JP3808516B2 - 位置決め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、基線方向へ相対移動可能として静止テーブルに装着された可動テーブルを、位置決め駆動手段を用いて基線方向に移動変位させかつメインスケール,インデックススケールおよび検出回路を含む検出ユニットを利用して所望位置への位置決め終了を確認可能に構成された位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
あらゆる産業分野で、位置決め対象物を所望位置に位置決めする位置決め装置が広く利用されている。従来位置決め装置の代表的構造を図8に示す。
【0003】
同図において、可動テーブル30は、基線(Q)方向へ相対移動可能として、静止テーブル10に装着されている。可動テーブル30自体あるいはこの可動テーブル30に取付けられて移動される例えば被加工物,通信用光ファイバー等々が位置決め対象物となる。
【0004】
可動テーブル30への移動推進力は、マイクロメータヘッド,サーボモータ機構等からなる位置決め駆動手段(図示省略)によって付与される。また、所望位置への位置決めが終了したか否かは、検出ユニット50によって検出されかつ表示等により確認される。
【0005】
この検出ユニット50は、メインスケール51とインデックススケール53と検出回路とから構成されている。また、メインスケール51は可動テーブル30側に取付けられるとともに、インデックススケール53等と検出回路とは静止テーブル10側に取付けられるのが、一般的である。ケーブル処理等の便宜のためである。図8に示したメインスケール51は、2種類の光学格子の一方すなわち反射型のメイン格子51Mを有し、ケース1に格納されかつそのブラケット1Fを介して可動テーブル30に取付けられる。
【0006】
インデックススケール53は、4つのインデックス格子54A,54RA、54B,54RBを有し、発光部(発光素子5RP,レンズ56P)および受光部57P(受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRB)とともにケース2に格納され、複雑形状のブラケット(3,3F)を介しかつケース1に対向させて静止テーブル10に取付けられる。
【0007】
なお、ケース2の小型化等の理由から、各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBに接続された4つのアンプや2つの演算増幅器等を含み、90度位相づれしたA相検出信号とB相検出信号とを生成出力する検出回路は、他の場所に取付けられる場合が多い。
【0008】
かくして、位置決めの駆動手段を用いて可動テーブル30を基線(Q)方向に移動させれば、検出回路から正弦波状で90度の位相差を持つA相およびB相検出信号が生成出力される。したがって、両相検出信号をパルス化しつつその数を計数すれば、可動テーブル30の移動変位量Xつまり所望位置への位置決め終了を表示等により確認することができる。よって、可動テーブル30を所望位置へ定量的(例えば、1μm〜0.5μmの分解能)に位置決めすることができる。
【0009】
なお、目標値(所望位置)を設定するための設定器,比較器等を設け、検出された上記移動変位量Xをフィードバック信号として、自動位置決め制御するように構成する場合もある。つまり、位置決め制御完了を持って位置決め終了が自動的に確認できる。かかる場合は、位置決め駆動手段をサーボモータ機構等から構成すればよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、位置決め装置全体およびその検出ユニット50も、例外でなく、一層の小型・軽量化および低コスト化が望まれている。しかし、ケース1とケース2とを各テーブル30,10に外部から取付可能として適用性を拡大した上記従来構造である限り、この要請に応えられなくなって来た。また、各ケース1,2の各テーブル30,10への取付作業自体が、両スケール51,53間のクリアランス調整等の煩雑さから、非常に多大な労力・時間を要し、かつ取扱いが難しく熟練を要す。
【0011】
以上の使用面の問題のみならず、性能面における本質的な問題も生じ易い。すなわち、検出ユニット50自体の分解能および検出精度が高くとも、図に示すように検出部位たるメインスケール51(51)と,検出対象部位となる基線Qとの間隔Wが大きくなるので、アッベの原理に基く検出精度の低下を招く。外部取付方式の欠陥であるといえる。また、検出回路が他の場所に配設された場合には、ケーブルへの外乱ノイズの影響による検出精度低下や検出不能状態になることもある。また、外乱ノイズを除去するためにノイズフィルターを設けた場合、その時定数を大きくしなければならないので、検出高速化を阻害する要因となる。さらに、外部取付方式では、取付容易化のために、両スケール51,53(詳しくは、各格子)間のギャップを大きくしなければならなくなる。したがって、受光素子(54)の応答速度が受光する光エネルギーの大きさに比例的であることを考えると、一層の検出高速化を阻害するといえる。
【0012】
さらに、外部取付時の間隔Wの狭小化等を図ることができたとしても、位置決め駆動手段と検出ユニット50との間に分解能的なミスマッチがあっては、高精度の位置決めはできない。つまり、位置決め駆動手段が例えばマイクロメータヘッド,サーボモータ機構の場合、その最小変位可能精度は、それぞれ10μm〜1μm,1μm〜0.5μm程度である。したがって、上記2種類の光学格子を用いたあるいはギャップが大きくとれる3種類の光学格子を用いた検出ユニット50の分解能が例えば0.01μmとすることができたとしても、位置決め上は意味がないことになる。
【0013】
換言すれば、例えば直径が10μmの通信用光ファイバーをピッチ250μmで1,2次元方向に配設しかつ直径10μmの通信用光ファイバーをそのいずれかに選択位置決めしてスイッチングする光情報伝達切替器等の場合、位置決め精度を直径10μmの1%(0.1μm)以下とすることができない。2次元の位置決め装置の場合は、上記1次元の位置決め装置を2階建てとしなければならないから、一段と難しい。
【0014】
本発明の目的は、小型軽量,低コストかつ取扱いが簡単で、高分解能な位置決めを行える位置決め装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メインスケールとインデックススケールとの相対変位を光強度分布関数([数2])に基く光強度が両スケール間のギャップの大きさ(値)に依存しない検出原理を用いる構成条件を満たす構成の検出ユニットを各テーブルに内蔵可能として従来外部取付方式による欠点を解消し、さらに圧電アクチュエータを採用して位置決め駆動手段と検出ユニットとの間の分解能的ミスマッチを一掃可能とする新規構成の創成に関する。
【0016】
すなわち、請求項1の発明は、基線方向へ相対移動可能として静止テーブルに装着された可動テーブルを、位置決め駆動手段を用いて基線方向に移動変位させかつメインスケール,インデックススケールおよび検出回路を含む検出ユニットを利用して所望位置への位置決め終了を確認可能に構成された位置決め装置において、前記メインスケールに第1格子を設けかつ前記インデックススケールに第2格子および90度の位相ずれをもつ4個の第3格子を設けるとともに各第3格子を1箇所に集めかつインデックススケールの長手方向において第2格子に接近配設し、第1格子の目盛ピッチと第2格子の目盛ピッチと第3格子の目盛ピッチとを同じ値に形成するとともに、単一の集光レンズ付構造で傾斜配設された発光素子からの拡散光を第2格子を透過させて第1格子に入射させかつ第1格子で反射させるとともに第3格子を透過した検出光を各第3格子のそれぞれに対応する各受光素子で受けさせ、前記検出回路が各受光素子から出力される光電変換信号を利用して検出可能に形成し、各受光素子を1チップ受光素子を4分割して形成しかつ発光素子からの拡散光が各受光素子に直接入射することを防止するための光絶縁手段を設け、前記可動テーブルの下方側に収容空間を形成するとともにこの収容空間内に前記メインスケールを前記基線に沿って取付け、かつ前記静止テーブルの上方側に設けられた上部空間内に前記インデックススケールを該メインスケールと対応させて取付けかつ下方側に設けられた下部空間内に前記検出回路の一部または全部を取付けた、ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2の発明は、前記位置決め駆動手段の一部を形成する圧電効果素子を該収容空間内で前記基線に沿ってかつ該メインスケールと直列配設するとともに、その基端部を前記静止テーブルに直接または間接的に固定しかつその他端部を前記可動テーブルに直接または間接的に固定した、ことを特徴とする。
【0018】
【作用】
上記構成による請求項1の発明の場合、メインスケールとインデックススケールとの相対変位を光強度分布関数([数2])に基く光強度が両スケール間のギャップの大きさ(値)に依存しない検出原理を用いる構成条件を満たす構成の検出ユニットを各テーブルに内蔵可能として検出ユニットを形成するメインスケールは可動テーブルの収容空間に内蔵されるとともに、静止テーブルの上部空間内にインデックススケールを取付けかつ下部空間内に検出回路の一部または全部が取付けられている。各受光素子は1チップ受光素子を4分割して形成され、単一の集光レンズ付構造で傾斜配設された発光素子からの拡散光は光絶縁手段の働きで各受光素子に直接入射することが防止される。したがって、高分解能,高精度な位置決めができるとともに小型軽量で低コストで取扱いが簡単である。また、検出ユニットが、位置決め対象部位たる基線に同じあるいは接近配設可能であるから、検出精度も高まる。ケーブルを介した外乱ノイズによる精度低下も排斥できる。
【0019】
また、請求項2の発明の場合、請求項1の発明の構成に加えさらに、位置決め駆動手段の一部が圧電効果素子から形成されているので、検出ユニットの分解能と同程度あるいはそれよりも小さな値で可動テーブルを小レンジで正確に移動変位させることができる。したがって、検出ユニットとの間の分解能的ミスマッチを一掃して高精度な位置決めができる。しかも、圧電効果素子がメインスケールと基線に直列配設されているので、圧電効果素子の移動変位とメインスケールの移動変位とを同一とすることができる。したがって、一層の高精度化ができる。かくして、例えば0.1μm以下の変位精度でかつ0.01μm以下の分解能で位置決めを行える。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(第1実施例)
本位置決め装置は、図1,図2に示す如く、静止テーブル10と可動テーブル30と位置決め駆動手段40と検出ユニット50とから構成され、検出ユニット50が相対変位を光強度分布関数(詳細後記する[数2])に基く光強度が両スケール51・53間のギャップ[d(Z)]の大きさ(値)に依存しない検出原理を用いる構成条件を満たす構成とされるとともに、メインスケール51を可動テーブル30に内蔵させかつインデックススケール53と検出回路60の全部とを静止テーブル10に内蔵させ、しかも位置決め駆動手段40の一部を形成する圧電効果素子46をメインスケール51と直列配設して可動テーブル30に内蔵させた構成とされている。
ここに、メインスケール51の第1格子51Fとインデックススケール53の第2格子53Sおよび第3格子53Tとの各目盛ピッチは同じ値(例えば、8μm)とされ、インデックススケール53の90度の位相ずれをもつ4個の第3格子53T(A、RA、B、RB)を1箇所に集めかつインデックススケール53の長手方向において第2格子53Sに接近配設し、単一の集光レンズ付構造で傾斜配設された発光素子55Dからの拡散光を第2格子を透過させて第1格子に入射させかつ第1格子で反射させるとともに第3格子を透過した検出光を各第3格子のそれぞれに対応する各受光素子57R(A、RA、B、RB)で受けさせ、検出回路60が各受光素子から出力される光電変換信号を利用して検出可能に形成され、各受光素子57Rを1チップ受光素子を4分割して形成しかつ発光素子55Dからの拡散光が各受光素子に直接入射することを防止するための光絶縁手段59が設けられている。
【0021】
すなわち、検出ユニット50は、図4に示す如く、3種類の光学格子を用い、各第3格子53TA,53TRA、53TB,53TRBを1箇所に集めかつインデックススケール53の長さ方向(図4で左右方向)において第2格子53Sと接近配設し、各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBを1チップ受光素子(57R)を4分割して形成するとともに、発光部55を形成する発光素子(LED55D)を単一の集光レンズ55L付構造として傾斜配設しかつ光絶縁手段59を設け、受光有効面積の狭小化を図りつつ発光素子(55D)からの拡散光の有効利用を促進可能な新規の構成としてある。
【0022】
また、この実施例では、位置決め駆動手段40を粗駆動を行うマイクロメータヘッド41と微駆動を行う圧電アクチュエータ45とから構成し、位置決め可能範囲を拡大するとともに,圧電効果素子46による高変位精度を利用して高精度な位置決めを行えるように形成してある。
【0023】
したがって、各テーブル10、30への収容便宜のための小型軽量化と、取扱容易化と,装置全体のコスト低減のための低コスト化をより促進でき、かつ、一層の高分解能,高精度かつ高速な検出が可能である。
【0024】
図1において、まず静止テーブル10と可動テーブル30との関係を説明する。静止テーブル10のベアリング保持部16,17と,可動テーブル30のベアリング保持部36,37との間にクロスローラベアリング25,26が組込まれ、両テーブル10,30は基線Qの方向に相対移動可能に装着されている。静止テーブル10および可動テーブル30は、ともに基線Qを中心に幅方向が対称構造とされ、加工容易化と低コスト化が図られている。
【0025】
また、可動テーブル30側の下方に突出するピン39,39と,静止テーブル10側の上方に突出するピン19、19との間に、バネ19S,19Sが張設されている。したがって、可動テーブル30は、詳細後記のアンビル41Aに押圧され、静止テーブル10(起立部20)に常時に当接されている。つまり、静止テーブル10に対する可動テーブル30の図6に示す基準位置XBを、常時的にかつ不動として確立することができる。
【0026】
ここに、可動テーブル30の下方側には下方および長さ方向に開口する収容空間31が形成され、収容空間31の平面的中心線は、基線Qに合せてある。この収容空間31内には、メインスケール51が基線Qに沿って、この実施例では基線Q上にその第1格子51Fが来るように、取付られている。また、この実施例では、メインスケール51がモアレ調整用の保持プレート34を介して取付られている。
【0027】
保持プレート34は、図2に示す如く、ビス孔35S,35Lに螺合されたビス33S,33Lを用いて、可動テーブル30に固定される。このビス33Sを貫通させる可動テーブル30の貫通孔32Sは小さな直径(例えば、3.1mm)で、ビス33L用の貫通孔32Lの直径は大きい(例えば、3.8mm)。
【0028】
つまり、両ビス33S,33Lを緩めかつビス33Lを移動させれば、保持プレート34をビス33Sを中心として小角度だけ回動させることができる。すなわち、インデックススケール53に対するメインスケール51の平面的相対位置を変えて、モアレ調整可能とされている。外部から調整可能であるから、取扱いが簡単である。
【0029】
一方、静止テーブル10の上面側には、一対の突条部15,15が設けられ、上記ベアリング保持部16,16を形成する他、さらにメインスケール51とインデックススケール53とのギャップを設定値に規制保持することができるものと形成してある。
【0030】
ここに、静止テーブル10の上方側にはインデックススケール53をメインスケール51に対応させて収容取付けするための上部空間11が設けられ、かつ下方側には検出回路(4つのアンプと2つの演算増幅器等とを含む)60の全てを収容取付けするための下部空間13が設けられている。なお、下部空間13は、少くとも4つのアンプ、つまり検出回路60の一部を収容可能であればよい。ケーブル60Lへの外乱ノイズの影響を除去できるからである。
【0031】
上部空間11と下部空間13とは、図2に示すように連通されている。また、上部空間11は、連通部(開口)12を介し、上面側の突条部15,15間に連通する。また、インデックススケール53は、この連通部12の内周縁に接着固定されている。なお、起立部20は、静止テーブル10の取付面18にボルト締めにより固定されている。また、第1取付孔21と第2取付孔22とを有する。
【0032】
位置決め駆動手段40を形成する微駆動用の圧電アクチュエータ45は、図6に示す圧電効果素子46と駆動電源回路47とからなる。設定器48で設定した駆動電圧信号Exvに応じた駆動電圧Dvによって、圧電効果素子46が基線Q方向に伸縮変位するものと形成されている。47Lは、ケーブルである。第2取付孔22に固定された図1に示すコネクタ46Cを介して両者46,47が接続される。
【0033】
圧電効果素子46は、積層縦効果素子(NEC製AE0505D16型)とされ、かつ基線Q方向の変位レンジが0.015mm,最大駆動電圧DC150V,発生力8.5kgである。
【0034】
この圧電効果素子46は、図1,図2に示す如く、基線Qに沿って(この実施例では、基線Qを中心として)、メインスケール51(第1格子51F)と直列配設されている。また、基端部46Aはアンビル41Aを介して間接的に静止テーブル10(起立部20)に固定され、かつ他端部46Bは可動テーブル30に直接または間接的に固定される。この第1実施例では、他端部46Bをメインスケール51に接着固定して、間接的に可動テーブル30に固定してある。したがって、圧電効果素子46のQ方向の移動変位(XS)をそのままメインスケール51の移動変位XSとすることができるわけである。
【0035】
粗駆動用のマイクロメータヘッド41は、図2に示すように、回動操作部41Rと取付部41Hと直線変位可能なアンビル41Aとからなる。起立部20の第1取付孔21に取付部41Hを嵌挿固定して静止テーブル10に取付けられる。したがって、回動操作部41Rを回動させれば、アンビル41AがQ方向に進退移動し、その移動変位XLは主目盛41Mとバーニア目盛41Vとから読取ることができる。変位レンジは10mmで、変位精度は1μmmである。
【0036】
なお、可動テーブル30の移動範囲が、圧電効果素子46の変位レンジ(0.015mm)以下の場合は、位置決め駆動手段40を圧電アクチュエータ45(46,47,48)のみから形成してもよい。この場合は、圧電効果素子46の基端部46Aを静止テーブル10(起立部20)に直接固定しかつその他端部46Bを可動テーブル30(あるいはメインスケール51)に直接固定すべきである。つまり、マイクロメータヘッド41は、不要である。
【0037】
次に、両テーブル10、30に内蔵させた検出ユニット50の構成を、従来例との比較においてかつその技術的根拠とともに詳説する。
【0038】
まず、図8に示す2種類の光学格子を用いた場合よりも、両スケール51,53間のギャップが大きくできかつ第1格子51Fのピッチをより微細とすることのできる3種類の光学格子を用いた光学式変位検出ユニットの検出原理を、例えば、Principles of Optics、6th edition(MAX BORN & EMIL WOLF、Pergamon Press、1980)の第383頁に記載されているフレネル回折の理論に基き図3〜図5を参照して検討する。
【0039】
同一平面上にある第2格子(53S)と各第3格子(53T)とを基準格子100としかつこれにギャップd(Z)を隔て第1格子(51F)を平行配設するとともに、Z軸上の点d(Z)を中心に第1格子(51F)を微小角△θだけ傾斜させた場合を考える。そして、拡散光源(LED55D)から発せられた拡散光Sが基準格子100を透過しかつ第1格子(51F)で反射(回折)され、その反射光が基準格子100に達した場合におけるX軸上での光強度分布を、定数項を除く光強度分布関数〔I(x)、I(xθ)〕を用いて比較検討する。
【0040】
第1格子(51F)が基準格子100と平行である場合の光強度分布関数〔I(x)〕は、[数1]および[数2]となる。
【数1】
Figure 0003808516
なお、F=COS〔πλd(Z)/2(P1)2 〕であり、また、λは拡散光Sの有効波長、P1は第1格子(51F)のピッチ,d(Z)はギャップである。
【数2】
Figure 0003808516
【0041】
ここに、厳密には、光強度分布関数は[数1]と[数2]とを重畳したものである。しかし、実際装置を構成する際には、各数式を独立に扱った方が都合がよい。かくして、第1格子(51F),第2格子(53S),各第3格子(53T)の目盛のピッチをP1,P2,P3とし、かつn,m,qを整数(1,2,3,…)とすると、[数1]の検出原理を用いて検出装置を構成する条件は、[数3],[数4]で現わされる。
【数3】
Figure 0003808516
【数4】
Figure 0003808516
【0042】
また、[数2]の検出原理を用いて検出装置を構成する条件は、[数5],[数6]で現わされる。
【0043】
そして、[数3]および[数5]において、m=q=1が最も基本的な条件となる。以上から、3種類の光学格子を用いた反射型の検出装置では、構成条件が2つ存在する。
【0044】
すなわち、[数1]の検出原理を用いると、光強度はギャップd(Z)に依存するが、検出信号のS/N比が良いために第1格子(51F)のピッチP1を20μm程度以上のピッチとする場合に適する。
【0045】
また、[数2]の検出原理を用いると、光強度はギャップd(Z)に依存しなくなり、かつ第1格子(51F)を1ピッチだけ変位させると、第3格子(53T)には第1格子(51F)の2ピッチ分の検出信号が出力される。したがって、第1格子(51F)のピッチP1を20μm程度以下のピッチとする場合に適する。
【0046】
次に、第1格子(51F)を基準格子に対して微小角△θだけ傾斜させた場合の光強度分布関数〔I(xθ)〕は、[数7],[数8]で求まる。
【数7】
Figure 0003808516
【数8】
Figure 0003808516
【0047】
これら[数7],[数8]は、[数1],[数2]に対して最終項に〔−2△θd(Z)〕がそれぞれ追加されている。したがって、この〔−2△θd(Z)〕が一定であるならば、検出装置としてはオフセットとして取扱えるので問題はないといえる。
【0048】
しかるに、図8に示す従来検出装置の場合のレイアウトと同様に、受光素子57RA(57RRB)がX軸上のX1点を中心にかつギャップd(Z1)をもって配設されるとともに、受光素子57RRA(57RB)がX2点を中心にかつギャップd(Z2)をもって配設されている場合における受光素子57RAの受ける光エネルギーは、[数7],[数8]のd(Z)にd(Z1)を代入し、かつ受光素子57RBの受ける光エネルギーはd(Z)にd(Z2)を代入することにより求めることができる。
【0049】
ここに、d(Z1)−d(Z2)=△θ(X1+X2)が成立するから、第1格子51Fと基準格子100とをX方向に相対変位させた場合、受光素子57RAと57RBとの検出信号間の位相差は、△θ(X1+X2)の値が大きいほど大きくなることが判る。このことは、〔数7〕,〔数8〕からして、第1格子51FのピッチP1を小さくすればするほど、より大きく影響することも明らかである。
【0050】
以上の吟味から、一層の高分解能化,高精度化を図るには、受光素子57RA(57RRB)と57RB(57RRA)との間隔をより小さく,かつ各受光素子の受光有効面積をより小さく、さらに各受光素子自体の寸法精度,組立精度をより向上させることが必要と理解される。かくすれば、同時的に一層の小型軽量化,低コスト化も図れる。
【0051】
かくして、この第1実施例の場合は、図4,図5に示すように各第3格子(53T)を1箇所に集めて第2格子53Sに接近配設し、これに対応配設される各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBを1チップ受光素子(57R)を4分割して形成可能とすることにより、上記間隔(d)と受光有効面積とを大幅に縮小するとともに、各受光素子の温度特性,劣化特性を均一化して、性能面上の高分解能化,高精度化および使用面上の小型軽量化,低コスト化を図ることができる構成としてある。
【0052】
しかし、各受光素子の受光有効面積を小さくすると、受光エネルギーも小さくなってしまう。そこで、発光部55を単一の光源(LED55D)で集光レンズ55L付構造とするとともに傾斜配設することにより、拡散光の有効利用を図り各受光素子の受光エネルギーを増大可能に形成してある。但し、光源は拡散光であってコリメート光や半導本レーザのような可干渉性光源であってはならない。このような光源としたのでは、第2格子(53S)面上に互いに独立(インコヒーレント)の線光源を生成できないため、前出〔数1〕および〔数2〕が成立しなくなるためである。
【0053】
つまり、発光素子(55D)は、光源そのものの広がりが大きく無数の点光源から形成されるものとして選択してある。かくして、各受光素子の受光エネルギーを増大できるから検出高速化が図れ、かつギャップ(d)を大きくして第1格子51Fの目盛ピッチをより微細化できるから分解能を高められるとともに、1個の発光素子(55D)および1チップ(57R)の4分割型受光素子(57RA,57RRA、57RB,57RRB)であるから、一段の小型軽量化,低コスト化とともに取付け,取扱いが非常に容易となる。しかも、各受光素子間の温度特性および劣化特性のバラツキを最小的に抑えられる。さらに、各受光素子間の相対位置関係を同一平面上で正確に保てる。従来例(図8)との比較からも明白である。
【0054】
ここに、発光部55は、図4に示す如く、LED55Dと集光レンズ55Lとから形成され、ホルダー55Cを介して保持枠体55Bに傾斜配設されている。発せられた拡散光を第2格子53Sを透過させて第1格子51Fに入射させ、かつ第1格子51Fから反射された検出光が各第3格子53TA,53TRA、53TB,53TRBを透過して対応する各受光素子53RA,53RRA、57RB,57RRBに入射可能とする角度をもって、傾斜保持されている。したがって、拡散光の過度の拡散を抑制しつつ光エネルギーの大幅な有効利用が図れるとともに、各受光素子の受光エネルギー量を増大できるので、一層の応答性改善つまり検出高速化が図れる。
【0055】
しかし、各第3格子(53T)を第2格子53Sに接近配設させかつ拡散光源(55D)を採用することから、小型化を促進すればするほど発光素子(LED55D)からの拡散光が各受光素子57Rに直接入射される虞れが強くなる。そこで、これを防止する光絶縁手段59を設けている。
【0056】
この、光絶縁手段59は、図4に示す如く、発光素子(55D)からの拡散光が各受光素子に直接入射することを防止するための手段で、L字形状の非光透過性材質の折板構造とされ、かつ発光素子(55D)と各受光素子(57R)との間に介在するようにしてホルダー55Cの一方下端に取付けられている。但し、ホルダー55C自体に光絶縁面を一体形成してもよい。また、光絶縁手段59は、光遮断剤のコーティング等による構成としてもよい。
【0057】
したがって、従来例(3種類の格子)の場合に比較すれば、各第3格子53TA(53TRA)と53TRB(53TB)との間隔を最小的に短縮することができかつ受光有効面積を最小化できるから、前記フレネル回折の理論上からも、高精度,高分解能で変位検出できる。この第1実施例では、分解能が0.01μmである。
【0058】
なお、メインスケール51は、中心線(基線Q)を境として左右対称形状とされ、かつ水平配設されるとともに、第1格子51Fの目盛ピッチは8μmとされている。
【0059】
また、インデックススケール53と第2格子53Sとも左右対称形状とされ水平配設される。第2格子53Sの目盛ピッチは8μmで、各第3格子(53T)の目盛ピッチは8μmである。
【0061】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
図6において、計数回路65を零(0)クリアして表示器68の表示値を“00、000”とする。この際の位置を基準として可動テーブル30を図6で基線Qの右方向に例えば2mm(=XT)だけ進めて位置決めする場合を考える。
【0062】
まず、位置決め駆動手段を形成する粗駆動用のマイクロメータヘッド41を用いて、例えば1.99mm(=XL)だけ進める。すなわち、回動操作部41Rを回動させると、アンビル41Aが進む。すると、圧電効果素子46〜メインスケール51〜保持プレート34を介して移動推進力が付与されるので、可動テーブル30が進行する。
【0063】
すると、メインスケール51とインデックススケール53とが基線Q方向に相対移動するので、図4に示すLED55Dからの拡散光は、集光レンズ55Lで集められかつ傾斜配設角度に応じてインデックススケール53上の第2格子53Sを透過し、メインスケール51上の反射型第1格子51Fに効率良く入射される。
【0064】
この際、光絶縁手段59が光絶縁するので、各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBに拡散光が直接入射されてしまうことがない。つまり、各受光素子への外乱光を与えない。また、ホルダー55Cの内ガイド面も必要以上の拡散を抑えられるので、この点からも光エネルギーの有効利用性を高められる。
【0065】
第1格子51Fから反射された検出光は、インデックススケール53上でその長さ方向の1箇所に集められかつ第2格子53Sに接近配設された各第3格子53TA,53TRA、53TB,53TRBを透過して、それぞれに対応する各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBに入射される。この各受光素子は、1チップ受光素子(57R)を4分割して形成されているので、温度特性および劣化特性にバラツキがない。また、同一平面上で所定の相対位置関係を正確に保持されている。
【0066】
かくして、インデックススケール53とメインスケール51との基線Q方向に相対変位XTに相応しかつ各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBから出力された光電変換信号を、図6に示す検出回路60に入力できる。
【0067】
ここに、検出回路60は、検出信号Sxつまり正弦波状のA相検出信号SAとB相検出信号SBを得、図2に示す引出孔14,大径引出孔14Lを通したケーブル60Lを介して計数回路65へ出力する。この計数回路65は、デジタル処理しつつ計数することにより、その移動変位量XT(=XL+XS)に相当する表示変位量信号Xindを表示器68へ入力する。したがって、表示器68を見れば、現圧位置を知ることができる。
【0068】
ここに、圧電効果素子46の変位レンジ(0.015mm)以内である例えば“01、9925”となったところで、マイクロメータヘッド41の操作を止める。そして、微駆動用の圧電アクチュエータ45の操作に切替える。すなわち、設定器48を用いて駆動電圧信号Exvを発生させる。すると、駆動電源回路47から相応する駆動電圧Dvが出力される。圧電効果素子46が、アンビル41Aの先端を基準として右方向に伸びる。
【0069】
したがって、圧電効果素子46の伸び変位XSは、メインスケール51,保持プレート34を介して可動テーブル30にそのまま伝達される。この伸び変位XSも検出回路60で検出される。したがって、表示器68には、現圧位置が移動変位XT(=XL+XS)として表示される。
【0070】
ここに、圧電効果素子46の分解能は0.001μmであり、かつ検出ユニット50(60)の分解能は0.01μmであるから、表示値が例えば“02、0005”となったところで停止させる。かくして、2mm±0.005の高分解能で位置決めできる。表示により確認できる。
【0071】
さらに、この現圧位置から、例えば0.045μmだけ右方向へ移動させるには、圧電アクチュエータ45のみを用いて行える。例えば、2.00095mmと表示されるように圧電アクチュエータ45の駆動電圧を制御すればよい。
【0072】
しかして、この第1実施例によれば、検出ユニット50をメインスケール51とインデックススケール53との相対変位を光強度分布関数([数2])に基く光強度が両スケール間のギャップ[d(Z)]の大きさ(値)に依存しない検出原理を用いる構成条件を満たす構成とされるとともに、可動テーブル30の下方側に形成された収容空間31内にメインスケール51を基線Qに沿って取付け、静止テーブル10の上方側に設けられた上部空間11内にインデックススケール53を該メインスケール51と対応させて取付けかつ下方側に設けられた下部空間13内に検出回路60の全部を取付けた構成とされ、各受光素子57Rを1チップ受光素子を4分割して形成しかつ光絶縁手段59が設けられているので、受光有効面積の狭小化を図りかつ発光素子(55D)からの拡散光の有効利用を促進しつつ高分解能,高精度な位置検出ができ、小型軽量,低コストかつ取扱いが簡単で高分解能で位置決めできる。
【0073】
また、位置決め駆動手段40の一部を形成する圧電効果素子46を該収容空間31内で基線Qに沿ってかつ該メインスケール51と直列配設するとともに、その基端部46Aを静止テーブル10に間接的に固定しかつその他端部46Bを可動テーブル30に間接的に固定した構成としたので、検出ユニット50の分解能と同程度あるいはそれよりも小さな値で可動テーブル30を小レンジで正確に移動変位させることができる。したがって、検出ユニット50との間の分解能的ミスマッチを一掃して高精度な位置決めができる。しかも、圧電効果素子46がメインスケール51と基線Qに直列配設されているので、圧電効果素子46の移動変位とメインスケール51の移動変位とを同一とすることができる。したがって、一層の高精度化ができる。かくして、例えば0.1μm以下の変位精度でかつ0.01μm以下の分解能で位置決めを行える。
【0074】
また、可動テーブル30と静止テーブル10とが、ともに基線Qを中心として幅方向に対称形状とされているので、より加工が容易で低コストである。また、収納空間11,13,31が設けられているので、より大幅な軽量化を達成できる。
【0075】
また、メインスケール51の形状が左右対称とされているから、加工歪が基線Qを中心にバランスされる。したがって、一層の高精度化を達成できる。
【0076】
また、メインスケール51を保持する保持プレート34を外部から微回動させて、モアレ方向の調整ができる構成とされているので、取扱いが非常に簡単である。しかも、固定用のビス33S,33Lを兼用するものとされているので、この点からも軽量化と低コスト化を一段と助長できる。
【0077】
また、位置決め駆動手段40が、粗駆動用マイクロメータヘッド41と微駆動用圧電アクチュエータ45(46,47)から形成されているので、位置決め可能範囲の拡大が図れかつ微駆動による高精度位置決めを保障できる。
【0078】
また、圧電効果素子46とメインスケール51とが、位置決め対象部位となる基線Qに直列配設されているので、圧電効果素子46の伸縮変位量XSとメインスケール51の直線移動変位量(XS)とを一致させることができるので、この点からも位置決め精度を一段と向上できる。その他端部46Bがメインスケール51に直接接着されていることも、これを一段と助長する。
【0079】
また、圧電効果素子46の基端部46Aをマイクロメータヘッド41のアンビル41Aに当接させることにより、静止テーブル10に間接的に固定されているので、可動テーブル30を静止テーブル10から簡単に取外すことができる。したがって、検出ユニット50の点検・修理が容易で取扱い簡単である。
【0080】
また、アンプおよび演算増幅器を含む検出回路60の全てを、静止テーブル10に内蔵させてあるので、外部の計数回路65との間の外乱ノイズの影響を一掃できる。したがって、この点からも一段と高精度である。
【0081】
さらに、検出ユニット50が各第3格子53TA,53TRA、53TB,53TRBを1箇所に集めかつインデックススケール53の長さ方向において第2格子53Sと接近配設し、各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBを1チップ受光素子を4分割して形成するとともに、発光部55を単一光源(55D)の集光レンズ55L付構造として傾斜配設しかつ光絶縁手段59を設け、受光有効面積の狭小化を図りつつ発光素子(LED55D)からの拡散光の有効利用を促進可能に構成されているので、装置全体としての性能面上の高分解能化,高精度化,検出高速化、および使用面上での小型軽量化,低コスト化,取扱容易化をより大幅に向上達成できる。
【0082】
さらに、各第3格子53TA,53TRA、53TB,53TRBが1箇所に集められかつインデックススケール53の長さ方向に接近配設されているので、基線Q方向の装置寸法をより小型化できるとともに、第1格子51Fを含む平面に対する平行度をより簡単かつ迅速に確立できる。
【0083】
さらに、各受光素子57RA,57RRA、57RB,57RRBが1チップ受光素子(57R)を4分割して形成されているので、温度特性等のバラツキを最小限に抑えられるから一段と高精度検出ができ信頼性も高められるとともに、各受光素子間の同一平面上の配設や相対位置関係の調整作業を大幅に削減できかつ低コストで入手可能となる。
【0084】
さらに、発光素子(55D)がホルダー55Cを介して保持枠体55Bに所定傾斜角を持って取付けられているので、長期に亘る安定運転を保障できる。
【0085】
さらに、光絶縁手段59が、L字形状の折板構造とされているので、構造簡単で低コストで具現化できる。
【0086】
さらにまた、発光素子(55D)からの拡散光の有効利用度を高められるので、ギャップ(d)Zを大きくつまり第1格子51Fの目盛を一段と微細化してより高分解能化できる。
【0087】
(第2実施例)
この第2実施例は、第1実施例の場合に比較して、下記が異なる。すなわち、図7に示す如く、位置決め駆動手段40の粗駆動用をモータ機構43から形成するとともに、位置決め制御回路70を設け、自動位置決め制御可能に形成されている。
【0088】
図7において、モータ機構43は、ステッピングモータ43Mと運動変換部43Cと直動軸43Sとからなり、コントローラドライバ43Dからのパルス信号PLSの数によってステッピングモータ43Mの回転量が決まり、かつこれに相応する変位XLだけ直動軸43SがQ方向に進退動するものと形成されている。変位レンジは10mmで、変位精度は0.5μmである。コントローラドライバ43Dには、回転角度信号Exθが入力される。
【0089】
位置決め制御回路70は、所望位置つまりQ方向の総移動変位XTに対応する位置決め(目標値)信号Sxtを設定出力する設定回路71と、この位置決め信号Sxtと計数回路65からのフィードバック信号Fxtとを比較して偏差信号Extを出力する比較回路72と、偏差信号Extのうちの大変位相当偏差に対応する大偏差信号Exlと小変位相当偏差に対応する小偏差信号Exsとを分配出力する信号分配器73と,入力された大偏差信号Exlをこれに相当する回転角度信号Exθに変換する信号変換回路74と,小偏差信号Exsをこれに相当する電圧設定信号Exvに変換する信号変換回路75とから形成されている。
【0090】
なお、76,77は切替器で、自動選択された場合に、分配された回転角度信号Exθ,電圧設定信号Exvをコントローラドライバ43D,駆動電源回路47のそれぞれに出力し、手動の場合には各設定器44,48からの各設定信号をそれぞれに出力するものである。表示器68については、第1実施例の場合と同じである。
【0091】
なお、設定回路71は、例えば電話回線を通じて入力される情報切替信号DSxTから位置決め信号Sxtを自動的に生成出力可能に形成してもよい。
【0092】
かかる構成の第2実施例によれば、設定回路71に総移動変位XT(例えば、1mm)を設定すれば、比較回路72が現圧移動変位XT相当のフィードバック信号Fxtと比較して偏差信号Extを求める。すると、信号分配器73が、偏差中の圧電効果素子46の例えば約1/2変位レンジ(0.0075mm)以下分については小偏差信号Exsとして信号変換回路75へ分配出力し、かつそれ以上の偏差分については大偏差信号Exlとして信号変換回路74へ分配出力する。
【0093】
すなわち、大偏差信号Exlに基きモータ機構43が働き、直動軸43Sを変位XLだけ移動させる。と同時的またはその後に圧電アクチュエータ45(46,47)は、小偏差信号Exsに基き圧電効果素子46を変位XSだけ伸長させる。したがって、可動テーブル30を設定変位量XT(=XL+XS)だけ正確に移動できる。つまり、自動的に高精度な位置決めができ、制御完了で位置決め終了が確認される。
【0094】
なお、手動の場合は、設定器44,48を用いてモータ機構43,圧電アクチュエータ45をそれぞれに駆動して行えばよい。
【0095】
しかして、この第2実施例によれば、第1実施例の場合と同様な作用効果を奏することができる他、さらに粗駆動用がモータ機構43とされているのでより迅速な位置決めができるとともに、位置決め制御回路70が設けられているので、自動的に高精度な位置決めができる。
【0096】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、検出ユニットをメインスケールとインデックススケールとの相対変位を光強度分布関数に基く光強度が両スケール間のギャップの大きさ(値)に依存しない検出原理を用いる構成条件を満たす構成とされ、可動テーブルの下方側に形成された収容空間内にメインスケールを基線に沿って取付け、静止テーブルの上方側に設けられた上部空間内にインデックススケールを該メインスケールと対応させて取付けかつ下方側に設けられた下部空間内に検出回路の全部を取付けた構成とされ、各受光素子を1チップ受光素子を4分割して形成するとともに発光素子を単一の集光レンズ付構造として傾斜配設しかつ光絶縁手段が設けられているので、受光有効面積の狭小化を図りかつ発光素子からの拡散光の有効利用を促進しつつ高分解能,高精度で位置検出ができ、小型軽量,低コストかつ取扱いが簡単で高分解能で位置決めできる。
【0097】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明の構成に加えさらに、位置決め駆動手段の一部を形成する圧電効果素子を該収容空間内で基線に沿ってかつ該メインスケールと直列配設するとともに、その基端部を静止テーブルに間接的に固定しかつその他端部を可動テーブルに間接的に固定した構成としたので、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができる他さらに、検出ユニットの分解能と同程度あるいはそれよりも小さな値で可動テーブルを小レンジで正確に移動変位させることができる。したがって、検出ユニットとの間の分解能的ミスマッチを一掃して高精度な位置決めができる。しかも、圧電効果素子がメインスケールと基線に直列配設されているので、圧電効果素子の移動変位とメインスケールの移動変位とを同一とすることができる。したがって、例えば0.01μm以下の分解能で位置決めを行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す分解斜視図である。
【図2】同じく、図1の矢視線▲2▼−▲2▼に基き一部を断面した側断面図である。
【図3】同じく、検出ユニットの検出原理を説明するための図である。
【図4】同じく、検出ユニットを説明するための縦断面図である。
【図5】同じく、インデックススケールを説明するための平面図である。
【図6】同じく、動作を説明するためのブロック図である。
【図7】第2実施例の動作を説明するためのブロック図である。
【図8】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 静止テーブル
11 上部空間
12 連通部
13 下部空間
15 突条部
16,17 ベアリング保持部
18 取付面
19 ピン
19S バネ
20 起立部
21 第1取付孔
22 第2取付孔
25,26 クロスローラベアリング
30 可動テーブル
31 収容空間
32S 貫通穴
32L 貫通穴
33S ビス
33L ビス
34 保持プレート
35S ビス孔
35L ビス孔
36,37 ベアリング保持部
39 ピン
40 位置決め駆動手段
41 マイクロメータヘッド
41R 回動操作部
41A アンビル
41M 主目盛
41V バーニア目盛
41H 取付部
43 モータ機構
43M ステッピングモータ
43C 運動変換部
43S 直動軸
45 圧電アクチュエータ
46 圧電効果素子
46A 基端部
46B 他端部
47 駆動電源回路
48 設定器
50 検出ユニット
51 メインスケール
51F 第1格子
53 インデックススケール
53S 第2格子
53T(A、RA、B、RB) 第3格子
55 発光部
55D LED
55L 集光レンズ
57 受光部
57R(A、RA、B、RB) 受光素子
59 光絶縁手段
60 検出回路
65 計数回路
68 表示器
70 位置決め制御回路
71 設定回路
72 比較回路
73 信号分配器
74 信号変換回路
75 信号変換回路
Q 基線

Claims (2)

  1. 基線方向へ相対移動可能として静止テーブルに装着された可動テーブルを、位置決め駆動手段を用いて基線方向に移動変位させかつメインスケール,インデックススケールおよび検出回路を含む検出ユニットを利用して所望位置への位置決め終了を確認可能に構成された位置決め装置において、
    前記メインスケールに第1格子を設けかつ前記インデックススケールに第2格子および90度の位相ずれをもつ4個の第3格子を設けるとともに各第3格子を1箇所に集めかつインデックススケールの長手方向において第2格子に接近配設し、第1格子の目盛ピッチと第2格子の目盛ピッチと第3格子の目盛ピッチとを同じ値に形成するとともに、単一の集光レンズ付構造で傾斜配設された発光素子からの拡散光を第2格子を透過させて第1格子に入射させかつ第1格子で反射させるとともに第3格子を透過した検出光を各第3格子のそれぞれに対応する各受光素子で受けさせ、前記検出回路が各受光素子から出力される光電変換信号を利用して検出可能に形成し、各受光素子を1チップ受光素子を4分割して形成しかつ発光素子からの拡散光が各受光素子に直接入射することを防止するための光絶縁手段を設け、
    前記可動テーブルの下方側に収容空間を形成するとともにこの収容空間内に前記メインスケールを前記基線に沿って取付け、かつ前記静止テーブルの上方側に設けられた上部空間内に前記インデックススケールを該メインスケールと対応させて取付けかつ下方側に設けられた下部空間内に前記検出回路の一部または全部を取付けた、ことを特徴とする位置決め装置。
  2. 前記位置決め駆動手段の一部を形成する圧電効果素子を該収容空間内で前記基線に沿ってかつ該メインスケールと直列配設するとともに、その基端部を前記静止テーブルに直接または間接的に固定しかつその他端部を前記可動テーブルに直接または間接的に固定した、ことを特徴とする請求項1の位置決め装置。
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