JP3796973B2 - 電気光学装置及び投射型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称する)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置等の電気光学装置の技術分野に属し、特に、プロジェクタ等に用いられる、TFTの下側に遮光膜を設けた形式であり且つ入射光の利用効率を向上するためのマイクロレンズが対向基板上に設けられた形式の電気光学装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の液晶装置が液晶プロジェクタ等にライトバルブとして用いられる場合には一般に、液晶層を挟んでTFTアレイ基板に対向配置される対向基板の側から投射光が入射される。ここで、投射光がTFTのa−Si(アモルファスシリコン)膜やp−Si(ポリシリコン)膜から構成されたチャネル形成用の領域に入射すると、この領域において光電変換効果により光電流が発生してしまい、TFTのトランジスタ特性が劣化する。このため、対向基板には、各TFTに夫々対向する位置に、Cr(クロム)などの金属材料や樹脂ブラックなどからブラックマトリクス或いはブラックマスクと呼ばれる遮光膜が形成されるのが一般的である。この遮光膜は、各画素の開口領域(即ち、投射光が透過する領域)を規定することにより、TFTのp−Si層に対する遮光の他に、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を果たしている。
【0003】
更に、データ線を、対向基板の側から見てTFTを構成するp−Si層のチャネル領域を覆うように、Al(アルミニウム)等の遮光性の金属材料から構成することにより、データ線単独で或いは前述の遮光膜と協動で、TFTのp−Si層に対する遮光を行う技術も一般的である。
【0004】
この種の液晶装置においては、特にトップゲート構造(即ち、TFTアレイ基板上においてゲート電極がチャネルの上側に設けられた構造)を採る正スタガ型又はコプラナー型のa−Si又はp−SiTFTを用いる場合には、投射光の一部が液晶プロジェクタ内の投射光学系により戻り光として、TFTアレイ基板の側からTFTのチャネルに入射するのを防ぐ必要がある。同様に、投射光が通過する際のTFTアレイ基板の表面からの反射光や、更にカラー用に複数の液晶装置を組み合わせて使用する場合の他の液晶装置から出射した後に投射光学系を突き抜けてくる投射光の一部が、戻り光としてTFTアレイ基板の側からTFTのチャネルに入射するのを防ぐ必要もある。このために、特開平9−127497号公報、特公平3−52611号公報、特開平3−125123号公報、特開平8−171101号公報等では、石英基板等からなるTFTアレイ基板上においてTFTに対向する位置(即ち、TFTの下側)にも、例えば不透明な高融点金属から遮光膜を形成した液晶装置を提案している。
【0005】
他方、この種の液晶装置では、画面を明るくするために、液晶装置の画像表示領域全体に対する画素の開口領域の比率である画素開口率を高めることが重要であるが、Al(アルミニウム)等からなるデータ線、ポリシリコン等からなる走査線や容量線、半導体層や絶縁層を含むTFTなどが画像表示領域内に非開口領域をなすため、画素開口率を高めるのには一定の限界がある。特に、画素密度を上げて高精細な画像を表示可能とするため及び液晶装置の大きさを小型化するために画素ピッチを小さくすると、このような非開口領域をなす各種配線やTFT等を小さくすることに一定の限界があるが故に、画素開口率を高めることも困難となる。
【0006】
そこで、例えば特開昭60−165621号〜165624号公報、特開平5−196926号公報等に開示されているように、入射光の利用効率を向上するためのマイクロレンズが対向基板上に設けられた形式の液晶装置が開発されている。この場合、画素開口率が同じであれば、液晶装置に対向基板の側から入射した光は、開口領域に入るように集光されるので、開口率が同じであっても、各開口を通過する光の強度が増加するため、即ち各画素における実効開口率が高くなるため、液晶装置により表示される画像を明るく出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶装置の技術分野における表示画像の高品位化や省エネルギ化という一般的要請の下では、上述した従来のマイクロレンズを用いた液晶装置においても、入射光の利用効率は十分とは言えない。
【0008】
特に、前述した従来の技術のように、TFTアレイ基板上のTFTの下側に遮光膜(以下、第1遮光膜と称す)を設けると共に、マイクロレンズを配置する対向基板上に遮光膜(以下、第2遮光膜と称す)を設ける構成を採用すると、この第2遮光膜の存在により、必然的に入射光における光損失が発生してしまうという問題点がある。
【0009】
そして、このように第1遮光膜と共に第2遮光膜を形成する構成を採用する場合には、入射光の入射する側(即ち、対向基板側)から見て第1及び第2遮光膜のいずれか一方により遮光される領域は、非開口領域或いは遮光領域となる。従って、対向基板とTFTアレイ基板とを機械的に貼り合わせる際に発生する組みずれの度合いに応じて、第1及び第2遮光膜の一方が他方から平面的に見てはみ出すことにより開口領域は狭くなり、入射光の利用効率が更に低下してしまうという問題点がある。
【0010】
そこで入射光の利用効率を高めるために、対向基板側の第2遮光膜を無くして光損失を抑えると共に第1遮光膜のみで画素の開口領域を規定することも考えられるが、このように構成すると、対向基板における機械的強度が低下して、接着剤により周辺のみでTFTアレイ基板に接着される対向基板には反りや歪みが、より顕著に生じてしまう。また、このように構成すると、入射光と共に対向基板側から入射する熱を対向基板において遮断する能力が極度に低下するため、液晶における温度上昇を招き、延いては、液晶の寿命を短くしてしまう。更に、マイクロレンズの境界を突き抜ける光が液晶に入射するため、多重反射等による迷光が液晶装置内に発生して画像劣化の原因となってしまう。このように、仮に画素開口領域を規定する機能を専ら第1遮光膜に持たせたとしても、マイクロレンズを対向基板に設ける限りは、上述した種々の理由により、この対向基板上に第2遮光膜が必要となり、この結果、光の損失が無視し得ない程度に生じてしまうという問題点がある。
【0011】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、比較的簡単な構成を用いて入射光の利用効率を改善し得ると共に高品位の画像を表示可能な液晶装置等の電気光学装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が挟持されてなり、該第1基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、該複数の画素電極に夫々対応して設けられた複数の薄膜トランジスタと、該複数の薄膜トランジスタに夫々電気的に接続されており相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に見て夫々覆う位置に形成された第1遮光膜とを備え、前記第2基板上に、前記複数の画素電極に対向してマトリクス状に夫々配置された複数のマイクロレンズと、該複数のマイクロレンズの相互の境界のうち前記走査線に沿った方向の境界に対向する位置に縞状に形成された第2遮光膜とを備え、前記第1遮光膜は、前記第1基板上において前記複数の画素電極に夫々対応する複数の画素開口領域を規定する遮光領域を、少なくとも部分的に規定し、前記第2遮光膜は、平面的に見て該遮光領域に覆われていることを特徴とする。
また、一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が挟持されてなり、該第1基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、該複数の画素電極に夫々対応して設けられた複数の薄膜トランジスタと、該複数の薄膜トランジスタに夫々電気的に接続されており相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に見て夫々覆う位置に形成された第1遮光膜とを備え、前記第2基板上に、前記複数の画素電極に対向してマトリクス状に夫々配置された複数のマイクロレンズと、該複数のマイクロレンズの相互の境界のうち前記走査線に沿った方向の境界に対向する位置に島状に複数形成された第2遮光膜とを備え、前記第1遮光膜は、前記第1基板上において前記複数の画素電極に夫々対応する複数の画素開口領域を規定する遮光領域を、少なくとも部分的に規定し、前記第2遮光膜は、平面的に見て該遮光領域に覆われていることを特徴とする。
【0013】
本発明の電気光学装置によれば、第2基板上に備えられた複数のマイクロレンズにより、第2基板側からの入射光は、複数の画素電極上に夫々集光される。そして、薄膜トランジスタは、第1遮光膜により少なくとも部分的に規定される遮光領域内に、即ちマイクロレンズによる画素電極上の集光領域から外れて位置する。このため、第2基板側からの入射光がマイクロレンズを介して薄膜トランジスタのチャネル領域に入射することはない。更に、複数のマイクロレンズの相互の境界においては、第2基板側からの入射光は、第2遮光膜により遮光される。従って、第2基板側からの入射光がマイクロレンズの境界を通過して、薄膜トランジスタのチャネル領域に直接入射したり、多重反射等により迷光となった後に入射する事態を未然に防げる。以上のように、薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域における第2基板側の遮光を例えば遮光性材料からなるデータ線により施さなくても、第2基板側からの入射光に対する薄膜トランジスタのチャネル領域における遮光は、マイクロレンズ及び第2遮光膜により十分に施される。他方、第1遮光膜により、複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域は、第1基板の側から見て夫々覆われる。従って、第1基板側からの戻り光等が薄膜トランジスタのチャネル領域に入射して薄膜トランジスタの特性が劣化する事態を未然に防ぐことが出来る。以上の結果、入射光や戻り光等がチャネル領域に入射することにより、薄膜トランジスタの特性が劣化することは実践上殆ど又は全く無く、当該薄膜トランジスタによる精度の高い電気光学物質の駆動が可能とされる。
【0014】
そして、マイクロレンズにより、第2基板側からの入射光は画素電極上に夫々集光されるので、入射光の利用効率は高められる。同時に、第2遮光膜の存在により、第2基板における機械的強度及び熱遮断性能は夫々、当該第2遮光膜が無かった場合と比較して顕著に高められる。
【0015】
ここで、第1遮光膜は、第1基板上において複数の画素電極に夫々対応する複数の画素開口領域を相互に区切る遮光領域を少なくとも部分的に規定しており、第2遮光膜は、第1基板の側から見て該遮光領域に覆われている。即ち、第1基板の側から見て、遮光領域の輪郭の内側に第2遮光膜の輪郭が位置している。従って、第1及び第2基板を機械的に貼り合わせる際の組みずれにより、遮光領域(或いは、第1遮光膜)に対して第2遮光膜が平面的にずれてたとしても、両輪郭間の距離に応じて、第2遮光膜の第1遮光膜からの平面的なはみ出しは、全部或いは部分的に吸収される。
【0016】
更にまた、第2遮光膜は、上述のように開口率にほぼ又は全く影響しないので、従来のCr等と比べて寸法精度が出ない材料を第2遮光膜の材料として使用することも可能となる。従って、従来のCr等と比べて反射率が高い、例えばAl等の材料を第2遮光膜として使用することも可能となる。これにより第2基板側から入射する入射光を第2遮光膜により高反射率で反射することが出来るので、第2遮光膜の形成面積に応じて当該電気光学装置の温度上昇をより効率的に抑えることも可能となる。
【0017】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第1遮光膜は、網目状に形成されており、前記遮光領域を単独で規定する。
【0018】
この態様によれば、マイクロレンズにより集光された光は、第1遮光膜により規定された画素開口領域を透過して、表示用の光として当該電気光学装置を透過する。
【0019】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記データ線は、遮光性且つ導電性の薄膜から構成されており、前記遮光領域のうち前記データ線に沿った領域を規定しており、前記第1遮光膜は、前記複数の走査線に夫々沿って縞状に形成されており、前記遮光領域のうち前記走査線に沿った領域を規定する。
【0020】
この態様によれば、マイクロレンズにより集光された光は、遮光性の薄膜から構成されたデータ線及び第1遮光膜により規定された画素開口領域を透過して、表示用の光として当該液晶装置を透過する。この態様では特に、第2基板側から見てデータ線下に、薄膜トランジスタのチャネル領域が位置するように構成すれば、薄膜トランジスタのチャネル領域における第2基板側の遮光を、より確実なものとすることが出来る。特に第2遮光膜を反射性の材料から構成した場合に発生し得る多重反射により第2基板側からチャネル領域に侵入しようとする迷光を確実に遮光できる。
【0021】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記走査線は、遮光性且つ導電性の薄膜から構成されており、前記遮光領域のうち前記走査線に沿った領域を規定しており、前記第1遮光膜は、前記複数のデータ線に夫々沿って縞状に形成されており、前記遮光領域のうち前記データ線に沿った領域を規定する。
【0022】
この態様によれば、マイクロレンズにより集光された光は、遮光性の薄膜から構成された走査線及び第1遮光膜により規定された画素開口領域を透過して、表示用の光として当該電気光学装置を透過する。この態様では特に、第2基板側から見て走査線下に、薄膜トランジスタのチャネル領域が位置するように構成すれば、薄膜トランジスタのチャネル領域における第2基板側の遮光を、より確実なものとすることが出来る。
【0023】
これらのデータ線或いは走査線が遮光性且つ導電性の薄膜から構成された態様では、前記遮光性且つ導電性の薄膜は、金属或いは金属合金の薄膜からなるように構成してもよい。
【0024】
このように構成すれば、例えば、Al等の金属或いは金属合金の薄膜から比較的容易に遮光領域を規定するデータ線や走査線を形成できる。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板上に、前記画素電極に所定蓄積容量を夫々付与する複数の容量線を前記走査線と平行に更に備え、該複数の容量線は、前記第1基板上において前記遮光領域に位置する。
【0026】
この態様によれば、容量線により付与される蓄積容量に応じて、各画素電極における画像信号に係るデューティー比を下げつつ高コントラスト比或いは高解像度の画像表示を実現できるが、容量線も、遮光領域に位置するので、容量線を配設したことによる白抜け表示を発生させないようにでき、更に容量線により引き起こされる電気光学物質のディスクリネーションが開口領域における電気光学物質に対して悪影響を実践上殆ど又は全く及ぼさないようにできる。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2遮光膜は、前記複数のマイクロレンズの境界に夫々沿って網目状に形成されている。
【0028】
この態様では、第2遮光膜は、網目状であり、遮光領域の輪郭と相似或いは略相似する。従って、遮光領域に覆われる範囲で第2遮光膜の形成領域を大きくすれば、電気光学装置内部へ入射しようとする入射光に対する第2遮光膜の遮光や反射の機能を向上でき、これに応じて液晶装置における温度上昇を抑制できる。更に、遮光領域を規定する第1遮光層等が持つ遮光機能や開口領域を規定する機能を、第2遮光膜にも冗長的に持たせることが出来る。
【0029】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2遮光膜は、前記複数のマイクロレンズの境界のうち前記走査線に沿った方向の境界に夫々沿って縞状に形成されている。
【0030】
この態様によれば、形成が比較的容易な縞状の輪郭を持つ第2遮光膜により、電気光学装置内部へ入射しようとする入射光を遮光や反射できるので、電気光学装置における温度上昇を抑制できる。更に、遮光領域を規定する第1遮光膜等が持つ遮光機能や開口領域を規定する機能を、第2遮光膜にも冗長的に持たせることが出来る。
【0031】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2遮光膜は、前記複数のマイクロレンズの境界のうち前記走査線に沿った方向の境界に夫々沿って島状に形成されている。
【0032】
この態様によれば、形成が比較的容易な島状の輪郭を持つ第2遮光膜により、電気光学装置内部へ入射しようとする投射光を遮光や反射できるので、電気光学装置における温度上昇を抑制できる。特に第2遮光膜は遮光領域(或いは開口領域)を規定する機能を持たないので、第2基板における遮光や強度を出すために必要最低限の領域にのみ、島状に第2遮光膜を形成することにより、TFTアレイ基板と対向基板の貼り合わせ精度にマージンを持たせることができる。
【0033】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素電極上において前記マイクロレンズの集光領域にはみ出さないように前記マイクロレンズの集光角度に応じて前記遮光領域が規定されている。
【0034】
マイクロレンズの集光角度或いは集光能力が大きい程、画素電極上における集光領域は小さくなるので、このように集光領域にはみ出さない範囲で、第1遮光膜により規定される遮光領域を大きく設定すれば、マイクロレンズの集光角度によらず、第1及び第2遮光膜における遮光による光損失を低く抑えられる。
【0035】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1遮光膜は、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの少なくとも一つを含む。
【0036】
この態様によれば、第1遮光膜は、不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの少なくとも一つを含む、例えば、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成されるため、第1基板上の遮光膜形成工程の後に行われるTFT形成工程における高温処理により、第1遮光膜が破壊されたり溶融しないようにできる。
【0037】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2遮光膜は、金属又は金属合金の薄膜から構成されている。
【0038】
この態様によれば、第2遮光膜は、Al等の金属又は金属合金の薄膜から構成されているので、その反射率を、例えば90数パーセントといったように従来のCrと比べて非常に高くできる。従って、電気光学装置内部へ入射しようとする入射光に対する第2遮光膜の反射機能を向上でき、これに応じて電気光学装置における温度上昇を抑制できる。
【0039】
本発明の電気光学装置を用いた投射型表示装置では、光源と、該光源から出射された光を集光しながら前記電気光学装置に導く集光光学系と、当該電気光学装置で光変調した光を投射面に拡大投影する拡大投影光学系とを有することを特徴とする。
【0040】
本発明の投射型表示装置によれば、高画質の画像表示が可能な投射型表示装置を実現できる。
【0041】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0043】
(電気光学装置の画素部)
本発明による電気光学装置の一例として液晶装置を用いて説明する。まず、液晶装置の画素部について、図1から図4を参照して説明する。図1は、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極、第1遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群並びに対向基板に形成された第2遮光膜及びマイクロレンズの平面図である。図3は、対向基板に形成されたマイクロレンズにより入射光が集光される様子を擬似断面にて示す模式図であり、図4は、図3に示したTFT1個に係るTFTアレイ基板部分を拡大して示す拡大断面図である。尚、図3及び図4においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてあり、更に、図3では、集光の様子を理解し易く描くために、マイクロレンズ及びTFTの配置関係を、実際の配置関係とは異ならしめてある。即ち、実際には、図2に示すように、マイクロレンズは、そのレンズ中心が各画素中心に一致するように配置されており、TFTは、遮光領域の交点にほぼ対応するように配置されている。
【0044】
図1において、本実施の形態による液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極9aを制御するためのTFT30がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。
【0045】
図2において、液晶装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。また、これらの配線の各交点にほぼ対応してTFT30が設けられている。図中、1点鎖線で示されており上下方向に伸びる各データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等からなる半導体層1aのうちTFT30のソース領域に電気的接続されている。画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうちTFT30のドレイン領域に電気的接続されている。また、図中左右方向に伸びる各走査線3aは、半導体層1aのうちチャネル領域1a’(図中右下りの斜線の領域)に対向するように配置されており、走査線3aはTFT30のゲート電極として機能する。
【0046】
容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って図中上向きに突出した突出部とを有する。そして、半導体層1aは、TFT30から容量線3bに沿って蓄積容量電極1fとして延設されており、この蓄積容量電極1fと容量線3bとが誘電体としての後述の絶縁膜(ゲート絶縁膜)を介して対向配置されることにより、蓄積容量が形成されている。
【0047】
図中、1点鎖線で示されており走査線3a及び容量線3bに沿って左右方向に伸びる領域には、複数の縞状部分からなる第1遮光膜11aが設けられている。より具体的には、第1遮光膜11aは、走査線3a及び容量線3bの本線部に沿って伸びる複数の縞状部分に分断されており、更に各縞状部分は、データ線6aと交差する個所からデータ線6aに沿って図中下方向に夫々突出しており、この突出部により、半導体層1aのチャネル領域1a’を含むTFT30を夫々覆うように構成されている。
【0048】
図2には更に、対向基板に、各画素電極11aに夫々対向して形成される複数のマイクロレンズのマイクロレンズ端500aと、対向基板上において複数のマイクロレンズ端500aに夫々対向配置された網目状の第2遮光膜23(図中、右上がりの斜線領域)とが示されている。
【0049】
本実施例では特に、第1遮光膜11aと遮光性の金属膜の一例としてのAl(アルミニウム)膜からなるデータ線6aとから、TFTアレイ基板上に網目状の遮光領域が規定されており、網目状の第2遮光膜23は平面的に、この遮光領域により覆われている。即ち、平面的に見て第2遮光膜23の輪郭は、遮光領域の輪郭内に含まれている。そして、遮光領域に囲まれた各画素電極9aにより、入射光が透過する領域である画素開口領域が規定されている。マイクロレンズにより集光された入射光は、図中、破線で示される円形の集光領域500bに集光される。
【0050】
図3に示すように、TFTアレイ基板10と対向基板20とは対向配置され、両基板間に液晶層50が挟持される。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
【0051】
図3の模式図の上半分の断面図部分に示すように、液晶装置の対向基板20には、対向基板20の側から入射される入射光を複数の画素電極9aに夫々集光するマトリクス状に配置された複数のマイクロレンズ500と、複数のマイクロレンズ500の相互の境界に夫々対向する位置に形成された第2遮光膜23とを備える。マイクロレンズ500の表面全体には、接着剤501によりカバーガラス502が貼り付けられており、この上に(図中下側に)更に第2遮光膜23及び対向電極21が形成されている。マイクロレンズ500は、後述のように、感光性樹脂からなり、接着剤501は、空気に近い屈折率を有するアクリル系の接着剤からなり、両者間の屈折率の違いにより、マイクロレンズ500は、集光レンズとしての機能を果たす。
【0052】
図3の模式図の下半分の断面図部分及び図4の拡大断面図において、TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0053】
他方、図3の模式図の上半分の断面図部分に示すように、対向基板20には、その全面に渡って対向電極(共通電極)21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0054】
図4の拡大断面図に示すように、TFTアレイ基板10には、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFT30が設けられている。
【0055】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材(図10及び図11参照)により囲まれた空間に電気光学物質である液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態を採る。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、二つの基板10及び20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。
【0056】
図4に示すように、画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10と各画素スイッチング用TFT30との間には、第1遮光膜11aが設けられている。第1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。このような材料から構成すれば、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜11aの形成工程の後に行われる画素スイッチング用TFT30の形成工程における高温処理により、第1遮光膜11aが破壊されたり溶融しないようにできる。第1遮光膜11aが形成されているので、TFTアレイ基板10の側からの戻り光等が画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’やLDD領域1b、1cに入射する事態を未然に防ぐことができ、光電流の発生により画素スイッチング用TFT30の特性が劣化することはない。
【0057】
また、第1遮光膜11aと複数の画素スイッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光膜11aから電気的絶縁するために設けられるものである。更に、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、画素スイッチング用TFT30のための下地膜としての機能をも有する。即ち、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。第1層間絶縁膜12は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。第1層間絶縁膜12により、第1遮光膜11aが画素スイッチング用TFT30等を汚染する事態を未然に防ぐこともできる。
【0058】
本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。より詳細には、半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eが、データ線6a及び走査線3aの下に延設されて、同じくデータ線6a及び走査線3aに沿って伸びる容量線3b部分に絶縁膜2を介して対向配置されて、第1蓄積容量電極(半導体層)1fとされている。特に蓄積容量70の誘電体としての絶縁膜2は、高温酸化によりポリシリコン膜上に形成されるTFT30のゲート絶縁膜2に他ならないので、薄く且つ高耐圧の絶縁膜とすることができ、蓄積容量70は比較的小面積で大容量の蓄積容量として構成できる。
【0059】
この結果、データ線6a下の領域及び走査線3aに沿って液晶のディスクリネーションが発生する領域(即ち、容量線3bが形成された領域)という開口領域を外れたスペースを有効に利用して、画素電極9aの蓄積容量を増やすことが出来る。
【0060】
図4において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)1b及び低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つが接続されている。ソース領域1b及び1d並びにドレイン領域1c及び1eは、半導体層1aに対し、n型又はp型のチャネルを形成するかに応じて所定濃度のn型用又はp型用のドーパントをドープすることにより形成されている。n型チャネルのTFTは、動作速度が速いという利点があり、画素のスイッチング素子である画素スイッチング用TFT30として用いられることが多い。本実施の形態では特にデータ線6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から構成されている。また、走査線3a、ゲート絶縁膜2及び第1層間絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。このソース領域1bへのコンタクトホール5を介して、データ線6aは高濃度ソース領域1dに電気的接続されている。更に、データ線6a及び第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。この高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8を介して、画素電極9aは高濃度ドレイン領域1eに電気的接続されている。前述の画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられている。尚、画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとは、データ線6aと同一のAl膜や走査線3bと同一のポリシリコン膜を中継しての電気的接続するようにしてもよい。
【0061】
画素スイッチング用TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0062】
また本実施の形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極(データ線3a)をソース−ドレイン領域1b及び1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。このようにデュアルゲート(ダブルゲート)或いはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造或いはオフセット構造にすれば、更にオフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることができる。
【0063】
以上のように構成されているため、本実施の形態の液晶装置によれば、対向基板20上に備えられた複数のマイクロレンズ500により、対向基板20側からの入射光は、複数の画素電極9a上に夫々集光される。従って、マイクロレンズ500が無い場合と比較して、各画素における実効開口率が高められている。
【0064】
そして、TFT30は、第1遮光膜11a及びデータ線6aにより規定される遮光領域(図2参照)内に、即ちマイクロレンズ500による画素電極9a上の集光領域500bから外れて位置する。このため、対向基板20側からの入射光がマイクロレンズ500を介してTFT30のチャネル領域に入射することは実用上殆ど又は全くない。更に、複数のマイクロレンズ500の相互の境界においては、対向基板20側からの入射光は、第2遮光膜23により遮光される。従って、対向基板20側からの入射光がマイクロレンズ500の境界を通過して、TFT30のチャネル領域に直接入射したり、多重反射等により迷光となった後に入射する事態を未然に防げる。
【0065】
以上のように、仮にTFT30のチャネル領域1a’における対向基板20側の遮光を金属薄膜からなるデータ線6aにより施さなくても、対向基板20側からの入射光に対するTFT30のチャネル領域1a’における遮光は、マイクロレンズ500及び第2遮光膜23により十分に施される。他方、前述のように第1遮光膜11aにより、各TFT30のチャネル領域1a’は、TFTアレイ基板10側から見て夫々覆われる。従って、TFTアレイ基板10側からの戻り光等がTFT30のチャネル領域1a’に入射してTFT30のトランジスタ特性が劣化する事態を未然に防ぐことが出来る。以上の結果、入射光や戻り光等のTFT30のチャネル領域1a’への入射により、TFT30の特性が劣化することは実践上殆ど又は全く無く、本実施の形態の液晶装置では、TFT30による精度の高い液晶駆動が可能とされる。
【0066】
これらに加えて、第1遮光膜11aとデータ線6aとにより規定される遮光領域は、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能をも有する。
【0067】
そして、マイクロレンズ500により、対向基板20側からの入射光は画素電極9a上の集光領域500bに夫々集光されるので(図2参照)、入射光の利用効率は高められると同時に、第2遮光膜23の存在により、対向基板20における機械的強度及び熱遮断性能は夫々、第2遮光膜23が無かった場合と比較して顕著に高められる。
【0068】
ここで前述のように、第2遮光膜23は、平面的に見て第1遮光膜11a及びデータ線6aによりTFTアレイ基板10上に規定される遮光領域に覆われている。即ち、TFTアレイ基板10側から見て、遮光領域の輪郭の内側に第2遮光膜23の輪郭が位置している。従って、両基板を機械的に貼り合わせる際の組みずれにより、遮光領域(或いは、第1遮光膜11a)に対して第2遮光膜23が平面的にずれてたとしても、両輪郭間の距離に応じて、第2遮光膜23の第1遮光膜11a或いはデータ線6aからの平面的なはみ出しは、全部或いは部分的に吸収される。言い換えれば、第2遮光膜23は、遮光領域或いは画素開口領域を規定する機能を持たず、上述のようにマイクロレンズ500の境界にだけ最低限設けておけば足りるので、両基板を接着する際の組みずれを見込んで、第2遮光膜23の形成領域を小さめに設定しておくことにより、この組みずれが画素開口率には何等影響しないようにできる。このため、所定許容範囲内にある多少の組みずれによっては、画素開口領域は全く狭くならないか或いは少ししか狭くならないで済む。
【0069】
更にまた、第2遮光膜23は、上述のように画素開口率にほぼ又は全く影響しないので、従来のCr等と比べて寸法精度が出ない材料を第2遮光膜23の材料として使用することも可能となる。従って、従来のCr等と比べて反射率が高いが精度を出し難い、例えばAl等の材料を第2遮光膜23として使用することも可能となる。これにより対向基板20側から入射する入射光を第2遮光膜23により高反射率で反射することが出来るので、第2遮光膜23の形成面積に応じて当該液晶装置の温度上昇をより効率的に抑えることも可能となる。
【0070】
本実施の形態では特に、図2及び図3に示したように、画素電極9a上においてマイクロレンズ500の集光領域500bにはみ出さないようにマイクロレンズ500の集光角度に応じて、第1遮光膜11a及びデータ線6aからなる遮光領域が規定されている。ここで、マイクロレンズ500の集光角度或いは集光能力が大きい程、画素電極9a上における集光領域500bの面積は小さくなるので、このように集光領域500bにはみ出さない範囲で、遮光領域を大きく設定すれば、マイクロレンズ500の集光角度によらず、第1遮光膜11a及び第2遮光膜23における遮光による光損失を低く抑えられる。従って、各種の曲率や形状を持つマイクロレンズ500を用いて本実施の形態の液晶装置を構成することが可能となる。
【0071】
また、前述のように第2遮光膜23は、金属又は金属合金の薄膜の一例としてAl膜等から構成されている。従って、第2遮光膜23は、その反射率を、例えば90数パーセントといったように従来のCrと比べて非常に高くできる。このため、液晶装置内部へ入射しようとする入射光に対する第2遮光膜23の反射機能を向上でき、これに応じて液晶装置における温度上昇を抑制できる。また、前述のように、第2遮光膜23は、遮光領域を規定する機能を持たないので、寸法精度が出ないAl等の金属材料を材料として使用することも可能である。
【0072】
本実施の形態では、第1遮光膜11aは、定電位源に接続されて定電位とされる。従って、第1遮光膜11aに対向配置される画素スイッチング用TFT30に対し第1遮光膜11aの電位変動が悪影響を及ぼすことはない。また、容量線3bも、定電位源に接続されて定電位とされ、蓄積容量70の第2蓄積容量電極として良好に機能し得る。この場合、定電位源としては、当該液晶装置を駆動するための周辺回路(例えば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極21に供給される定電位源等が挙げられる。このように周辺回路等の電源を利用すれば、専用の電位配線や外部入力端子を設ける必要なく、第1遮光膜11a及び容量線3bを定電位にできる。
【0073】
また、本実施の形態では、容量線3bと走査線3aとは、同一のポリシリコン膜からなり、蓄積容量70の誘電体膜と画素スイッチング用TFT30のゲート絶縁膜2とは、同一の高温酸化膜からなり、第1蓄積容量電極1fと、画素スイッチング用TFT30のチャネル形成領域1a’、ソース領域1d、ドレイン領域1e等とは、同一の半導体層1aからなる。このため、TFTアレイ基板10上に形成される積層構造を単純化でき、更に、後述の液晶装置の製造方法において、同一の薄膜形成工程で容量線3b及び走査線3aを同時に形成でき、蓄積容量70の誘電体膜及びゲート絶縁膜2を同時に形成できる。
【0074】
更にまた、コンタクトホール13は、対向基板20の側から見てデータ線6aの下に開孔されている。このため、コンタクトホール13は、画素部の開口領域から外れており、しかも画素スイッチング用TFT30や第1蓄積容量電極1fが形成されていない第1層間絶縁膜12の部分に設けられているので、画素領域の有効利用を図りつつ、コンタクトホール13の形成によるTFT30や他の配線等の不良化を防ぐことができる。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態の液晶装置により、比較的簡単な構成を用いて、各画素における実効開口率を高めつつ、高精細な画像を表示できる。
【0076】
(マイクロレンズの製造方法)
次に、本実施の形態に用いられるマイクロレンズ500の製造方法について、図5を参照して説明する。
【0077】
先ず図5(a)に示すように、ネオセラム等からなる基板10上に、感光性樹脂510を塗布する。
【0078】
次に図5(b)に示すように、各マイクロレンズ500となる部分に対応する凸部が残るように所定パターンを有するマスク520を介して、感光性樹脂510をマスク露光し、その後、図5(c)に示すように、ウエット又はドライエッチングにより現像する。
【0079】
次に図5(d)に示すように、熱フローを印加し、感光性樹脂510の熱変形及び表面張力により、滑らかな各マイクロレンズの凸面を持つ感光性樹脂510からなる、図2及び図3に示したような複数のマイクロレンズ500を形成する。この際特に、熱フローを基板面上で制御することにより、所定の集光能力を有し且つ隙間が殆ど空かないように複数のマイクロレンズ500を形成する。
【0080】
次に図5(e)に示すように、マイクロレンズ500の表面にアクリル系接着剤501を塗布してネオセラム等からなるカバーガラス502gを接着する。
【0081】
次に図5(f)に示すように、カバーガラス502gを研磨して、図3に示した如き、所定の厚みを有するカバーガラス502とする。
【0082】
最後に図5(g)に示すように、第2遮光膜23及び対向電極21をスパッタリング、コーティング等によりこの順に成膜して、図3に示した如きマイクロレンズ500及び第2遮光膜23を備えた対向基板20を完成させる。
【0083】
尚、マイクロレンズ500は、例えば、特開平6−194502号公報に開示されている公知の製造方法や伝統的な所謂「熱変形法」により形成してもよい。
【0084】
(液晶装置の各種の変形形態)
次に、上述した液晶装置の各種の変形形態について図6から図8を参照して説明する。
【0085】
第1に、図3に示したマイクロレンズ500については、図6に示すように構成されてもよい。即ち、予め各レンズの凸面が形成された透明板(マイクロレンズアレイ)を対向基板20の表面に貼り付けてマイクロレンズ500’付きの対向基板20を構成するようにしてもよい。更に、対向基板20の液晶層50に対面する側の面上に、このようなマイクロレンズアレイを貼り付けてもよい。
【0086】
第2に、TFTアレイ基板10上において第1遮光膜11aから少なくとも部分的に規定される遮光領域については、図7(A)から図7(C)に示すように各種の形態とすることが可能である。
【0087】
先ず、図7(A)に示すように、右下がりの斜線で示す網目状の第1遮光膜11a’により、遮光領域を単独で規定するように構成してもよい。
【0088】
或いは、図2に示したと同様に、図7(B)に示すように、右下がりの斜線で示す左右方向(走査線に沿った方向)に伸びる縞状の第1遮光膜11aと、右上がりの斜線で示す上下方向に伸びる遮光性のデータ線6aとにより、遮光領域を規定するように構成してもよい。
【0089】
或いは、図7(C)に示すように、右下がりの斜線で示す上下方向(データ線に沿った方向)に伸びる縞状の第1遮光膜11a”と、右上がりの斜線で示す左右方向に伸びる遮光性の走査線3a”及び容量線3b”のうち少なくとも一方の遮光配線とにより、遮光領域を規定するように構成してもよい。この場合の遮光配線の材料としては、前述した実施の形態におけるデータ線6aの場合と同様にAl膜等の遮光性及び導電性に優れた金属膜等が挙げられる。
【0090】
これら図7(A)から図7(C)に示したいずれの形態によっても、画素開口領域の周囲に遮光領域を規定することができる。
【0091】
第3に、対向基板20上における第2遮光膜23の形状については、図8(A)から図8(C)に示すように各種の形状とすることが可能である。
【0092】
先ず、図2に示したと同様に、図8(A)に示すように、右下がりの斜線で示す遮光領域により平面的に覆われる右上がりの斜線で示した領域に、網目状の第2遮光膜23を形成してもよい。
【0093】
或いは、図8(B)に示すように、右下がりの斜線で示す遮光領域により平面的に覆われる右上がりの斜線で示した領域に、走査線に沿って(図中、左右方向に)伸びる縞状の第2遮光膜23’を形成してもよい。
【0094】
或いは、図8(C)に示すように、右下がりの斜線で示す遮光領域により平面的に覆われる右上がりの斜線で示した領域に、走査線に沿って画素毎に分断された島状の第2遮光膜23”を形成してもよい。
【0095】
これら図8(A)から図8(C)に示したいずれの形態によっても、対向基板20の強度を高めることが出来ると共に、液晶層への熱入射を低減することが出来る。
【0096】
(液晶装置の全体構成)
以上のように構成された液晶装置の各実施の形態の全体構成を図9から図11を参照して説明する。尚、図9は、TFTアレイ基板上の画素部及び周辺回路の具体的な構成を示すブロック図である。図10は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図11は、対向基板20を含めて示す図10のH−H’断面図である。
【0097】
図9において、液晶装置は周辺回路として、データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101と、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104と、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号NRSを画像信号VIDに先行して夫々供給するプリチャージ回路201と、画像信号VIDをサンプリングして複数のデータ線6aに夫々供給するサンプリング回路301とを備える。
【0098】
走査線駆動回路104は、外部制御回路から供給される電源、基準クロック信号CLY及びその反転クロック信号、スタート信号DY等に基づいて、所定タイミングで走査線3aに走査信号G1、G2、…、Gmをパルス的に線順次で印加する。
【0099】
データ線駆動回路101は、外部制御回路から供給される電源、基準クロック信号CLX及びその反転クロック信号、スタート信号DX等に基づいて、走査線駆動回路104が走査信号G1、G2、…、Gmを印加するタイミングに合わせて、画像信号線304夫々について、データ線6a毎にサンプリング回路駆動信号X1、X2、…、Xnをサンプリング回路301にサンプリング回路駆動信号線306を介して所定タイミングで供給する。
【0100】
プリチャージ回路201は、スイッチング素子として、例えばTFT202を各データ線6a毎に備えており、プリチャージ信号線204がTFT202のドレイン又はソース電極に接続されており、プリチャージ回路駆動信号線206がTFT202のゲート電極に接続されている。そして、動作時には、プリチャージ信号線204を介して、外部電源からプリチャージ信号NRSを書き込むために必要な所定電圧の電源が供給され、プリチャージ回路駆動信号線206を介して、各データ線6aについて画像信号S1、S2、…、Snに先行するタイミングでプリチャージ信号NRSを書き込むように、外部制御回路からプリチャージ回路駆動信号NRGが供給される。プリチャージ回路201は、好ましくは中間階調レベルの画像信号S1、S2、…、Snに相当するプリチャージ信号NRS(画像補助信号)を供給する。
【0101】
サンプリング回路301は、TFT302を各データ線6a毎に備えており、画像信号線304がTFT302のソース電極に接続されており、サンプリング回路駆動信号線306がTFT302のゲート電極に接続されている。そして、画像信号線304を介して、画像信号VIDが入力されると、これらをサンプリングする。
【0102】
このように本実施の形態では、データ線6aを一本毎に選択するように構成されているが、データ線6aを複数本毎にまとめて同時選択するように構成してもよい。例えば、サンプリング回路301を構成するTFT302の書き込み特性及び画像信号の周波数に応じて、複数相(例えば、3相、6相、12相、…)に相展開された画像信号VIDを画像信号線304から供給して、これらをグループ毎に同時にサンプリングするように構成してもよい。この際、少なくとも相展開数だけ画像信号線304が必要なことは言うまでもない。
【0103】
図10において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或いは異なる材料から成る周辺見切りとしての第3遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば奇数列のデータ線6aは画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線は前記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデータ線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられており、更に、周辺見切りとしての第3遮光膜53の下に隠れてプリチャージ回路201が設けるようにしても良い。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図11に示すように、図10に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0104】
以上図1から図11を参照して説明した各実施の形態における液晶装置のTFTアレイ基板10上には更に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。また、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0105】
以上説明した各実施の形態における液晶装置は、カラー液晶プロジェクタに適用されるため、3枚の液晶装置がRGB用のライトバルブとして各々用いられ、各液晶装置には各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、各実施の形態では、対向基板20に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、第2遮光膜23の形成されていない画素電極9aに対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成してもよい。このようにすれば、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に各実施の形態における液晶装置を適用できる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0106】
また従来は、TFTアレイ基板10の裏面側での反射を防止するために、反射防止用のAR被膜された偏光板を別途配置したり、ARフィルムを貼り付ける必要があった。しかし、各実施の形態では、TFTアレイ基板10の表面と半導体層1aの少なくともチャネル領域1a’及びLDD領域1b、1cとの間に第1遮光膜11aが形成されているため、このようなAR被膜された偏光板やARフィルムを用いたり、TFTアレイ基板10そのものをAR処理した基板を使用する必要が無くなる。従って、各実施の形態によれば、材料コストを削減でき、また偏光板貼り付け時に、ごみ、傷等により、歩留まりを落とすことがなく大変有利である。また、耐光性が優れているため、明るい光源を使用したり、偏光ビームスプリッタにより偏光変換して、光利用効率を向上させても、光によるクロストーク等の画質劣化を生じない。
【0107】
また、各画素に設けられるスイッチング素子としては、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、各実施の形態は有効である。
【0108】
更にまた、マイクロレンズ500の集光能力としては、集光領域500b(図2参照)が開口領域に丁度収まる程度に集光できれば十分であり、必要以上に集光領域500bを小さくする必要はない。更に、マイクロレンズ500により、各画素における実効開口率が高められているので、画素開口領域を広げるために、走査線3a、容量線3b及びデータ線6aの線幅やTFT30の平面的なサイズを必要以上に小さくする必要はない。従って、本実施の形態は、画素ピッチを小さくして、各画素の微細化を行う場合に非常に適している。
【0109】
尚、本実施の形態では、TFTを用いて画素電極9aを駆動するように構成したが、TFT以外の、例えば、TFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等のアクティブマトリクス素子を用いることも可能であり、更に、液晶装置をパッシブマトリクス型の液晶装置として構成することも可能である。このような場合であっても、マイクロレンズで画素電極上に光を集光する構成を採る限り、光の利用効率を向上させる上で本実施の形態の場合と同様に有効である。また、液晶装置に限らず、各種の電気光学装置、例えばエレクトロルミネッセンス、プラズマディスレプレイ等の電気光学装置に本実施の形態は有効である。
【0110】
図12に本実施の形態を用いた応用例として液晶プロジェクタの構成について説明する。液晶プロジェクタ1100は、上述の電気光学装置としての液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、各々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに各々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより各々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0111】
本実施の形態では特に、遮光膜がTFTの下側にも設けられているため、当該液晶装置100からの投射光に基づく液晶プロジェクタ内の投射光学系による反射光、投射光が通過する際の液晶装置用基板の表面からの反射光、他の液晶装置から出射した後にダイクロイックプリズム1112を突き抜けてくる投射光の一部等が、戻り光として液晶装置用基板の側から入射しても、画素電極のスイッチング用のTFT等のチャネル領域に対する遮光を十分に行うことができる。このため、小型化に適したプリズムを投射光学系に用いても、各液晶装置の液晶装置用基板とプリズムとの間において、戻り光防止用のAR(Anti−Reflection)フィルムを貼り付けたり、偏光板にAR被膜処理を施したりすることが不要となるので、構成を小型且つ簡易化する上で大変有利である。
【0112】
さらに、本実施形態は、遮光膜によりチャネル領域への戻り光を防ぐことができるため、液晶装置に戻り光防止処理を施した偏光板を直接貼りつけず、偏光板を液晶装置から離して形成するようにしてもよい。より具体的には、一方の偏光板(図示せず)をダイクロイックプリズム1112に貼り付けることが可能である。このように、偏光板をプリズムユニットに貼り付けることにより、偏光板の熱は、プリズムユニットあるいはレンズで吸収されるため、液晶装置の温度上昇を防ぐことができる。また、このような構成の場合、液晶装置と偏光板との間を離して形成することができるため、液晶装置と偏光板との間には空気層ができる。そこでプリズムユニットの上側あるいは下側の一方に冷却手段(図示せず)を設け、冷却手段から液晶装置と偏光手段との間に冷風等の送風を送り込むことにより、液晶装置の温度上昇をさらに防ぐことができ、液晶装置の温度上昇による誤動作を防ぐことができる。
【0113】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明の電気光学装置によれば、比較的簡単な構成を用いて、各画素における実効開口率を高めつつ、高精細な画像を表示できる。また、第2基板(対向基板)における強度を高めることも可能となり、更に、入射光に伴う電気光学物質への熱入射を抑制することにより、電気光学物質の寿命を長めることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶装置の実施形態における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】液晶装置の実施の形態におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図3】対向基板に設けられたマイクロレンズにより入射光を集光する様子を示す模式図である。
【図4】図3のTFT1個に係るTFTアレイ基板部分の拡大断面図である。
【図5】図3に示したマイクロレンズの製造方法を順を追って示す工程図である。
【図6】本実施の形態におけるマイクロレンズの他の一例が形成された画素部における対向基板の拡大断面図である。
【図7】本実施の形態における遮光領域についての各種の形態を夫々示す平面図である。
【図8】本実施の形態における第2遮光膜についての各種の形態を夫々示す平面図である。
【図9】液晶装置の実施形態におけるTFTアレイ基板上に設けられた画素部及び周辺回路のブロック図である。
【図10】液晶装置の各実施の形態におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図11】図10のH−H’断面図である。
【図12】本実施の形態の液晶装置を用いた電子機器の一例である液晶プロジェクタの構成図である。
【符号の説明】
1a…半導体層
1a’…チャネル領域
1b…低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)
1c…低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)
1d…高濃度ソース領域
1e…高濃度ドレイン領域
1f…第1蓄積容量電極
2…ゲート絶縁膜
3a…走査線(ゲート電極)
3b…容量線(第2蓄積容量電極)
4…第2層間絶縁膜
5…コンタクトホール
6a…データ線(ソース電極)
7…第3層間絶縁膜
8…コンタクトホール
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
11a…第1遮光膜
12…第1層間絶縁膜
13…コンタクトホール
16…配向膜
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
23…第2遮光膜
30…画素スイッチング用TFT
50…液晶層
52…シール材
53…第3遮光膜
70…蓄積容量
101…データ線駆動回路
104…走査線駆動回路
201…プリチャージ回路
301…サンプリング回路
500…マイクロレンズ
501…接着剤
502…カバーガラス

Claims (9)

  1. 一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が挟持されてなり、
    該第1基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、該複数の画素電極に夫々対応して設けられた複数の薄膜トランジスタと、該複数の薄膜トランジスタに夫々電気的に接続されており相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に見て夫々覆う位置に形成された第1遮光膜とを備え、
    前記第2基板上に、前記複数の画素電極に対向してマトリクス状に夫々配置された複数のマイクロレンズと、該複数のマイクロレンズの相互の境界のうち前記走査線に沿った方向の境界に対向する位置に縞状に形成された第2遮光膜とを備え、
    前記第1遮光膜は、前記第1基板上において前記複数の画素電極に夫々対応する複数の画素開口領域を規定する遮光領域を、少なくとも部分的に規定し、
    前記第2遮光膜は、平面的に見て該遮光領域に覆われていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が挟持されてなり、
    該第1基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、該複数の画素
    電極に夫々対応して設けられた複数の薄膜トランジスタと、該複数の薄膜トランジスタに夫々電気的に接続されており相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に見て夫々覆う位置に形成された第1遮光膜とを備え、
    前記第2基板上に、前記複数の画素電極に対向してマトリクス状に夫々配置された複数のマイクロレンズと、該複数のマイクロレンズの相互の境界のうち前記走査線に沿った方向の境界に対向する位置に島状に複数形成された第2遮光膜とを備え、
    前記第1遮光膜は、前記第1基板上において前記複数の画素電極に夫々対応する複数の画素開口領域を規定する遮光領域を、少なくとも部分的に規定し、
    前記第2遮光膜は、平面的に見て該遮光領域に覆われていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記第1遮光膜は、網目状に形成されており、前記遮光領域を単独で規定することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記データ線は、遮光性且つ導電性の薄膜から構成されており、前記遮光領域のうち前記データ線に沿った領域を規定しており、
    前記第1遮光膜は、前記複数の走査線に夫々沿って縞状に形成されており、前記遮光領域のうち前記走査線に沿った領域を規定することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  5. 前記走査線は、遮光性且つ導電性の薄膜から構成されており、前記遮光領域のうち前記走査線に沿った領域を規定しており、
    前記第1遮光膜は、前記複数のデータ線に夫々沿って縞状に形成されており、
    前記遮光領域のうち前記データ線に沿った領域を規定することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  6. 前記遮光性且つ導電性の薄膜は、金属或いは金属合金の薄膜からなることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気光学装置。
  7. 前記第1基板上に、前記画素電極に所定蓄積容量を夫々付与する複数の容量線を前記走査線と平行に更に備え、
    該複数の容量線は、前記第1基板上において前記遮光領域に位置することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記画素電極上において前記マイクロレンズの集光領域に食み出さないように前記マイクロレンズの集光角度に応じて前記遮光領域が規定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた投射型表示装置であって、光源と、該光源から出射された光を集光しながら前記電気光学装置に導く集光光学系と、当該電気光学装置で光変調した光を投射面に拡大投影する拡大投影光学系とを有することを特徴とする投射型表示装置。
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