JP3808639B2 - 署名照合方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手書き署名データに対して、本人の署名であるか否かという真偽を高精度に判定するのに好適な署名照合方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、タブレットなどの座標入力装置から入力される手書き署名の筆跡情報(座標値、筆圧等の時系列情報)を、予め登録してある筆跡情報と比較することにより、本人の署名であるか否かという真偽を判定する署名照合装置が開発され、その照合手法についても従来より様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、特公平8−7788号公報には、入力署名と登録署名(基準署名)をDPマッチングにより精度良く照合する方法について記載されている。この照合方法では、入力署名に対して1つだけ登録されている署名との照合が行われる。
【0004】
さて、手書き署名の筆跡は、たとえ本人であっても、毎回変動する。この変動を考慮するために、従来の署名照合方法(手書き署名照合方法)には、筆記者に複数回、署名(サンプル署名)を筆記させて、その平均パターンを基準署名として登録しておき、それと入力署名の照合一致度(不一致度)を照合評価値として真偽を判定する方法(以下、平均法と称する)を適用するものがあった。また、サンプル署名のそれぞれを基準署名として登録し、各基準署名と入力署名を照合し、最も大きな一致度(最も小さい不一致度)を照合評価値として真偽を判定する方法(以下、選択法と称する)を適用する署名照合方法もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来の署名照合方法では、手書き署名の筆跡の変動を考慮した平均法、或いは選択法が適用されていた。
しかし平均法では、平均化の過程で、必ずしも本人署名の個人性が保存されるとは限らず、真偽判定の信頼性に問題がある。
【0006】
一方、選択法では、ある1つのサンプル署名と高い照合評価値が得られたとしても、残りのサンプル署名との照合評価値が低い場合もあり得るので、一番高い照合評価値だけを用いるのは乱暴である。
【0007】
また、最初から非常にたくさんのサンプル署名が得られる場合には、統計的に信頼性の高い基準署名を作成することが可能であるが、実際の署名照合の運用では、前もって本人に何十、何百という署名を筆記させるのは非現実的である。日々の運用の中で何度も照合を行っていくうちに、よりよい基準署名に自動的に更新され、照合精度が高まっていくことが望まれる。
【0008】
また、署名は時間がたつにつれ形等が徐々に変化していく可能性がある。このような場合でも、再度、基準署名の登録を強制するのではなく、日々の運用の中で何度も照合を行っていくうちに、署名の経時変化に対応したよりよい基準署名に自動的に更新され、照合精度が高まっていくことが望まれる。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、複数のサンプル署名を基準署名として登録し、入力署名とそれぞれの基準署名の間の照合値を計算し、各照合値の張る空間上における入力署名の位置を基に真偽を判定することにより、高精度な署名照合が行える署名照合方法及び装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、日々の運用の中で何度も照合を行っていくうちに、署名の経時変化に対応したよりよい基準署名に自動的に更新でき、照合精度の向上が図れる署名照合方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、N個(Nは2以上の整数)の基準署名データを予め登録しておき、手書き署名の筆跡情報である署名データが入力された場合には、その入力署名データと上記N個の基準署名データの各々とを比較して、入力署名データとN個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出し、上記N個の基準署名データに対応する各相違度をそれぞれ座標軸とするN次元空間における入力署名データの座標位置を、上記算出した入力署名データとN個の基準署名データとの間の各相違度に基づいて求め、上記N次元空間の各軸から第1の距離内の領域と原点から第2の距離以上離れた領域を偽署名領域とすると共に、それ以外の領域を真署名領域とした場合に、上記求めた座標位置が真署名領域、或いは偽署名領域のいずれに属するかにより、入力署名データの示す入力署名が、真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定するようにしたことを特徴とする。
【0012】
このように本発明においては、N(N≧2)個の基準署名との相違度の張るN次元空間における入力署名の座標位置を基に、入力署名の真偽を判定する構成とすることにより、即ち複数の基準署名との相違度を考慮することにより、基準署名が1つしか無い場合や、基準署名が複数存在してもその最小相違度だけで判定する従来の手法に比べて、真偽判定性能を向上させ、高精度な照合が可能になる。
【0013】
また本発明は、署名データが入力された場合に、その入力署名データと、その時点において登録されているN個(Nは2以上の整数)の基準署名データとを比較して、入力署名データとN個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出し、この算出したN個の相違度に基づいて、入力署名が真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定し、入力署名が真署名であると判定した場合には、その時点において登録されているN個の基準署名データのうち、最も古い時刻に登録された基準署名データを入力署名データに置き換えるようにしたことをも特徴とする。
【0014】
このように、真署名と判定された入力署名をその都度、一番古い基準署名と置き換えていくことにより、明に基準署名の更新を指示する手間なしに、署名の経時変化に対応することが可能となる。
【0015】
また本発明は、署名データが入力された場合に、その入力署名データと、その時点において登録されているN個(Nは1以上の整数)の基準署名データとを比較して、入力署名データとN個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出し、この算出したN個の相違度に基づいて、入力署名が真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定し、入力署名が真署名であると判定した場合には、その時点において登録されているN個の基準署名データのうち、入力署名データとの相違度が最も小さい基準署名データである最近基準署名データを、入力署名データと当該最近基準署名データとの荷重平均をとることにより作成される新たな基準署名データに置き換えるようにしたことをも特徴とする。
【0016】
このように、入力署名との相違度が最も小さい基準署名を、入力署名と当該基準署名との荷重平均で置き換えることにより、署名回数が増すにつれて、基準署名の統計的信頼性が増し、照合性能の向上が図れる。
【0017】
ここで、上記荷重平均の重みパラメータを、入力署名が真署名であると判定された回数を基に制御することにより、一層きめ細かな基準署名更新が可能になる。
【0018】
また本発明は、その時点において登録されているN個の基準署名データが入力された場合に、その入力署名データと、その時点において登録されているN個(Nは2以上の整数)の基準署名データとを比較して、入力署名データとN個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出し、この算出したN個の相違度に基づいて、入力署名が真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定し、入力署名が真署名であると判定した場合には、N個の基準署名データのうち、入力署名データとの相違度が最も大きい基準署名データを、当該入力署名データに置き換えるようにしたことをも特徴とする。
【0019】
このように、経時変化する署名から最も遠い基準署名を、最新の入力署名に置き換えることにより、署名の経時変化に強い照合が可能となる。
また本発明は、署名データが入力された場合に、その入力署名データと、その時点において登録されているN個(Nは2以上の整数)の基準署名データとを比較して、入力署名データとN個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出し、この算出したN個の相違度に基づいて、入力署名が真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定し、入力署名が真署名であると判定した場合には、各基準署名データにそれぞれ対応して記憶される照合貢献度、即ち入力署名が真署名と判定された最近M回(Mは1以上の整数)の照合のうち、入力署名データと当該基準署名データとの相違度が、入力署名データと他の基準署名データとの相違度より小さかった回数を示すための照合貢献度のうち、今回算出した入力署名データとの相違度が最も小さい基準署名データに対応する照合貢献度を更新し、入力署名が真署名と判定された回数がM回となる毎に、上記N個の基準署名データのうち、対応する照合貢献度が最も小さい基準署名データを、入力署名データに置き換えると共に、上記各照合貢献度を初期化するようにしたことをも特徴とする。
【0020】
このように、署名の経時変化に対応していない基準署名を最新の入力署名に置き換えることにより、署名の経時変化に強い照合が可能となる。
また本発明は、署名データが入力された場合に、その入力署名データと、その時点において登録されているN個(Nは2以上の整数)の基準署名データとを比較して、入力署名データとN個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出し、この算出したN個の相違度に基づいて、入力署名が真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定し、入力署名が真署名であると判定した場合には、対応する入力署名データを記憶し、入力署名が真署名と判定された回数がM回(Mは1以上の整数)となる毎に、つまりM回の真署名毎に、上記N個の基準署名データ、及びその時点において記憶されているM個の入力署名データに基づいて新たなN個の基準署名データを作成し、現在のN個の基準署名データを当該新たなN個の基準署名データに置き換えるようにしたことをも特徴とする。ここで、N個の基準署名データとM個の入力署名データから新たなN個の基準署名データを作成するには、クラスタリングの手法を用いればよい。
【0021】
このように、M回の真署名毎に、その真署名と判定されたM個の入力署名とN個の基準署名とから新たなN個の基準署名を作成して、それを新規署名とし、署名の経時変化に対応しなくなったそれまでのN個の基準署名を捨てることにより、署名の経時変化に強い照合が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0023】
同図において、ステップA1は、基準署名ファイル(基準署名記憶部)10からメモリ上の作業領域(図示せず)への基準署名データの読み込みである。基準署名データは、予め本人がN回署名を行い基準署名ファイル10に登録されたN個の署名のデータである(但しNはN≧2を満足する整数)。本実施形態における署名データとは、タブレット等の座標入力装置を用いて筆記入力された筆跡情報であり、ペンがタブレットに触れている間に一定時間間隔でサンプリングされた2次元座標情報と筆圧の時系列データを指す。なお、以下の説明では、署名データを単に署名と称することもある。
【0024】
ステップA2は、真偽を判定したい署名を入力する署名入力ステップである。このステップA2で入力される署名は、基準署名の登録と同形式である。
ステップA3は、入力署名の正規化である。ここでは、入力署名のサンプリング点数を基準署名データのそれに合わせ、大きさ、位置の正規化を行う。
【0025】
ステップA4は、相違度計算ステップである。ここでは、入力署名とN個の基準署名のそれぞれの間の相違度(照合評価値、照合値)を個々に計算する。
ステップA5は、真偽判定ステップである。ここでは、ステップA4で求められたN個の相違度を基に、入力署名が本人の署名である(真)か、そうではない(偽)かを判定する。
【0026】
以下、各ステップを詳細に説明する。
ステップA1で基準署名ファイル10から作業領域に読み出される基準署名データは、予め本人がN回署名を行い登録されたN個の署名(サンプル署名)であり、ペンがタブレットに触れている間に一定時間間隔でサンプリングされた2次元座標情報と筆圧の時系列データを指す。
【0027】
各基準署名データのサンプリング点数をS個、i番目の基準署名データのj番目のサンプリング点の2次元座標情報をxij,yij、i番目の基準署名データのj番目のサンプリング点の筆圧情報をpijとすると、i番目の基準署名データ(基準署名)Ri (i=1,…,N)は次式
i ={xij,yij,pij|j=1,…,S}
で表現される。
【0028】
同様に、ステップA2で入力される署名データHについても、サンプリング点数をT個、j番目のサンプリング点の2次元座標情報をxj ,yj 、j番目のサンプリング点の筆圧情報をpj とすると、次式。
【0029】
H={xj ,yj ,pj |j=1,…,T}
で表現される。
ステップA3における正規化処理においては、入力署名のサンプリング点数の正規化、及び位置と大きさの正規化を行う。
【0030】
ここでは、入力署名のT個の点(サンプリング点)を時系列順に線分で結び、各点間の線分上での座標並びに筆圧の3次元情報を、両端点の3次元情報を線形補間したものと考えて、入力署名を3次元時間連続関数として捉える。そこで、3次元時間連続関数として捉えた入力署名(入力署名データ)を、基準署名のサンプリング点数と同じS個に等間隔にサンプリングすることで、サンプリング点数の正規化を行う。
【0031】
次にサンプリング点数の正規化された入力署名について、その外接長方形を求め、外接長方形の所定の角の点、例えば左上角(左上端)の点の座標を原点(0,0)、対角の点の座標、即ち右下角(右下端)の点の座標を(x,y)となるように位置、大きさの正規化を行う。
【0032】
こうして得られた正規化された入力署名を次式
H^={x^j ,y^j ,p^j |j=1,…,S}
で表現される。
【0033】
ステップA4では、入力署名と各基準署名の間の相違度を求める。ここでは、正規化された入力署名H^とi番目の基準署名(第i基準署名)Ri との相違度Di を、次式により計算する。なお、式中のaは、座標系列相違度と筆圧系列の相違度の割り合いを調整するためのパラメータである(但し、0≦a≦1)。
【0034】
【数1】
Figure 0003808639
【0035】
ステップA5では、ステップA4で計算したN個の相違度Di (i=1,…,N)が、その相違度の張るN次元空間内で予め定められた真偽判定領域のどちらに属するかにより、入力署名の真偽を判定し、処理を終了する。
【0036】
本実施形態では、N個の相違度Di (i=1,…,N)の少なくとも1つについて、Di <bの領域、またはΣDi 2 >c(但し、ΣDi 2 はDi 2 のi=1からi=Nまでの総和)である領域に属する場合に偽署名であると判定し、N個の相違度Di が全てDi ≧bで且つΣDi 2 ≦cである領域に属する場合に真署名であると判定する。つまり本実施形態では、Di <bの領域、即ちN個の相違度Di をそれぞれ座標軸とするN次元空間において、各軸からある所定の距離b内の領域と、ΣDi 2 >cの領域、即ち当該N次元空間の原点からある所定の距離c以上離れた領域とを偽署名領域とし、それ以外の領域、即ちDi ≧bで且つΣDi 2 ≦cの領域を真署名領域としている。なお、b,cは真偽判定の度合いを調整するパラメータである。
【0037】
図2はN=2の場合について、この真偽判定領域を図示したものである。図2には、記号×がプロットされた偽書名領域(A),(B)と、記号○がプロットされた真署名領域(C)とが示されている。
【0038】
本実施形態によれば、N(N≧2)個の基準署名との相違度の張るN次元空間における入力署名の座標位置を基に、入力署名の真偽を判定するので、基準署名(基準パターン)が1つしか無い場合や、基準署名が複数存在してもその最小相違度だけで判定する従来の方法に比べて、真偽判定性能を向上させることが可能になる。
【0039】
また、上記N次元空間の各軸から微小な一定距離b内の領域を偽署名領域と定義し、基準署名に極めて近い入力署名、即ち基準署名を故意に模倣したと思われる不自然な署名を、偽署名として判定することにより、本実施形態に係る署名照合方法を適用するシステムをより安全なものとしている。
【0040】
なお、ステップA4における相違度の計算に適用される手法は本実施形態に限るものではなく、例えばDPマッチングの手法による相違度計算等、本実施形態で適用した以外の相違度計算手法を用いることも可能である。
【0041】
また、ステップA5における真偽判定に用いられる真偽判定領域の定義についても本実施形態に限るものではなく、その他の定義を用いることも可能である。
[第2の実施形態]
図3は本発明の第2の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0042】
同図において、ステップB1は基準署名ファイル10から作業領域へのN個(但しNはN≧2を満足する整数)の基準署名の読み込み、ステップB2は署名入力、ステップB3は入力署名の正規化である。ステップB4は相違度計算、ステップB5は真偽判定である。これらステップB1〜B5は、前記第1の実施形態で適用した署名照合方法のステップA1〜A5(図1参照)と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0043】
さて本実施形態では、ステップB5において入力署名が偽署名であると判定された場合には処理を終了する。これに対し、真署名であると判定された場合には、以下に述べる基準署名更新のための処理(ステップB6〜B8)を行う。
【0044】
ステップB6は最古基準署名を削除するステップである。本実施形態では、N個の基準署名Ri (i=1,…,N)はその登録時刻ti との組で基準署名ファイル10内に記憶されている。このN個の基準署名Ri が基準署名ファイル10から作業領域に読み込まれている状態では、N個の基準署名Ri は当該作業領域上でも登録時刻ti との組で記憶されている。したがってステップB6では、この登録時刻ti に従って、最も古い登録時刻の署名の組を作業領域上で削除する。
【0045】
ステップB7では、上記ステップB3で正規化された入力署名を新しい基準署名として、その際の時刻(である登録時刻)と組にして作業領域上で追加する。この時刻は、登録時刻を表すことになる。
【0046】
以上のステップB6,B7により、作業領域上のN個の基準署名Ri と登録時刻との組のうち、最も古い登録時刻の組が、新たな基準署名(入力署名)と現在時刻を示す登録時刻の組に置き換えられる(更新される)。
【0047】
ステップB8では、作業領域上の更新された基準署名を含むN個の基準署名と登録時刻の組を、基準署名ファイル10(内の元の登録情報に代えて当該基準署名ファイル10)に登録し、処理を終了する。このようにして、基準署名ファイル10において基準署名と登録時刻との組の更新が行われ、最も古い登録時刻の組が、新たな基準署名(入力署名)と現在時刻の組に置き換えられる。
【0048】
一般に、署名は時間経過と共に徐々に変化していくため、基準署名の更新をしないと、照合を繰り返すうちに、本人署名であっても真署名と判定されなくなる虞がある。
【0049】
しかし本実施形態においては、真署名と判定された入力署名をその都度、一番古い基準署名と置き換えていくことにより、明に基準署名の更新を指示する手間なしに、署名の経時変化に対応することができる。
【0050】
以上の説明では、置き換えの対象となる最も古い基準署名(基準署名データ)が選択(判別)可能なように、各基準署名を当該署名の登録時刻(の情報)と組にして基準署名ファイル10に登録するものとしたが、これに限るものではない。例えばN個の基準署名を先入れ先出し方式で基準署名ファイル10に登録するならば、登録時刻(の情報)を持つことなく、最も古い基準署名を選択することができる。
【0051】
なお、本実施形態では、Nが2以上の整数である場合について説明したが、N=1の場合にも同様に適用可能である。この場合、入力署名が真署名であると判定される毎に、その時点において基準署名ファイル10に登録されている唯一の基準署名を、そのまま入力署名に置き換えればよい。ここでは、基準署名の登録時刻は必要ない。
【0052】
[第3の実施形態]
図4は本発明の第3の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0053】
同図において、ステップC1は基準署名ファイル10から作業領域へのN個の基準署名の読み込み、ステップC2は署名入力、ステップC3は入力署名の正規化である。ステップC4は相違度計算、ステップC5は真偽判定である。これらステップC1〜C5は、前記第1の実施形態で適用した署名照合方法のステップA1〜A5(図1参照)と同様であり、詳細な説明は省略する。但し、基準署名ファイル10に登録されている基準署名の数Nは、N≧1を満足する整数である。
【0054】
さて本実施形態では、ステップC5において入力署名が偽署名であると判定された場合には処理を終了する。これに対し、真署名であると判定された場合には、以下に述べる基準署名更新のための処理(ステップC6〜C8)を行う。
【0055】
ステップC6では、正規化された入力署名H^と最近基準署名Ri を基に新しい署名を作成し、基準署名として作業領域上で追加する。最近基準署名とは、ステップC4において計算されたN個の基準署名との相違度Di (i=1,…,N)の中で最も小さい相違度となる基準署名(つまり入力署名に最も近い基準署名)のことである。
【0056】
ここで、新基準署名を
* ={x* j ,y* j ,p* j |j=1,…,S}
で表すと、x* j ,y* j ,p* j は、正規化された入力署名H^と、最近基準署名Ri により、
* j =wxij+(1−w)x^j
* j =wyij+(1−w)y^j
* j =wpij+(1−w)p^j
という荷重平均により作成される。ここで、重み係数wは0≦w≦1である。
【0057】
ステップC7では、作業領域上で最近基準署名を削除する。
以上のステップC6,C7により、作業領域上のN個の基準署名のうち、最近基準署名が、入力署名と当該最近基準署名を基に新たに作成された基準署名に置き換えられる(更新される)。
【0058】
ステップC8では、作業領域上の更新された基準署名を含むN個の基準署名を、基準署名ファイル10(内の元の登録情報に代えて当該基準署名ファイル10)に登録し、処理を終了する。このようにして、基準署名ファイル10において基準署名の更新が行われ、最近基準署名が、入力署名と当該最近基準署名を基に新たに作成された基準署名に置き換えられる。
【0059】
図5に本実施形態における基準署名更新の概念図を示す。
署名はS個の3次元データ系列、即ち3S次元のベクトルで表現されるが、簡単のため図5に示すような2次元平面上で考える。本実施形態において適用する基準署名更新手法によれば、入力署名51と最近基準署名52とを結ぶ線分のwと(1−w)での内分点が更新後の基準署名(つまり新規署名)53となる。
【0060】
明らかなように、重み係数wは現基準署名の影響度を表すパラメータであり、wの値が大きいほど「保守的」な更新、wの値が小さいほど「革新的」な更新となる。w=1( 最大値)の場合は、基準署名は全く更新されない。w=0(最小値)の場合は、基準署名は入力署名に置き換えられる。即ち署名の経時変化に敏感な更新方法となる。
【0061】
本実施形態によれば、真署名と判定された入力署名をその都度、それに一番近い基準署名との荷重平均署名に置き換えていくことにより、照合回数が増すにつれ、多くの署名データの統計を反映した基準署名となり、照合精度が向上する
ここで、重み係数wの値は固定である必要はなく、例えば真署名と判定された照合回数(以下、真署名回数と称する)に応じて0≦w≦1の範囲内で可変(決定)するようにしても構わない。このように、重み係数wの値を真署名回数に応じて可変するようにした署名照合方法の手順を図12のフローチャートに示す。
【0062】
ここでは、基準署名の読み込みステップG1、署名入力ステップG3、入力署名の正規化ステップG4、相違度計算ステップG5、真偽判定ステップG6、真署名と判定された入力署名と、それに一番近い基準署名(最近基準署名)との荷重平均を新規署名として追加するステップG9、最近基準署名の削除ステップG10、及び基準署名ファイル10への基準署名登録ステップG11は、図4中のそれぞれステップC1、ステップC2、ステップC3、ステップC4、ステップC5、ステップC6、ステップC7、及びステップC8と同様である。
【0063】
図12のフローチャートが図4のフローチャートと異なる点は、真署名回数(真署名の照合回数)Tを保持する真署名回数ファイル(真署名回数記憶部)100から当該真署名回数Tを読み込むステップG2と、(ステップG6で)真署名と判定された場合に、真署名回数Tを1インクリメントするステップG7と、この1インクリメント後の真署名回数Tの値に基づいて重み係数wを決定するステップG8と、真署名回数ファイル100の内容を上記1インクリメント後の真署名回数Tの値に更新するステップG12が追加されていることにある。
【0064】
このような、処理ステップを図4のフローチャートに追加することで、更に詳細に基準署名更新の制御を行うことができる。
例えばwを真署名回数と共に漸増していけば、基準署名は収束していき、その更新期間内での平均的な署名となっていく性質がある。したがって、署名照合に慣れておらず、まだ署名が安定していない期間は、wを真署名回数と共に漸増していく運用をすれば、徐々に安定した基準署名が得られることになる。
【0065】
また、署名が安定していても、経時変化が生ずる場合には、あるタイミングでwの値を小さな値に戻せば、再びその時点での署名に適応した基準署名を得ることができる。
【0066】
このように、wの値を真署名回数と共に変化させるステップを設けることにより、基準署名を更にきめ細かく制御することができる。
[第4の実施形態]
図6は本発明の第4の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0067】
同図において、ステップD1は基準署名ファイル10から作業領域へのN個(N≧2)の基準署名の読み込み、ステップD2は署名入力、ステップD3は入力署名の正規化である。ステップD4は相違度計算、ステップD5は真偽判定である。これらステップD1〜D5は、前記第1の実施形態で適用した署名照合方法のステップA1〜A5(図1参照)と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0068】
さて本実施形態では、ステップD5において入力署名が偽署名であると判定された場合には処理を終了する。これに対し、真署名であると判定された場合には、以下に述べる基準署名更新のための処理(ステップD6〜D8)を行う。
【0069】
ステップD6では、作業領域上で最遠基準署名を削除する。最遠基準署名とは、ステップD4において計算されたN個の基準署名との相違度Di (i=1,…,N)の中で最も大きい相違度となる基準署名(つまり入力署名に最も遠い基準署名)のことである。
【0070】
ステップD7では、正規化された入力署名を新しい基準署名として作業領域上で追加する。
以上のステップD6,D7により、作業領域上のN個の基準署名のうち、最遠基準署名が、入力署名に置き換えられる(更新される)。
【0071】
ステップD8では、作業領域上の更新された基準署名を含むN個の基準署名を、基準署名ファイル10(内の元の登録情報に代えて当該基準署名ファイル10)に登録し、処理を終了する。このようにして、基準署名ファイル10において基準署名の更新が行われ、最遠基準署名が、新規基準署名としての入力署名に置き換えられる。
【0072】
以上に述べた本実施形態の効果を、簡単のため2次元空間内での基準署名と入力署名の位置関係を示した図7を参照して説明する。
図7においては、基準署名を符号71の付された白丸で、入力署名を符号72の付された黒丸で、そして最遠基準署名を符号73の付されたハッチングのある丸で、それぞれ示してある。この図7では、署名入力が行われる毎に、その際の入力署名72が、複数の基準署名71のうち当該入力署名72から最も離れた基準署名、即ち最遠基準署名73に代えて新たな基準署名71として登録される動作が繰り返される様子が示されている。ここでは、時間経過と共に入力署名72が左方向に変化していく傾向が見られる例を示している。この図7の例によれば、入力署名72から一番離れた基準署名71である最遠基準署名73に代えて、当該入力署名72を基準署名71とすることにより、基準署名を入力署名の変化に追従させることができることが容易に理解できる。
【0073】
以上に述べたように本実施形態によれば、真署名と判定された入力署名をその都度、それから一番遠い基準署名と置き換えていくことにより、明に基準署名の更新を指示する手間なしに、署名の経時変化に対応することができる。
【0074】
[第5の実施形態]
図8は本発明の第5の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0075】
同図において、ステップE1では、基準署名ファイル10から作業領域にN個(NはN≧2を満足する整数)の基準署名を読み込み、ステップE2では、照合貢献度ファイル(照合貢献度記憶部)110から作業領域に照合貢献度C[i]を読み込む。照合貢献度C[i]とは、各基準署名Ri のそれぞれについて定まる値であり、今まで行われた照合試行の中で真照合と判定された場合において、更に具体的に述べるならば、真署名と判定された最近のM回(但しMはM≧1を満足する整数)の照合において、全基準署名の中で、入力署名との相違度が最も小さかった回数が何回あったか、を示す値である。この基準署名Ri 毎の照合貢献度は照合貢献度ファイル110に保存される。
【0076】
ステップE3では、真署名回数ファイル100から作業領域に真署名回数Tを読み込む。この真署名回数Tは、前記第3の実施形態で図12を参照して述べたように、今までに行われた照合試行の中で、入力署名が真署名であると判定された回数を示す値である。
【0077】
ステップE4は署名入力、ステップE5は入力署名の正規化、ステップE6は相違度計算、ステップE7は真偽判定である。これらステップE4〜E7は、前記第1の実施形態で適用した署名照合方法のステップA2〜A5(図1参照)と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0078】
さて本実施形態では、ステップE7において入力署名が偽署名であると判定された場合には処理を終了する。これに対し、真署名であると判定された場合には、以下に述べる基準署名更新のための処理(ステップE8〜E16)を行う。
【0079】
まずステップE8では、作業領域上で真署名回数Tを1インクリメントする。ステップE9では、ステップE6において計算された入力署名とN個の基準署名との相違度の中で最も小さい相違度となる基準署名(最小相違度の基準署名)Ri について、対応する照合貢献度C[i]を作業領域上で1インクリメントする。
【0080】
ステップE9の後、ステップE8でインクリメントされた真署名回数Tがチェックされる。もし真署名回数Tが、予め定められた基準回数M(M≧1)に達しない場合には、ステップE15で、真署名ファイル100の保持内容を作業領域上の現在の真署名回数Tに更新し、ステップE16で、照合貢献度ファイル110の保持内容を作業領域上のN個の基準署名Ri の照合貢献度C[i]に更新して、処理を終了する。
【0081】
一方、真署名回数Tが、上記基準回数Mに達した場合には、ステップE10に進む。
このステップE10では、その時点で照合貢献度C[i]が一番小さい基準署名Ri を作業領域上で削除する。
【0082】
ステップE11では、ステップE5で正規化された入力署名を、ステップE10で削除された基準署名に代わる新しい基準署名として作業領域上で追加する。つまり、ステップE10,E11により、N個の基準署名のうち、照合貢献度が最小の基準署名が、作業領域上で入力署名に置き換えられる(更新される)。
【0083】
ステップE12では、作業領域上の真署名回数Tを0にクリアし、ステップE13では、作業領域上のN個の基準署名Ri の各照合貢献度C[i]を全て0にクリアする。
【0084】
ステップE14では、作業領域上の更新された基準署名を含むN個の基準署名を、基準署名ファイル10(内の元の登録情報に代えて当該基準署名ファイル10)に登録し、ステップE15に進む。
【0085】
ステップE15では、前記したように真署名回数ファイル100の保持内容を作業領域上の現在の真署名回数Tに更新する。そしてステップE16で、照合貢献度ファイル110の保持内容を作業領域上のN個の基準署名Ri の照合貢献度C[i]に更新する。
【0086】
このように本実施形態によれば、M回の真署名照合毎に(即ち真署名と判定される回数がM回となる毎に)、そのM回の照合試行の中で照合貢献度の最も小さかった基準署名を、その際の入力署名に置き換える(更新する)ことにより、明に基準署名の更新を指示する手間なしに、署名の経時変化に対応することができる。
【0087】
[第6の実施形態]
図10及び図11は本発明の第6の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0088】
同図において、ステップF1では、基準署名ファイル10から作業領域にN個(但しNはN≧1を満足する整数)の基準署名を読み込み、ステップF2では、真署名回数ファイル100から作業領域に真署名回数Tを読み込む。
【0089】
ステップF3は署名入力、ステップF4は入力署名の正規化、ステップF5は相違度計算、ステップF6は真偽判定である。これらステップF3〜F6は、前記第1の実施形態で適用した署名照合方法のステップA2〜A5(図1参照)と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0090】
さて本実施形態では、ステップF6において入力署名が偽署名であると判定された場合には処理を終了する。これに対し、真署名であると判定された場合には、以下に述べる基準署名更新のための処理(ステップF7〜F14)を行う。
【0091】
まずステップF7では、作業領域上で真署名回数Tを1インクリメントする。ステップF8では、正規化された入力署名を入力署名履歴ファイル(入力署名履歴記憶部)120に追加登録する。この入力署名履歴ファイル120は、入力署名の履歴を保持しておくのに用いられる。
【0092】
ステップF8の後、ステップF7でインクリメントされた真署名回数Tがチェックされる。もし真署名回数Tが、予め定められた基準回数M(但しMはM≧1を満足する整数)に達しない場合には、ステップF14で、真署名ファイル100の保持内容を作業領域上の現在の真署名回数Tに更新して処理を終了する。
【0093】
一方、真署名回数Tが、上記基準回数Mに達した場合には、ステップF9に進む。
このステップF9では、入力署名履歴ファイル120から作業領域に過去M回の入力署名の履歴を読み込む。
【0094】
ステップF10では読み込んだM個の入力署名と、作業領域上の現在のN個の基準署名の合わせてM+N個の署名について、各署名をS個の3次元系列データ、即ち3S次元ベクトルデータとして、N個のクラスタに分割するクラスタリング処理を行い、そのN個のクラスタセンターを新しい基準署名とする。クラスタリングの手法としては例えばk−meansクラスタリングを用いる。このステップF10での処理により生成される新しいN個の基準署名は、M+N個の署名の特徴を上手く表現したものとなる。
【0095】
ステップF11では、M+N個の署名に基づいて新たに生成したN個の基準署名を、基準署名ファイル10(内の元の登録情報に代えて当該基準署名ファイル10)に登録し、ステップF12に進む。
【0096】
ステップF12では、入力署名履歴ファイル120を空にする、即ち入力署名の履歴を全てクリアする。
ステップF13では、作業領域上の真署名回数Tを0にクリアし、ステップF14では、真署名回数ファイル100の保持内容を作業領域上の現在の真署名回数Tに更新し、処理を終了する。
【0097】
このように本実施形態によれば、M回の真署名照合毎に(即ち真署名と判定される回数がM回となる毎に)、その真署名と判定されたM個の入力署名とN個の基準署名をN個にクラスタリングして、そのクラスタセンターを新規基準署名として更新することにより、明に基準署名の更新を指示する手間なしに、署名の経時変化に対応することができる。
【0098】
以上に述べた第1乃至第6の実施形態で適用される署名照合方法は、例えば図13に示すような携帯情報端末20、即ちペンPによる手書き入力が可能なタブレット(座標入力部)と表示部とが一体となった表示一体型タブレット21を備えた携帯情報端末20に内蔵のROM22に、当該署名照合方法の手順を表す署名照合用プログラムを記録し、当該プログラムを携帯情報端末20内のCPUにより読み取り実行することにより実現される。なお、このプログラムを実行する機器は、携帯情報端末20に限るものではなく、手書き入力が可能な入力部を有する、或い接続可能なコンピュータであればよく、汎用のパーソナルコンピュータ、更には署名による本人確認を行うカード読み取り器などでも構わない。また、プログラムを記録する記録媒体もROMに限るものではなく、メモリカード、CD−ROM、DVD−ROM、フロッピーディスク、ハードディスク等の記録媒体であっても構わない。また、このプログラムが、ネットワーク等の通信回線を介してダウンロードされるものであっても構わない。更に、携帯情報端末20を用いた場合には、上記基準署名ファイル(基準署名記憶部)10、真署名回数ファイル(真署名回数記憶部)100、照合貢献度ファイル(照合貢献度記憶部)110、入力署名履歴ファイル(入力署名履歴)120を、書き換え可能な不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ上に置くとよい。この他、電池によりバックアップされた書き換え可能メモリに置くことも可能である。また、パーソナルコンピュータ等を用いた場合には、ハードディスク等の不揮発性記憶装置に置くことも可能である。
【0099】
なお、以上に述べた第1乃至第6の実施形態では署名照合方法について説明したが、当該照合方法は署名照合に限らず、例えば文字認識処理における手書き文字パターンと標準パターンとの照合など、広く照合一般に適用可能である。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、複数の基準署名を持ち、入力署名とそれぞれの基準署名の間の照合値を計算し、各照合値の張る空間上における入力署名の位置を基に真偽を判定するようにしたので、高精度な署名照合が実現できる。
【0101】
また本発明によれば、日々の運用の中で何度も照合を行っていくうちに、署名の経時変化に対応したよりよい基準署名に自動的に更新することができるため、照合精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャート。
【図2】同実施形態で適用される真偽判定領域をN=2(基準署名の数が2)の場合について示す図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャート。
【図5】同実施形態における基準署名更新の概念図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャート。
【図7】2次元空間内での基準署名と入力署名の位置関係を例に、同実施形態における基準署名の更新を説明するための図。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートの一部を示す図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートの残りを示す図。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートの一部を示す図。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る署名照合方法の手順を説明するためのフローチャートの残りを示す図。
【図12】上記第3の実施形態で適用した署名照合方法の変形例を示すフローチャート。
【図13】上記各実施形態で適用される署名照合方法の手順を記録したプログラムを読み取り実行するコンピュータとしての携帯情報端末の外観を示す概略図。
【符号の説明】
10…基準署名ファイル
20…携帯情報端末
21…表示一体型タブレット
22…ROM(記録媒体)
100…真署名回数ファイル
110…照合貢献度ファイル
120…入力署名履歴ファイル

Claims (9)

  1. 個人認証を行う本人のN個(Nは2以上の整数)の基準署名データを予め登録する第1のステップと、
    手書き署名の筆跡情報である署名データが入力された場合に、その入力署名データと前記N個の基準署名データの各々とを比較して、前記入力署名データと前記N個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出する第2のステップと、
    前記N個の基準署名データに対応する各相違度をそれぞれ座標軸とするN次元空間における前記入力署名データの座標位置を、前記第2のステップで算出された前記入力署名データと前記N個の基準署名データとの間の各相違度に基づいて求め、前記N次元空間の各軸から第1の距離内の領域と原点から第2の距離以上離れた領域を偽署名領域とすると共に、それ以外の領域を真署名領域とした場合に、前記求めた座標位置が前記真署名領域、或いは前記偽署名領域のいずれに属するかにより、前記入力署名データの示す入力署名が、真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定する第3のステップとを具備することを特徴とする署名照合方法。
  2. 前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された場合に、その時点において登録されている前記N個の基準署名データのうち、最も古い時刻に登録された基準署名データを前記入力署名データに置き換える第4のステップを更に具備することを特徴とする請求項1記載の署名照合方法。
  3. 前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された場合に、その時点において登録されている前記N個の基準署名データのうち、前記入力署名データとの相違度が最も小さい基準署名データである最近基準署名データを、前記入力署名データと当該最近基準署名データとの荷重平均をとることにより作成される新たな基準署名データに置き換える第4のステップを更に具備することを特徴とする請求項1記載の署名照合方法。
  4. 前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された場合に、その時点において登録されている前記N個の基準署名データのうち、前記入力署名データとの相違度が最も小さい基準署名データである最近基準署名データを、前記入力署名データと当該最近基準署名データとの荷重平均をとることにより作成される新たな基準署名データに置き換える第4のステップと、
    前記第4のステップで使用する前記荷重平均の重みパラメータを、前記入力署名が真署名であると判定された回数を基に制御する第5のステップとを更に具備することを特徴とする請求項1記載の署名照合方法。
  5. 前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された場合に、その時点において登録されている前記N個の基準署名データのうち、前記入力署名データとの相違度が最も大きい基準署名データを、当該入力署名データに置き換える第4のステップを更に具備することを特徴とする請求項1記載の署名照合方法。
  6. 前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された場合に、前記各基準署名データにそれぞれ対応して記憶される照合貢献度であって、前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された最近M回(Mは1以上の整数)の照合のうち、前記入力署名データと当該基準署名データとの相違度が、前記入力署名データと他の基準署名データとの相違度より小さかった回数を示すための照合貢献度のうち、前記第1のステップで算出された前記入力署名データとの相違度が最も小さい基準署名データに対応する照合貢献度を更新する第4のステップと、
    前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された回数がM回となる毎に、前記N個の基準署名データのうち、対応する前記照合貢献度が最も小さい基準署名データを、前記入力署名データに置き換えると共に、前記各照合貢献度を初期化する第5のステップとを更に具備することを特徴とする請求項1記載の署名照合方法。
  7. 前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された場合に、対応する前記入力署名データを記憶する第4のステップと、
    前記第3のステップで前記入力署名が真署名と判定された回数がM回(Mは1以上の整数)となる毎に、前記N個の基準署名データ、及びその時点において記憶されているM個の前記入力署名データに基づいて新たなN個の基準署名データを作成し、現在の前記N個の基準署名データを当該新たなN個の基準署名データに置き換える第5のステップとを更に具備することを特徴とする請求項1記載の署名照合方法。
  8. 個人認証を行う本人のN個(Nは2以上の整数)の基準署名データが予め登録されている基準署名記憶手段と、
    手書き署名の筆跡情報である署名データを入力する署名入力手段と、
    前記署名入力手段により入力された署名データと前記N個の基準署名データの各々とを比較して、前記入力署名データと前記N個の基準署名データとの間のN個の相違度を算出する相違度計算手段と、
    前記N個の基準署名データに対応する各相違度をそれぞれ座標軸とするN次元空間における前記入力署名データの座標位置を、前記相違度計算手段により算出された前記入力署名データと前記N個の基準署名データとの間の各相違度に基づいて求め、前記N次元空間の各軸から第1の距離内の領域と原点から第2の距離以上離れた領域を偽署名領域とすると共に、それ以外の領域を真署名領域とした場合に、前記求めた座標位置が前記真署名領域、或いは前記偽署名領域のいずれに属するかにより、前記入力署名データの示す入力署名が、真署名であるか或いは偽署名であるかの真偽を判定する真偽判定手段とを具備することを特徴とする署名照合装置。
  9. 前記真偽判定手段により前記入力署名が真署名と判定された場合に、その時点において前記基準署名記憶手段に登録されている前記N個の基準署名データのうち、前記入力署名データとの相違度が最も小さい基準署名データである最近基準署名データを、前記入力署名データと当該最近基準署名データとの荷重平均をとることにより作成される新たな基準署名データに置き換える基準署名更新手段を更に具備することを特徴とする請求項8記載の署名照合装置。
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