JP3817750B2 - 紫外線照射による金属酸化物被膜のパターン形成用コーティング剤及びパターン形成方法 - Google Patents

紫外線照射による金属酸化物被膜のパターン形成用コーティング剤及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、必要とする部分に金属酸化物被膜を形成しうるコーティング剤とそのパターン形成方法に関し、更に詳しくは、コーティング剤より得られた乾燥被膜が、光照射により、水に対して不溶化する事を利用し、不要部分の被膜を除去することにより、所望部分にのみ塗膜を形成しうるコーティング剤及びそのパターニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
所望部分にのみ無機被膜を形成させる方法、所謂無機膜のパターニング方法には、スクリーン印刷や転写印刷等の印刷法と、蒸着法、スパッタリング法等で代表される気相法や酸化物被膜形成用コーティング剤を用いる塗布法で全面に無機被膜を形成後、エッチング等の方法により不必要な部分を除去する方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
スクリーン印刷法による無機被膜パターン形成法は、特開昭61−215668号公報に示される様に、スクリーン印刷適性の問題から、コーティング剤の粘度を上げる目的で、有機高分子化合物が加えられる。パターン印刷後、有機高分子化合物を塗膜中から除去する為、高温での焼成が必要となり、印刷される基材がガラス等に限定される。またスクリーン印刷法では、10μm以下のパターンを形成することは困難である。
【0004】
特開昭64−24025号公報には、フレキソ印刷機を用いる転写印刷法が開示されている。転写印刷法は、低粘度のコーティング剤での塗布が可能であるため、上記、高粘度化の為の有機高分子化合物の添加は不要であるため、比較的低温での焼成が可能である。しかしながら、転写印刷は、ゴム凸版上のコーティング剤を基材に転写する方法であるため、1mm以下のパターンを形成することは困難であった。
【0005】
気相法、塗布法で基材表面全面に無機被膜を形成後、不要部分をエッチング除去し、所望部分にのみパターンを形成する方法は、一般的に行われている。この方法は、パターン部分をフォトレジスト等で保護した後、特定の薬剤で不要部分を除去するため、1μm以下の微細パターンの形成が可能であるが、レジストの塗布、レジストのパターンニング、無機被膜のエッチング、レジストの除去と工程が長く、複雑である。また、無機被膜をエッチング除去する為の薬剤は、フッ化水素酸の様な毒物や、強アルカリ、酸を用いる為、危険を伴い、廃液の問題があった。
【0006】
ジャーナルオブノンクリタリンソリッド100巻501頁(1988年)にはコーティング剤にポリエチングリコールを添加し、柔軟な乾燥塗膜を凹凸を有したスタンプと圧着させることにより、パターンを形成することが提案されているが、塗膜表面に凹凸は形成されるものの、不要部分にも薄い無機被膜が残存してしまうばかりか、添加したポリエチングリコールを、除去する為に、高温での焼成が必要であった。
【0007】
ジャーナルオブノンクリタリンソリッド147、148巻447頁(1992年)には、アルコキシシランの光重合性有機官能基と光重合性有機モノマーの光重合を利用したパターニング方法が提案されているが、塗膜に多くの有機物が存在するため、無機被膜本来の耐熱性、耐溶剤性が損なわれる問題があった。
チタニウムやジルコニウムのβ−ジケトン錯体の光硬化性を利用した、無機被膜のパターニング方法が、日本セラミックス協会1993年年次大会3H15で報告されているが、不要部分の除去には有機溶媒を用いているため、使用できる基材の限定を受け、且つ廃液の問題があった。
【0008】
高分子学会第11回無機高分子研究討論会要旨52頁(1992年)には、ターシャリーブトキシシランを含む塗膜のパターニングが報告されているが、特殊なアルコキシシシランを用いなければならず、且つアルコキシシランそのものには光硬化性が無いため、光により酸を発生する触媒を添加しなければならず、塗膜が汚染される恐れがあった。
【0009】
本発明の目的は、簡単な方法で金属酸化物被膜のパターンを形成できるコーティング剤及び金属酸化物被膜のパターン形成法の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、遷移金属アルコキシドの加水分解物、金属硝酸塩及び析出防止剤が有機溶媒に溶解してなることを特徴とする光によりパターニング可能な金属酸化物被膜形成用コーティング剤に関する。
また、本発明は、上記の金属酸化物被膜形成用コーティング剤を基材に塗布、乾燥した後、光を照射し、光未照射部分を水により溶解除去することを特徴とする金属酸化物被膜のパターン形成方法に関する。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のパターン形成用コーティング剤に用いられる遷移金属アルコキシドの遷移金属とは、周期律表のIb,IIb, IIIb,IVb, Vb,VIb, VIIb及びVIII族の金属である。好ましい遷移金属としては、チタニウム、ジルコニウム、タンタル、セリウム、イットリウム、ニオビウム及びカドミウムのアルコキシドが挙げられる。
【0012】
具体的には、チタニウムのアルコキシドとしては、チタニウムテトラエトキド、チタニウムテトラプロポキシド及びチタニウムテトラブトキシド等のチタニウムテトラアルコキシド化合物が挙げられる。
ジルコニウムのアルコキシドとしては、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド及びジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウムテトラアルコキシド化合物が挙げられる。
【0013】
タンタルのアルコキシドとしては、タンタルペンタエトキシタンド、タンタルペンタプロポキシド及びタンタルペンタブトキシド等のタンタルペンタアルコキシド化合物が挙げられる。
セリウムのアルコキシドとしては、セリウムテトラメトキシド、セリウムテトラプロポキシド等のセリウムテトラアルコキシド化合物が挙げられる。
【0014】
イットリウムのアルコキシドとしては、イットリウムトリプロポキサイド等のイットリウムトリアルコキシド化合物が挙げられる。
ニオビウムのアルコキシドとしては、ニオビウムペンタメトキシド、ニオビウムペンタエトキシド及びニオビウムペンタブトキシド等のニオビウムペンタアルコキシド化合物が挙げられる。
【0015】
カドミウムのアルコキシドとしては、カドミウムジメトキシド、カドミウムジエトキシド等のカドミウムジアルコキド化合物等が挙げられる。
これらの遷移金属アルコキシドは1種又は2種以上の組み合わせでも用いられる。
本発明の金属硝酸塩は、被膜に光硬化性と水に対する溶解性を付与する目的で用いられるが、金属硝酸塩としては、周期律表の、IIa 族、IIIa族、IVa 族、Va族、IIIb族、IVb 族、Vb族、VIIb族及びVIII族の金属の中から選ばれた少なくとも1種の金属の硝酸塩が挙げられる。好ましくは、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、ナマリ、ビスマス、イットリウム、セリウム、ニオビウム、タンタル、クロミウム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、パラジウム、銅及びカドミウムの硝酸塩が挙げられる。特に好ましくは、アルミニウム、インジュウム、ビスマス、イットリウム、セリウム、クロミウム、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、銅及びカドミウムが挙げられる。
【0016】
上記金属硝酸塩は、上記遷移金属アルコキシド化合物に対して、モル比で、0.05〜2の範囲で用いられる。
本発明に用いられる析出防止剤は、上記金属硝酸塩が、塗膜乾燥時、結晶化し塗膜表面に析出することを、防ぐ目的で用いられる。析出防止剤としては、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド及びそれらの誘導体が、1種以上用いられ、その使用量は、金属硝酸塩に対して、モル比で少なくとも1以上で用いられ、有機溶媒として用いても差し支えない。
【0017】
本発明のコーティング剤は、通常遷移金属アルコキシドを有機溶媒中加水分解することによって得られる。加水分解反応に用いられる水の量は、遷移金属アルコキシドに対して、モル比で0.5〜5倍の範囲で用いられる。一般的に遷移金属アルコキシド類は、加水分解速度が非常に早いため、加水分解反応の際に特に触媒は必要としないが、加水分解溶液の貯蔵安定性を向上させる目的で、酸が添加される場合がある。本発明に用いられる金属硝酸塩は、その水溶液が酸性を呈し、酸と同様の働きをする為、目的とするコーティング溶液を得るために、特に酸は加える必要はない。また遷移金属アルコキシドの加水分解速度を調節する目的で、β−ジケントンやグリコール類等公知の化合物によって安定化することは特に制限は受けない。
【0018】
金属硝酸塩と遷移金属アルコキシドとの混合は、遷移金属アルコキシドの加水分解時に、混合されていても良いし、遷移金属アルコキシドの加水分解終了後、混合しても、何方でも良い。
加水分解の際用いられる有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド等が挙げられ、それらを1種もしくは2種以上混合して用いられる。
【0019】
加水分解の為の水の添加は通常室温で行われるが、必要に応じて加熱下に行っても良い。この加水分解の終了によって、本発明のコーティング剤は得られるが、この加水分解の終了後、熟成の目的で50℃〜150℃の温度範囲で加熱しても差し支え無い。また、コーティング剤の高沸点化、高粘度化の目的で、加水分解終了後、副生する低沸点のアルコール類を留去することもできる。
【0020】
本発明のコーティング剤は、遷移金属アルコキシド、金属硝酸塩をそれぞれ金属酸化物に換算し、金属酸化物の総和を固形分として0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の範囲に含む様に調整する。
本発明のコーティング剤は、ディッピング、スピンコート、転写印刷、刷毛塗り、ロールコート、スプレー等通常使用される塗布法に適用される。
【0021】
本発明のコーティング剤には、パターニング性、貯蔵安定性を損なわない範囲で、コロイド状無機粒子、無機微粒子、有機高分子、金属塩化合物、金属アルコキシド等を添加することは問題ない。
本発明のコーティング剤を用いての、無機被膜のパターニング方法は、以下に示す方法で実施される。
【0022】
コーティング剤を基材に塗布後、50℃以上100℃以下の温度で乾燥後、所定のパターンを有するマスクを用いて所望部分にのみ紫外線等の光を照射する。紫外線照射終了後、無機被膜が形成された基材を、水により洗浄する。この段階で、紫外線未照射部分は、水により、溶解、除去され、紫外線が照射された部分にのみ、無機被膜が形成された基材が得られる。パターニング終了後、必要に応じて100℃以上1100℃以下の温度で加熱、焼成することは差し支えない。
【0023】
本発明のコーティング剤を塗布する基材としては、ガラス、セラミックス、金属及びプラスチックが挙げられる。
【0024】
【作用】
遷移金属アルコキシド化合物は、光に対して硬化性を有するが、未照射部分の水に対する溶解性は無い。金属硝酸塩は、光硬化性を促進すると共に光未照射部分の被膜に、水に対する溶解性を付与する目的で用いられる。金属硝酸塩は、遷移金属アルコキシドに対してモル比で0.05未満だと、塗膜の光未照射部分の水に対する溶解性が乏しくなり、光照射後の水洗で、不要部分に被膜の残存がおこる。一方、モル比で2を越えて用いても、光未照射部の塗膜の水に対する溶解性変化は認められず、得られる被膜の耐薬品性、機械的強度が低下する。
【0025】
析出防止剤は、金属硝酸塩に対して、モル比で1未満だと、被膜乾燥時の金属硝酸塩の結晶析出防止効果が少なく、金属硝酸塩の結晶化が起こり、被膜が白濁し均一な被膜が得られない。
加水分解の際に用いられる水は、遷移金属アルコキシドに対して、モル比で0.5未満だと、加水分解が不十分となり、遷移金属アルコキシドのモノマーが多量に残り、コーティング剤の成膜性が悪くなり、得られる被膜の機械的強度が低下する。反対にモル比で5を越えると、コーティング剤の貯蔵安定性が乏しくなり、コーティング剤の粘度増加、ゲル化等を引き起こす。
【0026】
本発明のコーティング剤は、金属酸化物の総和で表される固形分が0.1重量%未満だと、一回の塗布により得られる塗膜の厚み薄く、所定の厚みを得るために他数回の塗布が必要となり効率的で無い。一方、20重量%を越えると、一回の塗布により得られる塗膜の厚みが厚くなり、均一な被膜を得ることが困難となり、コーティング剤の貯蔵安定性も乏しくなり、コーティング剤の粘度増加、ゲル化等を引き起こす。
【0027】
本発明のコーティング剤を基材に塗布後、乾燥は100℃以下で行われる。100℃を越える温度で乾燥されると、水に対する溶解性が低下し、紫外線照射後に、紫外線未照射部分の溶解除去が困難となる。
【0028】
【実施例】
実施例1
チタニウムテトライソプロポキシド20.6gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸アルミニウム9水和物1.4gを水1.3gとエチレングリコール3gとエタノール30gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。このコーティング剤を、50×50×1.1mm のソーダライムガラス基板上に、4000rpm の回転数で20秒間スピンコートし、ホットプレート上で、80℃で5分間乾燥した。乾燥後、塗膜表面にクロムマスクを密着させ、1000Wの高圧水銀灯で1分間紫外線を照射した。塗膜面の波長360mmの紫外線強度は150mW/cm2 であった((株)オーク製作所製UV−M101による測定)。照射終了後、基板を純水に浸漬し、1分間超音波洗浄を行った。洗浄乾燥後の塗膜表面を観察した所、紫外線照射部分にのみ、厚さ0.10μmの塗膜が残っていた。
【0029】
実施例2
実施例1の析出防止剤エチレングリコールにかわり、N−メチルピロリドンを用いた以外は、実施例1と同様にコーティング剤を調整した。このコーティング剤を実施例1と同様に、成膜、UV照射、水洗を行ったところ、厚さ0.09μmのパターンが形成された。
【0030】
実施例3
実施例1の析出防止剤エチレングリコールにかわり、ジメチルフォルムアミドを用いた以外は、実施例1と同様にコーティング剤を調整した。このコーティング剤を実施例1と同様に、成膜、UV照射、水洗を行ったところ、厚さ0.08μmのパターンが形成された。
【0031】
実施例3
実施例1の析出防止剤エチレングリコールにかわり、プロピレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様にコーティング剤を調整した。このコーティング剤を実施例1と同様に、成膜、UV照射、水洗を行ったところ、厚さ0.10μmのパターンが形成された。
【0032】
実施例4
チタニウムテトライソプロポキシド18.9gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸アルミニウム9水和物5.0gを水1.2gとエチレングリコール3gとエタノール26.9gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.12μmのパターンが得られた。
【0033】
実施例5
ジルコニウムテトラブトキシド17.2gをブタノール25gと2,3−ブタンジオール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸アルミニウム9水和物3.4gを水2.4gとエチレングリコール3gとエタノール29gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.08μmのパターンが得られた。
【0034】
実施例6
タンタルテトラエトキシド9gをエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸アルミニウム9水和物8.3gを水1.2gとエチレングリコール10gとエタノール26.5gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.05μmのパターンが得られた。
【0035】
実施例7
セリウムイソプロポキシド12.6gをエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸アルミニウム9水和物3gを水0.7gとエチレングリコール5gとエタノール33.7gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.07μmのパターンが得られた。
【0036】
実施例8
チタニウムテトライソプロポキシド18.9gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸インジュウム3水和物5.1gを水1.2gとエチレングリコール3gとエタノール26.8gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.12μmのパターンが得られた。
【0037】
実施例9
チタニウムテトライソプロポキシド18.9gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸セリウム6水和物5.8gを水1.2gとエチレングリコール3gとエタノール26.1gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.12μmのパターンが得られた。
【0038】
実施例10
チタニウムテトライソプロポキシド18.9gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸カドミウム4水和物4.1gを水1.2gとエチレングリコール3gとエタノール27.8gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.12μmのパターンが得られた。
【0039】
実施例11
チタニウムテトライソプロポキシド18.9gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に硝酸第二鉄9水和物5.4gを水1.2gとエチレングリコール3gとエタノール26.5gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。実施例1と同様に、成膜、乾燥、UV照射、洗浄を行ったところ、厚さ0.12μmのパターンが得られた。
【0040】
比較例1
チタニウムテトライソプロポキシド20.6gとエタノール25gとヘキシレングリコール20gに溶解混合した。この溶液に触媒として硝酸0.7gと水1.3gをエタノール32.4gに混合溶解した溶液を加えコーティング剤とした。このコーティング剤を、50×50×1.1mm のソーダライムガラス基板上に、4000rpm の回転数で20秒間スピンコートし、ホットプレート上で、80℃で5分間乾燥した。乾燥後、塗膜表面にクロムマスクを密着させ、1000Wの高圧水銀灯で1分間紫外線を照射した。照射終了後、基板を純水に浸漬し、1分間超音波洗浄を行った。洗浄乾燥後の塗膜表面を観察した所、紫外線照射部、未照射部の両部分に塗膜が残存していた。
【0041】
【効果】
本発明のコーティング剤は、紫外線等の光により、容易に所望部分にのみ、金属酸化物系被膜を形成しうる。
また、光未照射部の溶解除去が、水で行える為、耐薬品性の無い基材にも適用でき、且つ廃液、環境汚染等の問題が無い。

Claims (12)

  1. 遷移金属アルコキシドの加水分解物、該遷移金属アルコキシド対する金属硝酸塩のモル比が0.05〜2の範囲である金属硝酸塩及び析出防止剤が有機溶媒に溶解してなる、コーティング剤より得られた乾燥被膜が、紫外線照射により、水に対して不溶化する事を利用し、不要部分の被膜を除去することを特徴とする紫外線照射による金属酸化物被膜のパターン形成用コーティング剤。
  2. 遷移金属アルコキシドが、チタニウム、ジルコニウム、タンタル、セリウム、イットリウム、ニオビウム及びカドミウムの中から選ばれた少なくと1種のアルコキシドである請求項1記載のコーティング剤。
  3. 金属硝酸塩が周期律表の、IIa 族、IIIa族、IVa 族、Va族、IIIb族、IVb 族、Vb族、VIIb族及びVIII族の中から選ばれた少なくとも1種の金属の硝酸塩である請求項1記載のコーティング剤。
  4. 析出防止剤がエチレングリコール、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びそれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1記載のコーティング剤。
  5. 遷移金属アルコキシド、金属硝酸塩をそれぞれ金属酸化物に換算し、金属酸化物の総和を固形分として0.1〜20重量%含有する請求項1記載のコーティング剤。
  6. 析出防止剤が、金属硝酸塩に対してモル比で1以上含まれる請求項1記載のコーティング剤。
  7. 遷移金属アルコキシドの加水分解物、該遷移金属アルコキシド対する金属硝酸塩のモル比が0.05〜2の範囲である金属硝酸塩及び析出防止剤が有機溶媒に溶解してなる金属酸化物被膜形成用コーティング剤を基材に塗布50℃以上100℃以下の温度で乾燥した後、パターンを有するマスクを用いて紫外線を照射し、50℃以上100℃以下の温度で乾燥された紫外線未照射部分を水により溶解除去することを特徴とする金属酸化物被膜のパターン形成方法。
  8. 遷移金属アルコキシドが、チタニウム、ジルコニウム、タンタル、セリウム、イットリウム、ニオビウム及びカドミウムの中から選ばれた少なくと1種のアルコキシドである請求項記載の金属酸化物被膜のパターン形成方法。
  9. 金属硝酸塩が周期律表の、IIa 族、IIIa族、IVa 族、Va族、IIIb族、IVb 族、Vb族、VIIb族及びVIII族の中から選ばれた少なくとも1種の金属の硝酸塩である請求項記載の金属酸化物被膜のパターン形成方法。
  10. 析出防止剤がエチレングリコール、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びそれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項記載の金属酸化物被膜のパターン形成方法。
  11. 遷移金属アルコキシド、金属硝酸塩をそれぞれ金属酸化物に換算し、金属酸化物の総を固形分として0.1〜20重量%含有する請求項記載の金属酸化物被膜のパターン形成方法。
  12. 析出防止剤が、金属硝酸塩に対してモル比で1以上含まれる請求項記載の金属酸化物被膜のパターン形成方法。
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