JP3809624B2 - レバー変位拡大機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、非対称型一段レバー変位拡大機構に関するもので、自動車、航空機、精密加工、精密測定器具等の分野で利用され、例えば、磁気ヘッド等の精密位置決めするための光学ステージの位置決め装置、などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来のレバー変位拡大機構は、圧電素子の発生する変位をレバーを介して拡大し、出力変位部に伝達している。このレバー変位拡大機構では、多くは圧電素子の変位方向に出力変位部が変位する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の拡大機構の多くは圧電素子の変位方向と出力部での変位方向が同一方向のため、圧電素子の長さにより変位方向の外形サイズは大きくなってしまう。
【0004】
そこで、圧電素子の発生する変位をその中心軸に対して直角方向になる様に圧電素子を配置して出力変位部に伝達することが考えられる。この機構として、次の圧電変位拡大機構が用いられている(特開平4−340777号参照)。
駆動源としての2つの圧電素子は、それぞれ一方の端面が取付基板部に設けられた固定部に固着され、他方の端面が2つのレバーアームのそれぞれの端部に設けられた第1の力点ヒンジに固着されている。それぞれの圧電素子が発生する変位は、この圧電素子が固定されている第1の力点ヒンジに伝達され、レバーアームの中間部に設けられた第2のヒンジを支点とするてこの原理により拡大され、両レバーアームの先端をブリッジ状に連結する薄板状の梁に伝達され該梁の座屈運動により変位が取り出される。
【0005】
しかし、この機構では、次の様な問題がある。
(1)この機構は、薄板状の梁をたわませて、拡大変位を与えるもので、座屈方式と呼ばれている。この方式では、梁として弾性力の小さい厚い材料を用いると、変形しにくくなり、伝達効率が悪くなる。そのため、該梁として、変形しやすい薄い材料を用いなければならないが、あまり薄い材料では、出力変位部が横振れし、精密な位置決めなどが困難となる。
【0006】
(2)座屈方式では、取り出される変位量は大きいが、取り出される力は圧電素子の発生力に比べ極端に小さくなる。
【0007】
この発明は上記事情に鑑み、出力変位部がアクチュエータ素子の変位方向と直角方向に変位できるようにすることを目的とする。又、他の目的は、従来例よりも出力変位部の力が大きくなるようにするとともに、出力変位方向の外形サイズを小さくすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、下記の通りである。
【0009】
この発明のレバー変位拡大機構は、アクチュエータ素子の後端を支持する固定部と;該アクチュエータ素子の先端に当接し、かつ、該アクチュエータ素子の変位力を受ける力点を有するレバーと;該固定部の上側と該レバーの力点より上側とを連結する支点ヒンジと;該固定部の下側と該レバーの力点より下側とを連結する作用点ヒンジと;該レバーの後端部に形成され、かつ、該アクチュエータ素子の変位方向と直交する方向に変位する出力変位部と;を備えたことを特徴とするレバー変位拡大機構、である。
【0010】
この発明のレバー変位拡大機構は、基体の中心軸方向に形成された収容部を有する固定部と;該収容部に収納され、かつ、該中心軸方向に変位するアクチューエータ素子と;該アクチュエータ素子の先端に当接し、かつ、該アクチュエータ素子の変位力を受ける力点を有するレバーと;該固定部の上側と該レバーの力点より上側とを連結する支点ヒンジと;該固定部の下側と該レバーの力点より下側とを連結する折曲げ板ばねと;該レバーの後端部に形成され、かつ、該アクチュエータ素子の変位方向と直交する方向に変位する出力変位部と;を備えたことを特徴とするレバー変位拡大機構、である。
【0011】
【発明の実施の形態】
基体の固定部は、該基体の中心軸方向に形成された収容部を備えている。この収容部に該中心軸方向に変位するアクチュエータ素子を収納し、該アクチュエータ素子の先端でレバーの力点を押圧する。このアクチュエータ素子として、例えば、圧電、電歪、磁歪などの素子が用いられる。
【0012】
このレバーの力点の上側には支点ヒンジが設けられ、又、その下側には折り曲げ板ばねで形成した作用点ヒンジが設けられている。支点ヒンジは、前記収容部の上側周壁に連結され、又、作用点ヒンジは前記収容部の下側周壁に連結されている。
【0013】
このレバーの後端部には、出力変位部が形成されている。
この出力変位部は、基体の中心軸に直交する方向に形成されている。
【0014】
このレバー変位拡大機構では、アクチュエータ素子の発生する振動的変位及び力(変位力)は、レバーの力点に加えられる。
そうすると、その変位及び力は、てこの原理によりレバーの作用点ヒンジに拡大されて伝達され、該出力変位部を支点を中心として引き上げるので、該出力変位部は、基体の中心軸と直角方向に変位する。
【0015】
【実施例】
この発明の実施例を図1、図2により説明する。フライス加工、放電加工等により、一枚の方形状板体、例えば、ステンレス製基体1の後端部に出力変位部12を形成し、その反対側にアクチュエータ素子3の収容部4を形成する。
【0016】
前記出力変位部12の中心線は、基体1の中心軸1Cに直交する対称軸3C上に位置する。前記収容部4は、底部4e、と周壁4g、4hとを備えている。
この周壁4gは固定部8の上側に設けられ、周壁4hは固定部8の下側に設けられている。
【0017】
次に、放電加工やレーザ加工等によりヒンジ溝6a、溝6bを形成し、収容部4を有する固定部8と、後端部に出力変位部が設けられているレバー9と、中心軸1Cを介して対向するレバー9の支点ヒンジ16と作用点ヒンジである折曲げ板ばね17と、を形成する。折曲げ板ばね17は必要に応じて適宜その形状、ばね定数などが選択される。
【0018】
この支点ヒンジ16は、薄板状でばね性を持つ。このレバー9のアクチュエータ素子3の当接点、即ち、力点18と支点ヒンジ16との間隔はL1に形成され、レバー9の支点ヒンジ16と対称軸3Cとの間隔はL2に形成され、このレバー9a、9bのレバー比はL2/L1である。
【0019】
従って、このレバー9によりアクチュエータ素子3の変位はL2/L1倍に拡大されることになる。
【0020】
収容部4にアクチュエータ素子3を収容させるが、このアクチュエータ素子3として、例えば、圧電、電歪、磁歪などの素子が用いられる。
【0021】
次に、本実施例の作動について説明する。アクチュエータ素子3に電圧を印加すると、中心軸1C方向、即ち、左右方向外側に伸び、発生変位および力がレバー9の力点18に伝達される。
【0022】
レバー9の力点18に伝達された前記発生変位は、支点ヒンジ16を支点としててこの原理により作用点ヒンジである折曲げ板ばね17を拡大変位させる。 この折曲げ板ばね17の反力は、アクチュエータ素子3に予圧力を与えて該素子3を保護する効果があり、該拡大機構が180゜回転した場合の保護作用も備えている。
【0023】
作用点ヒンジ17の変位により、レバー9は支点ヒンジ16の囲りで回転し、前記発生変位及び力を拡大しながらレバー9の後端部9Aを矢印A20方向に引き上げる。この後端部9Aが引き上げられると、出力変位部12が同方向に変位する。
【0024】
レバー9のレバー比をL2/L1、とすれば、変位はアクチュエータ素子3の変位に対してL2/L1に比例した値となり、例えば、アクチュエータ素子3の発生変位10ミクロンに対して出力変位部での変位を数10ミクロンとすることができる。
【0025】
前記印加電圧を零にすると、アクチュエータ素子3は元の状態に戻るとともに、前記出力変位部12はヒンジのばね力により復元する。
【0026】
この発明の実施例は上記に限定されるものではなく、例えば、自動車、航空機等の軸受等の精密加工、顕微鏡等の測定器具、非球面加工機、精密位置決め用微動ステージ等にも利用することができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明は、以上の様に構成したので従来例と異なり、出力変位部がアクチュエータ素子の変位方向と直角方向に変位する。
又、出力変位方向の外形サイズをコンパクトにすることができる。
更に、機構全体を一体型ヒンジ構造にしているので、出力変位部でも大きな力を取り出すことができ、又、該出力変位部に外部負荷を直接取りつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
3 アクチュエータ素子
8 固定部
9 レバー
12 出力変位部
Claims (2)
- アクチュエータ素子の後端を支持する固定部と;該アクチュエータ素子の先端に当接し、かつ、該アクチュエータ素子の変位力を受ける力点を有するレバーと;該固定部の上側と該レバーの力点より上側とを連結する支点ヒンジと;該固定部の下側と該レバーの力点より下側とを連結する作用点ヒンジと;該レバーの後端部に形成され、かつ、該アクチュエータ素子の変位方向と直交する方向に変位する出力変位部と;を備えたことを特徴とするレバー変位拡大機構。
- 基体の中心軸方向に形成された収容部を有する固定部と;該収容部に収納され、かつ、該中心軸方向に変位するアクチューエータ素子と;該アクチュエータ素子の先端に当接し、かつ、該アクチュエータ素子の変位力を受ける力点を有するレバーと;該固定部の上側と該レバーの力点より上側とを連結する支点ヒンジと;該固定部の下側と該レバーの力点より下側とを連結する折曲げ板ばねと;該レバーの後端部に形成され、かつ、該アクチュエータ素子の変位方向と直交する方向に変位する出力変位部と;を備えたことを特徴とするレバー変位拡大機構。
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