JP3815765B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多層プリント配線板の製造方法に関し、特に、多層プリント配線板の製造時におけるレーザによるバイアホール形成を容易にし、かつメッキ銅(銅層)から形成される外層回路と、この外層回路と内層回路間に存在する絶縁樹脂(熱硬化性絶縁樹脂)との密着性が改善された多層プリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、軽量化、高性能化の要求に応えるために、多層プリント配線板は回路幅の縮小とバイアホールの小径化が求められている。直径200μm以下の穴開けは機械的なドリル加工では困難であり、このため最近、レーザが広く用いられるようになってきた。
【0003】
各種のレーザの中でも特に炭酸ガスレーザはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の有機物に高速で穴開けすることができ、プリント配線用として工業的にもっとも多く用いられるようになったが、銅表面はレーザビームを反射するため、厚膜の銅箔の穴開けは困難である。そのため、特開平4−3676号公報に開示されるように、あらかじめバイアホール径と同じ大きさの穴の部分だけエッチング法で銅箔を除去しておき、次いで同じ位置にレーザビームを照射して穴開けする必要がある。この際用いられるレーザビームの直径は、バイアホールの直径より大である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常の樹脂付き銅箔を内層樹脂基板の両面に張り合わせた多層板に窓開けエッチングを行い、次いでレーザビームを照射して穴開けする方法では、銅箔の厚みの上にメッキを施さなければならないので、外層銅層の厚みは本来の銅箔の厚さとメッキ銅の厚さの合計になってしまい、回路形成のためのエッチングでファインな回路を得ることは容易ではない。また、内層回路の位置に合わせて外層回路の穴部分をエッチングするには、位置合わせに特別な高い精度が要求され容易ではない。
【0005】
一方、内層回路が形成された内層絶縁樹脂基板の両面に絶縁性樹脂をコーティングし、レーザで穴開けした後に樹脂表面に直接銅メッキをかけて外層銅層を形成する方法もある。この場合には、銅層のみが付与される。そしてこのような場合、銅層と絶縁樹脂をコーティングして形成した絶縁樹脂との密着強度を得るためには絶縁樹脂の表面粗化を施さなければならず、さらに絶縁樹脂の表面粗化を施しても絶縁樹脂との密着強度が不十分であることが多い。
【0006】
本発明は、これら従来技術の問題点を解決し、多層プリント配線板の製造時におけるレーザによるバイアホール形成を容易にし、かつ外層回路と絶縁樹脂との密着性が改善された多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来技術の問題点について鋭意研究を重ねた結果、銅箔の表面に通常の酸性エッチング液には溶解するが、アルカリ性エッチング液には溶解しないアルカリ難溶性金属を電着させることにより、上記従来技術の問題点を解決し、多層プリント配線板のレーザによるバイアホール形成を容易にし、かつ外層回路と絶縁樹脂の密着性を改善した多層プリント配線板が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、銅箔の表面に、酸エッチング液に可溶であるアルカリ難溶性金属を電着させた後、その表面に熱硬化性樹脂を塗布し、該熱硬化性樹脂を加熱により半硬化状態にして複合銅箔を形成し、該複合銅箔の樹脂側を接着面として、片面または両面に内層回路を有する内層樹脂基板の片面または両面に配置した後加熱成型して積層し、アルカリエッチングにより前記アルカリ難溶性金属層を選択的に残して表面の銅箔を除去し、次いで炭酸ガスレーザビームを照射して前記アルカリ難溶性金属層と前記熱硬化性樹脂層を同時に穴開けした後、無電解メッキ後に電解メッキをするかあるいは無電解メッキをすることにより銅層を形成して、内層回路と接続された外層回路を形成することを特徴とするものである。
【0009】
アルカリ難溶性金属が電着される銅箔表面としては、1)光沢面、2)マット面、3)粗面化された光沢面あるいは4)粗面化されたマット面が用いられる。
【0010】
このような方法によれば、レーザビームによって多層プリント配線板にバイアホールを容易に形成することができ、また銅層から形成される外層回路と、この外層回路と内層回路間に存在する絶縁樹脂との間の接着力を向上させることができる。
【0011】
【発明を実施するための形態】
以下、本発明の多層プリント配線板の製造方法について図1〜2を用いてさらに詳しく説明する。
【0012】
銅箔としては、電解銅箔でも圧延銅箔でも使用できるが、以下電解銅箔を用いた場合について説明する。
【0013】
図1は、本発明のうちパネルメッキ法による多層プリント配線板の製造工程を示す図である。図2は、本発明のうちパターンメッキ法による多層プリント配線板の製造工程を示す図である。これらの図1〜2において、1は銅箔、2はアルカリ難溶性金属、3は熱硬化性絶縁樹脂、4は内層回路、5は内層樹脂層、6はバイアホール、7は外層銅層、8は外層回路、9はレジストパターンおよび10はパッドを示す。
【0014】
本発明の多層プリント配線板の製造においては、まず、銅箔1の表面(光沢面、マット面、粗面化された光沢面あるいは粗面化されたマット面)上にアルカリ難溶性金属2を電着させる。このアルカリ難溶性金属2が電着される銅箔面の粗度(Rz)は、0.5〜15μm、好ましくは2.5〜15μmの範囲が望ましい。この銅箔面の粗度が0.5μmより小さいと、アルカリ難溶性金属と熱硬化性樹脂との接着強度が不足するという点で好ましくなく、15μmより大きいとエッチングに長時間を要し、アンダーカット現象を起こしやすいという点で好ましくない。
【0015】
この銅箔の粗化処理は、例えば、銅箔1の光沢面あるいはマット面に、銅10〜20g/L、硫酸30〜100g/L、温度20〜40℃の硫酸銅溶液中で、前記銅箔を陰極として30〜50A/dm2の電流密度で5〜20秒間、銅を片面に電着することにより行うことができる。
【0016】
用いる銅箔1の厚さは、5〜100μmの範囲が好ましい。銅箔が100μmより厚すぎるとエッチングに時間がかかり、生産性に問題が生ずる。一方、銅箔が5μmより薄すぎると、銅箔としての生産が困難である。
【0017】
次に、本発明では銅箔1の表面に通常の酸性エッチング液には溶解するが、アルカリ性エッチング液には溶解しない、アルカリ難溶性金属2を電着させる。本発明ではアルカリ難溶性で酸に可溶な各種金属を使用することができるが、アルカリ難溶性金属2としては、錫、ニッケルおよびコバルト、あるいは錫−亜鉛合金、亜鉛−ニッケル合金および錫−銅合金などの合金が挙げられ、このうち錫、亜鉛−錫合金、亜鉛−ニッケル合金および錫−銅合金からなるグループから選ばれる1種が好ましく、錫および錫−亜鉛合金が耐アルカリエッチング性の点で最も好ましい。このアルカリ難溶性金属層2の形成方法としては、銅箔を陰極として、例えば、錫メッキ浴組成として以下に示す浴中で電解処理を行う。
【0018】
【表1】
Figure 0003815765
【0019】
このアルカリ難溶性金属層2の厚さは、0.005〜3.0μmの範囲が好ましい。このアルカリ難溶性金属層2の厚さが0.005μmより薄いと該アルカリ難溶性金属層と熱硬化性樹脂層との密着強度が弱く、このため該アルカリ難溶性金属層上に形成される外層銅層7と熱硬化性樹脂層3との充分な密着強度が得られず、3.0μmより厚すぎると炭酸ガスレーザによる穴開けが困難となる。
【0020】
また、本発明ではアルカリ難溶性金属層2の外側にクロメート処理、さらにその外側にシランカップリング剤処理を行うと、熱硬化性樹脂3とアルカリ難溶性金属2を介した外層銅層7との接着強度をさらに高めることができる。さらに、銅箔1のアルカリ難溶性金属層2が設けられていない面(たとえばシャイン面)上に亜鉛、錫、ニッケル、クロメートやイミダゾール、アミノトリアゾール、ベンゾトリアゾールなどの防錆処理を施すことができる。
【0021】
次に、このように銅箔の表面に電着されたアルカリ難溶性金属層2の表面に熱硬化性樹脂ワニスを塗布して熱硬化性樹脂3を形成した後、該熱硬化性樹脂を140〜150℃で5〜20分間加熱し、半硬化状態にして、複合銅箔を得る。この熱硬化性樹脂ワニスのベース樹脂としては、エポキシ樹脂(油化シェル(株)製エピコート1001)などを用いることができる。この熱硬化性樹脂3を形成するための熱硬化性樹脂ワニスとしては、エポキシ樹脂に、硬化剤としてジシアンジアミド、硬化促進剤として2E4MZ(四国化成(株)製)、溶剤としてメチルエチルケトンを用いてこれらを適宜混合して得たエポキシ樹脂組成物を用いることができる。この熱硬化性樹脂層としては、熱硬化性樹脂をガラスクロス、アラミドペーパーなどの繊維基材に含浸半硬化させたプリプレグまたは熱硬化性樹脂フィルムを使用してもよい。この半硬化状態の熱硬化性樹脂3の厚さとしては、20〜200μmの範囲が好ましい。この熱硬化性樹脂3の厚さが20μmより薄いと層間絶縁性および充分な密着強度が得られず、また、200μmより厚すぎると小径のバイアホールが形成しにくくなり好ましくない。
【0022】
このように熱硬化樹脂層3を半硬化状態にした樹脂付き複合銅箔を、樹脂側を接着面として、内層回路を有する内層樹脂基板の片面または両面に配置した後、150〜200℃で加熱成型して積層して、内層回路入り多層板を得る(図1(a))。
【0023】
次に、このように積層された内層回路入り多層板をアルカリエッチングによりアルカリ難溶性金属層を選択的に残して表面の銅箔を除去する(図1(b))。このようなアルカリエッチング液としては、例えば、NH4OH200〜250g/L、NH4C1130〜160g/L、Cu150〜160g/Lを含む溶液を用いて、温度40〜50℃で行う。アルカリ難溶性金属2の表面形状は、アルカリ難溶性金属が電着される銅箔面により異なるが、銅箔面としては、銅箔粗化面の使用が好ましい。このような銅箔粗化面にアルカリ難溶性金属を電着すると、アルカリ難溶性金属2の表面は銅箔粗化面の転写となるためレーザビームが吸収されやすい凹凸に富んだ表面となり、レーザ穴開けが容易となる。
【0024】
次いで、表面の銅箔層が除去された図1(b)に示された内層回路入り多層板にレーザビームを照射してアルカリ難溶性金属層2と樹脂層3を同時に穴開けしてバイアホール6を形成して穴開き多層板(a)を製造する(図1(c))。本発明に用いられるレーザの種類は、炭酸ガスレーザである。レーザビームを照射し、穴開け後、必要に応じてデスミア処理を行っても良い。
【0025】
このようにバイアホールが形成された内層回路入り多層板(a)の表面上に、ピロリン酸銅メッキ溶液(奥野製薬(株)製OPC−750無電解銅メッキ溶液)を用いて液温20〜25℃で15〜20分間の無電解メッキを行い、約0.1ミクロンのメッキ層を形成する。このメッキ層はバイアホールの絶縁樹脂層表面にも形成される。さらに、この無電解銅メッキ表面に銅30〜100g/L、硫酸50〜200g/Lを含む溶液を用いて、温度30〜80℃、陰極電流密度10〜100A/dm2で電解メッキを行い、5〜35μmの銅メッキ層7を形成する(図1(d))。この銅メッキ層7はバイアホールの絶縁樹脂層表面にも形成される。絶縁樹脂と強固な接着力を有するアルカリ難溶性金属2上に銅メッキ層7を形成させると、この外層銅層7とアルカリ難溶性金属層2には結合力があるため、外層銅層7を樹脂層3に直接メッキする場合と比べ、絶縁樹脂層と外層銅層との間に高い接着強度が得られる。
【0026】
このようにして形成された外層銅層7の表面に、定法に従い、フォトレジストとしてマイクロポジット2400(シプレー(株)製)を約7μm塗布して乾燥後、このフォトレジスト面に露光機により、所定の回路を形成したマスクを用いて露光部と非露光部を形成する。露光後、KOH10%溶液により現像してレジストパターン9を形成する(図1(e))。次いで、塩化第二銅(CuCl2)100g/L、遊離塩酸濃度100g/Lを含む溶液を用いて、温度50℃で酸エッチングを行い、アルカリ難溶性金属層2と外層銅層7の一部を溶解して、内層回路4上のパッド10と接続された外層回路8を形成する。
【0027】
最後に、NaOH3%溶液を用いて温度50℃で銅箔面に塗布したフォトレジストを溶解除去し、多層プリント配線板を作成する(図1(f))。
【0028】
本発明の場合、アルカリ難溶性金属層2の厚さは外層銅層7の厚さに比べ非常に薄く、金属箔の合計厚さが通常のサブトラクト法と比べ、通常使用する銅箔の厚さ(通常は18μm)とアルカリ難溶性金属の厚さ(最大3μm)の差の分(15μm以上)薄くなるため、エッチング性が著しく改善されファイン回路の形成が容易となる。
【0029】
またもう一つの方法としては、図2に示すパターンメッキ法がある。図2(a)〜(c)は、上記図1(a)〜(c)と同様なものであって、バイアホール6が形成された内層回路入り多層板(a)の表面にフォトレジストをラミネートまたは塗布後、露光、現像してレジストパターン9を形成し、回路およびパッド10とする部分のみアルカリ難溶性金属を露出させる(図2(d))。次いで、前記方法と同様にして無電解メッキ、電解メッキを行い回路と同じ配置を有する銅層7を形成する(図2(e))。メッキ終了後、フォトレジストをNaOH3%溶液を用いる通常の方法で溶解除去すると、外層回路8が形成されるとともに銅回路の間にアルカリ難溶性金属が残る(図2(f))。
【0030】
このアルカリ難溶性金属層は、外層回路8の銅の厚さと比べ極めて薄いため、塩化第二銅や塩化第二鉄などの通常の酸エッチング液で短時間処理して溶解させることができ、外層回路8を錫メッキで保護することなく、外層銅回路間のアルカリ難溶性金属層を除去することができる(図2(g))。このようにして本発明では、アンダーカットを発生させずにファインパターンを精度よく形成することができる。
【0031】
本発明は3層以上の多層の内層樹脂基板に対しても適用できる。また、積層、レーザ穴開け、メッキ、パターニングの工程を繰り返すことにより、レーザバイアを持つ層の多層化も可能であり、任意の層数の多層プリント配線板の製造に適用できる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
光沢面粗度(Rz)1.9μm、粗面粗度(Rz)5μmを有する公称厚さ18μmの電解銅箔の光沢面に、銅10g/L、硫酸100g/L、温度40℃の硫酸銅溶液中で、前記銅箔を陰極として30A/dm2の電流密度で5秒間、銅を片面に電着して粗化処理した。このように粗化処理した表面の粗度(Rz)は2.9μmであった。
【0033】
このように粗化処理した電解銅箔を陰極として、次に示す浴中で温度20℃で電解処理を行い、錫メッキ(アルカリ難溶性金属)を施して錫層を形成した。処理面上の錫の量は、1.2g/m2(約0.2μm)であった。
【0034】
【表2】
Figure 0003815765
【0035】
水洗後、錫メッキを施した表面に、さらに無水クロム酸2g/L、pH11.0の電解溶液を用いて、電流密度0.5A/dm2で5秒間、電解クロメート処理を行い粗化処理された銅箔を得た。
【0036】
この銅箔の粗化表面に、エポキシ樹脂(油化シェル(株)製エピコート1001)100部、硬化剤としてジシアンジアミド2.5部、促進剤として2E4MZ(四国化成(株)製)0.2部をメチルエチルケトンの溶剤中で混合して得たエポキシ樹脂ワニスを75μmの厚みで塗布し、130℃で10分間加熱して半硬化状態とした樹脂付きの複合銅箔を作成した。
【0037】
両面に内層回路が形成され、黒化処理が施された0.5mm厚さのFR−4基材(松下電工(株)製R−1766)をコアとして、この両面に前記樹脂付きの複合銅箔を樹脂面が内層回路側になるように積み重ね、180℃で60分間、圧力20kg/cm2で真空プレスを用いて成型し、図1(a)に示すような内層回路入り多層板を得た。
【0038】
このように成形された内層回路入り多層板の銅箔面に、NH4OH200g/L、NH4Cl130g/L、Cu150g/Lを含む溶液を用いて、温度50℃にてアルカリエッチングを行い、銅箔を除去して錫層(アルカリ難溶性金属層)を露出させた。
【0039】
次に、このようにエッチング除去され、錫層が露出した面に炭酸ガスレーザ(レーザ出力60W)により、レーザ径100μmで前記内層回路部分まで100μmφの穴開けを行い、バイアホールを形成して、図1(c)に示すような穴開き多層板(a)を得た。
【0040】
このようにバイアホールが形成された開口部を含む錫層の上にOPC−750無電解銅メッキ溶液(奥野製薬(株)製)を用いて液温23℃で18分間の無電解メッキを行い、約0.1ミクロンのメッキ厚とした。さらに、この無電解銅メッキ表面に銅100g/L、硫酸150g/Lを含む溶液を用いて、温度25℃で陰極電流密度5A/dm2で電解メッキを行い、20μmメッキ厚の外層銅層を形成した。
【0041】
このように形成された外層銅層の表面に、定法に従い、フォトレジストとしてマイクロポジット2400(シプレー(株)製)を約7μm塗布して乾燥後、このフォトレジスト面に露光機により、所定の回路を形成したマスクを用いて露光部と非露光部を形成してレジストパターンを設けた。露光後、KOH10%溶液により現像し、塩化第二銅(CuCl2)100g/L、遊離塩酸濃度100g/Lを含む溶液を用いて、温度50℃で酸エッチングを行い外層回路を形成した。最後に、NaOH5%溶液を用いて温度30℃で外層回路上に残留したフォトレジストを除去し、多層プリント配線板を作成した。
【0042】
このようにして得られた20μm厚さの外層銅回路の多層プリント配線板からの引き剥がし強さ(kgf/cm)をJIS−C6481法により測定した。得られた結果を表3に示す。
比較例1
銅箔1として通常の18μm銅箔(三井金属鉱業製3EC−III)を使用し、アルカリ難溶性金属(錫)を電着させない以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂ワニスを粗面上に塗布し、130℃で10分間加熱して半硬化状態とした樹脂付きの複合銅箔を作成した。
【0043】
この樹脂付き銅箔を、両面に内層回路を形成し、黒化処理を施した0.5mm厚さのFR−4内層回路基板をコアとして、この両面に前記樹脂付き銅箔を樹脂面が内層回路側になるように積み重ね、実施例1と同じ条件で成型し、内層回路入り多層板を得た。以後実施例1と同じ工程で多層プリント配線板を作成した。
【0044】
このようにして得られた20μm厚さの外層銅層の多層プリント配線板からの引き剥がし強さ(kgf/cm)をJIS−C6481法により測定した。得られた結果を表3に示す。
比較例2
比較例1と同様の樹脂付きの銅箔を使用し、同様に成型して内層回路入り多層板を作成した。次に、レーザ加工前に穴開けする部分の銅箔に同じ直径の穴をエッチングにより形成し、以後、実施例1と同じ条件で加工して多層プリント配線板を作成した。ただし外層銅層は除去しなかった。
【0045】
このようにして得られたトータル銅層の厚み38μmを有する外層回路の引き剥がし強さ(kgf/cm)をJIS−C6481法により測定した。得られた結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
Figure 0003815765
【0047】
表3に示すように、実施例1では比較例1と比べて内層樹脂と外層回路の接着強度を高めることができ、かつ比較例2よりもファインな外層回路をエッチング加工することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、従来の方法に比べて多層プリント配線板のレーザによるバイアホール形成を容易に行うことができ、かつ外層回路と絶縁樹脂との密着性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多層プリント配線板の製造工程を示す図である。
【図2】 本発明の多層プリント配線板の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1:銅箔
2:アルカリ難溶性金属
3:熱硬化性樹脂層
4:内層回路
5:内層樹脂層
6:バイアホール
7:外層銅層
8:外層回路
9:レジストパターン
10:パッド

Claims (10)

  1. 銅箔の表面に、酸エッチング液に可溶であるがアルカリエッチング液に難溶であるアルカリ難溶性金属を電着させた後、その表面に熱硬化性樹脂を塗布し、該熱硬化性樹脂を加熱により半硬化状態にして複合銅箔を形成し、該複合銅箔の樹脂側を接着面として、片面または両面に内層回路を有する内層樹脂基板の片面または両面に配置した後加熱成型して積層し、アルカリエッチングにより前記アルカリ難溶性金属層を選択的に残して表面の銅箔を除去し、次いで炭酸ガスレーザビームを照射して前記アルカリ難溶性金属層と前記熱硬化性樹脂層を同時に穴開けして穴開き多層板(a)を製造した後、該多層板上に銅層を形成して、内層回路と接続された外層回路を形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記穴開き多層板(a)上に銅層を形成し、次いでレジストを塗布した後レジストパターンを形成した後、酸エッチングし、外層銅層およびアルカリ難溶性金属の一部を除去して、外層回路を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 前記穴開き外層板(a)上にレジストを塗布した後レジストパターンを形成し、銅層をレジストパターン間および穴開けした樹脂表面に形成し、次いでレジストパターンを除去した後に酸エッチングしてアルカリ難溶性金属層を除去して、内層回路と接続された外層回路を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 前記銅箔のアルカリ難溶性金属が電着される面の粗度Rzが0.5〜15μmであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記銅箔の厚さが5〜100μm、アルカリ難溶性金属層の厚さが0.005〜3.0μmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記アルカリ難溶性金属が錫、亜鉛−錫合金、亜鉛−ニッケル合金および錫−銅合金からなるグループから選ばれる1種であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 銅箔が電解銅箔または圧延銅箔であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  8. 前記複合銅箔のアルカリ難溶性金属層上にさらにクロメート層を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  9. 前記熱硬化性樹脂層のかわりに、熱硬化性樹脂を繊維基材に含浸したプリプレグまたは熱硬化性樹脂フィルムを用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  10. 請求項1に記載の方法によって製造された多層プリント配線板。
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