JP3811392B2 - 気象環境を考慮したコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム、劣化評価方法及びライフサイクルコスト評価方法、プログラム、記録媒体 - Google Patents

気象環境を考慮したコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム、劣化評価方法及びライフサイクルコスト評価方法、プログラム、記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物の、塩害、中性化、凍害による劣化と維持管理のためのライフサイクルコストを定量的に評価するための方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
戦後の高度成長期に建設されたコンクリート構造物は、30年以上を経過して劣化が出現しつつあり、1つの社会問題となっている。近年では、塩害、中性化、凍害等の劣化と、気象環境との関係が注目され、多くの研究が行われている。
【0003】
気象環境とコンクリート構造物の劣化との関係に関しては、劣化に影響を与えると考えられる気象環境条件が紙地図の形で整理されている。例えば、(社)セメント協会のまとめた「耐久性専門委員会報告D−1 耐久性を阻害する要因マップ」(昭和60年4月)が挙げられる。
【0004】
また、日本全国のコンクリート構造物を対象に、中性化・塩害・凍害と気象環境との関係を研究した例として、(社)日本コンクリート工学協会「鉄筋コンクリート構造物の耐久性設計に関する考え方」(鉄筋コンクリート構造物の耐久性設計法研究委員会、1991)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した気象環境条件の紙地図においては、気象環境の統計値が紙地図に整理されているだけで、この研究ではコンクリート構造物の劣化評価及びライフサイクルコスト評価は行っていない。
【0006】
また、前述した「鉄筋コンクリート構造物の耐久性設計に関する考え方」においては、研究成果はマクロ的な劣化評価結果を論文紙面に示したものであり、実務での利用は困難である。また、気象環境条件を考慮したコンクリート構造物の劣化の定量的評価については、複合した気象環境のもとで複合劣化を考慮した実務的な劣化評価方法はない。
【0007】
また、地理情報システム(Geographic Information System)をコンクリート構造物の劣化評価やライフサイクルコスト評価に利用する事例はない。
【0008】
また、コンクリート構造物の維持管理方針、維持管理品質、内容、頻度によりライフサイクルコスト(維持管理費用)を比較検討できるシステムはない。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、地理情報システム、及び複数のデータベースを用いて、コンピュータで、コンクリート構造物の劣化評価及びライフサイクルコスト評価を行うことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために第1の発明は、気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、評価対象構造物データ、及び地形に関する地図データを保持するデータベースと、地点を選択し、評価対象構造物データからコンクリート構造物に関する特性データを選択又は入力すると、当該地点に関する前記気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、地形データ及び当該コンクリート構造物に関する前記特性データに基づいて、コンクリートの劣化指標及びライフサイクルコストを算出する手段とを具備することを特徴とするコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システムである。
【0011】
気象環境データは、過去数年間の平均気温、平均日照時間、平均降雨量等のデータである。
地域別コンクリート配合データは、セメント種類別の水セメント比等に関する地域別のデータである。
地形データとは、標高,離岸距離などの劣化評価用データのほか背景地図データである。
評価対象構造物データとは、評価対象のコンクリート構造物の特性データであり、経過年数、かぶり厚さ、セメント種類、水セメント比、鋼材(鉄筋)径、構造物の高さや幅や長さ、構造物の設置環境等である。
コンクリートの劣化指標とは、飛来塩分による塩害劣化指標、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化指標、中性化による劣化指標、及び凍害による劣化指標である。
ライフサイクルコストとは、対象のコンクリート構造物の劣化指標と、維持管理方針と、維持管理品質と、点検品質とから算出する維持管理・点検に要するコストと各種のコストの合計である。維持管理方針は、構造物の補修の時期に関するものであり、鋼材腐食開始前に補修、鋼材腐食開始から腐食ひび割れ発生前に補修、腐食ひび割れ発生後に補修、に分類される。維持管理品質は、補修工法と、耐用年数によって分類される。点検品質は、点検方法と、頻度によって分類される。
第1の発明の劣化評価システムは、ユーザが評価対象となるコンクリート構造物を選定するためにデータベースから必要なデータを選択し、評価対象構造物データからコンクリート構造物に関する特性データを選択又は入力すると、コンクリート構造物の劣化指標と劣化ランクを評価項目ごとに算定し、さらに維持管理のためのライフサイクルコストを算定して表示する。
【0012】
第2の発明は、気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、評価対象構造物データ、及び地形データに関する地図データを保持するデータベースを備え、地点を選択し、評価対象構造物データからコンクリート構造物に関する特性データを選択又は入力すると、当該地点に関する前記気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、地形データ及び、当該コンクリート構造物に関する前記特性データに基づいて、コンクリートの劣化指標及びライフサイクルコストを算出することを特徴とするコンクリート構造物の劣化評価方法及びライフサイクルコスト評価方法である。
【0013】
第2の発明のコンクリート構造物の劣化評価方法及びライフサイクルコスト評価方法は、評価対象となるコンクリート構造物がデータベースから選定され、評価対象構造物データからコンクリート構造物の特性データが選択又は入力されると、コンクリート構造物の劣化指標と劣化ランクを評価項目ごとに算定し、維持管理のためのライフサイクルコストを算定する。
【0014】
第3の発明は、第1の発明を実現するためのプログラムである。
【0015】
第3の発明のプログラムは、第1の発明に係るコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システムを実現するためのプログラムである。このプログラムをネットワークを介して流通させることもできる。
【0016】
第4の発明は、第1の発明を実現するためのプログラムを記録した記録媒体である。
【0017】
第4の発明の記録媒体は、第1の発明に係るコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システムを実現するための記録媒体である。この記録媒体を流通させることもでき、またこのプログラムをネットワークを介して流通させることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1の構成を示す図である。劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1は、コンピュータ3に、ディスプレイ5と、プリンタ7と、データベース9とが接続された構成である。
【0019】
ユーザは、劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1を稼働させ、コンピュータ3のディスプレイ5に表示された指示に従い、対話型形式でデータベース9から必要なデータを引き出して、評価対象となるコンクリート構造物の特性データを選択又は入力する。劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1は、ユーザの指示により、コンクリート構造物の劣化評価及びライフサイクルコスト評価を行い、必要に応じてプリンタ7で評価結果等を印刷する。
【0020】
データベース9は、地形データベース901、評価対象データベース903、気象環境データベース905、地域別コンクリート配合データベース907等を格納する。
【0021】
地形データベース901は、劣化評価に使用する離岸距離、標高等の地形情報の地図データと表示用の背景地図データである。
【0022】
評価対象データベース903は、評価対象となるコンクリート構造物の特性データである。例えば、評価対象として鉄道路線と路線上の主要コンクリート構造物がある。この主要コンクリート構造物とは、橋脚やトンネル等である。また、評価対象として、全国代表点の主要コンクリート構造物がある。この主要コンクリート構造物とはビル等である。即ち評価対象のコンクリート構造物のデータとは、構造物の位置、構造、材料等に関するものである。即ち、構造物の経過年数、かぶり厚さ、セメント種類、水セメント比、鋼材(鉄筋)径、構造物の高さや幅や長さ、構造物の設置環境等である。
【0023】
気象環境データベース905には、5年間、10年間、20年間の平均気温、日最高気温が0°C以上かつ日最低気温が−5°C以下の5年間、10年間、20年間の平均日数、5年間、10年間、20年間の平均日較差、5年間、10年間、20年間の平均日最小湿度及び平均日平均湿度、5年間、10年間、20年間の平均海風率及び平均風速、5年間、10年間、20年間の平均日照時間、5年間、10年間、20年間の平均降雨量、5年間、10年間、20年間の平均降雪量が地図データとして収録されている。また、参考データとして気象環境データベース905の観測地点である、全国気象官署と全国のアメダス観測点の緯度経度座標がデータベース化されている。
【0024】
地域別コンクリート配合データベース907は、後述する劣化指標計算で使用するコンクリート配合の地域に依存した特性データである。即ち、セメント種類別の水セメント比等の地図データを格納する。
【0025】
図2は、劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1の処理手順を示す図である。コンクリート構造物劣化評価及びライフサイクルコスト評価の手順を説明する前に、まずコンクリート構造物の劣化進行過程について図3を用いて説明する。
【0026】
図3は、2001年に制定された土木学会コンクリート標準示方書「維持管理編」に示されたコンクリート構造物の劣化進行過程を示す。横軸方向は時間(年)21、縦軸上方は劣化度23、縦軸下方は性能低下25を示す。コンクリートの劣化進行は、鋼材腐食開始11までを潜伏期15、鋼材腐食開始11から腐食ひび割れ発生13までを進展期17、腐食ひび割れ発生13後を加速期19とする。
【0027】
劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1では、一連の劣化進行過程に従って、潜伏期15から加速期19までの劣化評価と予測とを行う。まず、対象構造物の劣化の要因となる塩害、中性化、凍害に関して、それぞれの潜伏期の年数を求め、その中から最も短い年数を対象構造物の潜伏期15に採用する。後述するが、進展期17に関しては、コンクリート中の鋼材の腐食速度と腐食ひび割れ発生限界の鋼材腐食量から進展期17の年数と鋼材腐食量を評価する。加速期19については、暴露環境下の鋼材腐食速度から鋼材腐食量を評価する。
【0028】
本実施の形態では、対象構造物の劣化評価を要因別(塩害、中性化、凍害)に行い、さらに構造物の劣化評価結果と維持管理方針と維持管理品質と点検品質とをパラメータとしてライフサイクルコスト評価を行う。
【0029】
図2の処理手順を説明する前に、図4、図5を用いて劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1のデータベース9に記録しているデータを表示する機能について説明する。図4は初期画面31及び地図データ表示設定画面51を示す図である。図5は、地図データの表示画面71を示す図である。
【0030】
ユーザは、劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1を稼働させる。まず、図4に示すシステムの初期画面31が表示される。初期画面31の、地図データ表示ボタン33が押されると、地図データ表示設定画面51が展開する。
【0031】
尚、初期画面31の、劣化評価条件設定部35、評価地点設定部43、コンクリート構造物属性設定部45、評価計算実行ボタン47、評価結果表示部49についての詳細は後述する。
【0032】
地図データ表示ボタン33が押された後に展開した地図データ表示設定画面51には、背景図設定部53、気象観測点55、評価地点57、属性地図データ設定部59が表示され、さらに属性地図データ設定部59には、気象属性データ61と地形属性データ63とコンクリート属性データ65の設定部が表示される。それぞれの項目について、ユーザがチェックボタンをチェックして、表示する地図データの設定を行う。
【0033】
背景図設定部53では、データベース9の地形データベース901の、背景地図の内容を設定する。例えば、海岸線の表示の有無や、河川表示の有無等の設定を行う。
【0034】
気象観測点55は、アメダス観測点の表示/非表示を設定する。評価地点57は、後述する評価地点設定部43で指定した評価地点の、表示/非表示を設定する。
【0035】
属性地図データ設定部59の気象属性データ61部では、データベース9の気象環境データベース905に記録されているデータ表示の内容を設定する。例えば、「平均気温(20年)」とは20年間の平均気温分布図、「平均降雨量(10年)」とは10年間の平均降水量分布図である。
【0036】
属性地図データ設定部59の地形属性データ63部では、データベース9の地形データベース901に記録されている飛来塩分量、離岸距離、標高の表示/非表示を指定する。コンクリート地域属性データ65部では、データベース9の地域別コンクリート配合データベース907に記録されているデータの表示/非表示を指定する。
【0037】
さて、地図データ表示設定画面51において、ユーザが「平均気温(20年)」のチェックボタンにチェックし、OKボタン69を押すと、図4の地図データ表示設定画面51が閉じて、図5に示す図が表示される。
【0038】
図5は、データベース9の気象環境データベース905の画面表示例を示し、ここでは地図表示部73に20年間の平均気温分布図を表示する。凡例表示部75には、平均気温の範囲別の表示色又は表示柄を表示する。
【0039】
このように、ユーザは、データベース9に記録している各種データ(地形データベース901、評価対象データベース903、気象環境データベース905、地域別コンクリート配合データベース907)の内容を劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1を稼働して表示することができる。
【0040】
続いて、図2に沿って劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1の処理手順を説明しつつ、画面表示、対象構造物の劣化評価方法、評価結果表示、対象構造物のライフサイクルコスト評価方法等について図4、図6〜図22を適宜説明する。
【0041】
まず、ユーザは、劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1を稼働させ、各種設定を行う(ステップ1001)。まず、劣化評価条件の設定を行う(ステップ1002)。図4の初期画面31の劣化評価条件設定部35において、劣化評価方法37、気象条件39、材料・配合地域条件41を設定する。劣化評価方法37は、確定的方法/確率的方法を選択する。気象条件39は、考慮する/考慮しないを選択する。材料・配合地域条件41は、一律/地域別/個別を選択する。
【0042】
次に、評価地点の設定を行う(ステップ1003)。図6は、画面指示による評価地点設定を示す図である。評価地点設定部43は、画面指示部77とファイル選択部79とからなり、まず画面指示による評価地点の設定を説明する。ユーザは、画面指示ボタン79を押し、地図表示部91上の任意の位置をマウスでクリックすることにより、評価位置93を指定する。さらに登録ボタン81を押すと、評価地点数表示部87に評価地点の合計数が表示される。指示する評価位置を除外する場合には、クリアボタン83を押す。確定ボタン85が押されると、画面指示による評価位置の設定が終了する。
【0043】
図7は、ファイル選択による評価地点設定を示す図である。評価地点設定部43で、ファイル選択部79を指定すると、既存評価点設定部97と新規評価点設定部95とが表示される。新規評価点設定部95が選択され、新規評価点の選択・画面表示ボタン99が押されると、図8に示す新規評価地点ファイルの選択画面109が展開する。新規評価地点ファイルは、データベース9の評価対象データベース903に登録されているファイルであり、ユーザが例えば「全国役場所在地.csv」を選択しOKボタン113を押すと、選択ファイル名欄101に「全国役場所在地.csv」が表示され、登録ボタン103が押されると、ファイルが登録され、地図表示部107に、このファイルに示される評価点が表示される。
【0044】
図9は、ファイル選択による評価地点設定であり、ファイル選択部79の既存評価点設定部97からファイルを選択する場合を示す。既存評価点の選択・画面表示ボタン115が押されると、図10に示す既存評価地点テーブルの選択画面123が展開する。既存評価地点テーブルは、データベース9の評価対象データベース903に登録されているファイルであり、ユーザが例えば「代表点14点.TAB」を選択すると、選択ファイル名欄117に「代表点14点.TAB」が表示され、地図表示部121に、このファイルに示される評価点が表示される。
【0045】
次にユーザは、コンクリート構造物属性の設定を行う(ステップ1004)。即ち、評価対象とするコンクリート構造物の特性データの選択又は設定を行う。図11は、コンクリート構造物属性の設定画面133を示す。コンクリート構造物属性の設定部45で、コンクリートの評価条件の設定ボタン129を押すと、図12に示すコンクリートの評価条件の設定画面137が展開する。
【0046】
コンクリートの評価条件の設定画面137において、条件設定ファイルの選択ボタン139を押すと、データファイルが評価対象データベース903から読み込まれて画面に表示される。図12は、例えば道路情報に関するファイル「prm01b.all」が選択された状態を示す。このファイルに示す構造物の詳細な内容の確認或いは設定を行う場合には、設定情報の編集ボタン145を押して、コンクリート配合・設置条件の設定画面147を開く(図13に示す)。
【0047】
図13のコンクリート配合・設置条件の設定画面147では、このファイルに示されるコンクリート構造物の特性データの確認及び設定を行う。特性データの設定は、構造物の設置地域、名称、経過年数、JIS製品名、セメント種類、圧縮強度、水セメント比、初期混入塩分量、かぶり厚さ、含水率、鋼材(鉄筋)径等の他、構造物高さ、幅、維持管理方針、維持管理品質等も含まれる。
【0048】
図13でコンクリート配合・設置条件の設定を行い、図12の画面に戻ってコンクリートの評価条件の設定画面137の「OKボタン」143を押すと、図11の、コンクリート構造物属性の設定部45の選択属性ファイル名欄131には、図12で選択したファイル名「prm01b.all」が表示される。
【0049】
以上、劣化評価条件の設定(ステップ1002)、評価地点の設定(ステップ1003)、コンクリート構造物属性の設定(ステップ1004)には、地形データベース901と評価対象データベース903に格納されたデータを用いる。
【0050】
各種設定(ステップ1001)終了後にユーザが、評価計算の実行ボタン47を押すと、劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1は、データベース9から気象環境データベース905、地域別コンクリート配合データベース907のデータを引き出して、評価項目ごとに計算式を用いてコンクリート劣化指標(評価値)と潜伏期期間を計算する(ステップ1005)。
【0051】
即ち、潜伏期の劣化評価(ステップ1006)として、飛来塩分による塩害劣化1007、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化1008、中性化による劣化1009、凍害による劣化1010について、それぞれの劣化指標(評価値)と潜伏期期間の算出を行う。更に、進展期、加速期、劣化期の鋼材腐食評価と判定を行う(ステップ1011)。
【0052】
それぞれの評価項目における評価値の計算方法については後述するが、ステップ1005の劣化評価は、ステップ1003で選択された評価地点に関する気象環境データベース905、地域別コンクリート配合データベース907や、ステップ1004のコンクリート構造物属性で設定された評価対象データベース903のコンクリート構造物の特性データを基にして計算される。
【0053】
図14は、評価結果分布図表示項目設定画面151を示す。即ち、ユーザは、評価結果の表示部49の評価結果分布図表示項目設定部149で、地図表示部153に表示させる項目をプルダウンメニューの中から選択する。図14に示すメニューの、塩化物評価値(飛来塩分)と塩害ランク(飛来塩分)は、飛来塩分による塩害劣化1007の評価結果である。塩化物評価値(融雪剤)と塩害ランク(融雪剤)は、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化1008の評価結果である。中性化評価値と中性化ランクは、中性化による劣化1009の評価結果である。凍害評価値と凍害ランクは、凍害による劣化1010の評価結果である。(図も変更してください)
【0054】
尚、算出されたコンクリート劣化ランクは、評価項目ごとに決められた定数で正規化され、ランク分けされる。それぞれの項目の「ランク」は、前述の評価結果分布図表示項目設定部149のプルダウンメニューに記されている。ランクは、塩害,中性化,凍害の評価値の少ないものから順に、A、B、C、D、Eとランク分けされる。
【0055】
図15から図19は、各種設定を共通にし、それぞれの劣化評価項目の評価結果の表示画面を示したものである。劣化評価条件の設定部35では、劣化評価方法37は「確定論的方法」、気象条件39は「考慮する」、材料・配合地域条件41は「一律」に設定する。評価地点の設定部43は、新規評価点95のファイルである「全国役場所在地.csv」を選択ファイル名101に設定する。コンクリート構造物属性の設定部45は、道路施設のファイルである「prm01.all」を選択属性ファイル名131に設定する。
【0056】
図15は、劣化(飛来塩分による塩害劣化1007)評価結果表示画面161である。即ち、評価結果の表示部49の評価結果分布図表示項目149に、「塩化物評価値(飛来)」を設定し、評価結果分布図表示ボタン157を押すと、地図表示部163と凡例表示部165に、全国役場所在地の評価対象構造物(ここでは道路施設)の塩化物イオン量(kg/m)の分布が表示される。
【0057】
更に、図15の評価結果リスト表示ボタン159を押すと、図16に示す評価結果表示画面167が展開する。評価結果表示画面167には、対象施設の劣化評価結果である、塩化物イオン量169と、塩害ランク171などが評価対象構造物ごとにリスト表示される。図16には、評価対象構造物3430件の評価結果が表示されている。
【0058】
図17は、劣化(融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化1008)評価結果表示画面173である。即ち、評価結果の表示部49の評価結果分布図表示項目149に、「塩化物評価値(融雪剤)」を設定し、評価結果分布図表示ボタン157を押すと、地図表示部175と凡例表示部177に、全国役場所在地の評価対象構造物(ここでは道路施設)の塩化物イオン量(kg/m)の分布が表示される。
【0059】
図18は、劣化(中性化による劣化1009)評価結果表示画面179である。即ち、評価結果の表示部49の評価結果分布図表示項目149に、「中性化評価値」を設定し、評価結果分布図表示ボタン157を押すと、地図表示部181と凡例表示部183に、全国役場所在地の評価対象構造物(ここでは道路施設)の中性化残り(mm)の分布が表示される。
【0060】
図19は、劣化(凍害による劣化1010)評価結果表示画面185である。即ち、評価結果の表示部49の評価結果分布図表示項目149に、「凍結評価値」を設定し、評価結果分布図表示ボタン157を押すと、地図表示部187と凡例表示部189に、全国役場所在地の評価対象構造物(ここでは道路施設)の凍結融解サイクル(回)の分布が表示される。
【0061】
次に、コンクリート構造物の劣化指標(評価値)算定方法について、それぞれの評価項目ごとに説明する。評価項目は、飛来塩分による塩害劣化1007、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化1008、中性化による劣化1009、凍害による劣化1010である。尚、劣化指標の算定には、データベース9に備える各種データを用いる。
【0062】
飛来塩分による塩害劣化指標は、コンクリートのかぶり厚さC(cm)の位置における塩化物イオン濃度PSD1(kg/m3)として表される。塩化物イオン濃度PSD1(kg/m3)は、地形データベース901又は気象環境データベース905から算出することのできる表面塩化物イオン濃度C0(kg/m3)、初期含有塩化物イオン濃度C(kg/m)、コンクリートのかぶり厚さC(cm)、前記コンクリート評価対象データベース903中のコンクリート構造物の特性データや地域別コンクリート配合データベース907から求められる塩化物イオン拡散係数DR(cm2/年)、経過時間t(年)から算出することができ、式(1)により求められる。(参考文献:土木学会 コンクリート標準示方書[施工編]、1999)
【0063】
【数1】
Figure 0003811392
【0064】
また、コンクリートかぶり厚さC(cm)における塩化物イオン濃度が限界塩化物イオン濃度に到達するまでの時間T0SD1(年)、即ち飛来塩分による塩害劣化の潜伏期15(図3に示す)は、式(2)から算出される。尚、CCR(kg/m)は、鋼材腐食が発生する限界塩化物イオン濃度である。
【0065】
【数2】
Figure 0003811392
【0066】
式(1)、式(2)において、αは塩化物イオンの拡散係数の温度補正係数であり、βは表面塩化物イオン濃度の温度補正係数である。
【0067】
尚、塩害劣化のランク(評価値のランク)は、塩化物イオン濃度PSD1を、限界塩化物イオン濃度(例えば、1.2kg/m3)で正規化した値を複数のランクに分類したものである。
【0068】
式(1)における海からの飛来塩分による表面塩化物イオン濃度C0(kg/m3)の計算方法としては、飛来塩分に関する観測データから推定する方法や、海岸線からの離岸距離と標高とを用いて経験式により推定する方法がある。
【0069】
海風率や風速から求められる飛来塩分量A(mg/dm/年)等から求められる表面塩化物イオン濃度C0(kg/m3)は、式(3)で算出される。尚、kは、平均気温から求められる定数である。(参考文献:山田・大城・谷川・伊部、飛来塩分量とコンクリート中への塩分浸透過程に関する一考察、コンクリート工学年次論文報告集、Vol.17,No.1,1995;ほか)
【0070】
【数3】
Figure 0003811392
【0071】
また、離岸距離D(m)、標高H(m)から求められる表面塩化物イオン濃度C0(kg/m3)は、式(4)で算出される。
【0072】
【数4】
Figure 0003811392
【0073】
式(1)、式(2)における塩化物拡散係数DR(cm2/年)は、セメントの種類ごとに水セメント比の関数として算出される。普通ポルトランドセメントや高炉セメントのようにセメントの種類によって算出用関数が異なる。(参考文献:Yamamoto,A.,Motohashi,K.etal,“Propose Durability Design for RC Marine Structures”,Concrete Under Severe Conditions Environment and looking,Vol.1,pp544−553,CONSEC‘95.1995)
【0074】
また、式(1)、式(2)における誤差関数erfは、式(5)で表される。
【0075】
【数5】
Figure 0003811392
【0076】
次に、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化指標は、塩化物イオン濃度PSD2(kg/m3)として表される。塩化物イオン濃度PSD2を算出する計算式は、飛来塩分による塩化物イオン濃度PSD1を算出する式(1)と同様であるが、表面塩化物イオン量C0(kg/m3)の算定式(3)における塩分量Ab(mg/dm2/年)の評価式が異なる。経過時間t(年)、日平均積雪量HSwi(cm)、HSwiの降雪日数DSwi(日)を用いると、Abは、式(6)から求められる。
b=a・HSW1・DSW1・(t1+1)+b・HSW2・DSW2・(t2+1)+……(6)
式(6)において、a、b…は、日平均積雪量HSwiに対応して散布された融雪剤の量を表す定数である。また、t1、t2…は定数a、b…に対応した融雪剤の散布期間(年)である。
【0077】
融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化指標としての、塩化物イオン濃度PSD2は上記のように算出され、融雪剤による塩害劣化の潜伏期15(即ち限界塩化物イオン濃度に到達するまでの時間T0SD2(年))は、式(2)から算出される。尚、劣化ポテンシャル(評価値のランク)は、塩化物イオン濃度PSD2を、限界塩化物イオン濃度(例えば、1.2kg/m3)で正規化した値を複数のランクに分類したものである。
【0078】
次に、中性化による劣化指標は、中性化残りPCD(mm)として表される。中性化残りPCD(mm)は、中性化速度係数DCO2(mm/(年)1/2)、環境係数β、ひび割れ補正係数αを用いて、式(7)を用いて算出される。尚、tは、経過年数(年)である。
【0079】
【数6】
Figure 0003811392
【0080】
また、コンクリート中の鋼材が腐食開始する深さに中性化が到達するまでの時間T0CDは、かぶり厚さC(cm)、鋼材腐食が開始する限界中性化残りC(mm)(例えば10〜25mm)を用いて、式(8)で算出される。
【0081】
【数7】
Figure 0003811392
【0082】
また、中性化速度係数DCO2(mm/(年)1/2)は、式(9)又は式(10)を用いて算出される。(参考文献:土木学会、コンクリート標準示方書[施工編]1999;土木学会、コンクリート標準示方書[施工編]―耐久性照査型―改訂資料、1999、岸谷孝一;鉄筋コンクリートの耐久性、鹿島技術研究所出版部、1963.)
CO2=−3.57+9.0×W/(C+k+Ad) (9)
ここで、Wは単位体積当たりの水の質量(Kg)、Cは単位体積当たりのセメント質量(Kg)、kは混和剤の種類によって決まる係数、Adは単位体積当たりの混和剤質量(Kg)であり、前記評価対象データベース903のコンクリート構造物の特性データと地域別コンクリート配合データベース907から決定される。
【0083】
また、中性化速度係数DCO2(mm/(年)1/2)を求める式(10)は以下に示される。
【0084】
【数8】
Figure 0003811392
【0085】
ここで、w/cは水セメント比、Rは使用したセメント、骨材、混和剤の種類から決まる中性化比率であり、約0.2〜7.2の値をとる。
【0086】
βeは、湿度・気温などから計算される環境係数であり、経過時間t(年)、平均湿度Hm(%)、平均気温Ht(°C)を用いて式(11)から算出する。(参考文献:鄭・平井・三橋、モルタルの中性化速度に及ぼす温度・湿度の影響に関する実験的研究、コンクリート工学論文集、Vol.1,No.1,1990)
βe=a・Hm+b・Hm+c・Ht+d (11)
式(11)においてa、b、c、dは定数である。
【0087】
尚、劣化ポテンシャル(評価値のランク)は、中性化残りPCD(mm)を限界中性化残りC(mm)で正規化し,複数のランクに分類したものである。
【0088】
次に、凍害による劣化指標は、経過時間内の凍結融解回数PFD(回)として表される。凍結融解回数PFD(回)は、日最高気温が0°C以上かつ日最低気温が−5°C以下を満足する年平均日数Hf(回)、経過時間t(年)を用いて、式(12)から算出する。
FD=Hf×t (12)
【0089】
また、限界凍結融解回数 Ncr(回)に到達するまでの時間 T0fz(年)は、式(13)から算出する。
0fz=Ncr/Hf (13)
尚、劣化ポテンシャル(評価のランク)は、経過時間内の凍結融解回数PFDを限界値(ここでは300回)で正規化した値を複数のランクに分類したものである。
【0090】
次に、図2に示す、進展期17、加速期19、劣化期の鋼材腐食評価と判定1011について説明する。
【0091】
進展期17は、コンクリート中にある鋼材が腐食を開始(図3の鋼材腐食開始11)してから、コンクリートの腐食ひび割れ開始(図3の腐食ひび割れ発生13)までの期間Tであり、式(14)、式(15)で示される。
=Wcr/W (14)
【0092】
【数9】
Figure 0003811392
【0093】
ここで、Wcr(mg/cm)はコンクリートの腐食ひび割れ発生限界腐食量である。W(mg/cm/年)はコンクリート中の鋼材の腐食速度であり、水セメント比w/c、湿度Hm、かぶり厚さCから求められる。C(mm)はかぶり厚さ、φ(mm)は鋼材(鉄筋)径である。
【0094】
加速期19及び劣化期は、進展期17以降の腐食ひび割れの発達に伴って、鋼材は大気中への暴露状態になり、腐食による鋼材の断面欠損が加速し、最終的に鋼材が消滅するまでの期間である。尚、加速期(劣化期)における鋼材腐食速度は、湿度に応じて0〜約250mg/cm/年を仮定している。
【0095】
進展期17、加速期19における鋼材の腐食減量の評価式は式(16)で表される。
Rs=4A/78.5d (16)
ここで、Rs(%)は1年当たりの鋼材の腐食減量、A(mg/cm/年)は鋼材腐食速度、d(cm)は鋼材の直径である。(土木学会コンクリート委員会腐食防食小委員会;コンクリート技術シリーズ 鉄筋腐食・防食及び補修に関する研究の現状と今後の動向(その2)、土木学会,2000.,鉄筋コンクリート構造物の耐久性設計法研究委員会;鉄筋コンクリート構造物の耐久性設計に関する考え方、日本コンクリート工学協会,1991.)
【0096】
次に、図2で各種設定(ステップ1001)と劣化評価(ステップ1005)を行った後、ライフサイクルコストを算出し評価を行う(ステップ1012)。
【0097】
即ち、図示は省略するが、コンピュータ3のディスプレイ5に表示された指示に従い、対話型形式でユーザは評価対象コンクリート構造物の維持管理方針と、維持管理品質と点検品質とを設定し、経過年数と維持管理・点検にかかるコストの関係(ライフサイクルコスト)を算出する。
【0098】
図20は、維持管理方針と余寿命ライフサイクルコストの関係を示す図である。また、図21は維持管理方針と、点検及び維持管理品質と耐用年数を示す図である。
【0099】
図21に示すように、コンクリート構造物の維持管理方針213は、予防保全型191、事後保全I型193、事後保全II型195の3種類に分類される。予防保全型191は、構造物の鋼材腐食を開始する前、即ち図3における潜伏期15に補修を行う管理方法である。事後保全I型193は、構造物の鋼材腐食は許容するがひび割れ発生前に、即ち図3における進展期17に補修を行う管理方法である。事後保全II型195は、構造物の腐食ひび割れを許容する、即ち図3における加速期19で補修を行う管理方法である。
【0100】
尚、図21の図中に示すTは潜伏期15の期間であり、Tは進展期17の期間である。ライフサイクルコストの算出の際に用いる潜伏期Tは、まず、対象構造物の塩害、中性化、凍害に関して、前述した計算式を用いてそれぞれ潜伏期の年数を求める。即ち算出された飛来塩分による塩害劣化の潜伏期T0SD1、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化の潜伏期T0SD2、中性化による劣化の潜伏期T0CD、凍害による劣化の潜伏期T0fzのうち最も短い年数であるものを構造物の潜伏期Tに採用する。また、進展期Tは、前述した式(14)で求められる。
【0101】
また、図21において維持管理方針213ごとに、維持管理品質215は高級225、普通227、安価229に分類される。維持管理品質215は、維持管理内容217、即ち「基本補修工法とコスト」221に示される工法とコストにより分類される。さらに維持管理品質215ごとに詳細点検の頻度223が3段階に分類され(5年に1回、10年に1回、15年に1回)、それぞれ耐用年数219が算出される。
【0102】
図20には、評価対象となる構造物の維持管理方針213ごとに(即ち、予防保全型191、事後保全I型193、事後保全II型195の場合について)、経過年数197とライフサイクルコスト201の関係を示す。縦軸上方向には、構造物の鋼材残存率199を示す。潜伏期15の鋼材残存率は100%である。また、腐食ひび割れが発生する時点の鋼材残存率は、図中の加速期の鋼材残存率203として示される。
【0103】
また、縦軸下方向はライフサイクルコスト201が示され、補修費用の累積値が示されている。折れ線グラフが下方に向かう点(図中の点209、点221等)で、構造物に点検や補修が行われる。
【0104】
例えば、橋梁を対象としたライフサイクルコスト201の評価式は、式(17)で表される。
【0105】
【数10】
Figure 0003811392
【0106】
ここでC(t)は点検コスト、C(t)は維持補修コスト、C(t)は点検・補修の間接損失コスト、tは経過時間(年)、rは割引率である。対象構造物ごとの点検コストや維持補修コストなどは、評価対象ごとに算定式がある。例えば橋梁の補修コストを算定する際には、橋梁の「橋梁上部工」、「高欄」、「橋脚」部別の補修コスト算定式で算出する。
【0107】
図20に示すライフサイクルコスト201のグラフは、前述の式(17)を用いて算出される。維持管理方針213が予防保全型191では、潜伏期15の間に適宜補修点検を行うので、時間が経過しても鋼材残存率199はほぼ100%を保つ。またライフサイクルコスト201はほぼ一定の割合で増加していく。
【0108】
維持管理方針213が事後保全I型193では、適宜点検を行いつつ、鋼材腐食開始11から腐食ひび割れ発生13までの進展期17に補修を行う。即ち図20では点205において補修を行う。従って、ライフサイクルコスト201は、点209の時点での補修に比較的コストがかかる。
【0109】
維持管理方針213が事後保全II型195では、適宜点検を行いつつ、腐食ひび割れ発生13後の加速期19に補修を行う。即ち図20では、点207において補修を行う。従って、ライフサイクルコスト201は、点211の時点での補修に比較的コストがかかる。
【0110】
尚、ユーザは図22に示す、「予定共用年数とライフサイクルコストの関係を示すグラフ」等をディスプレイ5(図1)に表示し、評価対象構造物の維持管理方針等を検討する。図22は、3種類の維持管理方針213(予防保全型191、事後保全I型193、事後保全II型195)で、それぞれ3種類の維持管理品質215(高級225、普通227、安価229)について予定供用年数231と維持管理コスト233(ライフサイクルコスト)の関係を示す。尚点検の頻度はいずれも5年に1回の場合である。
【0111】
次に、例えばユーザが、評価対象のコンクリート構造物に対して点検・維持補修計画案を入力すると、劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1は、その案に対して鋼材残存率199やライフサイクルコスト201が最適化どうかを評価する(ステップ1013)。またユーザに、最適な点検・維持補修案を提案する場合もある。
【0112】
このように、本実施の形態によれば、気象環境データ、コンクリート配合の地域特性データ、地形データなどの地図データを利用して、コンクリート構造物の劣化状態及び維持管理に関するライフサイクルコストを定量的にかつ容易に評価することができる。また、現時点におけるコンクリート構造物の劣化評価及び維持管理コスト評価とともに、入力パラメータを変更することで、将来の劣化進展予測及びライフサイクルコスト予測をも容易に行うことができる。
【0113】
さらに、同時に多数のコンクリート構造物の劣化評価及びライフサイクルコスト評価が可能なため、構造物相互の相対比較を容易に行うことができ、劣化対策の優先順位付け等に活用することができる。
【0114】
また、全国各地の気象情報の分布や、任意評価地点のコンクリート構造物の劣化状態を、地図情報としてコンピュータの画面上に表示でき、印刷・保存も可能であるので、広域に及ぶインフラ施設などの劣化状況の把握が容易にできる。
【0115】
ここでは、コンピュータ3が、接続されているデータベース9から必要な情報を取り出してくる構成を説明したが、コンピュータ3をインターネットなどのネットワークに接続し、ネットワーク経由で必要なデータベースを利用することもできる。
【0116】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、地理情報システム、及び複数のデータベースを用いて、コンピュータで、コンクリート構造物の複数の劣化要因及びライフサイクルコストを簡単にかつ効率的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1の構成を示す図
【図2】劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム1の処理手順を示す図
【図3】コンクリート構造物の劣化進行過程を示す図
【図4】初期画面31及び地図データ表示設定画面51を示す図
【図5】地図データの表示画面71
【図6】画面指示による評価地点設定画面89
【図7】新規ファイル選択による評価地点設定画面105
【図8】新規ファイル選択画面109
【図9】既存ファイル選択による評価地点設定画面119
【図10】既存ファイル選択画面123
【図11】コンクリート構造物属性の設定画面133
【図12】コンクリートの評価条件の設定画面137
【図13】コンクリート配合・設置条件の設定画面147
【図14】評価結果分布図表示項目設定画面151
【図15】劣化(飛来塩分による塩害劣化1007)評価結果表示画面161
【図16】評価結果表示画面167
【図17】劣化(融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化1008)評価結果表示画面173
【図18】劣化(中性化による劣化1009)評価結果表示画面179
【図19】劣化(凍害による劣化1010)評価結果表示画面185
【図20】維持管理方針と余寿命ライフサイクルコストの関係を示す図
【図21】維持管理方針、点検及び維持管理品質と耐用年数の関係を示す図
【図22】予定共用年数とライフサイクルコストの関係を示す図
【符号の説明】
1・・・ 劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム
3・・・ コンピュータ
5・・・ ディスプレイ
7・・・ プリンタ
9・・・ データベース
11・・・ 鋼材腐食開始
13・・・ 腐食ひび割れ発生
15・・・ 潜伏期
17・・・ 進展期
19・・・ 加速期
21・・・ 時間
23・・・ 劣化度
25・・・ 性能低下
31・・・ 初期画面
33・・・ 地図データ表示ボタン
35・・・ 劣化評価条件設定部
37・・・ 劣化評価方法
39・・・ 気象条件
41・・・ 材料・配合地域条件
43・・・ 評価地点設定部
45・・・ コンクリート構造物属性設定部
47・・・ 評価計算実行ボタン
49・・・ 評価結果表示部
51・・・ 地図データ表示設定画面
53・・・ 背景図設定部
55・・・ 気象観測点設定部
57・・・ 評価地点設定部
59・・・ 属性地図データ設定部
61・・・ 気象属性データ
63・・・ 地形属性データ
65・・・ 画面表示ボタン
67、111、125・・・ キャンセルボタン
69、113、127、143・・・ OKボタン
71・・・ 地図データ表示画面
73、91、107、121、135、153、163、175、181、187・・・ 地図表示部
75、155、165、177、183、189・・・ 凡例表示部
77・・・ 画面指示部
79・・・ 画面指示ボタン
81・・・ 登録ボタン
83・・・ クリアボタン
85・・・ 確定ボタン
87・・・ 評価地点数表示部
89・・・ 画面指示による評価地点設定画面89
93・・・ 評価地点
95・・・ 新規評価点設定部
97・・・ 既存評価点設定部
99・・・ 新規評価点の選択・画面表示ボタン
101、117・・・ 選択ファイル名
103・・・ 登録ボタン
105・・・新規ファイル選択による評価地点設定画面
109・・・ 新規評価地点ファイルの選択画面
115・・・ 既存評価点の選択・画面表示ボタン
119・・・ 既存ファイル選択による評価地点設定画面
123・・・ 既存評価地点テーブルの選択画面
129・・・ コンクリートの評価条件の設定ボタン
131、141・・・ 選択属性ファイル名
133・・・ コンクリート構造物属性の設定画面
137・・・ コンクリートの評価条件の設定画面
139・・・ 条件設定ファイルの選択ボタン
145・・・ 設定情報の編集ボタン
147・・・ コンクリート配合・設置条件の設定画面
149・・・ 評価結果分布図表示項目設定部
151・・・ 評価結果分布図表示項目設定画面
157・・・ 評価結果分布図表示ボタン
159・・・ 評価結果リスト表示ボタン
161・・・劣化(飛来塩分による塩害劣化1007)評価結果表示画面
167・・・ 評価結果表示画面
169・・・ 塩化物イオン量
171・・・ 塩害ランク
173・・・ 劣化(融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化1008)評価結果表示画面
179・・・ 劣化(中性化による劣化1009)評価結果表示画面
185・・・ 劣化(凍害による劣化1010)評価結果表示画面
191・・・ 予防保全型
193・・・ 事後保全I型
195・・・ 事後保全II型
197・・・ 年数
199・・・鋼材残存量
201・・・ ライフサイクルコスト
203・・・ 加速期の鋼材残存量
213・・・ 維持管理方針
215・・・ 維持管理品質
217・・・ 維持管理内容
219・・・ 耐用年数
221・・・ 基本補修工法とコスト
223・・・ 詳細点検の頻度
225・・・ 高級
227・・・ 普通
229・・・ 安価
231・・・ 今後の予定供用年数
233・・・ 維持管理コスト
901・・・ 地形データベース
903・・・ 評価対象データベース
905・・・ 気象環境データベース
907・・・ 地域別コンクリート配合データベース
1007・・・ 飛来塩分による塩害劣化
1008・・・ 融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化
1009・・・ 中性化による劣化
1010・・・凍害による劣化

Claims (11)

  1. 気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、評価対象構造物データ、及び地形に関する地図データを保持するデータベースと、
    地点を選択し、評価対象構造物データからコンクリート構造物に関する特性データを選択又は入力すると、当該地点に関する前記気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、地形データ及び当該コンクリート構造物に関する前記特性データに基づいて、コンクリートの劣化指標及びライフサイクルコストを算出する手段と、
    を具備することを特徴とするコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  2. 前記データベースは、前記気象環境データベース、前記地域別コンクリート配合データベース、地形データベース、評価対象データベースを保持することを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  3. 前記地点の設定は、任意地点、又は評価地点を指定したファイルを選択して設定することを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  4. 前記コンクリート構造物に関する特性データは、経過年数、セメント種類、圧縮強度、水セメント比、かぶり厚さ、含水率等であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  5. 前記評価項目は、飛来塩分による塩害劣化、融雪剤及び凍結防止剤による塩害劣化、中性化による劣化、凍害による劣化であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  6. 前記劣化指標をランク分けして表示する表示手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  7. 前記コンクリート構造物の維持管理方針と、維持管理品質と,点検品質とから決定する維持管理・点検コストと各種のコストから、ライフサイクルコストを算出することを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  8. 前記維持管理方針は、前記コンクリート構造物の補修を行う時期に関し、前記コンクリート構造物の鋼材腐食前の期間、鋼材腐食後から腐食ひび割れ前の期間、腐食ひび割れ後の期間、に分類されることを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システム。
  9. 気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、評価対象構造物データ、及び地形に関する地図データを保持するデータベースを備え、
    地点を選択し、評価対象構造物データからコンクリート構造物に関する特性データを選択又は入力すると、当該地点に関する前記気象環境データ、地域別コンクリート配合データ、地形データ及び、当該コンクリート構造物に関する前記特性データに基づいて、コンクリートの劣化指標及びライフサイクルコストを算出することを特徴とするコンクリート構造物の劣化評価方法及びライフサイクルコスト評価方法。
  10. 請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システムを実現するためのプログラム。
  11. 請求項1記載のコンクリート構造物の劣化評価システム及びライフサイクルコスト評価システムを実現するためのプログラムを記録した記録媒体。
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