JP3828651B2 - モリブデン鍛造成形部品及びその製造方法 - Google Patents

モリブデン鍛造成形部品及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,鍛造によって成形された高温下で用いられる凹状部を備えたモリブデン製容器等のモリブデン鍛造成形部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モリブデンを用いた金属蒸発用容器,金属酸化物溶解容器,あるいは類似の結晶製作用容器等は,種々の製品の製造工程において,高温下で用いられる製造装置一式のうちの一構成部品ととらえることが出来る。この構成部品として,凹状部を備えた容器が多く用いられている。
【0003】
このモリブデン製の容器は,コストもさることながら,その寿命が短いという問題がある。したがって,この容器を用いて構成される各種製造装置の稼働寿命が短く,その結果,非処理物のコストにおけるランニング単価相当分が増大し,各種製品の製造には大きな障害になっている。
【0004】
現在,この意での寿命に関しては,上記モリブデン製容器において充分満足する物は得られてはいない。特に,モリブデン製容器の凹状部を規定する基部とそこから所定角度をなして延在する閉塞した側部との境界である曲がり部の高温における耐変形強度不足が最大の欠点であり最大の課題でもある。
【0005】
ところで,生産的規模で用いられるモリブデン製容器には,概ねφ100×50mmH以上の大きいサイズも必要で,その実用的寿命は大切である。
【0006】
このようなモリブデン製の上凹状容器を製造するには,次の製法が考えられる。(i)モリデンのムク材を座刳る方法,(ii)加工された板材を絞る方法など。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記(i)の方法では,材料となるモリブデン焼結体素材の芯まで充分に焼結させなければならず,他の生産すべき焼結対象材料とは,異なる操炉条件としなければならない。しかも,また切削により発生する切り粉は無駄になる上,材料には圧延や鍛造等の加工は殆ど加えられてないのが通常で強度は不充分である。
【0008】
また,上記(ii)の方法は,一般に用いられているが,最終仕上げの容器等の凹状部を備えた形状への加工後も比較的肉厚を大きく採ることが必要である。この方法は,スピニング絞りもターニング絞りも,変形抵抗が大きいモリブデンの5〜15mm厚程度のものでも,900℃以上好ましくは950〜1000℃の熱間加工により曲がり部を精度良く加工できる。しかし,得られるモリブデン部品の側部の肉厚減少は避けられず,側部と基部との境界である曲がり部への加工歪みは著しく大きく,繊維組織もみだれる事があるだけでなく高温での強度バラツキが大きく,高温での安定使用は困難である。しかし,この方法は,材料的に無駄が少なく,コスト上は魅力があることは事実である。
【0009】
さらに,金属の塑性加工のうち,永久変形加工としてはプレス加工が多用されている。400〜600℃程度の温間も一般的に利用されている。
【0010】
しかし,モリブデンについては薄い板材での冷間加工例はあるものの,前述した厚さ,大きさでは熱間加工は欠かせず,しかも大きい変形抵抗に打ち勝つ力で加工しなければならない。また,凹状部を備えたモリブデン部品をプレス機により形成させるには,粗形部材を圧縮成形し型内で材料を流動させる必要がある。ところが,プレス型自体は金型の劣化温度(例えば,SKT4材では650℃で実質的には450℃が限界)を充分に考慮しなければならず,加工中の温度低下(モリブデンの熱伝導率140W/mKに対しステンレスは,12W/mKで差は大きい)は避けられず,良好な加工ができない。
【0011】
そこで,本発明の技術的課題は,高温で用いられるのに適するとともに,コストも低く特に曲がり部の耐高温変形強度の充分な凹状部を備えたモリブデン鍛造成形部品及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,プレス機において,400〜450℃に型を予備加熱すると,モリブデンを良好に加工できることを見出した。
【0013】
本発明によれば、理論密度比が少なくとも94%で酸素含有量30ppm以下、結晶粒径が80μm以下であるモリブデン焼結体を鍛造することによって作製されたモリブデン鍛造成形部品を製造する方法であって、前記モリブデン鍛造成形部品は、基部と前記基部から曲がり部を介して延在するとともに側部とによって形成された凹状部を備え、前記凹状部を規定する前記側部の立ち上がりの角度が85度以下で、前記基部と前記底部の境界をなす曲がり部がR35mmよりも大きく、且つ、当該曲がり部における結晶粒の大きさが80μm以下で、平均粒径が15〜40μmとなるようにハンマー熱間型鍛造を行うことを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法が得られる。
【0014】
また,モリブデン自体は1000℃以上,好ましくは,取り扱いの冷却を考慮して1150℃に加熱後速やかに鍛造工程に入る配慮をする必要がある。一方,少なくとも1250℃を越えると再結晶が急進展するため避ける必要がある。この加熱温度の大切な事,及び加工の途中での温度低下を防ぎ,且つ突端胴部の加工後の形状安定性を保つため,雌型の中心部に後の加工に支障のない程度の凹状くぼみを形成させ,モリブデン素材を,成形させるべき凹状部の中心に容易に位置させることも大切である。
【0016】
即ち,本発明においては,型の形状は,凸(雄型)の傾斜は85度まで可能であり,凹(雌型)のそれは7〜10度とする事で加工性も型からの離脱も可能であることが得られた。また,使用条件から立ち上げ部を正確に90度にしなければならない場合は,旋盤などによる切削により形を整える。
【0018】
ここで,ハンマー鍛造によるモリブデン鍛造成形部品の製造は,高速で加工出来る上,加工途中での材料自体からの発熱も有り,時間をかけずにうまく加工を終了させる事が出来れば,型加工の際の面倒な再加熱を必要としないという利点を備えている。
【0019】
一方、本発明によれば、前記モリブデン鍛造成形部品の製造に用いるモリブデン焼結素材であって、前記モリブデン焼結素材は、対理論密度が少なくとも94%で酸素含有量が30ppm以下、総炭素量が10ppm以下、結晶粒径が80μm以下であることを特徴とするモリブデンモリブデン焼結素材が得られる
【0020】
即ち,ハンマー鍛造に際して,モリブデン部品の曲がり部の高温での強度を上げるために,組織みだれのない望ましくは曲がり部の結晶粒の大きさ(写真法により測定)が80μm以下で,平均粒径ではその範囲が15〜40μm程度で安定した組織にする材料流れが可能になれば望ましい。少なくとも80μmを越える大きさの粒子の存在は加工時の割れる程度も増えるが高温での割れにも大きく影響する。
【0021】
また,モリブデンの素材は芯まで焼結されていることは当然で,理論密度比93%以下では曲がり部の大きな割れが抑えられなく,一方,96%を越えるまで焼結するには,コストがかかる上,大きな粒子の発生にもつながる恐れもある。また,材料流れをスムースにするには,焼結体での酸素含有量が通常40〜80ppmであるのに対し30ppm以下に,しかも総炭素量が10ppm以下,結晶粒径が80μm以下とすることで素材としては良好なものが得られることも判明した。この製造条件としては,原料粉の汚染に気を付けることと,露点−20度以下の水素中1800℃で6〜15時間保持させる事で本発明の目的に叶う焼結素材が得られる。
【0022】
また,本発明によれば,前記モリブデン鍛造成形部品の製造方法であって、前記型鍛造は、ハンマー熱間型鍛造であることを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法が得られる。また、本発明によれば、前記モリブデン鍛造成形部品の製造方法において、前記型鍛造は3TONm〜12TONm程度の加工エネルギーで行うことを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法が得られる。また、本発明によれば、前記モリブデン鍛造成形部品の製造方法において、前記型鍛造は、ハンマー熱間型鍛造によって鍛造成形することを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法が得られる。
【0023】
そして,鍛造加工の方法において,前述のハンマーの加工エネルギーは,モリブデンに対して6〜12TONm程度で加工が可能である。小さなサイズのものに大きな力を加え過ぎてはいけないことも自明である。しかし,加工過程で常にこの力を加えると割れが発生するばかりか,表面のスケールが剥離,飛散し危険である。加工の終盤は,他の材料でも一般的に強加工しないが,モリブデンも同様の配慮が望ましい。
【0024】
また,本発明において用いられる離型剤としては,例えば,市販のピアシングオイル41(市販品)等を用いて良いが,通常の希釈では高温雰囲気のため離型効果は少なくほぼ無希釈で用いるのが良い。特に雄型はモリデンと付着したら,殆どの場合モリブデンを割らねば外せず不都合である。此のように離型剤を用いながら,加工時のハンマーは凡そ2〜4TONmで,加工初期ではそれ以降の加工条件の1/3位にすることが好ましいことが分かった。割れ,剥離が防げるのは,温度降下し硬化した層が次のハンマーの衝撃を和らげる事と型への馴染みが効いている為と思われる。
【0025】
また、本発明によれば、前記モリブデン鍛造成形部品の製造方法において、平均粒径3μmの金属モリブデン粉末を静水圧プレスして成形体を作製するモリブデン粉末成形工程と、前記モリブデン粉末成形体を露点−20度以下の水素中1800℃で6〜15時間保持させて、理論密度比が少なくとも94%で、酸素含有量が30ppm以下、総炭素量10ppm以下、結晶粒径が80μm以下のモリブデン焼結体を作製する焼結工程と、前記モリブデン焼結体を1150℃で加熱するための焼結体加熱工程と、前記モリブデン焼結体をハンマー型鍛造するための雌型を余熱する金型余熱工程と、前記雌型に離型剤であるピアジングオイル又はデルタフォージを塗布する離型剤塗布工程と、前記離型剤が塗布された雌型に前記モリブデン焼結体をセットし、3TONm〜12TONm程度の加工エネルギーで型鍛造し、前記モリブデン鍛造成形部品を形成するハンマー熱間型鍛造工程とを備えることを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法の製造方法が得られる。
【0026】
更に,モリブデン鍛造成形部品に,割れや剥離,ダブルスキンを生じさせないようにするには,全加工量の1/3程度まで板に鍛造(一般には荒打ちと呼ぶ)加工し,その後先述の型鍛造により加工を進めれば,更に曲がり部の高温変形強度も優れ,かつ加工後の寸法精度も良好な凹状部を備えたモリブデン部品が出来ることが掴めた。
【0027】
全体の加工度は一般的には60%以上が望ましく80%あればその効果は充分と言える。一般には鍛造加工したものの表面は1〜1.5mm削り取ることが多く,本発明の方法によれば,0.2〜0.4mm,多くても0.5mm表面をけずれば良く,ダブルスキンが発生しても0.6mmを越えて削る必要はない。此のことは上述の手立てによる効果であって,高価なモリブデンの加工では経済的効果は大きい。
【0028】
また,モリブデンを鍛造にて板材とし(概ねT11〜15mm),絞りにより凹状部を備えたモリブデン部品とする方法では,全体の材料歩留は40〜60%程度に留まる事多く高価な材料の無駄が避けがたい。しかし,本発明によれば,凡そ85%以上の歩留まりが期待出来る。
【0029】
また、本発明によれば、前記いずれか一つのモリブデン鍛造成形部品の製造方法によって製造されたモリブデン鍛造成形部品が得られる。また、本発明によれば、前記モリブデン鍛造成形部品から製造されていることを特徴とするモリブデン容器が得られる
【0030】
即ち,採取する結晶の幅形状が広くあれば,他方の長さ(深さ,幅以外の寸法)はむしろ小さくし,結果として溶解の溶湯容積を小さくし消費される熱的経済性を高める要望に対しては角形状の容器が望まれる。絞りによる方法も,座刳りによる方法も角形状に対しては著しく困難で,少なくてもモリブデン単身から成る径φ100mm×高さH50mm以上に相当する大きさの角筒容器に対して実例は無い。しかし,本発明によれば,材料の張り出し量を一度把握すれば容易に製作することができることが判明した。
【0031】
先述した円筒形状との違いは,例えば幅×長さの比率に応じて被加工物の形状比率を変更することで原則的に可能になる。丸い素材では,ハンマー型鍛造による形成は不可能である。ただし,かなり大きい場合,途中の再加熱や離型材の再塗布の必要な場合があるので,表皮の荒れを注意深く観察しておく必要がある。
【0032】
本発明において,曲がり部は,R35mm程度が無理なく出来る範囲と言える。曲がり部での材料流れは,直接組織の在り方に影響する。曲がり部のRが大きいほど鍛造により造られる結晶組織が残るため望ましく,厳密には寿命にも影響する。従って金型の曲がり部での金型表面にあるバリやササクレ,異物等の突起は注意が必要である。
【0033】
更に,本発明により得られた容器を金属の蒸発容器として,または金属酸化物の溶解用容器として用いた場合,従来の座刳りや絞りのものより大幅に高温での曲がり部の耐変形性に優れていることが確認された。使用不能になるまでの寿命も優れている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態によるモリブデン鍛造成形部品を示す断面図である。図1に示すように,第1の実施の形態によるモリブデン鍛造成形部品は,基部1と,側部2と,基部1及び側部2との境界をなす曲がり部3とを備えたモリブデン製の凹状容器10からなる。この凹状容器10において,側部2の基部1からの立ち上がり角αは,45度である。
【0036】
図1に示す凹状容器10は,具体的には,次のように製造されている。
【0037】
原料モリブデン酸化物を,一般的な方法で還元して平均粒径が約3μmの金属モリブデン粉末を得た。静水圧プレスにより成形した後,露点−26度の水素中,1800℃で約10時間焼結したところ,外観の良好な焼結体が得られ,その結晶粒径は平均で約18μmで最大粒径は凡そ45μmであった。さらに,酸素含有量22ppm.総炭素量5ppm,理論密度比95.4%であった。また,サイズは予定通り直径φ180mm×高さH50mmとなり,13kgであった。この焼結体を予めセラミック製の炉内で1150℃に加熱し,ピアシングオイル41を濃いまま刷毛で型に塗り,別途420℃に余熱された型に先の焼結体をセットし,上部より初め3.5TONmで3回たたき,次いで11.8TONmで5回たたいた。型もモリブデンも再加熱は行なわなかった。
【0038】
加工後の形状は,図1に示す通りで基部1の厚み18mm,開口部φ260mmで,高さは55mm,ダブルスキンは殆ど発生せず僅かにささくれた表皮での切削代は,ほぼ0.3mmでその部分を除去したところ良好な外観品が得られた。型鍛造故のバリ部いわゆる余剰部も除去した結果,11.2kgの加工物が得られた。材料歩留は86%であった。
【0039】
この容器を900〜1200℃の範囲で銅の蒸発実験に用いたところ,従来の座刳りや絞りにより得られた物に比べ,それぞれ約2.5倍,1.3倍の寿命となった。
【0040】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態と同様の処理により,200×80×H50/7.6kgの焼結体を得た。デルタフオージ31(日本アチソン社製)を濃いまま刷毛で型に塗り,1150℃に加熱した前記モリブデンを雌型にセット後,初め3.0TONmで4回たたき,次いで8.8TONmで8回たたくことでほぼ所望のB(幅)100×L(長さ)250×H(高さ)55の形状に出来,最後に3.0TONmで,これも3〜4回たたいてR35内側のウネリが消えた。上部のバリ部は若干突端で割れもみられたがバリを切削した所良好な組繊が現われた。表面は酸洗浄した後,上端部と底の部分を切削により所望の形状精度に仕上げた。1950℃より高温での使用に対し従来よりの円筒状容器より寿命延長が期待出来る。
【0041】
また,第1の比較試料として,第1の実施の形態と同様の焼結体の製作方法において,焼結条件の管理ミスによる変動から結晶粒径が90〜100μmのものが混在していて,理諭密度比も93.5%であった。モリブデンと金型の予熱も離型材塗布方法も所定通り処置したが,第2回目のハンマーで極僅かの表面クラックが発生しハンマーの回数が増えるに従って亀裂が進行したため正常な加工状態を保てなかった。また露点や水素の条件が設定通り行なわれなかったため酸素含有量が45ppm,総炭素量が30ppmあった焼結体については,額縁中央に僅かに亀裂が発生していた上,ハリの外周位への内側にも同様の亀裂が発生していたため,少なくても切削量を大きく取らねばならず所望の形状を得る事は出来なかった。
【0042】
さらに,第2の比較試料として,第1の実施の形態による鍛造加工において,凹状容器の突端側部の立ち上がりを88度にしたところ,曲がり部の組織が大きく乱れた上雄型よりの離脱に不具合が生じた。実質的には切削工程を無くす必要はなく,85度まで可能にした事で良いことが確かめられた。
【0043】
(第3の実施の形態)
図2は本発明の第3の実施の形態によるモリブデン鍛造成形部品を示す断面図である。図2に示すように,第3の実施の形態によるモリブデン鍛造成形部品は,基部5と,側部6と,基部5及び側部6との境界をなす曲がり部7とを備えたモリブデン製の凹状容器20からなる。この凹状容器20において,側部6の基部5からの立ち上がり角βは,85度である。
【0044】
図2に示す凹状容器20は,具体的には,次のように製造されている。
【0045】
第1の実施の形態と同様の処理により,直径φ150×高さH60の焼結体(11.4kg)の素材を得た。モリブデン素材及び型も第1の実施の形態と同様に予熱して,デルタフオーシ31(日本アチソン製市販品)型材を濃いままで刷毛により,上部より初め2.5〜3.5T0Nmで3回たたき,次いで8〜11TONmで7回叩いた後3.5TONm以下で2〜3回たたいて終了とした。型もモリブデン素材も再加熱は行なわなかった。加工後の形状は,図2に示す通りで,基部5の厚みT15mm,開口部φ230で高さHは70mm,切削代はほぼ0.5mm除去して表皮に僅かに縞状クラックが見られたが,使用には差しつかえなく概ね良好な外観品のものが得られた。第1の実施の形態と同様バリ除去後10.8kgとなり,材料歩留は94%であった。この容器を約2000℃の雰囲気で金属酸化物溶解用に用いたところ,従来の技術の絞りによる方法で得られた容器に比べ,曲がり部での変形や割れによる溶湯モレも著しく向上し,従来技術よりも結果として1.4倍の寿命となった。
【0046】
同様の手順で鍛造加工する方法において,最初の鍛造は据え込み鍛造とし,T40mmまで加工した後,再度加熱し前記実施例1と同様の方法にて型鍛造を行なった。この場合は,目視外観では,ほぼクラックは見い出されず,表皮が全体に切削面外観とするには,概ね0.2mm,部位により0.3mm除去すれは良い。しかも同一条件で金属酸化物を溶解したところ,型鍛造品よりも向上し寿命は絞り品の1.8倍で,使用前の曲がり部の結晶組織も,粒状結晶が消失してなく,加工工程は増えるが,寸法精度の向上も得られる為設定目的により自由に使い分ければ良い。
【0047】
このようにして得られた本発明の第2の実施の形態によるモリブデン製の凹状容器20は,高温における特に曲がり部の耐変形強度が優れ,かつ寸法精度が良好な形状が得られるものとなる。
【0048】
尚,上記実施の形態においては,凹状容器10及び20は,るつぼに最適であるが,その他に高温下に用いられる金属蒸発用容器,金属酸化物溶解容器,結晶作製用容器等の高温下に用いられるような,一部に凹状部を備えた部品に用いることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,高温で用いられるのに適するとともに,コストも低く特に曲がり部の耐高温変形強度の充分な凹状部を備えたモリブデン容器等のモリブデン鍛造成形部品とその製造方法とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるモリブデン鍛造成形部品を示す断面図である。
【図2】本発明の第3の実施の形態によるモリブデン鍛造成形部品を示す断面図である。
【符号の説明】
1,5 基部
2,6 側部
3,7 曲がり部
10,20 凹状容器

Claims (4)

  1. 理論密度比が少なくとも94%で酸素含有量30ppm以下、結晶粒径が80μm以下であるモリブデン焼結体を鍛造することによって作製されたモリブデン鍛造成形部品を製造する方法であって、前記モリブデン鍛造成形部品は、基部と前記基部から曲がり部を介して延在するとともに側部とによって形成された凹状部を備え、前記凹状部を規定する前記側部の立ち上がりの角度が85度以下で、前記基部と前記底部の境界をなす曲がり部がR35mmよりも大きく、且つ、当該曲がり部における結晶粒の大きさが80μm以下で、平均粒径が15〜40μmとなるようにハンマー熱間型鍛造を行うことを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法
  2. 請求項1に記載のモリブデン鍛造成形部品の製造方法において、平均粒径3μmの金属モリブデン粉末を静水圧プレスして成形体を作製するモリブデン粉末成形工程と、前記モリブデン粉末成形体を露点−20度以下の水素中1800℃で6〜15時間保持させて、理論密度比が少なくとも94%で、酸素含有量が30ppm以下、総炭素量10ppm以下、結晶粒径が80μm以下のモリブデン焼結体を作製する焼結工程と、前記モリブデン焼結体を1150℃で加熱するための焼結体加熱工程と、前記モリブデン焼結体をハンマー型鍛造するための雌型を余熱する金型余熱工程と、前記雌型に離型剤であるピアジングオイル又はデルタフォージを塗布する離型剤塗布工程と、前記離型剤が塗布された雌型に前記モリブデン焼結体をセットし、3TONm〜12TONm程度の加工エネルギーで型鍛造し、前記モリブデン鍛造成形部品を形成するハンマー熱間型鍛造工程とを備えることを特徴とするモリブデン鍛造成形部品の製造方法
  3. 請求項1又は2に記載のモリブデン鍛造成形部品の製造方法によって製造されたことを特徴とするモリブデン鍛造成形部品。
  4. 請求項3に記載のモリブデン鍛造成形部品から製造されていることを特徴とするモリブデン容器
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