JP3823936B2 - 軽量なる織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、牽伸された短繊維束と開繊された合成繊維マルチフィラメント糸とを重ね合わせて実撚を与えながら巻き取る新規な長短複合紡績糸からなる軽量なる織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、短繊維束とマルチフイラメント糸とを複合する方法としては、牽伸された短繊維束でほぼ集束状態のマルチフィラメント糸を包み込んで、ついで加撚して巻き取るか(1)、若しくは仮撚結束により巻付毛羽で糸を形成させる方法(2)、又は牽伸された繊維束を開繊されたマルチフィラメント糸で包み込んで、しかる後に加撚して巻き取るか(3)、若しくは仮撚結束により巻き付毛羽で糸を形成させる方法(4)が知られている。
【0003】
しかし、上記(1)の方法には牽伸された繊維束とマルチフィラメント糸との絡合性を良くする為に通常のステープルのみからなる紡績糸の撚数よりも多くの撚数を加えなければならない欠点があり、また上記(2)の方法には仮撚結束だけでは絡合性が悪く使いものにはならないため、糊着するか、融着するか又は甘撚をかけるかの方法をとらなければならないという欠点があった。
【0004】
さらに上記(3)の方法には加撚して巻き取られた糸は均斉であるもののヌメリ感やぎらつきを有しているという欠点があり、また上記(4)の方法にはマルチフィラメント糸が開繊されすぎてステープルが巻付毛羽としての役割を充分に果たすことができず、従って糸の長手方向における結束状態が一定とならないことが多かった。
【0005】
さらに、繊維束と嵩高加工糸を絡み合わせる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、この方法には繊維束を一旦オーバーフィード状態にしなければならないこと、高速旋回流ジェットを用いていること等のため、ネップや斑が発生しやすく、糸面が悪くなるという欠点があった。
【0006】
さらに、フィラメント成分と短繊維成分とからなる複合紡績糸において芯部にフィラメント成分、鞘部に短繊維成分を実撚状に配置したものが提案されている。(例えば特許文献2,3参照)。しかし、この複合紡績糸は異色染め分け時の霜降り感が良くなく、深色加工時のイラツキ感が多く、製織時のトラブル回数が多かった。
【0007】
【特許文献1】
特開昭49−101639号公報
【特許文献2】
特開昭59−30925号公報
【特許文献】
特開昭61−239036号公報
【0008】
一方、天然繊維ライクな合成繊維使いの織物が開発されてはいるものの、その軽量感については、素材の特徴を失うことなく、衣料の快適性が得られ、かつ軽量化することについては、1つのハードルがあり、その実用化は極めて困難な状況であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の従来の欠点を解消するために創案されたものであり、その目的は、短繊維の手触りの良さとマルチフィラメント糸の持つ均斉さおよび強さを生かし、製織性を向上せしめ、軽量でしかも透け感の少ない織物の製造を可能とし、ブラックフォーマル用深色加工を行なった場合に問題となるイラツキを減少させ、また深色性が高い新規な長短複合紡績糸使いの軽量なる織物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複合紡績糸の横断面の構成が、合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層が複合紡績糸の横断面の中心層を形成し、短繊維群が該中心層の合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層を取り囲むように形成された長短複合紡績糸からなる織物であり、通気度が50cc/cm/sec以上であること、織物が平織物でありかつ平織物の経緯の平均込係数が35〜47であるか又は織物が綾織物でありかつ綾織物の経緯の平均込係数が45〜60であること、及び複合紡績糸が、合成繊維マルチフィラメント糸を電気開繊して、ドラフトされている短繊維群とフロントローラの直前で重ね合わせて複合紡績糸を製造するに際し、前記重ね合わせ時点の短繊維フリースの中心に開繊したマルチフィラメントの中心を重ね合わせることにより製造され、合成繊維マルチフィラメントの開繊幅が、短繊維フリースの最大幅の10〜60%であることを特徴とする軽量なる織物である。
【0012】
本発明を構成する複合紡績糸の好ましい態様では、複合紡績糸が合成繊維マルチフィラメント群と短繊維群とが開繊混合されている複合紡績糸である。
【0013】
本発明を構成する長短複合紡績糸の好ましい態様では、合成繊維マルチフィラメント群と短繊維群とが開繊混合された複合紡績糸であって、複合紡績糸の横断面の構成が、合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層が複合紡績糸の横断面の中心層を形成し、短繊維群が該中心層の合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層を取り囲むように形成されていることを特徴とする長短複合紡績糸である。
【0014】
本発明を構成する合成繊維の好ましい態様では、合成繊維がポリエステル系繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維およびポリブチレンテレフタレート系繊維からなる群から選択される少なくとも1つの繊維であり、特に合成繊維がポリエステル系繊維である。
【0015】
また、本発明を構成する長短複合紡績糸の好ましい態様では、合成繊維マルチフィラメント糸の繊度(デシテックス)が11〜110デシテックスであり、また、合成繊維マルチフィラメントを構成する単糸の繊度(デシテックス)が0.1〜6.6デシテックスである。
【0016】
また、本発明を構成する長短複合紡績糸の好ましい態様では、短繊維が羊毛、綿、絹、麻、合成繊維ステープル、レーヨンステープルおよびアセテートステープルからなる群から選択される少なくとも1つの繊維であり、特に短繊維が羊毛である。
【0017】
また、本発明を構成する長短複合紡績糸の好ましい態様では、短繊維が複合糸全体に対して占める割合が50〜95%である。
【0018】
本発明で言う平織物とは、三原組織の一つである平織の組織で織られた織物を基本とするが、この平織の基本組織を変化させた組織、例えば畝織、七々子織で織られた織物も、平織物に含む。
【0019】
本発明で言う綾織物とは、三原組織の一つである綾織の組織で織られた織物を基本とするが、この綾織の基本組織を変化させた組織、例えば急斜文織、綾斜文織などの組織で織られた織物も、綾織物に含む。
【0020】
本発明の軽量なる織物の経緯の平均込係数は、平織物においては35〜47、好ましくは38〜45の範囲で製織構成され、綾織物においては45〜60、好ましくは48〜57の範囲で製織構成される。
【0021】
ここで、平織物においては、経緯の平均込係数が35を下回ると織物の透け感が大きくなり過ぎ、また、織物の実用性能が確保できなくなるので好ましくない。また、経緯の平均込係数が47を上回ると狙いの通気度が得られなくなるので好ましくない。綾織物においては、経緯の平均込係数が45を下回ると織物の実用性能が確保できなくなるので好ましくない。また、経緯の平均込係数が60を上回ると狙いの通気性が得られなくなるので好ましくない。
【0022】
経糸の込係数Tは織物幅10cmあたりの経糸本数/√番手、緯糸の込係数Wは織物幅10cmあたりの緯糸本数/√番手で求められ、本発明の軽量織物の経緯の平均込係数は(経糸の込係数T+緯糸の込係数W)/2で求められる。
【0023】
本発明の軽量なる織物の通気度は50cc/cm2/sec以上、好ましくは90cc/cm2/sec以上が好ましい。ここで通気度が50cc/cm2/secを下回ると通気による換気放熱が低下し、清涼感が得られないので好ましくない。
【0024】
通気度はフラジール形試験機で測定される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の軽量なる織物および長短複合紡績糸の製造方法を図を用いて説明する。尚、図は説明のために用いるものであって、これに限定されるものではない。
【0026】
本発明の軽量なる織物は、後述する長短複合紡績糸を経糸および/または緯糸に用い、平織物においては経緯の平均込係数が35〜47、綾織物においては経緯の平均込係数を45〜60の範囲になるように製織することにより得られる。
【0027】
本発明に用いる長短複合紡績糸は、合成繊維マルチフィラメント群と短繊維群とが開繊混合された複合紡績糸であり、その横断面は例えば図1に見られるように、合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層が複合紡績糸横断面の略中心層を形成し、短繊維群が該中心層を取り囲むように形成されている。
【0028】
このような構造を形成した複合紡績糸は、結果として、織物や編地にした場合にあっては、軽量でしかも透け感の少ない織物の製造を可能にし、ブラックフォーマル用途においては高い深色性とイラツキの減少した織物が得られる。
【0029】
本発明の複合紡績糸を構成するマルチフィラメントに使用する合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、及びポリブチレンテレフタレート系繊維からなる群から選択される少なくとも1つの繊維を用いるのが好ましく、特に、ポリエステル系繊維が好ましい。
【0030】
本発明の複合紡績糸を構成する短繊維としては、羊毛、綿、絹、麻、合成繊維ステープル、レーヨンステープルおよびアセテートステープルからなる群から選択された少なくとも1つの繊維を用いるのが好ましく、特に羊毛が好ましい。
【0031】
本発明の複合紡績糸においてマルチフィラメント群と短繊維群とを開繊混合するのは、マルチフィラメント群と短繊維群の絡合性を高め、後加工性を向上させるためである。そして、この混合とは、フィラメントと短繊維とが混じり合って配置していることを意味するが、特にフィラメントと短繊維とが中心層で均一混合されているので、マルチフィラメント群と短繊維群の絡合性が高く、高い製織性を有すると同時に、該均一混合層を取り囲むように短繊維が層を成しているので、膨らみのある糸構造となり、軽量で透け感の少ない、ウールライクな風合が得られる。
【0032】
本発明の合成繊維マルチフィラメントの繊度(デシテックス)は11〜110デシテックスの範囲が好ましい。マルチフィラメントは短繊維群と混合されているわけであるが、混合によって得られる複合糸の太さが一定の範囲になければ市場性は得られ難い。11デシテックス未満であれば複合の効果が得られ難く、110デシテックスを超えるとウーリーなタッチが失われてしまうので、ウーリーなタッチで市場性に富んだ商品を得るには少なくともマルチフィラメントの繊度はこの範囲が好ましい。
【0033】
ウーリーなタッチを出すためにはマルチフィラメントの総繊度(デシテックス)を上記範囲とする以外に、個々のフィラメントの単糸繊度も、0.1〜6.6デシテックス、好ましくは0.2〜3.3デシテックスの範囲にするのが良い。ここで、0.1デシテックス未満にあってはコシがなくなり、6.6デシテックスを超えると風合いが硬くなり、ウーリー調からほど遠くなるからである。また、短繊維は、天然繊維以外でステープル繊維を用いる場合は、等長カット、不等長カットいずれでも良い。そしてステープル繊維の平均繊維長(mm)は、ウールの温かさを出すためには、50〜150mmの範囲にあることが好ましく、また綿の温かさを出す為には25〜50mmの範囲にあることが好ましい。
【0034】
本発明の複合紡績糸においては、短繊維が、前記複合紡績糸全体において占める割合50〜95重量%にあることが好ましい。50重量%未満の場合は、短繊維とマルチフィラメントの均一混合層を短繊維群の層で取り囲むことが難しく、95重量%を超えると短繊維とマルチフィラメントの絡合性が悪くなるので好ましくない。
【0035】
本発明の複合紡績糸は、1mm以上の毛羽で300〜900ケ/10mの毛羽指数を有することが好ましく、さらにはこれに加えて3mm以上の毛羽で80〜200ケ/10mの毛羽指数を有することがより好ましい。これは、軽量でしかも透け感の少ない、ウールライクな風合いを得るためである。ここでいう毛羽指数は、敷島紡績株式会社製のF−インデックステスターで測定される。
【0036】
本発明の複合紡績糸の横断面を見ると、合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層が中心層を形成し、短繊維群が該中心層を取り囲むように形態を整えているところが本発明の複合紡績糸の特徴である。
【0037】
本発明の複合紡績糸は、絡合性に優れ、ウーリーなタッチを有し、織物や編地にした場合にあっては、軽量でしかも透け感の少ない布帛となり、ブラックフォーマル用途においては高い深色性とイラツキの減少が得られ、メンズスーツやフォーマルドレス、高級婦人ドレスやブラウスに好適である。
【0038】
上述した本発明の特異な断面形態を有する複合紡績糸は、合成繊維マルチフィラメント糸を電気開繊して、ドラフトされている短繊維群とフロントローラの直前で重ね合わせて複合紡績糸を製造するに際し、前記重ね合わせ時点の短繊維フリースの中心に開繊したマルチフィラメントの中心を重ね合わせることにより達成でき、特に合成繊維マルチフィラメントの供給テンションあるいは開繊電圧をコントロールして開繊幅を狭めるか、または専用ガイドを用いて開繊幅を狭めて、合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層を複合紡績糸の芯に集め、その周囲を短繊維群が取り囲むようにすることで達成できる。
【0039】
本発明の複合紡績糸の製造方法では、合成繊維マルチフィラメント糸を電気開繊して、ドラフトされている短繊維群とフロントローラの直前で重ね合わせる際に、合成繊維マルチフィラメントの開繊幅を短繊維フリースの最大幅と同等かそれ以下にすることが重要である。
【0040】
合成繊維マルチフィラメントの開繊幅が、短繊維フリースの最大幅より大きくなると、フィラメントと短繊維の均一混合層を短繊維が取り囲むような糸構造が得られず、フィラメントによる毛羽伏せ効果が高くなり、ひいては軽量で透け感の少ない織物が得られなくなるので好ましくない。
【0041】
合成繊維マルチフィラメントの開繊幅は、短繊維フリースの最大幅と同等かそれ以下、好ましくは短繊維フリースの最大幅の10〜60%以下にすることが必要である。これにによって出来あがった複合紡績糸の横断面は、フィラメントと短繊維の均一混合層が中心層を形成し、短繊維が該中心層を取り囲むように形成し、特異な糸構造と効果(製織性の向上、軽量で透け感の少ない織物、高い深色効果とイラツキの減少)が期待できる。ここで、マルチフィラメントの開繊幅が短繊維フリースの最大幅の10%未満になると、開繊効果が低下し、製織性がコアヤーンの水準まで低下し、上記目的とする効果が得られなくなるので好ましくない。
【0042】
合成繊維マルチフィラメントと短繊維フリースの供給位置の決定は、開繊電極の位置あるいは開繊したフィラメントの専用ガイドを用いて調整が可能である。合成繊維マルチフィラメントの開繊幅の調整は開繊の電圧、供給テンション、フィラメントの専用ガイド等の調整による。
【0043】
本発明の長短複合紡績糸は、例えば図2に示す装置を用いて製造することができる。すなわち図2によれば、その装置はバックローラ1、クレードル2、フロントローラ3を順に配置し、フロントローラ3の下方にスネルワイヤ4およびさらに下方にリングとトラベラ5を備えた捲き取り装置を配置し、前期フロントローラ3の送り込み側の上方に上から静電気印加用の電極6およびその下方に環状ガイド7を備えている。
【0044】
長短複合紡績糸の製造は、まずバーン8に捲かれたマルチフィラメント糸Aを解除し、ガイド9を経て電極6で静電気を印加して開繊させ、続いて環状ガイド7を通して開繊幅および供給位置を規制しつつフロントローラ3に供給する。一方粗糸Bをバックローラ1に供給し、クレードル2、フロントローラ3間でドラフトし、フリース状の短繊維束Bとしてフロントローラ3に供給する。フロントローラ3に供給された開繊したマルチフィラメント糸Aとフリース状の短繊維束Bはフロントローラ3のニップ点で混合されるが、この時、マルチフィラメントは開繊幅を短繊維フリースの最大幅の10〜60%に規制されつつ、短繊維フリース幅の中心に重ね合わせて混合される。フロントローラ3を通過したマルチフィラメントと短繊維フリースは、加撚されることにより横断面がフィラメントと短繊維の均一混合層を短繊維群が取り囲むような特異な糸構造をなし、スネルワイヤ4を経てリングとトラベラ5により管糸10に捲き取られる。
【0045】
【実施例】
次に本発明の長短複合紡績糸の製造例を比較例とともに記載し、その効果を具体的に示す。
【0046】
参考例1
図2に示す装置に粗糸Bとして梳毛粗糸1/3.0Nmをバックローラ1から供給し、バックローラ1およびクレードル2とフロントローラ3との間で全ドラフト倍率15.4倍でドラフトした。一方マルチフィラメント糸Aとしてポリエステルフィラメント糸33デシテックス/12フィラメントを用い、ガイド9を経て電極6に供給した。電極6では前記マルチフィラメント糸Aに−3000Vを印加して開繊させ、次いで環状ガイド7を通して開繊幅をフリースの最大幅の30%に規制し、またドラフトされたフリース状の前記粗糸Bの中心に重なるように供給位置を規制しつつ、フロントローラ3に供給し、前記フロントローラ3でドラフトされたフリース状の前記粗糸Bと重ね合わせて混合し、撚数900T/M(Z)に加撚してポリエステル13/ウール87、番手1/40Nmの混繊糸を管糸10として捲き取った。
【0047】
この混繊糸の横断面を顕微鏡で観察したところ、図1に示すようにポリエステルフィラメントとウールの均一混合層をウールが取り囲むような、特異な分布を呈していた。また、この混繊糸の毛羽指数を測定した後、この混繊糸を経糸(無糊)および緯糸に使用して平織物を製織して染色し、織物の目付、織物の透け感、深色加工時のイラツキ感、深色性、製織時のトラブル回数および織機の稼働率について調査した。その結果を表1に示す。
【0048】
比較例1
マルチフィラメント糸Aとして、実施例1で用いたのと同様のポリエステルマルチフィラメント糸33デシテックス/12フィラメントを開繊電極6および環状ガイド7を使用せずにガイド9から直接フロントローラ3にほぼ集束状態のまま供給し、フロントローラ3のニップ点で実施例1と同様条件でフロントローラ3に供給された前記粗糸Bのフリースの中央に位置するように、供給位置を規制しつつ重ね合わせ、その他は全て実施例1と同様の紡出条件によりコアヤーンを紡出した。このコアヤーンの横断面を顕微鏡で観察したところ、集束したポリエステルフィラメントをウールが取り囲むような分布を呈していた。
【0049】
比較例2.
マルチフィラメント糸Aとして、実施例1で用いたのと同様のポリエステルマルチフィラメント糸33デシテックス/12フィラメントを、環状ガイド7を使用して開繊幅と供給位置を規制せずに、開繊電極6から直接フロントローラ3に供給し、フロントローラ3のニップ点で実施例1と同様条件でフロントローラ3に供給された前記粗糸Bのフリースと重ね合わせ、その他は全て実施例1と同様の紡出条件により混繊糸を紡出した。この混繊糸の横断面を顕微鏡で観察したところ、ポリエステルとウールが均一に混繊している部分と群混合を呈する部分が混在していた。
【0050】
上記各比較例で得られた糸を用いて、それぞれ上記実施例1と同様に毛羽指数を測定した後、平織物を製織して染色し、評価を行った。その結果を合わせて表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003823936
【0052】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の参考例1で得られた合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層を短繊維が取り囲むように形成された長短複合紡績糸は、比較例1,2で得られた長短複合紡績糸に比べて製織性が良好で、軽量でありながら透け感がなく、膨らみ感に富んだ織物が得られた。さらに、ブラックフォーマル用に深色加工を施した場合は、イラツキが大幅に減少し、深色性も向上した。
【0053】
尚、発明の評価に用いた測定方法は以下のとおりである。
【0054】
(毛羽指数の測定)
敷島紡績株式会社製のF−インデックステスターで測定した。
【0055】
(糸断面の形状)
日立製作所(株)のS−3500N形走査型電子顕微鏡で観察した。
【0056】
(織物の目付)
JIS L1096一般織物試験方法の附属書3に基づき測定した。
【0057】
(織物の透け感)
織物整理加工技術者の目視により評価した。
【0058】
(深色加工のイラツキ感および深色性)
染色加工技術者の目視およびマクベス社のMacbethCE−3100型分光光度計により評価した。
【0059】
(製織性)
製織時のトラブル回数および織機の稼働率により評価した。
【0060】
(織物の目付)
JIS L1096一般織物試験方法の附属書3に基づき測定した。
【0061】
(織物の透け感)
織物整理加工技術者の目視により評価した。
【0062】
(織物の通気度)
フラジール形試験機を用いて測定した。
【0063】
(織物の滑脱抵抗力)
JIS L1096一般織物試験方法の縫目滑脱法 B法に基づき測定した。
【0064】
次に本発明の軽量なる織物の実施例を比較例とともに記載し、その効果を具体的に示す。
【0065】
実施例1
ポリエステル13/ウール87、撚数1100T/M(Z)、番手1/40Nmの本発明の複合紡績糸の染め糸を用いて、経緯の平均込係数が40の平織物を試織し、織物の目付、織物の透け感、織物の通気度、織物の滑脱抵抗力を調査した。
【0066】
比較例3
一方、比較例3として、上記で用いた本発明の複合紡績糸の染め糸を用いて、経緯の平均込係数がそれぞれ34および48の平織物を試織し、上記実施例1と同様に織物の目付、織物の透け感、織物の通気度、織物の滑脱抵抗力を調査した。その結果を合わせて表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0003823936
【0068】
表2に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1で得られた織物は、比較例3で得られた織物に比較して、軽量で通気度が高いながら、透け感がなく、物性も安定した織物であった。
【0069】
実施例2
ポリエステル13/ウール87、撚数1100T/M(Z)、番手1/40Nmの本発明の複合紡績糸の染め糸を用いて、経緯の平均込係数が53の綾織物を試織し、織物の目付、織物の透け感、織物の通気度、織物の滑脱抵抗力を調査した。
【0070】
比較例4
一方、比較例4として、上記で用いた本発明の複合紡績糸の染め糸を用いて、経緯の平均込係数がそれぞれ44および61の綾織物を試織し、上記実施例2と同様に織物の目付、織物の透け感、織物の通気度、織物の滑脱抵抗力を調査した。その結果を合わせて表3に示す。
【0071】
【表3】
Figure 0003823936
【0072】
表3に示す結果から明らかなように、本発明の実施例2で得られた織物は、比較例4で得られた織物に比較して、軽量で通気度が高いながら、透け感がなく、物性も安定した織物であった。
【0073】
本発明の軽量なる織物は、新規な長短複合紡績糸と織物にするときの平均込係数の特別な領域の組み合わせにより構成されており、従来に見ない織物、すなわち、基素材の有する特徴を失うことなく、衣料としたときの着用快適感が得られ、かつ軽量である織物が得られる。更に用いられる長短複合紡績糸の横断面がマルチフィラメントと短繊維の均一混合層を短繊維が取り囲むような糸構造を形成しているので、軽量で通気度が高いながら、透け感のない、膨らみ感に富んだ織物を得ることができる。また、ブラックフォーマル用に深色加工を施した場合は、イラツキ感が大幅に減少し、深色性を高めるなど格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長短複合糸の横断面の形成構造を示す図である。
【図2】本発明の長短複合糸の製造装置の概略を示す図である。
【符号の説明】
1:バックローラ
2:クレードル
3:フロントローラ
4:スネルワイヤ
5:リングとトラベラ
6:開繊電極
7:環状ガイド
8:バーン
9:ガイド
10:管糸

Claims (9)

  1. 複合紡績糸の横断面の構成が、合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層が複合紡績糸の横断面の中心層を形成し、短繊維群が該中心層の合成繊維マルチフィラメントと短繊維の均一混合層を取り囲むように形成された長短複合糸からなる織物であり、通気度が50cc/cm/sec以上であること、織物が平織物でありかつ平織物の経緯の平均込係数が35〜47であるか又は織物が綾織物でありかつ綾織物の経緯の平均込係数が45〜60であること、及び複合紡績糸が、合成繊維マルチフィラメント糸を電気開繊して、ドラフトされている短繊維群とフロントローラの直前で重ね合わせて複合紡績糸を製造するに際し、前記重ね合わせ時点の短繊維フリースの中心に開繊したマルチフィラメントの中心を重ね合わせることにより製造され、合成繊維マルチフィラメントの開繊幅が、短繊維フリースの最大幅の10〜60%であることを特徴とする軽量なる織物。
  2. 複合紡績糸が合成繊維マルチフィラメント群と短繊維群とが開繊混合されてなる請求項1記載の軽量なる織物。
  3. 合成繊維マルチフィラメントがポリエステル系繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維およびポリブチレンテレフタレート系繊維からなる群から選択される少なくとも一つの繊維である請求項1に記載の軽量なる織物。
  4. 合成繊維マルチフィラメントがポリエステル系繊維である請求項1に記載の軽量なる織物。
  5. 複合紡績糸を形成する合成繊維マルチフィラメント糸の繊度(デシテックス)が11〜110デシテックスである請求項1に記載の軽量なる織物。
  6. 合成繊維マルチフィラメントを構成する単糸の繊度(デシテックス)が0.1〜6.6デシテックスである請求項1に記載の軽量なる織物。
  7. 短繊維が羊毛、綿、絹、麻、合成繊維ステープル、レーヨンステープルおよびアセテートステープルからなる群から選択される少なくとも一つの繊維である請求項1に記載の軽量なる織物。
  8. 短繊維が羊毛である請求項1に記載の軽量なる織物。
  9. 短繊維の複合紡績糸全体に対して占める割合が50〜95%である請求項1に記載の軽量なる織物。
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