JP3813539B2 - 車両用性能試験装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動2輪車のブレーキ性能試験等に使用する車両用性能試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動2輪車におけるブレーキ性能試験は、車体側にブレーキ作動を検知するためのブレーキセンサと減加速度を検知する減加速度センサを設けて、これら各センサによる検出情報を車載のレコーダへ記録するとともに、車外にはブレーキ開始直前位置に所定間隔で平行に配置された一対のスイッチテープを設け、これらの検出情報を目視により読み取り、車外に配置された速度カウンターへ入力して進入速度を算出した。試験後、レコーダーよりプリントしたグラフからブレーキ作動時点と減速終了時点を読み取り、これに基づいて減速タイム(減速時間)を手動計算し、さらに、この減速時間で先に測定されている進入速度を割ることにより、減速度を算出した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、減速度を算出するにあたり、各種測定データを取り出すために多くの手間がかかり、そのうち各種データに基づく読み取り及び手動計算によっても多くの手間を要するとともに、測定精度も低くなった。。そのうえ、この試験を多数回反復して平均値を出さなければならないから減速度を算出するための労力がさらに多くなった。したがって、減速度の算出を自動化することが望まれていた。
なお、特開平9−164923号には、車両のメンテナンスのため、各種の車載センサによる検出情報をテレメータにより車外の基地局へ送り、ここで処理した結果を車両へ送り返して、車両側へ表示するシステムが開示されている。しかし、このシステムはセンサが車両上と車外に分散し、特に車外のものが有線の場合には役に立たない。したがって、このような場合でも効率的に処理可能な車両用性能試験装置が望まれる。本願発明は係る要請を実現するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の車両用性能試験装置に係る請求項1は、車両に搭載された車載センサと、車外に配置された外部センサの各検出情報に基づいて車両のブレーキ性能を評価するための試験装置において、
前記車載センサはブレーキ作動を検知するためのブレーキセンサと減加速度を検知する減加速度センサであり、前記外部センサが、ブレーキ作動開始時の車速を検知するための速度センサであり、
前記車載センサの検出情報を無線にて車外のコンピュータへ送るとともに、前記外部センサの検出情報を有線又は無線にて前記コンピュータへ送り、このコンピュータにて前記各検出情報に基づいて所定の処理を行い、
表示部の画面上に測定データとして、前記外部センサの検出情報に基づいて算出した侵入速度を表示し、
かつブレーキ操作荷重と経過時間との関係を示すブレーキタイミング曲線と、加速度と経過時間との関係を示す減速状況曲線をリアルタイムでグラフィック表示するとともに、
ブレーキタイミング曲線と減速状況曲線はそれぞれ立ち上がり点としてブレーキ開始ポイント及び減速終了ポイントを表示し、
画面上でこれらポイントにカーソルを合わせてポイントすることにより、ブレーキ開始時間及び減速終了時点を特定し、これに基づいて減速タイムを算出し、この減速タイムで前記侵入速度を割って減速度を算出し、この減速度を前記画面上に表示して一回の測定を終了することを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
請求項1によれば、センサが車載センサと外部センサに分離している場合であっても、車載センサからは検出情報を無線により車外のコンピュータへ送り、同時に外部センサからは検出情報を有線又は無線によりコンピュータへ送る。したがって、試験後にわざわざ試験結果をプリント等して取り出す必要がない。コンピュータでは送られた各種検出情報に基づいて、表示画面上へ測定結果をリアルタイム表示するため、不適切な試験であった場合は、直にこれを表示画面上から認識できる。
また、表示画面上から所定の操作を行うことにより、コンピュータが直ちに所定の性能値を算出するので、従来労力を多く要した手動計算を無用にでき、迅速かつ容易に高精度の性能値を得ることができるとともに、目視読み取りによるバラツキも少なくなる。したがって、多数回反復試験する場合には、特に有利になる。
【0007】
さらにこのブレーキ性能試験において、ブレーキ作動のタイミングは車載センサであるブレーキセンサから無線でリアルタイムにコンピュータへ送られ、かつ減加速度も車載センサである減加速度センサからリアルタイムで無線によりコンピュータへ送られる。また、外部センサである速度センサからは速度情報が送られ、コンピュータにて進入速度を算出する。同時にコンピュータはリアルタイムで測定結果として、ブレーキセンサの検出データによるブレーキ作動グラフと、減加速度センサの検出データによる減加速度グラフをグラフィク表示する。
また、表示画面上にてブレーキ作動グラフよりブレーキ開始点をポイントし、減加速度グラフよりブレーキ終了点をポイントすると、これらよりブレーキ作動によって減速していた減速時間を算出し、この減速時間で先に算出されている進入速度を割ることにより、たちどころに減速度を算出する。
したがって、多数回繰り返す必要のあるブレーキ性能試験を容易かつ正確に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、自動2輪車のブレーキ性能試験を例に説明する。図1はシステム図、図2〜6は表示画面、図7は減速度算出のフローを示す。
図1において、この装置はテストコース1上に所定間隔で平行に配置された一対のスイッチテープ2,3を設け、スイッチテープ3の前方(車両の進行方をいうものとする)所定位置(例えば、1mくらい前方)にブレ−キ開始ポイントを示すためのポスト4を設ける。スイッチテープ2,3はその上を車両が通過すると、これを検出して信号を後述のコンピュータ6へ送る。コンピュータ6はスイッチテープ2,3の検出信号の時間差から車両の通過時間を算出し、これで既定のスイッチテープ2,3の間隔距離を割ることにより進入速度を測定する。
【0009】
スイッチテープ2,3の各検出情報は、有線によりその近傍に配置された測定ベース5内のコンピュータ6へ送られる。コンピュータ6には測定結果や計算結果等を表示する表示画面7が設けられている。また、車載センサ側の無線信号を受信するための受信機8が設けられ、受信機8が受信した無線データもコンピュータ6へ送られる。
【0010】
一方、テスト車両10側には、車載センサとしてフロントブレーキセンサ11,リヤブレーキセンサ12並びに減加速度センサ13が設けられる。フロントブレーキセンサ11は例えばストレインゲージであって、ハンドルに設けられたブレーキレバー14へ貼り付けられ、ブレーキレバーを操作して前輪ブレーキが作動すると、これを検知するようになっている。リヤブレーキセンサ12も同様のものであるが、後輪ブレーキ用のブレーキペダル15へ貼り付けられ、後輪ブレーキの作動タイミングを検知する。
【0011】
減加速度センサ13は公知の加速度計であり、減速時の加速度を検知する。減加速度センサ13は車体の適所に配置され、例えば送信機16と一緒に配置される。送信機16にはフロントブレーキセンサ11,リヤブレーキセンサ12及び減加速度センサ13の各検出情報が送られ、ここからアンテナ17を介して、リアルタイムで受信機8へ無線送信される。なお、送信機16は車体の適所、例えばシート18後方の荷台部へ固定される。
【0012】
コンピュータ6は入力された各種検出データに基づいて測定結果を表示部7へリアルタイムでグラフィック表示する。表示部7におけるグラフィック表示は、公知のグラフィックプログラミング言語により簡易にプログラムできる。この表示プログラムによって、後述する各種の表示画面へを切り替え表示することができ、また、表示されているグラフ上の特定ヶ所にカーソルを合わせてポイントすることにより、減速度算出に必要な所定の入力を画面上から行うこ
とができる。
【0013】
図2は、表示部7の初期メニュー画面20であり、ボタン21は計測画面、ボタン22は減速度計算画面、ボタン23は再表示画面、ボタン24は終了をそれぞれ選択するようになっている。
【0014】
図3は測定画面であり、メインウインド30にフロントブレーキセンサ11,リヤブレーキセンサ12及び減加速度センサ13の検出情報に基づいてコンピュータ6により処理されたグラフがリアルタイム表示される。このうち、31はフロントブレーキタイミング曲線、32はリヤブレーキタイミング曲線、33は減速状況曲線である。また、右上の小ウインド34にはスイッチテープ2,スイッチテープ3の検知データに基づいてコンピュータ6が算出した進入速度が表示される。
【0015】
図4は減速度計算画面であり、画面は大きく4分割され、左上ウインド40にはフロントブレーキタイミング曲線31,リヤブレーキタイミング曲線32及び減速状況曲線33が一緒に表示される。左上ウインド40の近傍には開始ボタン41と凡例ウインド42が設けられる。凡例ウインド42は各グラフの線種を表示する。なお、左上ウインド40のグラフのうち、フロントブレーキタイミング曲線31,リヤブレーキタイミング曲線32は右上のウインド43,減速状況曲線33は右下のウインド44へ拡大表示される。
【0016】
表示部7の左下部分には、ウインド45に進入速度、ウインド46に減速タイム、ウインド47に減速度がそれぞれ表示される。ボタン48は確認用であり、OKの場合に押す。ボタン49は減速度計算を終了するときに押す。
【0017】
ブレーキがフロントとリヤの2系統の場合、同時に入力を開始するが、微妙にズレた場合、先に入力されたものを開始ポイントとする。ウインド50と51はこの選択状態を示し、ウインド50は入力の開始ポイントをフロント又はリヤのいずれであるかを番号で示す。例えばフロントの時1、リヤの時2とする。
【0018】
ウインド51も同様であり、減速側のチャンネルを示す。ウインド52はウインド43におけるカーソルの位置情報を示す。ウインド53はウインド44にカーソルの位置情報を示す。ウインド43及び44はカーソルにより測定ポイントを表示できる。
【0019】
図5は図4の右上のウインド43及び44を拡大したものであり、ウインド43においては、フロントブレーキタイミング曲線31及びリヤブレーキタイミング曲線32がブレーキ作動時の操作荷重を縦軸に、経過時間を横軸にして表示される。画面上にてこの曲線の立ち上がり点Pにカーソルを合わせてポイントすると、ブレーキ作動開始時間を特定する。
【0020】
また、ブレーキ44はブレーキ作動により車体が減速するときのマイナス(−)加速度を縦軸とし、横軸に経過時間を示し、ボトムから基準線へ戻るときの屈曲点Qにカーソルを合わせてポイントすれば減速終了時点を特定できる。コンピュータ6はこのP及びQの特定により、減速タイムを算出し、この減速タイムで予め算出している進入速度を割ることにより減速度を算出し、ウインド47へ表示する。この表示により一回の測定が終了される。
【0021】
なお図6は、図3の画面を再表示するものであり、コンピュータ6は図3の測定画面を表示してから測定データを記憶装置へファイルとして格納しており、この格納ファイルからデータを読み出して再表示する。
【0022】
次に、本実施例の作用を説明する。図7において、測定をスタートすると、スイッチテープ2及び3の検出情報をコンピュータ6へ送る。同時にフロントブレーキセンサ11及びリヤブレーキセンサ12のブレーキセンサと、減加速度センサ13の各検出情報を送信機16からコンピュータ6へ送る。
【0023】
コンピュータ6ではスイッチテープ2,3の検出情報により進入速度を算出し、かつ送信機16から送られた検出情報データにより、計測結果のグラフを表示部7上へ表示する。表示部7を計測画面に切り替えて画面上でブレーキポイント(P、Q)を指定すると減速タイムを算出し、この減速タイムと進入速度とから減速度を算出し、必要な表示を行うとともにファイルとして格納する。
【0024】
このように、自動2輪車のブレーキ性能試験において、車載センサと外部センサが混在しても、これらの検出情報をコンピュータ6が処理して、リアルタイムで測定結果をグラフィク表示する。測定結果をリアルタイム表示できるようになり、不適切な試験であった場合は、直にこれを表示画面上から認識できるようになる。。
【0025】
また、表示画面上にてブレーキ作動グラフよりブレーキ開始点をポイントし、減加速度グラフよりブレーキ終了点をポイントすると、これらよりブレーキ作動によって減速していた減速時間を算出し、この減速時間で先に算出されている進入速度を割ることにより、たちどころに減速度を算出する。したがって、従来労力を多く要した手動計算を無用にでき、迅速かつ容易に高精度の性能値を得ることができるとともに、バラツキも少なくなる。特に、多数回繰り返す必要のあるブレーキ性能試験において、これを容易かつ正確に行うことができる。
【0026】
図8は別実施例に係り、この例では、騒音測定装置として構成され、車両側60には、車載センサの情報としてエンジン回転数,スロットル開度,速度が入力され、送信機16から無線送信される。車外では受信機8がこれらの情報を受け取ってコンピュータ6へ送るとともに、別に設けられた騒音計61より検出情報が入力され、これもコンピュータ6へ送る。
【0027】
コンピュータ6側の構成は前例と同じであり、ここで必要な処理をして表示部7へ表示したり、データをプリンタ63へ出力するようになっている。
このようにブレーキ試験以外の各種車両用性能試験にも有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム図
【図2】表示部の初期メニュー画面
【図3】表示部の測定画面
【図4】表示部の減速度計算画面
【図5】図4の減速度計算画面にデータを読み込み計算させた画面
【図6】表示部の再表示画面
【図7】減速度算出のフロー図
【図8】別実施例に係るブロック図
【符号の説明】
1:テストコース、2:スイッチテープ、3:スイッチテープ、4:ポスト、5:測定ベース、6:コンピュータ、7:表示部、8:受信機、10:テスト車両、11:フロントブレーキセンサ、12:リヤブレーキセンサ、13:減加速度センサ、14:ブレーキレバー、15:ブレーキペダル、16:送信機、17:アンテナ、18:シート
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動2輪車のブレーキ性能試験等に使用する車両用性能試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動2輪車におけるブレーキ性能試験は、車体側にブレーキ作動を検知するためのブレーキセンサと減加速度を検知する減加速度センサを設けて、これら各センサによる検出情報を車載のレコーダへ記録するとともに、車外にはブレーキ開始直前位置に所定間隔で平行に配置された一対のスイッチテープを設け、これらの検出情報を目視により読み取り、車外に配置された速度カウンターへ入力して進入速度を算出した。試験後、レコーダーよりプリントしたグラフからブレーキ作動時点と減速終了時点を読み取り、これに基づいて減速タイム(減速時間)を手動計算し、さらに、この減速時間で先に測定されている進入速度を割ることにより、減速度を算出した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、減速度を算出するにあたり、各種測定データを取り出すために多くの手間がかかり、そのうち各種データに基づく読み取り及び手動計算によっても多くの手間を要するとともに、測定精度も低くなった。。そのうえ、この試験を多数回反復して平均値を出さなければならないから減速度を算出するための労力がさらに多くなった。したがって、減速度の算出を自動化することが望まれていた。
なお、特開平9−164923号には、車両のメンテナンスのため、各種の車載センサによる検出情報をテレメータにより車外の基地局へ送り、ここで処理した結果を車両へ送り返して、車両側へ表示するシステムが開示されている。しかし、このシステムはセンサが車両上と車外に分散し、特に車外のものが有線の場合には役に立たない。したがって、このような場合でも効率的に処理可能な車両用性能試験装置が望まれる。本願発明は係る要請を実現するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の車両用性能試験装置に係る請求項1は、車両に搭載された車載センサと、車外に配置された外部センサの各検出情報に基づいて車両のブレーキ性能を評価するための試験装置において、
前記車載センサはブレーキ作動を検知するためのブレーキセンサと減加速度を検知する減加速度センサであり、前記外部センサが、ブレーキ作動開始時の車速を検知するための速度センサであり、
前記車載センサの検出情報を無線にて車外のコンピュータへ送るとともに、前記外部センサの検出情報を有線又は無線にて前記コンピュータへ送り、このコンピュータにて前記各検出情報に基づいて所定の処理を行い、
表示部の画面上に測定データとして、前記外部センサの検出情報に基づいて算出した侵入速度を表示し、
かつブレーキ操作荷重と経過時間との関係を示すブレーキタイミング曲線と、加速度と経過時間との関係を示す減速状況曲線をリアルタイムでグラフィック表示するとともに、
ブレーキタイミング曲線と減速状況曲線はそれぞれ立ち上がり点としてブレーキ開始ポイント及び減速終了ポイントを表示し、
画面上でこれらポイントにカーソルを合わせてポイントすることにより、ブレーキ開始時間及び減速終了時点を特定し、これに基づいて減速タイムを算出し、この減速タイムで前記侵入速度を割って減速度を算出し、この減速度を前記画面上に表示して一回の測定を終了することを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
請求項1によれば、センサが車載センサと外部センサに分離している場合であっても、車載センサからは検出情報を無線により車外のコンピュータへ送り、同時に外部センサからは検出情報を有線又は無線によりコンピュータへ送る。したがって、試験後にわざわざ試験結果をプリント等して取り出す必要がない。コンピュータでは送られた各種検出情報に基づいて、表示画面上へ測定結果をリアルタイム表示するため、不適切な試験であった場合は、直にこれを表示画面上から認識できる。
また、表示画面上から所定の操作を行うことにより、コンピュータが直ちに所定の性能値を算出するので、従来労力を多く要した手動計算を無用にでき、迅速かつ容易に高精度の性能値を得ることができるとともに、目視読み取りによるバラツキも少なくなる。したがって、多数回反復試験する場合には、特に有利になる。
【0007】
さらにこのブレーキ性能試験において、ブレーキ作動のタイミングは車載センサであるブレーキセンサから無線でリアルタイムにコンピュータへ送られ、かつ減加速度も車載センサである減加速度センサからリアルタイムで無線によりコンピュータへ送られる。また、外部センサである速度センサからは速度情報が送られ、コンピュータにて進入速度を算出する。同時にコンピュータはリアルタイムで測定結果として、ブレーキセンサの検出データによるブレーキ作動グラフと、減加速度センサの検出データによる減加速度グラフをグラフィク表示する。
また、表示画面上にてブレーキ作動グラフよりブレーキ開始点をポイントし、減加速度グラフよりブレーキ終了点をポイントすると、これらよりブレーキ作動によって減速していた減速時間を算出し、この減速時間で先に算出されている進入速度を割ることにより、たちどころに減速度を算出する。
したがって、多数回繰り返す必要のあるブレーキ性能試験を容易かつ正確に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、自動2輪車のブレーキ性能試験を例に説明する。図1はシステム図、図2〜6は表示画面、図7は減速度算出のフローを示す。
図1において、この装置はテストコース1上に所定間隔で平行に配置された一対のスイッチテープ2,3を設け、スイッチテープ3の前方(車両の進行方をいうものとする)所定位置(例えば、1mくらい前方)にブレ−キ開始ポイントを示すためのポスト4を設ける。スイッチテープ2,3はその上を車両が通過すると、これを検出して信号を後述のコンピュータ6へ送る。コンピュータ6はスイッチテープ2,3の検出信号の時間差から車両の通過時間を算出し、これで既定のスイッチテープ2,3の間隔距離を割ることにより進入速度を測定する。
【0009】
スイッチテープ2,3の各検出情報は、有線によりその近傍に配置された測定ベース5内のコンピュータ6へ送られる。コンピュータ6には測定結果や計算結果等を表示する表示画面7が設けられている。また、車載センサ側の無線信号を受信するための受信機8が設けられ、受信機8が受信した無線データもコンピュータ6へ送られる。
【0010】
一方、テスト車両10側には、車載センサとしてフロントブレーキセンサ11,リヤブレーキセンサ12並びに減加速度センサ13が設けられる。フロントブレーキセンサ11は例えばストレインゲージであって、ハンドルに設けられたブレーキレバー14へ貼り付けられ、ブレーキレバーを操作して前輪ブレーキが作動すると、これを検知するようになっている。リヤブレーキセンサ12も同様のものであるが、後輪ブレーキ用のブレーキペダル15へ貼り付けられ、後輪ブレーキの作動タイミングを検知する。
【0011】
減加速度センサ13は公知の加速度計であり、減速時の加速度を検知する。減加速度センサ13は車体の適所に配置され、例えば送信機16と一緒に配置される。送信機16にはフロントブレーキセンサ11,リヤブレーキセンサ12及び減加速度センサ13の各検出情報が送られ、ここからアンテナ17を介して、リアルタイムで受信機8へ無線送信される。なお、送信機16は車体の適所、例えばシート18後方の荷台部へ固定される。
【0012】
コンピュータ6は入力された各種検出データに基づいて測定結果を表示部7へリアルタイムでグラフィック表示する。表示部7におけるグラフィック表示は、公知のグラフィックプログラミング言語により簡易にプログラムできる。この表示プログラムによって、後述する各種の表示画面へを切り替え表示することができ、また、表示されているグラフ上の特定ヶ所にカーソルを合わせてポイントすることにより、減速度算出に必要な所定の入力を画面上から行うこ
とができる。
【0013】
図2は、表示部7の初期メニュー画面20であり、ボタン21は計測画面、ボタン22は減速度計算画面、ボタン23は再表示画面、ボタン24は終了をそれぞれ選択するようになっている。
【0014】
図3は測定画面であり、メインウインド30にフロントブレーキセンサ11,リヤブレーキセンサ12及び減加速度センサ13の検出情報に基づいてコンピュータ6により処理されたグラフがリアルタイム表示される。このうち、31はフロントブレーキタイミング曲線、32はリヤブレーキタイミング曲線、33は減速状況曲線である。また、右上の小ウインド34にはスイッチテープ2,スイッチテープ3の検知データに基づいてコンピュータ6が算出した進入速度が表示される。
【0015】
図4は減速度計算画面であり、画面は大きく4分割され、左上ウインド40にはフロントブレーキタイミング曲線31,リヤブレーキタイミング曲線32及び減速状況曲線33が一緒に表示される。左上ウインド40の近傍には開始ボタン41と凡例ウインド42が設けられる。凡例ウインド42は各グラフの線種を表示する。なお、左上ウインド40のグラフのうち、フロントブレーキタイミング曲線31,リヤブレーキタイミング曲線32は右上のウインド43,減速状況曲線33は右下のウインド44へ拡大表示される。
【0016】
表示部7の左下部分には、ウインド45に進入速度、ウインド46に減速タイム、ウインド47に減速度がそれぞれ表示される。ボタン48は確認用であり、OKの場合に押す。ボタン49は減速度計算を終了するときに押す。
【0017】
ブレーキがフロントとリヤの2系統の場合、同時に入力を開始するが、微妙にズレた場合、先に入力されたものを開始ポイントとする。ウインド50と51はこの選択状態を示し、ウインド50は入力の開始ポイントをフロント又はリヤのいずれであるかを番号で示す。例えばフロントの時1、リヤの時2とする。
【0018】
ウインド51も同様であり、減速側のチャンネルを示す。ウインド52はウインド43におけるカーソルの位置情報を示す。ウインド53はウインド44にカーソルの位置情報を示す。ウインド43及び44はカーソルにより測定ポイントを表示できる。
【0019】
図5は図4の右上のウインド43及び44を拡大したものであり、ウインド43においては、フロントブレーキタイミング曲線31及びリヤブレーキタイミング曲線32がブレーキ作動時の操作荷重を縦軸に、経過時間を横軸にして表示される。画面上にてこの曲線の立ち上がり点Pにカーソルを合わせてポイントすると、ブレーキ作動開始時間を特定する。
【0020】
また、ブレーキ44はブレーキ作動により車体が減速するときのマイナス(−)加速度を縦軸とし、横軸に経過時間を示し、ボトムから基準線へ戻るときの屈曲点Qにカーソルを合わせてポイントすれば減速終了時点を特定できる。コンピュータ6はこのP及びQの特定により、減速タイムを算出し、この減速タイムで予め算出している進入速度を割ることにより減速度を算出し、ウインド47へ表示する。この表示により一回の測定が終了される。
【0021】
なお図6は、図3の画面を再表示するものであり、コンピュータ6は図3の測定画面を表示してから測定データを記憶装置へファイルとして格納しており、この格納ファイルからデータを読み出して再表示する。
【0022】
次に、本実施例の作用を説明する。図7において、測定をスタートすると、スイッチテープ2及び3の検出情報をコンピュータ6へ送る。同時にフロントブレーキセンサ11及びリヤブレーキセンサ12のブレーキセンサと、減加速度センサ13の各検出情報を送信機16からコンピュータ6へ送る。
【0023】
コンピュータ6ではスイッチテープ2,3の検出情報により進入速度を算出し、かつ送信機16から送られた検出情報データにより、計測結果のグラフを表示部7上へ表示する。表示部7を計測画面に切り替えて画面上でブレーキポイント(P、Q)を指定すると減速タイムを算出し、この減速タイムと進入速度とから減速度を算出し、必要な表示を行うとともにファイルとして格納する。
【0024】
このように、自動2輪車のブレーキ性能試験において、車載センサと外部センサが混在しても、これらの検出情報をコンピュータ6が処理して、リアルタイムで測定結果をグラフィク表示する。測定結果をリアルタイム表示できるようになり、不適切な試験であった場合は、直にこれを表示画面上から認識できるようになる。。
【0025】
また、表示画面上にてブレーキ作動グラフよりブレーキ開始点をポイントし、減加速度グラフよりブレーキ終了点をポイントすると、これらよりブレーキ作動によって減速していた減速時間を算出し、この減速時間で先に算出されている進入速度を割ることにより、たちどころに減速度を算出する。したがって、従来労力を多く要した手動計算を無用にでき、迅速かつ容易に高精度の性能値を得ることができるとともに、バラツキも少なくなる。特に、多数回繰り返す必要のあるブレーキ性能試験において、これを容易かつ正確に行うことができる。
【0026】
図8は別実施例に係り、この例では、騒音測定装置として構成され、車両側60には、車載センサの情報としてエンジン回転数,スロットル開度,速度が入力され、送信機16から無線送信される。車外では受信機8がこれらの情報を受け取ってコンピュータ6へ送るとともに、別に設けられた騒音計61より検出情報が入力され、これもコンピュータ6へ送る。
【0027】
コンピュータ6側の構成は前例と同じであり、ここで必要な処理をして表示部7へ表示したり、データをプリンタ63へ出力するようになっている。
このようにブレーキ試験以外の各種車両用性能試験にも有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム図
【図2】表示部の初期メニュー画面
【図3】表示部の測定画面
【図4】表示部の減速度計算画面
【図5】図4の減速度計算画面にデータを読み込み計算させた画面
【図6】表示部の再表示画面
【図7】減速度算出のフロー図
【図8】別実施例に係るブロック図
【符号の説明】
1:テストコース、2:スイッチテープ、3:スイッチテープ、4:ポスト、5:測定ベース、6:コンピュータ、7:表示部、8:受信機、10:テスト車両、11:フロントブレーキセンサ、12:リヤブレーキセンサ、13:減加速度センサ、14:ブレーキレバー、15:ブレーキペダル、16:送信機、17:アンテナ、18:シート
Claims (1)
- 車両に搭載された車載センサと、車外に配置された外部センサの各検出情報に基づいて車両のブレーキ性能を評価するための試験装置において、
前記車載センサはブレーキ作動を検知するためのブレーキセンサと減加速度を検知する減加速度センサであり、前記外部センサが、ブレーキ作動開始時の車速を検知するための速度センサであり、
前記車載センサの検出情報を無線にて車外のコンピュータへ送るとともに、前記外部センサの検出情報を有線又は無線にて前記コンピュータへ送り、このコンピュータにて前記各検出情報に基づいて所定の処理を行い、
表示部の画面上に測定データとして、前記外部センサの検出情報に基づいて算出した侵入速度を表示し、
かつブレーキ操作荷重と経過時間との関係を示すブレーキタイミング曲線と、加速度と経過時間との関係を示す減速状況曲線をリアルタイムでグラフィック表示するとともに、
ブレーキタイミング曲線と減速状況曲線はそれぞれ立ち上がり点としてブレーキ開始ポイント及び減速終了ポイントを表示し、
画面上でこれらポイントにカーソルを合わせてポイントすることにより、ブレーキ開始時間及び減速終了時点を特定し、これに基づいて減速タイムを算出し、この減速タイムで前記侵入速度を割って減速度を算出し、この減速度を前記画面上に表示して一回の測定を終了することを特徴とする車両用性能試験装置。
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