舵軸と、該操舵軸に連結される操舵手段の操舵に応じて前記舵取機構を駆動する駆動手段と、該駆動手段が非作動であるとき、前記操舵軸の舵取機構への機械的連結を手動操作によって可能とする手動連結手段とを備えた車両用操舵装置において、前記手動連結手段は、前記操舵軸及び舵取機構の夫々に設けられた連結部と、該連結部の一方に設けられているめねじと、該めねじに螺合されるおねじと、該おねじが係合可能であり、且つ前記連結部の他方に設けられている係合部とを備えていることを特徴とする車両用操舵装置。
- 車輪の向きを変える舵取機構に機械的に連結されることなく静止側部材に支持される操舵軸と、該操舵軸に連結される操舵手段の操舵に応じて前記舵取機構を駆動する駆動手段と、該駆動手段の故障によって前記舵取機構を駆動することができなくなったとき前記操舵軸を前記舵取機構に自動的に連結する自動連結手段と、前記操舵軸の舵取機構への機械的連結を手動操作によって可能とする手動連結手段とを備えた車両用操舵装置において、前記手動連結手段は、前記操舵軸及び舵取機構の夫々に設けられた連結部と、該連結部の一方に設けられているめねじと、該めねじに螺合されるおねじと、該おねじが係合可能であり、且つ前記連結部の他方に設けられている係合部とを備えていることを特徴とする車両用操舵装置。
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