JP3815557B2 - 符号化装置及び符号化方法、並びに復号装置及び復号方法 - Google Patents

符号化装置及び符号化方法、並びに復号装置及び復号方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化装置及び符号化方法、並びにこれらの符号化装置及び符号化方法によって符号化が施された符号の復号を行う復号装置及び復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、移動体通信や深宇宙通信といった通信分野、及び地上波又は衛星ディジタル放送といった放送分野の研究が著しく進められているが、それにともない、誤り訂正符号化及び復号の効率化を目的として符号理論に関する研究も盛んに行われている。
【0003】
符号性能の理論的限界としては、いわゆるシャノン(C. E. Shannon)の通信路符号化定理によって与えられるシャノン限界が知られている。
【0004】
符号理論に関する研究は、このシャノン限界に近い性能を示す符号を開発することを目的として行われている。近年では、シャノン限界に近い性能を示す符号化方法として、例えば、並列連接畳み込み符号(Parallel Concatenated Convolutional Codes;PCCC)や縦列連接畳み込み符号(Serially Concatenated Convolutional Codes;SCCC)といったいわゆるターボ符号化(Turbo coding)と呼ばれる手法が開発されている。
【0005】
また、これらのターボ符号が開発される一方で、古くから知られる符号化方法である低密度パリティ検査符号(Low Density Parity Check codes;以下、LDPC符号という。)が脚光を浴びつつある。
【0006】
このLDPC符号は、R. G. Gallagerによる「R. G. Gallager, "Low-Density Parity-Check Codes", Cambridge, Massachusetts: M. I. T. Press, 1963」によって最初に提案されたものであり、その後、「D. J. C. MacKay, "Good error correcting codes based on very sparse matrices", Submitted to IEEE Trans. Inf. Theory, IT-45, pp. 399-431, 1999」や「M. G. Luby, M. Mitzenmacher, M. A. Shokrollahi and D. A. Spielman, "Analysis of low density codes and improved designs using irregular graphs", Available at http://www.icsi.berkeley.edu/~luby/」等によって再発見されるに至ったものである。
【0007】
LDPC符号は、近年の研究により、ターボ符号等と同様に、符号長を長くしていくにしたがって、シャノン限界に近い性能が得られることがわかりつつある。また、LDPC符号は、最小距離が符号長に比例するという性質があることから、その特徴として、ブロック誤り確率特性がよく、さらに、ターボ符号等の復号特性において観測されるいわゆるエラーフロア現象が殆ど生じないことも利点として挙げられる。
【0008】
以下、このようなLDPC符号について具体的に説明する。なお、LDPC符号は、線形符号であり、必ずしも2元である必要はないが、ここでは、2元であるものとして説明する。
【0009】
LDPC符号は、当該符号を定義する検査行列が疎なものであることを最大の特徴とするものである。ここで、疎な行列とは、当該行列内の"1"の個数が非常に少なく構成されるものであり、疎な検査行列を"H"で表すものとすると、例えば図14に示すように、各列のハミング重みが"3"であり、且つ、各行のハミング重みが"6"であるもの等が考えられる。
【0010】
このように、各行及び各列のハミング重みが一定である検査行列Hによって定義されるLDPC符号は、レギュラーLDPC符号と称される。一方、各行及び各列のハミング重みが一定でない検査行列Hによって定義されるLDPC符号は、イレギュラーLDPC符号と称される。
【0011】
このようなLDPC符号による符号化は、検査行列Hに基づいて生成行列Gを生成し、この生成行列Gを2元の情報メッセージに対して積算することによって符号語を生成することで実現される。具体的には、LDPC符号による符号化を行う符号化装置は、まず、検査行列Hの転置行列Hと算出される生成行列Gとの間に、GH=0が成立する生成行列Gを算出する。ここで、生成行列Gが、k×n行列である場合には、符号化装置は、当該生成行列Gに対してkビットからなる情報メッセージを積算し、nビットからなる符号語を生成する。この符号化装置によって生成された符号語は、値が"0"の符号ビットが"+1"に、値が"1"の符号ビットが"−1"にといったようにマッピングされて送信され、所定の通信路を介して復号装置によって受信されることになる。
【0012】
一方、このLDPC符号の復号は、上述したGallagerが"Probabilistic Decoding"と称して提案したアルゴリズムであって、バリアブルノード(valiable node(メッセージノード(message node)ともいう。))とチェックノード(check node)とからなるいわゆるタナーグラフ(Tanner graph)上での確率伝播(belief propagation)によるメッセージ・パッシング・アルゴリズムによって行うことが可能である。しかしながら、この"Probabilistic Decoding"においては、各ノード間で受け渡されるメッセージが実数値であることから、解析的に解くためには、連続した値をとるメッセージの確率分布そのものを追跡する必要があり、非常に困難をともなう解析を必要とすることになる。
【0013】
そこで、Gallagerは、LDPC符号の復号アルゴリズムとして、アルゴリズムA又はアルゴリズムBを提案している。
【0014】
一般的には、LDPC符号の復号は、図15に示すような手順にしたがって行われる。なお、ここでは、受信値をU(u0i)とし、チェックノードから出力されるメッセージをuとし、バリアブルノードから出力されるメッセージをvとしており、メッセージとは、値の"0"らしさをいわゆる対数尤度比(log likelihood ratio)で表現した実数値である。
【0015】
まず、LDPC符号の復号においては、同図に示すように、ステップS11において、受信値U(u0i)を受信すると、メッセージuを"0"とするとともに、繰り返し処理のカウンタとしての整数kを"0"とする。
【0016】
続いて、LDPC符号の復号においては、ステップS12において、受信値U(u0i)に基づいて、次式(4)に示す演算を行うことによってメッセージvを求め、さらに、このメッセージvに基づいて、次式(5)に示す演算を行うことによってメッセージuを求める。そして、LDPC符号の復号においては、整数kを"1"だけインクリメントする。
【0017】
【数4】
Figure 0003815557
【0018】
【数5】
Figure 0003815557
【0019】
なお、上式(4)及び上式(5)におけるdv,dcは、それぞれ、上述した検査行列Hの縦方向(列)及び横方向(行)の"1"の個数を示す任意に選択可能とされるパラメータであり、例えば(3,6)符号の場合には、dv=3,dc=6となる。ここで、上式(4)及び上式(5)に示す演算においては、それぞれ、出力しようとするエッジから入力されたメッセージを、積又は和演算のパラメータとしては用いないことから、積又は和演算の範囲がdv−1,dc−1までとなっている。また、上式(5)に示す演算は、実際には、2入力v,vに対する1出力で定義される次式(6)に示す関数Rのテーブルを予め作成しておき、これを次式(7)に示すように連続的に用いることによって行われる。
【0020】
【数6】
Figure 0003815557
【0021】
【数7】
Figure 0003815557
【0022】
続いて、LDPC符号の復号においては、ステップS13において、整数kがNよりも大きいか否かを判定する。
【0023】
ここで、LDPC符号の復号においては、整数kがNよりも大きくないものと判定した場合には、ステップS12からの処理を繰り返す一方で、整数kがNよりも大きいものと判定した場合には、ステップS14へと処理を移行する。
【0024】
そして、LDPC符号の復号においては、ステップS14において、次式(8)に示す演算を行うことによって最終的に出力する復号結果としてのメッセージvを求めて出力し、一連の処理を終了する。次式(8)に示す演算においては、上式(4)とは異なり、接続している全てのエッジからの入力メッセージを用いて行われる。
【0025】
【数8】
Figure 0003815557
【0026】
このようなLDPC符号の復号は、例えば(3,6)符号の場合には、図16に示すように各ノード間でメッセージの授受が行われる。なお、同図における"="で示すノードでは、上式(4)に示した演算が行われ、"+"で示すノードでは、上式(5)に示した演算が行われる。特に、上述したアルゴリズムAにおいては、メッセージを2元化し、"+"で示すノードにて、dc−1個の入力メッセージの排他的論理和演算を行い、"="で示すノードにて、受信値Rに対して、dv−1個の入力メッセージが全て異なるビット値であった場合には符号を反転して出力する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、LDPC符号の性能を向上させるには、イレギュラーな符号を用いることが考えられる。
【0028】
ここで、イレギュラーLDPC符号においては、検査行列をいわゆるディグリー・シーケンス(degree sequence)によって定義する。ディグリー・シーケンスとは、検査行列における"1"の個数の分布を表すものである。
【0029】
しかしながら、LDPC符号においては、このディグリー・シーケンスによる性能評価が行われておらず、最適化されたディグリー・シーケンスの指針を与えたものは見受けられない。したがって、LDPC符号においては、このディグリー・シーケンスを最適化することができれば、符号の性能を向上させることができる余地があることがわかる。
【0030】
また、LDPC符号の復号においては、最初に受信値を量子化する必要がある。このとき、受信値や各ノード間で授受されるメッセージを表現するビット数が少ない場合には、量子化幅をいかに設定するかによって性能が変化することが知られている。
【0031】
一般的には、ビット数が少ない場合のLDPC符号の復号は、図17に示すような手順にしたがって行われる。
【0032】
まず、LDPC符号の復号においては、同図に示すように、ステップS21において、受信値U(u0i)を受信すると、これらの受信値U(u0i)を低ビット数で量子化し、メッセージvを"u0i"とするとともに、繰り返し処理のカウンタとしての整数kを"0"とする。例えば、LDPC符号の復号においては、メッセージを2ビットで表現する場合には、受信値U(u0i)を3ビットに量子化する。LDPC符号の復号においては、この3ビットに量子化された受信値U(u0i)を2ビットに量子化し、メッセージvの算出に用いることになる。
【0033】
続いて、LDPC符号の復号においては、ステップS22において、メッセージvに基づいて、メッセージuを求め、さらに、受信値U(u0i)及び算出したメッセージuに基づいて、上式(4)に示す演算を行うことによってメッセージvを求める。そして、LDPC符号の復号においては、整数kを"1"だけインクリメントする。
【0034】
なお、LDPC符号の復号においては、上述したように、低ビット数の2入力v,vから低ビット数の1出力関数のテーブルを予め作成しておき、これを連続的に用いることによって低ビット数のメッセージuを求める。また、LDPC符号の復号においては、上式(4)を用いてメッセージvを求めると、ビット数が増加してしまうことから、これを2ビットに量子化する。
【0035】
続いて、LDPC符号の復号においては、ステップS23において、整数kがNよりも大きいか否かを判定する。
【0036】
ここで、LDPC符号の復号においては、整数kがNよりも大きくないものと判定した場合には、ステップS22からの処理を繰り返す一方で、整数kがNよりも大きいものと判定した場合には、ステップS24へと処理を移行する。
【0037】
そして、LDPC符号の復号においては、ステップS24において、最終的に出力する復号結果としてのメッセージvを求めて出力し、一連の処理を終了する。
【0038】
このようなLDPC符号の復号においては、受信値や各ノード間で授受されるメッセージを量子化する際の量子化幅によって性能が変化する。また、LDPC符号の復号においては、上式(4)を用いてメッセージvを求める際の量子化幅も誤り訂正の性能に影響する。
【0039】
しかしながら、LDPC符号の復号においては、量子化幅による性能評価が行われておらず、最適化された量子化幅の指針を与えたものは見受けられない。したがって、LDPC符号の復号においては、この量子化幅を最適化することができれば、符号の性能を向上させることができる余地があることがわかる。
【0040】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、符号化における検査行列を定義するディグリー・シーケンスを最適化して符号性能を向上させることができる符号化装置及び符号化方法、並びに量子化幅を最適化してLDPC符号の復号を高精度に行うことができる復号装置及び復号方法を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる符号化装置は、入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化装置であって、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、このディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、この検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段と、符号の復号を行う復号装置による受信値の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出手段と、この量子化幅算出手段によって算出された量子化幅の値を示す情報を復号装置に送信する送信手段とを備え、ディグリー・シーケンス算出手段は、復号装置にて受信値及びメッセージを低ビット数で表現する際に、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出し、量子化幅算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、量子化幅を最適化して算出することを特徴としている。
【0042】
このような本発明にかかる符号化装置は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンス算出手段によってディグリー・シーケンスを最適化して算出する。
【0043】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる符号化方法は、入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化方法であって、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、このディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、この検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程と、符号の復号を行う復号処理による受信値の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出工程と、この量子化幅算出工程によって算出された量子化幅の値を示す情報を復号装置に送信する送信工程とを備え、ディグリー・シーケンス算出工程では、復号処理にて受信値及びメッセージを低ビット数で表現する際に、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出され、量子化幅算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、量子化幅が最適化されて算出されることを特徴としている。
【0044】
このような本発明にかかる符号化方法は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出する。
【0045】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる復号装置は、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、このディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、この検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段と、符号の復号を行う復号装置による受信値の確率分布の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出手段と、この量子化幅算出手段によって算出された量子化幅の値を示す情報を復号装置に送信する送信手段とを備え、ディグリー・シーケンス算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出し、量子化幅算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、量子化幅を最適化して算出する符号化装置によって低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号装置であって、符号化装置から送信された符号を受信値として受信するとともに、量子化幅の値を示す情報を受信する受信手段と、この受信手段によって受信された量子化幅の値を示す情報に基づいて、受信手段によって受信された受信値の確率分布を量子化する量子化手段と、この量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出手段とを備えることを特徴としている。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる復号装置は、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、このディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、この検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段とを備え、ディグリー・シーケンス算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出する符号化装置によって低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号装置であって、符号化装置から送信されたデータを受信値として受信する受信手段と、この受信手段によって受信された受信値の確率分布を所定の低ビット数で量子化する量子化手段と、この量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出手段とを備えることを特徴としている。
【0046】
このような本発明にかかる復号装置は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、最適化されて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて符号化された符号を受信手段によって受信し、この受信手段によって受信された受信値の確率分布を量子化手段によって所定の低ビット数で量子化し、この量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいてメッセージ算出手段によって復号する。
【0047】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる復号方法は、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、このディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、この検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程と、符号の復号を行う復号装置による受信値の確率分布の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出工程と、この量子化幅算出工程によって算出された量子化幅の値を示す情報を復号装置に送信する送信工程とを備え、ディグリー・シーケンス算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出され、量子化幅算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、量子化幅が最適化されて算出される符号化方法を用いて低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号方法であって、送信されてきた符号を受信値として受信するとともに、量子化の幅の値を示す情報を受信する受信工程と、この受信工程にて受信された量子化幅の値を示す情報に基づいて、受信工程にて受信された受信値の確率分布を量子化する量子化工程と、この量子化工程にて量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出工程とを備えることを特徴としている。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる復号方法は、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、このディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、この検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程とを備え、このディグリー・シーケンス算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出される符号化方法を用いて低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号方法であって、送信されてきたデータを受信値として受信する受信工程と、この受信工程にて受信された受信値に重畳されている雑音の分散を求める分散測定工程と、この分散測定工程にて求められた雑音の分散に基づいて最適化した量子化幅を決定する量子化幅決定工程とこの量子化幅決定工程にて決定された量子化幅で、受信工程にて受信された受信値の確率分布を量子化する量子化工程と、この量子化工程にて量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出工程とを備えることを特徴としている。
【0048】
このような本発明にかかる復号方法は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、最適化されて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて符号化された符号を受信し、受信値の確率分布を所定の低ビット数で量子化し、この量子化された受信値の確率分布に基づいて復号する。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
この実施の形態は、図1に示すように、ディジタル情報を図示しない送信装置が備える符号化装置1によって符号化し、その出力を雑音のある所定の通信路2を介して図示しない受信装置に入力して、この受信装置が備える復号装置3によって復号する通信モデルに適用したデータ送受信システムである。
【0051】
このデータ送受信システムにおいて、符号化装置1は、低密度パリティ検査符号(Low Density Parity Check codes;以下、LDPC符号という。)による符号化を行うものとして構成されるものである。特に、符号化装置1は、復号装置3において受信値や各ノード間で授受されるメッセージを少ないビット数で表現する際に、後述するディグリー・シーケンス(degree sequence)を最適化し、符号性能を向上させることができるものである。
【0052】
一方、復号装置3は、符号化装置1によって符号化がなされた符号の復号を行うものであって、繰り返し復号を行うものとして構成されるものである。特に、復号装置3は、受信値や各ノード間で授受されるメッセージを少ないビット数で表現する際の量子化幅を最適化し、高精度にLDPC符号の復号を行うことができるものである。
【0053】
まず、以下では、データ送受信システムの具体的な構成の説明に先だって、当該データ送受信システムによる符号化処理及び復号処理の指針を与えるに至った解析結果について説明する。
【0054】
まず、復号処理における量子化方法の最適化に関する解析結果について説明する。
【0055】
イニシャル・メッセージ、すなわち、受信値を3ビットで表現し、その後のメッセージを2ビットで表現する復号処理の解析を、例えば「Sae-Young Chung, G. David Forney, Jr. , Thomas J. Richardson and Rudiger Urbanke, "On the design of low-density parity-check codes within 0.0045 dB of the Shannon limit", To Appear in IEEE Communications Letters」に記載されている手法である、いわゆるデンシティ・エボルーション(density evolution)によって行う。
【0056】
まず、レギュラーないわゆる(3,6)符号について、すなわち、dv=3,dc=6とした場合について解析する。
【0057】
バリアブルノード(valiable node)から出力されるメッセージをVとし、チェックノード(check node)から出力されるメッセージをUとすると、メッセージVは、次式(9)で表すことができる。
【0058】
【数9】
Figure 0003815557
【0059】
上式(9)において、メッセージUは、イニシャル・メッセージであり、メッセージU(j=1,2,・・・,dv−1)は、隣接するバリアブルノードから入力されるメッセージである。また、メッセージUは、次式(10)で表すことができる。
【0060】
【数10】
Figure 0003815557
【0061】
ここで、いわゆる対数尤度比(log likelihood ratio)で表現された実数値であるイニシャル・メッセージを3ビットに量子化する場合には、当該イニシャル・メッセージの確率分布における正値の部分と負値の部分とを、それぞれ、4つの領域に分割する。すなわち、イニシャル・メッセージの確率分布が図2(A)に示すように表される場合には、同図(B)に示すように、8つの領域に分割するように量子化する。なお、同図における横軸は、対数尤度比を示し、縦軸は、確率分布を示している。このとき、対数尤度比の分割の区切りは、正値の部分で3つ必要になるが、これらの値、すなわち、量子化幅をa,a,aとする。また、負値の部分については、正値の部分と対称に分割するものとする。メッセージUは、3ビットであることから、0〜7の値をとるものとし、イニシャル・メッセージU以外の他のメッセージUは、2ビットであることから、0〜3の値をとるものとする。
【0062】
デンシティ・エボルーションにおいては、dv=3の場合には、メッセージUの確率分布Pu0(j)(j=0,1,・・・,7)と、メッセージVの確率分布Pを求めるために、チェックノードから入力されるメッセージUの確率分布P(j)(j=0,1,2,3)とを用いて、次式(11)に示すような畳み込み演算を行う。なお、次式(11)における"*"は、畳み込み演算を表す演算子である。
【0063】
【数11】
Figure 0003815557
【0064】
この上式(11)に示す畳み込み演算は、多項式の乗算のようにして実現することができる。求められた確率分布Pは、0〜13の値をとることになる。デンシティ・エボルーションにおいては、この確率分布Pで表されるメッセージを2ビットに量子化し、バリアブルノードから出力されるメッセージVとする。
【0065】
つぎに、上式(10)に示した演算方法について説明する。バリアブルノードは、dc=6の場合には、5入力1出力のノードとなる。このバリアブルノードから出力されるメッセージVは、2ビットであることから、0〜3の値をとる。ここで、値0,1は、対数尤度比が負値である場合に対応し、値2,3は、対数尤度比が正値である場合に対応するものとする。したがって、バリアブルノードは、入力されるメッセージに"0"又は"1"の値が奇数個含まれている場合には、"0"又は"1"の値を出力し、入力されるメッセージに"0"又は"1"の値が偶数個含まれている場合には、"2"又は"3"の値を出力する。また、バリアブルノードは、1つでも"1"又は"2"の値がある場合には、"1"又は"2"の値を出力する。デンシティ・エボルーションにおいては、このような規則が成立するときには、以下のようにして演算が行われる。
【0066】
まず、次式(12)に示すように、2入力で上式(10)におけるメッセージUに対応する1出力の関数Rを定義する。
【0067】
【数12】
Figure 0003815557
【0068】
この上式(12)に示す関数Rで表される2ビットのメッセージVは、次表1に示すようなテーブルを予め作成しておき、このテーブルを参照することによって求めることができる。
【0069】
【表1】
Figure 0003815557
【0070】
したがって、上式(10)に対応する5入力(V,V,V,V,V)に対する1出力(U)は、次式(13)に示すように、上表1を用いた上式(12)の演算を連続的に行うことによって求めることができる。
【0071】
【数13】
Figure 0003815557
【0072】
さて、デンシティ・エボルーションにおいては、メッセージV,Vの確率分布を、それぞれ、P(i),P(i)(i=0,1,2,3)とすると、上式(12)に対応する演算は、次式(14)に示すようになる。
【0073】
【数14】
Figure 0003815557
【0074】
デンシティ・エボルーションにおいては、入力されるメッセージVの確率分布をPとすると、上式(13)に対応するメッセージUの確率分布Pは、次式(15)によって求めることができる。
【0075】
【数15】
Figure 0003815557
【0076】
ここで、上式(14)に示した演算においては、上表1を用いた上式(13)の演算を本来であれば4回行う必要があるが、次式(16)乃至次式(18)に示すように、3回の演算で済ませることができる。
【0077】
【数16】
Figure 0003815557
【0078】
【数17】
Figure 0003815557
【0079】
【数18】
Figure 0003815557
【0080】
この上式(18)の結果と上式(15)の結果は、一致する。これにより、デンシティ・エボルーションにおいては、確率分布Pから2ビットの確率分布Pを求めることができる。
【0081】
さて、以上のようなデンシティ・エボルーションによる解析例を以下に示す。解析は、イニシャル・メッセージUを3ビットとしたときにおいて、上述した量子化幅a,a,aを最適化した場合、及び量子化幅a,a,aを等間隔とした場合、並びにイニシャル・メッセージUを2ビットとしたときにおいて、量子化幅aのみを最適化した場合について行った。
【0082】
まず、イニシャル・メッセージUを3ビットとしたときにおいて、量子化幅a,a,aを最適化する場合を考えた。ここで、演算の範囲は、対数尤度比が"−25"から"+25"までとした。
【0083】
イニシャル・メッセージUを3ビットとするためには、量子化幅a,a,aを設定する必要がある。ここでは、1ビットあたりの信号対雑音電力比E/N[dB]又は雑音の分散σが与えられたとき、誤り訂正の性能が最良となるように、量子化幅a,a,aを最適化することを試みる。この場合、解析を行うと、図3中実線部aに示すような結果が得られた。なお、同図における横軸は、信号対雑音電力比E/Nを示し、縦軸は、復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)を示している。また、横軸に示す信号対雑音電力比E/Nに対応する雑音の分散σ及び誤り訂正前の誤り確率Pは、次表2に示す値である。
【0084】
【表2】
Figure 0003815557
【0085】
同図からは、雑音の分散σの閾値が不明確である。より具体的には、雑音の分散σが"0.8237"のとき、誤り訂正前の誤り確率Pは、"0.1123"であり、誤り訂正後の誤り確率は、"0.004533"まで減少するが、"0"にまで減少することはないという結果が得られた。このときの量子化幅a,a,aは、それぞれ、"1.46","2.91","4.57"となった。この量子化幅a,a,aは、それぞれ、互いに略等間隔になっており、次式(19)に示す関係が成立する。
【0086】
【数19】
Figure 0003815557
【0087】
また、同図から、雑音の分散σを小さくしていくと、誤り訂正後の誤り確率は小さくなるが、"0"になるような閾値が存在しないことがわかる。このとき、量子化幅a,a,aは、互いに略等間隔である状態からは大きく離れていく。例えばσ=0.776の場合には、誤り訂正前の誤り確率Pは、"0.0988"であり、誤り訂正後の誤り確率は、"5.94×10−10"となった。このときの量子化幅a,a,aは、それぞれ、"1.75","8.02","21.6"となった。なお、上式(11)に示した確率分布Pは、上述したように、0〜13の値をとり、これを2ビットに量子化する際には、次式(20)を用いている。
【0088】
【数23】
Figure 0003815557
【0089】
【数20】
Figure 0003815557
【0090】
つぎに、量子化幅a,a,aを等間隔とする場合を考えた。すなわち、イニシャル・メッセージUについては、同様に3ビットとしたが、a=2・a,a=3・aの条件を付加して解析を行った。したがって、この場合には、誤り訂正の性能を最良とするための最適化のパラメータは、量子化幅aのみとなる。この場合、解析を行うと、図3中破線部bに示すような結果が得られた。
【0091】
同図から、信号対雑音電力比E/Nが1.8dB程度までは、同図中実線部aに示した結果と同様であるが、信号対雑音電力比E/Nが1.8dBよりも大きくなった場合には、誤り訂正の性能が悪化するということがわかる。
【0092】
つぎに、イニシャル・メッセージUを2ビットとしたときにおいて、量子化幅aのみを誤り訂正の性能が最良となるように最適化する場合を考えた。この場合、イニシャル・メッセージUの確率分布における正値の部分は、U(2)及びU(3)の2つに分割することになることから、その境界は、値aのみとなる。誤り訂正の性能が最良となるように量子化幅aの最適化を行うと、図3中破線部cに示すような結果が得られた。
【0093】
同図から、雑音の分散σに閾値が存在することがわかり、その閾値は、σ=0.7725となった。このときの量子化幅aは、"1.755"となった。なお、2ビットの場合には、上式(11)に示した確率分布Pは、0〜9の値をとることになり、これを2ビットに量子化するための上式(20)に対応する算出式として、V(1)=P(4),V(2)=P(5)を用い、残りのP(0)からP(3)までの和をV(0)とし、P(6)からP(9)までの和をV(3)としている。
【0094】
以上の解析結果から、LDPC符号の復号においては、雑音の分散σの値に応じて、最適な量子化幅が存在することがわかる。したがって、LDPC符号の復号においては、イニシャル・メッセージやバリアブルノードから出力されるメッセージを量子化する際には、与えられた雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、量子化幅を設定するのが望ましいことが示唆された。換言すれば、LDPC符号の復号においては、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散σが最大となるように、量子化幅を設定するのが望ましいことが示唆された。
【0095】
さて、データ送受信システムにおける受信装置が備える復号装置3は、このような解析の結果を踏まえて、以下のように構成することができる。
【0096】
すなわち、復号装置3は、例えば図4に示すように、送信装置から通信路2を介して送信されたデータD1を受信する受信部10と、この受信部10によって受信されたデータD1に重畳されている雑音の分散σを求める分散測定部20と、この分散測定部20によって求められた雑音の分散σに基づいて最適化した量子化幅を決定する量子化幅決定部30と、受信部10によって受信された受信値の確率分布Pu0を量子化する量子化部40と、この量子化部40によって量子化された受信値の確率分布Pu0に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出部50とを有する。この復号装置3は、通信路2上で発生した雑音の影響によって実数値をとる受信値に基づいて符号化装置1における入力データを推定し、復号データD2として出力する。
【0097】
受信部10は、送信装置から通信路2を介して送信されたデータD1を受信値として受信する。受信部10は、受信した受信値を分散測定部20及び量子化部40に供給する。
【0098】
分散測定部20は、受信部10によって受信されたデータD1に重畳されている雑音の分散σを測定して求める。分散測定部20は、求めた雑音の分散σの値を示す情報を量子化幅決定部30に供給する。
【0099】
量子化幅決定部30は、分散測定部20によって求められた雑音の分散σに基づいて、最適化した量子化幅を決定する。すなわち、量子化幅決定部30は、分散測定部20によって求められた雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、量子化幅を決定する。また、量子化幅決定部30は、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散σが最大となるように、量子化幅を決定するようにしてもよい。量子化幅決定部30は、受信値に対して決定した量子化幅の値を示す情報を量子化部40に供給するとともに、バリアブルノードから出力されるメッセージに対して決定した量子化幅の値を示す情報をメッセージ算出部50に供給する。
【0100】
量子化部40は、受信部10によって受信された受信値の確率分布Pu0を所定の低ビット数で量子化する。例えば、量子化部40は、メッセージを2ビットで表現する場合には、受信値の確率分布Pu0を3ビットに量子化する。このとき、量子化部40は、量子化幅決定部30によって決定された量子化幅で量子化する。量子化部40は、量子化した受信値をメッセージ算出部50に供給する。
【0101】
メッセージ算出部50は、量子化部40から供給された受信値に基づいてバリアブルノードから出力されるメッセージを算出し、さらに、このメッセージに基づいて、チェックノード(check node)から出力されるメッセージを算出する、といった一連の復号動作を所定の回数だけ反復して行い、情報ビットとしてのメッセージを算出する。具体的には、メッセージ算出部50は、図5に示すような一連の工程を経ることにより、メッセージを算出する。
【0102】
まず、メッセージ算出部50は、同図に示すように、ステップS1において、量子化部40によって量子化された受信値の確率分布Pu0をさらに量子化し、バリアブルノードから出力されるメッセージvの確率分布Pとするとともに、繰り返し処理のカウンタとしての整数kを"0"とする。例えば、メッセージ算出部50は、メッセージを2ビットで表現する場合には、例えば3ビットに量子化された受信値の確率分布Pu0を2ビットに量子化し、確率分布Pとする。
【0103】
続いて、メッセージ算出部50は、ステップS2において、確率分布Pに基づいて、チェックノードから出力されるメッセージuの確率分布Pを求め、さらに、受信値の確率分布Pu0及び算出したメッセージuの確率分布Pに基づいて、上式(11)に示す演算を行うことによってメッセージvの確率分布Pを求める。そして、LDPC符号の復号においては、整数kを"1"だけインクリメントする。
【0104】
なお、メッセージ算出部50は、低ビット数の2入力v,vから低ビット数の1出力関数のテーブルを予め作成しておき、これを上式(15)に示したように連続的に用いることによって低ビット数のメッセージuの確率分布Pを求める。また、メッセージ算出部50は、上式(11)を用いてメッセージvの確率分布Pを求めると、ビット数が増加してしまうことから、これを2ビットに量子化する。このとき、メッセージ算出部50は、量子化幅決定部30によって決定された量子化幅で量子化する。
【0105】
続いて、メッセージ算出部50は、ステップS3において、整数kがNよりも大きいか否かを判定する。
【0106】
ここで、メッセージ算出部50は、整数kがNよりも大きくないものと判定した場合には、ステップS2からの処理を繰り返す一方で、整数kがNよりも大きいものと判定した場合には、ステップS4へと処理を移行する。
【0107】
そして、メッセージ算出部50は、ステップS4において、最終的に出力する復号結果としてのメッセージvを求めて出力し、一連の処理を終了する。
【0108】
メッセージ算出部50は、このような一連の工程を経ることによって算出したメッセージを復号データD2として外部に出力する。
【0109】
このような復号装置3は、符号化装置1によって符号化されて送信されたデータD1に対して繰り返し復号を行うことにより、復号複雑度が高い符号の特性を逐次的に向上させ、所定の回数の復号動作の結果得られた復号データD2を出力する。
【0110】
このとき、復号装置3は、分散測定部20によって求められた雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、量子化幅決定部30によって量子化幅を決定し、量子化部40による受信値の量子化の際、及びメッセージ算出部50によるメッセージの量子化の際に、決定された量子化幅の低ビット数で量子化する。
【0111】
したがって、復号装置3は、符号の性能を向上させ、高精度に復号することができる。
【0112】
つぎに、イレギュラーLDPC符号の符号化処理におけるディグリー・シーケンスの最適化に関する解析結果について説明する。
【0113】
イレギュラーLDPC符号においては、検査行列をいわゆるディグリー・シーケンスによって定義する。ディグリー・シーケンスとは、検査行列における"1"の個数の分布を表すものであり、検査行列における縦方向(列)の"1"の個数の分布については、次式(21)に示す関数λ(x)で表し、検査行列における横方向(行)の"1"の個数の分布については、次式(22)に示す関数ρ(x)で表す。
【0114】
【数21】
Figure 0003815557
【0115】
【数22】
Figure 0003815557
【0116】
ここで、レギュラーLDPC符号の検査行列における縦方向(列)の"1"の個数を表す上述したdvに対応する関数λ(x)の次数nは、奇数のみとする。これは、次数nを偶数とすると、上式(11)に示した畳み込み演算において確率分布Pが奇数個となり、その結果、対数尤度比で"0"となる値が生じ、2ビットに量子化することができない事態を招来するからである。これに対して、レギュラーLDPC符号の検査行列における横方向(行)の"1"の個数を表す上述したdcに対応する関数ρ(x)の次数mは、奇数又は偶数の如何を問わない。ここでは、次式(23)に示すように、関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現し、その次数nとして、"3"と任意の奇数nを用いるとともに、次式(24)に示すように、関数ρ(x)も2項の和からなる多項式で表現するものとする。なお、次式(23)に示す係数λ(3)は、検査行列における縦方向(列)の"1"の個数が"3"である割合を示し、係数λ(n)は、検査行列における縦方向(列)の"1"の個数が"n"である割合を示している。また、次式(24)における係数ρ(m)は、検査行列における横方向(行)の"1"の個数が"m"である割合を示し、係数ρ(m+1)は、検査行列における横方向(行)の"1"の個数が"m+1"である割合を示している。
【0117】
【数23】
Figure 0003815557
【0118】
【数24】
Figure 0003815557
【0119】
また、符号化率が"1/2"の場合には、次式(25)に示す条件が付加される。
【0120】
【数25】
Figure 0003815557
【0121】
これらの条件から、次式(26)に示すように、検査行列における横方向(行)の"1"の個数の平均値を示すパラメータdc(ave)が与えられると、上式(23)及び上式(24)における係数λ(3),λ(n),ρ(m),ρ(m+1)が求められる。
【0122】
【数26】
Figure 0003815557
【0123】
さて、解析例を以下に示す。解析は、次数nについては、n=9,11,13,15の4通りとし、次数mについては、m=6とした場合について行った。
【0124】
まず、n=9とした場合について説明する。ここでは、雑音の分散σを"0.79"とし、さらに、上式(26)におけるパラメータdc(ave)を6〜7の間で変化させて解析を行った。この場合、パラメータdc(ave)と復号後の誤り確率との関係を求めると、図6中実線部aに示すような結果が得られた。なお、同図における横軸は、パラメータdc(ave)を示し、縦軸は、復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)を示している。
【0125】
ここで、n=9の場合には、上式(11)に示した確率分布Pは、0〜31の値をとることになる。したがって、これを2ビットに量子化する際には、上式(20)の代わりに、次式(27)に示すように、V(1),V(2)として、確率分布Pの2項の和を用いている。
【0126】
【数27】
Figure 0003815557
【0127】
同図から、パラメータdc(ave)が"6.67"の場合に、誤り訂正後の誤り確率が最小になることがわかる。
【0128】
そこで、パラメータdc(ave)を"6.67"としたときの信号対雑音電力比E/Nと復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めると、図7中破線部bに示すような結果が得られた。なお、横軸に示す信号対雑音電力比E/Nに対応する雑音の分散σ及び誤り訂正前の誤り確率Pは、次表3に示す値である。また、同図における実線部aは、パラメータdc(ave)を"6"とした場合、すなわち、レギュラーな(3,6)符号の場合について示している。
【0129】
【表3】
Figure 0003815557
【0130】
同図から、レギュラーな(3,6)符号に比べ、パラメータdc(ave)を"6.67"としたイレギュラーな符号の方が性能が向上することがわかる。
【0131】
つぎに、n=11,13とした場合について説明する。n=11とした場合には、雑音の分散σを"0.79"とし、n=13とした場合には、雑音の分散σを"0.795"とし、パラメータdc(ave)を変化させて解析を行った。この場合、パラメータdc(ave)と復号後の誤り確率との関係を求めると、n=11の場合には、図6中破線部bに示すような結果が得られ、n=13の場合には、同図中破線部cに示すような結果が得られた。なお、このとき、確率分布Pを2ビットに量子化する際には、上式(27)に示したように、V(1),V(2)として、確率分布Pの2項の和を用いている。
【0132】
同図から、n=11の場合には、パラメータdc(ave)が"6.96"の場合に、誤り訂正後の誤り確率が最小になり、n=13の場合には、パラメータdc(ave)が"7.12"の場合に、誤り訂正後の誤り確率が最小になることがわかる。
【0133】
そこで、パラメータdc(ave)を"6.96","7.12"としたときの信号対雑音電力比E/Nと復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めると、それぞれ、図7中破線部c,dに示すような結果が得られた。
【0134】
同図から、次数nを増加させると性能が向上することがわかる。
【0135】
最後に、n=15とした場合について説明する。ここでは、上式(11)に示した確率分布Pを量子化する際に、V(1),V(2)として、確率分布Pの2項の和を用いる場合と3項の和を用いる場合とを比較したとき、どちらの性能がよいかを調べた。雑音の分散σを"0.795"とし、パラメータdc(ave)を7〜8の間で変化させて解析を行うと、2項の和を用いた場合には、図8中破線部aに示すような結果が得られ、3項の和を用いた場合には、同図中実線部bに示すような結果が得られた。なお、同図における横軸は、パラメータdc(ave)を示し、縦軸は、復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)を示している。
【0136】
同図から、V(1),V(2)として、確率分布Pの3項の和を用いる場合の方が性能が向上し、パラメータdc(ave)が"7.61"の場合に、誤り訂正後の誤り確率が最小になることがわかる。
【0137】
そこで、V(1),V(2)として、確率分布Pの3項の和を用い、パラメータdc(ave)を"7.61"としたときの信号対雑音電力比E/Nと復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めると、図7中破線部eに示すような結果が得られた。
【0138】
同図から、次数nを増加させると性能が向上することがわかる。
【0139】
これらの解析から、レギュラー符号に比べ、イレギュラー符号の方が性能が向上し、また、イレギュラー符号の場合には、ディグリー・シーケンスを表す関数λ(x)の最高次数nを増加させるのにともない、性能が向上することがわかった。
【0140】
そこで、関数λ(x)の最高次数nをさらに増加させるとどのような特性が現れるかを調べた。また、関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現する場合と3項の和からなる多項式で表現する場合とにおける特性の比較も試みた。
【0141】
まず、関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現する場合、すなわち、上式(23)を用いて検査行列における縦方向(列)のディグリー・シーケンスを表現する場合について説明する。なお、このとき、検査行列における横方向(行)のディグリー・シーケンスについては、上式(24)に示した関数ρ(x)を用いて表すものとする。
【0142】
デンシティ・エボルーションにおいては、関数λ(x)が上式(23)によって表される場合には、xの項に対応する確率分布は、上式(11)及び上式(20)を用いて求めることができる。一方、デンシティ・エボルーションにおいては、xの項に対する畳み込み演算は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;以下、FFTという。)を用いて行うことができる。この畳み込み演算の結果は、P(0)からP(nf)(nf=7+3(n―1))まで値が入ることになる。解析を行う際には、この結果を2ビットに量子化するのであるが、次数nが大きいときには、この2ビットに量子化する際、上式(20)におけるV(1),V(2)を1項で表すのではなく、2つ以上の項で表した方が性能が向上する。この量子化の際のV(1),V(2)を表す項数kを変化させたときの性能を調べた。
【0143】
この解析においては、イニシャル・メッセージUを3ビットに量子化する際の上述した量子化幅a,a,aは、常に最適化するものとし、繰り返し復号によって誤り確率が所定の値となったときの雑音の分散σを求めた。具体的には、この解析においては、関数λ(x)の次数nを与え、繰り返し復号後の誤り確率が"10−3"となる場合と"10−6"となる場合とについて、雑音の分散σが最大となるように、上式(23)における係数λ(n)を最適化した。
【0144】
この場合、次数nと復号後の誤り確率が"10−3"となるときの雑音の分散σとの関係を求めると、図9に示すような結果が得られた。なお、同図においては、確率分布Pを2ビットに量子化する際に、V(1),V(2)を表す項数kをパラメータとし、k=1,2,3,4としたときにおける特性を、それぞれ、実線部a、破線部b,c,dで示している。
【0145】
同図から、k=3の場合に最も性能が向上することがわかる。より具体的には、k=3の場合、次数nが"19"までは、nが増加するのにともない雑音の分散σは大きくなり、誤り訂正の性能は向上するが、次数nを"19"よりも大きくすると、雑音の分散σは小さくなり、誤り訂正の性能が悪化することがわかる。この解析から、誤り訂正後の誤り確率を"10−3"とするときには、項数kが"3"のとき且つ次数nが"19"のときに誤り訂正の性能が最良となり、そのときの雑音の分散σの最大値は、"0.8371"(E/N=1.54dB)となる結果が得られた。また、このときの係数λ(n)は、"0.3088"となり、検査行列における横方向(行)の"1"の個数の平均値ρ(ave)は、"8.1270"となった。
【0146】
また、次数nと復号後の誤り確率が"10−6"となるときの雑音の分散σとの関係を求めると、図10に示すような結果が得られた。なお、同図においても、確率分布Pを2ビットに量子化する際に、V(1),V(2)を表す項数kをパラメータとし、k=1,2,3,4,5としたときにおける特性を、それぞれ、実線部a、破線部b,c,d,eで示している。
【0147】
同図から、次数nが"11"よりも大きい場合には、k=3の場合に最も性能が向上することがわかる。より具体的には、k=3の場合、次数nが"21"までは、nが増加するのにともない雑音の分散σは大きくなり、誤り訂正の性能は向上するが、次数nを"21"よりも大きくすると、雑音の分散σは小さくなり、誤り訂正の性能が悪化することがわかる。この解析から、誤り訂正後の誤り確率を"10−6"とするときには、項数kが"3"のとき且つ次数nが"21"のときに誤り訂正の性能が最良となり、そのときの雑音の分散σの最大値は、"0.8068"(E/N=1.864dB)となる結果が得られた。また、このときの係数λ(n)は、"0.3010"となり、検査行列における横方向(行)の"1"の個数の平均値ρ(ave)は、"8.096"となった。
【0148】
このように、関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現する場合には、次数nに、誤り訂正の性能を最大とする閾値が存在することがわかった。
【0149】
つぎに、関数λ(x)を3項の和からなる多項式で表現する場合、すなわち、次式(28)を用いて検査行列における縦方向(列)のディグリー・シーケンスを表現する場合について説明する。なお、このとき、検査行列における横方向(行)のディグリー・シーケンスについては、上式(24)に示した関数ρ(x)を用いて表すものとする。また、次式(28)における次数n,nは、それぞれ、奇数であるものとする。
【0150】
【数28】
Figure 0003815557
【0151】
ここで、符号化率が"1/2"の場合には、次式(29)に示す条件が付加される。
【0152】
【数29】
Figure 0003815557
【0153】
関数ρ(x)における次数mは、上式(29)における係数λ(n),λ(n)が与えられたとき、0<ρ(m)<1となる整数mとして求めることができる。
【0154】
解析においては、上式(28)で表される関数λ(x)について、上述したように、xの項に対応する確率分布を、上式(11)及び上式(20)を用いて求めるとともに、xn1,xn2の項に対する畳み込み演算を、FFTを用いて行った。また、この結果を2ビットに量子化する際の上式(20)におけるV(1),V(2)としては、関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現した場合に性能が最良であった条件、すなわち、次数n,nが"11"以上のときに3項(k=3)で表すものとした。
【0155】
この解析においては、関数λ(x)の次数n,nを与え、繰り返し復号後の誤り確率が"10−6"となる場合について、雑音の分散σが最大となるように、上式(28)における係数λ(n),λ(n)を最適化した。
【0156】
この場合、次数nをパラメータとし、次数nと復号後の誤り確率が"10−6"となるときの雑音の分散σとの関係を求めると、図11に示すような結果が得られた。なお、同図においては、n=23,25,27,29,31,33,41としたときにおける特性を、それぞれ、実線部a、破線部b,c,d,e,f,gで示している。
【0157】
同図から、n=21の場合に最も性能が向上することがわかる。しかも、n=21の場合には、次数nの値によらず、雑音の分散σが一定となることがわかる。より具体的には、次数nが"21"までは、nが増加するのにともない雑音の分散σは大きくなり、誤り訂正の性能は向上するが、次数nを"21"よりも大きくすると、雑音の分散σは小さくなり、誤り訂正の性能が悪化することがわかる。この解析から、誤り訂正後の誤り確率を"10−6"とするときには、項数kが"3"のとき且つ次数nが"21"のときに誤り訂正の性能が最良となり、そのときの雑音の分散σの最大値は、"0.8068"(E/N=1.864dB)となる結果が得られた。このとき、係数λ(n)は"0"となり、図10に示した関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現する場合のn=21のときの結果と一致した。
【0158】
そこで、図示しないが、n=21としたときにおいて、次数nと復号後の誤り確率が"10−6"となるときの雑音の分散σとの関係を求めると、係数λ(n)を負値とした場合には、雑音の分散σは大きくなるが、係数λ(n)を正値とした場合には、雑音の分散σは小さくなるという結果が得られた。すなわち、係数λ(n)を"0"とした場合の性能が最良であるという結果が得られた。これは、図10に示した関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現する場合に相当する。
【0159】
したがって、誤り訂正後の誤り確率を"10−6"とするときに雑音の分散σが最大となる関数λ(x),ρ(x)は、それぞれ、次式(30)及び次式(31)で表されるという結果が得られた。
【0160】
【数30】
Figure 0003815557
【0161】
【数31】
Figure 0003815557
【0162】
また、このときのイニシャル・メッセージUを3ビットに量子化するための量子化幅a,a,aは、それぞれ、"1.609","5.542","24.124"となった。
【0163】
このように、関数λ(x)を3項の和からなる多項式で表現する場合にも、次数nに、誤り訂正の性能を最大とする閾値が存在することがわかった。また、関数λ(x)を3項の和からなる多項式で表現しても、このときの雑音の分散σを、関数λ(x)を2項の和からなる多項式で表現したときの雑音の分散σの最大値よりも大きくすることができないことがわかった。すなわち、関数λ(x)は、2項の和からなる多項式で表現するのみで十分であることがわかった。
【0164】
以上の解析結果から、イレギュラーLDPC符号においては、雑音の分散σの値に応じて、最適なディグリー・シーケンス及び復号の際の量子化幅が存在することがわかる。したがって、LDPC符号においては、与えられた雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、ディグリー・シーケンス及び量子化幅を設定するのが望ましいことが示唆された。換言すれば、LDPC符号においては、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散σが最大となるように、ディグリー・シーケンス及び量子化幅を設定するのが望ましいことが示唆された。
【0165】
具体的には、検査行列における縦方向(列)のディグリー・シーケンスを表す関数λ(x)としては、検査行列における横方向(行)のディグリー・シーケンスを表す関数ρ(x)の次数mを固定して、与えられた雑音の分散σ又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化することができる。このとき、イニシャル・メッセージを量子化する際の量子化幅a,a,aについても最適化することができる。
【0166】
また、関数ρ(x)としては、上式(24)に示したように、次数を隣り合う整数m,m+1とした2項の和からなる多項式で表現することができる。このとき、検査行列における横方向(行)の"1"の個数の平均値ρ(ave)、量子化幅a,a,a、及び関数λ(x)を、与えられた雑音の分散σ又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化することができる。
【0167】
さらに、関数λ(x),ρ(x)としては、上式(23)及び上式(24)に示したように、ともに2項の和からなる多項式で表現するのが最良であることがわかった。
【0168】
さて、データ送受信システムにおける送信装置が備える符号化装置1は、このような解析の結果を踏まえて、以下のように構成することができる。
【0169】
すなわち、符号化装置1は、例えば図12に示すように、通信路の状態を推定するチャネル推定部60と、このチャネル推定部60によって推定して求められた雑音の分散σに基づいて最適化したディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出部70と、このディグリー・シーケンス算出部70によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成部80と、この検査行列生成部80によって生成された検査行列を用いてLDPC符号による符号化を行う符号化部90とを有する。
【0170】
チャネル推定部60は、通信路の状態を推定し、雑音の分散σを求める。チャネル推定部60は、求めた雑音の分散σの値を示す情報をディグリー・シーケンス算出部70に供給する。
【0171】
ディグリー・シーケンス算出部70は、チャネル推定部60によって求められた雑音の分散σに基づいて、最適化したディグリー・シーケンスを算出する。すなわち、ディグリー・シーケンス算出部70は、チャネル推定部60によって求められた雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、ディグリー・シーケンスを算出する。また、ディグリー・シーケンス算出部70は、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散σが最大となるように、ディグリー・シーケンスを算出するようにしてもよい。より具体的には、ディグリー・シーケンス算出部70は、関数ρ(x)の次数mを固定して、与えられた雑音の分散σ又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化した関数λ(x)を算出する。また、ディグリー・シーケンス算出部70は、次数を隣り合う整数とした2項の和からなる多項式で表現した関数ρ(x)を算出し、与えられた雑音の分散σ又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化した関数λ(x)及び検査行列における横方向(行)の"1"の個数の平均値ρ(ave)を算出する。より望ましくは、ディグリー・シーケンス算出部70は、上式(23)及び上式(24)に示したように、2項の和からなる多項式で表現した最適化した関数λ(x),ρ(x)を算出する。ディグリー・シーケンス算出部70は、算出したディグリー・シーケンスを示す情報を、検査行列生成部80に供給する。
【0172】
検査行列生成部80は、ディグリー・シーケンス算出部70によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する。検査行列生成部80は、生成した検査行列を符号化部90に供給する。
【0173】
符号化部90は、検査行列生成部80によって生成された検査行列を用いてLDPC符号による符号化を行う。具体的には、符号化部90は、検査行列に基づいて生成行列を生成し、この生成行列を情報ビットとして入力される入力データD3に対して積算することによって符号ビットとしての符号化データD4を生成する。符号化部90は、生成した符号化データD4を図示しない変調器に出力する。
【0174】
このような符号化装置1は、雑音の分散σに基づいて最適化したディグリー・シーケンスに基づく検査行列を用いて、入力データD3に対する符号化を行う。この符号化装置1によって符号化された符号化データD4は、値が"0"の符号ビットが"+1"に、値が"1"の符号ビットが"−1"にといったように図示しない変調器によってマッピングされて送信され、所定の通信路2を介して受信装置によって受信されることになる。
【0175】
一方、復号装置3としては、先に図4に示したものを用いればよい。また、データ送受信システムにおいては、符号化装置1における雑音の分散σに基づいて最適化した量子化幅a,a,aを求めることができることから、求めた量子化幅a,a,aの値を示す情報を、復号装置3に対して送信するようにしてもよい。この場合、復号装置3としては、図4に示した分散測定部20及び量子化幅決定部30を設ける必要がなく、回路規模の削減及び処理の簡略化を図ることが可能となる。
【0176】
以上説明したように、本発明の実施の形態として示したデータ送受信システムにおける符号化装置1は、復号装置3において受信値や各ノード間で授受されるメッセージを少ないビット数で表現する際に、雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散σが最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出することができ、誤り訂正の性能を向上させることができる。
【0177】
また、復号装置3は、受信値や各ノード間で授受されるメッセージを少ないビット数で表現する際に、雑音の分散σに対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散σが最大となるように、量子化幅を最適化することができ、高精度にLDPC符号の復号を行うことができる。
【0178】
したがって、データ送受信システムは、符号の性能の大幅な向上を図ることができ、ユーザに優れた利便・信頼性を提供することができるものである。
【0179】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、符号化装置及び復号装置をデータ送受信システムにおける送信装置及び受信装置に適用して説明したが、本発明は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM又はMO(Magneto Optic)といった、磁気、光又は光磁気ディスク等の記録媒体に対する記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置に適用することもできる。この場合、符号化装置によって符号化されたデータは、通信路に等価とされる記録媒体に記録され、復号装置によって復号されて再生されることになる。
【0180】
また、上述した実施の形態では、符号化装置及び復号装置ともハードウェアによって構成された装置であるものとして説明したが、これらの符号化装置及び復号装置とも、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータといったコンピュータ装置において実行可能なソフトウェアとして実現することが可能である。以下、この例について、図13を参照して説明する。
【0181】
コンピュータ装置150は、同図に示すように、各部を統括して制御するCPU(Central Processing Unit)151と、各種プログラムを含む情報を格納する読み取り専用のROM152と、ワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)153と、各種プログラムやデータ等の記録及び/又は再生を行うHDD(Hard Disk Drive)154と、これらのCPU151、ROM152、RAM153及びHDD154を接続するバス155と、CPU151、ROM152、RAM153及びHDD154と後述する表示部157、入力部158、通信部159及びドライブ160との間でデータの入出力を行うための入出力インターフェース156と、各種情報を表示する表示部157と、ユーザによる操作を受け付ける入力部158と、外部との通信を行うための通信部159と、着脱自在とされる記録媒体170に対する各種情報の記録及び/又は再生を行うドライブ160とを備える。
【0182】
CPU151は、バス155を介してROM152、RAM153及びHDD154と接続しており、これらのROM152、RAM153及びHDD154を制御する。また、CPU151は、バス155を介して入出力インターフェース156に接続しており、この入出力インターフェース156に接続されている表示部157、入力部158、通信部159及びドライブ160を制御する。さらに、CPU151は、ROM152、HDD154又はドライブ160に装着された記録媒体170に記録されている各種プログラムを実行する。
【0183】
ROM152は、各種プログラムを含む情報を格納している。このROM152に格納されている情報は、CPU151の制御の下に読み出される。
【0184】
RAM153は、CPU151が各種プログラムを実行する際のワークエリアとして機能し、CPU151の制御の下に、各種データを一時記憶する。
【0185】
HDD154は、CPU151の制御の下に、ハードディスクに対して各種プログラムやデータ等の記録及び/又は再生を行う。
【0186】
バス155は、CPU151の制御の下に、ROM152、RAM153及びHDD154から読み出された各種データ等を伝送するとともに、RAM153及びHDD154に記録する各種データ等を伝送する。
【0187】
入出力インターフェース156は、CPU151の制御の下に表示部157に各種情報を表示するためのインターフェースと、ユーザによって入力部158を介して操作された内容を示す制御信号をCPU151に対して伝送するためのインターフェースと、CPU151の制御の下に通信部159を介して外部との間でデータを入出力するためのインターフェースと、ドライブ160に装着された記録媒体170に対して各種情報の記録及び/又は再生を行うためのインターフェースとを有し、CPU151、ROM152、RAM153及びHDD154からのデータを表示部157、入力部158、通信部159及びドライブ160に対して出力したり、表示部157、入力部158、通信部159及びドライブ160からのデータをCPU151、ROM152、RAM153及びHDD154に対して入力したりする。
【0188】
表示部157は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、CPU151の制御の下に、例えばHDD154に記録されていたデータ等の各種情報を表示する。
【0189】
入力部158は、例えばユーザによるキーボードやマウスの操作を受け付け、操作内容を示す制御信号をCPU151に対して出力する。
【0190】
通信部159は、CPU151の制御の下に、例えばネットワーク回線や衛星回線等によって外部との通信を行うインターフェースとして機能する。
【0191】
ドライブ160は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM又はMOといった、磁気、光又は光磁気ディスク等の記録媒体170を着脱し、CPU151の制御の下に、装着された記録媒体170に対する各種情報の記録及び/又は再生を行う。
【0192】
このようなコンピュータ装置150は、CPU151によって所定のプログラムを実行することにより、上述した符号化装置1における符号化処理及び/又は復号装置3における復号処理を実現する。
【0193】
まず、コンピュータ装置150における符号化処理について説明する。
【0194】
コンピュータ装置150は、例えばユーザが符号化プログラムを実行するための所定の操作を行うと、入力部158により、操作内容を示す制御信号をCPU151に対して供給する。これに応じて、コンピュータ装置150は、CPU151により、符号化プログラムをRAM153にロードして実行し、符号化及び変調して得られたデータを通信部159を介して外部へと出力するとともに、必要に応じて、表示部157に処理結果等を表示する。
【0195】
ここで、符号化プログラムは、例えば記録媒体170によって提供されるものであって、CPU151の制御の下に、この記録媒体170から直接読み出されてもよく、ハードディスクに1度記録されたものが読み出されてもよい。また、符号化プログラムは、ROM152に予め格納されていてもよい。さらに、符号化の対象とするデータは、ここではハードディスクに記録されているものとする。なお、このデータは、上述した入力データD3に対応するものである。
【0196】
具体的には、コンピュータ装置150は、CPU151によって符号化プログラムを実行すると、CPU151の制御の下に、通信路の状態を推定して雑音の分散σを求める。
【0197】
続いて、コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、求めた雑音の分散σに基づいて最適化したディグリー・シーケンスを算出する。
【0198】
続いて、コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、算出したディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する。
【0199】
続いて、コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、ハードディスクに記録されている所望のデータを読み出し、このデータに対して検査行列に基づく生成行列を積算することによってLDPC符号による符号化を行い、上述した符号化データD4に対応する符号化データを生成する。
【0200】
そして、コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、生成した符号化データを所定の伝送シンボルにマッピングし、生成した伝送シンボルを1度ハードディスク等に記録した後、所望のタイミングで伝送シンボルを読み出し、通信部159を介して外部へと出力するとともに、必要に応じて、表示部157に処理結果等を表示する。なお、生成した伝送シンボルは、記録媒体170等に記録することもできる。
【0201】
このように、コンピュータ装置150は、上述した符号化装置1における符号化処理を符号化プログラムを実行することによって実現することができる。
【0202】
つぎに、コンピュータ装置150における復号処理について説明する。
【0203】
コンピュータ装置150は、例えばユーザが復号プログラムを実行するための所定の操作を行うと、入力部158により、操作内容を示す制御信号をCPU151に対して供給する。これに応じて、コンピュータ装置150は、CPU151により、復号プログラムをRAM153にロードして実行し、通信部159を介して外部から受信し、この受信値を復号するとともに、必要に応じて、表示部157に処理結果等を表示する。
【0204】
なお、復号プログラムも、符号化プログラムと同様に、例えば記録媒体170により提供されるものであって、CPU151の制御の下に、この記録媒体170から直接読み出されてもよく、ハードディスクに1度記録されたものが読み出されてもよい。また、復号プログラムは、ROM152に予め格納されていてもよい。
【0205】
具体的には、コンピュータ装置150は、CPU151によって復号プログラムを実行すると、CPU151の制御の下に、ハードディスクから読み出した受信値、若しくは通信部159を介して受信した受信値から雑音の分散σを測定して求める。
【0206】
続いて、コンピュータ装置150は、求めた雑音の分散σに基づいて最適化した量子化幅を決定し、この量子化幅で受信値の確率分布を量子化する。
【0207】
そして、コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、量子化された受信値の確率分布に対する復号動作を例えば数回乃至数十回といった所定の回数だけ反復して行い、上述した復号データD2に対応する所定の回数の復号動作の結果得られた復号データを出力する。このとき、コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、バリアブルノードから出力されるメッセージの確率分布に対しても、求めた雑音の分散σに基づいて最適化した量子化幅で量子化する。
【0208】
コンピュータ装置150は、CPU151の制御の下に、得られた復号データをハードディスク等に記録し、必要に応じて、表示部157に処理結果等を表示する。なお、得られた復号データは、記録媒体170等に記録することもできる。
【0209】
このように、コンピュータ装置150は、上述した復号装置3における復号処理を復号プログラムを実行することによって実現することができる。
【0210】
以上のように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0211】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる符号化装置は、入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化装置であって、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、このディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、この検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段とを備え、ディグリー・シーケンス算出手段は、符号の復号を行う復号装置にて受信値及びメッセージを低ビット数で表現する際に、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出する。
【0212】
したがって、本発明にかかる符号化装置は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンス算出手段によってディグリー・シーケンスを最適化して算出することにより、符号の性能を大幅に向上させることができる。
【0213】
また、本発明にかかる符号化方法は、入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化方法であって、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、このディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、この検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程とを備え、ディグリー・シーケンス算出工程では、符号の復号を行う復号処理にて受信値及びメッセージを低ビット数で表現する際に、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出される。
【0214】
したがって、本発明にかかる符号化方法は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出することにより、符号の性能を大幅に向上させることが可能となる。
【0215】
さらに、本発明にかかる復号装置は、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、このディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、この検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段とを備え、ディグリー・シーケンス算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出する符号化装置によって低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号装置であって、符号化装置から送信されたデータを受信値として受信する受信手段と、この受信手段によって受信された受信値の確率分布を所定の低ビット数で量子化する量子化手段と、この量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出手段とを備える。
【0216】
したがって、本発明にかかる復号装置は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、最適化されて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて符号化された符号を受信手段によって受信し、この受信手段によって受信された受信値の確率分布を量子化手段によって所定の低ビット数で量子化し、この量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいてメッセージ算出手段によって高精度に復号することができる。
【0217】
さらにまた、本発明にかかる復号方法は、検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、このディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、この検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程とを備え、ディグリー・シーケンス算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出される符号化方法を用いて低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号方法であって、送信されてきたデータを受信値として受信する受信工程と、この受信工程にて受信された受信値の確率分布を所定の低ビット数で量子化する量子化工程と、この量子化工程にて量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出工程とを備える。
【0218】
したがって、本発明にかかる復号方法は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、最適化されて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて符号化された符号を受信し、受信値の確率分布を所定の低ビット数で量子化し、この量子化された受信値の確率分布に基づいて高精度に復号することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すデータ送受信システムを適用する通信モデルの構成を説明するブロック図である。
【図2】イニシャル・メッセージに対する量子化を説明するための図であって、(A)は、イニシャル・メッセージの確率分布を示し、(B)は、(A)に示す確率分布を複数の領域に分割するように量子化した様子を示す図である。
【図3】量子化幅を最適化するために、信号対雑音電力比E/Nと復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めた解析結果を説明する図である。
【図4】同データ送受信システムにおける復号装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】同復号装置が有するメッセージ算出部によってメッセージを算出して出力する際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図6】イレギュラーな符号で雑音の分散σを一定としたときにおいて、パラメータdc(ave)と復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めた解析結果を説明する図である。
【図7】イレギュラーな符号でパラメータdc(ave)を一定としたときにおいて、信号対雑音電力比E/Nと復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めた解析結果を説明する図である。
【図8】イレギュラーな符号で雑音の分散σを一定としたときにおいて、パラメータdc(ave)と復号後の誤り確率の"10"を底とする対数表記(log10 BER)との関係を求めた解析結果を説明する図であって、確率分布Pを量子化する際に、V(1),V(2)として、確率分布Pの2項の和を用いる場合と3項の和を用いる場合とを比較するための図である。
【図9】関数λ(x)における次数nと復号後の誤り確率が"10−3"となるときの雑音の分散σとの関係を求めた解析結果を説明する図である。
【図10】関数λ(x)における次数nと復号後の誤り確率が"10−6"となるときの雑音の分散σとの関係を求めた解析結果を説明する図である。
【図11】関数λ(x)における次数nをパラメータとし、次数nと復号後の誤り確率が"10−6"となるときの雑音の分散σとの関係を求めた解析結果を説明する図である。
【図12】同データ送受信システムにおける符号化装置の構成を説明するブロック図である。
【図13】コンピュータ装置の構成を説明するブロック図である。
【図14】疎な検査行列の一例を説明する図である。
【図15】LDPC符号を復号する際の一連の手順を説明するフローチャートである。
【図16】(3,6)符号を復号する際における各ノード間でのメッセージの流れを説明する図である。
【図17】LDPC符号を低ビット数で量子化して復号する際の一連の手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 符号化装置、 3 復号装置、 10 受信部、 20 分散測定部、 30 量子化幅決定部、 40 量子化部、 50 メッセージ算出部、 60チャネル推定部、 70 ディグリー・シーケンス算出部、 80 検査行列生成部、 90 符号化部、 150 コンピュータ装置

Claims (13)

  1. 入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化装置であって、
    検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、
    上記ディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、
    上記検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段と
    符号の復号を行う復号装置による受信値の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出手段と、
    上記量子化幅算出手段によって算出された量子化幅の値を示す情報を上記復号装置に送信する送信手段と
    を備え、
    上記ディグリー・シーケンス算出手段は、上記復号装置にて受信値及びメッセージを低ビット数で表現する際に、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出し、
    上記量子化幅算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、上記量子化幅を最適化して算出すること
    を特徴とする符号化装置。
  2. 上記ディグリー・シーケンス算出手段は、検査行列における横方向の1の個数の分布を表す横方向ディグリー・シーケンスを、1の個数を表す次数miとこの次数miの割合ρiとをパラメータとして下記一般式(1)で表現したときの次数miを固定し、検査行列における縦方向の1の個数の分布を表す縦方向ディグリー・シーケンスを、与えられた雑音の分散又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化すること
    を特徴とする請求項1記載の符号化装置。
    Figure 0003815557
  3. 上記ディグリー・シーケンス算出手段は、検査行列における横方向の1の個数の分布を表す横方向ディグリー・シーケンスを、1の個数を表す次数を隣り合う整数m,m+1とし、これらの次数m,m+1と次数m,m+1の割合ρ(m),ρ(m+1)とをパラメータとする下記一般式(2)で表される2項の和からなる多項式で表現し、検査行列における縦方向の1の個数の分布を表す縦方向ディグリー・シーケンスを、与えられた雑音の分散又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化すること
    を特徴とする請求項1記載の符号化装置。
    Figure 0003815557
  4. 上記ディグリー・シーケンス算出手段は、検査行列における横方向の1の個数の平均値を、与えられた雑音の分散又は与えられた復号後の誤り確率に対して最適化すること
    を特徴とする請求項3記載の符号化装置。
  5. 上記ディグリー・シーケンス算出手段は、検査行列における縦方向の1の個数の分布を表す縦方向ディグリー・シーケンスを、1の個数を表す次数を2種類の奇数n1,n2とし、これらの次数n1,n2と次数n1,n2の割合λ(n1),λ(n2)とをパラメータとする下記一般式(3)で表される2項の和からなる多項式で表現すること
    を特徴とする請求項3記載の符号化装置。
    Figure 0003815557
  6. 入力されたデータに対して低密度パリティ検査符号による符号化を行う符号化方法であって、
    検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、
    上記ディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、
    上記検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程と
    符号の復号を行う復号処理による受信値の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出工程と、
    上記量子化幅算出工程によって算出された量子化幅の値を示す情報を上記復号装置に送信する送信工程と
    を備え、
    上記ディグリー・シーケンス算出工程では、上記復号処理にて受信値及びメッセージを低ビット数で表現する際に、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出され、
    上記量子化幅算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、上記量子化幅が最適化されて算出されること
    を特徴とする符号化方法。
  7. 検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、上記ディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、上記検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段と、符号の復号を行う復号装置による受信値の確率分布の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出手段と、上記量子化幅算出手段によって算出された量子化幅の値を示す情報を上記復号装置に送信する送信手段とを備え、上記ディグリー・シーケンス算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出し、上記量子化幅算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、上記量子化幅を最適化して算出する符号化装置によって低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う上記復号装置であって、
    上記符号化装置から送信された上記符号を上記受信値として受信するとともに、上記量子化幅の値を示す情報を受信する受信手段と、
    上記受信手段によって受信された量子化幅の値を示す情報に基づいて、上記受信手段によって受信された受信値の確率分布を量子化する量子化手段と、
    上記量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしての メッセージを算出するメッセージ算出手段とを備えること
    を特徴とする復号装置。
  8. 検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出手段と、上記ディグリー・シーケンス算出手段によって算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成手段と、上記検査行列生成手段によって生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化手段とを備え、上記ディグリー・シーケンス算出手段は、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスを最適化して算出する符号化装置によって低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号装置であって、
    上記符号化装置から送信されたデータを受信値として受信する受信手段と、
    上記受信手段によって受信された受信値に重畳されている雑音の分散を求める分散測定手段と、
    上記分散測定手段によって求められた雑音の分散に基づいて最適化した量子化幅を決定する量子化幅決定手段と
    上記量子化幅決定手段によって決定された量子化幅で、上記受信手段によって受信された受信値の確率分布を量子化する量子化手段と、
    上記量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出手段とを備えること
    を特徴とする復号装置。
  9. 上記メッセージ算出手段は、バリアブルノードから出力されるメッセージの確率分布を所定の低ビット数で量子化すること
    を特徴とする請求項7または請求項8記載の復号装置。
  10. 上記メッセージ算出手段は、バリアブルノードから出力されるメッセージの確率分布を所定の低ビット数で量子化する際に、上記量子化幅決定手段によって決定された量子化幅でメッセージの確率分布を量子化すること
    を特徴とする請求項記載の復号装置。
  11. 上記メッセージ算出手段は、上記量子化手段によって量子化された受信値の確率分布に基づいてバリアブルノードから出力されるメッセージの確率分布を算出し、さらに、この確率分布に基づいて、チェックノードから出力されるメッセージの確率分布を算出する一連の復号動作を所定の回数だけ反復して行うこと
    を特徴とする請求項7または請求項8記載の復号装置。
  12. 検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、上記ディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、上記検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程と、符号の復号を行う復号装置による受信値の確率分布の量子化の際の量子化幅を最適化して算出する量子化幅算出工程と、上記量子化幅算出工程によって算出された量子化幅の値を示す情報を上記復号装置に送信する送信工程とを備え、上記ディグリー・シーケンス算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出され、上記量子化幅算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、上記量子化幅が最適化されて算出される符号化方法を用いて低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号方法であって、
    送信されてきた上記符号を上記受信値として受信するとともに、上記量子化の幅の値を 示す情報を受信する受信工程と、
    上記受信工程にて受信された量子化幅の値を示す情報に基づいて、上記受信工程にて受信された受信値の確率分布を量子化する量子化工程と、
    上記量子化工程にて量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出工程とを備えること
    を特徴とする復号方法。
  13. 検査行列における1の個数の分布を表すディグリー・シーケンスを算出するディグリー・シーケンス算出工程と、上記ディグリー・シーケンス算出工程にて算出されたディグリー・シーケンスに基づいて検査行列を生成する検査行列生成工程と、上記検査行列生成工程にて生成された検査行列を用いて符号化を行う符号化工程とを備え、上記ディグリー・シーケンス算出工程では、与えられた雑音の分散に対して復号後の誤り確率が最小となるように、または、与えられた復号後の誤り確率に対して雑音の分散が最大となるように、ディグリー・シーケンスが最適化されて算出される符号化方法を用いて低密度パリティ検査符号による符号化が施された符号の復号を行う復号方法であって、
    送信されてきたデータを受信値として受信する受信工程と、
    上記受信工程にて受信された受信値に重畳されている雑音の分散を求める分散測定工程と、
    上記分散測定工程にて求められた雑音の分散に基づいて最適化した量子化幅を決定する量子化幅決定工程と
    上記量子化幅決定工程にて決定された量子化幅で、上記受信工程にて受信された受信値の確率分布を量子化する量子化工程と、
    上記量子化工程にて量子化された受信値の確率分布に基づいて情報ビットとしてのメッセージを算出するメッセージ算出工程とを備えること
    を特徴とする復号方法。
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