JP3821179B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料噴射装置例えば、図19に示すような蓄圧式の燃料噴射装置1は、高圧発生装置としての高圧ポンプ2により発生した高圧燃料を圧力制御弁としての圧力制御電磁弁3により燃料噴射圧に相当する燃料圧に制御して蓄圧室4に蓄圧し、この蓄圧室4の高圧燃料を燃料通路5、燃料噴射弁6のノズルホルダボデイ7の燃料通路7aを通して燃料溜部7bに供給すると共に、針弁8の上部に設けた噴射制御室9に燃料通路7aから制御オリフィス11を通して高圧燃料の一部を供給する。
【0003】
噴射制御室9は、制御オリフィス12、電磁弁13、燃料排出通路14を通して燃料タンク(低圧側)15に接続されており、噴射制御室9内の燃料を燃料タンク15に排出するように構成されている。噴射制御室9内には針弁8を上昇又は下降させるための制御ピストン10が収納されている。圧力制御電磁弁3、電磁弁13は、電子制御装置(ECU)16により制御される。
【0004】
燃料噴射弁6は、電磁弁13が閉弁されているときには蓄圧室4から噴射制御室9に供給されている高圧燃料が制御ピストン10に圧力を付与して針弁8を押し下げる(下降させる)ことにより閉弁している。燃料噴射時には電子制御装置16が電磁弁13を開弁して噴射制御室9内の燃料を燃料タンク15に排出すると、噴射制御室9の圧力が低下し、燃料通路7a、燃料溜部7bに供給された高圧燃料が制御ピストン10の押圧力に抗して針弁8を押し上げて(上昇させて)サック部7cに流入し、噴口7dから噴射される。針弁8のリフトは、噴射制御室9に高圧燃料を流入させる制御オリフィス11と、この噴射制御室9内の高圧燃料を排出させる制御オリフィス12とによる流量バランスにより決定される。
【0005】
電磁弁13を閉弁すると、制御オリフィス11から供給される蓄圧室4の高圧燃料により噴射制御室9の燃料圧が上昇して制御ピストン10を押し下げ、針弁8を下降させて閉弁する。これにより燃料噴射が終了する。
このような蓄圧式の燃料噴射装置は、軽量であること、噴射圧及び噴射時期を自由に設定することが可能である即ち、噴射自由度が高いこと等の利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記蓄圧式の燃料噴射装置1は、その作動原理故に初期噴射圧力が高く、針弁8が急激にリフトし、燃料の噴射パターンは、図20に示すように矩形に近い形状となり、斜線で示すように初期噴射率が高い。このため噴射開始時点から着火までの期間(着火遅れ期間)に噴射される初期燃料量が多くなり、NOxの排出量や燃焼騒音の点で好ましくない。
【0007】
そこで、制御オリフィス11、12により、噴射初期の針弁8のリフト制御を行い、シート絞りによる初期噴射率の抑制を行っているが、その制御自由度は小さく、更に大幅な初期噴射量の低減が要求されている。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、燃料噴射弁の初期噴射圧力を低くして初期噴射量を大幅に低減させるようにした燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1では、高圧発生装置で発生した高圧燃料を蓄圧室に一旦蓄圧して燃料通路を経て燃料噴射弁に供給し、燃料通路の途中に設けた初期噴射圧力調整装置により、燃料通路の入口側の燃料圧と出口側の燃料圧を調整して、初期噴射率を低減する。
【0009】
これにより、噴射初期には低い噴射圧力で燃料を噴射させ、燃料噴射率を低くして噴射開始から着火までの期間の初期噴射量を少なくし、主噴射である噴射中期・噴射後期には高い噴射圧力で燃料を噴射させ、燃料噴射率を高くして噴射量を多くすることができる。
また、初期噴射圧力調整装置は、燃料通路の入口側と出口側の圧力差が設定圧力よりも小さいときにはピストン部材がピストン部材に直交するストッパ部材を押しのけるまで移動を阻止され、これにより初期噴射率が低減する。燃料通路の入口側と出口側の圧力差が設定圧を超えるとストッパ機構が解除されてピストン部材が移動し主噴射が行われる。
【0010】
請求項2では、初期噴射圧力吸収装置が初期噴射時に燃料噴射弁の燃料溜部内の高圧燃料の一部を吸収することで、初期噴射率が低減される。そして、初期噴射圧力吸収装置と初期噴射圧力調整装置とを併用することで初期噴射率を大幅に低減することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。
(実施例1)
図1は、本発明を適用した燃料噴射装置を示す。尚、図19に示す燃料噴射装置1の構成部材と同一部材には同一の符号を付して説明を省略する。図1において、燃料噴射弁6のノズルホルダボデイ7内には燃料通路7aの制御オリフィス11の分岐部と燃料溜部7bとの間に当該燃料噴射弁6の初期噴射圧を調整するための初期噴射圧力調整装置(以下、単に「圧力調整装置」という)20が設けられている。
【0012】
圧力調整装置20は、図2に示すようにノズルホルダボデイ7の途中に軸方向に沿って介在されたスペーサ21内に設けられている。スペーサ21の中心に穿設されている孔21aには針弁8が挿通されており、この孔21aの一側に燃料通路7aと連通する圧力調整室としての孔22(以下「シリンダ」という)が設けられている。図3に示すようにスペーサ21のシリンダ22の左右両側の壁部には切欠21b、21bが設けられており、これらの切欠21b、21bの側壁下部には、シリンダ22に直交する小孔21c、21cが設けられている。
【0013】
図4に示すようにシリンダ22内には、ピストン部材(以下「ピストン」という)23が収納されており、当該ピストン23の中心には軸方向にオリフィス23aが穿設され、下面中央にはばね座としてのボスが設けられている。シリンダ22の下側開口端にはばね座24が装着されており、ピストン23の下面との間にスプリング25が縮設されている。ばね座24の中央には孔24aが穿設されている。そして、シリンダ22のピストン23の両側の燃料室22Aと22Bは、ピストン23のオリフィス23aにより連通されている。シリンダ22の入口22aは、燃料通路7aの上流側に、出口(ばね座24の孔)24aは、燃料通路7aの下流側に接続される。
【0014】
図3及び図4に示すように小孔21c内には、ストッパ機構を構成するストッパ部材26が軸方向に摺動可能に嵌挿され、当該小孔21cの切欠21b側開口端には栓27がOリングを介して液密に装着され、ストッパ部材26と栓27との間にスプリング28が縮設されている。ストッパ部材26は、スプリング28のばね力により押圧されてその先端がシリンダ22内に、且つピストン23の下側に突出されている。
【0015】
ピストン23は、シリンダ22の下流側の燃料室22Bの燃料圧が上流側の燃料室22Aの燃料圧と同圧のときには図4に示すようにスプリング25により押し上げられ、左右両側のストッパ部材26、26がピストン23の下側に入り込んで当該ピストン23の下方への移動を阻止する。燃料室22Bの燃料圧が燃料室22Aの燃料圧よりも低くなり、その圧力差が所定圧(設定圧)を超えると、図5に示すようにピストン23の下面がストッパ部材26をスプリング28のばね力に抗して孔21c内に押し込め、当該ピストン23が下方に移動する。このピストン23が移動するときの圧力差は、スプリング28のばね力により決定される。
【0016】
以下に、図6を参照して作動を説明する。
尚、図6において、左側の図(a)〜(c)に燃料噴射弁6に内蔵されている圧力調整装置20の動作を示し、右側の図(d)〜(f)に図(a)〜図(c)に示す圧力調整装置20の動作に対応する針弁8の作動を示している。
図1において、電磁弁13が閉弁されているときには蓄圧室4の高圧燃料が燃料通路5から燃料噴射弁6の燃料通路7aに供給される。燃料通路7aに供給された高圧燃料は、オリフィス11を通して噴射制御室9に供給されると共に圧力調整装置20のピストン23のオリフィス23aを通して燃料溜部7bに供給されている。
【0017】
このとき図6(a)に示すように圧力調整装置20は、シリンダ22の下流側の燃料室22Bの燃料圧Poと上流側の燃料室22Aの燃料圧Piが等しくなっており、ピストン23は、スプリング25により押し上げられ(図中左方に移動している)、下方にストッパ部材26が入り込んでいる。これによりピストン23の下方への移動が阻止されている。そして、図6(d)に示すように制御ピストン10は、噴射制御室9の燃料圧Piにより押圧されて針弁8を押し下げ、閉弁している。
【0018】
電磁弁13が開弁されると、噴射制御室9内の高圧燃料がオリフィス12を通して燃料タンク15に排出され、これに伴い噴射制御室9の燃料圧が低下し、制御ピストン10の押圧力が低下する。一方、燃料溜部7bには蓄圧室4からの前記高圧燃料(Pi)が供給されており、図6(e)に示すように針弁8が制御ピストン10の押圧力に抗して押し上げられ、燃料溜部7b内の燃料がサック部7cに流入し、噴口7dから噴射されて初期噴射が開始される。この初期噴射に伴い圧力調整装置20のシリンダ22の燃料室22B内の燃料が燃料溜部7bに供給され、当該燃料室22Bの燃料圧Poが低下する(Po<Pi)。
【0019】
圧力調整装置20は、図6(b)に示すようにピストン23がストッパ部材26により係止されており、且つオリフィス23aは小孔であるために燃料室22Aから燃料室22Bへの燃料の供給は殆ど行われない。従って、燃料室22Bへの燃料の流れがせき止められることから噴射初期には、ピストン23と噴口7d間の圧力が燃料を噴射することで低減するため噴射率が低減すると共に針弁リフトも小さくなる。
【0020】
シリンダ22の燃料室22Bの燃料圧Poが低下し、燃料室22Aの燃料圧Piとの圧力差が所定圧Pcを超えると(Pi−Po>Pc)、図6(c)に示すようにピストン23が燃料圧Piにより押圧されてストッパ部材26をスプリング28のばね力に抗して小孔21c内に押し込み、燃料室22B側に移動する。即ち、ピストン23のストッパが解除される。ピストン23は、移動に伴い燃料室22B内の燃料を加圧して燃料溜部7bに圧送する。これにより図6(f)に示すように針弁8が再び押し上げられて噴射を開始する。即ち、主噴射が開始される。このようにして初期噴射と主噴射を2段階に行なう。
【0021】
図1に示す電磁弁13が閉弁されると、噴射制御室9の燃料圧がPiまで上昇し、制御ピストン10が針弁8を押し下げて閉弁し、主噴射が終了する。圧力調整装置20は、主噴射が終了するとピストン23のオリフィス23aを通して燃料室22Bに燃料が供給(補給)されると共に、スプリング25のばね力によりストッパ部材26の上方に押し上げられ、これに伴いストッパ部材26が再びピストン23の下側に入り込み下方への移動を阻止する。これにより圧力調整装置20が元の状態に復帰して次回の燃料噴射に待機する。
【0022】
図13に上記燃料噴射弁6の噴射率特性を示す。図13において、実線で示す曲線Iは、初期噴射特性を示し、1点鎖線II、点線III、実線IVで示す曲線は、夫々主噴射特性を示している。主噴射は、初期噴射が開始された時間から圧力調整装置20のストッパ機能が解除されてピストン23が移動するまでの時間(ピストン23の時間遅れ)t1、t2、t3が長くなる程(t1<t2<t3)、主噴射が曲線II、III、IVのように遅れる。従って、シリンダ22の燃料室22Aと22Bとの圧力差とストッパ部材26のスプリング28のばね力とを調整してピストン23の移動開始時間を調整することで、曲線Iの斜線で示すように初期噴射率を大幅に低減することが可能である。
【0023】
(実施例2)
図7は、本発明の燃料噴射装置の実施例2の構成を示す。尚、図1に示す実施例1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。図7に示すように、蓄圧器から燃料噴射弁6の燃料通路7aに高圧燃料を供給する燃料通路5の途中に圧力調整装置20を介在させた構成としたものである。圧力調整装置20は、図8に示すようにハウジング21’にシリンダ22’を形成し、ハウジング21’の接続部21a’、21b’を燃料通路5に接続する。尚、接続部21a’(シリンダ22’の入口22a’側)を上流側に、接続部21b’(出口24a側)を下流側に接続する。他の構成は、実施例1の場合と同様である。
【0024】
実施例2のように燃料噴射弁6の燃料通路分岐部7eの上流側に設けた場合の噴射率特性を図14に示す。図14において、実線で示す曲線Iは、初期噴射特性を示し、1点鎖線II、点線III、実線IVで示す曲線は、夫々主噴射特性を示している。実施例2においては、噴射制御室9に供給される燃料圧と針弁8を押し上げようとする燃料溜部7bの燃料圧が等しくなるため、噴射初期に針弁8を押し下げようとする力が小さいことと、ピストン23から燃料噴射弁6の噴口7dまでの燃料通路が長く、当該燃料通路内の容積が大きいことにより、実施例1の場合に比べて初期噴射率の低減が小さい(曲線Iの斜線で示す部分)。従って、圧力調整装置20は、実施例1のように燃料噴射弁6に内蔵し燃料通路の分岐部7eの下流に設置して、ピストン23から噴口までの容積を小さくすると同時に噴射制御室9へ供給する燃料圧を燃料溜部7bの燃料圧より高くする方が初期噴射率の低減効果が大きくなり、好ましい。
【0025】
(実施例3)
図9は、本発明の燃料噴射装置の実施例3の構成を示す。尚、図1に示す実施例1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。図9において、燃料噴射装置1は、実施例2の場合と同様に、蓄圧器から燃料噴射弁6に高圧燃料を供給する燃料通路5の途中に圧力調整装置20が介在されており、ノズルホルダボデイ7に初期噴射圧力吸収装置(以下単に「圧力吸収装置」という)30が内蔵されている。尚、圧力調整装置20は、実施例1のようにノズルホルダボデイ7に内蔵してもよいが、圧力吸収装置30を内蔵する関係上、燃料噴射弁6の大型化を避けるために外部に設けている。
【0026】
ノズルホルダボデイ7には燃料溜部7bの僅か上方に長手方向(上下方向)に沿って燃料逃がし通路7gが設けられており、一側開口端7hが燃料溜部7bの僅か上方位置に針弁8の挿通孔7fの壁面に軸方向に沿って設けられた長溝7iの下端に開口し、他側開口端7jがノズルホルダボデイ7の上部外壁面に開口している。そして、燃料逃がし通路7gの開口端7iは、燃料排出通路17を通して燃料タンク15に接続される。
【0027】
一方、針弁8には図10に示すように外周面に前記長孔7iと対応する位置に軸方向に沿って燃料逃がし通路としての長溝8aが形成されている。長溝8aの下端は、燃料溜部7bに常時連通しており、上端は、針弁8が閉弁しているときには長溝7iと遮断され、針弁8が開弁(リフト)されると長溝7iに連通される。即ち、長溝8aは、針弁8が開弁している間燃料溜部7bを燃料逃がし通路7gに連通する。
【0028】
図11に圧力吸収装置30の詳細を示す。図9及び図11に示すように圧力吸収装置30は、燃料溜部7bの僅か上方に配置され、燃料逃がし通路7gの途中に設けられている。圧力吸収装置30は、逆止弁31、圧力吸収ピストン32、圧力制御手段としての電磁弁33により構成されており、燃料逃がし通路7gの上流側(燃料溜部7b側)から下流側(開口端7j側)に向かって逆止弁31、圧力吸収ピストン32、電磁弁33の順序で配置されている。逆止弁31は、燃料逃がし通路7gの開口端7h側(燃料溜部7b)から圧力吸収ピストン32方向にのみ燃料の流れを許容し、圧力吸収ピストン32は、燃料溜部7b内の高圧燃料の一部を吸収し、電磁弁33は、圧力吸収ピストン32が吸収した燃料を燃料タンク15に排出させる。
【0029】
ノズルホルダボデイ7には燃料溜部7bの上方にスペーサ35、36が密着して介在されており、逆止弁31と圧力吸収ピストン32は、スペーサ35に内蔵され、電磁弁33は、スペーサ36に内蔵されている。スペーサ35、36には針弁8の挿通孔35a、36aと燃料通路35b、36bが穿設されている。スペーサ35には燃料通路35bと反対側に軸方向に沿って穴35c、35dが連通して設けられており、上流側の穴35cに逆止弁31が設けられている。逆止弁31の入口31aは、燃料逃がし通路7gの開口端7h側(上流側)に接続されている。
【0030】
下流側の穴35dは、シリンダとされ(以下「シリンダ35d」という)、ピストン40と、スプリング41及びばね座42が収納されており、ピストン40は、逆止弁31のばね座38にスプリング41により圧接されている。シリンダ35dの側壁下端には孔35eが設けられており燃料逃がし通路7gに連通されている。この孔35eは、通常時にはピストン40により閉塞されており、ピストン40が図中上方に移動すると開口される。
【0031】
スペーサ36にはシリンダ35dの上方位置に収納部36cが設けられており、電磁弁33が収納されている。この電磁弁33は、燃料逃がし通路7gのシリンダ35dの下流側を開閉する。この電磁弁33は、電子制御装置16により制御される。
以下に作動を説明する。
【0032】
尚、圧力調整装置20の作動は、実施例2の場合と同様であり、詳細な説明は省略する。
図9において電磁弁13が開弁されると、針弁8が開弁(リフト)して圧力調整装置20により初期噴射率が調整されて初期噴射が行われる。針弁8が開弁すると、図11に示す長溝8aが燃料逃がし通路7gと連通し、燃料溜部7b内の燃料の一部が逆止弁31を通過してピストン40をスプリング41のばね力に抗して押し上げ、シリンダ35d内に流入する。即ち、ピストン40のストロークに相当する容積分だけ燃料溜部7b内の燃料が、圧力吸収ピストン32に吸収される。
【0033】
そして、燃料溜部7bの燃料圧力即ち、噴射圧力は、圧力吸収ピストン32の容量に達するまで低圧に抑えられ、且つ当該圧力吸収ピストン32に吸収された燃料は、逆止弁31により燃料溜部7bへの逆流が阻止される。これにより初期噴射における燃料圧が吸収されて初期噴射量が図15に示す噴射率特性の斜線で示すように大幅に低減される。この初期噴射に続いて主噴射が行われる。そして、電磁弁13が閉弁されると、針弁8が閉弁して主噴射が終了する。初期噴射量の低減量は、圧力吸収ピストン32の容積又は圧力調整装置20のピストン23を係止保持している時間に応じて調節することができる。
【0034】
図15の噴射率特性から明らかなように、圧力吸収装置30は、特に、実施例2及び実施例3のように圧力調整装置20を燃料噴射弁6の入口に配置し、圧力調整装置20から噴口7dまでの燃料通路が長い場合において、初期噴射率を低減させる上で有効である。
針弁8が閉弁されると、長溝8aが燃料逃がし通路7gから遮断される。次いで、電磁弁33が開弁される。電磁弁33が開弁されると、燃料逃がし通路7gが開放され、シリンダ35d内に吸収されている前記高圧燃料が電磁弁33、燃料逃がし通路7g、燃料排出通路17を通して燃料タンク15に排出される。これに伴いピストン40がスプリング41のばね力により下降してシリンダ35d内の残存する燃料を燃料逃がし通路7gに押し出す。次いで、電磁弁33が閉弁されて燃料逃がし通路7gを閉塞される。これにより圧力吸収ピストン32は、初期状態に復帰して、次の噴射に待機する。
【0035】
図16は、前記圧力吸収装置30の制御手順の一例を示すフローチャート、図17は、電磁弁13、電磁弁33の動作を示す図である。
図16のステップS1において、電子制御装置16は、内燃機関としてのエンジンの回転数Ne、負荷Tを読み込み、燃料の噴射開始時期θi、燃料噴射量(噴射期間)Δθ、噴射圧力をマップから読みとり(ステップS2)、燃料逃がし用の電磁弁33の開弁時期θr(=θi+Δθ+θc)を演算する(ステップS3)。値θcは、主噴射が終了した後シリンダ35dに吸収した燃料を逃がすまでの時間(電磁弁13を閉弁してから電磁弁33を開弁するまでの期間)である。次いで、電子制御装置16は、図17(a)に示すように前記燃料噴射開始時期θiにおいて電磁弁13を開弁し、噴射期間Δθ経過後閉弁する(ステップS4)。電子制御装置16は、図17(b)に示すように電磁弁13を閉弁した時から期間θc経過した後、電磁弁33の開弁時期θrにおいて当該電磁弁33を開弁し、シリンダ35d内に吸収した燃料を燃料逃がし通路7gを通して燃料タンク15に排出する(ステップS5)。
【0036】
(実施例4)
図12は、圧力吸収装置30の他の実施例を示す。実施例3においては、電磁弁33を使用し、圧力吸収ピストン32に吸収した高圧燃料を電磁弁33を開弁することにより排出するようにしたが、実施例4においては、圧力吸収ピストン32自身が、吸収した高圧燃料を燃料逃がし通路7gに排出するようにしたものである。具体的には電磁弁33に代えて圧力吸収ピストン32に設けたオリフィスにより排出する。即ち、ピストン40の中央に圧力制御手段としてのオリフィス40aを設けると共に、シリンダ35dの上方(ばね座42近傍)に孔35fを設け、燃料逃がし通路7gに連通させる。
【0037】
初期噴射時に燃料溜部7bの高圧燃料の一部が逆止弁31を通してピストン40を押し上げ、シリンダ35dに流入する。これにより実施例3の場合と同様に初期噴射率が低減する。そして、主噴射が終了すると、シリンダ35d内に吸収された燃料は、ピストン40のオリフィス40aを通して徐々に燃料室35Aに流入し、孔35fから燃料逃がし通路7gに排出される。ピストン40は、燃料室35A内の燃料が逃がし通路7gに排出されるに伴いスプリング41のばね力により復帰する。図18(a)にピストン40のストローク変化を示し、図(b)に噴射率の変化を示す。初期噴射率は、図18(b)において斜線で示すように大幅に低減される。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、圧力調整装置により燃料噴射弁の燃料通路に供給される燃料の入口圧と出口圧とを調整し、ピストン部材がピストン部材に直交するストッパ部材を押しのけるまで移動を阻止されることで、初期噴射率を大幅に低減することが可能となり、NOxの低減、燃費の低減及びエンジン騒音の低減が図られる。
また、圧力調整装置の構造が簡単であり小型、軽量、且つ安価な装置を製造することができる。
【0039】
請求項2の発明では、圧力調整装置の他に燃料溜部の燃料の一部を吸収することで初期噴射率を更に低減させることが可能となり、更なるNOxの低減、燃費の低減及びエンジン騒音の低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料噴射装置の実施例1を示す構成図である。
【図2】図1の初期噴射圧力調整装置の拡大図である。
【図3】図2の矢線III-IIIに沿う断面図である。
【図4】図3の矢線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】図4のピストンが移動した状態を示す図である。
【図6】図1の燃料噴射装置の作動を説明する図である。
【図7】本発明の燃料噴射装置の実施例2を示す構成図である。
【図8】図7の圧力調整装置の詳細な断面図である。
【図9】本発明の燃料噴射装置の実施例3を示す構成図である。
【図10】図9の燃料溜部近傍の詳細図である。
【図11】図9の初期噴射圧力吸収装置の詳細図である。
【図12】初期噴射圧力吸収装置の他の実施例を示す構成図である。
【図13】図1の燃料噴射装置の噴射特性を示す図である。
【図14】図7の燃料噴射装置の噴射特性を示す図である。
【図15】図9の燃料噴射装置の噴射特性を示す図である。
【図16】図9の燃料噴射装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】図16の制御手順による図9の電磁弁の作動を示す説明図である。
【図18】図9の燃料噴射装置に図12に示す初期噴射圧力吸収装置を適用した場合における噴射特性を示す図である。
【図19】従来の燃料噴射装置の構成図である。
【図20】図19の燃料噴射装置の噴射特性を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射装置
2 高圧ポンプ
3 圧力制御電磁弁
4 蓄圧室
5、7a 燃料通路
6 燃料噴射弁
7 ノズルホルダボデイ
7b 燃料溜部
8 針弁
11、12 制御オリフィス
13、33 電磁弁
16 電子制御装置(ECU)
20 初期噴射圧力調整装置
30 初期噴射圧力吸収装置

Claims (2)

  1. 内燃機関の各燃焼室に配設され燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃料噴射圧に相当する高圧燃料を供給する高圧発生装置と、前記高圧燃料を蓄圧する蓄圧室と、前記燃料噴射弁の燃料溜部に、前記蓄圧室からの高圧燃料を供給する燃料通路とを備えた燃料噴射装置において、
    前記燃料通路の途中に燃料の入口圧と出口圧を調整する初期噴射圧力調整装置が設けられ、前記初期噴射圧力調整装置には、入口と出口との圧力差により移動するピストン部材と、前記ピストン部材の移動を、前記圧力差が設定圧力差に達し、前記ピストン部材に直交するストッパ部材を該ピストンが押しのけるまで阻止するストッパ機構とが設けられていることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記燃料噴射弁の燃料溜部近傍には、初期噴射される高圧燃料の一部を吸収する初期噴射圧力吸収装置が設けられていることを特徴とする請求項1項記載の燃料噴射装置。
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