JP3819701B2 - ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビルドアップ法によって製造される多層プリント配線基板のコア基板に関し、詳しくは、耐マイグレーション性、耐ヒートサイクル性およびドリル穴加工性に優れたビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化および多機能化は、年々加速度的に進行しているが、その技術を支えているのは主として「半導体パッケージ」に関する技術であり、具体的には電子部品を実装したプリント配線板であるといえる。
【0003】
すなわち、プリント配線板の小型化および多機能化の要請に伴って、多層配線基板も緊急に軽薄短小化および多機能化させる必要が生じ、そのなかで多層配線板の革新的製造方法であるビルドアップ配線板が注目されてきた。そして、1991年に最初のビルドアップ配線板の実用化がIBMより発表され、その後、急速に実用化が進んできた。
【0004】
因みに、一般的なビルドアップ配線板の構成について説明すると、例えば図1に示すようなビルドアップ多層プリント配線基板は、その中心部にコア基板1を有している。
【0005】
コア基板1は、従来、ガラスエポキシ材(エポキシ樹脂等をガラスクロス等に含浸して硬化させた層)からなる絶縁層に、銅などの導電性材料がめっきされたスルーホール(貫通孔)2を有しており、ビルドアップ層3の支持とプリント配線板に部品を支持する機能を持たせるための所定の厚みに設計されたものである。なお、図1中の符号4は、接続用ランドであり、符号5はバイアホールを示し、前記のスルーホール2は、ドリル穴加工によって形成した孔内面に銅等の導電材をめっきしたものである。
【0006】
ビルドアップ工法に関する技術としては、1996年または1997年をピークに各社より数多くの方式が発表されたが、製造工程の違いによって、コア基板の上にビルドアップ層として熱硬化性樹脂を用いるタイプ、感光性樹脂を用いるタイプまたは樹脂付き銅箔を用いるタイプに大別される。
【0007】
以下に、感光性樹脂を用いたビルドアップ工法の一例を示す。
【0008】
まず、図2(a)に示すように、接続用ランド4を有するガラスエポキシ基板からなるコア基板1上に、感光性樹脂からなるビルドアップ絶縁層6を、スピンコーティング法、スクリーン印刷法等によって塗布して設ける。
【0009】
そして、図2(b)に示すように、ビルドアップ絶縁層6を所定のパターンで露光、現像、エッチングしてランド上にバイアホール5を形成する。
【0010】
その後、図2(c)に示すように、バイアホール5の上に導電材料によるめっき層7を形成する。さらに図2(d)に示すように、この上に次の絶縁樹脂層8を形成して複層とし、さらに図2(a)〜(d)の工程をこの順に繰り返して多層化されたパターンを形成する。
【0011】
そして、従来のビルドアップ配線基板のコア基板は、基本的にガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂を使用しているものが多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のビルドアップ配線基板用のコア基板は、スルーホールのめっきにクラックが発生したり、ガラスクロスに沿って銅のマイグレーションが発生する場合がある。
【0013】
因みに、上記のマイグレーションとは、導体層金属イオンが時間の経過とともに絶縁層内に拡散し、絶縁層を隔てて形成された別の導体層との間に導電路を形成し、これによって短絡を起こす現象をいう。そして、ガラスクロスを含有するガラスエポキシプリント配線板は、耐マイグレーション性を確保するために、穴間ピッチを0.40mm以上確保することが必要であるが、配線パターンの高密度化を進めるためには、さらに穴間ピッチを狭く設定する必要があり、高信頼性(マイグレーションが起こり難い特性)を確保すると共に高密度化を進める必要があった。
【0014】
また、ガラスエポキシプリント配線板は、銅めっきスルホール周辺の樹脂部がスルーホールそのものより熱膨張係数が高いので、それらの差がビルドアップ層にストレスを与え、ビルドアップ層にクラックを発生させることがある。
【0015】
また、コア基板にスルーホールを形成する際、ドリル穴加工を作業効率よく行なうために高速回転ドリルを用いると、摩擦熱で高温となった絶縁層が軟化して孔内面が荒れる場合があり、そのようなコア基板は孔内面に緻密なめっきを行なえない不良品であり、歩留まりが低下する。
【0016】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して多層プリント配線基板用コア基板を、耐マイグレーション性、耐ヒートサイクル性およびドリル穴加工性に優れ、これによって配線の高密度化に対応すると共に、高信頼性の得られるビルドアップ多層配線基板用コア基板とし、また環境に対する負荷が少ない熱可塑性樹脂で形成された絶縁層を有する多層プリント配線基板用コア基板を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、結晶融解ピーク温度が260℃以上であるポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、無機充填材を20〜50重量部配合した組成物からなる絶縁層を有するビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板としたのである。
【0018】
また、さらに好ましい手段として、上記のビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板において、無機充填材として鱗片状無機充填材を採用することができる。また、鱗片状無機充填材としては、平均粒径15μm以下、平均アスペクト比(平均粒径/平均厚み)が30以上の鱗片状無機充填材を用いることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明におけるビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板に用いる樹脂組成物は、結晶性ポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と非晶性ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対し、さらに無機充填材を20〜50重量部混合したものであり、フィルム状に成形したものがコア基板用素材になる。
【0020】
結晶性ポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、その代表例としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等がある。これらのうち、ポリエーテルエーテルケトンの市販品としては、VICTREX社製の商品名「PEEK151G」、「PEEK381G」または「PEEK450G」などがある。
【0021】
この発明に用いる非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびイミド結合を含む非晶性熱可塑性樹脂であり、その他の条件では、特に制限されたものではなく、市販品としてゼネラルエレクトリック社製:Ultem CRS5001(商品名)、同社製:Ultem 1000(商品名)などがある。
【0022】
上記樹脂組成物の結晶性ポリアリールケトン樹脂の配合割合が、70重量%を越える場合や、非晶性ポリエーテルイミド樹脂の配合割合が30重量%未満の場合は、組成物のガラス転移温度が低くなり、ドリル穴加工時の発熱による穴あけ不良率がかなり増加して歩留まりが低下する。すなわち、穿孔された穴部に切削屑が残ったり、ドリル刃部に切削屑が巻き付くと、穴形状や穴の壁面が粗くなり、確実にめっきを付着させることができずに不良品となってしまうからである。
【0023】
また、上記樹脂組成物の結晶性ポリアリールケトン樹脂の配合割合が、25重量%未満であったり、非晶性ポリエーテルイミド樹脂の配合割合が75重量%を越えると、組成物全体として結晶性が低くなり、結晶融解温度が260℃以上であっても弾性率が低くなって、はんだ浸漬試験等で評価されるはんだ耐熱性が低下するので好ましくない。
【0024】
以上のような理由により、この発明におけるコア基板を構成する混合樹脂としては、上記ポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と非晶性ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる組成物が好ましい。
【0025】
また、上述した樹脂組成物に対して充填される鱗片状の無機充填材は、周知の鱗片状無機充填材を特に制限なく使用できる。例えば、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、板状炭酸カルシウム、板状水酸化アルミニウム、板状シリカ、板状チタン酸カリウムなどである。
【0026】
これらは1種類を単独で用いたり、または2種類以上を組み合わせて用いることもできる。特に、平均粒径が15μm以下、アスペクト比(粒径/厚み)が30以上の無機充填材が好ましい、なぜなら、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を低く押えることができるため、熱衝撃サイクル試験時のビルドアップ絶縁層のクラック発生を抑制できるからである。
【0027】
また、上述した無機充填材の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して20〜50重量部である。なぜなら、50重量部を超えると、無機充填材の分散不良の問題が発生し、線膨張係数がばらつきやすくなる。また無機充填材の配合量が20重量部未満では、所期したように線膨張係数を低下させて寸法安定性を向上させる効果が小さく、部品搭載工程であるリフロー工程やフロー工程において、線膨張係数差起因の内部応力が発生し、基板のそりやねじれが発生するからである。
【0028】
また、鱗片状の無機充填剤の他にも球状シリカやテトラポット状の硫化亜鉛(ZnS)、ウィスカ状のチタン酸カリウム、有機繊維であるアラミド不織布なども上述した鱗片状フィラーと併用することも可能である。
【0029】
この発明を構成する樹脂組成物には、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填剤以外の各種添加剤を添加しても良く、例えば、そのような例として熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合してもかまわない。
【0030】
また無機充填剤を含めた各種添加剤の混合方法は、周知の方法を採用すればよく、例えば(a)各種添加剤をポリアリールケトン樹脂及び/または非晶性ポリエーテルイミド樹脂などの適当なベース樹脂に高濃度(代表的な含有量としては10〜60重量%程度)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法、(b)使用する樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法などが挙げられる。
【0031】
上記混合方法のうち、(a)のように、マスターバッチを作製して混合する方法が分散性や作業性の点から好ましい。さらに、フィルムの表面にはハンドリング性の改良等のために、エンボス加工やコロナ処理等を適宜に施しても良い。
【0032】
この発明のビルドアップ多層配線基板用コア基板を構成する組成物は、通常、フィルムまたはシート状の素材として提供される。フィルムの成形方法としては、周知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法等を採用することができ、特にシートの製膜性や安定生産性等の面から、Tダイを用いる押出キャスト法を採用することが好ましい。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製膜性等によって適宜に調整するが、おおよそ融点以上でありかつ430℃以下である。また、このフィルムの厚みは、通常25〜800μmである。
【0033】
次に、この発明のビルドアップ多層配線基板用コア基板の製造方法は、フィルムの少なくとも片面に接着層を介することなく導体箔を熱融着・結晶化処理し、この導体箔に導電性回路を形成して基板とする。絶縁層の厚みを300μm以上にする場合は、導体箔と熱融着する際にフィルムを積層することも可能である。
【0034】
コア基板の製造過程において、上述したフィルムと導体箔を接着層を介することなく熱融着させる方法としては、加熱加圧できる方法であれば周知の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、熱プレス法や熱ラミネートロール法、またはこれらを組み合わせた方法を適宜に採用することができる。
【0035】
また、導体箔に導電性回路を形成させる方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、サブトラクティブ法(エッチング)、アディティブ法(メッキ),ダイスタンプ法(金型)、導体印刷法(導電ペースト)などの周知の方法を採用することができる。
【0036】
この発明に使用できる導体箔としては、例えば銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等であって、厚さ5〜70μm程度の金属箔が挙げられる。通常、金属箔としては、銅箔が使用されるが、このような導体箔は、接着性を良くするためにフィルムとの接触面(重ねる面)側を予め化学的または機械的に粗化したものを用いることが好ましい。表面粗化処理された導体箔の具体例としては、電解銅箔を製造する際に電気化学的に処理された粗化銅箔などが挙げられる。
【0037】
【実施例および比較例】
〔実施例1〕
表1に示すように、ポリエーテルエーテルケトン樹脂[ビクトレックス社製、PEEK450G、Tg:147.6℃、Tm:334℃](以下、単にPEEKと略記する。)30重量部と、ポリエーテルイミド樹脂[ゼネラルエレクトリック社製、Ultem−CRS5001、Tg:232.3℃](以下、単にPEIと略記する。)70重量部および市販のマイカ(平均粒径:10μm、アスペクト比:40)50重量部とからなる混合組成物を、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度380℃で厚さ100μmのフィルム状に押出成形した。得られたフィルムをカッティングしてその両面に銅箔(厚さ:18μm、表面粗面化)を重ね、250℃で30分間の熱プレスをすることにより、結晶化処理済銅箔積層板(コア基板用素板)を得た。
【0038】
得られたコア基板用素板またはパターンを形成したコア基板を試験片として用い、以下の熱特性や信頼性試験などについての試験1〜6を行ない、これらの結果を表1中に併記した。
(1)ガラス転移温度(Tg)
熱応力歪み測定装置(セイコーインスツルメント社製:TMA/SS6100を用い、昇温過程の熱膨張量の温度依存性を求め、ガラス転移点の前後の曲線に接線を引き、この接線の交点からTgを求めた。
(2)線膨張係数(αx、αy、αz)
熱応力歪み測定装置(セイコーインスツルメント社製:TMA/SS6100)により線膨張係数を求めた。フィルムのX方向、Y方向の線膨張係数の測定は、フィルムを短冊状として試験片(長さ10mm、断面積1mm2)を作製し、引っ張り荷重0.1gで固定し、室温から5℃/分の割合で昇温させ、熱膨張量の温度依存性を求めた。また、Z方向の線膨張係数の測定は、フィルム状の試験片のZ方向に一定圧力(荷重0.1g)を加え、室温から5℃/分の割合で昇温させ、熱膨張量の温度依存性を求めた。
(3)ドリル穴加工性試験
銅箔18μm/絶縁性樹脂層700μm/銅箔18μmの3層構造を有するコア基板用素板に、ユニオンツール社製:MV−E720のドリルを用い、2083回/秒の回転数、91.44m/秒の送り速度で、穴径φ0.2mmの穴を4000箇所開け、この穴加工済み素板を投射器の上に載せて、切削詰まりの無い穴数を数え、穴あけ歩留まりを算出した。
(4)熱衝撃サイクル試験
ビルドアップ絶縁層のクラック発生状況を調べた。すなわち、コア基板用素板(銅箔18μm/絶縁性樹脂層700μm/ 銅箔18μmの3層構造を有するコア基板用素板)に、ドリル穴加工でスルーホールを形成し、パターンエッチングを行ない、その後にスルホール銅めっきを形成してコア基板を作製した。このコア基板の上に、感光性の絶縁樹脂をスクリーン印刷法により30μmの厚さで塗布し、光硬化させたものを試験サンプルとした。この試験サンプルを、−65℃×30分〜125℃×30分/1サイクルの条件で100サイクル実施した。評価は、感光性樹脂層に発生するクラック発生の有無をデジタルマイクロスコープで調べた。
(5)マイグレーション評価
図3、図4に示すように、コア基板用素板に対してエッチングにより導体間距離0.2mmの銅製の櫛形パターン10(幅620μm、高さ18μm)を形成し、この上にコア基板9に用いたものと同一組成のフィルムからなるカバーレイ層11を熱プレスにより形成した。得られたプリント配線基板におけるマイグレーション発生の有無を確認する実験は、加速寿命試験装置を用い、120℃で100%相対湿度(RH)の環境下で試料に100Vの直流電圧を印加して絶縁抵抗値を計測することにより行ない、その評価は200hr後に初期値の1/10以下になったものを不良品と判定した。
(6)熱衝撃試験(はんだ浸漬試験)
コア基板用素板(銅箔18μm/絶縁性樹脂層700μm/銅箔18μmの3層構造を有するコア基板用素板)に試験パターンを設け、260℃のはんだ浴に20秒間、浴面と垂直に浸漬するという浸漬処理を20回繰り返した後、素板の変形、膨れ、はがれ、反りの有無などを目視により観察し、良否の判定を良(○印)、否(×印)2段階に評価した。
【0039】
【表1】
【0040】
[実施例2]
表1に示すように、実施例1において無機充填材(マイカ)の充填量を25重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。得られたコア基板用素板またはパターンを形成したコア基板を試験片として用い、熱特性や信頼性試験などについて前記した試験1〜6を同じ条件で行ない、これらの結果を表1中に併記した。
[実施例3]
表1に示すように、実施例1においてPEEKとPEIの混合重量比を60/40重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。得られたコア基板用素板またはパターンを形成したコア基板を試験片として用い、熱特性や信頼性試験などについて前記した試験1〜6を同じ条件で行ない、これらの結果を表1中に併記した。
[比較例1〜6]
比較例1では、実施例1においてPEEKとPEIの混合重量比を20/80重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0041】
比較例2では、実施例1において用いる無機充填材(マイカ)の平均アスペクト比が20のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0042】
比較例3では、実施例1において用いる無機充填材(マイカ)の平均粒径を20ミクロンとし、アスペクト比が35のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0043】
比較例4では、実施例1において無機充填材(マイカ)の充填量を15重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0044】
比較例5では、実施例1において無機充填材(マイカ)の充填量を70重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0045】
比較例6では、実施例1においてPEEKとPEIの混合重量比を80/20重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
[比較例7]
表1に示すようにガラスエポキシ樹脂を用いてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0046】
比較例1〜7のコア基板用素板またはパターンを形成したコア基板を試験片として用い、熱特性や信頼性試験などについて前記した試験1〜6を同じ条件で行ない、これらの結果を表1中に併記した。
【0047】
表1の結果からも明らかなように、比較例1のように、ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂の配合割合が所定範囲でない場合は、熱衝撃試験(はんだ浸漬試験)の結果が不良であった。
【0048】
また、比較例2のように、マイカのアスペクト比が所定値未満の場合は、線膨張係数のα1(Z)の値が大きくなり、熱衝撃サイクル試験におけるクラックを抑制できなかった。
【0049】
また、比較例3のように、マイカの平均粒径が所定値より大きい場合、または比較例4のように所定の形態条件を満足するマイカの配合割合が所定量より少ない場合も、熱衝撃サイクル試験におけるクラックを抑制できなかった。
【0050】
そして、比較例5のように、所定の形態条件を満足するマイカの配合割合が所定量より多い場合は、X,Y,Z方向の線膨張係数にばらつきが大きくなり、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を確実に低くできなかった。
【0051】
比較例6のように、PEEKの配合割合が過量の場合は、ドリル穴加工時の発熱によって穴あけ不良率が高くなった。
【0052】
また、比較例7のように、コア基板の材料としてガラス繊維強化のエポキシ樹脂を用いた場合は、X,Y,Z方向の線膨張係数にばらつきが大きくて平面方向と厚み方向の線膨張係数比を低くできず、熱衝撃サイクル試験におけるクラックを抑制できず、導体パターンが200μm間隔の条件でマイグレーションが発生し、高密度のパターン形成が困難であった。
【0053】
これに対して、全ての条件を満足する実施例1〜3は、X,Y,Z方向の線膨張係数にばらつきが小さくて平面方向と厚み方向の線膨張係数比が確実に低く安定し、熱衝撃サイクル試験におけるクラックが抑制でき、導体パターンが200μm間隔の条件でのマイグレーションを防止でき、高密度のパターン形成ができるものであることが確認できた。
【0054】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、所定の結晶融解ピーク温度を有するポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂を所定量混合した熱可塑性樹脂組成物に、所定物性の無機充填材であって、好ましくは平均粒径15ミクロン以下、平均アスペクト比30以上の鱗片状無機充填材を所定量混合したビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板としたので、耐マイグレーション性、耐ヒートサイクル性およびドリル穴加工性に優れたものとなり、これによって配線の高密度化に対応すると共に高信頼性の得られるビルドアップ多層配線基板用コア基板になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光性樹脂を用いたビルドアップ多層プリント配線基板の断面図
【図2】ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板の製造工程を順に示す断面図
【図3】熱衝撃試験に用いた回路パターンの平面図
【図4】熱衝撃試験に用いたコア基板の断面図
【符号の説明】
1、9 コア基板
2 スルーホール
3 ビルドアップ層
4 接続用ランド
5 バイアホール
6、8 ビルドアップ絶縁層
7 めっき層
10 櫛形パターン
Claims (1)
- 結晶融解ピーク温度が260℃以上であるポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、平均粒径15μm以下であり、かつ平均アスペクト比(平均粒径/平均厚み)30以上の鱗片状無機充填材を20〜50重量部配合した組成物からなる絶縁層を有し、この絶縁層には導電性材料が孔内面にめっきされた貫通孔を有するビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板。
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