JP3816754B2 - グレー系色複合皮膜を有するアルミニウム材及びアルミニウム合金材並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グレー系色複合皮膜を有するアルミニウム材及びアルミニウム合金材並びにその製造方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウム材及びアルミニウム合金材に、耐食性、耐候性、装飾性を損なうことなく、電解着色と電着塗装により低彩度の暖色系グレー色を有する陽極酸化塗装複合皮膜を生成させる電着塗装方法及び電着塗装物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム材及びアルミニウム合金材の着色方法には、合金発色法、電解発色法、二次電解着色法、三次電解着色法、染色法、塗装法等があるが、耐食性や耐候性等の性能面やコスト面、さらには製造上の安定性等の問題から、一般的には二次電解着色法が使用されている。しかしながら、二次電解着色法による着色はアンバー色、ブロンズ色、ブラック色等の黄味系統から茶系統の発色に限られ、低彩度のグレー系色の発色は困難である。ところが、近年では、建材あるいはエクステリア関係において、落ち着いたグレー系色の商品の要望が高まってきており、低コストかつ耐食性や耐候性等の性能面も良好なグレー系色の商品の開発が望まれていた。
【0003】
アルミニウム材及びアルミニウム合金材のグレー系着色法としては、合金組成に発色因子を持たせることにより陽極酸化皮膜生成過程でグレー系に発色させる合金発色法や、陽極酸化皮膜の構造を制御してグレーに発色させる電解発色法、また陽極酸化皮膜生成工程と金属塩による電解着色工程の間にさらに電解工程を行なう三次電解着色法、染色法、静電塗装法、粉体塗装法等が挙げられるが、これらの手法はいずれもコスト面や製造上の安定性や性能面での制約が多く、ポピュラーな手法にはなり得ていない。
【0004】
近年、低コストかつ耐食性や耐候性等の性能面も良好なグレー系色の着色法として、不透明有色電着塗装によるグレー系色着色法、及び二次電解着色による下地色と半透明有色電着塗装との組み合わせによるグレー系色着色法が開発されている。
前者の不透明有色電着塗装による着色は、色の安定性は高いものの、電着塗料そのものの色が固定されてしまい、色替えを行なうには塗料そのものを変更しなくてはならず、汎用性の少ない手法である。
【0005】
一方、後者の二次電解着色による下地色と半透明有色電着塗装の組み合わせによる手法は、例えば特許第2938781号公報には、黒色陽極酸化皮膜の下地と、粒径0.5μm〜10μmの白色顔料を0.01wt%〜0.5wt%含有する電着塗料による白色塗膜の組み合わせにより、青系グレー色の複合皮膜を形成する方法が開示されている。
また、特開平11−106994号公報には、L*値=30以上の陽極酸化皮膜上に、樹脂固形分に対して0.7〜1.2wt%の白色顔料と0.03〜0.08wt%の黒色顔料を含有する半透明の灰色塗料を用いて電着塗装を施すことで、無彩色グレーを得る方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、この様な二次電解着色による下地色と半透明有色電着塗装の組み合わせによる着色方法では、
(1)下地の二次電解着色時における諸条件のバラツキに起因する着色度あるいは色調のバラツキ
(2)半透明有色電着塗膜の膜厚や顔料濃度のバラツキに起因する塗膜の透明感や色調のバラツキ
が発生し、それらが相乗しあうことで複合皮膜の表面色がさらに大きくバラツキを生じる為、色の安定性という面では非常に管理が困難な着色法であるといえる。
【0007】
また、上記特許第2938781号公報及び特開平11−106994号公報においては、下地がブラック色や濃ブロンズ色の場合、色調が青系の寒色系に固定されてしまい、本発明で求める暖色系グレー色とはなりえない。
さらに、この様な二次電解着色による下地色と半透明有色電着塗装の組み合わせによる着色方法であっても、塗膜にキズが付いた場合、不透明有色電着塗装によるグレー着色の場合と同様に、仮にそのキズが微小面積であっても全く異なる色調の陽極酸化皮膜下地が現われ、一般の複合皮膜商品よりもキズが目立ち易くなるという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルミニウム材及びアルミニウム合金材の陽極酸化塗装複合皮膜における前述したような従来の問題を解決すべくなされたものであり、実際の製造時に生じると予想される程度の下地の着色のバラツキや塗膜厚のバラツキではほとんど影響を受けず、かつ製品色のバリエーションを持つことが可能であり、さらには塗膜キズが目立ち難い低彩度の暖色系グレー色の陽極酸化塗装複合皮膜を有するアルミニウム材及びアルミニウム合金材並びにその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば、L * a * b * 表色系(CIE 1976)(JIS Z8729)で表わされるL * 値が22〜50のブラック〜ブロンズ色に着色した陽極酸化皮膜と、該陽極酸化皮膜上に成膜され、粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.15wt%〜0.5wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有する茶褐色の半透明塗料を用いて生成された茶褐色の半透明塗膜とからなる、L * 値が33以上、a * 値が0以上、b * 値が3以下の低彩度の暖色系グレー色複合皮膜を有することを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材が提供される。
好適な態様によれば、着色した陽極酸化皮膜は、複合皮膜表面色との色差がΔE*abで8以下で、かつ彩度の差がΔCで4以下である。
【0010】
さらに本発明によれば、アルミニウム材又はアルミニウム合金材に、陽極酸化皮膜を形成させ、電解着色法によりL * 値が22〜50のブラック〜ブロンズ色に着色し、しかる後、粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.15wt%〜0.5wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有する茶褐色の半透明塗料を用いて電着塗装を施すことを特徴とする、L * 値が33以上、a * 値が0以上、b * 値が3以下の低彩度の暖色系グレー色複合皮膜を有するアルミニウム材又はアルミニウム合金材の製造方法が提供される。
好適な態様においては、電解着色法により着色した陽極酸化皮膜と複合皮膜表面色との色差がΔE*abで8以下で、かつ彩度の差がΔCで4以下となるように調整される。
【0011】
本明細書で言うところの低彩度の暖色系グレー色とは、L*a*b*表色系(CIE 1976)(JIS Z8729)の内の明度を示すL*値が33以上であり、また彩度を示すa*値、b*値(a*値がプラスの場合は赤味方向、マイナスの場合は緑味方向、b*値がプラスの場合は黄味方向、マイナスの場合は青味方向の色調)がそれぞれ0以上、3以下の色調のものを言う。
また、本明細書で言うところのブラック〜ブロンズ色とは、22〜50のL*値を有する濃さを指す。
【0012】
さらに、本明細書でいうところの色差ΔE*ab(CIE 1976)(JIS Z8729)及び彩度差ΔCは、電解着色された陽極酸化皮膜の測色値と、さらに本発明の製造方法に従って電着塗装を施した複合皮膜の表面色の測色値をL*a*b*表色系(CIE 1976)(JIS Z8729)で表わしたとき、以下の式で表わすものとする。
すなわち、電解着色された陽極酸化皮膜の測色値をL1、a1、b1、複合皮膜の表面色の測色値をL2、a2、b2とすると、
色差ΔE*ab=[(L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2]1/2
彩度差ΔC=[(a1−a2)2+(b1−b2)2]1/2
で表わされる。
但し、彩度差については、一般的に用いられる「CIE 1976」あるいは「JIS Z8729」で定めるところのΔC*ab=(a1 2+b1 2)1/2−(a2 2+b2 2)1/2では色相の違いが数値として現われないため、本明細書では彩度差をΔC=[(a1−a2)2+(b1−b2)2]1/2として表わすものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記した課題を解決すべく鋭意研究の結果、ブラック〜ブロンズ色に着色された陽極酸化皮膜と、その上に成膜された茶褐色半透明に調整された塗膜との組合わせによって、低彩度の暖色系グレー色の陽極酸化塗装複合皮膜が得られること、このような組合わせの場合、生産上起こり得る電解着色の着色度や色調のバラツキの影響をほとんど受けず、しかも電解着色の着色度を変化させることで商品として色のバリエーションをもつことが可能であることを見出した。また、下地のブラック〜ブロンズ色に着色された陽極酸化皮膜上に茶褐色半透明の塗膜が成膜されている場合、特に着色陽極酸化皮膜の複合皮膜表面色との色差がΔE*abで8以下で、かつ彩度の差がΔCで4以下である場合には、塗膜にキズが付いても目立ち難くなるということも見出した。さらに、このような茶褐色半透明の塗膜は、粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.15wt%〜0.5wt%、粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有する茶褐色系の半透明塗料を用いることによって成膜できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
以下、本発明の方法について詳しく説明すると、まず、アルミニウム材及びアルミニウム合金材に陽極酸化皮膜を形成させる方法、さらにその陽極酸化皮膜をブラック〜ブロンズ色に着色する処理方法については、前記した特定の顔料を含有する塗料を用いることを除けば、一般的な既知の方法により実施できる。
すなわち、陽極酸化皮膜を形成させる工程においては、その電解液に硫酸、燐酸、クロム酸、蓚酸等の無機酸や有機酸、あるいはそれらの混酸を使用することができる。その電解液中において、アルミニウム材又はアルミニウム合金材を陽極とし、直流電流、パルス電流、交直重畳電流、あるいは交流電流等を通電することで、6μm〜30μmのポーラスな陽極酸化皮膜を形成させる。
【0015】
次に、陽極酸化皮膜下地の着色においては、二次電解着色法、三次電解着色法、電解発色法、合金発色法、染色法等、多岐にわたる着色法が適用できるが、経済性や生産の安定性等を考慮すると、好ましくは一般的な二次電解着色法が有効である。この二次電解着色法においては、ニッケル塩、スズ塩、コバルト塩、等の金属塩や各種有機酸、硫黄化合物等を含む電解着色液中で、前述の陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム材又はアルミニウム合金材に交流電流、直流電流、交直重畳電流、パルス電流等を通電することでブラック〜ブロンズ色に着色を行なう。
【0016】
しかる後、前述したような電着塗料、すなわち粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.15wt%〜0.5wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有する茶褐色系の半透明塗料を用い、前述の着色陽極酸化皮膜上に半透明の電着塗膜を5μm〜30μm形成することで、低彩度の暖色系グレー色に発色させる。
【0017】
本発明において、この茶褐色系の半透明塗料に使用されるベースとなる電着塗料は、アルミニウム材及びアルミニウム合金材上の陽極酸化皮膜上に電着塗装できるタイプの塗料であれば特に限定されることはなく、一般的なアクリルメラミン樹脂をはじめ、エポキシエステル樹脂系、ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂系等の、透明系あるいは半透明系の艶有り塗料もしくは艶消し塗料を用いることができる。
【0018】
このベース塗料中に、粒径0.1μm以上、0.5μm未満に調整された白色顔料(二酸化チタン、鉛白、亜鉛華、酸化ジルコニウム等の1種又は2種以上)を0.15wt%〜0.5wt%、粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%添加して茶褐色系の半透明塗料に調製して使用する。
【0019】
ここで白色顔料は、粒径が0.5μm以上のものを使用した場合、顔料分の凝集による沈降が発生し易く、液の安定性を保つことが難しくなるため、顔料の粒径を0.5μm未満に調整する必要がある。同様の理由から、黒顔料及び波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料についても、0.5μm以下に調整する必要がある。なお、白色顔料の粒径は、好ましくは0.2μm〜0.4μmに調整することが望ましい。
【0020】
また、白色顔料の濃度が、下限値の0.15wt%を下回った場合、塗膜隠蔽性が極端に低くなり、下地である着色陽極酸化皮膜の色の影響が強く現われてしまい、電解着色の着色度や色調のバラツキがそのまま複合皮膜色のバラツキとして生じる。このような低濃度で前述の効果を得ようとした場合、その隠蔽性を確保する為に、極端な塗膜厚を形成させなくてはならず、塗膜の安定性、さらには経済性でも問題が生じる。またこの場合、後述する調色用顔料(本明細書においては、黒顔料及び波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料の意)で隠蔽性を確保しようとすると、調色用顔料を必要以上に添加しなくてはならず、本発明で求めるL*値が33以上の低彩度暖色系グレー色とはならない。一方、上限値0.5wt%を超えた場合、塗膜の耐候性がやや劣る傾向にあり、さらには、隠蔽性が高くなりすぎて不透明塗膜に近くなるため、下地の電解着色の着色度を極端に変化させても複合皮膜としての発色に変化を生じさせることができなくなり、商品として色のバリエーションを得ることができなくなる。本発明では、以上のことを考慮し、白色顔料濃度は0.15wt%〜0.5wt%に、好ましくは0.18wt%〜0.3wt%に調整する。
【0021】
調色用顔料については、粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%添加し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%添加する。本発明においては、調色用顔料として、黒顔料であれば例えばカーボンブラックや鉄黒等、また波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料としては、例えば黄顔料であれば黄酸化鉄、亜鉛黄、イソインドレノン等、赤顔料であれば鉛丹、ベンガラ、キナクリドン等の無機系顔料、有機系顔料を、それぞれ単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0022】
また、調色用顔料の濃度は、前記下限値を下回った場合、その顔料による発色がほとんど感知できない、あるいは測定結果に現われず、添加の効果が著しく低くなる。一方、前記上限値を超えた場合、その調色用顔料による発色が強く、明度が低くなりすぎてブラック色になったり、あるいは特定の色味が強調され、彩度が高くなりすぎてグレー系色とは質感を異にするようになる。本発明では、以上のことを考慮し、添加する粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料の濃度を0.01wt%〜0.3wt%、好ましくは0.02wt%〜0.1wt%に調整し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料の濃度を0.01wt%〜0.3wt%、好ましくは0.02wt%〜0.2wt%に調整する。
【0023】
上述のように茶褐色半透明に調整された電着塗料を、ブラック〜ブロンズ色に着色された陽極酸化皮膜と組み合わせることで、生産上起こり得る電解着色の着色度や色調のバラツキの影響をほとんど受けず、しかしながら電解着色の着色度を極端に変化させることで商品として色のバリエーションをもつことが可能な、低彩度の暖色系グレー色の陽極酸化塗装複合皮膜を得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
【0025】
実施例1
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、低彩度のグレー発色複合皮膜が得られた。
【0026】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=34.9、a*値=0.5、b*値=1.3
下地色:L*値=29.2、a*値=2.8、b*値=3.6
製品表面色はa*値、b*値が共に0〜3の間にあり、低彩度の暖色系グレー色となった。また、このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=6.5、彩度差はΔC=3.3となり、塗膜キズにより下地の着色酸化皮膜が露出した場合でも目立ち難くなっている。
【0027】
実施例2
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を7分通電し、L*値=約33の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、暖色系のグレー発色複合皮膜が得られた。
【0028】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=35.0、a*値=0.5、b*値=1.4
下地色:L*値=33.1、a*値=3.9、b*値=6.7
サンプルの測色値は実施例1とほとんど同じとなり、下地の電解着色において製造上起こり得る多少のバラツキが生じても製品の表面色にはほとんど影響を与えないことがわかる。また、このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=6.6、彩度差はΔC=6.3となり、塗膜キズにより下地の着色酸化皮膜が露出した場合に若干目立ち易くなった。
【0029】
実施例3
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、190Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に17μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、暖色系のグレー発色複合皮膜が得られた。
【0030】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=35.2、a*値=0.6、b*値=1.4
下地色:L*値=29.1、a*値=2.7、b*値=3.5
サンプルの測色値は実施例1とほとんど同じとなり、塗膜厚において製造上起こり得るバラツキが生じても製品の表面色にはほとんど影響を与えないことがわかる。また、このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=6.8、彩度差はΔC=3.0となり、塗膜キズにより下地の着色酸化皮膜が露出した場合でも目立ち難くなっている。
【0031】
実施例4
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で16Vの交流電圧を6分通電し、L*値=約50のブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、低彩度のグレー発色複合皮膜が得られた。
【0032】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=38.5、a*値=1.9、b*値=2.9
下地色:L*値=49.7、a*値=3.5、b*値=15.1
半透明電着塗膜の為、下地の着色度を極端に変えることにより、彩度がやや高くなるが、a*値、b*値の絶対値が共に0〜3の間にある暖色系のグレー色となり、また明度が上がることで実施例1と比較し商品としてあきらかに違う色のバリエーションとして認識できる色調となった。このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=16.7、彩度差はΔC=12.3となり、塗膜キズにより下地の着色酸化皮膜が露出した場合、目立ち易くなった。
【0033】
実施例5
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を12分通電し、L*値=約22のブラックの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、低彩度のグレー発色複合皮膜が得られた。
【0034】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=34.6、a*値=0.4、b*値=1.1
下地色:L*値=22.2、a*値=0.1、b*値=0.2
サンプルの測色値は実施例1とほとんど同じとなり、下地の電解着色がブラック色まで着色された場合でも製品の表面色にはほとんど影響を与えないことがわかる。このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=12.4、彩度差はΔC=0.9となり、塗膜キズにより下地の着色酸化皮膜が露出した場合、若干目立ち易くなった。
【0035】
実施例6
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.05wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、低彩度の暖色系グレー発色複合皮膜が得られた。
【0036】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=33.2、a*値=0.7、b*値=2.1
下地色:L*値=28.8、a*値=2.7、b*値=3.5
製品表面色はa*値、b*値が共に0〜3の間にあり、低彩度の暖色系グレー色となった。また、このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=5.0、彩度差はΔC=2.4となり、塗膜キズにより下地の着色酸化皮膜が露出した場合でも目立ち難くなっている。
【0037】
比較例1
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.05wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行なった。
【0038】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=27.1、a*値=2.0、b*値=3.8
下地色:L*値=28.9、a*値=2.7、b*値=3.5
電着塗料中の白色顔料の濃度が本発明で規定する範囲よりも低いため、塗膜の隠蔽力が低く、下地色である濃ブロンズ色と褐色の電着塗膜が相乗され、さらに濃く褐色感が強い色調となり、グレー色とはならなかった。
【0039】
比較例2
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を2wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行なった。
【0040】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=23.7、a*値=0.6、b*値=0.8
下地色:L*値=28.9、a*値=2.6、b*値=3.5
電着塗料中の黒顔料の濃度が本発明で規定する範囲よりも高いため、a*値、b*値が共にほぼ0に近いが、ほとんどブラック色となり、グレー色とは言えない色調となった。
【0041】
比較例3
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmで光線反射率のピークが波長470nmに存在する青顔料(フタロシアニンブルー)を0.01wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行なった。
【0042】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=35.2、a*値=−1.0、b*値=−6.2
下地色:L*値=29.0、a*値=2.7、b*値=3.4
電着塗料中に添加した調色用顔料が、光線反射率のピークが波長470nmに存在する青顔料(フタロシアニンブルー)であるため、青味が強い色調となり、低彩度のグレー色とはならなかった。このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=12.0、彩度差はΔC=10.3となり、塗膜キズにより下地の酸化皮膜が露出した場合、非常に目立ち易くなった。
【0043】
比較例4
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で18Vの交流電圧を8分通電し、L*値=約29の濃ブロンズの着色皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、低彩度のグレー発色複合皮膜が得られた。
【0044】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=34.4、a*値=0.1、b*値=−2.0
下地色:L*値=29.0、a*値=2.7、b*値=3.6
電着塗料中に調色用顔料が添加されていないため、低彩度ではあるがb*値がマイナス値(青味方向)であり、本発明で求めるところの暖色系グレー色とはならず、寒色系のグレー色となった。
【0045】
比較例5
常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアルミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成させ、L*値=約86のシルバー皮膜を得た。次に、樹脂固形分9%、粒径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.2wt%、粒径が0.05μmの黒顔料(カーボンブラック)を0.02wt%、粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を0.04wt%、粒径が0.3μmの赤顔料(ベンガラ)を0.03wt%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、170Vの直流電圧を120秒通電し、その表面に13μmの塗膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行なった。
【0046】
このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR-200で測色した結果を以下に記す。
製品表面色:L*値=44.5、a*値=3.1、b*値=6.9
下地色:L*値=86.2、a*値=−0.1、b*値=0.2
下地をシルバー皮膜とすることで製品色のバリエーションを増やすことは可能となるが、複合皮膜の色調は塗膜そのものの茶褐色系の色調となり、低彩度のグレーにはなっていなかった。このときの製品表面色と下地色との色差はΔE*ab=42.5、彩度差はΔC=7.4となり、塗膜キズにより下地の酸化皮膜が露出した場合、非常に目立ち易くなった。
【0047】
前記実施例1〜6の処理条件及び結果を表1に、また、比較例1〜5の処理条件及び結果を表2にまとめて示す。
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の方法によれば、ブラック〜ブロンズ色に着色された陽極酸化皮膜と、その上に成膜された茶褐色半透明に調整された塗膜との組合わせによって、低彩度の暖色系グレー色の陽極酸化塗装複合皮膜が得られる。このような組合わせの場合、生産上起こり得る電解着色の着色度や色調のバラツキの影響をほとんど受けず、しかも電解着色の着色度を変化させることで商品として色のバリエーションをもつことが可能である、という効果が得られる。また、着色した陽極酸化皮膜の複合皮膜表面色との色差がΔE*abで8以下で、かつ彩度の差がΔCで4以下である場合、塗膜にキズが付いても、キズが目立ち難くなるという利点が得られる。
Claims (4)
- L * a * b * 表色系(CIE 1976)(JIS Z8729)で表わされるL * 値が22〜50のブラック〜ブロンズ色に着色した陽極酸化皮膜と、該陽極酸化皮膜上に成膜され、粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.15wt%〜0.5wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有する茶褐色の半透明塗料を用いて生成された茶褐色の半透明塗膜とからなる、L * 値が33以上、a * 値が0以上、b * 値が3以下の低彩度の暖色系グレー色複合皮膜を有することを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
- 前記着色した陽極酸化皮膜は、複合皮膜表面色との色差がΔE*abで8以下で、かつ彩度の差がΔCで4以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
- アルミニウム材又はアルミニウム合金材に、陽極酸化皮膜を形成させ、電解着色法によりL * a * b * 表色系(CIE 1976)(JIS Z8729)で表わされるL * 値が22〜50のブラック〜ブロンズ色に着色し、しかる後、粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.15wt%〜0.5wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmの黒顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.01wt%〜0.3wt%含有する茶褐色の半透明塗料を用いて電着塗装を施すことを特徴とする、L * 値が33以上、a * 値が0以上、b * 値が3以下の低彩度の暖色系グレー色複合皮膜を有するアルミニウム材又はアルミニウム合金材の製造方法。
- 前記電解着色法により着色した陽極酸化皮膜は、複合皮膜表面色との色差がΔE*abで8以下で、かつ彩度の差がΔCで4以下であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
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