JP3818882B2 - 親水性シリカ被膜の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ルームエアコン、カーエアコンなどの熱交換器の蒸発器におけるフィンなどに使用される金属基材においてとくに耐蝕性および親水性を長期間にわたって保つ親水性シリカ被膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
一般に熱交換器、特に空気調節器の蒸発器などにおいては、フィンの表面温度が大気の露点以下になるためにフィンの表面に水が結露する。この様な水分の付着は、熱交換される空気の流通抵抗の増大をもたらすことによる熱交換性能の低下をはじめ、送風に起因する騒音の発生、水滴の飛散などの様々の問題の原因となる。
【0003】
これらの問題点を解決することを目的として、フィンの表面に親水性を付与し付着水の流れを良くすることにより、空気の流路の閉塞を防ぐことが一般的に行われている。例えば、特開昭50−38645号明細書には、アルニミウム表面をアルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属クロム酸塩とを含有する溶液に浸漬し、被覆し、さらにアルカリ金属酸化物と二酸化ケイ素とを含む溶液に浸漬し、アルミニウム表面に連続した、粗い、多孔性かつ親水性被膜のコーティングを形成する方法が開示されている。
【0004】
特開昭62−235477号明細書には、アルミニウム表面をアルカリ金属珪酸塩と無機硬化剤と水溶性有機高分子化合物を含む溶液でコーティングすることにより親水性被膜を形成する方法が開示されている。
【0005】
特開昭62−272099号明細書には、アルミニウムからなる部品の表面に、シラノール基を有する化合物とポリビニルピロリドンを含有する水性媒体中に浸漬することによる親水性付与の方法が開示されている。
【0006】
特開平1−208475号明細書には、クロメート処理を施し、つぎに正リン酸を含むアルカリ金属珪酸塩水溶液を塗布した後、さらに正リン酸溶液を塗布し、しかる後加熱乾燥することによる親水性被膜形成方法が開示されている。
【0007】
既述のように公開特許明細書に記載された具体的方法について明らかにしたが、いずれの方法もアルカリ金属珪酸塩の呈する水との親和性をその根本原理としており、実用上要求される被膜の耐久性の向上を図るために、無機硬化剤や有機高分子成分を添加するなどにより耐久性の改良を企図しているものということができる。また、同時に表面を予め多孔質とし親水性を有する膜と基材との付着性を強化することも試みられている。
【0008】
このようなアルカリ金属珪酸塩の特性を利用して付与された親水性は、その目的を充分に達成しており実用上においても広く使用されているものである。しかしながら、この様な親水性被膜を長時間にわたり水と接触させておくと、アルカリ金属珪酸塩の卓越した水への溶解性のために、被膜の親水性の機能を発揮する部分が消滅するという問題を生じることがある。また、カーエアコンなどの閉鎖性の強い空間での使用においては、人体の呼気に含まれる炭酸ガスあるいは有機物質とアルカリ金属珪酸塩との反応による、炭酸塩の形成による膜の変化または有機分解物による異臭を発生することも問題である。さらに有機高分子化合物を被膜の構成材料の一部とするものにおいては、通常の使用条件ではそれほどの高温に曝されることはないものの長期間における耐熱性において不安を残している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前述した問題点を解決するために、有機化合物を被膜の構成材料とせず、また長期間にわたりその親水性が本質的に変化することのない被膜を金属表面に形成する方法について鋭意検討を加えたところ、平均粒子径5μm以下の二酸化チタンおよび少なくともシリカを含有してなる被膜が実用上必要な親水性と同時に苛酷な条件、例えば、加熱水中においても長時間にわたり安定であることを見出し本発明に到った。
【0010】
すなわち、本発明は、親水性シリカ被膜形成用塗布溶液を基材に塗布し、50〜200℃で乾燥および仮焼成し、300℃以上で焼成する親水性シリカ被膜の製造方法であり、前記親水性シリカ被膜形成用塗布溶液を一般式Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )(OR 4 )、SiCl(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )、SiCl 2 (OR 1 )(OR 2 )またはSiCl 3 (OR 1 )(ただし、式中R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるケイ素のアルコキシ化合物またはそれらの加水分解物を有機溶媒に溶解した溶液に平均粒子径5μm以下の二酸化チタンを、被膜中で前記二酸化チタンの組成が3〜40wt%となるように含有させ、溶液に占める前記ケイ素の濃度がSiO 換算で0.1〜5mol/lであるものとすることで、シリカ被膜の表面に二酸化チタンに起因する凹凸とともに微細な細孔またはクラックを発生させた膜厚が0.1〜10μmの親水性多孔質膜を形成することを特徴とする親水性シリカ被膜の製造方法である
【0011】
ところで、金属アルコキシドを基材の表面に塗布し、焼成することは従来から各種の目的のもとに様々の研究が行われ、いろいろの用途に利用されており、そのなかにはほとんど本発明の方法と同様のように見受けられるが、全く反対の目的、すなわち、基材の表面を疎水化して防汚性を付与することを目的とするものも見られる。したがって、本発明においては金属アルコキシドを含む特定の組成からなる被膜形成用溶液を使用することが必要であり、それらは平均粒子径5μm以下の二酸化チタンおよび一般式Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )(OR 4 )、SiCl(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )、SiCl 2 (OR 1 )(OR 2 )またはSiCl 3 (OR 1 )(ただし、式中R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるケイ素のアルコキシ化合物またはそれらの加水分解物とを含有する混合物でなければならない。
【0012】
本発明の被膜はアルカリ金属の珪酸塩は勿論、アルカリ金属をも使用せず、それらの溶出に起因する水中での長期にわたる安定性の欠如を来すことはない。本発明の被膜は、機械的強度が大きく、多孔性を有し、かつ長期の安定性を保つことのできる親水性の膜である。被膜の表面は図1に示すように微細な凹凸で覆われていることが認められ、この凹凸が親水性の発現に関与していることと考えられる。しかしながら、図1において認められる微粒子に起因する凹凸のみが本発明の親水性に寄与しているのではなく、むしろ図1によっては確認することの困難なさらに微細な細孔またはクラックが親水性の主たる原因と考えられる。この微細な細孔の生成原因は明確ではないが、膜が焼成により形成されるときにシリカ成分は収縮するにも拘わらず、固形分は収縮しないため部分的に応力を残しながら膜となるために、このような微細な細孔が表面に大きな密度で発生するものと考えられる。
【0013】
細孔を有する多孔質物質においては、水は自身の表面張力により内部に浸透し、マクロには表面に液体を接触させた場合の接触角の低さ、または表面に水滴を滴下したときの広がりとして親水性を示すことが観察される。本発明の被膜は、
この様な機構による親水性を示すと同時に、主にケイ素よりなる膜それ自身の表面エネルギーに起因する親水性を併せ有するものである。
【0014】
本発明における平均粒子径5μm以下の二酸化チタンの被膜中における組成は、3〜40wt%が好ましく、10〜30wt%がより好ましい。3wt%以下の場合、膜は充分な凹凸および前記の微細孔を形成せず、望ましい親水性を発現することなく、また40wt%以上のときは膜の強度が低くなり、また粒子の剥落が起こるため取扱い上好ましくない。
【0015】
本発明における固形分である平均粒子径5μm以下の二酸化チタンとしては、TiO2(ルチル、アナターゼ)の繊維状物質およびこれらの混合物などが使用でき、顔料として微粒子化されたものは好適である。微粒子の粒子径の分布はとくに狭い必要はなく、0.05〜5μm程度に広く分布する方が好ましい。また繊維状物質の場合直径は0.05〜5μm程度が好ましく、長さは100μm以下が好ましい。
【0016】
本発明の被膜を形成するのに用いられる固形分以外の成分の原料は、焼成処理により実質的に酸化物を形成しうる一般式Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )(OR 4 )、SiCl(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )、SiCl 2 (OR 1 )(OR 2 )またはSiCl 3 (OR 1 )(ただし、式中R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるアルコキシ化合物またはそれらの加水分解物であればよい
【0017】
特にテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラノルマルプロポキシシラン、テトラノルマルブトキシシラン、テトラターシャリブトキシシランなどまたはその加水分解物が好ましい
【0018】
また、本発明におけるアルコール類などの有機溶媒に可溶な酸化ケイ素には、一般にコロイダルシリカと称する物が著名であるが、アルコール類に溶解させた場合に溶解するかもしくは均一に分散するものであればよい。
【0019】
本発明においては、ケイ素を膜形成の主たる成分としているので造膜性、被膜の基材への付着性、膜の安定性に優れるが、必要に応じて焼成したときに対応する酸化物となる亜鉛、鉛の化合物を添加することも有効である。
【0020】
親水性被膜形成に使用される塗布薬液の濃度は、溶液に占める固形分以外のケイ素の濃度としてSiO 換算で0.1〜5mol/lが好ましいが、0.4〜2mol/lがより好ましい。同濃度が0.1mol/lよりも低いと1回の塗布操作において形成される膜が薄いものとなり、繰り返し塗布に要する回数が増え実用上好ましくない。一方、5mol/lより高い場合はチョーキング(粉吹き現象)や極端な体積収縮のため膜に剥離の原因となる程の大きなクラックが生じることがあるため好ましくない。しかしながら、必ずしもこの濃度条件でなければならないという訳ではなく、添加物、溶媒の種類により調節は可能である。
【0021】
濃度調節用の溶媒にはアルコール類を用いるのがよく、メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、エチレングリコールなどが例示でき、これらの2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0022】
この時得られる親水性被膜の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。細孔容積は膜厚にほぼ比例するので膜厚が0.1μmよりも薄い膜では、金属表面の親水性の付与効果が充分でなく、一方、10μmよりも厚い膜では微粒子による凹凸発生の効果が充分ではなく、また剥離が生じやすく好ましくない。親水性被膜は、1回の塗布で形成することも複数回で形成することも可能である。
【0023】
薬液の基板上への塗布は、浸漬法、スプレー法、ローラーコート法、フローコート法、スクリーン印刷法、刷毛塗り等の方法により行う。親水性表面を有する金属の種類は、熱伝導性、化学的安定性、機械的強度などをもとに使用条件を考慮して選択されるが、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、ステンレスなどが好ましく、それらの形状は板状または中空コイル状のものが一般的であるが、各種の金属を積層したものや複合したものに親水性を付与することも当然可能である。
【0024】
本発明の被膜の製造方法においては基材の表面に各種の前処理を施すことは有用である。機械研磨、電気研磨、酸洗浄、アルカリ洗浄、水洗浄あるいは有機溶剤による脱脂洗浄などはいずれの金属にたいしても有効である。アルミニウムまたはアルミニウム合金の場合には当分野において周知の技術である、アルマイト処理、クロメート処理あるいは亜鉛、チタン、ジルコニウムなどの燐酸塩による化成処理などが耐蝕性、被膜の付着性の向上を目的として使用することもできる。さらに本発明の目的を逸脱しない範囲においては、有機高分子化合物による前処理を適用できる場合もある。
【0025】
各種方法により形成された塗膜は、50〜200℃で5〜30分間乾燥および仮焼成し、電気炉により300℃以上で10〜60分間焼成することにより優れた親水性表面を有する金属を得ることができる。焼成温度の上限はとくに限定する必要はないが、ステンレス鋼においては、約500℃以下が好ましい。
【0026】
以下に実施例によりさらに詳しく本発明を説明する。
【0027】
【実施例】
実施例1
攪拌機を具えた2Lの三ツ口フラスコに、SiO2換算20.0wt%のテトラエトキシシランのエタノール溶液(コルコート(株)製)500gを入れ、それに35%塩酸約1ccと水50ccを添加し50℃において3時間還流下に攪拌した。ついで、攪拌しながら平均粒子径0.2μmのルチル型酸化チタン16.7gを投入し、それをさらにSiO2の濃度が1.0mol/lになるように、エタノール70%とメトキシエタノール30%の混合溶媒約1100ccで希釈し、白色塗布用溶液を調した。
【0028】
この塗布用溶液を500ccガラス製ビーカーに取り、その中へ50x100x0.2mmのSUS304製の試料片を投入し、次いで試料片を4mm/secの一定速度で塗布用溶液から引き上げ、空気中、70℃で20分間乾燥し、さらに電気炉により空気中150℃で20分間仮焼成し、室温まで冷却した。
【0029】
ついで、再度同様の塗布、乾燥を繰り返し、その後さらに5℃/minの速度で200℃から450℃に昇温し、20分間そのまま保持し、電気炉から取り出し放冷すると、白色の被膜が形成された試料片が得られた。被膜の表面の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0030】
被覆処理を施した試料について次の評価試験を行い、膜の親水性と化学的安定性を確認した。
1)耐酸性試験: ガラス製の1Lーカーに1重量%塩酸溶液をいれ、その中に試料を浸漬し、室温で24時間放置した。時間の経過後試料を流水により洗浄し、表面状態の観察を目視により行った。評価は全く変化の見られない物を○、クラックや剥離を認められるものを×とし、中間を○とした。
【0031】
2)耐溶剤試験: ガラス製の1Lビーカーにアセトンをいれ、その中に試料を浸漬し、室温で24時間放置した。時間の経過後試料を流水により洗浄し、表面状態の観察を目視により行った。評価は全く変化の見られない物を○、クラックや剥がれの見られるものを×とし、中間を○とした。
【0032】
3)水割れ試験: 蒸留水を入れたビーカーに試料を10秒浸漬し、速やかに引き上げた際の水の切れ方を評価し、水滴の全く見られないものを○、全面にわたり水滴以外に濡れた部分の認められない場合を×、その中間を△とした。
【0033】
4)濡れ拡がりの測定: 試料の表面にマイクロシリンジで5μlの蒸留水を静かに滴下し、5秒後における水滴の拡がりをノギスで測定した。また、親水性の加速試験としての温水浸漬試験は、経時変化については45℃の蒸留水に浸漬し、所定時間経過後、槽より取り出し、ついで80℃で恒量になるまで乾燥し、室温に冷却した上で前記の測定を行った。
【0034】
それぞれの測定結果は表1に示す。被膜の濡れ拡がり性および水割れ試験において比較例と比べ極めて優れた親水性を有することは明白である。
【0035】
[表1]
--------------------------------------------------------------------------------
成膜用組成物 濡れ拡がり
--------------------------------------------------------------------------------
*1 *2濃度 希釈 安定性 水割れ mmφ
原料 wt% mol/l 容積比 外観 酸水 アセトン 初期 24hr
--------------------------------------------------------------------------------
実施例1 TEOS 85.7 1.0 EtOH 7 ○ ○ ○ ○ 12.6 9.1
TiO2 14.3 EGME3
--------------------------------------------------------------------------------
比較例1 TEOS 100 1.0 EtOH ○ ○ ○ × 4.2 2.4
--------------------------------------------------------------------------------
EtOH:エタノール、EGME:エトキシエタノール
*1 酸化物とした場合の各成分のwt%
*2 固形分以外の成分の濃度 mol/l
【0036】
比較例1
テトラエトキシシラン(コルコート製)のSiO2換算20.0wt%のエタノール溶液をSiO の濃度が1.0mol/lの濃度に調し、実施例1と同様の方法で被膜形成をおこなった。結果は表1に示す。
【0037】
【発明の効果】
本発明の被膜形成用溶液を用いて製造されたシリカ被膜は、実施例の結果を示す表1から明らかなように、熱交換器の凝縮器などに要求される親水性および水流れ性を有し、しかも、アルカリ金属の珪酸塩や有機物を含まないため苛酷な使用条件においても長期間にわたって性能の変化しない親水性を発現する被膜を形成できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の基板上に形成された薄膜の図面代用電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 親水性シリカ被膜形成用塗布溶液を基材に塗布し、50〜200℃で乾燥および仮焼成し、300℃以上で焼成する親水性シリカ被膜の製造方法であり、前記親水性シリカ被膜形成用塗布溶液を一般式Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )(OR 4 )、SiCl(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 )、SiCl 2 (OR 1 )(OR 2 )またはSiCl 3 (OR 1 )(ただし、式中R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるケイ素のアルコキシ化合物またはそれらの加水分解物を有機溶媒に溶解した溶液に平均粒子径5μm以下の二酸化チタンを、被膜中で前記二酸化チタンの組成が3〜40wt%となるように含有させ、溶液に占める前記ケイ素の濃度がSiO 換算で0.1〜5mol/lであるものとすることで、シリカ被膜の表面に二酸化チタンに起因する凹凸とともに微細な細孔またはクラックを発生させた膜厚が0.1〜10μmの親水性多孔質膜を形成することを特徴とする親水性シリカ被膜の製造方法。
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