JP3820990B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、流入する排気の空燃比がリッチのときにトラップしたNOxを還元浄化するNOxトラップ触媒を備えるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特許第2600492号公報に、機関の排気通路に、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、流入する排気の空燃比がリッチのときにトラップしたNOxを還元浄化するNOxトラップ触媒を配置し、このNOxトラップ触媒の還元浄化時期に排気空燃比をリッチにしてNOxの浄化を行う技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術において、NOxトラップ触媒でのNOxの還元浄化は、排気空燃比をリッチ化すること、すなわち、還元剤としてのHC、COをNOxトラップ触媒へ供給し、それらとNOxとが還元雰囲気で反応することにより行われる。
【0004】
しかしながら、排気空燃比がリッチであっても排気中に酸素が存在する場合がある。排気中に酸素が存在する場合、先にHC、COの酸化反応で酸素を消費して触媒近傍に還元雰囲気を作り出さないと、還元雰囲気におけるNOxと還元剤(HC、CO)との反応が起こらない。このため、同じリッチ状態(同一の排気空燃比)でも排気中の酸素量が大きいほど、HC、COとNOxとの還元反応が起こり難くなる。
【0005】
従って、NOxトラップ触媒の活性状態が悪いとき、すなわちNOxトラップ触媒の担体温度が低いときに、排気中に酸素が存在すると、NOxトラップ触媒でNOxを十分に浄化できなくなる。
つまり、上記従来の技術では、NOxを還元浄化するリッチ状態において排気中の酸素の存在を考慮していないため、NOxトラップ触媒の温度が低いときには、NOxを十分に浄化できず排気を悪化させるといった問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を解決することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明では、機関の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、流入する排気の空燃比がリッチのときにトラップしたNOxを還元浄化するNOxトラップ触媒と、前記NOxトラップ触媒の還元浄化時期を判定する還元浄化時期判定手段と、前記還元浄化時期に、排気空燃比をリッチにする第1空燃比リッチ化方法と、排気中の酸素量を前記第1空燃比リッチ化方法より小さくすると共に排気空燃比をリッチにする第2空燃比リッチ化方法とを選択的に切換可能であり、前記NOxトラップ触媒の温度が高いときに前記第1空燃比リッチ化方法を選択し、前記NOxトラップ触媒の温度が低いときに前記第2空燃比リッチ化方法を選択する空燃比リッチ化手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明では、排気空燃比をリッチにする目標リッチ空燃比を設定する目標リッチ空燃比設定手段を備え、前記空燃比リッチ化手段は、排気空燃比をリッチにする際、前記第1空燃比リッチ化方法及び第2空燃比リッチ化方法のいずれにおいても、排気空燃比を前記目標リッチ空燃比設定手段による同じ目標リッチ空燃比にすることを特徴とする。
請求項3の発明では、前記空燃比リッチ化手段は、前記NOxトラップ触媒の温度を直接検出、又は排気温度、触媒近傍温度、機関の運転状態のうち少なくとも1つに基づいて推定する手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明では、機関の排気通路から排気の一部を吸気通路に還流するEGR通路に配置されたEGR弁と、機関の吸気通路に配置された吸気絞り弁と、を備え、前記空燃比リッチ化手段は、前記第1空燃比リッチ化方法を選択しているとき、少なくともEGR弁で排気空燃比をリッチ化し、前記第2空燃比リッチ化方法を選択しているとき、吸気絞り弁で排気空燃比をリッチ化することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明では、メイン噴射の後に少量の燃料を噴射するポスト噴射を可能とする燃料噴射装置と、機関の吸気通路に配置された吸気絞り弁と、を構え、前記空燃比リッチ化手段は、前記第1空燃比リッチ化方法を選択しているとき、少なくともポスト噴射で排気空燃比をリッチ化し、前記第2空燃比リッチ化方法を選択しているとき、吸気絞り弁で排気空燃比をリッチ化することを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、NOxトラップ触媒のリッチスパイクによる還元浄化を行う際に、NOxトラップ触媒の温度が低いときは、NOx浄化率が低いため、リッチスパイク時の排気中に酸素量が多いとNOxを十分に還元浄化できなくなるおそれがあることから、排気中の酸素量を小さくすることのできる空燃比リッチ化方法で排気空燃比をリッチ化することにより、触媒の活性が低くてもNOx浄化性能を維持することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明によれば、いずれの空燃比リッチ化方法においても、排気空燃比を同じ設定手段による同じ目標リッチ空燃比にすることにより、排気空燃比の変動を防止して、NOx、HC、CO等のエミッションの変動を抑制することが可能となる。
請求項3の発明によれば、NOxトラップ触媒の温度を直接検出、又は推定する手段を備えることで、NOxトラップ触媒の温度に依存するNOx浄化率を正確に把握することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、通常のリッチスパイクを行うときにEGRを行いつつ排気空燃比をリッチ化している場合、リッチスパイク時に排気中の酸素量を小さくするときは、EGRを中止して、吸気絞り弁で排気空燃比をリッチ化することで、燃焼で消費されるべき酸素を全てを燃焼させることができ、排気中の酸素量を確実に低減できる。
【0014】
請求項5の発明によれば、通常のリッチスパイクを行うときにポスト噴射により排気空燃比をリッチ化している場合、リッチスパイク時に排気中の酸素量を小さくするときは、ポスト噴射を中止又は低減して、吸気絞り弁で排気空燃比をリッチ化することで、排気中の酸素量を確実に低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す内燃機関(ここではディーゼルエンジン)のシステム図である。
ディーゼルエンジン1の吸気通路2には可変ノズル型のターボチャージャ3の吸気コンプレッサが備えられ、吸入空気は吸気コンプレッサによって過給され、インタークーラ4で冷却され、吸気絞り弁5を通過した後、コレクタ6を経て、各気筒の燃焼室内へ流入する。燃料は、コモンレール式燃料噴射装置により、すなわち、高圧燃料ポンプ7により高圧化されてコモンレール8に送られ、各気筒の燃料噴射弁9から燃焼室内へ直接噴射される。燃焼室内に流入した空気と噴射された燃料はここで圧縮着火により燃焼し、排気は排気通路10へ流出する。
【0016】
排気通路10へ流出した排気の一部は、EGRガスとして、EGR通路11によりEGR弁12を介して吸気側へ還流される。排気の残りは、可変ノズル型のターボチャージャ3の排気タービンを通り、これを駆動する。
ここで、排気通路10の排気タービン下流には、排気浄化のため、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、流入する排気の空燃比がリッチのときにトラップしたNOxを還元浄化するNOxトラップ触媒13を配置してある。また、このNOxトラップ触媒13には、貴金属を担持させて、排気中のHC、COを酸化する機能を持たせ、酸化機能付きNOxトラップ触媒としてある。
【0017】
コントロールユニット20には、エンジン1の制御のため、エンジン回転数Ne検出用の回転数センサ21、アクセル開度APO検出用のアクセル開度センサ22、吸入空気量Qa検出用のエアフローメータ23から、信号が入力されている。
また、NOxトラップ触媒13の温度(触媒温度)Tcを検出する触媒温度センサ24、排気通路10のNOxトラップ触媒13の出口側にて排気空燃比を検出する空燃比センサ25が設けられ、これらの信号もコントロールユニット20に入力されている。但し、NOxトラップ触媒13の温度は、NOxトラップ触媒13の出口側に排気温度センサを設けて、その信号に基づいて間接的に検出(推定)するようにしてもよいし、これ以外の触媒近傍温度から推定したり、あるいはエンジンの運転状態から推定するようにしてもよい。
【0018】
コントロールユニット20は、これらの入力信号に基づいて、燃料噴射弁9によるメイン噴射及び所定の運転条件においてメイン噴射後(膨張行程又は排気行程)に行うポスト噴射の燃料噴射量及び噴射時期制御のための燃料噴射弁9への燃料噴射指令信号、吸気絞り弁5への開度指令信号、EGR弁12への開度指令信号等を出力する。
【0019】
ここにおいて、コントロールユニット20では、NOxトラップ触媒13にトラップされて堆積したNOxの還元浄化のための排気浄化制御を行うようにしており、かかる排気浄化制御について、以下に詳細に説明する。
図2〜図3はコントロールユニット20にて実行される排気浄化制御のフローチャートである。
【0020】
S1−1では、回転数センサ、アクセル開度センサ、エアフローメータ、触媒温度センサからの信号に基づいて、エンジン回転数Ne、アクセル開度APO、吸入空気量Qa、触媒温度Tcを検出する。
S1−2では、エンジン回転数Neとアクセル開度APOとをパラメータとするマップを参照するなどして、メイン噴射用の燃料噴射量Qfを演算する。
【0021】
S1−3では、NOxトラップ触媒にトラップされて堆積したNOx堆積量を検出する。但し、NOx堆積量を直接検出することは難しいので、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qfとから単位時間当たりのNOx発生量を予測し、トラップ率を考慮して、単位時間当たりのNOx堆積量を求め、これを積算することで、間接的に検出する。又は、エンジン回転数の積算値から、NOx堆積量を推定するようにしてもよい。
【0022】
S1−4では、触媒活性時のリッチスパイクモード中であることを示すreg1フラグが立っているか否かを判定する。reg1フラグ=1の場合は、S2−1以降(図3)の触媒活性時のリッチスパイクモードの制御へ進む。
S1−5では、触媒活性が低い時のリッチスパイクモード中であることを示すreg2フラグが立っているか否かを判定する。reg2フラグ=1の場合は、S3−1以降(図3)の触媒活性が低い時のリッチスパイクモードの制御へ進む。
【0023】
S1−6では、NOxトラップ触媒の再生時期(還元浄化時期)か否かの判定のため、S1−3で検出したNOx堆積量が所定値NOx1より大きくなったか否かを判定する。
NOx堆積量が所定値NOx1以下であれば、再生時期ではないので、処理を終了し、NOx堆積量が所定値NOx1を超えていれば、再生時期と判断して、S1−7へ進む。
【0024】
S1−7では、NOxトラップ触媒の活性を判断する。ここで、図4に示すように、触媒のNOx浄化性能はライトオフ温度T2から発現し始めるが未だ十分ではないので、NOx浄化率が十分に大きくなる温度T1より高くなれば、活性していると判断する。T1〜T2の間は活性が低いと判断し、T2より低い温度では活性がないと判断する。
【0025】
このため、S1−7では、触媒温度TcがT1を超えているか否かを判断し、Tc>T1の場合に、S1−8で、触媒が活性していると判断して、触媒活性時のリッチスパイクモードに入るため、reg1フラグを1とする。
Tc≦T1の場合は、S1−9で、触媒温度TcがT2を超えているか否か、すなわち触媒温度TcがT1〜T2の間にあるか否かを判断し、Tc>T2の場合に、S1−10で、活性が低いと判断して、触媒活性が低い時のリッチスパイクモードに入るため、reg2フラグを1とする。
【0026】
Tc≦T2の場合は、活性がなく、浄化性能が全く期待できないことから、暖機されるまで再生処理を待つこととして、処理を終了する。
次にreg1フラグ=1となった場合のS2−1以降の触媒活性時のリッチスパイクモードについて説明する。
S2−1では、排気空燃比をリッチにする第1空燃比リッチ化方法を選択して、排気空燃比をリッチにする。
【0027】
第1空燃比リッチ化方法は、具体的には、次の(1)〜(3)のいずれかによる。
(1)EGRを行う運転条件であれば、EGRを続行したまま、リッチスパイク時の目標λを所定の値λ1に設定し、吸気絞り弁の制御(開度減少側への制御)により、図5に示す目標吸入空気量に制御して、目標λ=λ1を達成する(フロー中に記載)。また、誤差については、触媒出口側の空燃比センサからの信号に基づいてフィードバック制御を行う。
【0028】
(2)ポスト噴射により燃焼に寄与しない燃料を供給することで、リッチ化する。この場合、図10に示すリッチスパイクのためのポスト噴射量に制御することで、目標λ=λ1を達成する。
(3)EGRと吸気絞りとポスト噴射とによりリッチ化して、目標λ=λ1を達成する。
【0029】
S2−2では、リッチスパイクを開始してからの経過時間(リッチスパイク時間)tが所定時間t1を超えたか否かを判定し、超えた場合に、触媒の再生が完了したとみなし、S2−3でNOx堆積量の積算値をクリアすると共に、S2−4でreg1フラグを0にする。
次にreg2フラグ=1となった場合のS3−1以降の触媒活性が低い時のリッチスパイクモードについて説明する。
【0030】
S3−1では、排気中の酸素量を前記第1空燃比リッチ化方法より小さくすると共に排気空燃比をリッチにする第2空燃比リッチ化方法を選択して、排気空燃比をリッチ化する。
第2空燃比リッチ化方法は、第1空燃比リッチ化方法での(1)〜(3)に対応して、次の(1)〜(3)による。
【0031】
(1)通常のリッチスパイクがEGRと吸気絞りとによる場合、EGRを中止し、リッチスパイク時の目標λを所定の値λ1に設定し、吸気絞り弁の制御により、図6に示すEGRを行わない場合の目標吸入空気量に制御して、目標λ=λ1を達成する(フロー中に記載)。また、誤差については、触媒出口側の空燃比センサからの信号に基づいてフィードバック制御を行う。
【0032】
(2)通常のリッチスパイクがポスト噴射による場合、吸気絞り弁開度を小さくし、その分ポスト噴射量を減少させ、目標λ=λ1を達成する。
(3)通常のリッチスパイクがEGRと吸気絞りとポスト噴射とによる場合、吸気絞りのみ(EGRなし、ポスト噴射なし)、又は、吸気絞りとポスト噴射量低減(EGRなし)により制御し、目標λ=λ1を達成する。
【0033】
いずれの場合でも、リッチスパイク時の目標λを、残酸素量を減らしてもS2−1で設定するλ1と同じ値にすることで、過剰なスパイクによるエミッションの悪化、及びスパイクが浅くなることによるNOx浄化性能の低下を抑制可能となる。
S3−2では、リッチスパイクを開始してからの経過時間(リッチスパイク時間)tが所定時間t2を超えたか否かを判定し、超えた場合に、触媒の再生が完了したとみなし、S3−3でNOx堆積量の積算値をクリアすると共に、S3−4でreg2フラグを0にする。尚、EGRを中止しての空燃比リッチ化においては、EGR中止の直後においてEGRガスが抜けるのに時間がかかるため、t2>t1とすることで、酸素の少ないリッチガスが触媒に十分供給され、リッチスパイクによる再生効果が十分に得られる。
【0034】
上記の制御について更に詳細に説明する。
図7に示すように、ディーゼルエンジンにおいてリッチ運転を実現した場合、EGRを実施していると燃焼がやや不安定となり、EGRを実施していない条件に比べ同一の排気λで排気中の残酸素量が多くなる(酸素が多い分、CO、HCの排出量も多い)。また、ポスト噴射の制御によって燃焼に寄与しない燃料を付加することで排気λをリッチにする場合も、上記EGRを行った時と同様に残酸素量が多くなる。
【0035】
ここで、図8に示すように、排気λ<1(リッチ)で酸素がない状態では、NOxトラップ触媒において、NOxが排気中の還元成分(HC、CO)と反応して、NOxを浄化できるが、図9に示すように、排気λ<1(リッチ)であっても酸素が存在する場合は、まず酸素を消費して還元雰囲気を作り出し、その還元雰囲気においてNOxを浄化することになる。特に、排気λ<1で酸素が残存し触媒温度が低いために活性が低い場合は、反応時間は十分にあるものの、触媒の活性が低いために、酸化反応だけにその大半の時間が費やされてしまい、その結果還元雰囲気でのNOx浄化が期待できない。
【0036】
従って、触媒の温度が低い場合は、酸素残量が多いと酸化活性が低いことから使える反応時間の大半を酸素の消費に費やさなければならないので、排気中の残酸素量を減らしてやることでNOxを浄化できなくなることを防止する。
このため、触媒の温度から触媒活性(NOx浄化率)が低いと判定された場合は、排気中の酸素量を小さくできる方法で空燃比をリッチ化するのである。
【0037】
空燃比リッチ化方法について補足すれば、通常のリッチスパイク、すなわち酸素量を低減させる必要がないときのリッチスパイク(第1空燃比リッチ化方法)は、EGR、吸気絞り弁、ポスト噴射のうち少なくとも1つを用いて行う。
EGRを用いる場合、通常のリッチスパイクを行うときは、EGR率が大きくなるようEGR弁開度を大きくすると共に、吸気絞り弁開度を小さくして空気過剰率を小さくする。
【0038】
ところで、シリンダ内に吸入されたEGRガスの分布(シリンダ内の酸素濃度)は一様でないため、噴射された燃料が燃焼する際、EGRガス濃度の高い(酸素濃度の低い)領域に存在した燃料は燃え難くHCとして排出される。すなわち、燃焼すべき燃料が燃焼しないため、その分、燃焼で消費されるべき酸素が消費されずにそのまま排出されることを意味する。
【0039】
従って、リッチスパイク時に酸素量を低減させたいときは(第2空燃比リッチ化方法では)、EGRなしで目標空気過剰率を実現させることで、燃焼で消費されるべき酸素を全てを燃焼させることができ、結果として排気中の酸素量を低減することができる。
すなわち、酸素量を低減させる必要がないときのリッチスパイクがEGRと吸気絞りで行われる場合、酸素量を低減させるときのリッチスパイクは、吸気絞りのみ(EGRなし)で行うことになる。
【0040】
また、酸素量を低減させる必要がないときのリッチスパイクがポスト噴射のみで行われる場合(図10にリッチスパイクのためのポスト噴射量の特性図を示す)、酸素量を低減させるときのリッチスパイクは、吸気絞り弁開度を小さくして吸入空気量を低減させることで排気中の醸素量を低減し、それによって空気過剰率が低下する分だけポスト噴射量を減らすことで実現できる。
【0041】
すなわち、ポスト噴射等の噴射量の制御によって(未燃燃料を増やすことで)排気λの制御を行っている場合は、未燃燃料の制御による排気λ制御から、空気量の制御による排気λ制御に切換えることで排気中の残酸素量を減らすことが可能となる。
さらに、酸素量を低減させる必要がないときのリッチスパイクがEGRと吸気絞りとポスト噴射で行われる場合、酸素量を低減させるときのリッチスパイクは、吸気絞りのみ(EGRなし、ポスト噴射なし)か、或いは、吸気絞りとポスト噴射量低減(低減量は吸気絞り量に応じて行う)で行うことができる。
【0042】
尚、本実施形態においては、図2のS1−6の部分が還元浄化時期判定手段に相当し、図2のS1−7〜S1−10及び図3のS2−1、S3−1の部分が目標リッチ空燃比設定手段を含む空燃比リッチ化手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すエンジンのシステム図
【図2】 排気浄化制御のフローチャート(その1)
【図3】 排気浄化制御のフローチャート(その2)
【図4】 温度と触媒活性との関係を示す図
【図5】 リッチスパイク時の目標吸入空気量を示す図
【図6】 EGR無しでのリッチスパイク時の目標吸入空気量を示す図
【図7】 EGRの有無による排気中の成分変化を示す図
【図8】 排気λ<1で酸素が無い状態での反応を示す図
【図9】 排気λ<1で酸素がある状態での反応を示す図
【図10】 リッチスパイク時のポスト噴射量を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気通路
5 吸気絞り弁
8 コモンレール
9 燃料噴射弁
10 排気通路
11 EGR通路
12 EGR弁
13 NOxトラップ触媒
20 コントロールユニット
21 回転数センサ
22 アクセル開度センサ
23 エアフローメータ
24 触媒温度センサ
25 空燃比センサ
Claims (5)
- 機関の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、流入する排気の空燃比がリッチのときにトラップしたNOxを還元浄化するNOxトラップ触媒と、
前記NOxトラップ触媒の還元浄化時期を判定する還元浄化時期判定手段と、
前記還元浄化時期に、排気空燃比をリッチにする第1空燃比リッチ化方法と、排気中の酸素量を前記第1空燃比リッチ化方法より小さくすると共に排気空燃比をリッチにする第2空燃比リッチ化方法とを選択的に切換可能であり、前記NOxトラップ触媒の温度が高いときに前記第1空燃比リッチ化方法を選択し、前記NOxトラップ触媒の温度が低いときに前記第2空燃比リッチ化方法を選択する空燃比リッチ化手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 排気空燃比をリッチにする目標リッチ空燃比を設定する目標リッチ空燃比設定手段を備え、
前記空燃比リッチ化手段は、排気空燃比をリッチにする際、前記第1空燃比リッチ化方法及び第2空燃比リッチ化方法のいずれにおいても、排気空燃比を前記目標リッチ空燃比設定手段による同じ目標リッチ空燃比にすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記空燃比リッチ化手段は、前記NOxトラップ触媒の温度を直接検出、又は排気温度、触媒近傍温度、機関の運転状態のうち少なくとも1つに基づいて推定する手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 機関の排気通路から排気の一部を吸気通路に還流するEGR通路に配置されたEGR弁と、機関の吸気通路に配置された吸気絞り弁と、を備え、
前記空燃比リッチ化手段は、前記第1空燃比リッチ化方法を選択しているとき、少なくともEGR弁で排気空燃比をリッチ化し、前記第2空燃比リッチ化方法を選択しているとき、吸気絞り弁で排気空燃比をリッチ化することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。 - メイン噴射の後に少量の燃料を噴射するポスト噴射を可能とする燃料噴射装置と、機関の吸気通路に配置された吸気絞り弁と、を構え、
前記空燃比リッチ化手段は、前記第1空燃比リッチ化方法を選択しているとき、少なくともポスト噴射で排気空燃比をリッチ化し、前記第2空燃比リッチ化方法を選択しているとき、吸気絞り弁で排気空燃比をリッチ化することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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