JP3817684B2 - 複数駆動源乗客コンベア - Google Patents

複数駆動源乗客コンベア Download PDF

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    • B66B23/028Driving gear with separate drive chain or belt that engages directly the carrying surface chain

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  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数駆動源乗客コンベアに係り、特にステップチェーンの張力を常に正に保持し、乗客を載せるステップ同士の衝突を防止する駆動手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に示した従来のエスカレータは、上方スプロケット1と、下方スプロケット2と、上方スプロケット1と下方スプロケット2との間に巻き渡されて無端状のステップチェーン4と、ステップチェーン4を駆動する走行駆動源5と、ステップチェーン4に所定のピッチで連結される複数のステップ8と、ステップチェーン4に一定の張力を与える張力付与装置12を有する。
【0003】
ステップ8は、乗客を載せるステップ面6と、ステップチェーン4との連結部に回転自由に装着される駆動ローラ9と、ステップの一部に回転自由に装着される従動ローラ10と、隣接するステップ面6との間を塞ぐ閉塞位置に固定される蹴込み板7とからなる。駆動ローラ9および従動ローラ10は、その走行軌跡に沿って設けられた走行レールにより誘導される。
【0004】
図9は、従来のエスカレータにおける駆動部を背面側から見た状態を拡大して示している。走行駆動源5は、電動機13と、減速機14と、ドライブスプロケット18と、電動機13の出力軸および減速機14の入力軸の間に巻き掛けられたベルト20と、減速機14の出力軸およびドライブスプロケット18の間に巻き掛けられたドライブチェーン19とからなる。
【0005】
この従来のエスカレータは、いわゆる揚程が長くなるにつれて、最大負荷が増し、それに伴ないドライブチェーン19の条数が増加すると、横方向への張り出し寸法が増大し、設置面積が大きくなるという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、中間部に走行駆動源および駆動スプロケットを複数配置する複数駆動源エスカレータが考えられた。
【0007】
このような複数駆動源エスカレータの駆動方法に関する従来技術としては、特開昭61−166492号公報に記載された例がある。この例の複数駆動源エスカレータは、上方スプロケットと、下方スプロケットと、無端状のステップチェーンに囲まれた領域外の上端に配置され上方スプロケットを駆動する駆動装置と、中間傾斜部に設けられ駆動装置と同期駆動する中間駆動装置と、ラックを形成した多数のリンクプレートが無端状に連結され上・下方スプロケットおよび中間駆動装置に往路・復路で噛み合うように巻きかけられたステップチェーンと、往路側のステップチェーンを上下から挟み込む案内レールとから構成されている。
【0008】
中間駆動装置は、減速機と、電動機と、減速機を介し電動機により駆動される駆動ピニオンとからなる。案内レールは、スチールよりも耐摩耗性が良くしかも弾力性があるナイロン,ウレタン,超高分子量ポリエチレンのような合成樹脂を材料としている。
【0009】
この従来の複数駆動源エスカレータにおいては、中間駆動装置よりも下方の荷重は、中間駆動装置が受け持ち、中間駆動装置より上方の荷重は、上端部に設けた駆動装置が受け持つように荷重を分担してある。上端部の駆動装置は、無端状のステップチェーンに囲まれた領域の外に設けてあるので、中間駆動装置よりも出力を大きくできる。
【0010】
その結果、この複数駆動源エスカレータは、中間駆動装置のみで駆動する乗客コンベアよりも全体の駆動装置の数を削減でき、安価であるとされている。さらに、案内レールは、中間駆動装置によりステップチェーンに圧縮力が働いたときに、リンクプレートが座屈することを防止する働きもあるといわれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の複数駆動源エスカレータでは、無端状のステップチェーンに囲まれた領域の外に駆動装置を設置するためのスペースが必要となるので、この駆動装置を設置してあるスペースそのものが無駄と考えるユーザもある。
【0012】
また、従来の複数駆動源エスカレータでは、上端部の駆動装置と中間駆動装置の大きさが異なるので、各駆動装置に対応した減速機が必要となり、コストが高くなる。
【0013】
さらに、案内レールによりリンクプレートの座屈を防止しているが、ステップチェーンには中間駆動装置からの圧縮力が作用するから、必ずしも安全とはいえない。
【0014】
したがって、無端状のステップチェーンに囲まれた領域内にすべての駆動装置を設置して更に省スペース化するとともに、複数の走行駆動源により駆動されるステップ同士の衝突を防止するため、ステップチェーンの張力を常に正に保持する安全な走行駆動手段が、求められている。
【0015】
本発明の目的は、複数の走行駆動源により駆動されるステップ同士の衝突を防止するため、ステップチェーンの張力を常に正に保持する構造の走行駆動手段を備えた複数駆動源乗客コンベアを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、上方スプロケットと、下方スプロケットと、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットと、上方スプロケットと下方スプロケットとの間に巻き渡され駆動スプロケットとは上側循環路のみが噛み合うように配置される無端状のステップチェーンと、駆動スプロケットを駆動する複数の走行駆動源と、ステップチェーンに連結され循環駆動される複数のステップと、一端を下方スプロケットに他端をフレームに固定されステップチェーンに張力を付与する張力付与装置とからなる複数駆動源乗客コンベアにおいて、無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に前記走行駆動源を設置し、複数設置した走行駆動源のうちでより上方に位置する走行駆動源の駆動力がより大きくなるように制御する制御装置を備えた複数駆動源乗客コンベアを提案する。
【0017】
本発明においては、無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に複数設置した走行駆動源のうちでより上方に位置する走行駆動源の駆動力がより大きくなるように制御するので、すべてのステップチェーンの張力を正に保持でき、省スペース化するとともに、複数の走行駆動源により駆動されるステップ同士の衝突を確実に防止できる。
【0018】
本発明は、また、上方スプロケットと、下方スプロケットと、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットと、上方スプロケットと下方スプロケットとの間に巻き渡され駆動スプロケットとは上側循環路のみが噛み合うように配置される無端状のステップチェーンと、駆動スプロケットを駆動する複数の走行駆動源と、ステップチェーンに連結され循環駆動される複数のステップと、一端を下方スプロケットに他端をフレームに固定されステップチェーンに張力を付与する張力付与装置とからなる複数駆動源乗客コンベアにおいて、無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に前記走行駆動源を設置し、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットのうちでより上方に位置する駆動スプロケットのステップへの張力がより大きくなるように駆動スプロケットを位置決めし、複数設置した走行駆動源をほぼ等駆動力となるように制御する制御装置を備えた複数駆動源乗客コンベアを提案する。
【0019】
本発明においても、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットのうちでより上方に位置する駆動スプロケットのステップへの張力がより大きくなるように駆動スプロケットを位置決めし、複数設置した走行駆動源をほぼ等駆動力となるように制御するので、すべてのステップチェーンの張力を正に保持でき、省スペース化するとともに、複数の走行駆動源により駆動されるステップ同士の衝突を確実に防止できる。
【0020】
上記いずれかの複数駆動源乗客コンベアにおいて、前記制御装置は、複数設置した走行駆動源の角速度に基づき走行駆動源の駆動力を決定する制御装置とすることができる。
【0021】
前記制御装置は、また、複数設置した走行駆動源の角速度に基づき走行駆動源に対応するPI制御部の積分ゲイン比を変更し、走行駆動源の駆動力を決定する制御装置とすることも可能である。
【0022】
前記制御装置は、さらに、複数設置した走行駆動源の角速度に基づき制御装置内に備えた走行駆動源に対応するPI制御部の比例ゲイン比と積分ゲイン比とを変更し、走行駆動源の駆動力を決定する制御装置としてもよい。
【0023】
なお、上方スプロケット直上のステップチェーンの張力が、最大張力となるように走行駆動源を配置すると、さらに省スペース化できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、図1ないし図7を参照して、本発明による複数駆動源乗客コンベアの実施形態を説明する。なお、本明細書では複数駆動源エスカレータを例として、複数駆動源乗客コンベアを説明するが、本発明は、動く歩道のように平坦面に設置された複数駆動源乗客コンベアにも適用できる。
【0025】
【実施形態1】
本発明による複数駆動源エスカレータの実施形態1は、図1に示すように、無端状のステップチェーン4に囲まれた領域内に、2つの走行駆動源5a,5bを備えている。
【0026】
すなわち、実施形態1の複数駆動源エスカレータは、上方スプロケット1と、下方スプロケット2と、上方スプロケット1および下方スプロケット2の間に巻き渡されて駆動スプロケット3a,3bとは往路側のみが噛み合う無端状のステップチェーン4と、駆動スプロケット3a,3bを駆動しステップチェーン4を走行駆動させる複数の走行駆動源5a,5bと、ステップチェーン4に所定のピッチで連結される複数のステップ8とを有する。
【0027】
ステップ8は、乗客を載せるステップ面6と、ステップチェーン4との連結部に回転自由に装着される駆動ローラ9と、ステップの一部に回転自由に装着される従動ローラ10と、隣接するステップ面6同士の間を塞ぐ閉塞位置に固定される蹴込み板7とからなる。駆動ローラ9および従動ローラ10は、ここでは図示していないが走行軌跡に沿って設けられた走行レールにより誘導される。エスカレータは、ステップチェーン4に一定の張力を与える張力付与装置12を備えている。
【0028】
本実施形態1は、走行駆動源5a,5bの駆動力を制御する制御装置11を備えている。制御装置11は、各走行駆動源5a,5bの例えば角速度を検出し、各走行駆動源5a,5bに適した駆動力を算出し、駆動信号を出力する。この場合の駆動信号とは、走行駆動源5bの駆動力が、走行駆動源5aの駆動力よりも大きくなるように制御する信号である。
【0029】
このように駆動力を配分すると、各走行駆動源5a,5bの駆動力を制御し、ステップチェーン4の弛みを防止し、隣接するステップ8同士の衝突を回避することが可能となる。特に、前後のステップ8のステップ面6と蹴込み板7との衝突を防止できる。
【0030】
ここでは、走行駆動源5は、5a,5bの2台であるが、3台以上の走行駆動源5a,5b,5c…で駆動するエスカレータにおいては、より上方(前方)に位置する走行駆動源例えば5cの駆動力が、下方(後方)に位置する走行駆動源5bの駆動力よりも大きくなるように制御する。本明細書においては、このような駆動力の配分を『傾斜駆動力配分』という。
【0031】
図2は、走行駆動源5aに関連する部分を拡大して示しており、走行駆動源5aは、電動機13aと、減速機14aとからなる。電動機13aの出力軸と減速機14aの入力軸とは、ベルト20aで連結されている。本実施形態1では、電動機13aと減速機14aとの間の駆動力の伝達手段としてベルト20aを用いているが、必ずしもベルト20aを使用する必要はなく、スプロケットやチェーンなどを用いてもよい。減速機14aの出力軸の両端には、駆動スプロケット3aが取り付けられており、これらと噛み合っているステップチェーン4を走行駆動する。
【0032】
電動機13aの出力軸上の一端には、制動装置17aを設け、他端には、走行駆動源5aの角速度を検出する検出器16aを設けてある。検出器16aは、走行駆動源5aの角速度を検出できればよいので、必ずしも電動機13aの出力軸に直接配置する必要はない。本実施形態1の走行駆動源5aは、制御装置11からインバータ14aを介して入力される駆動信号により動作する。制御装置11は、検出器16aにより検出された角速度に基づいて、駆動信号を算出する。
【0033】
図3は、複数駆動源エスカレータの実施形態1における制御系の構成を示している。走行駆動源5bは、図2に示した走行駆動源5aと同様に、電動機13bと、減速機14bとからなる。電動機13bの出力軸上の一端には、制動装置17bを設け、他端には、検出器16bを設けてある。検出器16a,16bは、各走行駆動源5a,5bの電動機13a,13bの角速度を検出する。検出した角速度は、制御装置11のPI制御部11a,11bに入力される。制御装置11は、入力した角速度より、適切な駆動力を算出し、駆動信号を出力する。制御装置11から出力された駆動信号は、インバータ15a,15bを介して、各走行駆動源5a,5bに入力されて、エスカレータを走行駆動する。
【0034】
制御装置11では、駆動信号が設定したしきい値と比較して大きかった場合、リミッタ部11bが駆動信号の大きさを制限するとともに、しきい値に達していない範囲では、駆動力に不足があれば、不足分を算出し、必要な駆動信号を出力する。なお、往路側のすべてのステップ4に乗客や荷物などの荷重が存在する状態においては、制御装置11は、すべての走行駆動源5の駆動力を100%とするように駆動信号を出力する。
【0035】
図4は、複数駆動源エスカレータを等駆動力配分したときと本発明により傾斜駆動力配分したときとのステップチェーン4の張力分布の一例を示しており、等駆動力配分で駆動したときのステップチェーン4の張力分布を破線で示し、本発明により傾斜駆動力配分で駆動したときのステップチェーン4の張力分布を実線で示している。また、この張力分布図は、走行駆動源5が2台あり、乗客や荷物などの荷重が上部スプロケット1から走行駆動源5aまでの間に存在する条件での張力分布を示している。
【0036】
傾斜駆動力配分は、制御装置11の各PI制御部11a,11bの積分ゲイン比を変更すると実現できる。この張力分布図では、積分ゲイン比を1:2としたときの張力分布を示している。なお、PI制御部の比例ゲイン比を変えると、走行駆動源5a,5bの駆動力の立ち上げの状態を変更できる。
【0037】
この張力分布図は、下方スプロケット2の両端の張力は、ステップチェーン張力付与装置12が発生する張力の半分であること、勾配は、乗客や荷物などの荷重の有無を示し、急な区間は、乗客や荷物などの荷重が存在する状態であり、緩やかな区間は、乗客や荷物などの荷重が存在しない状態であること、駆動スプロケット3a,3bの位置での張力差は、各走行駆動源5a,5bの駆動力であることを示している。
【0038】
この張力分布図において、等駆動力配分としたときの張力分布は、駆動スプロケット3の直上のステップチェーン4の張力が負になる可能性があり、特に、駆動スプロケット3a直上のステップチェーン4の張力が負になる可能性が大きいことを示している。
【0039】
これに対して、図1に示す本発明による実施形態1の傾斜駆動力配分を採用したエスカレータは、走行駆動源5の駆動力比を1:2に変更したため、等駆動力配分したときと比較すると、走行駆動源5aの駆動力が、小さくなり、走行駆動源5bの駆動力が、大きくなる。その結果、本発明により傾斜駆動力配分した駆動手段は、駆動スプロケット3aの直上のステップチェーン4の張力を大きくできるので、ステップチェーン4の弛みを防止し、隣接するステップ8同士の衝突を回避するための有効な手段の1つであることが分かる。
【0040】
図5は、傾斜駆動力配分で駆動するときに乗客や荷物などの荷重が駆動スプロケット3aから上方スプロケット1までの間のステップ8に存在するときすなわち駆動スプロケット3aの直上のステップチェーン4の張力が負になる可能性が大きいときのチェーン4の張力分布(実線)と、乗客や荷物などの荷重が往路側すべてのステップ8に存在するときすなわち走行駆動源5の駆動力が最大となるときのステップチェーン4の張力分布(点線)とを示している。この張力分布図を用いて、すべての区間においてステップチェーン4の張力が正になる走行駆動源5の配置について説明する。
【0041】
走行駆動源5の配置を説明するに先立って、単位長さあたりのステップ4の重量をWs,単位長さあたりの乗客や荷物などの荷重の重量をWp,張力付与装置12の張力をT,エスカレータの傾斜角度をθ,駆動機の台数をN,走行駆動源5aの駆動力をF,走行駆動源5aに対する各走行駆動源の駆動力の比をηとする。
【0042】
まず、ステップチェーン4の張力が負になる可能性が大きい負荷状況である駆動スプロケット3aから上方スプロケット1までの間のステップ8に乗客や荷物などの荷重が存在するときの走行駆動源5および駆動スプロケット3の配置について説明する。
【0043】
すべての区間でステップチェーン4の張力および走行駆動源5の駆動力の関係は、数式1となり、数式1をまとめると、数式2となる。
【0044】
【数1】
Figure 0003817684
【0045】
【数2】
Figure 0003817684
【0046】
例えば、図5に示す張力分布では、走行駆動源5の数が2,駆動力比が1:2であると、η1=1,η2=2となる。また、Wpkは、各区間ごとの乗客や荷物などの荷重の状況に応じて、Wpまたは0となるため、L1の区間では、Wp1=0、L2の区間では、Wp2=Wp、L3の区間では、Wp3=Wpとなる。したがって、数式2は、数式3,数式4となる。ここで、L1の区間のステップチェーン4の張力を正に保持するには、数式5でならなければならない。
【0047】
【数3】
Figure 0003817684
【0048】
【数4】
Figure 0003817684
【0049】
【数5】
Figure 0003817684
【0050】
したがって、L1の区間のステップチェーン4の張力を正に保持するためのL1の範囲は、数式4および数式5をL1について解くと、求めることができる。
【0051】
また、L2およびL3の区間を正に保持するためのL2の範囲は、数式6,数式7となり、数式6,数式7をL2について解くと、求めることができる。
【0052】
【数6】
Figure 0003817684
【0053】
【数7】
Figure 0003817684
【0054】
次に、往路側のすべてのステップ8に乗客や荷物などの荷重が存在するときの走行駆動源5の配置について説明する。図3に示す実施形態の説明でも既に述べたが、本発明の傾斜駆動力配分は、往路側のすべてのステップ8に乗客や荷物などの荷重が存在するときには、各走行駆動源5の駆動力が最大となり、設置した走行駆動源5は、すべて100%の駆動力を出力し、等駆動力配分となる。したがって、η1=η2=1となり、数式4,数式5は、数式8,数式9となる。L1の区間のステップチェーン4の張力を正に保持するためのL1の範囲は、数式8および数式9をL1について解くと、求めることができる。
【0055】
【数8】
Figure 0003817684
【0056】
【数9】
Figure 0003817684
【0057】
また、L2およびL3の区間を正に保持するためのL2の範囲は、数式10,数式11となり、数式10および数式11をL2について解くと、求めることができる。
【0058】
【数10】
Figure 0003817684
【0059】
【数11】
Figure 0003817684
【0060】
【実施形態2】
図6は、実施形態1と構成が同様で、制御装置17のPI制御部の積分ゲイン比を1:1とし、等駆動力配分したときの張力分布を示している。
【0061】
この張力分布図では、2つの走行駆動源5a,5bを往路側の全区間のステップチェーン4の張力が正に保持されるように配置したときの張力分布を実線で示し、2つの走行駆動源5a,5bを等分割点に配置したときの張力分布を破線で示した。この張力分布図の乗客や荷物などの荷重の状態は、駆動スプロケット3aと上方スプロケット1間に乗客や荷物などの荷重が存在する状態である。すなわち駆動スプロケット3a直上のステップチェーン4の張力が負になる可能性が大きい負荷条件である。この張力分布図に示すように、2つの走行駆動源5a,5bを等分割点に配置したときの張力分布は、図4に示した等駆動力配分したときの張力分布と同様に、駆動スプロケット3の直上のステップチェーン4の張力が負になる可能性があり、特に駆動スプロケット3a直上のステップチェーン4の張力が負になる可能性が大きいことを示している。
【0062】
これに対して、等駆動力配分する複数の走行駆動源5a,5bを本実施形態2により適正に配置すると、この張力分布図内の実線で示すように、駆動スプロケット3aの直上のステップチェーンの4の張力を大きくできる。本実施形態2では、L1を大きくしてL1′とし、その差分をL2が吸収してL2′とし、ステップチェーン4の張力分布を正に保持している。本実施形態2による走行駆動源5a,5bの配置方式を採用したエスカレータの駆動手段は、ステップチェーン4の弛みを防止し、隣接するステップ8同士の衝突を回避するための有効な手段の1つであることが分かる。
【0063】
図7は、複数配置した走行駆動源5a,5bにより等駆動力配分で駆動する場合に、乗客や荷物などの荷重が駆動スプロケット3aから上方スプロケット1までの間のステップ8に存在するときすなわち駆動スプロケット3aの直上のステップチェーンの張力が負になる可能性が大きいときのステップチェーン4の張力分布(実線)と、往路側すべてのステップ8に存在するときすなわち走行駆動源5の駆動力が最大となるときのステップチェーン4の張力分布(点線)とを示している。
【0064】
この張力分布図を用いて、すべての区間においてステップチェーン4の張力が正になる走行駆動源5の配置について説明する。走行駆動源5の配置方法の考え方は、図4に示した実施形態1とほぼ同様である。
【0065】
まず、ステップチェーン4の張力が負になる可能性が最も大きい負荷状況である駆動スプロケット3aから上方スプロケット1までの間のステップ8に乗客や荷物などの荷重が存在するときの走行駆動源5の配置について説明する。
【0066】
すべての区間でステップチェーン4の張力および走行駆動源5の駆動力の関係は、数式12となり、数式12をまとめると数式13となる。例えば、図7に示す張力分布図では、走行駆動源5の数が2である。またWpkは、各区間ごとの乗客や荷物などの荷重の状況に応じてWpまたは0となるため、L1′の区間では、Wp1=0、L2′の区間は、Wp2=Wp、L3′の区間は、Wp3=Wpとなる。
【0067】
【数12】
Figure 0003817684
【0068】
【数13】
Figure 0003817684
【0069】
したがって、数式13は、数式14,数式15となる。ここで、L1′の区間のステップチェーン4の張力を正に保持するには、数式16とならなければならない。そこで、L1′の区間のステップチェーン4の張力を正に保持するためのL1′の範囲は、数式15,数式16をL1′について解くと、求めることができる。
【0070】
【数14】
Figure 0003817684
【0071】
【数15】
Figure 0003817684
【0072】
【数16】
Figure 0003817684
【0073】
また、L2′およびL3′の区間を正に保持するためのL2′の範囲は、数式17,数式18となり、数式17,数式18をL2′について解き、求めることができる。
【0074】
【数17】
Figure 0003817684
【0075】
【数18】
Figure 0003817684
【0076】
次に、最大負荷時すなわち往路側のすべてのステップ8に乗客や荷物などの荷重が存在するときの走行駆動源5の配置について説明する。最大負荷時のときの数式15,数式16は、数式19,数式20となる。L1′の区間のステップチェーン4の張力を正に保持するためのL1′の範囲は、数式19および数式20をL1′について解き、求めることができる。
【0077】
【数19】
Figure 0003817684
【0078】
【数20】
Figure 0003817684
【0079】
また、L2′およびL3′の区間を正に保持するためのL2′の範囲は、数式21,数式22となり、数式21および数式22をL2′について解き、求めることができる。
【0080】
【数21】
Figure 0003817684
【0081】
【数22】
Figure 0003817684
【0082】
なお、ステップチェーン4の張力の最大値を上方スプロケット1の直上のステップチェーン4の張力となるように走行駆動源5および駆動スプロケット3を配置すると、他の機構を設ける必要が無くなり、乗客コンベアの幅方向を省スペース化できる。
【0083】
以上説明した本発明による複数駆動源エスカレータは、蹴込み板7が無いいわゆる動く歩道のように平坦面に設置された複数駆動源乗客コンベアにも適用できる。動く歩道では、本発明による走行駆動源5および駆動スプロケット3とステップチェーン4の弛み防止手段とを用いると、前後のステップ面6の衝突を防止できる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に走行駆動源および駆動スプロケットを配置したので、無端状のステップチェーンに囲まれた領域の外に駆動装置を設置するためのスペースが不要となって、省スペース化できる。
【0085】
また、複数設置した走行駆動源のうちでより上方に設置した走行駆動源の駆動力がより大きくなるように制御する制御手段を設け、ステップチェーンの張力を常に正に保持するので、複数の走行駆動源により駆動されるステップ同士の衝突を防止でき、滑らかな運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数駆動源エスカレータの実施形態1の構成を示す側面図である。
【図2】走行駆動源5aに関連する部分を拡大して示す図である。
【図3】図1および図2に示した複数駆動源エスカレータの実施形態1における制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】複数駆動源エスカレータを等駆動力配分したときと本発明により傾斜駆動力配分したときとのステップチェーン4の張力分布の一例を示す図である。
【図5】傾斜駆動力配分で駆動するときに乗客や荷物などの荷重が駆動スプロケット3aから上方スプロケット1までの間のステップ8に存在するときのステップチェーン4の張力分布(実線)と、乗客や荷物などの荷重が往路側すべてのステップ8に存在するときのステップチェーン4の張力分布(点線)とを示す図である。
【図6】図1ないし図3に示した実施形態1と構成が同様で、制御装置17のPI制御部の積分ゲイン比を1:1とし、等駆動力配分したときの張力分布を示す図である。
【図7】複数配置した走行駆動源5a,5bにより等駆動力配分で駆動する場合に、乗客や荷物などの荷重が駆動スプロケット3aから上方スプロケット1までの間のステップ8に存在するときのステップチェーン4の張力分布(実線)と、往路側すべてのステップ8に存在するときのステップチェーン4の張力分布(点線)とを示す図である。
【図8】従来のエスカレータの構成の一例を示す側面図である。
【図9】図8の従来のエスカレータにおける駆動部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 上方スプロケット
2 下方スプロケット
3 駆動スプロケット
3a 駆動スプロケット
3b 駆動スプロケット
4 ステップチェーン
5 走行駆動源
5a 走行駆動源
5b 走行駆動源
6 ステップ面
7 蹴込み板
8 ステップ
9 駆動ローラ
10 従動ローラ
11 制御装置
12 張力付与装置
13 電動機
14 減速機
15 インバータ
16 検出器
17 制動装置
18 ドライブスプロケット
19 ドライブチェーン
20 ベルト

Claims (3)

  1. 上方スプロケットと、下方スプロケットと、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットと、前記上方スプロケットと前記下方スプロケットとの間に巻き渡され前記駆動スプロケットとは上側循環路のみが噛み合うように配置される無端状のステップチェーンと、前記駆動スプロケットを駆動する複数の走行駆動源と、前記ステップチェーンに連結され循環駆動される複数のステップと、一端を前記下方スプロケットに他端をフレームに固定され前記ステップチェーンに張力を付与する張力付与装置とからなる複数駆動源乗客コンベアにおいて、
    前記無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に前記走行駆動源を設置し、
    前記複数の走行駆動源が、角速度検出器をそれぞれ含み、
    前記角速度検出器で検出された角速度に基づき複数設置した前記走行駆動源のうちでより上方に位置する走行駆動源の駆動力がより大きくなるようにPI制御部の積分ゲイン比を変更し前記走行駆動源の駆動力を決定する制御装置を備えた
    ことを特徴とする複数駆動源乗客コンベア。
  2. 上方スプロケットと、下方スプロケットと、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットと、前記上方スプロケットと前記下方スプロケットとの間に巻き渡され前記駆動スプロケットとは上側循環路のみが噛み合うように配置される無端状のステップチェーンと、前記駆動スプロケットを駆動する複数の走行駆動源と、前記ステップチェーンに連結され循環駆動される複数のステップと、一端を前記下方スプロケットに他端をフレームに固定され前記ステップチェーンに張力を付与する張力付与装置とからなる複数駆動源乗客コンベアにおいて、
    前記無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に前記走行駆動源を設置し、
    前記複数の走行駆動源が、角速度検出器をそれぞれ含み、
    前記角速度検出器で検出された角速度に基づき複数設置した前記走行駆動源のうちでより上方に位置する走行駆動源の駆動力がより大きくなるようにPI制御部の比例ゲイン比と積分ゲイン比とを変更し前記走行駆動源の駆動力を決定する制御装置を備えた
    ことを特徴とする複数駆動源乗客コンベア。
  3. 上方スプロケットと、下方スプロケットと、中間部に複数個設けられた駆動スプロケットと、前記上方スプロケットと前記下方スプロケットとの間に巻き渡され前記駆動スプロケットとは上側循環路のみが噛み合うように配置される無端状のステップチェーンと、前記駆動スプロケットを駆動する複数の走行駆動源と、前記ステップチェーンに連結され循環駆動される複数のステップと、一端を前記下方スプロケットに他端をフレームに固定され前記ステップチェーンに張力を付与する張力付与装置とからなる複数駆動源乗客コンベアにおいて、
    前記無端状のステップチェーンに囲まれた領域内に前記走行駆動源を設置し、
    中間部に複数個設けられた前記駆動スプロケットのうちでより上方に位置する駆動スプロケットの前記ステップへの張力がより大きくなるように駆動スプロケットを位置決めし、
    複数設置した前記走行駆動源をほぼ等駆動力となるように制御する制御装置を備えたことを特徴とする複数駆動源乗客コンベア。
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