JP3814568B2 - 光電変換装置及びそれを用いたx線検出装置 - Google Patents
光電変換装置及びそれを用いたx線検出装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ、スキャナ等に用いられる光電変換装置に係わり、特に、X線等の放射線画像を読み取るために用いられる高性能大面積の2次元光電変換装置及びそれを用いたX線検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光電変換装置は、従来コンピューターなどのスキャナ等に用いられているが、特に、最近では新たな応用として、大面積2次元の光電変換装置が医療用に提案され、開発されてきている。例えば、胸部撮影用のX線検出装置を作製する場合、2次元の光電変換装置にX線を可視光に変換するための蛍光板を組み合わせて大判のデジタルX線検出装置などが提案されている。
【0003】
このような大面積2次元の光電変換装置としては、非晶質シリコンからなるMIS型センサやホトダイオード型センサ、また薄膜トランジスタ等を基板上に、2次元に配置したものが使われる。なお、非単結晶シリコンとは、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコンを含んだものである。
【0004】
図6(a)は、従来の光電変換装置の1画素分の平面図を示す。図6(b)は図6(a)のA−B線の断面図を示し、MIS型光センサS、スイッチング部としての駆動薄膜トランジスタTで構成されている。
【0005】
図6において、1101はガラス基板、1102はセンサ下電極、1103はゲート電極、1104はゲート絶縁膜、1105は半導体層、1106はN+型層、1107はドレイン電極、1108はソース電極、1109は絶縁層、Sは光電変換素子、Tは薄膜トランジスタである。
【0006】
更に、SIGは信号配線、gは薄膜トランジスタのゲート線、D,GはそれぞれMISセンサの上電極、下電極を示す。光によりセンサSで発生した電荷は、薄膜トランジスタを通して、不図示の読み出し回路で読み出される。センサSと薄膜トランジスタTは同一の半導体層を利用しているので、画素中、薄膜トランジスタ領域は、センサの開口率を減らす原因となっている。
【0007】
また、図7(a)は、別の従来の光電変換装置の1画素分の平面図を示し、図7(b)は、図7(a)のA−B線の断面図を示す。図中、センサとして水素化非晶質シリコンのPIN型ホトダイオードS、スイッチング部としての水素化非晶質シリコン半導体層を用いた薄膜トランジスタTで構成されている。
【0008】
図7において、1201はガラス基板、1202はセンサ下電極、1203,1212はN+型層、1204,1211は半導体層、1205はP+型層、1206はITO、1207は層間絶縁層、1208は共通配線、1210はゲート絶縁膜、1213はドレイン電極、1214はソース電極、Sは光電変換素子、Tは薄膜トランジスタである。
【0009】
更に、SIGは信号配線、gは薄膜トランジスタのゲート配線、Eはホトダイオードの共通電極を示す。光によりホトダイオードSで発生した電荷は、薄膜トランジスタTを通して、不図示の読み出し回路で、読み出される。
【0010】
この従来例では、まず薄膜トランジスタを作製したのち、PIN型のセンサを積層する形で作製する。そのため半導体層の成膜回数が多くなる。また電極層も薄膜トランジスタのゲート電極層、ソース・ドレイン電極とセンサ下電極層、センサ上の透明電極層、センサ共通電極層と4層の電極層が必要になっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光電変換装置では、センサと薄膜トランジスタを一画素内に配列するので、パターン精度や、歩留を確保しつつ50%以上の開口率を稼ぐことが難しく、その結果、感度をより向上させることができなかった。
【0012】
また、従来の光電変換素子にPIN型ホトダイオードを採用し、これと薄膜トランジスタを組み合わせた構造では積層構造が避けられず、工程が複雑になりコストが嵩むなどの問題があった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、パターン精度や、歩留を確保しつつ50%以上の開口率を稼ぐことにより、感度をより向上でき、しかも、簡単な工程で、低コストで作製することが可能な光電変換装置及びそれを用いたX線検出装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光電変換装置は、上記目的を達成するため、基板上にMIS型光センサと薄膜トランジスタを組み合わせて構成される画素が二次元に複数配置された光電変換装置であって、前記薄膜トランジスタ上に前記MIS型光センサが設けられ、前記MIS型光センサは、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられた光電変換のための半導体層と、前記第1の電極と前記半導体層の間に設けられた絶縁層とからなり、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極と、前記MIS型光センサの前記第1の電極又は前記第2の電極のうち前記基板側の電極は、共通の電極層により構成され、前記第2の電極又は前記第1の電極のうち前記基板とは反対側の光入射側の電極の面積及び前記半導体層の面積の方が、前記共通の電極層の面積より広く、前記半導体層は、前記薄膜トランジスタ上に配置され、当該薄膜トランジスタの遮光材として兼用していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のX線検出装置は、上記光電変換装置を有することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の光電変換装置の第1の実施形態を示す平面図、図1(b)はそのA−B線における断面図である。なお、図1は1画素分の構成を示す。また、第1の実施形態では、MIS型センサと薄膜トランジスタを組み合わせた2次元の光電変換装置に本発明を適用した場合の形態について説明する。
【0018】
図1において、501はガラス基板、502はゲート電極、503はゲート絶縁膜、504,507は半導体層、505,509はN+型層、506,510は層間絶縁層、508は絶縁層、511は共通配線、512は信号線、S11は光電変換素子、T11は薄膜トランジスタ、SIGは信号線、gnはゲート線である。
【0019】
本実施形態では薄膜トランジスタを作製した基板上にMISセンサを積層する。このとき、薄膜トランジスタのN+型層505でMIS型センサの下電極をも構成する。金属層の成膜とパターニングは2回行えばよい。
【0020】
図1中、MIS型光電変換素子の509は、N+型水素化微結晶シリコン層であり、窓層として機能している。後述するように、このN+型水素化微結晶シリコン層は注入阻止層(ブロッキング層)、電極層としても機能している。また半導体層については、適宜非単結晶シリコンあるいはその化合物などから材料を選んで作製することができる。
【0021】
図2はこの光電変換装置1画素の等価回路を示す。MIS型光センサS11、スイッチング部としての薄膜トランジスタT11で構成されている。SIGは信号配線である。g1は薄膜トランジスタのゲート線、D,GはそれぞれMISセンサの上電極、下電極を示す。Cgs,Cgdは薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極、ドレイン電極との重なりによる容量である。光によりS11で発生した電荷は、薄膜トランジスタT11を通して、Cgs,Cgdに蓄えられた後、不図示の読み出し回路で、この電荷を読み出す。ここでは1ビットについての場合であるが、実際にはこのCgs,Cgdは、このゲート線につながった他の薄膜トランジスタのものとの合計である。このように蓄積容量はCgs,Cgdを利用している。
【0022】
次に、MIS型センサの動作説明を、図3を用いて行う。図3(a),(b)はそれぞれリフレッシュモード、光電変換モードの動作を示す光電変換素子のエネルギーバンド図である。図中の1〜5は各層の厚さ方向の状態を示している。
【0023】
リフレッシュモード(a)において、D電極はG電極に対して負の電位が与えられているために、イントリンシック水素化非晶質シリコン層3内の黒丸で示されたホールは電界によりD電極に導かれる。同時に白丸で示された電子はイントリンシック水素化非晶質シリコン層3に注入される。このとき一部のホールと電子はN+型水素化微結晶シリコン層2、イントリンシック水素化非晶質シリコン層3中において再結合して消滅する。充分に長い時間この状態が続けば、イントリンシック水素化非晶質シリコン層3内のホールはイントリンシック水素化非晶質シリコン層3から掃き出される。
【0024】
この状態で、光電変換モード(b)になると、D電極はG電極に対して正の電位が与えられるために、イントリンシック水素化非晶質シリコン層3中の電子は瞬時にD電極に導かれる。しかしホールはN+型水素化微結晶シリコン層2が注入阻止層として働くために、イントリンシック水素化非晶質シリコン層3中に導かれることはない。この状態でイントリンシック水素化非晶質シリコン層3内に光が入射すると、光は吸収され電子、ホール対が発生する。この電子は電界により電極に導かれ、ホールはイントリンシック水素化非晶質シリコン層3内を移動し水素化非晶質窒化シリコン層4の界面に達するが、ここで阻止されイントリンシック水素化非晶質シリコン層3内に留まることになる。このとき電子はD電極に移動し、ホールはイントリンシック水素化非晶質シリコン層3内の水素化非晶質窒化シリコン層4界面に移動するため、素子内の電気的中性を保つために、電流がG電極から流れる。この電流は光により発生した電子、ホール対に対応するので、入射した光に比例する。
【0025】
図4は光電変換装置の全体回路を示す。光電変換素子、駆動用薄膜トランジスタ、配線等は同一プロセスにより、同一基板上に形成することができる。回路図中S11〜S33は光電変換素子を表している。T11〜T33は薄膜トランジスタである。Vsは読みだし用電源、Vgはリフレッシュ用電源であり、それぞれスイッチSWs、SWgを介して全光電変換素子S11〜S33の下電極Gに接続されている。スイッチSWsはインバータを介して、スイッチSWgは直接にリフレッシュ制御回路RFに接続されており、リフレッシュ期間はスイッチSWgがON、その他の期間はスイッチSWsがONするように制御されている。信号出力は信号配線SIGにより検出用集積回路ICに接続されている。図4では9個の画素を3個のブロックに分け、1ブロックあたり3画素の出力を同時に転送し、この信号が検出用集積回路によって順次出力に変換され出力される。説明しやすいように9画素の2次元画像入力部としたが、実際にはさらに高密度の画素構成となっている。たとえば画素サイズを150μm角の大きさで、20cm角の光電変換装置を作製した場合、画素数はおよそ180万画素となる。
【0026】
このような光電変換装置を以下の製造工程により作製した。
【0027】
1.洗浄ガラス基板(図1の501)上に、スパッタによりクロムを500Å成膜する。このクロム上に所望の形状にフォトレジストのパターンを形成して、これをマスクにエッチングを行い、その後フォトレジストを剥離洗浄後、各画素の薄膜トランジスタのゲート電極502とした。
【0028】
2.次にこの上に、SiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより水素化非晶質窒化シリコン層503を形成した。引き続きSiH4 ガス、H2 ガスを使いプラズマCVDにより水素化非晶質シリコン層504を形成した。さらにSiH4 ガス、PH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDによりN+型水素化微結晶シリコン層505を形成した。
【0029】
3.ホトリソ工程により薄膜トランジスタアイソレーションのフォトレジストパターンを作製し、これをマスクにドライエッチングにより水素化非晶質窒化シリコン層、水素化非晶質シリコン層、N+型水素化微結晶シリコン層を一部除去し、フォトレジスト剥離洗浄後アイソレーションを行った。
【0030】
4.然る後、このアルミ上に、所望の形状にフォトレジストパターンを形成し、これをマスクに薄膜トランジスタのチャネル部のN+型水素化微結晶シリコン層のエッチングを行い、フォトレジスト剥離洗浄後、チャネルを形成した。
【0031】
5.次にこの上に、SiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより水素化非晶質窒化シリコン層506を形成した。
【0032】
6.ホトリソ工程により薄膜トランジスタ電極、センサ下電極用コンタクトホールのフォトレジストパターンを作製し、これをマスクにドライエッチングにより水素化非晶質窒化シリコン層を一部除去し、コンタクトホールを形成した。
【0033】
7.この上に、SiH4 ガス、H2 ガスを使いプラズマCVDにより水素化非晶質シリコン層507を形成した。さらにSiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより水素化非晶質窒化シリコン層508を形成した。引き続きSiH4 ガス、PH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDによりN+型水素化微結晶シリコン層509を形成した。本実施形態ではN+型水素化微結晶シリコン509が電極層と窓層を兼ね備えている。
【0034】
8.ホトリソ工程によりセンサ部アイソレーションのフォトレジストパターンを作製し、これをマスクにドライエッチングにより水素化非晶質窒化シリコン層、水素化非晶質シリコン層、N+型水素化微結晶シリコン層を一部除去し、フォトレジスト剥離洗浄後、アイソレーションを行った。
【0035】
9.SiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより層間絶縁層としての水素化非晶質窒化シリコン層510を5000Å形成した。
【0036】
10.ホトリソ工程によりコンタクトホール用のフォトレジストパターンを作製し、ドライエッチングにより層間絶縁層の水素化非晶質窒化シリコン層を一部除去し、フォトレジスト剥離洗浄後、コンタクトホールの形成を行った。本実施形態では、材料の性質により敏感にエッチング特性を制御できるケミカルドライエッチングを用い、コンタクトホールを作製した。水素化非晶質窒化シリコン層とN+型層のエッチングの選択性を用いて、センサ上部でのオーバーエッチングを極力減らすことができた。
【0037】
11.その上にスパッタ法によりアルミ(Al)を1um(μm)成膜した。
【0038】
12.然る後、このアルミ(Al)上に、所望の形状にフォトレジストパターンを形成し、これをマスクにエッチングを行い、フォトレジスト剥離洗浄後、センサの共通配線511、信号線512とした。
【0039】
13.最後に保護層(不図示)を設けた。
【0040】
本実施形態ではセンサとしてMIS型のセンサを薄膜トランジスタ上に積層する。かつ薄膜トランジスタの電極をN+型水素化微結晶シリコン層505で代用させ、さらにこのN+型水素化微結晶シリコン層505にホトセンサの下電極層の機能を持たせた。
【0041】
この構造をとることにより、従来電極としての金属層を3層作製する必要があったのが2層に減らすことができた。
【0042】
また、本実施形態では、積層型であるので薄膜トランジスタとセンサの最適設計を行うことができるので、特性向上を実現できた。
【0043】
これらの構造により、従来50%以下だった開口率は70%以上を確保することができるようになり、その結果、感度は1.4倍以上になった。本実施形態においては、薄膜トランジスタ上に延在する半導体層で吸収された光によって発生したキャリアは、センサの光キャリアとして十分利用されているものと思われる。感度が向上したために、この光電変換装置を医療用X線検出装置に利用する場合、より少ないX線線量で、良質の画像を得ることができるようになった。さらに入射した光は半導体層で完全に吸収されるので、実質的に薄膜トランジスタは完全に遮光された形になり、光入射による薄膜トランジスタのリーク電流増加はなくなった。その結果、クロストークを低減し、良質な画像を得ることができた。
【0044】
また、本実施形態の構造と製造方法により製造上のコストの上昇を押さえつつ、より高品質な光電変換装置を作製することができた。
【0045】
本実施形態では、N+型水素化微結晶シリコン505をセンサと薄膜トランジスタで兼用する構成をとったが、薄膜トランジスタの構造を電子ではなくホールを利用する構造として、P+型水素化微結晶化シリコンをセンサと共用する構成とすることもできる。また十分な特性を得られるならば、これら水素化微結晶シリコンを用いることに限定されない。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態ではMIS型センサと薄膜トランジスタを組み合わせた2次元光電変換装置の別の実施形態として、工程を簡略化した形態を示す。
【0047】
図5(a)は本実施形態の光電変換装置の1画素分の平面図、図5(b)は図5(a)のA−B線における断面図を示す。
【0048】
図5において、901はガラス基板、902はゲート電極、903はゲート絶縁膜、904,907は半導体層、905、908はN+型層、906は絶縁層、909は層間絶縁層、910は共通配線、911は信号線である。
【0049】
本実施形態では、水素化非晶質窒化シリコン層に接した電極から信号を読み出すようになっている。MIS型光センサS11、光電変換素子駆動部としての薄膜トランジスタT11で構成されている。さらにSIGは信号配線である。g1は薄膜トランジスタのゲート線である。
【0050】
本実施形態の動作は、基本的に第1の実施形態と同様である。
【0051】
また、光電変換装置の半導体層、薄膜トランジスタの半導体層には基本的に水素化非晶質シリコンを用いたが、半導体層としては非単結晶シリコンあるいはその化合物などから適宜選択することができる。
【0052】
このような光電変換装置を以下の製造工程により作製した。
【0053】
1.洗浄ガラス基板(図5の901)上に、スパッタによりクロムを500Å成膜する。このクロム上に所望の形状にフォトレジストのパターンを形成して、これをマスクにエッチングを行い、その後フォトレジストを剥離洗浄後、各画素の薄膜トランジスタのゲート電極902とした。
【0054】
2.次にこの上に、SiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより水素化非晶質窒化シリコン層903を形成した。引き続きSiH4 ガス、H2 ガスを使いプラズマCVDにより水素化非晶質シリコン層904を形成した。さらにSiH4 ガス、PH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDによりN+型水素化微結晶シリコン層905を形成した。
【0055】
3.ホソリソ工程により薄膜トランジスタアイソレーションのフォトレジストパターンを作製し、これをマスクにドライエッチングにより水素化非晶質窒化シリコン層、水素化非晶質シリコン層、N+型水素化微結晶シリコン層を一部除去し、フォトレジスト剥離洗浄後、アイソレーションを行った。
【0056】
4.然る後、所望の形状にフォトレジストのパターンを形成し、これをマスクに薄膜トランジスタのチャネル部のN+型水素化微結晶シリコン層905のエッチングを行い、フォトレジスト剥離洗浄後、チャネルを形成した。
【0057】
5.次にこの上に、SiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより水素化非晶質窒化シリコン層906を形成した。本実施形態においては、この水素化非晶質窒化シリコン層906は、光電変換素子の絶縁層としての機能と、薄膜トランジスタと光電変換素子との層間絶縁層の機能を持っている。
【0058】
次に、SiH4 ガス、H2 ガスを使いプラズマCVDにより水素化非晶質シリコン層907を形成した。さらにSiH4 ガス、PH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDによりN+型水素化微結晶シリコン層908を形成した。
【0059】
本実施形態ではN+型水素化微結晶シリコン層908がオーミック層と電極層と窓層を兼ね備えている。
【0060】
6.ホトリソ工程によりセンサ部アイソレーションのフォトレジストパターンを作製し、これをマスクにドライエッチングにより水素化非晶質窒化シリコン層、水素化非晶質シリコン層、N+型水素化微結晶シリコン層を一部除去し、フォトレジスト剥離洗浄後、アイソレーションを行った。
【0061】
7.SiH4 ガス、NH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより層間絶縁層としての水素化非晶質窒化シリコン層909:5000Åを形成した。
【0062】
8.ホトリソ工程によりコンタクトホール用のフォトレジストパターンを作製し、ドライエッチングにより層間絶縁層の水素化非晶質窒化シリコン層909を一部除去し、フォトレジスト剥離洗浄後、コンタクトホールの形成を行った。
【0063】
9.その上にスパッタ法によりアルミ(Al)を1μm成膜した。
【0064】
10.然る後、このアルミ(Al)上に、所望の形状にフォトレジストのパターンを形成し、これをマスクにエッチングを行い、フォトレジスト剥離洗浄後、センサの共通配線910、信号線911とした。
【0065】
11.最後に保護層(不図示)を設けた。
【0066】
本実施形態では薄膜トランジスタを作製した基板上にMISセンサを積層する。このとき、薄膜トランジスタのN+型微結晶シリコン層905でMIS型センサの下電極をも構成する。金属層の成膜とパターニングは2回行えばよい。
【0067】
本実施形態ではセンサとしてMIS型のセンサS11を薄膜トランジスタT11上に積層する。かつ薄膜トランジスタの電極をN+型水素化微結晶シリコン層905で代用させ、さらにこのN+型微結晶シリコン層905をセンサの下電極層の機能を持たせた。この構造をとることにより、従来電極としての金属層を3層作製する必要があったのが2層に減らすことができ、また積層型であるので薄膜トランジスタとセンサの最適設計を行うことができるので、特性向上を実現できた。
【0068】
これらの構造により、従来50%以下だった開口率は70%以上を確保することができるようになり、その結果、感度は1.4倍以上になった。本実施形態においても、薄膜トランジスタ上に延在する半導体層907で吸収された光によって発生したキャリアは、センサの光キャリアとして十分利用されているものと思われる。感度が向上したために、この光電変換装置を医療用X線検出装置に利用する場合、より少ないX線線量で、良質の画像を得ることができるようになった。さらに入射した光は半導体層907で完全に吸収されるので、実質的に薄膜トランジスタは完全に遮光された形になり、光入射による薄膜トランジスタのリーク電流増加はなくなった。その結果、クロストークを低減し、良質な画像を得ることができた。
【0069】
また、本実施形態の構造と製造方法により製造上のコストの上昇を押さえつつ、より高品質な光電変換装置を作製することができた。
【0070】
本実施形態ではN+型水素化微結晶シリコン層905をセンサと薄膜トランジスタで兼用する構成をとったが、薄膜トランジスタの構造を電子ではなくホールを利用する構造として、P+型水素化微結晶化シリコンをセンサと共用する構成とすることもできる。また十分な特性を得られるならば、これら水素化微結晶シリコンを用いることに限定されない。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光の利用を最大限にするため、MIS型センサを薄膜しトランジスタ上に積層し、画素一杯の面積を窓として利用することで開口率を向上することができる。また、薄膜トランジスタはMIS型センサの半導体層を遮光材として兼用し、同一のプロセスで作製でき、効果的に安価に実現できる。更に、共通の半導体層をMIS型センサと薄膜トランジスタの電極に適用し、工程の簡略化を行うことで安価に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換装置の第1の実施形態を示す平面図及び断面図である。
【図2】第1の実施形態の1画素の等価回路図である。
【図3】第1の実施形態のMIS型センサの動作を説明する図である。
【図4】第1の実施形態の光電変換装置の全体回路を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す平面図及び断面図である。
【図6】従来例の光電変換装置を示す平面図及び断面図である。
【図7】他の従来例の光電変換装置を示す平面図及び断面図である。
【符号の説明】
501,901 ガラス基板
502,902 ゲート電極
503,903 ゲート絶縁膜
504,507,904,907 半導体層
505,509,905,908 N+型層
506,510,909 層間絶縁層
508,906 絶縁層
511,910 共通配線
512,911,SIG 信号線
Cgs,Cgd配線容量
S,S11 光電変換素子
T,T11 薄膜トランジスタ
gn,g,g1 ゲート線
Claims (4)
- 基板上にMIS型光センサと薄膜トランジスタを組み合わせて構成される画素が二次元に複数配置された光電変換装置であって、
前記薄膜トランジスタ上に前記MIS型光センサが設けられ、
前記MIS型光センサは、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられた光電変換のための半導体層と、前記第1の電極と前記半導体層の間に設けられた絶縁層とからなり、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極と、前記MIS型光センサの前記第1の電極又は前記第2の電極のうち前記基板側の電極は、共通の電極層により構成され、
前記第2の電極又は前記第1の電極のうち前記基板とは反対側の光入射側の電極の面積及び前記半導体層の面積の方が、前記共通の電極層の面積より広く、
前記半導体層は、前記薄膜トランジスタ上に配置され、当該薄膜トランジスタの遮光材として兼用していることを特徴とする光電変換装置。 - 前記絶縁層が第1導電型のキャリアおよび前記第1導電型と異なる第2導電型のキャリアの通過を阻止する層で、前記半導体層が光電変換のための層であり、更に、前記MIS型光センサが前記半導体層への前記第1導電型のキャリアの注入を阻止する注入阻止層を有し、前記薄膜トランジスタが、前記MIS型光センサのリフレッシュ動作では、前記第1導電型のキャリアを前記半導体層から前記第1の電極に導く方向に電界を与え、光電変換動作では、前記半導体層に入射した光により発生した前記第1導電型のキャリアを前記半導体層内に留まらせ、前記第2導電型のキャリアを前記第1の電極に導く方向に電界を与え、前記光電変換動作により前記半導体層に蓄積される前記第1導電型のキャリアもしくは前記第1の電極に導かれた前記第2導電型のキャリアを光信号として検出するように制御することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記絶縁層が、前記MIS型光センサの前記絶縁層としての機能と、前記薄膜トランジスタとMIS型光センサの層間絶縁層との機能を兼用していることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換装置を有するX線検出装置。
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