JP3815675B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、強磁性金属粉末に関し、更に詳しくは、電磁変換特性および走行耐久性に優れる、アナログ記録媒体をはじめ、特に高密度記録の要求されるデジタル記録媒体として好的な磁気録媒体における配向処理された磁性層に含有される強磁性金属粉末に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来から、磁気記録媒体における電磁変換特性の向上を目的として、磁性粉末を含有する層を上層に、非磁性粉末を含有する層を下層に設けてなる重層構造の磁気記録媒体(例えば、特開昭63−187418号、特開昭63−191315号公報等)が提案されている。
【0003】
しかしながら、これらの磁気記録媒体はデジタル記録媒体への適用を意図したものではなく、重層構造にしたものの上層の膜厚が比較的厚いので、膜厚損失や自己減磁損失が大きくなり、デジタル記録媒体として必要な、優れた電磁変換特性および走行耐久性を十分に得るのは困難であるという問題がある。
【0004】
また、ビデオテープ等の磁気記録媒体においては、記録される信号の深さが信号によって異なるので、それぞれの信号に適した磁性粉末を含有する磁性層で構成される重層構造の磁気記録媒体が好ましいとされてきた。しかし、かかる重層構造の磁気記録媒体を製造するには、ウエット−オン−ウエット方式等の重層塗布が通常採用されるが、各層の素材構成や塗料の粘度等によっては、塗布乾燥時に磁性層の表面が粗れてしまい、テープ再生時に電磁変換特性が劣化するという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、前記問題点を解消し、特に複数の層を非磁性支持体上に形成する際、磁性層の面粗れを防止することにより、良好な電磁変換特性および走行耐久性を有する、更にデジタル記録媒体として好適な重層構造の磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【前記課題を解決するための手段】
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、非磁性支持体上に、Fe原子、Al原子および希土類元素の原子を含有し、全体における元素の重量比が、Fe原子100重量部に対して、Al原子2〜10重量部、希土類元素の原子1〜8重量部であり、かつ、表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対して、Al原子数70〜200、希土類元素の原子数0.5〜30である強磁性金属粉末を少なくとも含有し、少なくとも1層の下層を介して形成され、配向処理されて成るところの、磁気記録媒体を構成する磁性層に含有される強磁性金属粉末であって、前記強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数60〜300、希土類元素の原子数0.5〜60であることを特徴とする強磁性金属粉末であり、
請求項2に記載の発明は、前記希土類元素の原子がSm、Nd、YおよびPrよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の強磁性金属粉末であり、
請求項3に記載の発明は、前記磁性層の乾燥膜厚が0.02〜0.6μm、前記下層の乾燥膜厚が0.2〜2.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の強磁性金属粉末であり、
請求項4に記載の発明は、前記下層は針状の非磁性粉末が含有された層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の強磁性金属粉末である。
【0008】
以下、この発明の磁気記録媒体について詳述する。
【0009】
−−磁気記録媒体の構成−−
この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上(A)に、強磁性金属粉末を含有する磁性層(B)を積層してなり、更に必要に応じて、前記非磁性支持体と前記磁性層(B)との間に、少なくとも1層の層からなる下層(C)を設け、更に場合によっては前記磁性層(B)の上に適宜の層を設けてなる。
【0010】
(A)非磁性支持体
前記非磁性支持体を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることができる。
【0011】
前記非磁性支持体の形態は特に制限はなく、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、ディスク状、ドラム状などがある。
【0012】
非磁性支持体の厚みには特に制約はないが、例えば、フィルム状やシート状の場合は、通常2〜100μmであり、好ましくは3〜50μmであり、ディスクやカード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0013】
なお、この非磁性支持体は単層構造のものであっても多層構造のものであってもよい。また、この非磁性支持体は、例えば、コロナ放電処理等の表面処理を施されたものであってもよい。
【0014】
また、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バックコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0015】
(B)磁性層
磁性層は、磁性粉末を含有する。更に、必要に応じてバインダーおよびその他の成分を含有することができる。
【0016】
前記磁性層の乾燥膜厚としては、通常0.02〜0.6μmであり、特に好ましくは0.02〜0.4μmである。前記乾燥膜厚が0.02μmよりも小さいと、記録が十分になされないことにより、再生時に出力が得られないことがあり、一方、0.6μmよりも大きいと、膜厚損失により十分な再生出力が得られないことがある。
【0017】
(B−1)磁性粉末
この発明においては、磁性層は、後述する特定の強磁性金属粉末を必須の磁性粉末として含有する。
【0018】
前記強磁性金属粉末は、その構成元素としてFe、Al、および、希土類元素の原子を含有し、好ましい希土類元素の原子はSm、Nd、YおよびPrとからなる群より選択される1種以上の原子である。
【0019】
この発明に係る磁気記録媒体の磁性層においては、前記磁性層に配向処理された前記強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数60〜300、希土類元素の原子数0.5〜60である。
前記元素の平均存在比率は、
【0161】及び
【0162】に記載された方法で則栄することができる。
一方、磁性層を形成するための磁性塗料の成分としての強磁性金属粉末は、前記強磁性金属粉末全体における元素の好適な重量比として、Fe原子100重量部に対して、Al原子が2〜10重量部であり、希土類元素の原子が1〜8重量部であり、かつ該強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対して、Al原子数は70〜200であり、希土類元素の原子数は0.5〜30である。
【0020】
より好ましくは、強磁性金属粉末が、その構成元素として更にNaおよびCaを含有し、該強磁性金属粉末全体における元素の重量比が、Fe原子100重量部に対して、Na原子は0.1重量部未満であり、Ca原子は0.1〜2重量部であり、Al原子は2〜10重量部であり、希土類元素は1〜8重量部であり、かつ、該強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率は、Fe原子数100に対して、Na原子数は2〜30であり、Ca原子数は5〜30であり、Al原子数は70〜200であり、希土類元素の原子数は0.5〜30である。
【0021】
更に好ましくは、強磁性金属粉末が、その構成元素として更にCo、NiおよびSiを含有し、該強磁性金属粉末全体における元素の重量比が、Fe原子100重量部に対して、Co原子が2〜20重量部であり、Ni原子が2〜20重量部であり、Si原子が0.3〜5重量部であり、Na原子が0.1重量部未満であり、Ca原子が0.1〜2重量部であり、Al原子が2〜10重量部であり、希土類元素の原子が1〜8重量部であり、かつ該強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対して、Co原子数が0.1未満であり、Ni原子数が0.1未満であり、Si原子数が20〜130であり、Na原子数が2〜30であり、Ca原子数が5〜30であり、Al原子数が70〜200であり、希土類元素の原子数0.5〜30である。
【0022】
前記のように限定された強磁性金属粉末は、1700 Oe以上の高い保磁力(Hc)、120emu/g以上の高い飽和磁化量(σs )、および高い分散性を有するので好ましい。
【0023】
この強磁性金属粉末の強磁性層中における含有量としては、その層における固形分全体に対し、通常60〜95重量%であり、好ましくは70〜90重量%であり、特に好ましくは75〜85重量%である。
【0024】
この発明においては、磁性層は従来公知の磁性粉末を含有することができる。
【0025】
従来公知の磁性としては、たとえば、FeOx (1.33<x<1.5)で表わされる化合物や、Co−FeOx (1.33<x<1.5)などの強磁性酸化鉄粉末、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル系金属粉末、これらの中でも、Fe系金属粉末、さらにはFe−Al系強磁性金属粉末などの強磁性金属粉末、六方晶板状粉末等を挙げることができる。
【0026】
この発明に用いられるこれらの強磁性粉末は、その長軸径が0.30μm未満であり、好ましくは0.04〜0.20μmであり、更に好ましくは0.05〜0.17μmであることが好ましい。強磁性粉末の長軸径が前記範囲内にあると、磁気記録媒体の表面性を向上させることができると共に電磁変換特性の向上も図ることができる。
【0027】
この発明においては、磁性層中に含有される前記強磁性粉末の長軸径(a)と下層である非磁性層中に含有される非磁性粉末の長軸径(b)との比(軸比;b/a)は、3以下であることが望ましく、特に2.5以下であるのが望ましく、さらには2以下であるのが望ましい。この軸比が前記範囲内にあると、磁気記録媒体の表面性を良好な状態にすることができるなど優れた特性を発揮することができるからである。
【0028】
上記の磁性粉末は1種でも、あるいは2種以上組合せて用いてもよい。
【0029】
(B−2)バインダー
磁性層が含有するバインダーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は−SO3 M、−OSO3 M、−COOM、−PO(OM12 およびスルホベタイン基から選ばれた少なくとも一種の極性基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0030】
ただし、上記極性基において、Mは水素原子又はNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、またM1 は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原子を表わす。
【0031】
上記極性基は磁性粉末の分散性を向上させる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モル%であり、好ましくは0.2〜6.0モル%である。この含有率が0.1モル%未満であると、磁性粉末の分散性が低下し、また含有率が8.0モル%を超えると、磁性塗料がゲル化し易くなる。なお、前記各樹脂の重量平均分子量は、15,000〜50,000の範囲が好ましい。
【0032】
バインダーの含有量は、強磁性金属粉末100重量部に対して、通常8〜25重量部、好ましくは10〜20重量部である。
【0033】
バインダーは一種単独に限らず、二種以上を組合せて用いることができるが、この場合、ポリウレタンおよび/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂との比は、重量比で、通常90:10〜10:90であり、好ましくは70:30〜30:70の範囲である。
【0034】
この発明にバインダーとして用いられる極性基含有塩化ビニル系共重合体は、例えば、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重合体と前記極性基および塩素原子を有する化合物との付加反応により合成することができる。
【0035】
なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同58−108052号、同59−8127号、同60−101161号、同60−235814号、同60−238306号、同60−238371号、同62−121923号、同62−146432号、同62−146433号等の公報に記載があり、この発明においてもこれらを利用することができる。
【0036】
次に、この発明に用いるポリエステルとポリウレタンの合成について述べる。
【0037】
一般に、ポリエステルはポリオールと多塩基酸との反応により得られる。
【0038】
この公知の方法を用いて、ポリオールと一部に極性基を有する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリオール)を合成することができる。
【0039】
なお、他の極性基を導入したポリエステルも公知の方法で合成することができる。
【0040】
次に、ポリウレタンに付いて述べる。
【0041】
これは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる。
【0042】
ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが使用されている。
【0043】
したがって、極性基を有するポリエステルポリオールを原料として用いれば、極性基を有するポリウレタンを合成することができる。
【0044】
ポリイソシアネートの例としては、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル(LDI)等が挙げられる。
【0045】
また、極性基を有するポリウレタンの他の合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有効である。
【0046】
Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 Cl −CH2COOM、 Cl-CH2-P(=O)(OM1)2
M及びMは、
【0030】に示したM及びMと同様である。なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術としては、特公昭58−41565号、特開昭57−92422号、同57−92423号、同59−8127号、同59−5423号、同59−5424号、同62−121923号等の公報に記載があり、この発明においてもこれらを利用することができる。
【0047】
この発明においては、バインダーとして下記の樹脂を全バインダーの50重量%以下の使用量で併用することができる。
【0048】
その樹脂としては、重量平均分子量が10,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0049】
(B−3)その他の成分
この発明においては、磁性層の品質の向上を図るため、研磨剤、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、帯電防止剤および導電性微粉末などの添加剤をその他の成分として含有させることができる。
【0050】
前記研磨剤としては、それ自体公知の物質を使用することができる。
【0051】
この研磨剤の平均粒子径としては、通常0.05〜0.6μmであり、好ましくは0.05〜0.5μmであり、特に好ましくは0.05〜0.3μmである。
【0052】
前記研磨剤の強磁性層における含有量としては、通常3〜20重量部であり、好ましくは5〜15重量部であり、特に好ましくは5〜10重量部である。
【0053】
前記潤滑剤としては、脂肪酸および/または脂肪酸エステルを使用することができる。この場合、脂肪酸の添加量は、磁性粉末に対して0.2〜10重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜5重量%である。添加量が0.2重量%未満であると、走行性が低下し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くなる。
【0054】
また、脂肪酸エステルの添加量も、磁性粉末に対して0.2〜10重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜5重量%である。その添加量が0.2重量%未満であると、スチル耐久性が劣化し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くなる。
【0055】
脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステルは重量比で10:90〜90:10が好ましい。
【0056】
脂肪酸としては一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、12〜22の範囲がより好ましい。
【0057】
また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の潤滑剤としてそれ自体公知の物質を使用することができ、例えばシリコーンオイル、フッ化カーボン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイド等を使用することができる。
【0058】
前記硬化剤としては、ポリイソシアネートを挙げることができ、ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)等と活性水素化合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネートと、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と活性水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネートがある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均分子量は、100〜3,000の範囲にあることが望ましい。
【0059】
前記分散剤としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩、あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基および/またはスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げることができる。これらの分散剤は、通常、磁性粉末に対して0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0060】
前記帯電防止剤としては、第四級アミン等のカチオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等の天然界面活性剤などを挙げることができる。上述した帯電防止剤は、通常、バインダーに対して0.01〜40重量%の範囲で添加される。
【0061】
更にこの発明においては、帯電防止剤として導電性微粉末を好ましく用いることができる。前記帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、銀の有機化合物、銅粉等の金属粒子等、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を酸化錫被膜またはアンチモン固溶酸化錫被膜等の導電性物質でコーティング処理したもの等を挙げることができる。
【0062】
前記導電性微粉末の平均粒子径としては、5〜700nmであり、より好ましくは、5〜200nmである。
【0063】
前記導電性微粉末の含有量としては、磁性粉末100重量部に対して、1〜20重量部であり、好ましくは2〜7重量部である。
【0064】
(C)下層
下層は、少なくとも1層の層からなり、非磁性支持体と前記磁性層との間に単層または複数層をもって、必要に応じて形成される。
【0065】
下層は、1種類の層、あるいは2種以上の層の組合せからなる層で形成されてもよく、特に制限はない。下層としては、例えば、磁性粉末を含有する磁性層(C−1)、非磁性粉末を含有する非磁性層(C−2)、高透磁率材料を含有する層(C−3)、またはこれらの層の組合せからなる層等を挙げることができる。この発明においては、非磁性層(C−2)が好ましく、特に好ましくは、針状の非磁性粉末を含有する非磁性層である。
【0066】
下層の乾燥膜厚としては、通常0.1〜2.5μmであり、好ましくは0.2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.5〜2.0μmである。前記乾燥膜厚が2.5μmよりも大きいと、重層後の上層表面の表面粗さが上昇する、いわゆる重層面粗れが発生し、好ましい電磁変換特性が得られないことがあり、一方、0.5μmよりも小さいと、カレンダー時に高い平滑性を得ることが困難になり、電磁変換特性が悪化し、下層を設けた意味が薄くなることがある。
【0067】
(C−1)磁性層
下層における磁性層は、磁性粉末を含有する。また必要に応じてバインダー及びその他の成分を含有する。
【0068】
(C−1−1)磁性粉末
下層における磁性層が含有する磁性粉末としては、特に制限はなく、(B−1)のところで例示した化合物を好適に用いることができる。これらの磁性粉末は一種単独でも、あるいは二種以上組合せて用いてもよい。
【0069】
これらの磁性粉末の中で好ましいのは、Co−FeOX (1.33<X<1.5)である。下層における磁性層がCo−FeOX (1.33<X<1.5)を含有すると、記録波長が大きい領域、特に1μm以上での再生出力が良好になる。
【0070】
磁性粉末の含有量としては、その層における固形分全体に対し、通常70〜90重量%であり、好ましくは75〜85重量%である。
【0071】
(C−1−2)バインダー
下層における磁性層が含有するバインダーとしては、(B−2)のところで例示した化合物を用いることができ、その量としては、強磁性金属粉末100重量部に対し、通常5〜25重量部であり、好ましくは10〜20重量部である。
【0072】
(C−1−3)その他の成分
下層における磁性層が含有するその他の成分としては、(B−3)のところで例示した化合物を用いることができる。その量としては、この発明の目的を阻害することがなければ、特に制限はなく、適宜選択することができる。
【0073】
(C−2)非磁性層
非磁性層は、非磁性粉末を含有する。また必要に応じてバインダーおよびその他の成分を含有する。
【0074】
(C−2−1)非磁性粉末
この発明においては、各種の公知の非磁性粉末を適宜に選択して使用することができる。
【0075】
非磁性粉末としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、TiO2 、硫酸バリウム、ZnS、MgCO3 、CaCO3 、ZnO、CaO、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、MgO、SnO2 、SiO2 、Cr23 、α−Al23 、α−Fe23 、α−FeOOH、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等を挙げることができる。
【0076】
これらの中で好ましいのは、カーボンブラック、CaCO3 、TiO2 、硫酸バリウム、α−Al23 、α−Fe23 、α−FeOOH、Cr23等の無機粉末である。更に好ましくはカーボンブラック、TiO2 、α−Fe23等である。
【0077】
この発明においては、粉末の形状が針状である非磁性粉末を好適に使用することができる。前記針状の非磁性粉末を用いると、非磁性層の表面の平滑性を向上させることができ、その上に積層される磁性層からなる最上層における表面の平滑性も向上させることができる。このとき用いられる針状粉末としてはα−Fe23 、TiO2 が好ましい。
【0078】
前記非磁性粉末の長軸径としては、通常0.50μm以下であり、好ましくは0.40μm以下であり、特に好ましくは0.30μm以下である。
【0079】
前記非磁性粉末の短軸径としては、通常0.10μm以下であり、好ましくは0.08μm以下であり、特に好ましくは0.06μm以下である。
【0080】
前記非磁性粉末の軸比としては、通常2〜20であり、好ましくは5〜15であり、特に好ましくは5〜10である。ここでいう軸比とは、短軸径に対する長軸径の比(長軸径/短軸径)のことをいう。
【0081】
前記非磁性粉末の比表面積としては、通常10〜250m2 /gであり、好ましくは20〜150m2 /gであり、特に好ましくは30〜100m2 /gである。
【0082】
前記範囲の長軸径、短軸径、軸比および比表面積を有する非磁性粉末を使用すると、非磁性層の表面性を良好にすることができると共に、磁性層の表面性も良好な状態にすることができる点で好ましい。
【0083】
また、この発明においては、前記非磁性粉末が、Si化合物および/またはAl化合物により表面処理されていることが好ましい。かかる表面処理のなされた非磁性粉末を用いると磁性層の表面状態を良好にすることができる。前記Siおよび/またはAlの含有量としては、前記非磁性粉末に対して、Siが0.1〜10重量%、Alが0.1〜10重量%であるのが好ましい。
【0084】
前記非磁性粉末の非磁性層中における含有量としては、非磁性層を構成する全成分の合計に対して、通常50〜99重量%であり、好ましくは60〜95重量%であり、特に好ましくは70〜95重量%である。非磁性粉末の含有量が前記範囲内にあると、磁性層および非磁性層の表面状態を良好にすることができる。
【0085】
(C−2−2)バインダー
下層における非磁性層が含有するバインダーとしては、(B−2)のところで例示した化合物を用いることができ、その量としては、非磁性粉末100重量部に対し、通常5〜150重量部であり、好ましくは10〜120重量部である。
【0086】
(C−2−3)その他の成分
下層における非磁性層が含有するその他の成分としては、(B−3)のところで例示した化合物を用いることができる。その量としては、この発明の目的を阻害することがなければ特に制限はなく、適宜選択することができる。
【0087】
(C−3)高透磁率材料を含有する層
高透磁率材料を含有する層は、高透磁率材料を含有する。また必要に応じてバインダーおよびその他の成分を含有する。
【0088】
(C−3−1)高透磁率材料
高透磁率材料としては、その保磁力Hcが0<Hc≦1.0×104 (A/m)、好ましくは0<Hc≦5.0×103 (A/m)である。保磁力が前記範囲内にあると、高透磁率材料として最上層の磁化領域の安定化の効果が発揮される。保磁力が前記範囲を超えると、磁性材料としての特性が発現することにより所望の特性が得られなくなることがあるので好ましくない。
【0089】
この発明においては、高透磁率材料として、前記保磁力の範囲内にある材料を適宜に選択するのが好ましい。そのような高透磁率材料としては、例えば、金属軟質磁性材料、酸化物軟質磁性材料等を挙げることができる。
【0090】
前記金属軟質磁性材料としては、Fe−Si合金、Fe−Al合金(Alperm,Alfenol,Alfer)、パーマロイ(Ni−Fe系二元合金、およびこれにMo、Cu、Crなどを添加した多元系合金)、センダスト(Fe−Si−Al{9.6重量%のSi、5.4%のAl、残りがFeである組成})、Fe−Co合金等を挙げることができる。これらの中でも好ましい金属軟質磁性材料としてはセンダストが好ましい。なお、高透磁率材料としての金属軟質磁性材料としては以上に例示したものに限定されず、その他の金属軟質磁性材料を使用することができる。高透磁率材料は、その一種を単独で使用することもできるし、またその二種以上を併用することもできる。
【0091】
前記酸化物軟質磁性材料としては、スピネル型フェライトであるMnFe24、Fe34、CoFe24、NiFe24、MgFe24、Li0.5Fe2.54や、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Cu系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Li−ZN系フェライト等を挙げることができる。これらの中でも、Mn−Zn系フェライトおよびNi−Zn系フェライトが好ましい。なお、これらの酸化物軟質磁性材料はその一種を単独で使用することもできるが、その二種以上を併用することもできる。
【0092】
この高透磁率材料はボールミルやその他の粉砕装置を用いて微細粉末にし、その粒径が1mμ〜1,000mμ、特に1mμ〜500mμであるのが好ましい。このような微細な粉末を得るために、金属軟質磁性材料においては、溶融した合金を真空雰囲気下に噴霧することにより得ることができる。また、酸化物軟質磁性材料においては、ガラス結晶化法、共沈焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシド法、プラズマジェット法等により微細粉末にすることができる。
【0093】
この高透磁率材料を含有する層においては、高透磁率材料の含有量は、10〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは60〜100重量%である。高透磁率材料の含有量が前記範囲内にあると、最上層の磁化の安定化の効果が十分に得られる。また、高透磁率材料が50重量%未満であると、高透磁率層としての効果が得られなくなることがあるので好ましくない。
【0094】
なお、この高透磁率材料を含有する層には、非磁性の粒子を含有していてもよい。
【0095】
(C−3−2)バインダー
下層における高透磁率材料を含有する層中に含まれるバインダーとしては、(B−2)のところで例示した化合物を挙げることができ、その量としては、高透磁率材料100重量部に対し、通常5〜30重量部であり、好ましくは10〜25重量部である。
【0096】
(C−3−3)その他の成分
下層における高透磁率材料を含有する層中に含まれるその他の成分としては、(B−3)のところで例示した化合物を挙げることができる。その量としては、この発明の目的を阻害することがなければ特に制限はなく、適宜選択することができる。
【0097】
−−磁気記録媒体の製造−−
この発明の磁気記録媒体は、重層構造の場合、磁性層の塗設を、下層が湿潤状態にあるときにする所謂ウエット−オン−ウエット方式で塗設するのが好ましい。このウエット−オン−ウエット方式は、公知の重層構造型の磁気記録媒体の製造に使用される方法を適宜に採用することができる。
【0098】
例えば、一般的には磁性粉末、バインダー、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等と溶媒とを混練して高濃度磁性塗料を調製し、次いでこの高濃度磁性塗料を希釈して磁性塗料を調製した後、この磁性塗料を非磁性支持体の表面に塗布する。
【0099】
上記溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの各種溶媒はその一種単独を使用することもできるし、またその二種以上を併用することもできる。
【0100】
磁性層形成成分の混練分散に当たっては、各種の混練分散機を使用することができる。
【0101】
この混練分散機としては、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー等を挙げることができる。上記混練分散機のうち、0.05〜0.5KW(磁性粉末1Kg当たり)の消費電力負荷を提供することのできる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニーダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミルである。
【0102】
非磁性支持体上に、磁性層と下層とを塗布するには、具体的には、図1に示すように、まず供給ロール32から繰出した非磁性支持体1に、エクストルージョン方式の押し出しコーター10、11により、磁性塗料と下層用塗料とをウェット−オン−ウェット方式で重層塗布した後、配向用磁石または垂直配向用磁石33を通過し、乾燥器34に導入し、ここで上下に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。次に、乾燥した各塗布層付きの非磁性支持体1をカレンダーロール38の組合せからなるスーパーカレンダー装置37に導き、ここでカレンダー処理した後に、巻き取りロール39に巻き取る。このようにして得られた磁性フィルムを所望幅のテープ状に裁断して、例えば8mmビデオ用磁気記録テープを製造することができる。
【0103】
上記の方法において、各塗料は、図示しないインラインミキサーを通して押し出しコーター10、11へと供給してもよい。なお、図中、矢印は非磁性支持体の搬送方向を示す。押し出しコーター10、11にはそれぞれ、液溜まり部13、14が設けられ、各コーターからの塗料をウェット−オン−ウェット方式で重ねる。即ち、下層用塗料の塗布直後(未乾燥状態のとき)に磁性塗料を重層塗布する。
【0104】
前記押し出しコーターとしては、図2に示す2基の押し出しコーター5a、5bのほか、図3および図4のような型式の押し出しコーター5c、5dを使用することもできる。これらの中で、図4に示した押し出しコーター5dがこの発明においては好ましい。押し出しコーター5dにより、下層用途料2と磁性塗料4とを共押し出しして重層塗布する。
【0105】
前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石における磁場は、20〜10,000ガウス程度であり、乾燥器による乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間は約0.1〜10分間程度である。
【0106】
なお、ウェット−オン−ウェット方式では、リバースロールと押し出しコーターとの組合せ、グラビアロールと押し出しコーターとの組合せなども使用することができる。更にはエアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクィズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコーター等を組合せることもできる。
【0107】
このウェット−オン−ウェット方式におる重層塗布においては、磁性層の下に位置する下層が湿潤状態になったままで磁性層を塗布するので、下層の表面(即ち、磁性層との境界面)が滑らかになると共に磁性層の表面性が良好になり、かつ、上下層間の接着性も向上する。この結果、特に高密度記録のために高出力、低ノイズの要求される、例えば磁気テープとしての要求性能を満たしたものとなり、かつ、高耐久性の性能が要求されることに対しても膜剥離をなくし、膜強度が向上し、耐久性が十分となる。また、ウェット−オン−ウェット重層塗布方式により、ドロップアウトも低減することができ、信頼性も向上する。
【0108】
−表面の平滑化−
この発明においては、次にカレンダリングにより表面平滑化処理を行うのもよい。
【0109】
その後は、必要に応じてバーニッシュ処理またはブレード処理を行なってスリッティングされる。
【0110】
表面平滑化処理においては、カレンダー条件として温度、線圧力、C/s(コーティングスピード)等を挙げることができる。
【0111】
この発明においては、通常、上記温度を50〜140℃、上記線圧力を50〜400kg/cm、上記C/Sを20〜1,000m/分に保持することが好ましい。これらの数値を満足しないと、磁気記録媒体の表面性を良好な状態に保つことが困難になる、あるいは、不可能になることがある。
【0112】
上記のように処理した結果の磁性層の厚さを、0.02〜0.6μmにする。前記層の厚さが0.6μmを越えると、電気的特性が劣化するため、この発明の目的たるデジタル記録媒体として好適な磁気記録媒体を得ることができない。
【0113】
【実施例】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0114】
以下に示す成分、割合、操作順序は、この発明の範囲から逸脱しない範囲において種々変更することができる。なお、下記の実施例において「部」は全て「重量部」である。
【0115】
下記組成を有する最上層用磁性塗料および下層用塗料の各成分を、それぞれニーダーおよびサンドミルを用いて混練分散して最上層用磁性塗料および下層用塗料を調製した。
【0116】
Figure 0003815675
【0117】
Figure 0003815675
得られた磁性塗料および下層用塗料Aのそれぞれに、ポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)5部を添加した。
【0118】
{下層用塗料B}
下層用塗料Bは、下層用塗料Aにおけるα−Fe23に代えてCo−γ−Fe23 (Hc:650 Oe、長軸径:0.22μm、BET値:45m2/g、pH:5.0、軸比1.2、σs :75emu/g、結晶子サイズ:200Å)に代えた外は下層用塗料Aと同様にして得た。
【0119】
{下層用塗料C}
下層用塗料Aにおける針状α−Fe23に代えて球状α−Fe23(平均粒子径:37nm、BET値:42m2/g、pH:5.5、SiAl化合物(Si:0.1重量%、Al:0.3重量%)で表面処理)を用いた外は、下層用塗料Aと同様にして得た。
【0120】
{下層用塗料D}
下層用塗料Aにおける針状α−Fe23に代えて針状TiO2 (長軸径:0.12μm、軸比:6、BET値:40m2/g、pH:7.0、SiAl化合物(Si:0.1重量%、Al:0.4重量%)で表面処理)を用いた外は、下層用塗料Aと同様にして得た。
【0121】
{下層用塗料E}
下層用塗料Aにおける針状α−Fe23に代えて球状TiO2 (平均粒子径:32nm、BET値:40m2/g、pH:7.5、結晶径:ルチル、SiAl化合物(Si:0.1重量%、Al:0.3重量%)で表面処理)を用いた外は、下層用塗料Aと同様にして得た。
【0122】
(実施例1〜16および比較例1〜7ならびに実施例1−1〜1−11および比較例1−1〜1−5)
表1に示した、強磁性金属粉末を含有する上述の磁性塗料、および、非磁性粉末を含有する上述の下層用塗料を用いて、ウエット−オン−ウエット方式で厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後、塗膜が未乾燥であるうちに磁場配向処理を行ない、続いて乾燥を施してから、カレンダーで表面平滑化処理を行ない、表2および表3に示された厚さを有する下層および最上層からなる磁性層を形成した。
【0123】
更に、この磁性層とは反対側の前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの面(裏面)に下記の組成を有する塗料を塗布し、この塗膜を乾燥し、上述したカレンダー条件にしたがってカレンダー加工をすることによって、厚さ0.8μmのバックコート層を形成し、広幅の原反磁気テープを得た。
【0124】
カーボンブラック(ラベン1035)・・40部
硫酸バリウム(平均粒子径300nm)・10部
ニトロセルロース・・・・・・・・・・・25部
ポリウレタン系樹脂・・・・・・・・・・25部
(日本ポリウレタン(株)製、N−2301)
ポリイソシアネート化合物・・・・・・・10部
(日本ポリウレタン(株)製、コロネートL)
シクロヘキサノン・・・・・・・・・・400部
メチルエチルケトン・・・・・・・・・250部
トルエン・・・・・・・・・・・・・・250部
こうして得られた原反磁気テープをスリットして、8mm幅のビデオ用磁気記録媒体を作成した。この磁気記録媒体につき、以下の評価を行った。その結果を表2および表3に示した。
【0125】
《評価》
<全体組成>;
強磁性金属粉末における全体組成中のFe、Co、Ni、Nd、Si、Al、Y、Pr、Sm、Laの各元素の存在比率については、波長分散型蛍光X線分析装置(WDX)を用いて試料中の各元素の蛍光X線強度を測定した後、ファンダメンタルパラメーター法(以下、FP法と称する。)に従い算出して求めた。
【0126】
以下にFP法について説明する。
【0127】
蛍光X線の測定には、理学電気(株)製のWDXシステム3080を、以下の条件にて使用した。
【0128】
X線管球 :ロジウム管球
出力 :50KV、50mA
分光結晶 :LiF(Fe、Co、Ni、Nd、Y、Pr、Sm、Laに対して)、PET(Alに対して)、RX−4(Siに対して)
アプソーバ:1/1(Feのみ1/10)
スリット :COARSE
フィルター:OUT
PHA :15〜30(Al、Siに対して)、10〜30(Fe、Co、Ni、Nd、Y、Pr、Sm、Laに対して)
計数時間 :ピーク=40秒、バックグラウンド=40秒(ピーク前後の2点を測定)
なお、蛍光X線の測定を行なうには、上記装置に限定されるものではなく、種々の装置を使用することができる。
【0129】
標準試料には、以下の8種類の金属化合物を使用した。
【0130】
標準試料1は、Analytical Reference Materials international社製の合金SRM1219(Cを0.15重量%、Mnを0.42重量%、Pを0.03重量%、Siを0.55重量%、Cuを0.16重量%、Niを2.16重量%、Crを15.64重量%、Moを0.16重量%、Vを0.06重量%をそれぞれ含有する。)である。
【0131】
標準試料2は、Analytical Reference Materials international社製の合金SRM1250(Niを37.78重量%、Crを0.08重量%、Moを0.01重量%、Coを16.10重量%、Alを0.99重量%をそれぞれ含有する。)である。
【0132】
標準試料3は、磁性酸化鉄粉末(Mnを0.14重量%、Pを0.15重量%、Sを0.19重量%、Siを0.36重量%、Coを3.19重量%、Znを1.26重量%、Caを0.07重量%、Naを0.02重量%をそれぞれ含有する。)である。
【0133】
標準試料4は、強磁性金属粉末(Ndを2.73重量%含有する。)である。
【0134】
標準試料5は強磁性金属粉末(Srを0.97重量%含有する。)である。
【0135】
標準試料6は強磁性金属粉末(Baを1.40重量%、Caを0.40重量%含有する。)である。
【0136】
標準試料7は強磁性金属粉末(Laを2.69重量%含有する。)である。
【0137】
標準試料8は強磁性金属粉末(Yを1.98重量%含有する。)である。
【0138】
前記標準試料1および2における元素の重量%は、メーカー供与のデータシートの値であり、前記標準試料3〜8における元素の重量%は、ICP発光分析装置による分析値である。この値を以下のFP法の計算における標準試料の元素組成値として入力した。
【0139】
FP法の計算には、テクノス製のファンダメンタルパラメータソフトウェアVersion2.1を用い、次の条件にて計算した。
【0140】
試料モデル :バルク試料
バランス成分試料:Fe
入力成分 :測定X線強度(KCPS)
分析単位 :重量%
算出された各元素の存在比率(重量%)は、Fe原子100重量%に対するその他の元素の重量%として換算し、定量値としたものである。
【0141】
<表面組成>;
強磁性金属粉末の表面における組成中のFe、Co、Ni、Nd、Si、Al、Y、Pr、Sm、Laの各元素の存在比率については、XPS表面分析装置を用いてその値を求めた。
【0142】
以下にその方法について説明する。
【0143】
先ずXPS表面分析装置を以下の条件にセットする。
【0144】
X線アノード:Mg
分解能:1.5〜1.7eV(分解能は、清浄なAgの3d5/2ピークの半値巾で規定する。)
なお、試料の固定には、いわゆる粘着テープは使用しない。XPS表面分析装置の機種としては、特に限定はなく、種々の装置を使用することができるが、本願においては、VG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0145】
以下の測定範囲でナロースキャンを行ない、各元素のスペクトルを測定した。この時、データの取込み間隔は、0.2eVとし、表4に示す最低カウント数以上のカウントが得られるまで積算した。
【0146】
得られたスペクトルに対して、Cのピーク位置が284.6eVになるようにエネルギー位置を補正する。
【0147】
次に、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM Ver.2.3(以下、VAMASソフトと称する。)上で、データ処理を行なうために、上記スペクトルを各装置メーカーが提供するソフトを用いて、VAMASソフトを使用することができるコンピューターに転送する。
【0148】
そして、VAMASソフトを用い、転送されたスペクトルをVAMASフォーマットに変換した後、以下のデータ処理を行なう。
【0149】
定量処理に入る前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行ない、5ポイントのスムージング処理を行なう。
【0150】
定量処理は、次の通りである。
【0151】
各元素のピーク位置を中心として、表4に示す定量範囲でピークエリア強度を求める。次に、表4に示す感度係数を使用し、各元素の原子数%を求めた。原子数%は、Fe原子数100に対する原子数に換算し定量値とした。
【0152】
所定の配向処理がなされ、乾燥した磁性塗膜中に存在する強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率は、XPS表面分析装置を用いてその値を測定する。
【0153】
次に、その方法について説明するXPS表面分析装置を以下の条件にセットする。
【0154】
X線アノード;Mg
分解能;1.5〜1.7eV(分解能は正常なAg3d5/2ピークの半値幅で規定する。)
XPS表面分析装置としては、特に限定はなく、いかなる機種も使用することができるが、本発明においてはVG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0155】
以下の測定範囲でナロースキャンを行い、各元素のスペクトルを測定した。このとき、データの取り込み間隔は、0.2eVとし、目的とするピークが表5に示す最低カウント数以上のカウントが得られるまで積算することが必要である。
【0156】
得られたスペクトルに対してCls のピーク位置が284.6eVになるようにエネルギー位置を補正する。
【0157】
次に、VANAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM Ver.2.3(以下、VANASソフトと称する。)上で処理を行うために、前記のスペクトルを各装置メーカが提供するソフトを用いて、VANASソフトを使用することができるコンピュータに転送する。そして、VANASソフトを用い、転送されたスペクトルをVANASフォーマットに転換した後、データ処理を行う。
【0158】
定量処理に入る前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行う、各元素のピーク位置を中心として、表6に示す定量範囲でピークエリア強度(cps*eV)を求める。以下に示した感度係数を使用し、各元素の原子数%を求める。原子数は原子数100に対する原子数に換算し定量値とする。
【0159】
上記元素以外については表7に示す条件で測定した。
【0160】
−試料準備方法−
上記の測定をする前に媒体(磁気テープ)の前処理を行う。
【0161】
磁気テープからバインダー樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し、磁性粒子を露出させる。処理方法はバインダー樹脂は灰化されるが磁性粒子はダメージを受けない条件を選択する。たとえば以下に記す装置および処理条件にて処理をした後に、配向処理された強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率を測定した。
【0162】
Figure 0003815675
<電気特性(dB) RF出力、CN比>;
ソニー(株)製8ミリビデオカメラCCDV−900により、7MHzおよび9MHzでのRF出力(dB)を測定した。CN比は、7MHzと6MHzとの出力差(dB)を測定した。
【0163】
<走行耐久性>;
温度40℃、湿度80%および温度0℃、湿度20%における100回繰返し走行耐久性について以下のように評価した。
【0164】
A:支障がなかったもの
B:裏面にキズのあるもの
C:走行はするが、D/O=50以上の多発したもの
D:走行はするが、電気特性2dB以上の低下したもの
E:走行がストップしたもの。
【0165】
<テープ減磁率(%)>;
温度60℃、湿度90%の環境下でテープを1週間放置したときのテープ減磁率(%)を測定した。放置前後でのテープの飽和磁束密度Bの値を基にして、以下の式によりテープ減磁率(%)を求めた。
【0166】
{(放置前のB1 )−(放置後のB2 )}/(放置前のB1 )×100(%)
<重層時の面粗れ>;
重層後の表面を光学顕微鏡にて観察し、その程度を以下のように評価した。
【0167】
A:最上層用塗料のみで形成したときと同等の面粗れであった
B:最上層用塗料のみで形成したときよりも平滑であった
C:最上層用塗料のみで形成したときよりも粗面化した。
【0168】
【表1】
(参考)
Figure 0003815675
【0169】
【表2】
(参考)
Figure 0003815675
【0170】
【表3】
Figure 0003815675
【0171】
【表4】
Figure 0003815675
【0172】
【表5】
Figure 0003815675
【0173】
【表6】
Figure 0003815675
【0174】
【表7】
Figure 0003815675
【0175】
【発明の効果】
この発明によると、特にデジタル用記録媒体として好適な、短波長領域での電気的特性および走行性に優れた磁気録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ウエット−オン−ウエット塗布方式による磁性層の重層塗布を説明するための図である。
【図2】図2は、磁性塗料を塗布するための押し出しコーターの一例を示す図である。
【図3】図3は、磁性塗料を塗布するための押し出しコーターの一例を示す図である。
【図4】図4は、磁性塗料を塗布するための押し出しコーターの一例を示す図である。
【符合の説明】
1 非磁性支持体
2 下層用塗料
4 磁性塗料
5a 押し出しコーター
5b 押し出しコーター
5c 押し出しコーター
5d 押し出しコーター
10 押し出しコーター
11 押し出しコーター
13 液溜り部
14 液溜り部
32 供給ロール
33 配向用磁石または垂直配向用磁石
34 乾燥器
37 スーパーカレンダー装置
38 カレンダーロール
39 巻き取りロール

Claims (4)

  1. 非磁性支持体上に、Fe原子、Al原子および希土類元素の原子を含有し、全体における元素の重量比が、Fe原子100重量部に対して、Al原子2〜10重量部、希土類元素の原子1〜8重量部であり、かつ、表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対して、Al原子数70〜200、希土類元素の原子数0.5〜30である強磁性金属粉末を少なくとも含有し、少なくとも1層の下層を介して形成され、配向処理されて成るところの、磁気記録媒体を構成する磁性層に含有される強磁性金属粉末であって、前記強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数60〜300、希土類元素の原子数0.5〜60であることを特徴とする強磁性金属粉末
  2. 前記希土類元素の原子がSm、Nd、YおよびPrよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の強磁性金属粉末
  3. 前記磁性層の乾燥膜厚が0.02〜0.6μm、前記下層の乾燥膜厚が0.2〜2.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の強磁性金属粉末
  4. 前記下層は針状の非磁性粉末が含有された層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の強磁性金属粉末
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