JP3826258B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転中にエンジンの始動および停止を繰り返し実行する可能性があるシステムにおいて、エンジンを始動するためのエンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンと電動機とを動力源とするハイブリッド車両が提案されている。ハイブリッド車両では、停車中にエンジンを停止する他、エンジンを停止したまま電動機を動力源として走行することもできる。また、エンジンのみを動力源とする通常の車両においては、燃費を向上しエミッションを低減するために、停車中にエンジンを停止する制御が提案されている。このように近年では、車両の運転中に頻繁にエンジンの停止および始動が行われる技術が種々提案されている。
【0003】
空調器機、パワーステアリング用オイルポンプなどの補機は、通常、エンジンで駆動されているから、車両の運転中にエンジンを停止させる場合、エンジン停止中は別の手段でこれらの補機を駆動する必要がある。この駆動を実現する方法として、例えば補機を駆動するための補機駆動モータを備える技術が提案されている(例えば、特開平10ー339185記載の技術)。この技術では、ベルト伝動機構を介して補機を駆動可能なモータをエンジンのクランクシャフトにクラッチを介して結合する。エンジン停止中は、クラッチを解放状態にして、モータを力行し、補機を駆動する。クラッチを係合させると、モータの動力によってエンジンをクランキングして、エンジンを始動することができる。かかる機構では、静粛性を確保するため、ゴム製のベルトが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の車両によれば、補機を駆動するためのモータを活用して、エンジンを始動することができる。しかし、一般にエンジンは、潤滑油の粘性の変化などに起因して、温度状態によって始動時に要するトルクが大きく変動する。また、補機駆動用のモータをゴム製のベルトを用いた伝動機構を介して結合した場合、エンジンが低温時には、ベルトが硬化しており、伝達トルクに損失が生じるため、通常よりも大きな始動トルクをモータから出力する必要が生じる。これらの要因により、種々の運転状況下でエンジンを円滑かつ安定して始動しようとすれば、エンジン始動に用いられるモータは大型化する。車両のように限られたスペースにエンジンを搭載する場合には、こうした装置の大型化は特に看過し得ない。
【0005】
上述の課題は、ハイブリッド車両であるか否かに関わらず、運転中に頻繁にエンジンの停止および始動が行われる車両に共通の課題であった。また、車両以外のシステムにおいても同様であった。本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、運転開始後にエンジンの始動および停止を繰り返し実行するシステムにおいて、装置の小型化を図りつつ、幅広い運転状況下でエンジンの始動を安定かつ円滑に始動する技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では以下の構成を採用した。本発明は、エンジンの出力軸を回転させて、該エンジンの始動を行うエンジン始動装置において、
該出力軸に結合され、高温状態にある該エンジンを円滑に始動可能な範囲の低トルクを出力する第1電動機と、
前記出力軸に結合され、低温状態にある該エンジンを始動するのに十分な高トルクを出力する第2電動機とを備えることを要旨とする。
【0007】
本発明のエンジン始動装置では、エンジンが低温状態にある場合と、高温状態にある場合とで2つの電動機を使い分けてエンジンを始動する点に特徴がある。既に説明した通り、エンジンを始動するために要する始動トルクは、潤滑油の粘性などに起因して温度状態に応じて大きく相違し、低温状態では非常に大きなトルクが要求される。一方、運転開始後にエンジンの始動および停止を繰り返し行うシステムを考えた場合、低温状態でのエンジンの始動は運転開始当初に限られ、その後は高温状態、即ちエンジンの暖機が完了した状態での始動を繰り返し実行することになる。これらを総合的に分析すると、低温状態での始動は大トルクが要求されるものの繰り返し数は比較的少ない特徴があることが分かる。高温状態での始動は逆に、要求されるトルクは比較的小さいものの繰り返し数が多い特徴があることが分かる。両者の特性を単一の電動機で満足しようとすれば、電動機のサイズが大型化し、装置の大型化を招くことになる。
【0008】
本発明は、かかる分析に基づいてなされたものであり、高温状態での始動に適した第1電動機と、低温状態での始動に適した第2電動機とを備えることにより、装置の小型化を図りつつ、それぞれの運転状況下でエンジンを円滑かつ安定して始動することができる。電動機の数を増やせば装置の大型化につながるという固定観念を打破し、始動時に要求される特性が大きく相違する各運転状態に適した電動機をそれぞれ備えることにより、全体として装置の小型化を図ることができることを見いだした点に本発明の技術的意義がある。
【0009】
本発明において、第1電動機および第2電動機は、同じ型の電動機を適用することもできるが、各特性に応じて交流モータと直流モータなど異なる型の電動機を適用することも望ましい。上記説明では、第1電動機は低トルク、第2電動機は高トルクを出力するものとして説明したが、更に、第1電動機はトルクを出力する耐用回数が十分に高いことが望ましい。逆に、第2電動機は耐用回数が低くても構わないため、かかる電動機を適用することにより、エンジン始動装置のコスト低減を図ることも可能である。
【0010】
本発明のエンジン始動装置において、第1電動機および第2電動機は、ギヤを介して結合する構成、ベルトを利用した伝動機構を介して結合する構成など種々の態様でエンジンの出力軸に結合可能である。本発明はこうした種々の態様のうち、第1電動機がゴム製のベルトなどの弾性ベルトを備える動力伝達機構を介して前記出力軸と結合されている構成に特に有効に適用することができる。第1電動機は高温状態でエンジンを頻繁に始動するために用いられる電動機である。弾性ベルトを介してこの第1電動機をエンジンに結合する構成では、第1電動機の運転時における静粛性を向上することができる。従って、頻繁に行われる始動を静粛に行うことができ、上記エンジンを搭載したシステムを快適に利用することが可能となる。
【0011】
また、弾性ベルトは、一般に低温時には硬化して動力の伝達に損失が生じることが多い。従って、第1電動機が弾性ベルトを介して結合された構成において、仮に第1電動機を用いて低温時までもエンジンの始動を行おうとすれば、上述の損失をも考慮してより高い出力トルクが要求されることになり、第1電動機のサイズが非常に大きくなる。本発明のエンジン始動装置では、低温状態でエンジンを始動する第2電動機を備えるため、かかる要因による第1電動機の大型化を招くことなく、弾性ベルトを利用した構成を実現することができる。
【0012】
また、本発明のエンジン始動装置において、前記出力軸に結合された補機が備えられている場合には、第2電動機での始動時に、該出力軸と該補機との結合を切り離す切断機構を備えることが望ましい。こうすれば、始動時に補機の駆動に要求される分のトルクを低減することができる。第2電動機は、始動に要求されるトルクが高い低温状態でエンジンを始動するための電動機であるから、補機を切り離して始動時の負荷を減らすことにより、要求される最大トルクを抑制でき、第2電動機の小型化を図ることができる。
【0013】
なお、出力軸に補機が備えられている場合、エンジン停止時に該補機を駆動するために電動機を備える必要がある。かかる電動機に、本発明のエンジン始動装置における第1電動機を兼用すれば、装置をより小型化することが可能となる。また、弾性ベルトを介した伝動機構により第1電動機と補機とを結合すれば、静粛性を確保することもできる点でより好ましい。
【0014】
車両に搭載されたエンジンに対して本発明のエンジン始動装置を適用する場合、エンジンのみを動力源とする車両、およびエンジンと電動機とを動力源とするハイブリッド車両のいずれに適用することも可能である。ハイブリッド車両には、エンジンの出力を直接駆動軸に出力し得ないシリーズハイブリッド車両と、直接駆動軸に出力可能なパラレルハイブリッド車両が存在するが、いずれに適用することも可能である。シリーズハイブリッド車両では、エンジンから出力された動力を電力に変換する発電機が備えられているため、この発電機を第2電動機として用いることにより、本発明を適用することができる。
【0015】
パラレルハイブリッド車両では、エンジンの出力軸に結合されるとともに、駆動軸にも動力を出力可能な電動機を第2電動機として用いることにより、本発明を適用することができる。こうすれば、動力源としての電動機とエンジン始動装置を構成する電動機とを兼用することができるため、装置の小型化を図ることができる。ハイブリッド車両において動力源として使用される電動機は、通常、高いトルクを出力可能であるから、第2電動機に適している。また、かかる構成では、別途第1電動機が備えられることになるため、第1電動機でエンジンを始動することにより、第2電動機から駆動軸に出力されるトルクの低減を招くことなくエンジンを始動させることができる利点もある。パラレルハイブリッド車両では、第2電動機のみの動力によって走行することもあるが、上記構成によれば、かかる状態から駆動軸のトルク変動を招くことなくエンジンを始動させることができるため、ハイブリッド車両の乗り心地を向上することができる。
【0016】
本発明のエンジン始動装置において、第1電動機と第2電動機の使い分けは運転者が手動で行うものとしてもよいが、
前記エンジンの温度状態を推定する温度状態推定手段と、
低温状態と推定された場合に前記第2電動機を用いて前記エンジンを始動する始動制御装置とを備えて自動的に制御することが望ましい。
温度状態は、第1電動機および第2電動機のいずれが始動に適しているかの判断基準であり、いかなる温度範囲が低温状態に相当するかは、第2電動機の出力トルク、第1電動機の出力トルクを考慮して任意に設定することができる。また、低温状態の範囲は、必ずしも明確な温度範囲で設定されている必要はなく、エンジンの暖機前を低温状態と設定してもよい。なお、始動制御装置は、高温状態と推定された場合には第1電動機で前記エンジンを始動する制御を行うことが望ましい。但し、常に第1電動機を用いる必要はなく、第2電動機を用いて始動する場合があっても構わない。
【0017】
ここで、運転者の操作により前記エンジンの始動を指示する始動スイッチを備える場合には、前記温度状態推定手段は、該始動スイッチについて、前記エンジンの運転を開始するための最初の操作がなされた場合には、該エンジンは低温状態であると推定する手段であるものとすることができる。車両に搭載された場合には、いわゆるイグニッションスイッチ62が最初に操作された場合に、エンジンは低温状態であると推定する態様に相当する。
【0018】
また、前記エンジンの温度に関与した所定のパラメータを検出する検出手段を備える場合には、前記温度状態推定手段は、該検出結果に基づいて前記エンジンの温度状態を推定する手段であるものとすることができる。
【0019】
第1電動機と第2電動機との使い分けはその他種々の態様で制御することができる。例えば、第1電動機または第2電動機のいずれか一方でエンジンの始動を開始し、その後のエンジン回転数の変化や、電動機の出力トルクの変化に基づいて、必要に応じて始動を行う電動機を切り替える態様を採ることも可能である。
【0020】
本発明は、エンジン始動装置に限らず種々の態様で構成することができる。例えば、上述のエンジン始動装置を備えたエンジンを動力源として搭載した車両として構成してもよい。もちろん、車両以外にも、船舶その他の移動体や、産業機械として構成することも可能である。本発明による装置の小型化という利点をより有効に活用するためには、エンジンの搭載するスペースが狭いシステムに適用することが望ましい。本発明は、上述のエンジン始動装置を備えたエンジンを始動するエンジン始動方法として構成することも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.装置の構成:
A2.一般的動作:
A3.エンジン始動処理:
A4.変形例:
B.第2実施例:
B1.装置の構成:
B2.エンジン始動処理:
【0022】
A.第1実施例:
A1.装置の構成:
図1は実施例としてのハイブリッド車両の動力系統についての概略構成を示す説明図である。実施例のハイブリッド車両は、動力を出力するための主な機構として、エンジン10、プラネタリギヤ30、モータ20、無段変速機(以下、CVTという)40を備える。エンジン10はガソリンエンジンである。モータ20はロータに永久磁石を貼付した三相同期モータであり、駆動回路として機能するインバータ21を介して供給されるバッテリ22の電力によって駆動される(以下、かかる運転状態を力行運転という)。本実施例では、ソース側、シンク側に一つずつのトランジスタを組にして三相のそれぞれに設けたトランジスタインバータを用いている。モータ20は外力で回転させられる場合には、発電機として機能し、得られた電力をバッテリ22に充電することもできる(以下、かかる運転状態を回生運転という)。
【0023】
プラネタリギヤ30は、中心で回転するサンギヤ31,その周囲を自転しながら公転するピニオンギヤ32a、32bおよびこれらのピニオンギヤ32、33を軸支して回転するプラネタリキャリア33、ピニオンギヤ32bのさらに外周で回転するリングギヤ36から構成される、いわゆるダブルピニオン型のプラネタリギヤである。プラネタリギヤ30は、サンギヤ31、プラネタリキャリア33、リングギヤ36の回転数およびトルクが以下の関係式で表されることが知られている。
Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ;
Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ);
Nr=(1+ρ)Nc−ρNs;
Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr;
Tr=Tc/(1+ρ);
ρ=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数;
【0024】
ここで、
Nsはサンギヤ31の回転数;
Tsはサンギヤ31のトルク;
Ncはプラネタリキャリア33の回転数;
Tcはプラネタリキャリア33のトルク;
Nrはリングギヤ36の回転数;
Trはリングギヤ36のトルク;
である。
【0025】
CVT40は2つのプーリ41,42の間にベルト43がかけられた構成をしている。プーリ41,42は図示しない油圧機構によってその幅が可変に構成されている。プーリ41,42の幅を連続的に変えるとベルト43のプーリ41,42への掛かり部分の有効半径が連続的に変わるため、動力伝達の減速比を無断階に変更することができる。
【0026】
エンジン10、プラネタリギヤ30、モータ20、CVT40の結合状態は次の通りである。クランクシャフト11はサンギヤ31に結合されている。モータ20はプラネタリキャリア33に結合されている。CVT40のプーリ41には、動力を入力するための回転板35、39が結合されており、プラネタリキャリア33は第1のクラッチ34を介して回転板35と結合および切り離し可能に構成されている。リングギヤ36は、第2のクラッチ38を介して回転板39と結合および切り離し可能に構成されている。リングギヤ36には、その回転を制止するためのブレーキ37も設けられている。CVT40のプーリ42には、車輪53が結合された車軸52にディファレンシャルギヤ51を介して動力を伝達可能な駆動軸50が結合されている。クラッチ34,38およびブレーキ37の係合状態を切り替えることにより、本実施例のハイブリッド車両は、エンジン10、モータ20からの動力を後述する種々の態様でCVT40に入力することができ、駆動軸50に出力することができる。
【0027】
実施例のハイブリッド車両では、動力を出力する系統の他、エンジン10を始動するための機構、および補機12を駆動するための機構が備えられている。補機12には、空調機器、オイルポンプなどが含まれる。補機12は、ゴムベルト13を用いた伝動機構によりエンジン10および補機駆動モータ14と連結されている。補機駆動モータ14はロータに永久磁石が貼付された三相同期モータであり、該モータ側からゴムベルト13方向にのみ動力を伝達するワンウェイクラッチ15を介して連結されている。補機12は、エンジン10が運転されている場合にはその動力が伝動機構により伝達されて駆動される。エンジン10の運転が停止されている場合において、補機12を駆動する必要があるときは、インバータ16をスイッチングすることによりバッテリ22を電源として補機駆動モータ14を力行すれば、その動力によって補機12を駆動することができる。インバータ16もインバータ21と同じく、トランジスタインバータである。補機駆動モータ14を力行するとき、エンジン10は空転させられる。この状態で燃料の噴射および点火を行えば、補機駆動モータ14をスタータとして活用して、エンジン10を始動することもできる。補機駆動モータ14は同期モータであり、回転数を精度良く制御可能であるから、エンジン10の回転数を滑らかに上昇させることができ、円滑な始動を実現することができる。
【0028】
本実施例のハイブリッド車両では、制御ユニット60が、エンジン10、インバータ16,21、CVT40,クラッチ34,38およびブレーキ37などの動作状態を包括的に制御している。制御ユニット60は、内部にCPU、RAM、ROMを備えるマイクロコンピュータとして構成されている。図1中に制御ユニット60との間でやりとりされる信号を破線で示した。これらの制御を実現するために、制御ユニット60には、種々のセンサからの信号が入力されている。図1では、後述する制御に関連深いエンジン水温センサ61、イグニッションスイッチ62からの信号のみを図示し、その他のセンサ入力については、図示を省略した。
【0029】
A2.一般的動作:
次に、本実施例のハイブリッド車両における動力の出力に関する一般的動作について説明する。図2は各運転モードにおけるクラッチ34,38およびブレーキ37の係合状態を示す説明図である。これらの係合状態は、運転者によるシフトレバーの操作および車速やバッテリ22の充電状態などに応じて切り替えられる。シフトレバーがBレンジまたはDレンジと呼ばれる前進用のシフトポジションにある場合には、電気トルコン(ETC)モード、直結モード、モータ走行モードの3種類の運転モードが選択可能である。ETCモードでは、第1のクラッチ34およびブレーキ37を非係合とし、第2のクラッチ38を係合とする。このときリングギヤ36の回転数およびトルクは、先に示した関係式から明らかな通り、サンギヤ31に結合されたエンジン10、プラネタリキャリア33に結合されたモータ20の回転数およびトルクに応じて決定される。従って、エンジン10を一定の回転数およびトルクで運転しつつ、モータ20の回転数を制御すれば、リングギヤ36の回転数を滑らかに変化させることができ、車両の滑らかな加速を実現することができる。なお、ETCモードにおけるモータ20の運転状態は回生運転となる。
【0030】
直結モードでは、クラッチ34、38が係合され、ブレーキ37は非係合となる。このときは、先の関係式から明らかな通り、プラネタリギヤ30は一体的に回転するようになるから、エンジン10の動力が直接、CVT40に伝達される。また、これに併せてモータ20を力行してエンジン10の動力をアシストしたり、モータ20でエンジン10の動力の一部を回生することもできる。
【0031】
モータ走行モードでは、第1のクラッチ34のみが係合され、第2のクラッチ38、ブレーキ37は非係合となる。このときはモータ20がCVT40に結合された状態となる。第2のクラッチ38とブレーキ37が解放された状態では、リングギヤ36の回転状態が決まらず、プラネタリギヤ30の回転状態は決定されないから、エンジン10は実質的に切り離されたのと同等となる。
【0032】
シフトレバーがNレンジまたはPレンジにある場合は、ニュートラルモードまたは充電、エンジン始動モードが選択可能である。ニュートラルモードでは、クラッチ34,38およびブレーキ37の全てが非係合となる。このとき、CVT40へは一切、動力を伝達することができない。充電、エンジン始動モードではブレーキ37のみが係合され、クラッチ34,38は非係合となる。クラッチ34,38が非係合であるため、CVT40に動力は伝達されないが、ブレーキ37が係合されることによって、プラネタリギヤ30の回転状態は決定可能となる。従って、エンジン10の動力をモータ20で回生したり、逆にモータ20を力行してエンジン10をクランキングして始動したりすることが可能となる。先に説明した通り、本実施例のハイブリッド車両では、補機駆動モータ14を用いてエンジン10を始動することも可能であるから、エンジン10のスタータモータとして補機駆動モータ14とモータ20の2種類を備えていることになる。
【0033】
シフトレバーがRレンジにある場合は、モータ走行モードおよびフリクション走行モードが選択可能である。モータ走行モードでは、第1のクラッチ34のみが係合され、第2のクラッチ38、ブレーキ37は非係合となる。このときはモータ20がCVT40に結合された状態となる。フリクション走行モードでは、第1のクラッチ34が係合され、第2のクラッチ38が非係合となるとともに、ブレーキ37とがスリップ係合される。これによりモータ20とエンジン10の動力を利用して後進することが可能となる。
【0034】
本実施例のハイブリッド車両は、これらの運転モードを使い分けて走行する。前進時を例にとって説明する。まず、停車中は信号待ちなどの一時的な停車時も含めて、エンジン10の運転は停止している。既に説明した通り、この間、補機駆動モータ14を力行して補機12が駆動されている。運転者がアクセルペダルを踏み込んで加速操作を行うと、補機駆動モータ14またはモータ20によってクランキングされているエンジン10に燃料が供給され、エンジン10は運転を開始する。そして、ETCモードでモータ20の回生電力を調整することで、エンジン10の回転数を滑らかに変化させつつ出力して発進および加速する。なお、モータ走行モードでモータ20の動力のみを利用して発進する場合もある。モータ走行モードで発進した場合も、エンジン10は補機駆動モータ14によりクランキングされているから、所定の速度に達した時点で燃料が供給されエンジン10の始動が行われる。その後、エンジン10の動力を、CVT40のみによって変速すれば足りる走行状態にある場合には、直結モードが選択され、CVT40による変速範囲を超えて変速が必要になる場合には、ETCモードが選択されて走行する。
【0035】
A3.エンジン始動処理:
先に説明した通り、本実施例のハイブリッド車両では、エンジン10のスタータモータとして補機駆動モータ14とモータ20の2種類を備えている。本実施例では、エンジン10の状態に応じて両者を使い分けて始動を行う。これらの使い分けを実現する制御処理について以下説明する。
【0036】
上述した2種類のスタータモータの使い分けは、エンジン10の始動が要求された際に、エンジン10の温度状態、ここではエンジン10の暖機が完了しているか否かによって行われる。エンジン10の暖機が完了している場合には、補機駆動モータ14により始動される。暖機が完了していない場合には、モータ20により始動される。補機駆動モータ14は、補機12を駆動するために必要な範囲の出力定格のモータであり、暖機完了前の始動トルクが大きい状態でエンジン10をクランキングするのに適していないからである。これに対し、モータ20は大きな始動トルクを十分に出力できる定格を有しているから、暖機前はモータ20を用いてエンジン10を始動する。
【0037】
エンジン10の暖機が完了した後は、補機駆動モータ14で十分に始動を行うことができる。また、モータ20はプラネタリギヤ30を介してエンジン10に結合されているのに対し、補機駆動モータ14はゴムベルト13を用いた伝動機構でエンジン10に結合されているため、始動時の静粛性に優れる利点がある。更に、モータ20はプラネタリギヤ30、CVT40を介して駆動軸50に結合されているため、モータ20でエンジン10を始動した場合、クラッチ34,38およびブレーキ37の動作状態によっては、そのトルク変動が駆動軸50に出力される可能性があるが、補機駆動モータ14はかかるトルク変動を招くことなくエンジン10を始動できる利点がある。このように、エンジン10の暖機前はモータ20がスタータモータに適しており、エンジン10の暖機後は補機駆動モータ14がスタータモータに適している。
【0038】
本実施例では、イグニッションスイッチ62が最初に操作された場合は、その時点でハイブリッド車両の運転が開始されたことを意味するため、エンジン10の暖機は完了していないものと判断する。従って、かかる場合には、モータ20を用いてエンジン10を始動する。その他の場合にエンジン10の始動要求がなされた場合には、エンジン10の暖機は完了しているものと判断する。従って、かかる場合には、補機駆動モータ14を用いてエンジン10を始動する。この制御処理は、以下のフローチャートによって実現される。
【0039】
図3はエンジン始動制御処理ルーチンのフローチャートである。エンジン10の始動要求が出された場合に、制御ユニット60内のCPUが実行する処理である。エンジン10の始動要求は、第1に運転者がイグニッションスイッチ62を操作したことが検出された場合に出される。イグニッションスイッチ62の操作位置には、車両の運転を停止するポジション「OFF]、ファンや照明機器などの電装品のみを使用可能にするポジション「ACC」、車両の運転を行うポジション「ON」、車両の運転を開始するためのポジション「START」の4つのポジションがある。運転者がイグニッションスイッチ62を「START」ポジションに操作すると、エンジン10の始動要求が出されてエンジン10が始動し、ハイブリッド車両の運転が開始される。その後、イグニッションスイッチ62は弾力によって「ON」ポジションに移動し、車両の運転中はこのポジションを維持する。
【0040】
本実施例のハイブリッド車両は、燃費を向上し、いわゆるエミッションを低減するため、停車中にエンジン10を停止する。従って、エンジン10の始動要求が出される第2の場合としては、停車状態から再度走行を開始する場合が挙げられる。運転者がアクセルを操作して車両の加速を指示したことが検出されると、それに応じて制御ユニット60がエンジン10の始動要求を出す。従って、イグニッションスイッチ62は「ON」ポジションにある場合でも、エンジン10の始動要求が出されることがある。
【0041】
本実施例のハイブリッド車両は、先に説明した通り、モータ20のみを動力源として走行することもできる。エンジン10の始動要求が出される第3の場合としては、モータ20を動力源として走行している状態からエンジン10を動力源として利用する走行に切り替える場合が挙げられる。モータ20のみを動力源として走行中に車速、要求トルク、バッテリ22の充電状態が予めマップで設定された所定の状態に至ると、制御ユニット60がエンジン10を始動すべきと判断して、始動要求を出す。
【0042】
これらの始動要求に応じて図3に示すエンジン始動制御処理ルーチンが開始されると、制御ユニット60のCPUは、まず初期始動フラグFEが値0であるか否か、イグニッションスイッチ62のポジションが「START」であるか否かを判断する(ステップS10,S12)。初期始動フラグFEは、従前にイグニッションスイッチ62が操作されたことがあるか否かを示すフラグである。運転者がエンジンキーをイグニッションスイッチ62に挿入した時点で値0に初期化される。イグニッションスイッチ62を「OFF」ポジションに操作した時点で初期化するものとしてもよい。
【0043】
ステップS10,S12の条件をいずれか一方でも満足しない場合には、エンジン10の暖機が完了しているものと判断し、スタータモータとして補機駆動モータ14を設定する(ステップS18)。ステップS10,S12の条件を双方ともに満たす場合には、初めてエンジン10の始動要求が出されたものと判断され、暖機前であると判断されるため、CPUは、初期始動フラグFEに値1を代入するとともに(ステップS14)、エンジン10の始動に使用するスタータモータとしてモータ20を設定する(ステップS16)。ステップS14において、初期始動フラグFEに「1」を代入することにより、その後にイグニッションスイッチ62が「START」ポジションに操作された場合でも、暖機前であると判断されないことになる。
【0044】
こうしてスタータモータが設定されると、CPUは設定されたスタータモータを制御して、エンジン10が完爆して自立運転を開始するまで、クランキングを行う(ステップS20、S22)。モータ20に対してはインバータ21,補機駆動モータ14に対してはインバータ16のスイッチングをそれぞれ制御することにより、バッテリ22を電源として各モータを力行するのである。同期電動機の運転を制御する技術は周知であるため、詳細な説明を省略する。
【0045】
以上で説明した本実施例のハイブリッド車両によれば、エンジン10が初めて始動された場合には、モータ20をスタータモータとして使用し、その他の場合は、補機駆動モータ14をスタータモータとして使用することができる。エンジン10が低温状態にあるのは、初期の始動時のみであるのが通常であるため、かかる処理によれば、エンジン10の暖機状態に応じて2種類のスタータモータを使い分けることができる。先に説明した通り、モータ20は暖機前の始動に適した特性を有しており、補機駆動モータ14は暖機後の始動に適した特性を有しているから、本実施例のハイブリッド車両によれば、エンジン10の暖機状態に応じて円滑かつ安定した始動を実現することができる。また、エンジン10の暖機前後にそれぞれ適したスタータモータを用意することにより、補機駆動モータ14またはモータ20のいずれか一方のみでエンジン10を始動する場合に比較して装置の小型化を図ることができる。
【0046】
A4.変形例:
エンジン10の温度に応じてスタータモータを使い分ける制御処理は、実施例の他にも種々の変形例を構成することができる。図4は変形例としてのエンジン始動制御処理ルーチンのフローチャートである。実施例では、エンジン10を初めて始動する場合以外には暖機が完了しているのが通常であることを前提としてスタータモータの使い分けを行う場合を例示したが、変形例ではエンジン10の水温に基づいて両者の使い分けを行う点で相違する。
【0047】
即ち、変形例のエンジン始動制御処理ルーチンでは、CPUは、まずエンジン水温Teを入力し、所定の温度Th未満か否かを判定する(ステップS11,S13)。エンジン水温Teは、エンジン水温センサ61によって検出される。その後の処理は、実施例と同様である。即ち、エンジン水温Teが所定の温度Th未満の場合には、低温状態と判断されるため、スタータモータとしてモータ20を用い、その他の場合には、スタータモータとして補機駆動モータ14を用いて完爆するまでエンジン10をクランキングする(ステップS16〜S22)。但し、変形例では、初期始動フラグFEを使用しないため、フラグFEへの値の代入は行わない。
【0048】
判定に使用される温度Thは、スタータモータの使い分けの判断基準となる温度であり、任意の値を設定することができる。モータ20および補機駆動モータ14の出力定格などを考慮して、所望の使い分けが実現される値を選択すればよい。かかる変形例の処理によれば、エンジン水温Teに基づいてより確実にスタータモータを使い分けることが可能となる。
【0049】
B.第2実施例:
次に、本発明の第2実施例について説明する。第1実施例では、ハイブリッド車両に本発明を適用した場合を例示した。第2実施例では、エンジンのみを動力源として走行する通常の車両への適用例を示す。
【0050】
B1.装置の構成:
図5は第2実施例としての車両の概略構成を示す説明図である。第2実施例の車両は動力源としてエンジン10Aを備える。エンジン10Aのクランクシャフト11は、流体式のトルクコンバータ74およびトランスミッション75を介して駆動軸50に結合されている。クランクシャフト11には、ギヤ71,72を介してモータ73が結合されている。モータ73は、いわゆるセルモータであり、バッテリ22を電源として駆動する直流モータである。直流モータであるため、駆動回路としてのインバータは不要である。もちろん、インバータを備え、モータ73に同期モータを用いるものとしてもよい。
【0051】
エンジン10Aには、第1実施例と同様、ベルト13を用いた伝動機構を介して補機12および補機駆動モータ14が結合されている。但し、第2実施例では、エンジン10Aと伝動機構との間に電磁クラッチ70が介設されている。電磁クラッチ70を解放した場合には、エンジン10Aと伝動機構との間の動力の伝達は切断される。エンジン10Aによる補機12の駆動、および補機駆動モータ14によるエンジン10Aの始動は、電磁クラッチ70を係合した場合に可能となる。
【0052】
第2実施例の車両は、エンジン10Aのみが動力源となるため、走行中にエンジン10Aが停止することはない。但し、燃費を向上し、エミッションを低減するため、停車中はエンジン10Aの運転を停止する。従って、第2実施例の車両も、第1実施例と同様、エンジン10Aの始動および停止は頻繁に繰り返して行われる。
【0053】
第2実施例の車両も、エンジン10Aのスタータモータとして、モータ73と補機駆動モータ14の2種類を備えている。補機駆動モータ14は、エンジン10Aが高温状態にある場合における始動に適している点は第1実施例の場合と同様である。これに対し、モータ73は従来からエンジン10Aの始動に適用されているセルモータであるため、エンジン10Aが低温状態にある場合における始動に適している。つまり、比較的小型でありながら、エンジン10Aの始動に十分なトルクを出力することができる。逆に、耐用回数が低いため、頻繁に繰り返し始動を行うのには適していない。また、回転数を精度良く制御できない簡易な構成の直流モータであるため、頻繁に繰り返し行われる始動に適用すると、車両の乗り心地を損ねる可能性がある。これらの点で、高温状態での始動には適していないモータであるとも言える。従って、第2実施例においては、エンジン10Aが高温状態にある場合には補機駆動モータ14がスタータモータに適しており、エンジン10Aが低温状態にある場合にはモータ73がスタータモータに適している。
【0054】
B2.エンジン始動処理:
第2実施例においても、第1実施例と同様、2種類のスタータモータをエンジン10Aの運転状態に応じて使い分けている。低温状態にある場合にはモータ73を用い、高温状態にある場合には、補機駆動モータ14を用いてエンジン10Aを始動する。なお、第2実施例では、モータ73でエンジン10Aを始動する際には、電磁クラッチ70を解放し、モータ73の負荷を低減する。これらの制御は、次のフローチャートによって実現される。
【0055】
図6は第2実施例におけるエンジン始動制御処理ルーチンのフローチャートである。制御ユニット60AのCPUがエンジン始動要求に応じて実行する処理である。エンジン始動要求が出されるタイミングについては、第1実施例とほぼ同様である。第1にイグニッションスイッチ62が「START」位置に操作された場合、第2に停車中にエンジン10Aが停止されている状態から、再び走行を開始する場合である。
【0056】
エンジン始動制御処理ルーチンが開始されると、第1実施例と同様、初期始動フラグFEの値、およびイグニッションスイッチ62が「START」ポジションであるか否かに基づいてエンジン10Aが暖機前か否かを判断する(ステップS10,S12)。これらの条件をいずれか一方でも満足しない場合には、エンジン10Aの暖機が完了しているものと判断して、補機駆動モータ14をスタータモータとしてエンジン10のクランキングを行う(ステップS30,S32)。
【0057】
一方、上記ステップS10,S12の条件をともに満足する場合には、エンジン10Aが暖機前と判断されるため、初期始動フラグFEに値1を代入した後(ステップS14)、モータ73を用いた始動処理を行う。この始動処理としては、エンジン10Aと補機12とを切り離して、モータ73の負荷を軽減するため、電磁クラッチ70を解放する(ステップS34)。次に、モータ73に通電して完爆するまでエンジン10Aをクランキングする(ステップS36,S38)。エンジン10Aが完爆したところで、電磁クラッチ70を係合する(ステップS40)。エンジン10Aが完爆するまでは、補機12は駆動されないことになる。
【0058】
以上で説明した第2実施例の車両によれば、第1実施例と同様、2種類のスタータモータをエンジン10Aの運転状態に応じて使い分けることができる。従って、エンジン10Aの運転状態に応じて円滑かつ安定した始動を行うことができる。また、低温状態と高温状態で始動に適したスタータモータをそれぞれ個別に備えることにより、装置の小型化を図ることもできる。また、第2実施例では、低温状態でエンジン10Aを始動する際に、電磁クラッチ70を解放することによって、モータ73の負荷を軽減することができるから、モータ73を更に小型化することが可能である。
【0059】
なお、第2実施例では、第1実施例と同じくイグニッションスイッチ62の状態に基づいてエンジン10Aの運転状態を判定する場合を例示したが、変形例(図4)と同様、エンジン10Aの水温に基づいて運転状態を判定するものとしても構わない。エンジン10Aの水温に基づいて運転状態を判定する場合には、車両の運転を開始した後にモータ73によるクランキングが再び行われる可能性もある。かかる場合には、補機12の駆動を確保しておく必要があるため、電磁クラッチ70の解放を省略する、補機駆動モータ14により補機12の駆動を行うなどの対策を施すことが望ましい。
【0060】
電磁クラッチ70は、第1実施例の構成に適用することも可能である。逆に、第2実施例の構成において電磁クラッチ70を省略しても構わない。本発明は、この他、種々の構成のシリーズハイブリッド車両、パラレルハイブリッド車両に適用可能である。また、エンジンの動力を利用して稼働するシステムであれば、車両以外に船舶、航空機などの移動体および産業機械に適用することも可能である。
【0061】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以上の制御処理はソフトウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとしてもよい。また、運転者がスイッチ操作によって手動でスタータモータを使い分ける構成を採ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としてのハイブリッド車両の動力系統についての概略構成を示す説明図である。
【図2】各運転モードにおけるクラッチ34,38およびブレーキ37の係合状態を示す説明図である。
【図3】エンジン始動制御処理ルーチンのフローチャートである。
【図4】変形例としてのエンジン始動制御処理ルーチンのフローチャートである。
【図5】第2実施例としての車両の概略構成を示す説明図である。
【図6】第2実施例におけるエンジン始動制御処理ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10、10A…エンジン
11…クランクシャフト
12…補機
13…ゴムベルト
14…補機駆動モータ
15…ワンウェイクラッチ
16,21…インバータ
20…モータ
22…バッテリ
30…プラネタリギヤ
31…サンギヤ
32a、32b…ピニオンギヤ
33…プラネタリキャリア
34,38…クラッチ
35、39板
36…リングギヤ
37…ブレーキ
40…無段変速機(CVT)
41,42…プーリ
43…ベルト
50…駆動軸
51…ディファレンシャルギヤ
52…車軸
53…車輪
60、60A…制御ユニット
61…エンジン水温センサ
62…イグニッションスイッチ
70…電磁クラッチ
71,72…ギヤ
73…モータ
74…トルクコンバータ
75…トランスミッション

Claims (11)

  1. エンジンの出力軸を回転させて、該エンジンの始動を行うエンジン始動装置であって、
    該出力軸に結合され、高温状態にある該エンジンを円滑に始動可能な範囲の低トルクを出力する第1電動機と、
    前記出力軸に結合され、低温状態にある該エンジンを始動するのに十分な高トルクを出力する第2電動機とを備え
    前記第1電動機は、弾性ベルトを備える動力伝達機構を介して前記出力軸と結合され、前記第2の電動機は、ギヤを介して前記出力軸と結合されているエンジン始動装置。
  2. エンジンの出力軸を回転させて、該エンジンの始動を行うエンジン始動装置であって、
    高温状態にある前記エンジンを円滑に始動可能な範囲の低トルクを出力する第1電動機と、
    低温状態にある前記エンジンを始動する第2電動機とを備え、
    前記エンジンは、前記出力軸を介して駆動軸に動力を出力可能であると共に、前記第2電動機も、前記駆動軸に動力を出力可能であるエンジン始動装置。
  3. エンジンの出力軸を回転させて、該エンジンの始動を行うエンジン始動装置であって、
    高温状態にある前記エンジンを始動する補機駆動用の第1電動機と、
    低温状態にある前記エンジンを始動するのに十分な高トルクを出力する第2電動機とを備えるエンジン始動装置。
  4. 前記第2電動機は、セルモータであることを特徴とする請求項3に記載のエンジン始動装置。
  5. 前記第1電動機は、弾性ベルトを備える動力伝達機構を介して前記出力軸と結合されている請求項ないし請求項4のいずれか記載のエンジン始動装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載のエンジン始動装置であって、
    前記出力軸に結合された補機と、
    前記第2電動機での始動時に、該出力軸と該補機との結合を切り離す切断機構を備えるエンジン始動装置。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載のエンジン始動装置であって、
    前記エンジンの温度状態を推定する温度状態推定手段と、
    低温状態と推定された場合に前記第2電動機を用いて前記エンジンを始動する始動制御装置とを備えるエンジン始動装置。
  8. 請求項7記載のエンジン始動装置であって、
    運転者の操作により前記エンジンの始動を指示する始動スイッチを備え、
    前記温度状態推定手段は、該始動スイッチについて、前記エンジンの運転を開始するための最初の操作がなされた場合には、該エンジンは低温状態であると推定する手段であるエンジン始動装置。
  9. 請求項7記載のエンジン始動装置であって、
    前記エンジンの温度に関与した所定のパラメータを検出する検出手段を備え、
    前記温度状態推定手段は、該検出結果に基づいて前記エンジンの温度状態を推定する手段であるエンジン始動装置。
  10. 動力源としてのエンジンと、
    請求項1ないし請求項9のいずれか記載のエンジン始動装置とを備えた車両。
  11. エンジンの出力軸に結合され、高温状態にある該エンジンを円滑に始動可能な範囲の低トルクを出力する第1電動機と、該出力軸に結合され、低温状態にある該エンジンを始動するのに十分な高トルクを出力する第2電動機とを用いて該エンジンを始動するエンジン始動方法であって、
    (a) 前記エンジンの温度状態を推定する工程と、
    (b) 低温状態と推定された場合に前記第2電動機の運転を制御して前記エンジンを始動する工程とを備えるエンジン始動方法。
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