JP3816867B2 - 煙幕生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、泥棒あるいは侵入者などに対して発煙および発音(発火音)により警告または威嚇を行うと同時に、発煙により視界を妨げ、行動を抑止または遅延させて、保護物件を盗むなどの犯罪行為を抑止、防止する煙幕生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、緊急用、救助用、防犯用、防災訓練用、舞台演出用、植物の霜害防止用などに、煙を出す装置が使用されている。
緊急用、救助用としては、信号筒がある(例えば、特許文献1参照)。この信号筒には、発煙剤を点火させ、筒体の一方向から勢いよく発煙することが開示されている。
また、防災訓練用あるいは植物の霜害防止用としては、発煙装置がある(例えば、特許文献2参照)。この発煙装置には、液体を加熱保持し、複数の加熱気化装置から勢いよく発煙することが開示されている。
【0003】
また、防犯用としては、防犯用煙幕装置がある(例えば、特許文献3参照)。この防犯用煙幕装置には、二酸化炭素ガスが充填されているガスタンクを備えたガス噴出器を二重構造とし、このガス噴出器の内筒に配置されるガス短管に多数のガス排出孔を長手方向全長に亘って配設するとともに、外筒の上部に内部に通じるガス噴出スリットを長手方向に延設することにより、高圧ガスを、瞬時かつ均等に広い幕状の煙幕として噴出させることが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−126698号公報
【特許文献2】
特開平6−211587号公報
【特許文献3】
実開平6−25987号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した信号筒のように、噴煙口が一方向であると、噴煙方向が限定され、煙の拡散に対して不利であり、視界を遮断するのに時間を要するという問題があった。
また、上述した発煙装置のように、液体を加熱保持し、複数の加熱気化装置から連続的に発煙する方式は、単位時間当たりの発煙量が少なく、所望の煙量を得るのに時間を要するという問題があった。
【0006】
また、上述した防犯用煙幕装置のように、ガスタンクにガスを高圧状態で保持し、複数のガス排出孔からガス噴出スリットを通して瞬時に広い幕状の煙幕を噴出する方式は、噴出方向が限定され、また、煙が幕状であるため、煙幕の拡散に時間を要するという問題があった。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、加熱装置や蓄圧装置のような装置を必要とせず、瞬時(短時間)に発煙により視界を遮断し、発音により威嚇することが可能な煙幕生成装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、噴煙口の数および噴煙方向の角度により煙幕の拡散性の向上を図ることが可能な煙幕生成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、限られた空間内において、短時間で必要とされる発煙量を発生させることが可能な煙幕生成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、噴煙口からの煙幕の拡散性の向上(ガス煙の噴出の勢いを強くする)および限られた空間内を短時間で濃度差の無い(少ない)視界遮断の状態にすることが可能な煙幕生成装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、保護物体へガス煙を集中させることことが可能な煙幕生成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、点火装置と、前記点火装置により燃焼発煙する発煙剤と、前記発煙剤の燃焼により発生するガス煙を噴出する噴煙口を設け前記発煙剤を収容する燃焼室と前記噴煙口を塞ぐように前記燃焼室内面に設けられ、前記発煙剤が所定の燃焼速度で燃焼が開始できるまで前記燃焼室内の圧力を保持する機械的強度を有した圧力保持部材とを備えたことを特徴とする
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1記載の煙幕生成装置において、前記燃焼室の外周を囲繞し、前記噴煙口から噴出されるガス煙の流路を変更するガス煙流路制御部材をさらに備えていることを特徴とする
【0011】
請求項に係る発明は、請求項記載の煙幕生成装置において、前記ガス煙流路制御部材は、前記燃焼室の外周を囲繞するように該燃焼室に取り付けられる筒状部材と、前記筒状部材の開口端側に向かって拡径するコーン状のスカート部材とを有することを特徴とする
【0012】
請求項4に係る発明は、点火装置と、前記点火装置により燃焼発煙する発煙剤と、前記発煙剤の燃焼により発生するガス煙を噴出する第1の噴煙口を設け、前記発煙剤を収容する燃焼室と、前記第1の噴煙口を塞ぐように前記燃焼室内面に設けられ、前記発煙剤が所定の燃焼速度で燃焼が開始できるまで前記燃焼室内の圧力を保持する機械的強度を有した圧力保持部材と、前記燃焼室に隣接して配置され、前記第1の噴煙口から前記ガス煙が流入する噴出室と、前記噴出室の一側面上に設けられ、前記第1の噴煙口から流入した前記ガス煙を外部へ噴出する第2の噴煙口と、前記第1の噴煙口と前記第2の噴煙口とを連絡する前記噴室の内部空間に前記第1の噴煙口から所定間隔隔てて該第1の噴煙口を囲繞するように配置された仕切部材と、前記仕切部材にて仕切られた複数の小室と、前記第1の噴煙口から前記第2の噴煙口へ前記ガス煙が流入するように前記複数の小室により形成された流路とを備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1ないし図3は、本発明の第一実施形態に係る煙幕生成装置1を示す(請求項に対応する)。
本実施形態に係る煙幕生成装置1は、点火装置2と、この点火装置2により燃焼発煙する発煙剤6と、この発煙剤6を収容する燃焼室10とで構成されている。
【0018】
点火装置2は、点火具3と、この点火具3を囲繞する着火薬ケース4と、この着火薬ケース4内に填薬され、点火具3からのエネルギーを増幅し、発煙剤6に燃焼を伝播させる着火薬5とで構成され、着火薬5からの燃焼炎を発煙剤6に均一に伝播するため、燃焼室10の中央部に設置されている。
点火具3は、通電により発熱する発熱体3aと、この発熱体3aにより発火する点火薬3bを有する。ここでは、点火薬として、トリシネートを使用した。 点火具3は、キャップ7と接合されて着火薬ケース4の開口部に載置されている。
【0019】
着火薬ケース4は、アルミニウム製の一側が開口する有底筒状体であり、点火具3からの火炎により燃焼する着火薬5の火炎が、発煙剤6に対し均一に伝播するように胴部円周上に複数の着火孔4aを設けている。着火孔4aには、防湿と着火薬燃焼時の内圧を保持するため、着火孔4aを塞ぐ形でアルミニウム製テープ4bを貼り付けている。
【0020】
発煙剤6は、酸化亜鉛、過塩素酸アンモニウム、塩化ビニル、炭酸カルシウムの組成物を錠剤状に成形されている。その錠剤状の発煙剤6は、組成比や各組成物の粒度などにより、燃焼速度が5MPaの圧力下において約6,000mm/秒になるように調整されている。また、燃焼終了時間が約0.5秒になるように燃焼室10の噴煙口8a,8bおよび錠剤寸法により設定されている。
【0021】
燃焼室10は、円周側面上に第一噴煙口8aおよび底面上に第二噴煙口8bを設けた有底筒状体のチャンバ8と、中央に点火具3用の貫通孔7aを設けた円盤状のキャップ7とを、キャップ7の外周をチャンバ8の内周に溶接した後、かしめ部により固定することによって密閉されている。チャンバ8は、板厚約1mmのステンレス鋼で形成されている。
【0022】
燃焼室10には、発煙剤6の燃焼速度を制御し、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを塞ぐとともに燃焼室10の気密性を保持するためのノズルクロージャ9a、9bが配置されている。
これにより、ノズルクロージャ9a、9bは、着火薬の燃焼により発生したガス圧を燃焼室内に封じ込め、発煙剤6が所定の燃焼速度で燃焼が開始できるまで燃焼室内の圧力を保持し、発煙剤6を燃焼に導く。
【0023】
また、保持する圧力は各噴煙口(8a,8b)の断面積とノズルクロージャの機械的強度に応じて任意に設定することが可能となる。
ここで、円周側面上に設けた第一噴煙口8aと底面上に設けた第二噴煙口8bとについてさらに詳しく説明する。
本例では、円周側面上に設けた第一噴煙口8aと底面上に設けた第二噴煙口8bとは、約90°の角度で設けてある。
【0024】
第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bは、ともに直径約3mm、口数8個とした。
これにより、燃焼室10の燃焼炎(発煙等)は、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを通過して、約90°の角度で噴出され、煙幕を張る。
煙を広範囲に拡散させるために第一噴煙口8aを円周上に設置し、放射状(360°方向)に煙を噴出する構造としている。
【0025】
また、限定された空間においては、第一噴煙口8aから噴出された煙が、その空間を形成する壁に衝突することになる。そこで、装置がその空間を形成する何れかの壁面に設置された場合、その壁を伝うガスの流れが発生し、それにより煙が空間内に拡散されることになる。
また、同時に第二噴煙口8bをチャンバ8の底面にも設置している。
【0026】
これにより、煙の噴出口が増えるので、第一噴煙口8aの煙と第二噴煙口8bからの煙とで、煙の噴出方向を増やすことができ、煙の拡散性を向上させている。
このように、本実施形態では、円周側面上に設けた第一噴煙口8aおよび底面上に設けた第二噴煙口8bは、煙が装置外へ噴出する最終の出口であるため、通過した後に抵抗をうけることなく、そのまま大気中へ開放される。従って、噴出する煙量が各第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8b毎の総開口面積の比率通りになる。例えば、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bの総開口面積の比率が4:6であれば、総煙量の40%が円周方向に、60%が軸方向に噴出する。
【0027】
なお、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bは、燃焼室10の内圧が5〜6MPaになるようにノズルの開口面積を設定する。また、各噴煙方向の噴煙量の割合を対象となる空間の形状に合わせて、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bの開口面積の比率で制御することが可能である。
次に、本実施形態に係る煙幕生成装置1の作用について説明する。
【0028】
本実施形態に係る煙幕生成装置1は、例えば、金庫室の天井などに設置される。
そして、例えば、強盗などの不法侵入者を異常検知センサが検知すると、煙幕生成装置1に作動信号(発火電流)が送られる。
煙幕生成装置1では、点火具3に一定の電流が流れ、これにより点火薬が発火し、その火炎、衝撃で着火薬5が燃焼する。
【0029】
着火薬5の火炎が、着火薬ケース4の着火孔4aから発煙剤6に伝播し、この燃焼ガス煙により燃焼室10の内圧が上昇する。
そして、燃焼室10の内圧により第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを塞いでいるノズルクロージャ9a、9bが弾性限界に達し、破断する。
また、発煙剤6の燃焼で生成されたガス煙が、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bから噴出される。
【0030】
また、発煙剤6の燃焼により生成されたガス煙が、音速を超える速度で第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを通過するため、発音を伴う。
これにより、金庫室内に視界を遮断する煙幕が拡散する。
なお、ここでは、強盗などの不法侵入者を異常検知センサにより検知する場合について説明したが、警備員が強盗などの不法侵入者を確認した場合には、煙幕生成装置1に連絡する起動スイッチを人手によって投入することにより、同様に操作することが可能である。
【0031】
また、本実施形態では、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを設けた場合について説明したが、何れか一方の噴煙口を閉じ、一側面上だけに噴煙口を設け、ガス煙を一方向から放出することも可能である
また、チャンバ8の底板と側板との境界部位に噴煙口を設け、煙幕生成装置1の下部周縁からガス煙を放出するようにしても良い。
【0032】
(第二実施形態)
図4ないし図6は、本発明の第二実施形態に係る煙幕生成装置20を示す
本実施形態に係る煙幕生成装置20は、点火装置22と、この点火装置22により燃焼発煙する発煙剤26と、この発煙剤26を収容する燃焼室30と、この燃焼室30に隣接して配設された噴出室31とで構成されている。
【0033】
本実施形態に係る煙幕生成装置20は、燃焼室30に隣接して噴出室31を配設し、ガス煙を燃焼室30から放出せず、噴出室31から放出する点で、第一実施形態に係る煙幕生成装置1と相違する。
燃焼室30を構成する板厚約1.5mmのステンレス製の有底のチャンバ28は、燃焼室30に隣接して噴出室31を形成するために、中央に点火具23用の貫通孔27aを設けた円盤状のキャップ27との接合部28xから外方へ突出する有底の覆い部28bと、この覆い部28bからさらに外方へ突出するフランジ部28cを備えている。
【0034】
チャンバ28の側壁には、第一実施形態における第一噴煙口8aに相当する噴煙口28aが設けてある。この噴煙口28aには、発煙剤26の燃焼速度を制御し噴煙口28aを塞ぐとともに燃焼室30の気密性を保持するためのノズルクロージャ29aと、発煙剤26の燃焼後に生成される残渣を捕集するためのフィルタ29bとが重ねて配置されている。
【0035】
これにより、ノズルクロージャ29aは、着火薬の燃焼により発生したガス圧を燃焼室内に封じ込め、発煙剤26が所定の燃焼速度で燃焼が開始できるまで燃焼室内の圧力を保持し、発煙剤26を燃焼に導く。
また、保持する圧力は第一噴煙口28aの断面積とノズルクロージャの機械的強度に応じて任意に設定することが可能となる。
【0036】
なお、燃焼室30は、その内部に、発煙剤26と、この発煙剤26を保持(ガタ取り)するクッション材30aおよび30bが発煙剤26を囲むように上下に配置されており、さらに、容積調整用のスペーサ30cがクッション材30a側に配置してある。
噴出室31は、チャンバ28の覆い部28bとチャンバ28の噴煙口28a側とを囲う筒状の覆い部材32と、燃焼室30の噴煙口28aから所定間隔を隔てて噴煙口28aを囲繞するように配置された筒状の仕切部材33と、この仕切部材33を支持するとともに覆い部材32とともにチャンバ28の覆い部28bに固定される区画部材34とで構成されている。
【0037】
噴出室31には、燃焼室30の噴煙口28aと連絡する第一室31aと、この第一室31に連絡する第二室31bと、この第二室31bに連絡する第三室31cとが形成されている。
ここで、第一室31aは、燃焼室30の噴煙口28aから噴出するガス煙を第二室31bへ導き、第二室31bは、区画部材34の孔34aを介してガス煙を第三室31cへ導き、第三室31cは、側壁上に設けた第一噴煙口32aと底面上に設けた第二噴煙口32bからガス煙を放出する。
【0038】
側壁上に設けた第一噴煙口32aと底面上に設けた第二噴煙口32bとは、 第一実施形態における円周側面上に設けた第一噴煙口8aと底面上に設けた第二噴煙口8bと同様に、両者は約90°の角度で設けてある。
ここで、第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bについて詳述する。
第一噴煙口32aは、煙を広範囲に拡散させるために胴部に設置し、放射状(360°方向)に煙を噴出する構造としている。
【0039】
なお、第一噴煙口32aは、容器強度を勘案し直径を約8mm、口数20個とした。また、限定された空間においては、第一噴煙口32aから噴出された煙が、その空間を形成する壁に衝突することになる。そこで、装置がその空間を形成する何れかの壁面に設置された場合、その壁を伝うガスの流れが発生し、それにより煙が空間内に拡散されることになる。
【0040】
また、同時に第二噴煙口32bを噴出室31の底面にも設置している。
これにより、煙の噴出方向を増やし、第一噴煙口32aからの煙と、第二噴煙口32bからの煙とで、煙方向を変え、煙の拡散性を向上させている。
上述の第一実施形態においては、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを通過したガス煙に対する抵抗体がないため、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bの開口面積比率通りに噴煙量が分配される。
【0041】
これに対し、本実施形態では、燃焼室30内のガス煙が下記のような各抵抗体を通過することにより、第二噴煙口32bの面に対して垂直(第一噴煙口32aの面に対して並行)にガス煙の流路が形成されるため、第二噴煙口32bの方が煙が出易く、第一噴煙口32aの方が煙が出難い。
ここで、ガス煙通過経路は、燃焼室30の噴煙口28a→第一室31a→第二室31b→第三室31c→第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bとなる。
【0042】
従って、後述する実験例5において説明したように、直径8mmの第一噴煙口32aおよび直径6mmの第二噴煙口32bの数が各々20個であった場合、煙量の殆どが第二噴煙口32bから噴出し(軸方向)、第一噴煙口32aからは僅かしか噴出しないという現象が起こる。
また、第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bからの噴煙量比率は、第一噴煙口32aの開口面積を直径8mm、噴煙口数20個に固定し、第二噴煙口32bの開口径を直径6mmとした場合、第二噴煙口32bの噴煙口数を増やすと、第二噴煙口32bからの煙量が第一噴煙口32aより増える関係がある。また、この場合、第二噴煙口32bの数が12個を超えると、煙の殆どが第二噴煙口32bから噴出し第一噴煙口32aからの噴煙は僅かとなる。
【0043】
なお、第二噴煙口32bは、各部品の組み合わせ寸法上、直径を約6mmとした。
燃焼室30の内圧制御は噴煙口28aで行っており、第二噴煙口32bの開口面積は内圧制御に影響しないため、第二噴煙口32bの数は、寸法上許される最大数である約30個まで設置することができ、対象となる空間の形状に合わせて最適な数を設置することが可能である。
【0044】
次に、本実施形態に係る煙幕生成装置20の作用について説明する。
本実施形態に係る煙幕生成装置20は、例えば、金庫室の天井などに設置される。
そして、例えば、強盗などの不法侵入者を異常検知センサが検知すると、煙幕生成装置20に作動信号(発火電流)が送られる。
【0045】
先ず、点火具22に一定の電流が流れることにより点火薬23bが発火し、その火炎、衝撃で着火薬25が燃焼する。
着火薬25の火炎が、着火薬ケース24の着火孔24aから発煙剤26に伝播し、この燃焼ガス煙により燃焼室30の内圧が上昇する。
そして、燃焼室の内圧により噴煙口28aを塞いでいるノズルクロージャ29aが弾性限界に達し破断する。
【0046】
また、発煙剤26の燃焼で生成されたガス煙が、フィルタ29bおよびノズルクロージャ29aから噴煙口28aを通過し、噴出室31の仕切部材33に遮られた第一室31aから第二室31bへ流れ込み、さらに区画部材34の孔34aを通過し第三室31cへ流れ込み、第一噴煙口32aと第二噴煙口32bから煙が噴出される。
【0047】
また、発煙剤26の燃焼により生成されたガス煙が、音速を超える速度で噴煙口28aを通過するため、発音を伴う。
これにより、金庫室内に視界を遮断する煙幕が拡散する。
なお、ここでは、強盗などの不法侵入者を異常検知センサにより検知する場合について説明したが、警備員が強盗などの不法侵入者を確認した場合には、煙幕生成装置20に連絡する起動スイッチを人手によって投入することにより、同様に操作することが可能である。
【0048】
また、本実施形態では、第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bを設けた場合について説明したが、何れか一方の噴煙口を閉じ、一側面上だけに噴煙口を設け、ガス煙を一方向から放出することも可能である(請求項に対応する)。
また、噴出室31の底板と側板との境界部位に噴煙口を設け、煙幕生成装置20の下部周縁からガス煙を放出するようにしても良い。
【0049】
次に、第二実施形態に係る煙幕生成装置20について、種々の実験を行ったのでその結果を示す。
(実験例1)
図7に示すように、幅約5.3m×奥行き約2.1m×高さ約2.3m(約26m3)の部屋50の中央部で天井側から30cmの位置に、本実施形態に係る煙幕生成装置20を設置した。
【0050】
なお、本実験例1の装置の第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bの数は、各々20個および8個である。その際、音圧レベルを測るため音圧測定センサ51を設置した。
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、煙は発煙剤が燃焼し始めてからおよそ1〜2秒で第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bから外へ噴出された。時間と燃焼室内圧の関係は図8に示した通りであり、約0.5秒後には燃焼室内圧が大気圧となり、燃焼室内の圧力が開放されていることが分かる。従って、約0.5秒後には発煙剤の燃焼が終了していると判断できる。
【0051】
また、作動直後、0.2秒後および0.5秒後の発煙状況を図9(A),(B),(C)にそれぞれ示す。
そして、噴出された煙は各噴煙口32a,32bからの発煙量に大きな片寄りがなく、装置の周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。その時の煙の流れは図10に示した通りである。
【0052】
その際、試験作業者がこの拡散された煙幕の中に入り、視界程度および行動の自由程度を確認した。
この試験作業者によって、数十秒後視界が奪われ、行動が抑止される効果を確認できた。
また、発煙剤の燃焼から噴出までに発せられる作動音の音圧レベルは約120〜130dB程度であり、防犯用に使用の際には、煙による威嚇と同時に、音による威嚇も可能となることが分かった。
【0053】
(実験例2)
実験例1と同様にして部屋50の中央に本実施形態に係る煙幕生成装置20を設置した。
ここでは、第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bの数を各々20個および3個とした。
【0054】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、煙は発煙剤が燃焼し始めてからおよそ1〜2秒で噴煙口32a,32bから外へ噴出された。
また、作動直後、0.2秒後および0.5秒後の発煙状況を図11(A),(B),(C)にそれぞれ示す。
【0055】
そして、噴出された煙は第一噴煙口32aからの噴煙量が多くなり、360°の周方向へ噴出するガス量が多いため、周方向への勢いが増し、図12のような流れが発生し、拡散された。
その際、実験例1と同様に視界程度および自由程度を確認した。その結果、数十秒後視界が奪われ、行動が抑止される効果を確認できた。
【0056】
(実験例3)
実験例1と同様にして部屋50の中央に本実施形態に係る煙幕生成装置20を設置した。
ここでは、第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bの数を各々20個および12個とした。
【0057】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、煙は発煙剤が燃焼し始めてからおよそ1〜2秒で噴煙口32a,32bから外へ噴出された。
また、作動直後、0.2秒後および0.5秒後の発煙状況を図13(A),(B),(C)にそれぞれ示す。
【0058】
そして、噴出された煙は第二噴煙口32bからの噴煙量が多くなり、軸方向への噴出するガス量が多いため、図14の様な流れが発生し、拡散された。
その際、実験例1と同様に視界程度および自由程度を確認した。その結果、数十秒後視界が奪われ、行動が抑止される効果を確認できた。
(実験例4)
図15に示すように、実験例1と同じ部屋50において、第一噴煙口32aおよび第二噴煙口32bの数が各々20個および10個の本実施形態に係る煙幕生成装置20を、高さ約1.2mの壁側中央付近に設置した。
【0059】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、煙は発煙剤が燃焼し始めてからおよそ1〜2秒で噴煙口から外へ噴出された。
そして、噴出された煙は第二噴煙口32bからの噴煙量が多くなり、軸方向への噴出するガス量が多いため、図15のような流れが発生し、拡散された。
【0060】
その際、実験例1と同様に視界程度および自由程度を確認した。その結果、数十秒後視界が奪われ、行動が抑止される効果を確認できた。
(実験例5)
図16に示すように、実験例1と同様にして部屋50の中央に本実施形態に係る煙幕生成装置20を設置した。
【0061】
ここでは、第一噴煙口(直径8mm)32aおよび第二噴煙口(直径6mm)32bの数を各20個とした。
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、煙は発煙剤が燃焼し始めてからおよそ1〜2秒で噴煙口32a,32bから外へ噴出された。
【0062】
そして、噴出された煙は第二噴煙口32bからの噴煙量が多くなり、軸方向への噴出するガス煙量が多いため、図17のように発生し拡散された。
その際、実験例1と同様に、視界程度および自由程度を確認した。その結果、数十秒後には完全に視界が奪われ、行動が抑止される効果を確認できた。
(実験例6)
実験例1と同様にして部屋50の中央に本実施形態に係る煙幕生成装置20を設置した。
【0063】
ここで、本実施形態に係る煙幕生成装置20は、直径8mmの第一噴煙口32aおよび直径6mmの第二噴煙口32bの数を各々20個および8個に固定し、噴煙口28aの開口面積を約53mm2〜約275mm2の範囲で変化させ、作動時の音圧レベルを音圧センサで測定した。
その結果を図18に示す。
【0064】
図18から明らかなように、燃焼室30の内圧が2.6〜14.4MPaの範囲で変化し、その時の音圧レベルは、91〜138dBであり、燃焼室30の内圧を上げる(=噴煙口28aの開口面積を小さくする)と、音圧レベルが高くなることが確認できた。
また、表1より、装置の音圧程度が分かり、発音による警告または威嚇をできることが確認できた。
【0065】
【表1】
Figure 0003816867
図19は、本発明の第三実施形態に係る煙幕生成装置40を示す(請求項および請求項に対応する)。
本実施形態に係る煙幕生成装置40は、燃焼室10の外方にガス煙流路制御部材41を設けた点で、第一実施形態に係る煙幕生成装置1とは相違する。
【0066】
ガス煙流路制御部材41は、チャンバ8に溶接44を介して固着されている。ガス煙流路制御部材41は、板厚1.5mmのステンレス製の筒状部材42と、この筒状部材42の内面に取り付けられ、筒状部材42の一方の開口部端43aから他方の開口部端43eに向かって拡径するコーン状のスカート部材43とを有する。スカート部材43の一方の開口部端43aには、チャンバ8に溶接44により固着する際にチャンバ8に当接する壁面43bが形成されている。また、壁面43bの下端部43cと他方の開口部端43eとにコーン形状のスカート部43dが形成されている。
【0067】
次に、本実施形態に係る煙幕生成装置40の作用を説明する。
本実施形態に係る煙幕生成装置1は、例えば、金庫室の天井などに設置される。
そして、例えば、強盗などの不法侵入者を異常検知センサが検知すると、煙幕生成装置1に作動信号(発火電流)が送られる。
【0068】
煙幕生成装置1では、点火具3に一定の電流が流れ、これにより点火薬が発火し、その火炎、衝撃で着火薬5が燃焼する。
着火薬5の火炎が、着火薬ケース4の着火孔4aから発煙剤6に伝播し、この燃焼ガス煙により燃焼室10の内圧が上昇する。
そして、燃焼室10の内圧により第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを塞いでいるノズルクロージャ9a、9bが弾性限界に達し、破断する。
【0069】
また、発煙剤6の燃焼で生成されたガス煙が、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bから噴出される。
そして、第一噴煙口8aから噴出された煙は、ガス煙流路制御部材41のコーン形状のスカート部43dに衝突し、煙幕生成装置40の縦軸方向へ集約されるように勢いよく噴出される。
【0070】
また、発煙剤6の燃焼により生成されたガス煙が、音速を超える速度で第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを通過するため、発音を伴う。
これにより、金庫室内に視界を遮断する煙幕が拡散する。
以上のように、本実施形態に係る煙幕生成装置40によれば、煙幕生成装置1と同様の作用効果を奏することができるとともに、ガス煙流路制御部材41を設けたことによる特有の作用効果を奏することが可能となる。
【0071】
すなわち、第一噴煙口8aから噴出されたガス煙が、煙幕生成装置40の縦軸方向へ再度集約され、噴出勢いの強いガス煙が形成され、煙幕の拡散性(視界遮断時間の短縮、金庫室などの空間部への均一な視界遮断)が向上する。また、煙幕を生成させる金庫室などの空間部の形状によるガス煙の噴出の勢いが弱まるのを防ぐので、空間部の形状による影響を低減することが可能となる。また、ガス煙流路制御部材41のスカート部43dの角度を変えることにより、煙幕の挙動を制御することが可能となる。
【0072】
なお、本実施形態では、第一噴煙口8aおよび第二噴煙口8bを設けた場合について説明したが、何れか一方の噴煙口を閉じ、一側面上だけに噴煙口を設け、ガス煙を一方向から放出することも可能である。
図20ないし図22は、本発明の第四実施形態に係る煙幕生成装置50を示す
【0073】
本実施形態に係る煙幕生成装置50は、フランジ部28cにガス煙流路制御部材51を設け、噴出室31の外周を囲繞した点で、第二実施形態に係る煙幕生成装置20とは相違する。
ガス煙流路制御部材51は、噴出室31の外方に位置するフランジ部28cにボルト54を介して取り付けられる板厚1.5mmのステンレス製の筒状部材52と、この筒状部材52の内面に取り付けられ、筒状部材52の一方の開口部端52aから他方の開口部端52bに向かって拡径するコーン状のスカート部材53とを有する。スカート部材53の一方の開口部端52aには、ボルト54を螺着する4個のねじ穴53aが円周上均等に設けてある。
【0074】
次に、本実施形態に係る煙幕生成装置50の作用について説明する。
本実施形態に係る煙幕生成装置50は、例えば、金庫室の天井などに設置される。
そして、例えば、強盗などの不法侵入者を異常検知センサが検知すると、煙幕生成装置に作動信号(発火電流)が送られる。
【0075】
先ず、点火具22に一定の電流が流れることにより点火薬23bが発火し、その火炎、衝撃で着火薬25が燃焼する。
着火薬25の火炎が、着火薬ケース24の着火孔24aから発煙剤26に伝播し、この燃焼ガス煙により燃焼室30の内圧が上昇する。
そして、燃焼室の内圧により噴煙口28aを塞いでいるノズルクロージャ29aが弾性限界に達し破断する。
【0076】
また、発煙剤26の燃焼で生成されたガス煙が、フィルタ29bおよびノズルクロージャ29aから噴煙口28aを通過し、噴出室31の仕切部材33に遮られた第一室31aから第二室31bへ流れ込み、さらに区画部材34の孔34aを通過し第三室31cへ流れ込み、第一噴煙口32aと第二噴煙口32bから煙が噴出される。
【0077】
そして、第一噴煙口32aから噴出された煙は、ガス煙流路制御部材51に衝突し、煙幕生成装置50の縦軸方向へ集約されるように勢いよく噴出される。
また、発煙剤26の燃焼により生成されたガス煙が、音速を超える速度で噴煙口28aを通過するため、発音を伴う。
これにより、金庫室内に視界を遮断する煙幕が拡散する。
【0078】
次に、第四実施形態に係る煙幕生成装置50について、視界遮断時間に係る実験を行ったもので、その結果を示す。
なお、本実験の視界遮断時間とは、金庫室内(部屋)などの空間部において煙の濃度(視界)差がない状態になるまでの時間をいい、完全に視界遮断するまでの所要時間である。
【0079】
例えば、本実施形態に係る煙幕生成装置50の設置部屋(空間部)のどの位置に居ても煙による視界差(濃度差)が無いという状態である。
本実施形態に係る煙幕生成装置50は、第二実施形態に係る煙幕生成装置20と同様に、図7に示すように、幅約5.3m×奥行約2.1m×高さ約2.3m(容積:約26m3)の部屋の中央部で天井から約30cmの位置に設置された。
【0080】
また、視界遮断時間を測るため、光測定センサを部屋(空間部)の一側壁面とこの一側壁面に交差する他側壁面にそれぞれ、天井から床面までの間4カ所に均等に設置した。
この光測定センサは、図29に示すように、アンプユニット100からの光を投受光する一対の光センサで、煙を発生させた時、その煙の量により光の透過量、つまり受光量が変化することを利用する。
【0081】
言い換えると、一定の光量を投光しているが、光センサ間に煙が存在すると、その光を遮り、受光量が少なくなるので、その受光量がデジタルで画面に表示される。
そして、本実施形態に係る煙幕生成装置50を作動させてから、部屋内における受光量の経時変化を計測し、光センサ101の受光量が同一レベルに達した時間を視界遮断時間とした。
【0082】
(実験例7)
本実験例7の装置は、第一噴煙口32aの直径が8mmで数を20個、第二噴煙口32bの直径が6mmで数を8個とした。
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、ガス煙は発煙剤が燃焼してから1〜2秒で第一噴煙口および第二噴煙口から噴出された。
【0083】
そして、噴出されたガス煙は各噴煙口32a,32bから周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。
作動直後、0.5秒後、3秒後、60秒後、120秒後の発煙状況を図23の(A),(B),(C),(D),(E)にそれぞれ示す。
また、作動直後から約5分後には視界の遮りが同一レベルに達した(視界遮蔽時間)。
【0084】
(実験例8)
本実験例8の装置は、実験例7の煙幕生成装置にスカート部材53の反射角を45°に設定したガス煙流路制御部材51を取り付けた。
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、煙は発煙剤が燃焼してから1〜2秒で第一噴煙口および第二噴煙口から噴出された。
【0085】
そして、噴出された煙は各噴煙口32a,32bから周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。
作動直後、0.5秒後、3秒後、60秒後、120秒後の発煙状況を図24の(A),(B),(C),(D),(E)にそれぞれ示す。
また、作動直後から約2.5分後には視界の遮りが同一レベルに達した(視界遮蔽時間)。
【0086】
(実験例9)
本実験例9の装置(図30に示す煙幕生成装置60に相当する)は、実験例7の煙幕生成装置において、第一噴煙口(直径8mm×20個)32aのみ設けた構成とし、これにスカート部材53の反射角度を45°に設定したガス煙流路制御部材51を取り付けた。
【0087】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、ガス煙は発煙剤が燃焼してから1〜2秒で第一噴煙口32aから噴出された。
そして、噴出されたガス煙は各噴煙口32aから周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。
【0088】
作動直後、0.5秒後、3秒後、60秒後、120秒後の発煙状況を図25の(A),(B),(C),(D),(E)にそれぞれ示す。
また、作動直後から約2分後には視界の遮りが同一レベルに達した(視界遮蔽時間)。
(実験例10)
本実験例10の装置は、実験例9の煙幕生成装置において、スカート部材53の反射角度を32°に設定したガス煙流路制御部材51を取り付けた。
【0089】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、ガス煙は発煙剤が燃焼してから1〜2秒で第一噴煙口32aから噴出された。
そして、噴出されたガス煙は各噴煙口32aから周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。
【0090】
作動直後、0.5秒後、3秒後、60秒後、120秒後の発煙状況を図26の(A),(B),(C),(D),(E)にそれぞれ示す。
また、作動直後から約3分後には視界の遮りが同一レベルに達した(視界遮蔽時間)。
(実験例11)
本実験例11の装置は、実験例9の煙幕生成装置において、スカート部材53の反射角度を28°に設定したガス煙流路制御部材51を取り付けた。
【0091】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、ガス煙は発煙剤が燃焼してから1〜2秒で第一噴煙口32aから噴出された。
そして、噴出されたガス煙は各噴煙口32aから周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。
【0092】
作動直後、0.5秒後、3秒後、60秒後、120秒後の発煙状況を図27の(A),(B),(C),(D),(E)にそれぞれ示す。
また、作動直後から約3分後には視界の遮りが同一レベルに達した(視界遮蔽時間)。
(実験例12)
本実験例12の装置は、実験例9の煙幕生成装置において、スカート部材53の反射角度を23°に設定したガス煙流路制御部材51を取り付けた。
【0093】
次に、遠隔操作により点火具に通電し、装置を作動させた。
これにより、発煙剤の燃焼は約0.5秒で終了し、ガス煙は発煙剤が燃焼してから1〜2秒で第一噴煙口32aから噴出された。
そして、噴出されたガス煙は各噴煙口32aから周囲に万遍なく拡散し、数十秒間で空間全体に拡散された。
【0094】
作動直後、0.5秒後、3秒後、60秒後、120秒後の発煙状況を図28の(A),(B),(C),(D),(E)にそれぞれ示す。
また、作動直後から約3.5分後には視界の遮りが同一レベルに達した(視界遮蔽時間)。
(考察)
実験例7〜実験例12から、ガス煙流路制御部材51を取り付けた煙幕生成装置は、煙幕の拡散性効果の向上が高いことが分かる。
【0095】
また、第一噴煙口32aのみの構成に固定した場合、ガス煙流路制御部材51のスカート部材53の設定角度により、煙幕の挙動(拡散性)を変化させられることが分かった。
図30は、本発明の第五実施形態に係る煙幕生成装置60を示す
【0096】
本実施形態に係る煙幕生成装置60は、第二噴煙口32bを省いた点で、第四実施形態に係る煙幕生成装置20とは相違する。
本実施形態に係る煙幕生成装置60によれば、噴煙口を円周側面上(曲面部)の一側面にのみに形成した第一噴煙口32aだけとしたので、第一噴煙口32aからのガス煙がガス煙流路制御部材51により集約され、勢いのある煙幕として拡散性向上効果が増し、金庫室内などの空間部のガス煙の濃度(視界)差がない状態が短時間で可能となる。
【0097】
また、ガス煙流路制御部材51に衝突し第一噴煙口32aからのガス煙の方向を変えて集約されるように勢いよく噴出するので金庫室内の保護物件に集中させると共に短時間で金庫室内の視界を遮断できる。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、発煙剤を収容する燃焼室に直接点火装置を配置する構成としたので、作動後、瞬時に発煙を噴煙口から外部へ噴出し煙幕を拡散することができる。
また、発煙剤を収容する燃焼室に直接点火装置を配置するとともに噴煙口をも配置することで、所定発煙量を確保しながら従来より小型化することが可能となった。
【0099】
また、噴煙口を複数設置するとともに、その噴煙口の設置箇所を異なる角度の箇所に複数設置することで、広範囲にガス煙を拡散させ、視界遮断効果を高めることが可能となる。
また、燃焼室を高圧に耐えられる容器に形成し、これにより、燃焼室の内圧を上昇させることができ、発煙剤の燃焼を速めることにより、単位時間当たりの発煙量を増やすことで短時間で必要なガス煙を容器から噴出し終えることが可能となる。
【0100】
また、燃焼室内の発煙剤により燃焼したガス煙の圧力を所定時間保持することで、このガス煙が音速を超える速度で装置外へ噴出されるため、発音が可能となる。
また、ガス煙流路制御部材を配設したので、噴煙口から噴出したガス煙が、煙幕生成装置の縦軸方向へ再度集約され、噴出勢いの強いガス煙が形成され、煙幕の拡散性(視界遮断時間の短縮、金庫室などの空間部への均一な視界遮断)が向上する。
【0101】
また、ガス煙流路制御部材を配設したので、煙幕を生成させる金庫室などの空間部の形状によるガス煙の噴出の勢いが弱まるのを防ぐので、空間部の形状による影響を低減することが可能となる。
また、ガス煙流路制御部材の角度を変えることにより、煙幕の挙動を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る煙幕生成装置の断面図である。
【図2】図1の煙幕生成装置を示す側面図である。
【図3】図1の煙幕生成装置を示す底面図である
【図4】本発明の第二実施形態に係る煙幕生成装置の断面図である。
【図5】図4の煙幕生成装置を示す側面図である。
【図6】図4の煙幕生成装置を示す底面図である
【図7】実験例1の概況図である
【図8】実験例1の燃焼室内圧と燃焼時間の関係図である
【図9】実験例1の発煙状況である
【図10】実験例1のガス煙の流れ図である
【図11】実験例2の発煙状況である
【図12】実験例2ガス煙の流れ図である
【図13】実験例3の発煙状況である
【図14】実験例3のガス煙の流れ図である
【図15】実験例4の発煙状況である
【図16】実験例5の発煙状況である。
【図17】実験例5のガス煙の流れ図である。
【図18】実験例6の燃焼室内圧(ノズル開口面積)と音圧レベルの関係図である。
【図19】本発明の第三実施形態に係る煙幕生成装置の断面図である。
【図20】本発明の第四実施形態に係る煙幕生成装置の断面図である。
【図21】図20の煙幕生成装置を示す底面図である。
【図22】図20の煙幕生成装置を示す側面図である。
【図23】実験例7の発煙状況である。
【図24】実験例8の発煙状況である。
【図25】実験例9の発煙状況である。
【図26】実験例10の発煙状況である。
【図27】実験例11の発煙状況である。
【図28】実験例12の発煙状況である。
【図29】視界遮断時間を計測する光センサ計測器の原理図である。
【図30】本発明の第五実施形態に係る煙幕生成装置の底面図である。
【符号の説明】
1、20、40、50、60 煙幕生成装置
2、22 点火装置
3、23 点火具
4、24 着火薬ケース
5、25 着火薬
6、26 発煙剤
7、27 キャップ
8、28 チャンバ
9a、9b、29a ノズルクロージャ
10、30 燃焼室
31 噴出室
33 仕切部材
34 区画部材
31a 第一室
31b 第二室
31c 第三室
32a 第一噴煙口
32b 第二噴煙口
41、51 ガス煙流路制御部材
42、52 筒状部材
43、53 スカート部材

Claims (4)

  1. 点火装置と、
    前記点火装置により燃焼発煙する発煙剤と、
    前記発煙剤の燃焼により発生するガス煙を噴出する噴煙口を設け、前記発煙剤を収容する燃焼室と、
    前記噴煙口を塞ぐように前記燃焼室内面に設けられ、前記発煙剤が所定の燃焼速度で燃焼が開始できるまで前記燃焼室内の圧力を保持する機械的強度を有した圧力保持部材と
    を備えたことを特徴とする煙幕生成装置。
  2. 請求項1記載の煙幕生成装置において、
    前記燃焼室の外周を囲繞し、前記噴煙口から噴出されるガス煙の流路を変更するガス煙流路制御部材をさらに備えている
    ことを特徴とする煙幕生成装置。
  3. 請求項2記載の煙幕生成装置において、
    前記ガス煙流路制御部材は、前記燃焼室の外周を囲繞するように該燃焼室に取り付けられる筒状部材と、前記筒状部材の開口端側に向かって拡径するコーン状のスカート部材とを有する
    ことを特徴とする煙幕生成装置。
  4. 点火装置と、
    前記点火装置により燃焼発煙する発煙剤と、
    前記発煙剤の燃焼により発生するガス煙を噴出する第1の噴煙口を設け、前記発煙剤を収容する燃焼室と、
    前記第1の噴煙口を塞ぐように前記燃焼室内面に設けられ、前記発煙剤が所定の燃焼速度で燃焼が開始できるまで前記燃焼室内の圧力を保持する機械的強度を有した圧力保持部材と、
    前記燃焼室に隣接して配置され、前記第1の噴煙口から前記ガス煙が流入する噴出室と、
    前記噴出室の一側面上に設けられ、前記第1の噴煙口から流入した前記ガス煙を外部へ噴出する第2の噴煙口と、
    前記第1の噴煙口と前記第2の噴煙口とを連絡する前記噴室の内部空間に前記第1の噴煙口から所定間隔隔てて該第1の噴煙口を囲繞するように配置された仕切部材と、
    前記仕切部材にて仕切られた複数の小室と、
    前記第1の噴煙口から前記第2の噴煙口へ前記ガス煙が流入するように前記複数の小室により形成された流路と
    を備えたことを特徴とする煙幕生成装置。
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