JP3822111B2 - 信号品質評価方法、信号品質評価装置及びそれを備えた再生装置、信号品質評価装置の制御プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

信号品質評価方法、信号品質評価装置及びそれを備えた再生装置、信号品質評価装置の制御プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式の再生装置において、再生信号の品質を、簡単な回路構成で信頼性高く評価することができる信号品質評価方法、信号品質評価装置、信号品質評価装置の制御プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクの再生信号品質の評価値としてジッタが用いられることが多かったが、近年、より高密度記録を実現するためのデータ検出方式としてPRML方式が採用されつつある状況においては、時間軸方向のばらつきを示すジッタは評価値として適当ではない。また、PRML方式によるデータ検出結果のビットエラーレートを評価値として用いることも行われているが、必要な測定サンプルビット数が多い点、ディスクのキズなどに起因するディフェクトの影響を浮けやすい点、などの短所が多い。
【0003】
このような背景において、SAM(Sequenced Amplitude Margin)と呼ばれる再生信号品質の評価方法が提案されている(T.Perkins, "A Window Margin Like Procedure for Evaluating PRML Channel Performance";IEEE Transactions on Magnetics, Vol.31, No2, 1995, p1109-1114)。
【0004】
図5乃至図7を用いてSAMの概念を説明する。ここでは、(1,7)RLL(Run Length Limited)符号で記録されたビット列の再生信号をPR(1,2,1)特性に基づいてPRML検出する場合を例に説明する。
【0005】
PR(1,2,1)特性に従う、歪み及びノイズのない理想的な1Tマークの再生信号波形は、図5で示すようにチャネルクロック毎のサンプルレベル比が1:2:1になる。2T以上のマークの再生信号波形については、この1Tマークの再生信号波形の重ね合わせによって求められ、例えば2Tマークなら1:3:3:1に、3Tマークなら1:3:4:3:1に、4Tマークなら1:3:4:4:3:1になる。こうして任意のビット列について理想的な再生信号波形が想定され、理想的なサンプルレベルとしては、0、1、2、3、4の5レベルをとることになる。ここで、便宜上、最大振幅が±1になるようにサンプルレベルを正規化する。このとき、理想的なサンプルレベルは、−1、−0.5、0、+0.5、+1の5レベルとなる。
【0006】
ここで、PRML復号を具体的に実現する手法として、ビタビ復号を用いる。上記で設定したサンプルレベルを用いたビタビ復号においては、図6に示すようなトレリス線図を考える。
【0007】
図6において、S(00)、S(01)、S(10)、S(11)は状態を表し、例えば状態S(00)は前ビットが0で現在ビットが0であったことを示す。状態と状態を結ぶ線はブランチと呼ばれ、状態遷移を表す。例えばS(00)→S(01)のブランチによって「001」なるビット列を表すことができる。
【0008】
図6では、各ブランチの識別子としてa乃至fの各文字をあてており、その横に、各状態遷移において期待される理想波形レベルを附してある。例えば、aは「000」なるビット列を表すので−1、bは「100」なるビット列を表すので−0.5が理想レベルである。ここで、S(01)→S(10)及びS(10)→S(01)なるブランチが存在しないのは、(1,7)RLL符号ではd=1のランレングス制限により「010」、「101」なるビット列があり得ないことを反映している。
【0009】
トレリス線図において、任意の状態から任意の状態を経て生成される全てのブランチの組み合わせ(これをパスと呼ぶ)を考えることは、全てのあり得るビット列を考えることに相当する。よって、全てのパスについて期待される理想波形と、実際に光記録媒体から再生した再生波形を比べて、波形が最も近い、すなわちユークリッド距離が最も小さい理想波形を持つパスを探索すれば、最も確からしい最尤パスを正解パスとして決定することができる。
【0010】
具体的にトレリス線図を用いたビタビ復号の手順を説明する。
【0011】
任意の時刻において、状態S(00)とS(11)には2本のパスが、S(01)とS(10)には1本のパスが、それぞれ合流する。2本のパスが合流する状態S(00)とS(11)について、各パスの理想波形と再生信号波形とのユークリッド距離が小さい方を生き残りパスとして残すことにすれば、任意の時刻において、4つの各状態に至るパスが各1本ずつ、計4本のパスが残っていることになる。
【0012】
パスの理想波形と再生信号波形とのユークリッド距離の二乗はパスメトリックと呼ばれ、ブランチの理想サンプルレベルと再生波形のサンプルレベルの差の二乗として求められるブランチメトリックを、パスを構成する全ブランチについて累積することによって計算される。
【0013】
時刻tにおける再生信号波形のサンプルレベルをX[t]、ブランチa、b、c、d、e、fの時刻tにおけるブランチメトリックをそれぞれBa[t]、Bb[t]、Bc[t]、Bd[t]、Be[t]、Bf[t]、時刻tにおける各状態S(00)、S(01)、S(10)、S(11)への生き残りパスのパスメトリックをそれぞれM(00)[t]、M(01)[t]、M(10)[t]、M(11)[t]、と記すことにすれば、ブランチメトリックは、以下の(1)式、パスメトリックは(2)式に従ってそれぞれ計算される。M(00)[t]とM(11)[t]におけるパスメトリックが小さい方を選ぶ処理は、生き残りパスの決定に対応している。
【0014】
【数1】
Figure 0003822111
【0015】
【数2】
Figure 0003822111
【0016】
こうして再生信号波形のサンプル値が入力される毎に生き残りパスを決定する手順を繰り返していくと、パスメトリックが大きなパスが淘汰されていくため、次第にパスは1本に収束していく。これを正解パスとすることにより、元のデータビット列が正しく再生されることになる。
【0017】
ここで、ビタビ復号が正しく行われる条件を考えると、最終的に1本に収束していくパスが正解パスとなるためには、各時刻において生き残りパスを決定する過程で、正解パスのパスメトリックが、間違いパスであるもう一方のパスのパスメトリックよりも小さくなければならない。この条件は、以下の(3)式のように表される。
【0018】
【数3】
Figure 0003822111
【0019】
上記の(3)式において、ΔMは生き残りを賭けて対決する2本のパスのパスメトリックの差であり、この差をSAMと呼ぶ。エラーが発生しないためにはSAM>0である必要があり、またSAMが大きい程エラーを起こしにくいことを意味している。
【0020】
さて、SAMを用いてシステムの信頼性を評価するためには、各時刻に計算されるSAM値全体の分布状態をマクロ的に評価する必要がある。特開平10−21651号公報では、このSAMの度数分布の標準偏差を評価値として再生装置の信頼性を検査する手法が提案されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7(a)は、実際に光磁気ディスクに記録した(1,7)RLL符号パターンの再生信号から求めたSAMの度数分布グラフである。この結果から分かるように、一般的にSAM分布は複数のピークをもっている。これは、全再生信号に対してSAMを求める場合、ビットパターンによって正解パスと間違いパスとのユークリッド距離が異なることに起因する。
【0022】
このため、図7(b)に示すように、(1,7)RLL符号列から求めたノイズの全くない理想的な再生信号におけるSAM分布は、1.5、2.5、3.5、4.5、5、6、7、8、9、と離散的な複数の理想値をとる。理想値の度数が異なるのは、各理想値となるビットパターンの種類の数が異なるのに加え、(1,7)RLL符号列において各ビットパターンの出現頻度が異なっているためである。実際の再生信号には様々なノイズがのっているため、これらの理想値がばらつきを持ち、結果として図7(a)のように複数の分布が重なり合った分布形状となっている。
【0023】
つまり、SAM分布にはこのような特徴があり、正規分布とは大きく異なる分布であるため、単純にこの分布から標準偏差を求めてもビットエラーレートとの相関性は小さい。そのため、特開平10−21651号公報では、ノイズによりSAM<0となる確率が高い、SAM理想値が1.5であるビットパターンのみを選び出してSAM分布を生成し、これについて標準偏差を求めている。
【0024】
これは、すなわち、PRML復号結果の複数のデータビットのパターンを監視し、そのパターンが特定のパターンであることを判定した場合にのみSAMを求めるというシーケンスが必要であることを意味し、回路が複雑になるという欠点を有している。
【0025】
また、標準偏差を求めるには、個々のSAMとSAM平均値との二乗誤差をすべて計算する必要があるため、回路の負担が大きいという問題も生じる。
【0026】
本発明は、上記の各問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、簡単な回路構成で再生信号の品質を評価できる信号品質評価方法、信号品質評価装置及びそれを備えた再生装置、信号品質評価装置の制御プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の信号品質評価方法は、上記の課題を解決するために、記録媒体の再生信号に対して、PRML復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価方法であって、上記パスメトリック差の度数分布を求め、この度数分布からピーク度数を検出するステップと、検出したピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するステップとを含んでいることを特徴としている。
【0028】
再生信号のPRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差の度数分布におけるピーク度数は、再生信号に含まれるノイズの大きさに反映される。例えば、ノイズが小さい場合、すなわち信号品質が良い場合には、パスメトリック差の度数分布の広がりが小さいためピーク度数は大きくなり、ノイズが大きい場合、すなわち信号品質が悪い場合には、パスメトリック差の度数分布の広がりが大きいためピーク度数は小さくなる。
【0029】
これにより、ピーク度数の大きさによって、再生信号に含まれるノイズの大きさを判定することができるので、再生信号に含まれるノイズの種類によらず再生信号の品質を評価することができる。
【0030】
したがって、上記構成のように、上記パスメトリック差の度数分布を求め、この度数分布からピーク度数を検出するステップと、検出したピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するようにすれば、再生信号に含まれるノイズの影響を考慮することなく、再生信号の品質を評価することができるので、ノイズの影響を考慮するための回路が不要となり、簡単な回路構成で再生信号の品質を評価すること可能となる。
【0031】
しかも、ノイズを含めた状態の再生信号、すなわち、ノイズの除去や低減の処理等の信号処理が行われていない再生信号(生の再生信号に非常に近い信号)に基づいて、再生信号の品質を評価するようになっているので、高精度で再生信号の品質の評価を行うことが可能となる。
【0032】
上記信号品質評価方法を適用する具体的な装置としては、以下のようなものがある。
【0033】
本発明の信号品質評価装置は、上記の課題を解決するために、記録媒体の再生信号に対して、PRML復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価装置であって、上記パスメトリック差を検出するパスメトリック差検出手段と、上記パスメトリック差検出手段によって検出されたパスメトリック差の度数を検出し、この度数分布からピーク度数を検出するピーク度数検出手段と、上記ピーク度数検出手段により検出されたピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを有することを特徴としている。
【0034】
このように、信号品質評価手段が、パスメトリック差の度数分布から検出されたピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価することで、再生信号に含まれるノイズの種類によらず再生信号の品質を評価することができる。
【0035】
したがって、再生信号に含まれるノイズの影響を考慮することなく、再生信号の品質を評価することができるので、ノイズの影響を考慮するための回路が不要となり、簡単な回路構成で再生信号の品質を評価すること可能となる。
【0036】
上記信号品質評価手段は、上記パスメトリック差の度数分布における複数のピーク位置のパスメトリック差のうち、最小のパスメトリック差を持つピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するようにしてもよい。
【0037】
この場合、パスメトリック差の値が0よりも小さくなったときエラービットが発生するので、パスメトリック差の度数分布における複数のピーク度数のうち、パスメトリック差の値が0に最も近いピーク度数がエラービットの影響を最も示すことになる。
【0038】
したがって、最小のパスメトリック差を持つピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価すれば、高精度で信号品質の評価を行うことができる。
【0039】
本発明の信号品質評価装置は、上記の課題を解決するために、記録媒体の再生信号に対して、PRML復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価装置であって、上記パスメトリック差を検出するパスメトリック差検出手段と、上記パスメトリック差検出によって検出されたパスメトリック差の、該パスメトリック差の理想値を基準とした所定範囲内の度数を検出する度数検出手段と、上記度数検出手段によって検出された所定範囲内のパスメトリック差の度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを有することを特徴としている。
【0040】
この場合、信号品質評価手段が、パスメトリック差の理想値を基準とした所定範囲のパスメトリック差の度数に基づいて再生信号の品質を評価するようになっているので、全てのパスメトリック差の度数を検出して、ピーク度数を求めて再生信号の品質を評価する場合に比べて、パスメトリック差の度数を検出するための回路、すなわちコンパレータ、カウンタの数を減らすことができ、結果として、より簡単な回路構成で再生信号の品質を評価することができる。
【0041】
しかも、上記所定範囲を、上記パスメトリック差の理想値を含むように設定すれば、パスメトリック差のピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価する場合に比べて、より簡単な回路構成でパスメトリック差のピーク度数を用いる場合と同様の再生信号の品質評価の精度を得ることができる。
【0042】
また、上記の各信号品質評価装置は、記録媒体を再生する再生手段を有する再生装置に備えることによって、例えば記録媒体の再生信号の品質を簡単な構成で評価することができ、結果として、再生装置全体の回路構成を簡略化することができる。
【0043】
また、上記の各信号品質評価装置を動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御用プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して使用してもよい。
【0044】
これにより、信号品質評価装置を動作させる制御プログラムを記録媒体を介してコンピュータに読み込ませて、再生装置の各手段の各機能を上記のように動作させれば、再生装置毎に信号品質評価装置を搭載する必要がなくなるので、再生装置の構成をより簡略化することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1乃至4を用いて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の信号品質評価装置を適用する再生装置として、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式の光ディスク再生装置について説明する。
【0046】
本実施の形態に係る光ディスク再生装置は、図1に示すように、再生手段としての信号再生部101、パスメトリック差検出手段としてのパスメトリック差検出部102、ピーク度数検出手段としてのピーク度数検出部103、再生信号品質評価手段としての再生信号品質評価部104を含んだ構成となっている。そして、上記信号再生部101を除いた構成、すなわち、パスメトリック差検出部102、ピーク度数検出部103、再生信号品質評価部104で信号品質評価装置を構成している。
【0047】
上記信号再生部101は、記録媒体としての光ディスク100に記録された信号を再生するようために、半導体レーザ1、フォトダイオード2、再生クロック抽出回路3、A/D変換器4を含んでいる。そして、信号再生部101は、再生信号を次段のパスメトリック差検出部102に送るようになっている。
【0048】
上記パスメトリック差検出部102は、信号再生部101から送られた再生信号のPRML(Partial Response Maximum Likelihood)復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差を検出するために、パスメトリック計算回路5とビタビ復号回路6を含んでいる。そして、パスメトリック差検出部102は、検出したパスメトリック差ΔMを次段のピーク度数検出部103に送るようになっている。
【0049】
上記ピーク度数検出部103は、パスメトリック差検出部102から送られたパスメトリック差ΔMの度数分布におけるピーク度数を検出するために、並列に接続されたk個(Kは自然数)のコンパレータH1〜Hkと、各コンパレータの出力側に接続されたk個のカウンタC1〜Ckと、各カウンタからの出力に基づいてピーク度数を検出するピーク度数検出回路7を含んでいる。そして、ピーク度数検出部103は、検出したピーク度数を次段の再生信号品質評価部104に送るようになっている。
【0050】
上記再生信号品質評価部104は、ピーク度数検出部103から送られたピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するために、CPU等で構成されたコントローラ8を含んでいる。
【0051】
ここで、上記構成の光ディスク再生装置における各部の動作、すなわち再生動作について、図1に示すの機能ブロック図及び図2に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0052】
まず、記録媒体である光ディスクの再生を行う(ステップS1)。
【0053】
具体的には、信号再生部101において、半導体レーザ1から光ディスク100上に光ビームが照射されると、その反射光がフォトダイオード2によって受光され、電気信号に変換されて再生信号として出力される。このときの再生信号は、アナログデータである。
【0054】
フォトダイオード2から出力された再生信号は、次段の再生クロック抽出回路3及びA/D変換器4に出力される。上記再生クロック抽出回路3は、PLL(Phase Locked Loop)回路からなり、入力された再生信号からA/D変換器4において必要な再生クロックを抽出するようになっている。
【0055】
したがって.上記A/D変換器4では、再生クロック抽出回路3にて抽出された再生クロックのタイミングで、このアナログデータがデジタルデータの再生信号に変換される。
【0056】
変換されたデジタルデータの再生信号は、次段のパスメトリック差検出部102のパスメトリック計算回路5に入力される。
【0057】
次に、パスメトリック差ΔMの検出を行う(ステップS2)。
【0058】
具体的には、上記パスメトリック計算回路5では、従来例と同様にパスメトリックの計算が行われる。すなわち、以下の(1)式と(2)式に従って、入力された再生信号のデジタルデータと、トレリス線図の各ブランチの理想レベルとの差の二乗(ブランチメトリック)を、パスを構成する全ブランチについて累積していく処理が行われる。
【0059】
【数4】
Figure 0003822111
【0060】
【数5】
Figure 0003822111
【0061】
再生信号のデジタルデータが入力される毎に計算されるパスメトリックは、ビタビ復号回路6に入力され、ここでパスメトリックが最小になるパスが最終的に生き残りパスとして残り、復号ビット系列が得られる。この復号ビット系列は、パスメトリック計算回路5に入力され、この復号ビット系列を参照することによって正解状態が分かるようになる。
【0062】
これにより、以下の(3)式に従って、その正解状態に入力する2本のパスのパスメトリック差ΔMとしてSAMが求められる。
【0063】
【数6】
Figure 0003822111
【0064】
ここまでの処理は、従来例とほぼ同様である。但し、従来例において必須であった、SAM理想値が1.5であるビットパターンのみを選び出してSAMの計算を行う構成は、本発明では必要ではない。
【0065】
続いて、ピーク度数の検出を行う(ステップS3)。
【0066】
具体的には、パスメトリック計算回路5から出力されたパスメトリック差ΔMは、次段のピーク度数検出部103内において、S0以上S1未満であることを検出するコンパレータH1、S1以上S2未満であることを検出するコンパレータH2、・・・、Sk−1以上Sk未満であることを検出するコンパレータHkに入力される。
【0067】
上記の各コンパレータは、パスメトリック差ΔMが所定範囲にある場合にパルスを1つ出力する。このパルスは、カウンタC1、C2、・・・、Ckのいずれかに入力され、各範囲内にあるパスメトリック差ΔMの度数がインクリメントされる。
【0068】
そして、全測定対象ビットについて、パスメトリック差ΔMの計算が完了した時点で、ピーク度数検出回路7は、カウンタC1、C2、・・・、Ckの出力の中からピーク度数を検出する。検出されたピーク度数は、再生信号品質評価部104のコントローラ8に送られる。
【0069】
最後に、再生信号の評価を行う(ステップS4)。
【0070】
具体的には、上記コントローラ8において、ピーク度数に基づいて再生信号の品質が評価される。
【0071】
以下に、何故、ピーク度数によって再生信号の品質を評価できるかについて、図3(a)(b)を参照しながら説明する。なお、図3(a)は、信号品質が良い場合、図3(b)は、信号品質が悪い場合のそれぞれにおける、同一ビット数の再生信号について前記光ディスク再生装置で求めたSAM度数分布のグラフであり、横軸がSAM、縦軸が度数を示している。
【0072】
図3(a)(b)から明らかなように、信号品質が良い、すなわちノイズが小さい場合には、分布の広がりが小さいため図3(a)にて斜線で示すピーク度数は大きい。また、信号品質が悪い、すなわちノイズが大きい場合には、分布の広がりが大きいため図3(b)にて斜線で示すピーク度数は小さくなっている。結局、ピーク度数はノイズの大きさを反映しており、信号品質に対応することになる。
【0073】
また、ノイズが白色ノイズの場合、ピーク位置のSAMの値は理想値と一致するが、実際にはノイズが有色ノイズであるので、ピーク位置のSAMの値は変動する。
【0074】
しかしながら、ピーク度数分布よりピーク度数を検出しているため、ノイズの種類によらず、信号品質を評価することができる。
【0075】
また、SAMの理想値付近にピーク位置が存在するため、SAMの理想値を含むように所定範囲を設定し、その範囲内の度数を検出することでも、ピーク度数を検出するのと同様の効果が得られ、信号品質を評価することができる。
【0076】
具体的には、図8に示すように、図1に示すピーク度数検出部103の代わりに、度数検出部203を備えた構成にすればよい。この度数検出部203は、SAMの理想値に基づいて設定された所定範囲のSAMの度数を検出する度数検出手段となっている。このため、パスメトリック差検出部102にて検出されたSAMのうち、上記の所定範囲で規定された分に対応するコンパレータ203a、カウンタ203bが設けられている。
【0077】
上記コンパレータ203aは、ピーク度数検出部103から入力されるSAM(ΔM)のうち、SAMの所定範囲として設定された数としてi以上j未満(i,jはSAMの理想値に基づいて設定された数値を示す)分に対応するSAMのみを検出し、後段のカウンタ203bに出力するようになっている。このカウンタ203bは、入力されたSAMの数をカウントし、予め設定された所定範囲に対応するSAMの数(度数)として、再生信号品質評価部104に出力するようになっている。
【0078】
このように、予め設定された範囲内のSAMのみの度数を検出し、この度数に基づいて再生信号の品質を評価するようになっているので、図1に示した場合のように、全てのSAMをカウントし、そのピーク度数を求めて再生信号の品質を評価する場合に比べて、コンパレータ、カウンタの数を大幅に削減できるので、回路構成を簡略化することができる。
【0079】
もちろん、SAMの理想値付近で、SAMの理想値を含まない範囲の度数を検出しても、ピーク度数の大きさを反映した値が得られるため、同様に信号品質を評価できる。
【0080】
ここで、図7を用いて説明したように、SAMの度数分布は、複数のSAM理想値がノイズによりばらつきを持つため、複数の分布が重なり合った分布形状になり、複数のピークをもつことになる。
【0081】
また、SAM<0となったときにエラービットが発生することから、SAMの理想値が最小値である1.5の分布がエラービットの影響を最も示すことになる。
そのため、SAMの度数の複数のピークのうち、SAMの値が最小のピーク度数を検出することで、高精度に信号品質を評価することができる。
【0082】
上記再生動作により求められる、記録パワーを変化させて記録したときの再生信号におけるBER(ビットエラーレート)とSAMの値が最小のピーク度数の関係を実測した結果のグラフを図4(a)(b)に示す。
【0083】
図4(a)は、各記録パワーで記録したときの再生信号のBERとピーク度数を表す。また、図4(b)は、BERとピーク度数の相関を表す。
【0084】
これらの結果から、BERが小さくなるにつれてピーク度数が大きくなり、BERが大きくなるにつれてピーク度数は小さくなることがわかる。すなわち、ピーク度数はBERに非常によく対応した信号品質を表しているといえる。
【0085】
なお、図7より、SAMの値が最小でないピーク度数も信号品質に対応して大きさが変化するため、SAMの値が最小でないピーク度数を検出することでも信号品質を評価することができる。
【0086】
ところで、SAMを正確に求めるためには正解ビット列(記録データパターン)が分かっている必要がある。上記実施の形態においては、SAMを求めるために必要な正解ビット列をビタビ復号結果から得ているが、厳密にはビタビ復号結果は復号エラーを含むため正解ビット列と完全に一致はしない。
【0087】
しかし、評価対象のビットエラーレートは悪くても1E−3程度であるため、復号エラーによる影響はごく小さい。更に、以下の理由から、ピーク度数に対する影響はほとんどない。
【0088】
復号エラーが発生するときのSAM計算は、上記の(3)式の定義から、ΔMの符号を逆にしたものとなる。すなわち、復号エラーが発生するときにΔM<0となるところが、間違いパスを正解パスと見なしてしまうため、その極性を逆にした−ΔMをSAMとしてしまう。つまり、自らの復号結果を正解とするので、常にSAM≧0が成り立つことを意味する。しかし、通常は、SAM理想値1.5を中心とする正規分布の裾野部分が0以下となってエラーが発生するので、SAM<0となる場合でもその絶対値|SAM|はそれほど大きくはない。従って、ピーク度数にはほとんど影響を受けない。
【0089】
このように、自らのビタビ復号結果を用いてSAMの度数の計算を行った場合でも影響はほとんどないと言えるが、より厳密に評価を行いたい場合や、ビットエラーレートが極めて悪い状態の評価を行いたい場合には、信号品質の評価を行う際に予め既知のデータパターンを記録しておき、SAM計算はそのデータパターンを参照して行うようにしても構わない。
【0090】
以上のように、上記光ディスク再生装置においては、従来例のように複雑な構成を必要とせず、コンパレータとカウンタからなる簡潔な回路のみによって、簡単かつ高精度に再生信号品質を検出することが可能となる。
【0091】
なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0092】
例えば、上記実施の形態の説明においては、d=1のランレングス制限符号として(1,7)RLL符号を用いたが、これらに限らないことはもちろんである。
【0093】
また、上記実施の形態の説明においては、再生装置の例として光ディスク再生装置について説明したが、これに限られるものではもちろんなく、PRML方式の信号再生を行う装置において等しくその効果を発揮すべきものである。すなわち、磁気記録装置、通信データ受信装置など、全て本発明が適用可能である。
【0094】
また、上記再生装置は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。
【0095】
そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウエアである制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記再生装置に供給し、そのコンピュータが記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0096】
ここで、上記プログラムメディアとしての記録媒体は、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0097】
本発明を実現するための構成としては、以下のような構成であってもよい。
【0098】
本発明の信号品質評価方法は、記録媒体を再生するステップと、前記記録媒体からの再生信号のPRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差を求めるステップと、前記パスメトリック差の度数分布におけるピーク度数を検出するステップと、前記ピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するステップとを備えてもよい。
【0099】
上記の構成によれば、前記の発明によれば、再生信号の品質を簡単かつ高精度に検出し、評価することができる信号品質評価方法を提供することができる。
【0100】
また、本発明の再生装置は、記録媒体を再生する再生手段と、前記記録媒体からの再生信号のPRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差を求めるパスメトリック差検出手段と、前記パスメトリック差の度数分布におけるピーク度数を検出するピーク度数検出手段と、前記ピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを備えるようにしてもよい。
【0101】
上記の構成によれば、前記の発明によれば、再生信号の品質を高精度に検出することが可能であって、簡単な回路により構成された再生装置を提供することができる。
【0102】
前記信号品質評価手段は、前記パスメトリック差の度数分布における複数のピーク位置のパスメトリック差のうち、最小のパスメトリック差を持つピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するようにしてもよい。
【0103】
これにより、SAMの値が最小のピーク度数を検出することで、さらに高精度に信号品質を評価することができる。
【0104】
前記信号品質評価手段は、前記パスメトリック差の理想値を基準とした所定範囲のパスメトリック差の度数に基づいて再生信号の品質を評価するようにしてもよい。
【0105】
これにより、さらに簡潔な回路のみの構成によって簡単に再生信号品質を検出することが可能となるという効果を奏する。
【0106】
前記範囲は、前記パスメトリック差の理想値を含むようにしてもよい。
【0107】
上記の構成により、ピーク度数を検出するのと同様の効果が得られ、かつ、さらに簡潔な回路のみの構成によって簡単に再生信号品質を検出することができる。
【0108】
上記の再生装置を動作させる制御プログラムは、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御用プログラムであってもよい。
【0109】
上記の構成により、コンピュータで上記再生装置の各手段を実現することによって、上記再生装置を実現することができる。したがって、上記再生装置により、再生信号の品質を簡単かつ高精度に検出し、評価することができる。
【0110】
上記制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を使用してもよい。
【0111】
上記の構成により、上記記録媒体から読み出された制御プログラムによって、上記再生装置をコンピュータ上に実現することができる。
【0112】
【発明の効果】
以上のように、本発明の信号品質評価方法は、記録媒体の再生信号に対して、PRML復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価方法であって、上記パスメトリック差の度数分布を求め、この度数分布からピーク度数を検出するステップと、検出したピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するステップとを含んでいる構成である。
【0113】
それゆえ、ピーク度数の大きさによって、再生信号に含まれるノイズの大きさを判定することができるので、再生信号に含まれるノイズの種類によらず再生信号の品質を評価することができる。
【0114】
したがって、上記構成のように、上記パスメトリック差の度数分布を求め、この度数分布からピーク度数を検出するステップと、検出したピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するようにすれば、再生信号に含まれるノイズの影響を考慮することなく、再生信号の品質を評価することができるので、ノイズの影響を考慮するための回路が不要となり、簡単な回路構成で再生信号の品質を評価すること可能となる。
【0115】
しかも、ノイズを含めた状態の再生信号、すなわち、ノイズの除去や低減の処理等の信号処理が行われていない再生信号(生の再生信号に非常に近い信号)に基づいて、再生信号の品質を評価するようになっているので、高精度で再生信号の品質の評価を行うことができるという効果を奏する。
【0116】
上記信号品質評価方法を適用する具体的な装置としては、以下のようなものがある。
【0117】
本発明の信号品質評価装置は、上記の課題を解決するために、記録媒体の再生信号に対して、PRML復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価装置であって、上記パスメトリック差を検出するパスメトリック差検出手段と、上記パスメトリック差検出手段によって検出されたパスメトリック差の度数を検出し、この度数分布からピーク度数を検出するピーク度数検出手段と、上記ピーク度数検出手段により検出されたピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを有する構成である。
【0118】
それゆえ、このように、信号品質評価手段が、パスメトリック差の度数分布から検出されたピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価することで、再生信号に含まれるノイズの種類によらず再生信号の品質を評価することができる。
【0119】
したがって、再生信号に含まれるノイズの影響を考慮することなく、再生信号の品質を評価することができるので、ノイズの影響を考慮するための回路が不要となり、簡単な回路構成で再生信号の品質を評価すること可能となる。
【0120】
上記信号品質評価手段は、上記パスメトリック差の度数分布における複数のピーク位置のパスメトリック差のうち、最小のパスメトリック差を持つピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するようにしてもよい。
【0121】
この場合、パスメトリック差の値が0よりも小さくなったときエラービットが発生するので、パスメトリック差の度数分布における複数のピーク度数のうち、パスメトリック差の値が0に最も近いピーク度数がエラービットの影響を最も示すことになる。
【0122】
したがって、最小のパスメトリック差を持つピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価すれば、高精度で信号品質の評価を行うことができる。
【0123】
本発明の信号品質評価装置は、上記の課題を解決するために、記録媒体の再生信号に対して、PRML復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価装置であって、上記パスメトリック差を検出するパスメトリック差検出手段と、上記パスメトリック差検出によって検出されたパスメトリック差の、該パスメトリック差の理想値を基準とした所定範囲内の度数を検出する度数検出手段と、上記度数検出手段によって検出された所定範囲内のパスメトリック差の度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを有することを特徴としている。
【0124】
この場合、信号品質評価手段が、パスメトリック差の理想値を基準とした所定範囲のパスメトリック差の度数に基づいて再生信号の品質を評価するようになっているので、全てのパスメトリック差の度数を検出して、ピーク度数を求めて再生信号の品質を評価する場合に比べて、パスメトリック差の度数を検出するための回路、すなわちコンパレータ、カウンタの数を減らすことができ、結果として、より簡単な回路構成で再生信号の品質を評価することができる。
【0125】
しかも、上記所定範囲を、上記パスメトリック差の理想値を含むように設定すれば、パスメトリック差のピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価する場合に比べて、より簡単な回路構成でパスメトリック差のピーク度数を用いる場合と同様の再生信号の品質評価の精度を得ることができる。
【0126】
また、上記の各信号品質評価装置は、記録媒体を再生する再生手段を有する再生装置に備えることによって、例えば記録媒体の再生信号の品質を簡単な構成で評価することができ、結果として、再生装置全体の回路構成を簡略化することができる。
【0127】
また、上記の各信号品質評価装置を動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御用プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して使用してもよい。
【0128】
これにより、信号品質評価装置を動作させる制御プログラムを記録媒体を介してコンピュータに読み込ませて、再生装置の各手段の各機能を上記のように動作させれば、再生装置毎に信号品質評価装置を搭載する必要がなくなるので、再生装置の構成をより簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の信号品質評価装置を備えた光ディスク再生装置の機能ブロック図である。
【図2】図1に示す光ディスク再生装置の再生動作の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】SAM度数分布の相対度数と信号品質の関係を示すグラフであって、(a)は、信号品質が良い場合のグラフを示し、(b)は、信号品質が悪い場合のグラフを示す。
【図4】図1に示す光ディスク再生装置における実測結果を示すグラフであって、(a)は、ビットエラーレート(BER)と記録パワーとピーク度数との関係を示すグラフであり、(b)は、ピーク度数とBERとの関係を示すグラフである。
【図5】PR(1,2,1)特性に従う再生信号波形の模式図である。
【図6】ビタビ復号で用いられるトレリス線図である。
【図7】(a)は、実測波形のSAM度数分布のグラフを示し、(b)は、理想波形のSAM度数分布のグラフを示す。
【図8】本発明の他の信号品質評価装置を備えた光ディスク再生装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 フォトダイオード
3 再生クロック抽出回路
4 A/D変換器
5 パスメトリック計算回路
6 ビタビ復号回路
7 ピーク度数検出回路
8 コントローラ
100 光ディスク
101 信号再生部
102 パスメトリック差検出部(パスメトリック差検出手段)
103 ピーク度数検出部(ピーク度数検出手段)
104 再生信号品質評価部(信号品質評価手段)
203 度数検出部(度数検出手段)
203a コンパレータ
203b カウンタ

Claims (8)

  1. 記録媒体の再生信号に対して、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価方法であって、
    上記パスメトリック差の度数分布を求め、この度数分布からピーク度数を検出するステップと、
    検出したピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価するステップとを含んでいることを特徴とする信号品質評価方法。
  2. 記録媒体の再生信号に対して、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価装置であって、
    上記パスメトリック差を検出するパスメトリック差検出手段と、
    上記パスメトリック差検出手段によって検出されたパスメトリック差の度数を検出し、この度数分布からピーク度数を検出するピーク度数検出手段と、
    上記ピーク度数検出手段により検出されたピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを有することを特徴とする信号品質評価装置。
  3. 上記信号品質評価手段は、上記パスメトリック差の度数分布における複数のピーク位置のパスメトリック差のうち、最小のパスメトリック差を持つピーク度数に基づいて再生信号の品質を評価することを特徴とする請求項2に記載の信号品質評価装置。
  4. 記録媒体の再生信号に対して、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)復号を行い、該PRML復号過程においてトレリス線図の各状態に入力する2本のパスのパスメトリック差から上記再生信号の品質を評価する信号品質評価装置であって、
    上記パスメトリック差を検出するパスメトリック差検出手段と、
    上記パスメトリック差検出によって検出されたパスメトリック差の、該パスメトリック差の理想値を基準とした所定範囲内の度数を検出する度数検出手段と、
    上記度数検出手段によって検出された所定範囲内のパスメトリック差の度数に基づいて再生信号の品質を評価する信号品質評価手段とを有することを特徴とする信号品質評価装置。
  5. 上記所定範囲は、上記パスメトリック差の理想値を含むことを特徴とする請求項4に記載の信号品質評価装置。
  6. 記録媒体を再生する再生手段を有する再生装置であって、
    請求項2ないし5の何れか1項に記載の信号品質評価装置を備えたことを特徴とする再生装置。
  7. 請求項2ないし5の何れか1項に記載の信号品質評価装置を動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための信号品質評価装置の制御プログラム。
  8. 請求項7に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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