JP3802861B2 - 触媒カバー保持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車用エンジンの排気ポートに接続される排気系に介在される、触媒コンバータ本体の触媒ケースを覆う触媒カバーの保持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車用エンジンの排気系には、そこを流れる排気中のHC、CO2 ,NOxなどの有害成分を浄化するために、触媒コンバータ本体が接続される(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−491428号公報
また、前記触媒コンバータ本体は、
1) 有害成分の反応浄化熱により高温に加熱されるため、その周囲が熱による影響をうけない、たとえば枯れ草の着火防止のために遮熱する。
【0004】
2) 触媒コンバータの活性化促進のため排ガスの温度低下を防止すべく保温する。
【0005】
3) 飛沫、飛石などの障害物との干渉を防止するためプロテクトする。
【0006】
4) 触媒コンバータの外観上の体裁を良くする。
【0007】
などの対策を講じる必要があり、かかる対策として、触媒コンバータ本体の外周全域を触媒カバーにより被覆するようにしたものも既に知られている(図8参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの運転により発生した排気は、排気脈動を伴いながら排気系へと流れ、その排気脈動は、排気系に接続される触媒コンバータにも伝達され、排気の速度エネルギと、その圧力とが、触媒コンバータ本体から触媒カバーにも伝達され、その触媒カバーの内表面を加振して、その触媒カバーに主として高周波振動に基づく表面振動を発生させ、これが触媒カバーから放射音となって発散し、その周囲の空気を振動させて、騒音の原因になるという問題がある。
【0009】
そこで、かかる問題を解決すべく、図8に示すように、触媒コンバータの触媒ケースに、ケースブラケットを固定し、このケースブラケットと、触媒カバーとの間にステンレスメッシュ材よりなる振動吸収部材を介在させ、この振動吸収部材の圧縮方向の弾性力を利用して触媒ケースから触媒カバーへの高周波振動の伝達の低減を図るようにした振動低減手段が従来より提案されているが、かかる手段によっても充分な振動低減効果がえられず、前記問題の解決には至っていない。
【0010】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、触媒コンバータと、触媒カバーとの間に設けられる摩擦保持手段の摺動摩擦力により、排気の主として高周波振動の触媒コンバータから触媒カバーへの伝達を可及的に減衰して前記放射音の発生を大幅に低減し、前記問題を解決できるようにした、新規な触媒カバー保持構造を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本請求項1記載の発明は、エンジンの排気ポートに接続されて、車体フレーム1に支持される排気系に介在され、該排気系内を流れる排気の有害成分を浄化する触媒コンバータ本体を覆う触媒カバーの保持構造であって、
前記触媒コンバータ本体の触媒ケースと、触媒カバーとの間に摩擦保持手段を設け、その摩擦保持手段は、触媒ケースと触媒カバーとの間に鉛直方向の摺動摩擦力を生じさせ、この摺動摩擦力により触媒カバーを触媒ケースに保持し、触媒コンバータ本体から触媒カバーへの振動伝達を低減できるようにしたことを特徴としており、かかる特徴によれば、触媒コンバータ本体の触媒ケースから触媒カバーに伝達される、振動、主として高周波振動を、摩擦保持手段による鉛直方向の摺動摩擦により効果的に低減して触媒カバーから発散する放射音を大幅に低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
本実施例は、本発明を多気筒エンジンを備えた自動車に実施した場合であり、 図1は、本発明保持構造を備えた、エンジンの排気系の側面図、図2は、図1の2矢視部分の拡大斜視図、図3は、図2の3−3線に沿う拡大断面図、図4は、図2の4−4線に沿う断面図、図5は、図2の5−5線に沿う拡大断面図、図6は、弾性保持手段の分解斜視図、図7は、エンジンの回転数に対する触媒カバーの放射音の変化を示すグラフである。
【0014】
図1において、自動車の車体フレーム1上には、前後のエンジンマウント2,3を介して、その自動車の走行用の多気筒エンジンEが横置き(そのクランク軸4が、自動車の前後方向と直交する方向)に搭載されている。このエンジンEは、四サイクルの直列式であって、複数のシリンダが並列されたシリンダブロック5と、その上に結合されるシリンダヘッド6と、そのシリンダヘッド6の上面を被覆するヘッドカバー7と、シリンダブロック5のクランクケース部の下面に結合されるオイルパン8とを備えている。
【0015】
エンジンEは、その重心Gを通ってクランク軸4と平行な振動回転軸、すなわちローリング軸L−Lを有し、自動車の走行時には、そのローリング軸L−Lをローリングセンタとして前後にローリング変位する。
【0016】
エンジンEの前側(図1の左側)には、複数の吸気ポート11が並列して開口され、これらの吸気ポート11に、吸気系Inが接続され、また、エンジンEの後側(図1の右側)には、複数の排気ポート12が並列して開口され、これらの排気ポート12に排気系Exが接続される。
【0017】
前記排気系Exは、前記排気ポート12に上流端が一体に接続されるエキゾーストマニホールド14と、その下流端に接続される排気管15とを備えている。排気管15は、上流側の第1の排気管部16と、下流側の第2の排気管部17とを備えており、エキゾーストマニホールド14と第1の排気管部16との間に、球面継手18が介在され、また、第1の排気管部16と第2の排気管部17との間には、フレキシブルチューブ19が介在され、さらに、第2の排気管部17の途中には、本発明にかかる触媒カバー保持構造を備えた触媒コンバータCAが接続され、さらに、この触媒コンバータCAの下流側には、図示しない消音器が接続されている。
【0018】
ところで、この排気系Exは、前記球面継手18とフレキシブルチューブ19とが併設され、自動車の走行、特にその急発進、急加速、急減速などの走行により、エンジンEが大きくローリング振動すなわちローリング変位した際に、この変位を効果的に吸収して、エンジンEのローリング変位に起因する車両振動を可及的に低減することができるように構成されている。
【0019】
エキゾーストマニホールド14の、複数の分配管14aは、それらの上流端がエンジンEの各排気ポート12にそれぞれ接続されてエルボ状に湾曲され、下流側に向かって漸次集合しつつ、前記エンジンEの後面に隣接して下向きに延びており、それらの下流側端部が下向きに開口して、その下流側端部は、一つの排気集合部14bに一体に接続されている。そして、この排気集合部14bは、エンジンEの後面に近いところで、前記球面継手18を介して前記第1の排気管部16の上流端に接続される。
【0020】
前記球面継手18は、一方の継手半体を構成する第1の接続フランジ18aと、他方の継手半体を構成する第2の接続フランジ18bと、それら両フランジ18a,18b間に気密に挟持される球面ガスケット18cとを備えている。第1、第2の接続フランジ18a,18b外周部は複数のボルト・ナット48により圧力コイルバネ49を介して弾発的に連結されている。
【0021】
前記球面継手18の、エキゾーストマニホールド14に接続される側の、一方の継手半体、すなわち第1の接続フランジ18aには、ステー29が固定され、このステー29は、エンジンEの後面に向かって前方に延びており、その先端の屈曲取付部が、エンジンEのシリンダブロック5の後面に固定されている。したがって、エンジンEが、ローリング軸L−L回りにローリング変位するときには、この一方の継手半体18aに対して球面ガスケット18cを介して他方の継手半体18bが回転変位する。
【0022】
前述のように、上流端が前記球面継手18に接続される第1の排気管部16は、エンジンE側に向かって凸に湾曲する湾曲部を有して、その上流側半部16aがエンジンEに対して下向きに延び、また、その下流側半部16bがエンジンEに対して後方に延びており、側面視でエルボ状に形成されている。そして、第1の排気管部16の、後方に向けて開放される下流端には、前記フレキシブルチューブ19の前端が連通接続されている。このフレキシブルチューブ19は、前後方向に延長されており、前後方向に伸縮可能であって、エンジンEのローリング変位のうち、主として前後方向の成分を吸収する。
【0023】
なお、前記フレキシブルチューブ19は、従来公知のものが採用されるので、その詳細な説明を省略する。
【0024】
前記フレキシブルチューブ19の下流端は、排気管15の、前記第2の排気管部17の上流端に一体に結合され、第1の排気管部16と、第2の排気管部17とは、前記フレキシブルチューブ19を介して連通される。
【0025】
第2の排気管部17は、自動車の前後方向に略水平に延長されており、その途中には、触媒コンバータCAが接続され、さらに、第2の排気管部17の下流端には、図示しない消音器を介して大気に開口するテールパイプが連通接続される。
【0026】
第2の排気管部17は、弾性支持手段Sを介して車体フレーム1に支持されており、排気系Exに作用する振動は、前記弾性支持手段Sによっても減衰されて、車体への伝達が軽減される。
【0027】
つぎに、図2〜5を参照して、触媒コンバータCAにおいて、触媒コンバータ本体20と、その外周を被覆する触媒カバー30およびそれら間を保持する保持構造について説明する。
【0028】
触媒コンバータ本体20の触媒ケース21は、円筒状の筒状部21aと、その排気導入側のインレットコーン部21bと、排気排出側のアウトレットコーン部21cとを一体に形成してなり、図4に示すように、インレットコーン部21bの端部には、多角板状の上流側接続フランジ22が溶接され、また図2、5に示すようにアウトレットコーン部21cの端部には、ジョイントパイプ23を介して多角板状の下流側接続フランジ24が溶接されている。これらの接続フランジ22,24には、第2の排気管17の上流側17aおよび下流側17bの接続フランジがそれぞれ複数の連結ボルト25,26を以て一体に連結されている。
【0029】
前記触媒ケース21内には、通常のように、触媒を担持する柱状の担体27が保持マット28を介して担持されるが、この触媒ケース21内の担体27の担持構造は、従来公知のものと同じであるので、その詳細な説明を省略する。
【0030】
触媒コンバータ本体20の触媒ケース21の外周面は、間隙(約5mm)を存してその略全域が触媒カバー30により覆われる。この触媒カバー30は、アッパケース31と、ロアケース32とを一体に結合して触媒ケース21の外形に倣う形状に密閉状に形成されており、筒状部30aと、前後に一体に続く前、後部のコーン部30b,30cとよりなる。前記筒状部30aには、その長手方向に間隔をあけて複数条の補強リブ33が周方向に一体に形成される。アッパケース31とロアケース32の長手方向の両側縁には、それぞれ帯状の、上、下部接合フランジ31a,32aが外方に向けて略水平に一体に張り出しており、これらの接合フランジ31a,32aを、溶接などにより気密に接合することにより、密閉状の触媒カバー30が形成される。
【0031】
アッパケース31とロアケース32とを一体に結合してなる触媒カバー30の前、後端の左右コーナー部には、対をなす前、後部カバーステー35,36が、それぞれ固定される。これらのカバーステー35,36は、同じ構造であるが、触媒カバー30への固定位置の位相が相互に略90°ずれている。
【0032】
前、後部カバーステー35,36はいずれも短冊状の金属板をL状に屈曲してアングル状に形成されて水平部35a,36aと起立部35b,36bとを有し、それらにはそれぞれボルト孔が穿設される。
【0033】
図2,3に示すように、触媒カバー30の前端左右には、その上部および下部接合フランジ31a,32a間に、前部カバーステー35の水平部35aが挟持され、ロアケース32の接合フランジ32aおよび前部カバーステー35の水平部35aのボルト孔を、その下側から貫通した結合ボルト38をアッパケース31の接合フランジ31aに溶接したウエルドナット39に螺締することにより、触媒カバー30の前端左右に、左右一対の前部カバーステー35の水平部35aが固定され、また、図2,5に示すように、触媒カバー30の後端左右には、その上部および下部接合フランジ31a,32a間に、後部カバーステー36の水平部36aが挟持され、ロアケース32の接合フランジ32aおよび後部カバーステー36の水平部36aのボルト孔を、その下側から貫通した結合ボルト41をアッパケース31に溶接したウエルドナット42に螺締することにより、触媒カバー30の後端左右に、左右一対の後部カバーステー36の水平部36aが固定される。
【0034】
図2,3に示すように、触媒ケース21の前端の左右の前部カバーステー35の相対向する起立部35bの面には、後述する摩擦保持手段HFを介して前部ケースブラケット44の両端がフローティング状態で保持される。図2に示すように、前部ケースブラケット44は、断面アングル状のフレーム部材により構成されて触媒カバー30の前部上方を横切るように左右方向に延びており、その前面に、触媒ケース21の前端に固定される、前記上流側接続フランジ22が溶接されている。
【0035】
また、図2,5に示すように、触媒ケース21の後端の左右の後部カバーステー36の前方を向く起立部36bの面には、後述する摩擦保持手段HFを介して後部ケースブラケット46の両端がフローティング状態で保持される。図2に示すように、後部ケースブラケット46は、板部材を屈曲してなるフレーム部材により構成されて触媒カバー30の後部上方を横切るように左右方向に延びており、その中間部が、触媒ケース21の後端に固定される、前記ジョイントパイプ23に溶接されている。
【0036】
したがって、触媒カバー30の前端および後端の左右コーナー部すなわち四隅は、そこに固定される前、後カバーステー35,36、および後述する摩擦保持手段HFを介して、触媒コンバータ本体20の触媒ケース21の前後部に一体に設けられる前部および後部ケースブラケット44,46にフローティング状態で支持される。
【0037】
つぎに、主に図6を参照して本発明にしたがう前記摩擦保持手段HFを説明すると、この摩擦保持手段HFは、一対の摺動摩擦部材50,51と、それらの摺動摩擦部材50,51を圧縮することなく支持するフランジ付のディスタンスカラー52と、それらを貫通するボルト53と、そこに螺合されるナット54とより構成される。前記一対の摺動摩擦部材50,51は、それぞれ金属メッシュとしてのステンレスメッシュ材を圧縮成形してグロメット状に形成されており、それらの摺動摩擦面は上下方向、すなわち鉛直方を向いてそれらの内面が相互に対面しており、それらの間に前記前部あるいは後部カバーステー35,36の起立部35b,36bの面が挟持される。前記フランジ付のディスタンスカラー52は、一端に一方のフランジ部52bを一体に形成した軸部52aの他端に他方のフランジ部52cをカシメ固定して構成され、このディスタンスカラー52の軸部52aは一対の摺動摩擦部材50,51を貫通し、またその両側のフランジ部52b,52cは一対の摺動摩擦部材50,51の外面に接触される。前記ボルト53は、前記ディスタンスカラー52を貫通してそのネジ部にナット54が螺締されるが、一対の摺動摩擦部材50,51は、圧縮されることなく、その弾性力により常に所定の摺動摩擦力が得られる。
【0038】
前記摩擦保持手段HFは、触媒カバー30側に固定される前部および後部カバーステー35,36の起立部35b,36bと、触媒コンバータの触媒ケース21側に固定される、前部および後部ケースブラケット44,46間に設けられる。すなわち、図3に示すように、触媒コンバータCAの前端左右では、前述したようにアッパケース31とロアケース32間に固定される前部カバーステー35の起立部35bが、ディスタンスカラー52の軸部52aを貫通した一対の摺動摩擦部材50,51の鉛直方向の摩擦面間に挟持され、また触媒ケース21側に固定される前部ケースブラケット44の一端面が、ディスタンスカラー52の一方のフランジ部52bの外面に接触され、ボルト53がディスタンスカラー52および前部ケースブラケット44のボルト孔を貫通し、該ボルト53にナット54を螺締することにより、触媒カバー30の前部は、触媒コンバータ本体20の触媒ケース21に、前記弾性保持手段HFを介してフローティング支持され、触媒ケース21に対して触媒カバー30が上下に変位するときは、それらは摩擦保持手段HFの一対の摺動摩擦部材50,51の摩擦面と起立部35b間の摺動摩擦力により鉛直方向の摺動摩擦抵抗を受ける。また、図5に示すように、触媒コンバータCAの後端左右では、アッパケース31とロアケース32間に固定される後部カバーステー36の起立部36bが、ディスタンスカラー52の軸部52aを貫通した一対の摺動摩擦部材50,51の鉛直方向の摩擦面間に挟持され、また触媒ケース21側に固定される後部ケースブラケット46の一端面が、ディスタンスカラー52のフランジ部52cの外面に接触され、ボルト53がディスタンスカラー52および前部ケースブラケット46のボルト孔を貫通して該ボルト53にナット54を螺締することにより、触媒カバー30の後部は、触媒コンバータ本体20の触媒ケース21に、前記弾性保持手段HFを介してフローティング支持され、触媒ケース21に対して触媒カバー30が鉛直方向に変位するときは、それらは摩擦保持手段HFの一対の摺動摩擦部材50,51の摩擦面と起立部36b間の摺動摩擦力により鉛直方向の摺動摩擦抵抗を受ける。
【0039】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0040】
いま、エンジンEの運転によれば、その排気ポート12より排出される排気は、エキゾーストマニホールド14、球面継手18、第1の排気管部16、フレキシブルチューブ19、第2の排気管部17の上流部、触媒コンバータ本体20、第2の排気管部17の下流部および図示しない消音器を通り、その間に、HC、COなどの有害成分が浄化され、さらに消音器により排気音が消音されて大気に放出される。
【0041】
ところで、エンジンEの運転により発生した排気は、排気脈動を伴いながら排気系Exへと流れ、その排気脈動は、排気系Exに接続される触媒コンバータ本体20へと伝達され、排気の速度エネルギと、その圧力とが、触媒コンバータ本体20から触媒カバー30にも伝達され、その触媒カバー30の内表面を加振して、その触媒カバー30に高周波振動に基づく表面振動を発生させ、これが触媒カバー30から放射音となって発散し、その周囲の空気を振動させるが、この実施例のものでは、その振動を摩擦保持手段HFの、ステンレスメッシュ材よりなる摺動摩擦部材50,51と、カバーステー35,36間の摺動摩擦抵抗を利用して触媒コンバータ本体20から触媒カバー30への振動伝達を大幅に低減することができる。
【0042】
しかして、振動吸収部材であるステンレスメッシュの圧縮方向の弾性力を利用して前記振動の伝達の低減を図るようにしたもの(図8参照)よりもステンレスメッシュ材よりなる摺動摩擦部材51,52とカバーステー35,36間の鉛直方向の摺動摩擦(クーロン摩擦)力で振動伝達の低減を図る方が、その振動伝達低減効果が大きく、しかもその良好な振動伝達低減効果をエンジンEの広範囲な回転数領域において得ることができる。
【0043】
図7には、図8に示す従来の触媒カバー30保持構造と、この実施例における触媒カバー30保持構造を使用した場合における、エンジンEの回転数(2000〜6000rpm)に対する、触媒カバー30からの放射音の音圧(dB)の変化割合を示した実験結果によるグラフが示されており、実線がこの実施例、点線が従来のものを示している。このグラフから明らかなように、この実施例のものは、従来のものに比べてエンジン回転数の広い運転域(2000〜6000rpm)に亘り、触媒カバー30からの放射音が低減していることがわかる。
【0044】
以上、本発明の1実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0045】
たとえば、前記実施例では、本発明にかかる触媒カバー保持構造を多気筒四サイクルエンジンに実施した場合を説明したが、これを他の型式のエンジンにも実施できることは勿論である。また、前記実施例では、摩擦保持手段の摺動摩擦部材としてステンレスメッシュ材を用いた場合を説明したが、これに代えて他の同効の摺動摩擦部材を用いてもよい。さらに、前記実施例では、触媒ケース側に摩擦保持手段を設け、触媒カバー側にカバーステーを設けているが、触媒カバー側に摩擦保持手段を設け、触媒ケース側にカバーステーを設けるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本請求項1記載の発明によれば、触媒カバーの保持構造において、触媒コンバータ本体の触媒ケースから触媒カバーに伝達される、振動、主として高周波振動を、摩擦保持手段による鉛直方向の摺動摩擦により効果的に低減して触媒カバーから発散する放射音を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明保持構造を備えた、エンジンの排気系の側面図
【図2】 図1の2矢視部分の拡大斜視図
【図3】 図2の3−3線に沿う拡大断面図
【図4】 図2の4−4線に沿う断面図
【図5】 図2の5−5線に沿う拡大断面図
【図6】 摩擦保持手段の分解斜視図
【図7】 エンジンの回転数に対する触媒カバーの放射音の変化を示すグラフ
【図8】 従来の触媒コンバータ本体の触媒ケースと触媒カバーとの保持部の断面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・車体フレーム
12・・・・・・・・・排気ポート
20・・・・・・・・・触媒コンバータ本体
21・・・・・・・・・触媒ケース
30・・・・・・・・・触媒カバー
E・・・・・・・・・・エンジン
Ex・・・・・・・・・排気系
HF・・・・・・・・・摩擦保持手段

Claims (1)

  1. エンジン(E)の排気ポート(12)に接続されて、車体フレーム1に支持される排気系(Ex)に介在され、該排気系(Ex)内を流れる排気の有害成分を浄化する触媒コンバータ本体(20)を覆う触媒カバーの保持構造であって、
    前記触媒コンバータ本体(20)の触媒ケース(21)と、触媒カバー(30)との間に摩擦保持手段(HF)を設け、その摩擦保持手段(HF)は、触媒ケース(21)と触媒カバー(30)との間に鉛直方向の摺動摩擦力を生じさせ、この摺動摩擦力により触媒カバー(30)を触媒ケース(21)に保持し、触媒コンバータ本体(20)から触媒カバー(30)への振動伝達を低減できるようにしたことを特徴とする、触媒コンバータの触媒カバー保持構造。
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