JP3818292B2 - ハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法 - Google Patents

ハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド変速機を搭載した車両のエンジン始動方法、特に、駆動力増大用にブレーキを締結作動させると共にエンジンを始動させる必要がある場合において、エンジン始動時のエネルギー消費による駆動力低下や、エンジン始動時の不安定な運転に伴う振動を抑制する技術に関するものである。
ハイブリッド変速機は、エンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結して構成され、車両を、モータ/ジェネレータからの動力のみにより電気走行させたり、エンジン動力および上記モータ/ジェネレータからの動力によりハイブリッド走行させることができる。
一方でハイブリッド変速機は、差動装置を上記のようにエンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間の連結に用いるだけの場合、エンジン動力およびモータ/ジェネレータ動力によるハイブリッド走行によっても、要求される駆動力を出力し難い場合がある。
この場合、差動装置を構成する所定の回転要素をブレーキで固定可能とし、ブレーキの締結により共線図上のレバー作用で、ブレーキの解放時よりも大きな駆動力を出力軸に向かわせ得るようになすことが考えられる。
かかるハイブリッド変速機においては、発進時は発進の滑らかさや、制御のし易さなどの観点から電気走行を用いるものの、大きな駆動力を要求されてハイブリッド走行への移行する必要がある場合、上記のブレーキを締結作動させると共にエンジンを始動させた変速モードへの移行を要求される。
かかる変速モードの移行時に、上記のブレーキを締結させた状態でエンジンを始動させると、エンジンが、回転中の変速機出力軸に繋がった状態での始動されることから、エンジンの始動に消費されるエネルギーが一時的な駆動力低下を招いたり、エンジン始動時の不安定な運転に伴う振動が車輪駆動系に伝達されて振動の原因となる。
かかるブレーキの締結作動およびエンジンの始動を伴う変速モードの移行時における駆動力低下や振動に関する問題解決技術が従来は提案されておらず、
電気走行からエンジン走行への切り替え時におけるショック対策として、例えば特許文献1に記載のようなものが提案されているだけである。
この提案技術は、電気走行からエンジン走行への切り替え時に電気的なエネルギーの一部がエンジンの始動に費やされて駆動力の一時的な低下を生じ、駆動力の引けと呼ばれる減速ショックが発生することから、これを防止するためにエンジンの始動を、電気走行用のモータおよびエンジン始動用のスタータの双方により遂行させるというものである。
特開平11−082261号公報
しかし、特許文献1に記載のように電気走行用のモータおよびエンジン始動用のスタータの双方によりエンジンを始動させたところで、エンジンを、回転中の変速機出力軸に繋がった状態での始動させる限り、エンジン始動中に生ずる運転状態の不安定に起因したトルク変動を解消することはできず、また、このトルク変動が車輪駆動系に伝達されるのを回避することもできない。
従って、従来の提案技術では何れにしても、エンジンの始動中におけるトルク変動に伴う振動を抑制することができし、また、エンジンの始動に消費されるエネルギーが一時的な駆動力低下を招くという問題も十分には解消することができない
本発明は、前記のブレーキが解放状態である時にエンジンを始動させれば、変速機出力軸が停止した状態でのエンジン始動が可能となり、エンジンの始動に消費されるエネルギーや、エンジン始動中のトルク変動が出力軸に至っても、前記駆動力低下や振動の問題を生ずることがないとの観点から、この着想を具体化したハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法は、請求項1に記載した以下のごときものとする。
先ず前提となるハイブリッド変速機は、
エンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結し、 この差動装置を構成する所定の回転要素をブレーキで固定することにより、該ブレーキの解放時よりも大きな駆動力を出力軸に向かわせ得るようにしたハイブリッド変速機とする。
本発明においては、上記ブレーキを締結させた状態でエンジンおよびモータ/ジェネレータからの出力を出力軸に向かわせる変速モードへの移行要求に呼応してエンジンを始動するに際し、該ブレーキの締結作動よりも前にエンジンを始動させて自立運転状態にする。
かかる本発明のエンジン始動方法によれば、上記変速モードへの移行に際しエンジンを始動するに当たり、ブレーキの締結作動よりも前にエンジンを始動させて自立運転状態にするから、ブレーキが解放状態である時にエンジンを始動させることとなり、
出力軸が停止した状態でのエンジン始動を可能にして、エンジンの始動に消費されるエネルギーや、エンジン始動中のトルク変動が出力軸に至っても、これらが前記駆動力低下や振動の問題を生ずることがない。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のエンジン始動方法を実施可能なハイブリッド変速機1を搭載した車両の駆動系を、その制御システムと共に示す。
車両の駆動系は、ハイブリッド変速機1と、その入力側におけるエンジン2と、これら両者間に介在させたエンジンクラッチECと、ハイブリッド変速機1の出力側におけるディファレンシャルギヤ装置3と、ハイブリッド変速機1からの出力をディファレンシャルギヤ装置3により分配されて伝達される左右駆動輪4L,4Rとで構成する。
ハイブリッド変速機1は、フロントエンジン・フロントホイール駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な、図2に示すごとき以下の構成となし、エンジンクラッチECおよびディファレンシャルギヤ装置3を内包するものとする。
ハイブリッド変速機1は、軸線方向(図の左右方向)に2個の単純遊星歯車組21,22を同軸に配して具える。
エンジン2に近い側における遊星歯車組21を、リングギヤR1、サンギヤS1、および、これらギヤに噛合させたピニオンP1により構成し、
エンジン2から遠い側における遊星歯車組22を、リングギヤR2、サンギヤS2、および、これらギヤに噛合させたピニオンP2により構成する。
ここで遊星歯車組21のピニオンP1は、遊星歯車組22まで延在するロングピニオンとし、該ピニオンP1を遊星歯車組22のピニオンP2にも噛合させ、
ピニオンP1,P2を共通なキャリアCに回転自在に支持して、遊星歯車組21,22がラビニョオ型プラネタリギヤセットを構成するようになす。
このラビニョオ型プラネタリギヤセットが本発明における差動装置に相当する。
このラビニョオ型プラネタリギヤセットを挟んでエンジン2から遠い側に複合電流2層モータ23を設け、これを、ラビニョオ型プラネタリギヤセットと共に変速機ケース24内に収納する。
複合電流2層モータ23は、内側ロータ23riと、これを包囲する環状の外側ロータ23roとを、変速機ケース24内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ23riおよび外側ロータ23ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステ-タ23sを変速機ケース1に固設して構成する。
複合電流2層モータ23は、外側ロータ23roおよび環状ステ-タ23sで第1のモータ/ジェネレータMG1を構成し、環状ステ-タ23sおよび内側ロータ23riで第2のモータ/ジェネレータMG2を構成する。
第1のモータ/ジェネレータMG1(外側ロータ23ro)を、上記ラビニョオ型プラネタリギヤセットにおけるサンギヤS1に結合し、第2のモータ/ジェネレータMG2(内側ロータ23ri)を、上記ラビニョオ型プラネタリギヤセットにおけるサンギヤS2に結合しする。
また、上記ラビニョオ型プラネタリギヤセットにおけるリングギヤR2を、ローブレーキLBにより適宜固定可能とし、リングギヤR1は入力要素とし、エンジンクラッチECを介してエンジン3に結合可能とする。
更にキャリアCは出力要素とし、これに出力歯車25を同軸一体に結合し、出力歯車25にカウンターギヤ26を噛合させる。
カウンターギヤ26はカウンターシャフト27に結合して設け、このカウンターシャフト27には更にファイナルドライブピニオン28を結合して設ける。
そしてファイナルドライブピニオン28を、ディファレンシャルギヤ装置3に結合されたファイナルドライブリングギヤ29に噛合させる。
かかるハイブリッド変速機1を挿入して構成した車両駆動系の制御システムは図1に示すように、エンジン2の始動を含めた制御を司るエンジンコントローラ5と、エンジンクラッチECの締結力制御を司る油圧源を含むクラッチコントローラ6と、ハイブリッド変速機1におけるモータ/ジェネレータMG1,MG2を制御するモータコントローラ7,8と、ローブレーキLBの締結力制御を司る油圧源を含むブレーキコントローラ9と、バッテリコントローラ10と、これらコントローラ5〜10に対する統合コントローラ11とで構成する。
統合コントローラ9は、各種入力情報をもとに所定の演算を行い、コントローラ5〜10を介して対応する部分を通常通りに制御するほか、本発明が狙いとするエンジン始動制御を後述のごとくに実行するものとする。
図2に示すハイブリッド変速機1は、図3〜図5の共線図により表され、これらの図においてInは、エンジン2からの入力を示し、またOutは、車輪4L,4Rへの出力を示し、α,β,γはそれぞれ、遊星歯車組21,22の歯数比で決まる回転要素間の距離の比を意味する。
図5に示すように、ローブレーキLBを締結させ、リングギヤR2を回転数Nb=0に固定した変速モードでは、共線図上のレバーがAを支点として回動するため、そのレバー比によりエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1,MG2からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至ることとなり、ローブレーキLBを解放している図3および図4の場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
かようにローブレーキLBを締結させた状態でエンジン出力およびモータ/ジェネレータ出力を車輪4L,4Rに向かわせる変速モード(以下、LBモードと言う)への移行に呼応して要求されるエンジン始動を本実施例においては以下のごとくに行う。
発進に際して運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が大きく、図6に示すようにアクセルペダルの踏み込み時t1にLBモード要求があっても、ローブレーキLBを直ちに締結させないようローブレーキ油圧を当初0に保つ。
しかしてエンジンクラッチECはLBモード要求瞬時t1に締結させるよう、エンジンクラッチ油圧を直ちに立ち上げる。
この状態で、モータ/ジェネレータMG1を図6のごとくその前進回転数Nm1が上昇するよう駆動し、および/または、モータ/ジェネレータMG2を図6のごとく後進回転数Nm2が上昇するよう駆動すると、図3に示すごとく共線図上のレバーが、ローブレーキLBの解放によりリングギヤR2の回転数Nbを拘束されないことから、出力回転数No=0のB点周りに時計方向に回動され、入力Inの回転数Niを上昇させる。
ところでエンジンクラッチECが前記の通り締結状態にされていることから、エンジン2は入力回転数Niによりクランキングされ、エンジン回転数Neは図3および図6に示すごとく瞬時t1以後上昇される。
エンジン回転数Neが、始動可能回転数になったところでエンジン2を始動させ、エンジン回転数Neを、安定した自立運転が可能な下限回転数Neo(好ましくは、エンジンマウントの共振点よりも高い1000rpm程度)に上昇させて、図6のごとくこの回転数に維持する。
図6の瞬時t2において車両を走行させ始めるため、エンジン2のトルクおよびモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクの適切な配分により、図3のレバー状態を図4に矢Dで示すごとく前進回転上昇方向に変位させ、出力回転数Noが前進回転数となるようにする。
これにより図4に示すごとく、そして図6の瞬時t3におけるように、ローブレーキLBに係わるリングギヤR2の回転数Nbが0になったところで、図6に示すローブレーキ油圧の立ち上げによりローブレーキLBを締結させ、リングギヤR2を固定(回転数Nb=0に)する。
以上によりLBモードへの移行が完了し、大きな駆動力での走行が可能になるが、当該モード移行に呼応して必要なエンジン2の始動に際し、ローブレーキLBの締結作動(図6の瞬時t3)よりも前の瞬時t1にエンジン2を始動させて自立運転状態にするから、ローブレーキLBが解放状態である時にエンジン2を始動させることとなり、
図3および図6の瞬時t1〜t2に示すごとく、出力Outが停止した(No=0)状態でのエンジン始動を可能にして、エンジンの始動に消費されるエネルギーや、エンジン始動中のトルク変動が出力Outに至っても、これらが前記駆動力低下や振動の問題を生ずることがない。
また本実施例においては、ローブレーキLBの締結作動よりも前にエンジン2を始動させて自立運転状態となし、その後ローブレーキLBを締結させるに際し、
停車状態でのLBモード要求時に直ちにエンジンクラッチECを締結させ、モータ/ジェネレータMG1,MG2により差動装置(遊星歯車組21,22)を介して共線図上のレバー状態を図3のごとくになしてエンジン2を始動し、エンジン回転数Neを、安定した自立運転が可能な下限回転数Neo以上に維持して、エンジン2のトルクおよびモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクの適切な配分により、共線図上のレバー状態を図4のごときものとなし、この図4に示すごとくローブレーキLBに係わるリングギヤR2の回転数Nbが0になった時にローブレーキLBを締結させることから、
ローブレーキLBを締結させる時におけるリングギヤR2の回転数Nbが0であって、その締結ショックを皆無にし得ると共に、リングギヤR2の回転数Nbが負値から0を経て正値になる過程のNb=0時にローブレーキLBを締結させることでトルク段差の発生もない。
また、共線図上のレバー状態を図3のごとくになしてエンジン2を始動させる時に、エンジン回転数Neがエンジンマウントの共振を生ずる回転数を一気に通過して、自立運転が可能な下限回転数Neoに達するから、エンジンマウントの共振による振動もほとんど問題にならない。
図7〜図10は、前記したと同じくローブレーキLBを締結させた状態でエンジン出力およびモータ/ジェネレータ出力を車輪4L,4Rに向かわせる変速モード(LBモード)への移行に呼応して要求されるエンジン始動方法の他の実施例を示し、本実施例においてはこれを以下のごとくに行う。
発進に際して運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が大きく、図11に示すようにアクセルペダルの踏み込み時t11にLBモード要求があっても、ローブレーキLBを直ちに締結させないようローブレーキ油圧を当初0に保つ。
一方でエンジンクラッチECは、LBモード要求瞬時t11のエンジン始動要求に呼応して当該瞬時に締結させるよう、エンジンクラッチ油圧を直ちに立ち上げる。
この状態で、モータ/ジェネレータMG1を図11のごとくその前進回転数Nm1が上昇するよう駆動し、および/または、モータ/ジェネレータMG2を図11のごとく後進回転数Nm2が上昇するよう駆動すると、図7に示すごとく共線図上のレバーが、ローブレーキLBの解放によりリングギヤR2の回転数Nbを拘束されないことから、出力回転数No=0のB点周りに時計方向に回動され、入力Inの回転数Niを上昇させる。
ところでエンジンクラッチECが前記の通り締結状態にされていることから、エンジン2は入力回転数Niによりクランキングされ、エンジン回転数Neは図7および図11に示すごとく瞬時t11以後上昇される。
エンジン回転数Neが、始動可能回転数になったところでエンジン2を始動させ、エンジン回転数Neを、安定した自立運転が可能な下限回転数Neo(好ましくは、エンジンマウントの共振点よりも高い1000rpm程度)に上昇させて、図11のごとくこの回転数に維持する。
その後の図11における瞬時t12においてエンジンクラッチ油圧を消失させることによりエンジンクラッチECを解放し、エンジン2を変速機入力軸から切り離す。
この切り離し後もエンジン回転数Neは、図11および図8のごとく、エンジンの安定した自立運転が可能な下限回転数Neoに維持する。
他方モータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を、図8および図11の瞬時t12以後に示すごとく共に0にし、共線図上のレバー状態を図8に示すごとくになす。
その後の図11における瞬時t13に車両を走行させ始めるため、ローブレーキ油圧を立ち上げてローブレーキLBを締結し、リングギヤR2を固定することによりその回転数Nbを0に保持する。
この状態で図11の瞬時t13以後に示すごとく、モータ/ジェネレータMG1をその前進回転数が上昇するよう駆動し、および/または、モータ/ジェネレータMG2を後進回転数が上昇するよう駆動する。
この時、図9に示すごとく共線図上のレバーが、リングギヤ回転数Nb=0のA点周りに時計方向に回動され、出力Outの回転数Noを上昇させる。
よってモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクが、ローブレーキLBの締結によりレバー比分だけ増大されて出力Outに至り、大きな駆動力での電気走行による車両の発進が可能である。
この状態ではエンジンクラッチECの解放により、図9に例示するごとくエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとが図9の通り一致しておらず、LBモード用にエンジン出力を得ようとしてエンジンクラッチECを締結すると、大きなショックが発生する。
そこで本実施例においては、上記大駆動力での電気走行による発進中に入力軸回転数Niがエンジン回転数Ne=Neoにほぼ一致する(例えば、エンジン回転数Neおよび入力軸回転数Ni間の偏差の絶対値が設定範囲内に収まった)図11の瞬時t14に、若しくは、エンジンの制御によりエンジン回転数NeをNeo以上の範囲で操作して、上昇中の入力軸回転数Niに一致させ終えた時に(例えば、エンジン回転数Neおよび入力軸回転数Ni間の偏差の絶対値が設定範囲内に収まった時に)、エンジンクラッチECを、図11の瞬時t14におけるエンジンクラッチ油圧の立ち上げにより締結させる。
よって図11の瞬時t14以後、ローブレーキLBを締結した状態でのエンジン動力およびモータ/ジェネレータ動力を用いたLBモード走行が可能である。
このLBモードでは、エンジン2のトルクおよびモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクが、図10のレバー状態により示すごとく共線図上のレバーを、リングギヤ回転数Nb=0のA点周りに回動させつつレバー比による増大下に出力Outに向かい、大駆動力での車両の走行を可能にする。
なお、エンジンクラッチECの締結判断資料である上記入力軸回転数Niは、Ni以外の二点における回転数が判れば、これらと共線図上における前記した距離比α,β,γとから次式により求めて推定することができる。
Ni={(1+α+γ)/( 1+α+β+γ)}・(Nm1-Nm2)+Nm2 ・・・(1)
ただし、ローブレーキLBが締結している場合は、Nb=0であるから、一点の回転数が判れば、これと共線図上における前記した距離比α,β,γとから次式により求めて推定することができる。
つまり、出力軸回転数Noが判っている場合、入力軸回転数Niは、
Ni={(1+β)/β}・No ・・・(2)
により、また、モータ/ジェネレータMG1の回転数Nm1が判っている場合、入力軸回転数Niは、
Ni={(β/( 1+α+β))・Nm1 ・・・(3)
により求めることができる。
かように入力軸回転数Niを演算により推定することは、入力軸周りにスペース上の制約で回転センサを設置し難い実情に照らして大いに有用である。
本実施例においても、前記した実施例と同様に、LBモードへの移行に呼応して必要なエンジン2の始動に際し、ローブレーキLBの締結作動(図11の瞬時t13)よりも前の瞬時t11にエンジン2を始動させて自立運転状態にするから、ローブレーキLBが解放状態である時にエンジン2を始動させることとなり、
図7および図11の瞬時t11〜t12に示すごとく、出力Outが停止した(No=0)状態でのエンジン始動を可能にして、エンジンの始動に消費されるエネルギーや、エンジン始動中のトルク変動が出力Outに至っても、これらが前記駆動力低下や振動の問題を生ずることがない。
また本実施例においては、ローブレーキLBの締結作動よりも前にエンジン2を始動させて自立運転状態となし、その後ローブレーキLBを締結させるに際し、
停車状態でのLBモード要求時に直ちにエンジンクラッチECを締結させ、モータ/ジェネレータMG1,MG2により差動装置(遊星歯車組21,22)を介して共線図上のレバー状態を図7のごとくになしてエンジン2を始動し、その後エンジン回転数Neを、安定した自立運転が可能な下限回転数Neo以上に維持してエンジンクラッチECを解放し、停車中にローブレーキLBを締結させ、この締結状態でモータ/ジェネレータMG1,MG2からの動力のみにより図9の共線図により示すごとく電気走行している間に、変速機入力軸の回転数Niとエンジン回転数Neとがほぼ一致する時にエンジンクラッチECを締結することから、
エンジンクラッチECを締結させる時における入力軸回転数Niとエンジン回転数Neとの間における回転差がほぼ0であって、その締結ショックを皆無にし得ると共に、リングギヤR2の回転数Nbが0の停車時にローブレーキLBを締結させることでトルク段差の発生もない。
また、共線図上のレバー状態を図7のごとくになしてエンジン2を始動させる時に、エンジン回転数Neがエンジンマウントの共振を生ずる回転数を一気に通過して、自立運転が可能な下限回転数Neoに達するから、エンジンマウントの共振による振動もほとんど問題にならない。
なお上記各実施例ではエンジンの始動を、図3および図7につき前述した通り、エンジンクラッチECの締結状態でモータ/ジェネレータMG1,MG2により差動装置(遊星歯車組21,22)を介し行うこととしたが、特に図7〜図10に示す実施例においては、図12に示すごとくエンジン2のクランク軸2aにスタータギヤ組30を介しスタータまたは始動発電機31を駆動結合して設け、エンジンクラッチECの解放状態でこのスタータまたは始動発電機31によりエンジンを始動することもできる。
また図7〜図10に示す実施例においては、図8および図9に示すエンジンクラッチECを解放した状態でのエンジン2の自立運転を、自立運転可能な下限回転数Neoで行うほかに、燃料消費率が最も良くなる運転点で行わせるのが燃費消費を少なくする意味合いにおいて好ましい。
更に、何れの実施例においてもローブレーキLBの締結作動に先立つ予めのエンジンの始動、自立運転は無条件に行わせるのでなく、温度(エンジン冷却水温や外気)、バッテリ蓄電状態、バッテリに対する入出力可能電力、運転者が要求に応じて操作する手動スイッチからの信号などに応じて行わせるのがよい。
この場合、温度が低い時、バッテリ蓄電状態が低い時、入出力可能電力が小さい時、手動スイッチによる指令がある時に、ローブレーキLBの締結作動に先立つ予めのエンジンの始動、自立運転を行わせるようにし、
エンジンの始動によるエネルギー損失が相対的に大きくなる上記の走行条件で、或いは、エンジンの始動によるエネルギー損失が相対的に大きいと運転者が判断して手動スイッチにより指令する場合に、前記予めのエンジンの始動、自立運転を行わせ、LBモードへの移行時における前記の問題を解消するようになす。
この場合、当該問題を生じないような時に無駄に予めのエンジンの始動、自立運転が行われないこととなり、燃費の改善にも繋がって好ましい。
この点、前記した実施例ではいずれも停車状態で前記予めのエンジンの始動、自立運転を行わせることから、エネルギーロスを最小限にし得て前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
本発明のエンジン始動方法を実施可能なハイブリッド変速機を搭載した車両の駆動系を、その制御システムと共に示すシステム図である。 図1におけるハイブリッド変速機の線図的な縦断側面図である。 図1における統合コントローラが、本発明によるエンジン始動方法を実行する時の第1ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 図1における統合コントローラが、本発明によるエンジン始動方法を実行する時の第2ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 図1における統合コントローラが、本発明によるエンジン始動方法を実行する時の第3ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 図1における統合コントローラが、本発明によるエンジン始動方法を実行する時の動作タイムチャートである。 本発明の他の例になるエンジン始動方法を実行する時の第1ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 同エンジン始動方法を実行する時の第2ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 同エンジン始動方法を実行する時の第3ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 同エンジン始動方法を実行する時の第4ステップを示す、ハイブリッド変速機の共線図である。 同実施例のエンジン始動方法を実行する時の動作タイムチャートである。 図1におけるハイブリッド変速機の他の例を示す線図的な縦断側面図である。
符号の説明
1 ハイブリッド変速機
2 エンジン
EC エンジンクラッチ
3 ディファレンシャルギヤ装置
4L 左駆動輪
4R 右駆動輪
5 エンジンコントローラ
6 クラッチコントローラ
7,8 モータコントローラ
9 ブレーキコントローラ
11 統合コントローラ
21 単純遊星歯車組(差動装置)
22 単純遊星歯車組(差動装置)
25 出力歯車
27 カウンターシャフト
MG1,MG2 モータ/ジェネレータ
31 スタータまたは始動発電機

Claims (6)

  1. エンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結し、 この差動装置を構成する所定の回転要素をブレーキで固定することにより、該ブレーキの解放時よりも大きな駆動力を前記出力軸に向かわせ得るようにしたハイブリッド変速機を搭載する車両において、
    前記ブレーキを締結させた状態で前記エンジンおよびモータ/ジェネレータからの出力を前記出力軸に向かわせる変速モードへの移行要求に呼応してエンジンを始動するに際し、
    前記ブレーキの締結作動よりも前に前記エンジンを始動させて自立運転状態にすることを特徴とするハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法。
  2. 請求項1に記載のエンジン始動方法において、
    前記エンジンの自立運転への移行を、停車状態で前記モータ/ジェネレータからの動力により前記差動装置を介して行わせ、
    エンジンからの動力およびモータ/ジェネレータからの動力による走行開始で、前記ブレーキにより固定すべき回転要素の回転数がほぼ0になった時に該ブレーキを締結作動させることを特徴とするハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法。
  3. 請求項1に記載のエンジン始動方法において、
    前記エンジンの自立運転への移行を、停車状態で前記モータ/ジェネレータからの動力により前記差動装置を介して行わせた後、エンジンおよび変速機入力軸間におけるクラッチを解放し、
    停車中に前記ブレーキを締結させ、このブレーキ締結状態でモータ/ジェネレータからの動力のみにより電気走行している間に、変速機入力軸の回転数とエンジン回転数とがほぼ一致する時、前記クラッチを締結することを特徴とするハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法。
  4. 請求項3に記載のエンジン始動方法において、
    前記クラッチを解放している状態でのエンジンの自立運転を、自立運転可能な下限回転数で行うと共に、燃料消費率が最も良くなる運転点で行わせることを特徴とするハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法。
  5. 請求項3または4に記載のエンジン始動方法において、
    前記差動装置を構成する回転要素のうち、少なくとも2個の回転要素の回転数を基に、前記ブレーキを締結させた状態での電気走行中における変速機入力軸の回転数を推定し、エンジン回転数とこの推定変速機入力回転数との差が所定値未満になった時に、前記ブレーキを締結させた状態での電気走行中における前記クラッチの締結を行うことを特徴とするハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法。
  6. 請求項1または5のいずれか1項に記載のエンジン始動方法において、
    前記ブレーキの締結作動の前に予め前記エンジンを始動させ、自立運転状態にする条件として、温度、バッテリ蓄電状態、入出力可能電力、手動スイッチからの信号を設定し、温度が低い時、バッテリ蓄電状態が低い時、入出力可能電力が小さい時、手動スイッチによる指令がある時、ブレーキ締結作動に先立つ予めの前記エンジンの始動、自立運転を行わせることを特徴とするハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法。
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