JP3799595B2 - ハイブリッド車の走行データ解析装置および解析方法 - Google Patents

ハイブリッド車の走行データ解析装置および解析方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、内燃機関および電動モータを備えたハイブリッド車の走行時における不具合部位を特定するのに用いられるハイブリッド車の走行データ解析装置および解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハイブリッド車の走行データは、接触式あるいは非接触式の速度計やエンジン回転計やブースト計などの測定器および回転センサ(振動センサ)などの各種センサをセットして、データレコーダにより測定するようにしており、車両毎の走行データのばらつきの確認や不具合部位の特定といった解析作業は、走行データ取得後に作業者が表計算ソフトを用いて行うようになっている。
【0003】
とくに、音振の不具合部位の特定には、エンジンやタイヤなどの振動源の1次振動成分(回転成分)と測定ポイントの振動とを回転次数比分析し、この回転次数比分析を複数の振動源に対して順次行っていく方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来にあっては、多数の測定器やセンサをセットする必要があり、その分だけ、多くの手間隙がかかってしまうこと、同時に多くのデータ解析を行なうことができないため、解析工数が非常に大きくなってしまうこと、走行時に内燃機関および電動モータが相互に関連して作動するハイブリッド車の複雑なデータを解析してなされる不具合部位の特定を最終的には作業者が行っている都合上、精度が高いとはいえないこと、といった問題を有しており、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、解析工数の飛躍的な低減を実現したうえで、多くの手間隙を必要とすることなく、誰でもが極めて簡単に不具合部位を特定することが可能であるハイブリッド車の走行データ解析装置および解析方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置は、ハイブリッド車に搭載された複数のコントロールユニットをつなげて形成される車両内ネットワークと車両診断コネクタを介して接続するプロトコル変換機と、マンマシンインターフェースとしてのキーボードと、表示部と、車両に設置したセンサからの外部アナログ信号を取り込んでデジタル変換するA/D変換インターフェイスと、プロトコル変換機を介してリアルタイムで得られる多数の走行データおよび A/D 変換インターフェイスに取り込んでデジタル変換したセンサからの外部アナログ信号の解析を行って、車内における車両騒音がピークないしその近傍に達する時点の振動源の回転数に基づいて音振不具合部位を特定する中央演算処理部と、走行データを1次保管する記憶部を備えている構成としており、このハイブリッド車の走行データ解析装置の構成を従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
本発明の請求項2に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置は、ローカルエリアネットワーク上に位置するデータベース装置に自己の記憶部に格納した走行データおよび解析結果を格納可能とし、ローカルネットワークの端末を通してデータベース装置に入力された複数の車両の走行データおよび解析結果と自己の走行データおよび解析結果とを用いて演算する自己学習機能を有していると共に、この自己学習で得た学習データをローカルネットワークの端末に接続される他の走行データ解析装置に自動的に送る送信機能を有している構成としている。
【0008】
一方、本発明の請求項3に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法は、ハイブリッド車に搭載された複数のコントロールユニットをつなげて形成される車両内ネットワークに、車両診断コネクタを介して請求項1に記載の走行データ解析装置のプロトコル変換機を接続して同時通信を行うことで車両のすべての走行データをリアルタイムで測定し、これと同時に、車両にセットしたセンサからの外部アナログ信号を前記走行データ解析装置のA/D変換インターフェイスに取り込んで、中央演算処理部においてすべての走行データおよび外部アナログ信号の解析を行って、車内における車両騒音がピークないしその近傍に達する時点の振動源の回転数に基づいて音振不具合部位を特定する構成としており、このハイブリッド車の走行データ解析方法の構成を従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
本発明の請求項4にハイブリッド車の走行データ解析方法は、ハイブリッド車に搭載された複数のコントロールユニットをつなげて形成される車両内ネットワークに、車両診断コネクタを介して請求項1に記載の走行データ解析装置のプロトコル変換機を接続して同時通信を行うことで車両におけるすべての振動源の回転数をリアルタイムで測定し、これと同時に、車両にセットした騒音検知センサからの外部アナログ信号を前記走行データ解析装置のA/D変換インターフェイスに取り込んで、中央演算処理部においてすべての振動源で得られた回転成分から回転次数比分析を行って、音振不具合部位を特定する構成としており、このハイブリッド車の走行データ解析方法の構成を従来の課題を解決するための手段としている。
【0010】
本発明の請求項5に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法は、ローカルエリアネットワーク上に位置するデータベース装置に請求項2に記載の走行データ解析装置を接続して自己の記憶部に格納した走行データおよび解析結果を格納し、自己の走行データおよび解析結果に加えてローカルネットワークの端末を通してデータベース装置に入力された複数の車両の走行データおよび解析結果を用いて演算を行うと共に、この演算で得た学習データをローカルネットワークの端末に接続される他の走行データ解析装置に自動送信する構成としている。
【0011】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置では、上記した構成としたから、ハイブリッド車の車両内ネットワークに車両診断コネクタを介して接続するだけで、多数の走行データの測定がリアルタイムでなされると共に、不具合部位の特定およびその内容の表示が自動でなされることとなり、その結果、測定準備や測定にかかる手間隙およびデータ解析の工数が格段に低減されることとなり、加えて、精度の高い不具合部位の特定が誰にでも容易になされることとなる。
【0012】
とくに、音振不具合部位を特定する場合には、この走行データ解析装置のプロトコル変換機をハイブリッド車の車両内ネットワークに接続するのに加えて、車内に振動センサあるいは音センサのみをセットしてA/D変換インターフェイスを接続すれば、測定用付帯機器のセットや車外へのセンサの配索を必要とすることなく、すべての振動源で得られた回転成分に基づいて回転次数比分析がなされることとなり、したがって、車内における車両騒音がピークないしその近傍に達する時点の振動源の回転数に基づいて音振不具合部位が認識されることとなって、従来困難を極めた音振不具合部位の特定が誰にでも容易になされることとなる。
【0013】
本発明の請求項2に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置において、上記した構成としているので、ローカルエリアネットワーク上に位置するデータベース装置に接続すると、自己の走行データおよび解析結果に加えてローカルネットワークの端末を通してデータベース装置に入力された複数の車両の走行データおよび解析結果を用いた演算をなし得ることとなり、ハイブリッド車毎の特性のばらつきや不具合の解析が容易になされることとなる。
【0014】
また、このような自己学習機能を有していることにより、解析のために走行を繰り返す必要がないばかりか、解析を経験するほど自動による解析時間が短くなって、解析工数のより一層の低減が図られることとなる。
【0015】
加えて、送信機能を有しているので、ローカルネットワークの端末に接続される解析を経験していない他の走行データ解析装置に自己学習で得た学習データを送れば、ローカルネットワークで結ばれる他の部署とのデータの共有化が図られるうえ、他の部署においても解析工数が格段に低減することとなる。
【0016】
一方、本発明の請求項3に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法では、上記した構成としていることから、多数の測定器やセンサをセットする必要がなくなる分だけ測定準備や測定にかかる手間隙が少なくて済み、同時に多くのデータ解析を行い得る分だけデータ解析の工数が格段に低減され、加えて、精度の高い音振不具合部位の特定が誰にでも容易になされることとなる。
【0017】
本発明の請求項4に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法では、上記した構成としたから、音振不具合部位の特定およびその内容の表示が自動でなされることとなり、従来極めて困難であった音振不具合部位の特定が誰にでも簡単になされることとなる。
【0018】
本発明の請求項5に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法では、上記した構成としているので、ハイブリッド車毎の特性のばらつきや不具合の解析が容易になされるうえ、解析のための実走行を繰り返して行う必要がないと共に解析を繰り返すほど自動解析の時間が短くなって、解析工数のより一層の低減が図られることとなり、加えて、ローカルネットワークの端末に接続される解析を経験していない他の走行データ解析装置とのデータの共有化を実現し得ると共に、他の走行データ解析装置における解析工数の低減も図られることとなる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置では、上記した構成としているので、測定準備や測定にかかる手間隙およびデータ解析の工数を大幅に低減することができるうえ、測定経験の多い少ないにかかわらず誰でもが簡単に精度の高い音振不具合部位の特定をも行うことが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0020】
本発明の請求項2に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置において、上記した構成としていることから、ハイブリッド車毎の特性のばらつきや不具合の解析を簡単に行うことができると共に、解析工数のより一層の低減を実現でき、加えて、ローカルネットワークで結ばれる他の部署とのデータの共有化が実現可能であるうえ、他の部署の解析工数をも大幅に低減させることができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0021】
一方、本発明の請求項3に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法では、上記した構成としていることから、測定準備や測定にかかる手間隙を少なく抑えることができると共に、データ解析に要する工数を大幅に減らすことが可能であり、加えて、精度の高い音振不具合部位の特定を誰でもが簡単に行うことができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0022】
本発明の請求項4に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法では、上記した構成としたため、音振不具合部位の特定およびその内容表示を自動的に行うことができ、したがって、従来極めて困難であった音振不具合部位の特定を誰でもが簡単に行うことが可能になるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0023】
本発明の請求項5に係わるハイブリッド車の走行データ解析方法において、上記した構成としていることから、ハイブリッド車毎の特性のばらつきや不具合の解析を簡単に行うことができると共に、解析工数のより一層の低減を実現することが可能になり、加えて、ローカルネットワークの端末に接続される他の走行データ解析装置とのデータの共有化を実現することができると共に、他の走行データ解析装置における解析工数の低減をも実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1ないし図7は本発明の一実施例に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置および解析方法を説明する図である。
【0026】
図1に示すように、ハイブリッド車1には、エンジン3と、CVT4と、第1モータ5と、第2モータ6と、第3モータ7が搭載されていると共に、ハイブリッドコントロールマネージメントシステム(HCM)12, エンジンコントロールマネージメントシステム (EMC)13, CVTコントロールユニット14,第1モータコントロールユニット15, 第2モータコントロールユニット16および第3モータコントロールユニット17をつなげて形成される車両内ネットワーク10が搭載されており、エンジンコントロールマネージメントシステム13およびコントロールユニット14,15,16,17の各コントローラ13a,14a,15a,16a,17aには、エンジンやモータの回転数を測定するセンサ13b,14b,15b,16b,17bがそれぞれ接続されている。
【0027】
このハイブリッド車1の走行データを測定して解析する解析装置20は、車両内ネットワーク10と車両診断コネクタ21を介して接続するプロトコル変換機22と、マンマシンインターフェースとしてのキーボード23と、表示部24と、車両に設置したマイク(センサ)25からの外部アナログ信号を取り込んでデジタル変換するA/D変換インターフェイス26と、プロトコル変換機22およびA/D変換インターフェイス26を介してリアルタイムで得られる多数の走行データを処理して判断する中央演算処理部27と、走行データおよび解析結果を1次保管する記憶部28と、ローカルエリアネットワークLANと接続するLANインターフェイス29を備えており、走行データは、10msecのサンプリング周期で取得するようになっている。
【0028】
ローカルエリアネットワークLAN上には、LANインターフェイス31,中央演算処理部32および記憶部33を具備したデータベース装置30が設置してあり、ローカルエリアネットワークLANの複数の端末には、上記解析装置20と同一構成の解析装置20Aやデータの閲覧,入力を行う閲覧・入力装置20Bが複数接続してある。
【0029】
この場合、解析装置20は、自己の記憶部28に格納した走行データおよび解析結果をデータベース装置30に格納可能としていて、ローカルエリアネットワークLANの端末を通してデータベース装置30に入力されている複数の車両の走行データおよび解析結果と自己の走行データおよび解析結果とを用いて演算する自己学習機能を有していると共に、この自己学習で得た学習データをローカルエリアネットワークLANの端末に接続される他の走行データ解析装置20Aに自動的に送る送信機能を有している。
【0030】
次に、上記解析装置20を用いて音振不具合部位を特定する要領を説明する。この際、図7に示すように、モータ5,6,7の各ステータ8がそれぞれ24個のコイルスロットル8aを有していて、第2モータ6のロータ9とステータ8との近接部分で騒音が生じている場合、すなわち、回転24次成分の騒音が生じている場合を例に挙げて説明する。
【0031】
まず、車両診断コネクタ21を介してハイブリッド車1の車両内ネットワーク10に解析装置20のプロトコル変換機22を接続すると共に、車両に設置したマイク25にA/D変換インターフェイス26を接続する。
【0032】
この状態で、車両の走行を開始すると共に、解析装置20では、図2に示すように、ステップS1において測定をスタートし、ステップS2においてエンジン3およびモータ5,6,7の各音圧しきい値Da,Db,Dc,Ddのセットを行うのに続いて、ステップS3において走行データおよび騒音データの取り込みを行う。
【0033】
そして、最も騒音が気に障ると検査員が判断した段階(例えば、速度が約40km/hの段階)において、キーボード23によりデータ上にフラグを入力(ステップS4)すると、ステップS6においてステップS5で得たエンジン3およびモータ5,6,7の各回転数をベースにした周波数分析が実施され、ステップS7およびステップS8における中央演算処理部27の自動演算により、図6に示すように、最大ピーク周波数f1=1669Hz(64dB)および2番目ピーク周波数f2=3338Hz(56dB)が存在することが認識される。
【0034】
このとき、図5に示すように、第2モータ6が4172rpmで回転しており、図3のステップS15およびステップS18の中央演算処理部27による下記計算により、
4172 rpm/60sec×24次=1668.8Hz、4172 rpm/60sec×48次=3337.6Hz
第2モータ6の回転24次成分および回転48次成分による騒音であることが認識される。
【0035】
これにより、第2モータ6が振動源であると判断し、ステップS7およびステップS8で得た音圧レベルs1,s2とステップS2でセットした音圧しきい値Dbとの比較をステップS16およびステップS19でそれぞれ行って、音圧レベルs1,s2が音圧しきい値Dbを越えた場合には、ステップS17およびステップS20において第2モータ6が音振不具合部位であると特定し、さらに、24×n次成分による騒音であることから、表示部24において騒音が第2モータ6のロータ9とステータ8との間の磁気音であると表示する。
【0036】
この間、中央演算処理部27により、図2に示すステップ9からステップ14,図3に示すステップ21からステップ26および図4に示すステップ27からステップ32において、第1モータ5,第3モータ7およびエンジン3についての周波数分析がなされており、すなわち、すべての回転成分についての周波数分析がなされており、ステップS2の音圧しきい値Da,Dc,Ddに基づいて、第1モータ5,第3モータ7およびエンジン3のいずれかに音振不具合があると判断された場合には、その部位が自動的に表示部24に表示される。
【0037】
この解析装置20において、上記測定で得た走行データおよび解析結果は、その自己学習機能により記憶部28に一次保管され、これ以後、同一条件下において音振不具合の発生を検知すると、上記複雑な周波数分析による演算を行わずに一次保管した特定結果を表示する。
【0038】
この際、解析装置20は、その送信機能により上記測定で得た走行データおよび解析結果をローカルエリアネットワークLAN上のデータベース装置30の記憶部33にも自動で転送して一次保管し、ローカルエリアネットワークLANのデータベース装置30に入力されている複数の車両の走行データおよび解析結果と自己の走行データおよび解析結果とを比較して、不足しているデータを自己の記憶部28に自動的に読み込み、一方、ローカルエリアネットワークLANの端末に他の走行データ解析装置20Aが接続された場合には、他の走行データ解析装置20Aの記憶部28内の学習データと、この走行データ解析装置20の記憶部28内の学習データとを比較して、その差を他の走行データ解析装置20Aの記憶部28に自動的に送って書き込む。
【0039】
つまり、ローカルエリアネットワークLANの端末に接続されるすべての解析装置20が同一の学習条件で運用されることとなる。
【0040】
したがって、上記解析装置20を用いた走行データ解析方法では、ハイブリッド車1の車両内ネットワーク10に車両診断コネクタ21を介して解析装置20のプロトコル変換機22を接続すると共に、車内にセットしたマイク25にA/D変換インターフェイス26を接続すれば、多数の走行データの測定がリアルタイムでなされると共に、測定用付帯機器のセットや車外へのセンサの配索を必要とすることなく、すべての振動源で得られた回転成分に基づいて回転次数比分析がなされることとなって、音振不具合部位の特定および表示部24を介しての不具合内容の表示が自動でなされることとなる。
【0041】
すなわち、測定準備や測定にかかる手間隙およびデータ解析の工数が格段に低減されるのに加えて、従来困難を極めた音振不具合部位の精度の高い特定が誰にでも容易になされることとなる。
【0042】
また、上記走行データ解析装置20をローカルエリアネットワークLAN上に位置するデータベース装置30に接続すると、自己の走行データおよび解析結果に加えてローカルネットワークLANの端末を通してデータベース装置30に入力された複数の車両の走行データおよび解析結果を用いた演算をなし得ることとなり、ハイブリッド車1毎の特性のばらつきや不具合の解析が容易になされることとなる。
【0043】
さらに、この走行データ解析装置20は、上記のような自己学習機能を有しているので、解析のために走行を繰り返す必要がないばかりか、解析を経験するほど自動による解析時間が短くなって、解析工数のより一層の低減が図られることとなる。
【0044】
加えて、この走行データ解析装置20は、送信機能も有しているので、ローカルネットワークLANの端末に接続される解析を経験していない他の走行データ解析装置20Aに自己学習で得た学習データを送れば、ローカルネットワークLANで結ばれる他の部署とのデータの共有化が図られるうえ、他の部署においても解析工数が格段に低減することとなる。
【0045】
図8は、上記した走行データ解析装置20を用いてタイヤ駆動力(加速性能の代用)のばらつきを測定する際のフル加速時における走行データを示すグラフである。
【0046】
図8に示すように、ハイブリッド車1は、最初第1モータ5で加速するが、フル加速であるため、即座にエンジン3が作動を開始し、このエンジン3のトルクが十分な大きさになった段階で、第1モータ5のトルクを絞ってエンジントルクで加速を続けているのが判る。
【0047】
また、CVT4の変速比は、走行開始直後においてもっとも低いポジションにあるが、速度の上昇に伴って高いギアポジションに変速していくことが判る。
【0048】
車両診断コネクタ21を介してプロトコル変換機22をハイブリッド車1の車両内ネットワーク10に接続した走行データ解析装置20は、エンジントルク,第1モータトルク, CVT変速比,速度などの情報を取得し、この情報から中央演算処理部27による
(エンジントルク+第1モータトルク)×CVT変速比×最終減速比×タイヤ動回転半径
の計算により、タイヤ駆動力MAX地点での駆動力
(135N・m)×2.28×5.473×0.305m=1143kgf
を求める。
【0049】
ここで、あらかじめフル加速時のMAX駆動力のしきい値を設定しておくと、車両の駆動力が適正であるか否かを判定し得ることとなり、例えば、MAX駆動力が1200kgf以上であった場合、この車両の駆動力は不具合となり、この不具合情報が記憶部28に記録される。
【0050】
この際、不具合の原因が自動的に確認され、この実施例において、エンジントルクのしきい値が本条件では120N・m以上必要であるのに対して110N・mであったことが認識される。
【0051】
このエンジントルクが不足している情報を含めて他の走行情報もすべて記憶部28に自動的に記録され、いずれもが表示部24を通して閲覧し得ることとなる。
【0052】
そして、走行後において、走行データ解析装置20をローカルエリアネットワークLAN上に位置するデータベース装置30に接続すると、上記走行データがデータベース装置30に自動的に格納され、このデータベース装置30に格納されている複数の車両の走行データを用いて、複数の車両の平均値および車両毎の特性を自動演算する。
【0053】
したがって、上記タイヤ駆動力のばらつきを測定する場合も、ハイブリッド車1の車両内ネットワーク10に車両診断コネクタ21を介して解析装置20のプロトコル変換機22を接続すれば、多数の走行データの測定がリアルタイムでなされることとなって、不具合部位の特定および表示部24を介しての不具合内容の表示が自動でなされることとなる。
【0054】
また、上記走行データ解析装置20をローカルエリアネットワークLAN上に位置するデータベース装置30に接続すると、ハイブリッド車1毎の特性のばらつきや不具合の解析が容易になされることとなる。
【0055】
さらに、この場合も、解析のために走行を繰り返す必要がないうえ、解析を経験するほど自動による解析時間が短くなり、解析工数のより一層の低減が図られるのに加えて、ローカルネットワークLANの端末に接続される解析を経験していない他の走行データ解析装置20Aに自己学習で得た学習データを送ることで、ローカルネットワークLANで結ばれる他の部署との駆動力測定情報および他の車両測定情報の共有化が図られるうえ、他の部署においても解析工数が格段に低減することとなる。
【0056】
本発明に係わるハイブリッド車の走行データ解析装置および解析方法の詳細な構成は、上記した実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるハイブリッド車の走行データ解析装置を用いた走行データ解析方法のシステム説明図である。
【図2】図1における走行データ解析装置による不具合部位特定のフローチャートである。
【図3】図2に続く走行データ解析装置による不具合部位特定のフローチャートである。
【図4】図3に続く走行データ解析装置による不具合部位特定のフローチャートである。
【図5】図1における走行データ解析装置が測定中に取得したモータおよびエンジンの回転数の変化を示すグラフである。
【図6】図1の走行データ解析装置による周波数分析の結果を示すグラフである。
【図7】図1のハイブリッド車に搭載されるモータの簡略断面説明図である。
【図8】図1の走行データ解析装置を用いてタイヤ駆動力のばらつきを測定する際のフル加速時における走行データを示すグラフである。
【符号の説明】
1 ハイブリッド車
10 車両内ネットワーク
20 走行データ解析装置
20A 他の走行データ解析装置
21 車両診断コネクタ
22 プロトコル変換機
23 キーボード
24 表示部
25 マイク(センサ)
26 A/D変換インターフェイス
27 中央演算処理部
28 記憶部
30 データベース装置
31 LANインターフェイス
32 中央演算処理部
33 記憶部
LAN ローカルエリアネットワーク

Claims (5)

  1. ハイブリッド車に搭載された複数のコントロールユニットをつなげて形成される車両内ネットワークと車両診断コネクタを介して接続するプロトコル変換機と
    ンマシンインターフェースとしてのキーボードと
    示部と
    両に設置したセンサからの外部アナログ信号を取り込んでデジタル変換するA/D変換インターフェイスと
    ロトコル変換機を介してリアルタイムで得られる多数の走行データおよび A/D 変換インターフェイスに取り込んでデジタル変換したセンサからの外部アナログ信号の解析を行って、車内における車両騒音がピークないしその近傍に達する時点の振動源の回転数に基づいて音振不具合部位を特定する中央演算処理部と、
    走行データを1次保管する記憶部を備えていることを特徴とするハイブリッド車の走行データ解析装置。
  2. ローカルエリアネットワーク上に位置するデータベース装置に自己の記憶部に格納した走行データおよび解析結果を格納可能とし、ローカルネットワークの端末を通してデータベース装置に入力された複数の車両の走行データおよび解析結果と自己の走行データおよび解析結果とを用いて演算する自己学習機能を有していると共に、この自己学習で得た学習データをローカルネットワークの端末に接続される他の走行データ解析装置に自動的に送る送信機能を有している請求項1に記載のハイブリッド車の走行データ解析装置。
  3. ハイブリッド車に搭載された複数のコントロールユニットをつなげて形成される車両内ネットワークに、車両診断コネクタを介して請求項1に記載の走行データ解析装置のプロトコル変換機を接続して同時通信を行うことで車両のすべての走行データをリアルタイムで測定し、これと同時に、車両にセットしたセンサからの外部アナログ信号を前記走行データ解析装置のA/D変換インターフェイスに取り込んで、中央演算処理部においてすべての走行データおよび外部アナログ信号の解析を行って、車内における車両騒音がピークないしその近傍に達する時点の振動源の回転数に基づいて音振不具合部位を特定することを特徴とするハイブリッド車の走行データ解析方法。
  4. ハイブリッド車に搭載された複数のコントロールユニットをつなげて形成される車両内ネットワークに、車両診断コネクタを介して請求項1に記載の走行データ解析装置のプロトコル変換機を接続して同時通信を行うことで車両におけるすべての振動源の回転数をリアルタイムで測定し、これと同時に、車両にセットした騒音検知センサからの外部アナログ信号を前記走行データ解析装置のA/D変換インターフェイスに取り込んで、中央演算処理部においてすべての振動源で得られた回転成分から回転次数比分析を行って、音振不具合部位を特定することを特徴とするハイブリッド車の走行データ解析方法。
  5. ローカルエリアネットワーク上に位置するデータベース装置に請求項2に記載の走行データ解析装置を接続して自己の記憶部に格納した走行データおよび解析結果を格納し、自己の走行データおよび解析結果に加えてローカルネットワークの端末を通してデータベース装置に入力された複数の車両の走行データおよび解析結果を用いて演算を行うと共に、この演算で得た学習データをローカルネットワークの端末に接続される他の走行データ解析装置に自動送信することを特徴とするハイブリッド車の走行データ解析方法。
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