JP3808044B2 - フィンプレス用潤滑剤 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,親水性プレコートアルミニウム板あるいはコーティング処理を施していない無処理のアルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材をプレス加工する際に用いるフィンプレス用潤滑剤に関する。なお,ここでいうアルミニウムは,アルミニウム及びアルミニウム合金を含む。
【0002】
【従来技術】
空調機における熱交換器としては,多数のプレートフィンとチューブとを組み合わせて構成されるプレートフィンチューブ熱交換器が多用されている。上記プレートフィンは,アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材(以下,単にフィン材という)に,上記チューブを挿通して固定するための1〜4mm高さのフィンカラー部をプレス加工して作製する。
【0003】
そのフィンカラーのプレス加工方法は,ドロー方式,しごき方式およびドロー・しごき併用方式があり,最近では,揮発性潤滑剤に対応できるドロー・しごき併用方式がある。一例として,ドロー・しごき併用方式の加工方法は,図3に示すごとく,素材9に対する加工として,張出し・絞り加工S1,S2→穴開け・バーリング加工S3→しごき加工S4→フレア加工S5の順で実施する(非特許文献1参照)。
【0004】
プレス加工速度は毎分200〜350ストロークであり,さらに高速化の方向にある。また,工具の手直しなしで数1000万回ストロークもの加工をすることから,プレス加工の全工程に亘り,素材と加工金型の間の良好な潤滑性が要求される。潤滑性に劣ると,特にしごき加工の際にフィンカラーが破断する所謂「カラー飛び」という致命的な不具合を引き起こす。
【0005】
さらに穴開け加工の場合は,剪断加工によるため,剪断面から発生するアルミ粉がポンチに凝着する問題が生じる。この凝着は,初期のストロークでは問題にならないが,ストローク回数が増すと,ポンチに凝着したアルミ粉により素材の剪断面にノッチを生じせしめ,最終のフレア工程において先端に割れを生じる所謂「フレア割れ」という致命的な不具合を引き起こす。更に工具寿命も縮めてしまう。
【0006】
これらの不具合を解決するために,素材側からの改良,潤滑剤の改良が種々なされてきた。さらに,上記フィン材としては,アルミニウム板に親水性塗膜などを施したプレコートタイプのものや,塗膜等を設けていない無処理タイプのものがある。プレコートタイプのものは,塗膜中あるいは塗膜上に潤滑剤を付加することができることから,親水性と潤滑性の両方の機能を有するものとして多用されている。
【0007】
ところが,最近のプレス加工速度の高速化に伴い,さらなる工具寿命の向上,成形精度の向上というハイレベルな要求がなされており,潤滑剤のより一層の改良が不可欠となってきた。そのために,これまで多数のフィンプレス用潤滑剤(例えば,特許文献1,2参照)が提案され,また種々の市販品が流通している。
【0008】
【非特許文献1】
住友軽金属技報「家庭用及び業務用空調機の熱交換器に用いられるアルミニウムフィン材の開発状況」1994年11月
【特許文献1】
特開平6−41573号公報
【特許文献2】
特開平8−157851号公報
【0009】
【解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のフィンプレス用潤滑剤においては,次のような問題がある。
すなわち,上記特許文献1,2に記載のフィンプレス用潤滑剤,あるいは市販のフィンプレス用潤滑剤においては,(1)プレス加工工程の一つである穴開け加工(剪断加工)において,ポンチにアルミ粉が凝着しやすい,(2)プレス加工後に潤滑剤を除去するために乾燥させるが,乾燥がなかなか進まない,(3)臭いがあり作業環境を悪化させる,(4)皮膚に触れるとかゆみや肌荒れが生じやすい,などの問題を少なからず有していた。
特に,アルミ粉凝着の場合は,ポンチの手入れを頻繁にすることによって回避するしかなく,根本的な解決策を見出し得ていなかった。
【0010】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,臭いや肌荒れ等の問題がなく,低コストで,乾燥性もよく,特にポンチへのアルミ粉の凝着を有効に抑制することができるフィンプレス用潤滑油を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】
本発明は,アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材をプレス加工する際に用いられるフィンプレス用潤滑剤において,
ノンアロマ鉱油または/およびイソパラフィンよりなる基油と,
一般式R1−COO−R2(ただし,R1は炭素数7〜17のアルキル基,R2は炭素数1〜4のアルキル基)により示される脂肪酸エステルよりなる添加剤とを含有してなり,
上記添加剤と上記基油の合計量に対する上記添加剤の割合が1〜10重量%であり,
かつ,上記フィンプレス用潤滑剤の粘度は,温度40℃における動粘度が1.1〜3.5cStであることを特徴とするフィンプレス用潤滑剤にある(請求項1)。
また、本発明は、アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材をプレス加工する際に用いられるフィンプレス用潤滑剤において,
ノンアロマ鉱油または/およびイソパラフィンよりなる基油と,
カプリル酸メチル,カプリル酸エチル,カプリル酸プロピル,カプリル酸ブチル,ペラルゴン酸メチル,ペラルゴン酸エチル,ペラルゴン酸プロピル,ペラルゴン酸ブチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,カプリン酸プロピル,カプリン酸ブチル,ラウリン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピル,ラウリン酸ブチル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリスチン酸プロピル,ミリスチン酸ブチル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エチル,パルミチン酸プロピル,パルミチン酸ブチル,ステアリン酸メチル,ステアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,ステアリン酸ブチル,オレイン酸メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,オレイン酸ブチルのいずれかの脂肪酸エステルよりなる添加剤とを含有してなり,
上記添加剤と上記基油の合計量に対する上記添加剤の割合が1〜10重量%であり,
かつ,上記フィンプレス用潤滑剤の粘度は,温度40℃における動粘度が1.1〜3.5cStであることを特徴とするフィンプレス用潤滑剤にもある(請求項2)。
【0012】
本発明のフィンプレス用潤滑剤は,上記のごとく,ノンアロマ鉱油または/およびイソパラフィンを基油として,上記特定の脂肪酸エステルよりなる添加剤を上記特定の割合で含有してなる。この構成によって,上述した従来の問題を一気に解消することができる。
すなわち,本発明のフィンプレス用潤滑剤は,低コストで,臭いもなく,手荒れもなく,また,これを用いて,フィン材をプレス加工することにより,良好な加工性を得ることができ,特に,剪断加工を伴う穴開け加工を行う際には,ポンチへのアルミ粉の凝着を従来よりも大幅に抑制することができる。
それ故,本発明によれば,工具寿命,作業効率,作業環境,加工精度等の総合的なプレス加工を,従来に比べ格段に向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のフィンプレス用潤滑剤に用いる上記基油としては,上記のごとく,ノンアロマ鉱油または/およびイソパラフィン,つまり,ノンアロマ鉱油またはイソパラフィンのいずれか一方,あるいは,ノンアロマ鉱油とイソパラフィンの両方を含む基油を用いる。
上記ノンアロマ鉱油は,アロマ系の鉱油を全く含まない鉱油であり,ナフテン若しくはパラフィンの1種または2種の鉱油が採用され得る。また,上記基油は,上記のごとく,合成油であるイソパラフィン単独であってもよいし,イソパラフィンとノンアロマ鉱油との混合であってもよい。これらの基油を採用することにより,低コストで,かつ臭いや肌荒れによる作業環境の悪化を好適に防止し得る。
【0014】
また,上記フィンプレス用潤滑剤における添加剤としては,一般式R1−COO−R2(ただし,R1は炭素数7〜17のアルキル基,R2は炭素数1〜4のアルキル基)により示される脂肪酸エステルを用いる。
上記一般式に含まれるアルキル基R1としては,上記のごとく,その炭素数を7〜17とする。R1の炭素数が7未満の場合には,潤滑性不良,アルミ粉凝着による成形不良,および臭気がきつく作業環境を悪化させるという問題がある。一方,R1の炭素数が17を超える場合には,乾燥性が悪化(乾燥しにくい)し,かつ融点が高くなり常温で固化しやすくなることによる作業性の悪化という問題がある。これらの,潤滑性,アルミ粉凝着性,臭気,乾燥性,作業性の理由から,アルキル基R1の炭素数の範囲は,7〜17であることがより好ましい。更に好ましくは9〜13である(図3参照)。
【0015】
また,上記一般式に含まれるアルキル基R2としては,その炭素数を1〜4とする。R2の炭素数が4を超える場合には,乾燥性が悪化し,かつ融点が高くなり常温で固化しやすくなるために加熱設備の追加が必要となり作業性が悪化するという問題がある。これらの,乾燥性,作業性の理由から,アルキル基R2の炭素数の範囲は1〜4であることがより好ましい。
【0016】
また,上記添加剤としては,カプリル酸メチル,カプリル酸エチル,カプリル酸プロピル,カプリル酸ブチル,ペラルゴン酸メチル,ペラルゴン酸エチル,ペラルゴン酸プロピル,ペラルゴン酸ブチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,カプリン酸プロピル,カプリン酸ブチル,ラウリン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピル,ラウリン酸ブチル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリスチン酸プロピル,ミリスチン酸ブチル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エチル,パルミチン酸プロピル,パルミチン酸ブチル,ステアリン酸メチル,ステアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,ステアリン酸ブチル,オレイン酸メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,オレイン酸ブチルのいずれかの脂肪酸エステルを用いることもできる。
【0017】
また,上記添加剤と上記基油の合計量に対する上記添加剤の割合は,1〜10重量%とする。この添加剤の割合が1重量%未満の場合には,潤滑不良,およびアルミ粉凝着によるフレア割れや工具寿命低下という問題がある。一方,10重量%を超える場合には,乾燥性の悪化,および高コストという問題がある。
【0018】
次に,上記フィンプレス用潤滑剤の粘度は,温度40℃における動粘度が1.1〜3.5cStである。上記粘度が1.1cSt未満の場合には,潤滑不良による焼き付きが生じ,カラー飛びしやすく,かつ工具寿命も縮めてしまうという問題があり,一方,3.5cStを超える場合には,乾燥性の悪化という問題がある。
【0019】
また,上記フィンプレス用潤滑剤の沸点は,150〜300℃であることが好ましい(請求項2)。上記沸点が150℃未満の場合には,常温での乾燥速度が速く,潤滑剤の消費量が増加し,高コスト化という問題があり,一方,300℃を超える場合には,フィンプレス後の乾燥が悪化するという問題がある。
【0020】
【実施例】
本発明のフィンプレス用潤滑剤にかかる実施例につき,具体的に説明する。
本例では,表1に示すごとく,本発明の実施例として,複数種類のフィンプレス用潤滑剤(実施例E1〜E11)と,比較例として複数種類のフィンプレス用潤滑剤(比較例C1〜C11)を作製し,各種性能の比較試験を行った。
各実施例および比較例のフィンプレス用潤滑剤の基油,添加剤の種類,および基油と添加剤の合計量に対する添加剤の割合(濃度%)等については,表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
次に,本例では,上記実施例E1〜E11,および比較例C1〜C11を用い,各種試験を次のように行った。なお,素材としてフィン材を用いる試験は,JISA1050−H28の0.10mm厚のアルミニウム板を用いた。また,試験によっては,同材質で形態の違う棒材等によって代用した。試験結果は表2に示す。なお,本例では,素材の材質として上記のJISA1050を用いたが,フィン材として一般に用いられているJISA1100,JISA1200,Al−Mn系合金を用いても本例と同様の結果が得られる。
【0023】
<乾燥性評価試験>
上記素材(フィン材)をφ25mmの平底カップに加工し,その中に10g/m2となるように供試油を加えた後,100℃×5分加熱保持した前後の重量差を求め,乾燥後の残油量を測定した。
判定基準は,100℃×5分で乾燥後の残油量が0.1g/m2以下の場合を合格とした。そのうち,0.05g/m2超えの場合を○印で示し,0.05g/m2以下の場合を◎印とした。0.1g/m2超えの場合は不合格とし,×印とした。
【0024】
<加工性評価試験>
図1に示すごとく,ピンオンディスク試験装置5を用いて,アルミ粉凝着性及び摩擦係数を評価した。ピンオンディスク試験装置5は,ピン状の供試材59を固定する支持部51と,これに対面して回動可能に配設されたディスク部52とを有している。供試材59としては,上記フィン材と同材質で断面積が5mm2の棒状(ピン状)部材を用いた。また,ディスク部52にはSKDを使用した。そして,支持部51に付与した荷重Fは10kgf,回転半径(ディスク部52の中心から供試材59の中心までの距離)は15mm,回転数30rpm,測定時間20min,常温の条件にて測定した。
【0025】
判定基準は,アルミ粉凝着量の量によって,合格(◎,○),不合格(△,×)を判断した。アルミ粉凝着量が0.0002mg/m以下の場合を◎で示し,0.0002mg/m超え0.0004mg/m以下の場合を○で示した。また,0.0004mg/m超え0.0006mg/m以下の場合を△,0.0006mg/m超えの場合を×とした。
また,摩擦係数は,0.2以下の場合を合格とした。
【0026】
<銅管蟻の巣腐食性評価試験>
実施例または比較例の供試油6mLと蒸留水50mL,銅粉1gを100mLビーカー中に加え,90℃の恒温乾燥機中で48時間加熱した。冷却後,水層の約2mLを抜き取り,水層に溶出している有機酸イオン濃度をイオンクロマトグラフ法により分析した。分析元素は,ギ酸イオン,酢酸イオン,プロピオン酸イオン,酪酸イオンとした。
判定基準は,水層への溶出量が,5ppm(mg/L)以下の場合を合格とし,◎印とした。5ppm(mg/L)超えの場合は不合格とし,×印とした。
【0027】
<油残存性>
上記素材表面へ供試油を滴下し,素材表面と油滴間で形成される接触角を測定し,評価した。
判定基準は,接触角が35°以下の場合に合格とし,◎印とした。35°超えの場合に不合格とし,×印とした。
【0028】
<臭気性評価試験>
各供試油について,無差別に選定した10人に臭気を嗅がせて臭気無し,臭気有りの判定をしてもらい,人数により評価した。◎○印を合格とした。
判定基準は,◎=臭気無し10人の場合,臭気無し9人以下5人以上,△=臭気無し4人以下1人以上,×=臭気無し0人とし,人数が多いほど良好とした。
【0029】
<手荒れ性評価試験>
各供試油について,無差別に選定した10人に素手で触らせて,かゆみ等の違和感無し,違和感有りの判定をしてもらい,人数により評価した。◎○印を合格とした。
判定基準:◎=違和感無し10人,○=違和感無し9人以下5人以上,△=違和感無し4人以下1人以上,×=違和感無し0人とし,人数が多いほど良好とした。
【0030】
<作業性(凝固点)>
各供試油について,低温用DTA装置によりDTA曲線を求めて凝固点を測定し,20℃以下であれば合格とした。そのうち,20℃以下10℃超えの場合を○印,10℃以下の場合を◎とした。20℃超えの場合は不合格とし×印とした。
【0031】
【表2】
【0032】
表2より知られるごとく,比較例C1〜C11の供試油は,少なくとも一つの評価項目が不合格となったが,実施例E1〜E11の供試油は,全ての評価項目において合格する優れたものであることがわかった。
【0033】
次に,本例では,表3に示すごとく,上記一般式におけるR1の炭素数を7〜17の範囲で変更した4種類の添加剤を用いたフィンプレス用潤滑剤を作成し,これを供試油として上述した加工性試験をピンオンディスク試験装置5を用いてアルミ粉凝着量,摩擦係数μを求めると共に,DTA曲線を求めて凝固点を測定した。なお,各供試材の基油はイソパラフィンを用い,添加剤の含有量は3重量%とした。また,添加剤のR2の炭素数は1とした。また,40℃における動粘度は1.5cStとした。なお,40℃における動粘度は,キャノン−フェンスケ粘度計を用いて,JIS K2283(1983)に準拠して測定した。
【0034】
【表3】
【0035】
試験結果を上記表3および図2に示す。同図は,横軸にR1の炭素数を,左縦軸にアルミ粉の凝着量を,右縦軸を作業性(凝固点)を取り,アルミ粉凝着量をA,摩擦係数をB,凝固点をCとしてプロットした。また,図中には,アルミ粉凝着量の合格最低ラインである0.0004mg/mの線a,摩擦係数μの合格最低ラインである0.2の線bを示した。
【0036】
表3および図2より知られるごとく,R1の炭素数が7〜17の場合には,全ての範囲において合格したが,特に,R1の炭素数が9〜13の場合には,上記全ての評価項目が最適の範囲に位置することがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,ピンオンディスク試験装置の構成を示す説明図。
【図2】実施例における,R1の炭素数と,アルミ粉凝着量,摩擦係数および作業性との相関関係を示す説明図。
【図3】従来例における,フィン材のドロー・しごき併用方式の加工方法を示す説明図。
【符号の説明】
5...ピンオンディスク試験装置,
59...供試材,
Claims (3)
- アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材をプレス加工する際に用いられるフィンプレス用潤滑剤において,
ノンアロマ鉱油または/およびイソパラフィンよりなる基油と,
一般式R1−COO−R2(ただし,R1は炭素数7〜17のアルキル基,R2は炭素数1〜4のアルキル基)により示される脂肪酸エステルよりなる添加剤とを含有してなり,
上記添加剤と上記基油の合計量に対する上記添加剤の割合が1〜10重量%であり,
かつ,上記フィンプレス用潤滑剤の粘度は,温度40℃における動粘度が1.1〜3.5cStであることを特徴とするフィンプレス用潤滑剤。 - アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材をプレス加工する際に用いられるフィンプレス用潤滑剤において,
ノンアロマ鉱油または/およびイソパラフィンよりなる基油と,
カプリル酸メチル,カプリル酸エチル,カプリル酸プロピル,カプリル酸ブチル,ペラルゴン酸メチル,ペラルゴン酸エチル,ペラルゴン酸プロピル,ペラルゴン酸ブチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,カプリン酸プロピル,カプリン酸ブチル,ラウリン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピル,ラウリン酸ブチル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリスチン酸プロピル,ミリスチン酸ブチル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エチル,パルミチン酸プロピル,パルミチン酸ブチル,ステアリン酸メチル,ステアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,ステアリン酸ブチル,オレイン酸メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,オレイン酸ブチルのいずれかの脂肪酸エステルよりなる添加剤とを含有してなり,
上記添加剤と上記基油の合計量に対する上記添加剤の割合が1〜10重量%であり,
かつ,上記フィンプレス用潤滑剤の粘度は,温度40℃における動粘度が1.1〜3.5cStであることを特徴とするフィンプレス用潤滑剤。 - 請求項1又は2において,上記フィンプレス用潤滑剤の沸点は,150〜300℃であることを特徴とするフィンプレス用潤滑剤。
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