JP3809556B2

JP3809556B2 - アスファルト系シール材

Info

Publication number: JP3809556B2
Application number: JP15569897A
Authority: JP
Inventors: 徹長谷川; 克良福永
Original assignee: Taiyu Kensetsu KK
Current assignee: Taiyu Kensetsu KK
Priority date: 1997-05-09
Filing date: 1997-05-09
Publication date: 2006-08-16
Anticipated expiration: 2017-05-09
Also published as: JPH10310761A

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は、コンクリート舗装の目地やひび割れ、アスファルト舗装のひび割れや荒れた路面の手直し、建造物の陸屋根防水等に用いて優れた性状を示すシール材に関するものである。
【０００２】
【従来技術】
従来、シール材には、アスファルト乳剤などの常温式によるものや、ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなどの加熱式によるものがあるが、前者の常温式によるものは、浸透性には優れるが付着性が悪く、また乾燥時間が遅く、それに水分の蒸発に伴う肉やせなどの欠点があった。後者の加熱式によるものは、溶融粘度が高く、浸透性に欠けることから表面だけのシールになるので剥がれやすいといったことや、作業中に火傷をしやすいといったこと、それに専用の溶融装置が必要になるなどの欠点があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シール材専用の溶融装置を要することなく、浸透性や防水性に優れるとともに付着性にも優れた簡便なシール材を提供することにある。
【０００４】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服すべく鋭意研究した結果、粒状アスファルトにステアリン酸を配合した粒状組成物からなるものを建造物又は舗装体上に敷き均し、その上面を加熱装置を用いて熱溶着するようにしたものがシール材として優れたものであることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を説明する。
【０００５】
ここに、粒状アスファルトとは、アスファルトがレーキアスファルト、ロックアスファルト、サンドアスファルト、ギルソナイト、グランスピッチ、グラハマイト等の天然アスファルトや、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファルト等の石油アスファルトからなるもので、その粒径が５ｍｍ以下からなるものをいう。
ところで、このアスファルトの粒状化に際しては、公知な技術的手段によることでよい。
また、ここでいうステアリン酸であるが、炭素数が１８個の直鎖飽和脂肪酸からなるもので、その外観、形状が淡黄色または白色結晶性の粉状、粒状、塊状等からなるものを指す。
次いで、粒状アスファルトに対するステアリン酸の配合割合であるが、粒状アスファルト８０〜４０重量部に対して、ステアリン酸２０〜６０重量部によるものが好ましい。
また、該組成物の調整法に関しては、ごく簡単なところでは、粒状アスファルトと粉末または粒状のステアリン酸を上記配合割合で混合することでよいが、望ましくは粒状アスファルトを製造する工程で、予めステアリン酸を配合しておくのがよい。
ところで、該組成物には、粘着性の向上やブロッキング防止、それにすべり抵抗性の向上といったことから砂、フィラー、樹脂粉、ゴム粉等を必要に応じて用いることができる。
次いで、建造物または舗装体上への該組成物の敷き均しであるが、これについては箒、ゴムレーキ、板レーキ、またはスプレッダ等の敷き均し機で敷き均すことができる。
そして、該組成物の敷き均し後の加熱に際しては、プロパンガスバーナ、赤外線ヒータ、マイクロ波等の加熱装置によるものを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに説明する。
【０００６】
【実施例１】
開粒度タイプのアスファルト混合物からなる排水性舗装（空隙率２０％程度）の表面に本発明に係る粒状組成物（サンエイ株式会社製・粒状アスファルト「アスミル、Ｐ−３１」、６０重量部とミヨシ油脂社製・ステアリン酸ＴＳＴ、４０重量部を混合したもの）を、ゴムレーキで０．３ｋｇ／ｍ^２程度敷き均し、その上面をプロパンバーナで加熱溶融した。そして、その上に滑り止めを目的として６号硅砂を０．１ｋｇ／ｍ^２撒いて、その後交通に開放した。そしてこれについて状態観察したところ、アスファルト混合物の空隙部および凹部には、本発明に係る組成物がよく充填しており、またそこに水を撒いてみたが水の浸透は見られず、また車両が走行した後を見ても該組成物が剥離を起こすといたこともなく、本発明に係る組成物は良好なシール性を示すものであった。
【０００７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るシール材は、（１）粒状組成物からなるもので敷き均しが容易であるといったことや作業中に火傷をしないといったこと、シール材専用の溶融装置を必要としないといったことが挙げられる。（２）撥水性に優れた組成物からなるので水密性の高いものが得られる。（３）組成物の１つにアスファルトよりも溶融粘度の低いステアリン酸を用いていることから、溶融のための加熱時間が短くて済む、といったことや、浸透性の高いものが得られるので剥離が起きにくいといったことが挙げられる。（４）組成物の１つにアスファルトに可塑性を与えるとともに、ストレートアスファルトよりも融点の高いステアリン酸を用いていることから、アスファルトの欠点である高温流動や低温脆性の抑制が図れるといったことを挙げることができる。

Claims

粉状アスファルトにステアリン酸を配合した粒状からなる組成物を、建造物または舗装体上に敷き均し、その上面を加熱装置により加熱溶着するようにしたことを特徴とするシール材。