JP3820803B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真画質のインクジェット記録用紙に関し、特に比較的薄い厚みであって印字前後のカールと搬送性の改善されたインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のインクジェット記録の飛躍的な技術革新に伴い、プリント品質は銀塩写真で得られるプリントに匹敵しつつある。インクジェット記録で得られるプリント品質はプリンター、インク、記録用紙の3つに依存するが、画質面で見るならば前2者の最近の技術革新が大きく、記録用紙の差が最終的なプリント品質に対する重要性が非常に高まってきている。
【0003】
銀塩写真プリントに近いプリントをインクジェット記録で得るために記録用紙の側で種々の改良が従来からなされてきているが、特に支持体として紙の両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂で被覆した支持体を用い、その上にインク吸収層を設けた記録用紙は、プラスチックフィルムに比べて比較的低コストであること、その重厚感やしなやかさ、平滑性、光沢性などの面で、銀塩写真のプリントに近い高級感のあるプリントとして最近は広く普及し始めてきている。
【0004】
支持体上に設けられるインク吸収層としては大きく膨潤型のインク吸収層と空隙型インク吸収層が知られている。
【0005】
膨潤型インク吸収層はゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンあるいはポリエチレンオキサイドなどの親水性ポリマーから実質的に構成されるものである。
【0006】
膨潤型インク吸収層の特長は高い光沢性が得られることと、膨潤性ポリマーを使用しているために、ポリマーが膨潤できる範囲であれば大容量のインクを吸収できること、低コストで製造できる利点などが上げられるが、一方で低乾燥性であり印字後直ぐに表面に触れない、インク液滴の吸収速度が遅く高速印字したときに吸収速度が遅いことに伴う画像のムラが出来やすい欠点がある。
【0007】
空隙型インク吸収層は、その製法にいくつかの種類があるが代表的なものは、少量の親水性ポリマーと多量の微粒子からなる層であり、微粒子の間に空隙が形成されてここにインクを吸収するものである。
【0008】
この空隙型インク吸収層の特長は、インク吸収速度は速くプリント時にムラが生じにくいこと、プリント直後に表面が見かけ上乾いていること、膨潤型で見られるような耐水性とインク吸収速度のジレンマがなく両者が同時に満足できること等が挙げられ、特に高速印字特性、高画質化などの点で膨潤型のインク吸収層より好ましい。
【0009】
疎水性樹脂で両面を被覆した紙支持体の上に上記のインク吸収層を設けてプリントした場合、前述のごとく高品位のプリントが得られるが、一方でこの支持体を使用することに伴う弱点がいくつかある。
【0010】
その一つにカールが挙げられる。
【0011】
支持体が非吸水性である場合には、インク液滴の全てをインク吸収層で保持しなければならず、インク吸収層は膨潤型に比べてはるかに厚い膜になる。この厚膜化により、支持体が薄い場合にはインク吸収層の収縮に伴い、カールが発生しやすくなる。
【0012】
一般に、このようなカールを抑制する方法としては、反対側にインク吸収層と同様の吸湿特性を持つバインダー層を設け、これにより湿度が変化したときの表裏の伸縮特性を合わせることにより行われる。
【0013】
本発明者はこのような点で種々検討した結果、親水性バインダーを用いてバック層を設けた場合、高速印字したときに表裏がくっつきやすくなったり、あるいは、印字前後でカールバランスを容易に取りにくいことがわかった。
【0014】
バック層に親水性バインダー層をカール調整の目的で設けて、印字前に低湿から高湿条件でカールバランスを維持したとき、印字後には特に低湿側で、極端なマイナスカール(印字面を下にしたときに端部が持ち上がるカールをマイナスカールと言い、この逆向きのカールをプラスカールと言う)が発生することがわかった。
【0015】
この欠点は支持体が、ポリエチレンで紙の両面を被覆した支持体において、紙の坪量が低い場合ほど、また、インク吸収層の乾燥膜厚が厚いほど生じやすい問題であることも判明した。
【0016】
さらに、上記のような紙の坪量が少なく、しかもインク吸収層が多孔質で、且つ厚膜である場合には、記録用紙を高湿条件で長時間保存するとプラスカールが極端に上昇することも判明した。
【0017】
かかる問題は、紙支持体の坪量が130g/m2以下であるとき、また多孔質のインク吸収層の膜厚が30μm以上になると起きやすくなりやすい。
【0018】
上記のカールが大きくなると、プリント品位に重大な悪影響をもたらすだけでなく、インクジェットプリンターで搬送する際に給紙不良や多重搬送などの原因になりやすい。
【0019】
このような環境湿度が変化した場合のカールの変化は、ポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持体の紙中の水分が徐々に変化することに伴い、紙自身の剛度の変化やカール特性の変化が原因と考えられる。この紙の水分変化は通常、日単位で非常に緩慢に進むものであるが、特にインク吸収層が多孔質の層からなる厚い皮膜である場合には、比較的短時間にインク吸収層の吸湿度が急激に変化するために極めて複雑な変化を行う。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、比較的薄い紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体上にインク吸収層を設けたインクジェット記録用紙において、印字前および印字後で低湿〜高湿の条件でカールを抑制したインクジェット記録用紙を提供する事にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の記録用紙により達成される。
【0022】
1.坪量が130g/m2以下の紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆された支持体のカール度が−25〜−100であり、且つ該支持体の側に、親水性バインダーを含有する乾燥膜厚が30〜45μmの多孔質のインク吸収層を有し、前記支持体の前記インク吸収層と反対側に疎水性ラテックスポリマーからなるバック層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明の支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることが出来るが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10重量%以上、70重量%以下が好ましい。
【0026】
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0027】
紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
【0028】
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500ccが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分重量%と42メッシュ残分の重量%との和が30乃至70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の重量%は20重量%以下であることが好ましい。
【0029】
紙の坪量は130g/m2以下であるが80g/m2以上が好ましい。130g/m2を越えるとカールの点ではより好ましいが、記録用紙全体の剛性が増加したり記録用紙全体の厚みが増加して薄手の記録用紙に要求される諸特性が得にくくなる。また、80g/m2未満の場合にはカールの調整が困難になり、湿度変化した場合にカールが大きくなる。
【0030】
紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。紙密度は0.7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で30乃至150gが好ましい。
【0031】
紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0032】
紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。
【0033】
この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン、プロピレンを主体とする共重合体などのポリオレフィン類が好ましいが、ポリエチレンが特に好ましい。
【0034】
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。
【0035】
紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することが出来る。
【0036】
特に塗布層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して概ね3〜20重量%、好ましくは4〜13重量%である。
【0037】
ポリエチレン層中には白地の調整を行うための耐熱性の高い顔料や蛍光増白剤を添加することが出来る。
【0038】
着色顔料としては、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0039】
蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1、8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベンなどが挙げられる。
【0040】
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを紙表面上に溶融押し出してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
【0041】
紙の表裏のポリエチレンの使用量はインク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿および高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、本発明においては、インク吸収層を塗布する側のポリエチレン層をより薄くするのが好ましく、反対側より2μm以上薄くするのが好ましい。特に、裏側より4μm以上薄くするのが最も好ましい。
【0042】
好ましいインク吸収層側(以下表面側と言う)のポリエチレンは5〜25μm、反対側が10〜30μmの範囲である。
【0043】
更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以下の特性を有していることが好ましい。
【0044】
▲1▼引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で縦方向が2乃至30kg、横方向が1乃至20kgであることが好ましい。
【0045】
▲2▼引き裂き強度はJIS−P−8116による規定方法で縦方向が10乃至200g、横方向が20乃至200gが好ましい。
【0046】
▲3▼圧縮弾性率≧103kgf/cm2
【0047】
▲4▼表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で200秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い。
【0048】
▲5▼表面粗さ:JIS−B−0601に規定された表面粗さが、基準長さ2.5mm当たり最大高さは10μm以下であることが好ましい。
【0049】
▲6▼不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい。
【0050】
▲7▼白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2であることが好ましい。
【0051】
▲8▼表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される60度鏡面光沢度が10〜95%であることが好ましい。
【0052】
▲9▼クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm2/100である支持体が好ましい。
【0053】
ポリエチレン樹脂を紙基体に塗布する方法は種々の方法があるが、溶融したポリエチレンを紙基体に押し出し塗布する方法が特に好ましい。押し出し塗布方法により紙基体にポリエチレン樹脂を塗布した後、冷却ロールに鏡面または種々の粗面ロールを使用することでポリエチレン表面の光沢度を変化させたり片付した支持体を作製することが出来る。
【0054】
本発明に用いられる上記紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆された支持体はカールの経時変動の点で紙の含水率が3〜10重量%が好ましい。
【0055】
ここで紙の含水率とは紙の含有する水分量を紙の固形分重量で割った値を100倍したものである。
【0056】
紙中に水分を一定量に維持するために、塩化カルシウム等の潮解性のある無機塩類やグリコール類などの吸湿性の化合物を添加することもできる。
【0057】
ポリオレフィン樹脂で被覆された後は、支持体がロール状態に巻かれてあれば大きな含水率の変動がないが、それでも極端な高湿下(たとえば相対湿度が90%)で長期間(たとえば1ヶ月以上)保存するのは避ける方がよい。
【0058】
本発明の支持体はカール度が予め−25〜−100の間に調整されたものである。
【0059】
ここでカール度とは、1cm×5cmにカットした長方形の支持体試料を、23℃、相対湿度80%で、水平な台の上に24時間放置し、そのカールした試料の曲率半径をdcmとしたとき、
カール度=100/d
で表される。
【0060】
試料を放置する場合、4隅が持ち上がる向きに放置し、インク吸収層塗布予定面を上にしたときに4隅が持ち上がる時を+、インク吸収層塗布予定面側を下向きにして4隅が持ち上がる時を−として表示する。
【0061】
ここで試料は支持体の抄紙方向およびこれと直角になる方向の2つについて測定し、カール度の絶対値が大きい方を使用する。通常は抄紙方向に1cm、これと直角になる方向に5cmとしたカット試料の場合にカールが大きくなる。
【0062】
ここで、後述するバック層を有する場合には、支持体の中にバック層は含まれるものとする。
【0063】
本発明の記録用紙では、支持体のカール度を−25〜−100にしたものを使用するものであるが、このカール度を非常に小さくする(すなわちマイナスカールを大きくする)ことで厚いインク吸収層を設けた場合でも、湿度変化に対して安定なカール値を示す。また、印字した場合の湿度変化に対しても比較的少ないカールしか生じない。好ましい、支持体のカール度は−30〜−90である。
【0064】
支持体のカール度を本発明の範囲内に調整する手段としては、前述した表裏のポリオレフィン樹脂の厚さを変える以外にも種々の方法があり、例えば以下の方法が挙げられる。
【0065】
▲1▼紙支持体の片面または両面に比較的薄いコート層を設け、このコート層の厚みや組成を変えることにより、紙支持体自体のカールを変える。
【0066】
▲2▼両面のポリオレフィン樹脂の組成を変える(ポリエチレンとポリプロピレン、ポリエチレンとポリエチレン/酢酸ビニル共重合体の使用等)。
【0067】
▲3▼ポリエチレン樹脂を使用する場合、HDPEとLDPEの比率を変える。
【0068】
▲4▼ポリオレフィン樹脂中に無機顔料の比率を変える
これらの種々の方法は適宜組み合わせて使用することが出来る。
【0069】
本発明のインクジェト記録用紙のインク吸収層を有する側と反対側にはカール防止や帯電防止のためにバック層を設けることができる。
【0070】
バック層としては親水性バインダー、疎水性バインダー、或いはこれらを組み合わせた混合バインダーからなる層が用いられる。
【0071】
親水性バインダーからなるバック層は、印字前のカールは比較的容易に調整することが出来るが、印字前および印字後のカールを共に満足させる場合にはあまり好ましくない。
【0072】
前述の如く、バック層が親水性バインダーから実質的になる場合には、表裏共に親水性バインダーを含有するために同じ様な伸縮性を持たせることにより、カールバランスは比較的容易に調整することができるが、印字後において、インク吸収層に残存する溶媒の影響で、低湿化に置いた時に極端なマイナスカールを生じやすい。また、表面に記録した画像が転写しやすい傾向がある。
【0073】
本発明のバック層は疎水性ラテックスポリマーを塗布したバック層である。
【0074】
疎水性バック層を設けた場合には、バック層自身にはカール調整機能があまりないが帯電防止剤やマット剤の添加により表面との滑り性が改善されプリンターにおける搬送性が改善される。
【0075】
疎水性ラテックスポリマーとしては、エチレン、酢酸ビニル、スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの重合可能なモノマーの単独又は共重合体ラテックスである。
【0076】
バック層には滑り性を改善するためのマット剤や界面活性剤或いは第4級アンモニウム塩基を有するポリマー等の帯電防止剤、ワックス類、シリコン系化合物またはフッ素系化合物などの滑り性改良剤を含有することが出来る。
【0077】
バック層に用いられるマット剤は平均粒径が0.5〜50μm、好ましくは1〜30μmのマット剤でシリカ等の無機粒子、メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンなどの有機微粒子が挙げられる。
【0078】
バック層の厚みはバック層のバインダーの特性により変わるが、好ましく用いられる疎水性バインダーの場合には、記録用紙1m2当たり0.01〜5g、好ましくは0.02〜2gである。
【0079】
これらのバック層は予め設けていても良く、インク吸収層を塗布した後で設けてもよい。
【0080】
次に、支持体上に設けられる多孔質のインク吸収層について説明する。
【0081】
本発明の多孔質インク吸収層は好ましくは無機微粒子と少量の親水性ポリマーから形成される多孔質層である。
【0082】
このような無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。
【0083】
その様な無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。
【0084】
本発明においては、特に微細な空隙が形成出来る観点より、シリカまたは擬ベーマイトが好ましく、特に平均粒径が200nm以下の気相法により合成されたシリカ、コロイダルシリカおよび擬ベーマイトが好ましい。
【0085】
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは前記インク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0086】
前記インク吸収層に用いられる親水性ポリマ−としては、ゼラチン(アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、アミノ機をフェニルイソシアネートや無水フタル酸等で封鎖した誘導体ゼラチンなど)、ポリビニルアルコール(平均重合度が300〜4000、ケン化度が80〜99.5%が好ましい)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシルエチルセルロース、寒天、プルラン、デキストラン、アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アルギン酸等が挙げられ、2種類以上を併用することもできる。
【0087】
好ましい親水性ポリマーは湿度が変化した場合に吸湿性能が余り変化しにくいポリビニルアルコールである。
【0088】
本発明で用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0089】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が300以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられる。ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0090】
カチオン変成ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61ー10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0091】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0092】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0093】
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0094】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0095】
ポリビニルアルコールは重合度や変性の種類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0096】
上記無機微粒子の使用量は、記録用紙1m2当たり3〜50gであり、特に5〜30gが好ましい。また、親水性ポリマー使用量は記録用紙1m2当たり0.5〜10g、特に1〜5gである。また、無機微粒子の親水性ポリマーに対する比率は概ね重量比で3〜10である。
【0097】
また、前記インク吸収層中には皮膜の造膜性を改善し、また皮膜の強度を高めるために、ホウ酸またはその塩が含有される。ホウ酸またはその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体的にはオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸およびそれらの塩が含まれる。
【0098】
ホウ酸またはその塩の使用量は、塗布液の無機微粒子や親水性ポリマーの量により広範に変わり得るが、親水性ポリマーに対して概ね1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%である。
【0099】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層には上記以外の各種の添加剤を添加することが出来る。
【0100】
中でもカチオン媒染剤は印字後の耐水性や耐湿性を改良するために好ましい。
【0101】
カチオン媒染剤としては第1級〜第3級アミノ基および第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましい。
【0102】
好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。
【0103】
上記以外に、例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0104】
支持体上にインク吸収層を塗布するに当たっては、支持体と前記インク吸収層との間の接着強度を大きくする等の目的で、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。
【0105】
インク吸収層の塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2681294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0106】
インク吸収層を形成する塗布液を支持体上に塗布した後、乾燥されて記録用紙を得るが、この際、通常はロール状に巻かれた支持体上に塗布液を塗布し乾燥後にロール状に再度巻き取られる。この乾燥過程で支持体中の水分が通常の乾燥時間内(おおよそ30分以内)であれば変動することは殆どない。
【0107】
乾燥は、概ね0〜80℃の範囲で乾燥することが好ましい。80℃を越えるとポリオレフィン樹脂が軟化して搬送を困難にしたり記録層表面の光沢にムラが出たりする。好ましい乾燥温度は0〜70℃である。
【0108】
本発明のインクジェット記録用紙は水溶性染料を含有するインク液で記録する場合にも顔料インクを用いて記録する場合にも使用することが出来る。
【0109】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示す。
【0110】
実施例1
坪量が115g/m2の写真用原紙の表裏に押し出し塗布法により密度が0.92の低密度ポリエチレンを塗布して両面をポリエチレンで被覆した支持体を作製した。表側にアナターゼ型酸化チタン5.5重量%含有する。この時、表側のポリエチレンを10〜20gの範囲で、また、裏側のポリエチレンの厚みを10〜30gの範囲で変化させて7種のカール特性の支持体を作製した。
【0111】
表側にコロナ放電を行いゼラチン下引き層を0.1g/m2、裏面にもコロナ放電を行った後、スチレン/ブタジエンラテックス層を厚みが0.4g/m2に成るように塗布した。裏面側のラテックス層には平均粒径が約3μmのシリカ系マット剤とカチオン性の帯電防止剤、シリコン系分散液とフッ素系界面活性剤をバインダー樹脂に対してそれぞれ10重量%、5重量%、2重量%および3重量%含有する。
【0112】
上記のようにして得られた支持体のカール度を表1に示す。
【0113】
また、各記録用紙の支持体の含水率はいずれも5〜6%の範囲内であった。
【0114】
次に、インク吸収層を形成するための塗布液を以下のようにして調製した。
【0115】
「酸化チタン分散液−1の調製」
平均粒径が約0.25μmの酸化チタン20Kg(石原産業製:W−10)をpH=7.5のトリポリリン酸ナトリウムを150g、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製:PVA235)500g、カチオンポリマー(P−1)の150gおよびサンノブコ(株)消泡剤・SN381を10g含有する水溶液90Lに添加し高圧ホモジナイザー(三和工業(株)性)で分散したあと全量を100Lに仕上げて均一な酸化チタン分散液−1を得た。
【0116】
「シリカ分散液−1の調製」
1次粒子の平均粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジル工業(株)製:A300)125Kgを、三田村理研工業(株)製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整した620Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を694Lに純水で仕上げシリカ分散液−1を調整した。
【0117】
「シリカ分散液−2の調製」
カチオンポリマー(P−1)を1.29Kg、エタノール4.2L、n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH=2.3)18Lに、シリカ分散液−1の69.4Lを撹拌しながら添加し、ついで、ホウ酸260gとホウ砂230gを含有する水溶液7.0Lを添加し、前記の消泡剤SN381を1g添加した。
【0118】
この混合液を三和工業(株)製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシリカ分散液−2を調製した。
【0119】
【化1】
Figure 0003820803
【0120】
「蛍光増白剤分散液−1の調製」
チバガイギー(株)製の油溶性蛍光増白剤UVITEX−OB・400gをジイソデシルフタレート9000gおよび酢酸エチル12Lに加熱溶解し、これを酸処理ゼラチン3500g、カチオンポリマー(P−1)、サポニン50%水溶液・6,000mlを含有する水溶液65Lに添加混合して三和工業(株)製の高圧ホモジナイザーで乳化分散し、減圧で酢酸エチルを除去した後全量を100Lに仕上げ、蛍光増白剤分散液−1を調製した。
【0121】
「マット剤分散液−1の調製」
総研科学(株)製のメタクリル酸エステル系マット剤MX−15000Hの156gを前記PVA235を3g含有する純水7L中に添加し、高速ホモジナイザーで分散し全量を7.8Lに仕上げ、マット剤分散液−1を調製した。
【0122】
「塗布液の調製」
第1層、第2層、第3層の塗布液を以下の手順で調製した。
【0123】
第1層用塗布液:
シリカ分散液−2の600mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0124】
a.ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA203)の10%水溶液:
0.6ml
b.ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA235)の5%水溶液:
260ml
c.蛍光増白剤分散液−1: 25ml
d.酸化チタン分散液−1: 33ml
e.昭和高分子製:ラテックスマルジョン・AE−803:18ml
f.純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0125】
第2層用塗布液:
シリカ分散液−2の650mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0126】
Figure 0003820803
【0127】
第3層用塗布液:
シリカ分散液−2の650mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0128】
Figure 0003820803
【0129】
上記のようにして得られた塗布液を、下記のフィルターで濾過した。
【0130】
第1層と第2層:東洋濾紙(株)製TCP10で2段
第3層 :東洋濾紙(株)製TCP30で2段
ついでポリオレフィンで両面を被覆した5種の支持体に、第1層(45μm)、第2層(90μm)、第3層(40μm)の順になるように各層を塗布した。かっこ内はそれぞれの湿潤膜厚を示し、第1層〜第3層は同時塗布した。
【0131】
塗布はそれぞれの塗布液を40℃で3層式スライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に7℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃の風で30秒間、45℃の風で60秒間、55℃の風で60秒間順次乾燥して記録用紙1〜7を得た。
【0132】
なお、上記インク吸収層の乾燥膜厚は35μmであった。
【0133】
得られた記録用紙はそれぞれ36℃で3日間保管して硬膜させた後、A4サイズに切断し、20枚づつ重ねて厚さが30μmのポリエチレン袋で包装した。
【0134】
得られた各記録用紙について以下の方法で評価した。
【0135】
(1)生試料のカール
未プリント時の記録用紙を23℃、相対湿度20%または、80%の環境で包装から取り出し、1時間後にカールを測定した。
【0136】
カールの測定は水平な机の上に、プラスカールの場合には印字面を上にして、マイナスカールの場合には印字面を下にして置き、4隅のカールの高さの平均値として求めた(mm単位)。
【0137】
さらに、同じ環境に5日間放置したときのカールを同様にして測定した。
【0138】
(2)印字後のカール
上記の2種類の湿度の違う条件で1時間放置したA4サイズの試料をセイコーエプソン(株)製のインクジェットプリンター:PM770Cでマゼンタのベタプリント(15cm×24cmの面積)を行い印字後その環境下で3分放置して上記と同様にしてカールを測定した。
【0139】
カールは印字前の場合でも、±20mmを越えると致命的な問題になりやすく、±15mm以下であれば実用上殆どの場合に問題になりにくい。
【0140】
一方、印字後のカールはプリント品位に影響を及ぼすものであるが、±20mm以内であるのが好ましい。
【0141】
得られた結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
Figure 0003820803
【0143】
表1の結果から、支持体のカール度が−25より大きな支持体を使用した記録用紙1、2では、プリント前の低湿でのカールとプリント前に高湿で5日間保存したときのカールが+20mm以上となる。
【0144】
また、支持体のカール度が−100以下である記録用紙7では、プリント前に高湿で5日間保存した場合やプリント後のカールが−20mm以下となる。
【0145】
これに対して、本発明の記録用紙3〜6ではいずれの場合も良好なカール特性を示すことがわかる。
【0146】
実施例2
実施例1で使用した記録用紙1〜6において、支持体の紙の坪量を85gにした以外は実施例1と同様にして記録用紙11〜16を作製した。実施例1と同様に評価して表2に示す結果を得た。
【0147】
【表2】
Figure 0003820803
【0148】
表2の結果から、紙の坪量を85gにした場合であっても、支持体のカール度が−25〜−100の範囲にある記録用紙は良好なカール特性を有していることがわかる。
【0149】
実施例3
実施例1で使用した記録用紙1〜5において、支持体の紙の坪量を70gにした以外は実施例1と同様にして記録用紙21〜25を作製した。実施例1と同様に評価して表3に示す結果を得た。
【0150】
【表3】
Figure 0003820803
【0151】
表3に示す結果から、紙支持体の坪量が80g以下である場合、カール度を本発明の範囲内にある支持体を使用した場合、いずれの場合もカールは±20mm以内にあるが、環境湿度の変化に対して変化幅が実施例1や実施例2に比べて大きいことがわかる。実施例1〜3から、紙の坪量としては80g以上が特に好ましいことがわかる。
【0152】
実施例4
実施例1で作製した記録用紙5において、インク吸収層の厚みを各層共に20%、および40%増して、全体で乾燥膜厚がそれぞれ42μmおよび49μmの記録用紙5Aおよび5Bを記録用紙5と同様にして作製した。
【0153】
実施例1と同様に評価して、表4に示す結果を得た。
【0154】
【表4】
Figure 0003820803
【0155】
表4の結果から、インク吸収層の乾燥膜厚を増大させるに従って、特に高湿条件で5日間保存したときのカールが急激に増大することがわかる。
【0156】
実施例5
実施例1で作製した記録用紙5において、バック層をラテックス樹脂を以下のバインダー変更した以外は記録用紙5と同じ支持体を用意した。
【0157】
記録用紙5C用:スチレン−エチルメタクリレートラテックス
記録用紙5D用:ポリ塩化ビニルラテックス
記録用紙5E用:ゼラチン
記録用紙5F用:ポリビニルアルコール
ついで実施例1と同様にしてインク受容層を塗布して記録用紙5C〜5Fを作製した。
【0158】
実施例1と同様に評価して表5に示す結果を得た。
【0159】
【表5】
Figure 0003820803
【0160】
表5の結果から、バック層の組成を上記のように変更しても大きなカール特性の変化は見られなかった。
【0161】
次に上記の記録用紙をオンデマンド型インクジェットプリンターを用いて、A4サイズの試料を20枚連続的に搬送テストした結果、親水性バインダーをバック層に使用した場合には搬送性が低下することがわかる。
【0162】
実施例6
実施例1で作製した記録用紙を、実施例5と同様にして搬送性テストを行った結果、表6に示す結果を得た(評価結果の搬送性不良枚数とはインクジェットプリンターでプリントしたとき、記録用紙が搬送されない、或いは多重搬送等で正常に紙送りされない枚数を示す)。
【0163】
【表6】
Figure 0003820803
【0164】
表6の結果から、カールの大きな記録用紙は搬送不良を起こしやすい。
【0165】
【発明の効果】
本発明によれば、坪量が130g/m2以下の紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆された薄手支持体の少なくとも一方の側に、親水性バインダーを含有する多孔質層のインク吸収層を設けることで、印字前と印字後のカールを良好に調整することが出来、又搬送性についても優れた効果を奏することができる。

Claims (1)

  1. 坪量が130g/m2以下の紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆された支持体のカール度が−25〜−100であり、且つ該支持体の側に、親水性バインダーを含有する乾燥膜厚が30〜45μmの多孔質のインク吸収層を有し、前記支持体の前記インク吸収層と反対側に疎水性ラテックスポリマーからなるバック層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
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