JP3817240B2 - エンジンヒートポンプ - Google Patents
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Description
エンジンヒートポンプの室外機を構成する箱体の内部に、ドレンパン(3)を横架し、該ドレンパン(3)により箱体を上下に仕切って、上部を室外熱交換器(10・16)とラジエータ(41)と室外ファン(26・28)を配置した熱交換室(H)とし、下部をエンジン(E)を配置したエンジンルーム(A)とした構成において、該ドレンパン(3)により、熱交換室(H)の内部で発生する結露や水漏れの水分を受けて、該水分が下方のエンジンルーム(A)には至らないように構成し、該ドレンパン(3)の下方のエンジンルーム(A)は防音防水構造とし、該エンジンルーム(A)内に、マルチコンプレッサ(C1・C2)を、平面視で並列にエンジン(E)と対面配置し、該マルチコンプレッサ(C1・C2)の左右の位置に、エンジン(E)よりフレーム(F)を突出し、該フレーム(F・F)の上部間にブラケット(K)を横架し、該ブラケット(K)の下面に、前記マルチコンプレッサ(C1・C2)を吊下げ固定した上で、エンジン(E)のクランクシャフトと、前記マルチコンプレッサ(C1・C2)との間に、Vベルト(23)を巻回したものである。
冷房や暖房時において、結露する可能性や水漏れの発生する室外ファン26・28やラジエータ41は、エンジンルームAの内部に配置せず、上方の熱交換室部分に配置することにより、エンジンルームAの内部へはこの水漏れや結露した水が浸入しないように構成している。
また、エンジンルームAは熱交換器の下で、ドレンパン3により隔離された部分で、しかも、メンテナンスを要する部材を、防水処理を施して配設しているので、耐水性により長寿命化が図れ、電気的性能の劣化もなく、また熱交換器の支柱も無い為に、メンテナンスが容易化されるのである。
また、オイルパン19と接続したフレームFは荷重による変形が少ない。
またコンプレッサCとエンジンEとの芯ズレが発生し難い。
また、従来はエンジンEに鋳物のケースを取り付けて、これにコンプレッサCを固定していたのであるが、この構成ではメンテナンスが困難であり、また構造が複雑となっていた。コストの面も高かったのである。この点を改造することが出来た。
また、コンプレッサCをVベルト23により駆動する場合に、Vベルト23の横引き荷重に耐えるには、この構造が適しているのである。
図1はエンジンヒートポンプの正面断面図、図2は同じく裏面図、図3は同じく左側面断面図、図4は同じく左側面の他の位置の断面図、図5は同じく右側面断面図、図6は同じく平面断面図、図7は同じく平面の他の位置の断面図、図8はエンジンEとコンプレッサの連結部分を示す側面図、同じく図9はエンジンEとコンプレッサの連結部の平面図、図10は同じくエンジンEとコンプレッサの連結部の右側面図、図11はエンジンEとコンプレッサの連結部の平面図、図12はミストレシーバの正面図と正面断面図、図13は冷房時の冷媒の流れを示す冷媒回路図、図14は暖房時の冷媒の流れを示す冷媒回路図、図15はデフロスト時の冷媒の流れを示す冷媒回路図、図16は冷却水の回路図、図17はマフラー9の先端に取り付けたミストレシーバー9bの図面である。
室外機の全体の上部は、室外ファン26・28により排風口としている。そして室外機を構成する箱体の側面部分に、室外熱交換器10・16とラジエータ41の放熱フィン部分を立設し、熱交換室に構成している。更に、箱状の室外機の下部左側をエンジンルームAとし、下部右側には四方弁29やサイドグラス30やアワメータ31を配置している。 また、電磁弁SV3,SV8,SV6や、室外電子膨張弁35も配置されている。また幅が小さくて高さの高いリキッドレシーバー15が室外ファン28の下方まで立設されている。
また、エンジンルームAを構成する為の支柱や、換気ダクト5やエアクリーナ22の取付の為の柱を設けずに、室外機の機枠フレームをそのままこれらの支持フレームとして使用している。
これにより、エンジンルームAを出来るだけ小さくすることが可能である。またエンジンルームA内は防音防水構造とし、騒音の発生する機器を、このエンジンルームA内に収納し、更に吸・排気系統の各通路ゴムホース部分には、耐酸性金属材からなる可撓管を被覆することにより、騒音対策を不要としている。
冷房や暖房時において、結露する可能性や水漏れの発生する室外ファン26・28やラジエータ41は、エンジンルームAの内部に配置せず、上方の熱交換室部分に配置することにより、エンジンルームAの内部へはこの水漏れや結露した水が浸入しないように構成している。
また、エンジンルームAの後面近くにはオイルセパレータ33が配置されている。またエンジンルームAの中央近くの裏側に排気マフラー9が立設されており、上方に熱交換室Hを抜けて排気ダクト9aが突出され、該排気ダクト9aの先端に図17に示すミストレシーバー9bが配置されている。
従来は、ミストセパレータと称するものが排気マフラー9の先端に配置されて、ミストを分離し飛散を阻止していたのであるが、本実施例においては、このミストセパレータに変えて、簡単の椀状で、上方へ延出する壁部を設けたミストレシーバー9bにより代用したのである。
この全高を高さの圧力水頭により、室外熱交換器10・16の凝縮圧力を高めることにより、冷房運転時の高圧側に相当する圧力余裕が必要となるが、本構成では、室外熱交換器10・16が熱交換室Hの部分で室外機の上部に配置されているので、リキッドレシーバー15との間に高さの相違が少なくなり、ドレンパン3の高さの部分だけ、即ち、ドレンパン3からリキッドレシーバー15が突出した部分までの高さだけ圧力水頭を助けることとなり、この分が余裕となるので、本構造が可能となったのである。
また、ドレンパン3の上方の位置には、リザーブタンク45やラジエータ41やリキッドレシーバー15や排気ダクト9aや室外ファン26・28が配置されている。
該部分には、換気ファン8とオイルセパレータ33が配置されており、オイルセパレータ33とマルチコンプレッサC1とC2との間を連結し、冷媒を搬送するフレキシブルパイプ50・51が配置されている。
該フレキシブルパイプ50・51は、エンジンEとの間をVベルト23により連結されて駆動され、常時振動しているマルチコンプレッサC1とC2と、室外機に固定されているオイルセパレータ33との間において、マルチコンプレッサC1とC2の振動を吸収する必要があるので介装されているのである。
これにより、エンジンEの振動に対して、フレキシブルパイプ50・51の振動を小にすることが出来るのである。即ち、エンジンEのクランク軸と直交する方向に配置している。また従来はデッドスペースとなっており、使用されていなかったマルチコンプレッサC1とC2の上部の部分を使用することが出来るようになったのである。
これにより、フレキシブルパイプ50・51をマルチコンプレッサC1とC2の上方に配置し、換気ファン8をコンプレッサCに近づけた位置とし、全体としてエンジンルームAを小さくし、更に室外機全体を小型に構成することが出来たのである。
これにより、同じ熱交換室H内にあるラジエータ41や廃熱回収器34との接続の為にパイプ配管が容易にでき、冷却水ホースの圧力損失が少なくなるのである。またドレンパン3を貫通する冷却パイプが2本だけとなり、ドレンパン3のシール性を向上することが出来る。
エンジンEは、図1に示す如く、防振ゴム20・21により防振支持されている。またエンジンEのオイルパン19の部分より、マルチコンプレッサC1とC2の側にフレームFを突出し、該フレームFが突出した部分の上部に取付ブラケットKを横架し、該取付ブラケットKの下面に複数配置したマルチコンプレッサC1とC2をボルトにより吊り下げ固定している。該エンジンEのクランクシャフトとマルチコンプレッサC1とC2との間には、Vベルト23が巻回されて回転を伝達している。
また、従来はエンジンEに鋳物のケースを取り付けて、これにコンプレッサCを固定していたのであるが、この構成ではメンテナンスが困難であり、また構造が複雑となっていた。コストの面も高かったのである。この点を改造することが出来た。またコンプレッサCをVベルト23により駆動する場合に、Vベルト23の横引き荷重に耐えるにはこの構造が適しているのである。
2台のコンプレッサC1,C2の中で、後から起動する容量制御側コンプレッサC2は、先に起動する常用側コンプレッサC1の作る高低圧力差により起動時、トーションダンパやベアリングに大きな荷重を与えることとなる。
本実施例の如く、常用側コンプレッサC1と容量制御側コンプレッサC2を交互に使用することにより、これらの負荷耐久性を向上させることが出来るのである。
従来は、一方が必ず常用側コンプレッサC1であり、他方が必ず容量制御側コンプレッサC2であったが、本実施例においては、常用側コンプレッサC1と容量制御側コンプレッサC2を特定せず、電磁クラッチD1とD2の切換により、簡単に交互に切換出来るように構成している。
この構成を可能としたので、吸入ポートが別々で、吐出室及び吐出ポートが同一である為に、これが可能である。しかし、片側のコンプレッサCを使用時に、他側に冷却逆流が発生する可能性があるので、逆止弁をそれぞれのポートに設ける必要があり、それぞれのコンプレッサC1とC2に、チェックバルブ58・59を設けている。
また、吸入パイプのレイアウトは、どちらを使用しても、同様に冷媒が流れる必要があるので、本実施例ではヘッダー部分で分岐すべく構成している。
コンプレッサCはマルチコンプレッサC1とC2により構成されており、エンジンEからVベルト23を巻回されて駆動されている。マルチコンプレッサC1とC2により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、オイルセパレータ33を介して四方弁29に入り、該四方弁29を経て、次に廃熱回収器34から室外熱交換器10・16に至り、該室外熱交換器10・16を通過する間に凝縮され、凝縮熱は大気中に放熱される。ここで冷媒は気体から液体に変化する。
マルチコンプレッサC1とC2により圧縮された高温・高圧の冷媒ガスは、オイルセパレータ33から四方弁29をへて室内熱交換器37に入る。該室内熱交換器37において、凝縮され、放熱により室内の空気を暖める。ここで冷媒は気体から液体となる。次に室外機に戻った液体冷媒は、リキッドレシーバー15を経て室外電子膨張弁38で減圧膨張されることにより、蒸発器で蒸発しやすい状態となる。
そして、冷媒は次に室外熱交換器10・16が兼用する蒸発器により、大気中から蒸発熱を奪い、冷媒の一部が液体から気体に変化する。更に室外熱交換器10・16を通過した冷媒は、廃熱回収器34でガスエンジンEの冷却水から熱を奪って、完全に液体から気体に蒸発する。廃熱回収器34を通った冷媒は、四方弁29を経てアキュムレータ39からマルチコンプレッサC1とC2に戻り、上記ヒートポンプサイクルを完成する。
マルチコンプレッサC1とC2により圧縮された高温・高圧のガス状の冷媒は、オイルセパレータ33から四方弁29を通過して室内熱交換器37において凝縮される。この時に、室外電子膨張弁38によって低温・低圧となった冷媒は、電磁弁SV6がONされることにより、マルチコンプレッサC1とC2からの高温・高圧のガス冷媒により昇温・昇圧され、室外熱交換器10・16についた霜を溶かす。
そして、再度冷却水ポンプ40に戻り循環される。前記82°Cのサーモスタット25と60°Cのサーモスタット24の間より廃熱回収器34へ冷却水回路が構成されている。また82°Cのサーモスタット25とラジエータ41の間より、ラジエータフィラキャップ27とリザーブタンク45への冷却水回路が構成されている。該廃熱回収器34により回収した熱を、除霜及び暖房の熱源として採用し、暖房を継続したまま除霜が可能である。
D1,D2 電磁クラッチ
C1,C2 コンプレッサ
H 熱交換室
3 ドレンパン
5 換気ダクト
7 ターミナル板
8 換気ファン
9 マフラー
Claims (1)
- エンジンヒートポンプの室外機を構成する箱体の内部に、ドレンパン(3)を横架し、該ドレンパン(3)により箱体を上下に仕切って、上部を室外熱交換器(10・16)とラジエータ(41)と室外ファン(26・28)を配置した熱交換室(H)とし、下部をエンジン(E)を配置したエンジンルーム(A)とした構成において、
該ドレンパン(3)により、熱交換室(H)の内部で発生する結露や水漏れの水分を受けて、該水分が下方のエンジンルーム(A)には至らないように構成し、
該ドレンパン(3)の下方のエンジンルーム(A)は防音防水構造とし、
該エンジンルーム(A)内にマルチコンプレッサ(C1・C2)を、平面視で並列にエンジン(E)と対面配置し、該マルチコンプレッサ(C1・C2)の左右の位置に、エンジン(E)よりフレーム(F)を突出し、該フレーム(F・F)の上部間にブラケット(K)を横架し、該ブラケット(K)の下面に、前記マルチコンプレッサ(C1・C2)を吊下げ固定した上で、エンジン(E)のクランクシャフトと、前記マルチコンプレッサ(C1・C2)との間に、Vベルト(23)を巻回したことを特徴とするエンジンヒートポンプ。
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