JP3826235B2 - 炎症性サイトカイン分泌抑制剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、炎症性サイトカイン分泌抑制剤、より詳しくはサイトカインに起因する各種の疾患の予防、治療等に有用な炎症性サイトカイン分泌抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの炎症疾患で異常産生が報告されている各種炎症性サイトカインは、それら疾患或は病態形成への関与が次第に明らかにされてきており、その産生制御或は拮抗物質の開発による臨床応用が期待されている。
【0003】
抗原刺激により活性化されたB細胞が増殖し、抗体産生細胞へと分化していく過程においては、いくつかのサイトカインの作用が必要である。そのうち増殖に関与するサイトカインとしては、BCGF(B cell growth factor) I及びIIに相当するインターロイキン4及び−5が知られており、また上記分化に関与するサイトカインとしては、BCDF(B cell differentiation factor) であるインターロイキン6(以下「IL−6」という)が知られている。
【0004】
上記IL−6は当初、EBウイルスで形質転換したB細胞株に免疫グロブリン産生を誘導する因子として、末梢血単球培養上清中に見出だされ、その後、B細胞刺激因子2(B cell stimulatory factor-2; BSF-2) 、インターフェロン−β2(IFN-β2 )、26KDa蛋白(26kDa protein ) 、ヘパトサイト刺激因子(Hepatocytes stimulatry factor )、ハイブリドーマプラズマサイトーマ成長因子(hybridoma plasmacytoma growth factor; HPGF)などの、それぞれ独立した因子として追求されてきたが、1986年に平野等によりそのクローニングがなされ、これらすべてが同一のサイトカインであることが明らかにされた(Hirano,T., et al., Nature, 324,73,(1986))。
【0005】
該IL−6は、B細胞の抗体産生系に重要な役割を果たしているだけでなく、T細胞に増殖分化を誘導することや、肝細胞に作用して急性期蛋白の合成を誘導すること、造血系細胞に対して多分化能コロニーの形成を促すことなど、免疫系だけでなく造血系、神経系、肝などの生体防御系の重要な因子であることが明らかにされている。
【0006】
現在、IL−6及びその産生乃至分泌異常と各種疾患との関連などに関する報告、知見としては、具体的には次のような各種のものが挙げられる。
【0007】
即ち、高ガンマグロブリン血症、種々の自己抗体陽性を示す慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)など一連の自己免疫疾患においては、ポリクローナルなB細胞の活性化が誘導され、RA患者の関節液中には大量のIL−6が存在し、滑膜組織に浸潤した活性化T細胞やB細胞によってIL−6が産生される(Hirano, et al., Eur.J.Immunol., 18,1797, (1988) )。
【0008】
自己免疫疾患様症状を呈する心房内粘液腫の患者においては、腫瘍を摘除することによりその臨床症状が消失することが報告されており、腫瘍細胞により産生されるなんらかの因子によりその症状が誘導されるものと考えられる。これらの腫瘍細胞によっても大量のIL−6が産生されていることが示され、IL−6の異常産生とポリクローナルB細胞異常症との関連が示唆される(Hirano,T., et al., Proc.Natl.Acad.Sci., USA., 82,5490, (1985) )。
【0009】
IL−6はマウスプラズマサイトーマの増殖因子であることが報告されていたが、ヒトの多発性骨髄腫患者より得たミエローマ細胞においてもその増殖が抗IL−6抗体により抑制されることから、IL−6がミエローマ細胞の自己増殖因子である可能性が明らかにされ、ポリクロ−ナルB細胞異常症のみならず、ミエローマなどモノクローナルB細胞異常症の発症にも深く関与していることが示唆された(Kawano,M., et al., Nature, 332, 83, (1988))。
【0010】
原因不明のリンパ節腫脹を伴うCastleman症候群においては、血中に高いIL−6活性が認められ、高ガンマグロブリン血症や急性期蛋白の高値がみられる。この腫脹リンパ節の摘除によっても血中のIL−6活性が正常血清レベルになり、臨床症状も回復する(Yoshizaki,K., et al., Blood, 74, 1360, (1989))。
【0011】
原発性糸球体腎炎患者尿中には、健常人や微小変化型ネフローゼ症候群の患者に比べて、有意なIL−6活性が認められる。腎生検組織標本におけるメサンギュム細胞の増殖度と尿中IL−6活性は相関を示す。実際、in vivoのラット腎メサンギュム細胞の培養系にIL−6を添加すると濃度依存的な増殖が誘導され、IL−6がメサンギュム細胞の増殖因子であることが明らかにされた(Horii,Y., et al., J.Immunol., 143, 3949, (1989) )。
【0012】
またインターロイキン−8(IL−8)は、好中球に対する強力な走化性、活性化サイトカインであり、種々の炎症性疾患への関与が想定され、その産生抑制或は拮抗物質の開発による臨床応用が期待されている。IL−8の異常産生とその関与が指摘されている炎症性疾患は各種報告されており、現在、抗IL−8抗体による臨床応用が研究されている〔臨床免疫、27(Suppl. 16) ,80−85(1995))。
【0013】
単球走化活性因子(monocyte chemotactic and activating factor: MCAF)は、MCP−1(monocyte chemoattractant protein-1 )とも呼ばれ、その構造的及び機能的類似点より、上記IL−8とファミリーを構成する。単球特異的遊走活性及び好酸球ヒスタミン遊離作用等を有し、炎症や生体防御等に深く関与していると考えられる。特に、単球の走化及び活性化作用から、各種の炎症、自己免疫疾患、動脈硬化や腫瘍などへの関与が、また、好塩基球活性化作用から、アレルギー反応への関与が推測されている。実際に、MCAFの過剰生産が生じ、マクロファージの浸潤、活性化を惹起し、病態の形成に関与していることも明らかにされてきている(臨床免疫、27(Suppl. 16) ,155−161(1995))。
【0014】
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony-stimulating factor: GM-CSF)は、顆粒球・マクロファージ系造血に重要な役割を演じている他、多彩な生物活性を有しており、例えば好中球、好酸球、好塩基球等の成熟血球の機能を亢進することが、上記サイトカインと同様に知られている。また、GM−CSFの異常産生は、例えば慢性関節リウマチ患者において、報告されており、関節炎の病態発生における関与が示唆されている。更に、GM−CSFの白血病細胞の増殖刺激から、該細胞の無限増殖を説明する一つのメカニスムとしてオートクライン増殖機構の存在も提唱されている(臨床免疫、27(Suppl. 6)、202−211(1995)等)。
【0015】
顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor:G−CSF)も、同様に、成熟好中球の機能を亢進させることが知られており、また骨髄性白血病細胞や一部の固型癌細胞の増殖を刺激する(臨床免疫、27(Suppl. 16) 、212−219(1995)等)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のようなIL−6、IL−8、MCAF及びGM−CSFからなる炎症性サイトカインの産生異常乃至分泌異常を治療できる新しい薬剤を提供することにある。
【0017】
本発明者らは、上記のIL−6産生異常乃至分泌異常を治療する目的で各種の薬剤を用いてIL−6の分泌を抑制する物質を検索している段階で、驚くべきことに、ジギタリスがIL−6の分泌を抑制することを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0018】
しかして、ジギタリスは、Na+−K+−APase活性阻害作用を有し、現在、強心薬としてカテコラミン剤からの離脱時及び外来診療における軽症心不全患者の治療に対して広く用いられており、また、心房細動患者における心拍数の抑制や心房細動、発作性上室性頻拍症の予防に有効であることが知られている。また、ジギタリスは心臓血管系の自律神経受容体の感受性変化や中枢神経への直接作用を介して陰性変時作用・房室伝導抑制・不整脈誘発作用などの電気生理学的作用を示し、更に、胃腸症状などのジギタリス中毒症状も中枢神経への作用を介するものと考えられている。更に、上記ジギタリスの代表例であるウアバインについては、これがリンパ球の分化とIL−2の産生を抑制することも知られている(Dornand,J., et al., Immunobiology, 171, 636,(1986))ほか、インターフェロンの抗ウイルス活性を阻害することも知られている(Lebon,P., et al., Proc.Soc.Exptl.Biol.Med., 149, 108-112, (1975))。
【0019】
しかしながら、本発明の基礎とするジギタリスの抗炎症性サイトカイン分泌抑制作用は、該ジギタリスにつき既に公知の上述した薬理作用、例えば強心剤としての強心作用などとは関連がなく、勿論之等の作用からは予測困難である。
【0020】
本発明によれば、ジギタリスを有効成分とする炎症性サイトカイン分泌抑制剤が提供される。本発明において炎症性サイトカインとしては、IL−6、IL−8、MCAF、G−CSF及びGM−CSFが挙げられ、本発明の分泌抑制剤は、これら炎症性サイトカインとして定義される炎症性サイトカインの分泌乃至産生に起因する各種疾患の治療剤として有用である。従って、IL−6の分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば癌悪液質、心房粘液腫、慢性関節リウマチ、自己免疫疾患、キャッスルマン氏病、ミエローマ、レンネルトリンパ腫、メサンギュウム増殖性腎炎、乾癬、エイズに伴うカポシ肉腫、閉経後骨粗しょう症等の治療薬として、IL−8の分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば慢性関節リウマチを含むリウマチ性及び痛風性関節炎、乾癬、成人呼吸窮迫症候群、喘息、免疫性脈管炎、敗血症、心筋梗塞や多臓器不全等の虚血性疾患、ウイルス性及びアルコール性肝炎、細菌性及びウイルス性髄膜炎、クローン病、腎盂腎炎、ブドウ病、地中海熱等の治療剤として、MCAFの分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば感染症、慢性関節リウマチ、動脈硬化、血管形成術後の血管再狭窄、糸球体腎炎、悪性腫瘍等の治療剤として、G−CSFの分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば好中球機能亢進に起因する疾患、悪性腫瘍等の治療剤として、及びGM−CSFの分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば慢性関節リウマチ、悪性腫瘍等の治療剤として、それぞれ有用である。
【0021】
本発明において有効成分として用いるジギタリスは、従来より主として心不全治療のための強心薬として利用されてきている各種のジギタリス薬剤であればよく、これに属する主なもの(一般名)としては、ウアバイン(ouabain, g-strophanthin )、ジギトキシン(digitoxin )、ジゴキシン(digoxin )、β−メチルジゴキシン(β-methyldigoxin, β−MD)、デスラノシド(deslanoside )、ラナトシドC(lanatoside C)、プロシラリジン(procillaridin )などが挙げられる。之等各種のジギタリス製剤は、各種製薬会社より、種々の商品名で市販されており、本発明ではかかる市販品、例えばウアバインではウワバニン(Uabanin,武田薬品工業社)などを用いることもできる。上記ジギタリスの内で、ウアバインは、別名G−ストロファンチンともいわれ、キョウチクトウ科の植物Strophantus gratusの種子またはAcocanthera ouabaio の樹皮から得られる強心配糖体の一種であり、その心臓収縮力増大、刺激伝達抑制作用などは他のジギタリスよりも強力なものであり、特に本発明抗炎症性サイトカイン産生抑制剤の有効成分として好適なものの一つである。
【0022】
本発明の炎症性サイトカイン分泌抑制剤は、上記有効成分とするジギタリスの種類に応じて、各種の形態に調製されて実用でき、之等の製剤形態及び投与経路は、市販のこの種ジギタリス製剤のそれらに準じることができる。例えば、ウアバイン製剤では、ウアバインが内服すると胃・腸で分解されやすいこと、あるいは腸からの吸収性が悪いことなどのために、通常、注射剤形態に調製され、投与できる。該注射剤として調製される場合、液剤、懸濁剤などは殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤、懸濁剤などの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば水、アルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。尚、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0023】
上記医薬製剤の投与量は用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分であるジギタリスの量は1日当たり約0.01〜1.0mg程度とするのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を約0.005〜0.5mg程度含有させるのがよい。
【0024】
本発明によれば、ジギタリス、殊に強心配糖体の一種であるウアバインを有効成分とする炎症性サイトカイン産生抑制剤が提供され、該炎症性サイトカイン産生抑制剤によれば、IL−6、IL−8、MCAF、G−CSF及び/またはGM−CSFの分泌乃至産生に起因する前記した各種疾患の治療を有効に行ない得る。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明にかかる薬理試験例を実施例として挙げる。
【0026】
【実施例1】
1.ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)からのサイトカイン産生に対する効果HUVECは、ジムブローニ等の方法(Gimbrone, M.A. et al., J.Cell.Biol., 60, 673-684 (1974) )の改変方法より単離し、20%牛胎児血清(FCS)及び30μg/ml内皮細胞成長添加物(endothelial cell growth supplement: ECGS、シグマ社製)及び90μg/mlヘパリン(シグマ社製)を含む199培地(Medium 199、シグマ社製)で培養した。
【0027】
即ち、臍帯血管にカニューレを挿入し、0.05%コラゲナーゼ溶液(Worthington Biochemical Corp., USA, 社製)を満たして37℃で20分間インキュベートした。内容物を上記培地を入れたコニカルチューブに注ぎ遠心分離した。沈殿した細胞を、予めゲラチンでコートした組織培養プラスチック上に蒔き、組織培養インキュベーター中、37℃で5%CO2 大気雰囲気下にて培養維持した。本試験に供したHUVECは、継代レベルが3から5である。
【0028】
24ウェルプレートのHUVECを調製(2×105cell/ml上記培地)し、所定量(M)のウアバイン(和光純薬社製)を加えた後、10ng/mlのインターロイキン1β(Genzyme,USA)を添加し、37℃で24時間インキュベートして刺激した。遠心分離(1500ppm、15分間)した上清中の各種炎症性サイトカイン量を、之等サイトカインに対する抗体の固相化プレートを用いたELISA法により測定した。之等の測定は、市販キット(大塚製薬社製、東レフジバイオニクス社製)により或はそれに準じて行なった(以下の試験においても同じ)。
【0029】
得られた結果を、用いたウアバインの濃度(M)と共に表1に示す。
【0030】
尚、表1には、対照とするウアバイン無添加の結果を併記すると共に、この対照の結果を基準(100)とした相対値(%)をも示す。
【0031】
【表1】
【0032】
該表1より、ウアバイン添加によれば、炎症性サイトカイン分泌が、用量依存的に抑制されることが明らかである。
【0033】
2.末梢血単核球からのサイトカイン産生に対する効果
健常人の末梢血をフィコールパック液(Ficoll-Paque,ファルマシア社製)にて単核球を分離し、PBS(phosphate buffered saline )で3回洗浄した後、10%熱不活性化FCS(fetal bovine serum; ギブコ社製)を含むRPMI1640培養液にて、24ウエルのプレートにて培養(2X106 cells /ml)した。ウアバインの所定量(M)を加えた後、(1)LPS(リポポリサッカライド;ディフコ(Difco) 社製)1μg/ml添加または(2)Ionomycin 1μM(カルバイオケム(Calbiochem)社製)およびPMA(シグマ(Sigma) 社製)1ng/ml添加により刺激し、20時間後遠心(1200rpm、15分間)し、上清中の炎症性サイトカイン活性をELISA法で測定した。
【0034】
上記(1)及び(2)の刺激の場合のそれぞれにつき得られた結果を、表1と同様にして表2((1)の場合)及び表3((2)の場合)に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
以上の結果より、ウアバインはLPS刺激及び Ionomycin + PMA刺激の何れの刺激によって生ずる炎症性サイトカイン分泌をも、用量依存的に抑制し得ることが明らかである。
【0038】
3.LPSによる全血刺激によるサイトカイン産生に対する効果
5mlのRPMI1640倍溶液に、LPS1μg/mlを加え、更にウアバインの所定量を加えた後、ヘパリン(20μl/ml:清水製薬社製)を加えた健常人全血液を各5ml加え、37℃で24時間インキュベートした。遠心(1500rpm、15分間)上清中のIL−6量をELISA法で測定した。
【0039】
得られた結果を、表1と同様にして表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
該表4より、ウアバイン添加による炎症性サイトカインの分泌の抑制作用が明らかである。
【産業上の利用分野】
本発明は、炎症性サイトカイン分泌抑制剤、より詳しくはサイトカインに起因する各種の疾患の予防、治療等に有用な炎症性サイトカイン分泌抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの炎症疾患で異常産生が報告されている各種炎症性サイトカインは、それら疾患或は病態形成への関与が次第に明らかにされてきており、その産生制御或は拮抗物質の開発による臨床応用が期待されている。
【0003】
抗原刺激により活性化されたB細胞が増殖し、抗体産生細胞へと分化していく過程においては、いくつかのサイトカインの作用が必要である。そのうち増殖に関与するサイトカインとしては、BCGF(B cell growth factor) I及びIIに相当するインターロイキン4及び−5が知られており、また上記分化に関与するサイトカインとしては、BCDF(B cell differentiation factor) であるインターロイキン6(以下「IL−6」という)が知られている。
【0004】
上記IL−6は当初、EBウイルスで形質転換したB細胞株に免疫グロブリン産生を誘導する因子として、末梢血単球培養上清中に見出だされ、その後、B細胞刺激因子2(B cell stimulatory factor-2; BSF-2) 、インターフェロン−β2(IFN-β2 )、26KDa蛋白(26kDa protein ) 、ヘパトサイト刺激因子(Hepatocytes stimulatry factor )、ハイブリドーマプラズマサイトーマ成長因子(hybridoma plasmacytoma growth factor; HPGF)などの、それぞれ独立した因子として追求されてきたが、1986年に平野等によりそのクローニングがなされ、これらすべてが同一のサイトカインであることが明らかにされた(Hirano,T., et al., Nature, 324,73,(1986))。
【0005】
該IL−6は、B細胞の抗体産生系に重要な役割を果たしているだけでなく、T細胞に増殖分化を誘導することや、肝細胞に作用して急性期蛋白の合成を誘導すること、造血系細胞に対して多分化能コロニーの形成を促すことなど、免疫系だけでなく造血系、神経系、肝などの生体防御系の重要な因子であることが明らかにされている。
【0006】
現在、IL−6及びその産生乃至分泌異常と各種疾患との関連などに関する報告、知見としては、具体的には次のような各種のものが挙げられる。
【0007】
即ち、高ガンマグロブリン血症、種々の自己抗体陽性を示す慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)など一連の自己免疫疾患においては、ポリクローナルなB細胞の活性化が誘導され、RA患者の関節液中には大量のIL−6が存在し、滑膜組織に浸潤した活性化T細胞やB細胞によってIL−6が産生される(Hirano, et al., Eur.J.Immunol., 18,1797, (1988) )。
【0008】
自己免疫疾患様症状を呈する心房内粘液腫の患者においては、腫瘍を摘除することによりその臨床症状が消失することが報告されており、腫瘍細胞により産生されるなんらかの因子によりその症状が誘導されるものと考えられる。これらの腫瘍細胞によっても大量のIL−6が産生されていることが示され、IL−6の異常産生とポリクローナルB細胞異常症との関連が示唆される(Hirano,T., et al., Proc.Natl.Acad.Sci., USA., 82,5490, (1985) )。
【0009】
IL−6はマウスプラズマサイトーマの増殖因子であることが報告されていたが、ヒトの多発性骨髄腫患者より得たミエローマ細胞においてもその増殖が抗IL−6抗体により抑制されることから、IL−6がミエローマ細胞の自己増殖因子である可能性が明らかにされ、ポリクロ−ナルB細胞異常症のみならず、ミエローマなどモノクローナルB細胞異常症の発症にも深く関与していることが示唆された(Kawano,M., et al., Nature, 332, 83, (1988))。
【0010】
原因不明のリンパ節腫脹を伴うCastleman症候群においては、血中に高いIL−6活性が認められ、高ガンマグロブリン血症や急性期蛋白の高値がみられる。この腫脹リンパ節の摘除によっても血中のIL−6活性が正常血清レベルになり、臨床症状も回復する(Yoshizaki,K., et al., Blood, 74, 1360, (1989))。
【0011】
原発性糸球体腎炎患者尿中には、健常人や微小変化型ネフローゼ症候群の患者に比べて、有意なIL−6活性が認められる。腎生検組織標本におけるメサンギュム細胞の増殖度と尿中IL−6活性は相関を示す。実際、in vivoのラット腎メサンギュム細胞の培養系にIL−6を添加すると濃度依存的な増殖が誘導され、IL−6がメサンギュム細胞の増殖因子であることが明らかにされた(Horii,Y., et al., J.Immunol., 143, 3949, (1989) )。
【0012】
またインターロイキン−8(IL−8)は、好中球に対する強力な走化性、活性化サイトカインであり、種々の炎症性疾患への関与が想定され、その産生抑制或は拮抗物質の開発による臨床応用が期待されている。IL−8の異常産生とその関与が指摘されている炎症性疾患は各種報告されており、現在、抗IL−8抗体による臨床応用が研究されている〔臨床免疫、27(Suppl. 16) ,80−85(1995))。
【0013】
単球走化活性因子(monocyte chemotactic and activating factor: MCAF)は、MCP−1(monocyte chemoattractant protein-1 )とも呼ばれ、その構造的及び機能的類似点より、上記IL−8とファミリーを構成する。単球特異的遊走活性及び好酸球ヒスタミン遊離作用等を有し、炎症や生体防御等に深く関与していると考えられる。特に、単球の走化及び活性化作用から、各種の炎症、自己免疫疾患、動脈硬化や腫瘍などへの関与が、また、好塩基球活性化作用から、アレルギー反応への関与が推測されている。実際に、MCAFの過剰生産が生じ、マクロファージの浸潤、活性化を惹起し、病態の形成に関与していることも明らかにされてきている(臨床免疫、27(Suppl. 16) ,155−161(1995))。
【0014】
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony-stimulating factor: GM-CSF)は、顆粒球・マクロファージ系造血に重要な役割を演じている他、多彩な生物活性を有しており、例えば好中球、好酸球、好塩基球等の成熟血球の機能を亢進することが、上記サイトカインと同様に知られている。また、GM−CSFの異常産生は、例えば慢性関節リウマチ患者において、報告されており、関節炎の病態発生における関与が示唆されている。更に、GM−CSFの白血病細胞の増殖刺激から、該細胞の無限増殖を説明する一つのメカニスムとしてオートクライン増殖機構の存在も提唱されている(臨床免疫、27(Suppl. 6)、202−211(1995)等)。
【0015】
顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor:G−CSF)も、同様に、成熟好中球の機能を亢進させることが知られており、また骨髄性白血病細胞や一部の固型癌細胞の増殖を刺激する(臨床免疫、27(Suppl. 16) 、212−219(1995)等)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のようなIL−6、IL−8、MCAF及びGM−CSFからなる炎症性サイトカインの産生異常乃至分泌異常を治療できる新しい薬剤を提供することにある。
【0017】
本発明者らは、上記のIL−6産生異常乃至分泌異常を治療する目的で各種の薬剤を用いてIL−6の分泌を抑制する物質を検索している段階で、驚くべきことに、ジギタリスがIL−6の分泌を抑制することを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0018】
しかして、ジギタリスは、Na+−K+−APase活性阻害作用を有し、現在、強心薬としてカテコラミン剤からの離脱時及び外来診療における軽症心不全患者の治療に対して広く用いられており、また、心房細動患者における心拍数の抑制や心房細動、発作性上室性頻拍症の予防に有効であることが知られている。また、ジギタリスは心臓血管系の自律神経受容体の感受性変化や中枢神経への直接作用を介して陰性変時作用・房室伝導抑制・不整脈誘発作用などの電気生理学的作用を示し、更に、胃腸症状などのジギタリス中毒症状も中枢神経への作用を介するものと考えられている。更に、上記ジギタリスの代表例であるウアバインについては、これがリンパ球の分化とIL−2の産生を抑制することも知られている(Dornand,J., et al., Immunobiology, 171, 636,(1986))ほか、インターフェロンの抗ウイルス活性を阻害することも知られている(Lebon,P., et al., Proc.Soc.Exptl.Biol.Med., 149, 108-112, (1975))。
【0019】
しかしながら、本発明の基礎とするジギタリスの抗炎症性サイトカイン分泌抑制作用は、該ジギタリスにつき既に公知の上述した薬理作用、例えば強心剤としての強心作用などとは関連がなく、勿論之等の作用からは予測困難である。
【0020】
本発明によれば、ジギタリスを有効成分とする炎症性サイトカイン分泌抑制剤が提供される。本発明において炎症性サイトカインとしては、IL−6、IL−8、MCAF、G−CSF及びGM−CSFが挙げられ、本発明の分泌抑制剤は、これら炎症性サイトカインとして定義される炎症性サイトカインの分泌乃至産生に起因する各種疾患の治療剤として有用である。従って、IL−6の分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば癌悪液質、心房粘液腫、慢性関節リウマチ、自己免疫疾患、キャッスルマン氏病、ミエローマ、レンネルトリンパ腫、メサンギュウム増殖性腎炎、乾癬、エイズに伴うカポシ肉腫、閉経後骨粗しょう症等の治療薬として、IL−8の分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば慢性関節リウマチを含むリウマチ性及び痛風性関節炎、乾癬、成人呼吸窮迫症候群、喘息、免疫性脈管炎、敗血症、心筋梗塞や多臓器不全等の虚血性疾患、ウイルス性及びアルコール性肝炎、細菌性及びウイルス性髄膜炎、クローン病、腎盂腎炎、ブドウ病、地中海熱等の治療剤として、MCAFの分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば感染症、慢性関節リウマチ、動脈硬化、血管形成術後の血管再狭窄、糸球体腎炎、悪性腫瘍等の治療剤として、G−CSFの分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば好中球機能亢進に起因する疾患、悪性腫瘍等の治療剤として、及びGM−CSFの分泌乃至産生に起因する各種疾患、例えば慢性関節リウマチ、悪性腫瘍等の治療剤として、それぞれ有用である。
【0021】
本発明において有効成分として用いるジギタリスは、従来より主として心不全治療のための強心薬として利用されてきている各種のジギタリス薬剤であればよく、これに属する主なもの(一般名)としては、ウアバイン(ouabain, g-strophanthin )、ジギトキシン(digitoxin )、ジゴキシン(digoxin )、β−メチルジゴキシン(β-methyldigoxin, β−MD)、デスラノシド(deslanoside )、ラナトシドC(lanatoside C)、プロシラリジン(procillaridin )などが挙げられる。之等各種のジギタリス製剤は、各種製薬会社より、種々の商品名で市販されており、本発明ではかかる市販品、例えばウアバインではウワバニン(Uabanin,武田薬品工業社)などを用いることもできる。上記ジギタリスの内で、ウアバインは、別名G−ストロファンチンともいわれ、キョウチクトウ科の植物Strophantus gratusの種子またはAcocanthera ouabaio の樹皮から得られる強心配糖体の一種であり、その心臓収縮力増大、刺激伝達抑制作用などは他のジギタリスよりも強力なものであり、特に本発明抗炎症性サイトカイン産生抑制剤の有効成分として好適なものの一つである。
【0022】
本発明の炎症性サイトカイン分泌抑制剤は、上記有効成分とするジギタリスの種類に応じて、各種の形態に調製されて実用でき、之等の製剤形態及び投与経路は、市販のこの種ジギタリス製剤のそれらに準じることができる。例えば、ウアバイン製剤では、ウアバインが内服すると胃・腸で分解されやすいこと、あるいは腸からの吸収性が悪いことなどのために、通常、注射剤形態に調製され、投与できる。該注射剤として調製される場合、液剤、懸濁剤などは殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤、懸濁剤などの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば水、アルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。尚、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0023】
上記医薬製剤の投与量は用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分であるジギタリスの量は1日当たり約0.01〜1.0mg程度とするのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を約0.005〜0.5mg程度含有させるのがよい。
【0024】
本発明によれば、ジギタリス、殊に強心配糖体の一種であるウアバインを有効成分とする炎症性サイトカイン産生抑制剤が提供され、該炎症性サイトカイン産生抑制剤によれば、IL−6、IL−8、MCAF、G−CSF及び/またはGM−CSFの分泌乃至産生に起因する前記した各種疾患の治療を有効に行ない得る。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明にかかる薬理試験例を実施例として挙げる。
【0026】
【実施例1】
1.ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)からのサイトカイン産生に対する効果HUVECは、ジムブローニ等の方法(Gimbrone, M.A. et al., J.Cell.Biol., 60, 673-684 (1974) )の改変方法より単離し、20%牛胎児血清(FCS)及び30μg/ml内皮細胞成長添加物(endothelial cell growth supplement: ECGS、シグマ社製)及び90μg/mlヘパリン(シグマ社製)を含む199培地(Medium 199、シグマ社製)で培養した。
【0027】
即ち、臍帯血管にカニューレを挿入し、0.05%コラゲナーゼ溶液(Worthington Biochemical Corp., USA, 社製)を満たして37℃で20分間インキュベートした。内容物を上記培地を入れたコニカルチューブに注ぎ遠心分離した。沈殿した細胞を、予めゲラチンでコートした組織培養プラスチック上に蒔き、組織培養インキュベーター中、37℃で5%CO2 大気雰囲気下にて培養維持した。本試験に供したHUVECは、継代レベルが3から5である。
【0028】
24ウェルプレートのHUVECを調製(2×105cell/ml上記培地)し、所定量(M)のウアバイン(和光純薬社製)を加えた後、10ng/mlのインターロイキン1β(Genzyme,USA)を添加し、37℃で24時間インキュベートして刺激した。遠心分離(1500ppm、15分間)した上清中の各種炎症性サイトカイン量を、之等サイトカインに対する抗体の固相化プレートを用いたELISA法により測定した。之等の測定は、市販キット(大塚製薬社製、東レフジバイオニクス社製)により或はそれに準じて行なった(以下の試験においても同じ)。
【0029】
得られた結果を、用いたウアバインの濃度(M)と共に表1に示す。
【0030】
尚、表1には、対照とするウアバイン無添加の結果を併記すると共に、この対照の結果を基準(100)とした相対値(%)をも示す。
【0031】
【表1】
【0032】
該表1より、ウアバイン添加によれば、炎症性サイトカイン分泌が、用量依存的に抑制されることが明らかである。
【0033】
2.末梢血単核球からのサイトカイン産生に対する効果
健常人の末梢血をフィコールパック液(Ficoll-Paque,ファルマシア社製)にて単核球を分離し、PBS(phosphate buffered saline )で3回洗浄した後、10%熱不活性化FCS(fetal bovine serum; ギブコ社製)を含むRPMI1640培養液にて、24ウエルのプレートにて培養(2X106 cells /ml)した。ウアバインの所定量(M)を加えた後、(1)LPS(リポポリサッカライド;ディフコ(Difco) 社製)1μg/ml添加または(2)Ionomycin 1μM(カルバイオケム(Calbiochem)社製)およびPMA(シグマ(Sigma) 社製)1ng/ml添加により刺激し、20時間後遠心(1200rpm、15分間)し、上清中の炎症性サイトカイン活性をELISA法で測定した。
【0034】
上記(1)及び(2)の刺激の場合のそれぞれにつき得られた結果を、表1と同様にして表2((1)の場合)及び表3((2)の場合)に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
以上の結果より、ウアバインはLPS刺激及び Ionomycin + PMA刺激の何れの刺激によって生ずる炎症性サイトカイン分泌をも、用量依存的に抑制し得ることが明らかである。
【0038】
3.LPSによる全血刺激によるサイトカイン産生に対する効果
5mlのRPMI1640倍溶液に、LPS1μg/mlを加え、更にウアバインの所定量を加えた後、ヘパリン(20μl/ml:清水製薬社製)を加えた健常人全血液を各5ml加え、37℃で24時間インキュベートした。遠心(1500rpm、15分間)上清中のIL−6量をELISA法で測定した。
【0039】
得られた結果を、表1と同様にして表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
該表4より、ウアバイン添加による炎症性サイトカインの分泌の抑制作用が明らかである。
Claims (1)
- ジギタリスを有効成分とする、IL−6、IL−8、MCAFまたはG−CSFの分泌抑制剤。
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