JP3796835B2 - 車載用ナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関し、特にマップマッチング処理を実行して車両の現在位置を検出する車載用ナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に搭載された方向検出手段や走行距離検出手段等のセンサからの検出信号に基づいて、車両の走行方向と走行距離とを求めて車両の現在位置を計算し、この計算位置に基づいて、CRT等のディスプレイに表示された道路地図上に車両位置を識別可能に表示する、いわゆる車載用ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
しかし、方向検出手段や走行距離検出手段の検出値には若干の誤差が含まれるため、これらの検出値を積算して得られる車両の計算位置には誤差が生じる。また、人工衛星を用いたGPSシステムを併用した場合でも、人工衛星と車両との間に建物があったりした場合には測定データに誤差が生じる場合があった。
【0004】
そこで、近年では、このような誤差を補正するために、マップマッチング処理を行う装置が主流となっている。
マップマッチング処理は、センサからの検出信号に基づき計算した計算位置を、所定条件の成立時に地図データ上に引き込むことで、センサの検出誤差や計算誤差を補正するものであり、例えば、車両の計算位置が地図データ内の道路上に予め設定された交差点等の特徴点から所定範囲内にある場合に、その計算位置を上記特徴点の位置に変更して、誤差を補正するものがある(特開昭63−127113号公報)。
【0005】
また、他の方式として、方向検出手段や走行距離検出手段等のセンサからの検出信号に基づき算出された車両の走行軌跡と、地図データの道路パターン(道路形状)とを比較して相関を求め、その一致度により、近接している何れの道路を走行しているのかを推定する装置も知られている。この装置は、例えば、道路の形状を表すパラメータを車両の走行軌跡から算出して、誤差範囲内における地図上の道路形状の内、近似のパラメータを有する道路が存在すれば、その道路上の所定位置に車両の計算位置を変更するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなマップマッチング処理を常時実行できれば、車両位置の検出精度は向上する。
しかしながら、上記従来のナビゲーション装置では、例えば、新たに設けられた新設道路や細い街路、或いは駐車場内等、道路に関するデータが予め準備されていない場所を車両が走行した場合には、マップマッチング処理によってセンサの検出誤差や計算誤差を補正することができない。
【0007】
特に、車両が駐車場内を走行する場合には、屈曲走行により同じ経路を繰り返して走行することが多いため、上記センサの検出誤差のうち、方向(方位)を検出するためのセンサの検出誤差が蓄積されて、現在方位の検出値が大幅にずれてしまう可能性がある。また、このような駐車場内の走行時において、マップマッチング処理により車両の計算位置が予め準備された道路データ上の何れかの位置に強引に変更されてしまうと、車両位置の検出精度が一層悪化することもあった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、道路に関するデータが予め準備されていない場所を車両が走行した場合にも、車両の現在位置を正確に検出することができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置は、車両の走行方向及び走行距離を検出するための検出器からの検出信号に基づき車両の現在位置を算出すると共に、その算出した現在位置と地図記憶手段に記憶された道路地図内の何れかの道路とのずれの状態が所定条件を満たす場合に前記算出した現在位置を前記道路上の所定位置に変更するマップマッチング処理を実行して、車両の現在位置を検出する。つまり、検出器からの検出信号に基づいて算出した車両の現在位置(以下、計算位置ともいう)と、地図記憶手段に記憶された道路地図内の何れかの道路とのずれの状態が所定条件を満たす場合には、地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上における所定位置が、車両の現在位置として決定され、そうでない場合には、上記計算位置が車両の現在位置として決定されて、車両の現在位置(車両位置)が検出される。
【0010】
ここで特に、請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置では、道路離脱判定手段が、前記検出した車両の現在位置が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上にない道路離脱状態であるか否かを判定し、この道路離脱判定手段により道路離脱状態であると判定された場合に、屈曲検出手段が、車両が所定旋回角度以上の屈曲走行をしたか否かを判定し、その屈曲検出手段により車両が所定旋回角度以上の屈曲走行をしたと判定された場合に、仮想道路作成手段が、前述の如く検出される車両の現在位置を蓄積してなる車両の走行軌跡を、所定の記憶手段に仮想道路として記憶する。
【0011】
そして、当該車載用ナビゲーション装置は、道路離脱判定手段によって道路離脱状態であると判定されている場合には、前記所定の記憶手段に記憶された仮想道路を、地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路と共にマップマッチング処理の実行に用いる。
【0012】
このような請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置では、車両が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上でない場所(即ち、前述したように、道路に関するデータが予め準備されていない場所)を走行して、前述の如く検出される車両の現在位置が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上にない道路離脱状態になると、その後の車両の走行軌跡が仮想道路として所定の記憶手段に記憶され、その仮想道路が、地図記憶手段に予め記憶された道路地図内の道路と共にマップマッチング処理の実行に用いられる。
【0013】
よって、車両が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上でない場所において、同じ経路を繰り返して走行しても、車両が一度走行した経路を再び走行した場合には、既に走行している経路が仮想道路として記憶されており、その仮想道路を対象としてマップマッチング処理が行われて、計算位置が上記仮想道路上の所定位置に変更されることとなる。この結果、車両が同じ経路を繰り返して走行しても、検出される車両の現在位置が実際の位置に対して次第に大きくずれていってしまうことが防止される。
【0014】
従って、このような請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置によれば、道路に関するデータが予め準備されていない場所を車両が走行した場合にも、車両の現在位置を正確に検出することができ、延いては、当該装置の使用者に対して、車両の現在位置を常に正確に案内することができるようになる。
【0015】
次に、請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置は、請求項1に記載の装置に対して、更に、屈曲走行判定手段と領域設定手段と車両位置判定手段とを備えている。そして、屈曲走行判定手段が、道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されてから、車両が予め定められた所定の複数回だけ屈曲走行したか否かを判定し、この屈曲走行判定手段により肯定判定されると(つまり、道路離脱判定手段により道路離脱状態であると判定されてから、車両が所定の複数回だけ屈曲走行したと判定されると)、領域設定手段が、道路離脱判定手段により道路離脱状態であると判定されてから屈曲走行判定手段により肯定判定されるまでの車両の走行軌跡を含む所定領域を設定する。また、車両位置判定手段が、車両の現在位置が領域設定手段により設定された上記所定領域内にあるか否かを判定する。
【0016】
そして更に、請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置は、道路離脱判定手段によって前記道路離脱状態であると判定されており、且つ、車両位置判定手段により肯定判定されている場合(つまり、車両の現在位置が領域設定手段により設定された所定領域内にあると判定されている場合)に、前記所定の記憶手段に記憶された仮想道路を、地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路と共にマップマッチング処理の実行に用いる。
【0017】
つまり、請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置では、検出した車両の現在位置が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上にない道路離脱状態になってから、車両が所定の複数回だけ屈曲走行すると、その後に車両はその付近を繰り返して走行する可能性があると推測して、上記道路離脱状態となってから車両が所定の複数回だけ屈曲走行するまでの走行軌跡を含む所定領域を設定し、その所定領域内から車両の現在位置が出るか、或いは、道路離脱状態でなくなるまでの間、前記所定の記憶手段に記憶された仮想道路をマップマッチング処理の実行に用いるようにしている。
【0018】
そして、このような請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置によれば、駐車場内のように車両が同じ経路を繰り返し屈曲走行して、本当に車両位置の検出精度が低くなってしまう可能性がある場合にのみ、仮想道路を対象とするマップマッチング処理を行うようにすることができ、車両位置を検出するための処理の最適化・低減化を図ることができる。
【0019】
次に、請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置は、請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置において、道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されており、且つ、車両位置判定手段により肯定判定されている場合(車両の現在位置が領域設定手段により設定された所定領域内にあると判定されている場合)に、前記所定条件を、前記算出した現在位置が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上の所定位置に変更され難く設定する。
【0020】
つまり、請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置では、請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置において、所定の記憶手段に記憶された仮想道路を、地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路と共にマップマッチング処理の実行に用いる場合に、地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路に対してはマップマッチングされ難くするようにしている(換言すれば、計算位置が地図記憶手段に予め記憶された道路地図内の道路上の所定位置に変更され難くしている)。
【0021】
そして、このような車載用ナビゲーション装置によれば、車両が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上でない場所を走行している場合に、車両の計算位置が地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上の何れかの位置に強引に変更されてしまうことが抑制され、車両位置の検出精度をより一層向上させることができる。
【0022】
一方、請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置では、請求項1に記載のナビゲーション装置において、仮想道路作成手段は、道路離脱判定手段により前記道路離脱状態ではないと判定されると、所定の記憶手段に記憶した仮想道路を消去する。そして、このようにすれば、所定の記憶手段として、記憶容量の小さいものを用いることができるようになる。
【0023】
また同様に、請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置では、請求項2又は請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置において、仮想道路作成手段は、道路離脱判定手段により前記道路離脱状態ではないと判定されるか、或いは、車両位置判定手段により否定判定されると、所定の記憶手段に記憶した仮想道路を消去する。そして、このようにすれば、所定の記憶手段として、記憶容量の小さいものを用いることができるようになる。
【0024】
一方また、請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置では、請求項1ないし請求項5の何れかに記載の車載用ナビゲーション装置において、仮想道路作成手段は、前記所定の記憶手段に既に記憶した仮想道路と、車両の新たな走行軌跡とを比較して、その一致度が所定範囲内である走行軌跡は、仮想道路として記憶する対象から除外するように構成されている。
【0025】
このような請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置によれば、車両が同じ経路を繰り返し走行した場合に、同様の仮想道路が所定の記憶手段に記憶されることが防止される。よって、所定の記憶手段の記憶容量を節約しつつ、前述した各効果を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0027】
まず図1は、本実施例の車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。車両には、その走行方向及び走行距離を検出するための検出器として、車速センサ1と方位センサ2とが積載されている。車速センサ1は、車両の走行速度を検出するものであり、この走行速度を後述する電子制御回路20により積分処理することによって、車両の走行距離が求められる構成となっている。方位センサ2は、車両の走行方向を検出するものであり、本実施例では、ジャイロコンパスの検出にて方向を得るものを用いている。但し、この方位センサ2としては、地磁気によるものや、左右操舵輪の回転差などから得られる車両のステアリング角を累積して方向を求めるものなどでもよい。
【0028】
また、本実施例の車載用ナビゲーション装置は、コンパクトディスク等の大容量の記憶装置で構成された地図記憶手段としての地図メモリ4を備えており、この地図メモリ4には、国内各地の道路地図を再生するための地図データが記憶されている。地図データは、道路に関する道路データと、地名、地形、建物等の他のデータとから成るものであり、上記道路データは、図6に例示するような情報によって構成されている。即ち、本実施例において、道路地図内の道路は、所定距離毎の直線に分解されて記憶されており、道路データは、その各直線の識別番号である「道路ID」と、各直線の両端点の座標である「ノード座標」と、各直線の方向を示す「道路方位」と、各直線と接続する他の直線の道路IDを示す「接続情報」と、各直線が所属する道路(つまり、その直線により形成される道路)の種類を示す「道路属性」と、から構成されている。
【0029】
一方更に、本実施例の車載用ナビゲーション装置には、コントロールスイッチ6が設けられており、これは、運転者が初期値を入力したり、表示される地図を選択したり、あるいは目的地までのルートを設定するための各種スイッチで構成されている。
【0030】
これらの車速センサ1、方位センサ2、地図メモリ4、コントロールスイッチ6は、夫々、電子制御回路20に接続されている。この電子制御回路20は、周知のCPU22、制御用のプログラムやデータを予め格納してあるROM24、読み書き可能なRAM26に、入出力回路28がコモンバス30を介して相互に接続されて構成されている。CPU22は、車速センサ1、方位センサ2、地図メモリ4、コントロールスイッチ6からの信号を入出力回路28を介して入力し、これらの信号、ROM24、RAM26内のプログラムやデータ等に基づいて、入出力回路28、CRTコントローラ32を介して表示装置としてのCRT34に駆動信号を出力する。
【0031】
このCRTコントローラ32は、CRT34の表示を制御し、電子制御回路20から転送される地図データを、CRT34の画面に地図として再生すると共に、電子制御回路20から転送される車両の検出位置を、現在表示中の地図上に表示する構成のものである。
【0032】
前記電子制御回路20では、図示しない電源スイッチがオンされると、ROM24に予め設定されたプログラムに従って、CPU22が様々な処理の実行を開始する。
本実施例では、発進前に車両の乗員が、コントロールスイッチ6を操作して、CRT34に表示される地図を選択し、この地図上に自らの現在位置を初期位置として指示する。あるいは、これ以外にも、前回の車両の運転停止時の位置を所定の不揮発性メモリに格納しておき、この位置を初期位置として自動設定するようにしてもよい。
【0033】
そして、車両が走行を開始すると、車速センサ1から入力される走行速度を積分して得られる走行距離と、方位センサ2から得られる走行方向が検出され、この検出された走行距離と走行方向とに基づき後述の如く検出される車両の現在位置が、CRT34の表示地図上に例えばカーソルにより識別可能に表示される。
【0034】
次に、車両の現在位置(以下、車両位置ともいう)を検出するために電子制御回路20で実行される車両位置検出処理について、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
尚、図2の処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。また、電子制御回路20は、この車両位置検出処理の実行周期よりも短い所定時間毎に、車速センサ1及び方位センサ2からの検出信号に基づき車両の現在位置を算出する位置演算処理を実行している。具体的には、車速センサ1と方位センサ2との出力を読み込み、後述するステップ110の処理で決定した最新の車両位置を起点とする現在位置を、車速センサ1から入力される走行速度を積分して得られる走行距離と方位センサ2から得られる走行方向とに基づき、所定間隔(例えば2m)毎に算出する。また、その算出した各現在位置を所定個蓄積することにより、車両の走行軌跡も求めている。但し、電源スイッチがオンされた直後には、前述したように指示或いは設定された初期位置が、現在位置及び走行軌跡を求めるための起点として用いられる。
【0035】
図2に示すように、車両位置検出処理の実行が開始されると、まずステップ(以下、単に「S」と記す)110にて、前述した位置演算処理の演算結果と、地図メモリ4に予め記憶された地図データ中の道路データ及び後述するようにRAM26の仮想道路データ領域に記憶された道路データとを用いて、マップマッチング処理を行うことにより車両の現在位置を決定する。尚、RAM26の仮想道路データ領域には、後述するS200の仮想道路生成処理が実行されることで道路データが記憶され、この仮想道路データ領域に道路データが記憶されていない場合には、地図メモリ4に予め記憶された道路データだけがマップマッチング処理に用いられる。
【0036】
このS110のマップマッチング処理は、例えば、地図メモリ4或いは更にRAM26の仮想道路データ領域に記憶された道路データから、位置演算処理の実行で求めた車両の走行軌跡に対して道路形状(道路パターン)の一致度(近似の度合)が所定範囲内である道路を検索し、一致度が所定範囲内である道路が存在すれば、その道路のうちで上記走行軌跡に対する一致度が最も高い道路上にて、位置演算処理の実行で算出されている最新の現在位置に最も近い位置を、車両の現在位置として決定し、また、位置演算処理の実行で求めた車両の走行軌跡に対し一致度が所定範囲内である道路が存在しなければ、位置演算処理の実行で算出されている最新の現在位置を、そのまま車両の現在位置として決定する、といった手順で実行される。
【0037】
また更に、このS110では、上記の如く決定した車両の現在位置を順次蓄積することにより、所定距離分の車両の走行軌跡をRAM26に更新して記憶する処理も行っている。
即ち、本実施例では、S110のマップマッチング処理により、車速センサ1と方位センサ2の検出誤差及び位置演算処理の演算誤差を補正している。そして、S110の処理で決定した車両の現在位置は、車両の検出位置としてCRT34の表示地図上に表示されると共に、位置演算処理にて、現在位置及び走行軌跡を求めるための新たな起点として用いられる。
【0038】
このようにS110で車両の現在位置が決定されると(即ち、車両位置の検出が行われると)、S120に進んで、地図メモリ4に道路データが記憶されていない場所を車両が走行していることを示すフラグ(以下、駐車場走行判定フラグという)FがONされているか否かを判定する。
【0039】
そして、駐車場走行判定フラグFがONされていない場合には、S130〜S170の処理を実行する。
即ち、まずS130にて、道路離脱状態であるか否かを判定する。道路離脱状態とは、S110で決定された車両の現在位置が地図メモリ4に予め記憶された道路データにて表される道路(換言すれば、地図メモリ4に道路データが記憶された道路)の上に存在しない状態であり、S110で決定された現在位置が地図メモリ4に記憶された何れの道路からも所定距離以上離れている場合に、道路離脱状態であると判定するようにしても良い。
【0040】
このS130にて道路離脱状態ではないと判定した場合には、当該車両位置検出処理を一旦終了するが、道路離脱状態であると判定した場合には、S140に進み、位置演算処理の実行で求められる車両の走行軌跡、或いはS110でRAM26に記憶した車両の走行軌跡に基づき、車両が所定旋回角度以上の屈曲走行をしたか否かを判定する。
【0041】
そして、S140で車両が屈曲走行していないと判定した場合には、当該車両位置検出処理を一旦終了するが、車両が屈曲走行したと判定した場合には、S150に進み、S140で今回判定した車両の屈曲が、S130で道路離脱状態と判定されてから車両が所定距離だけ走行するまでの間において、所定回数(本実施例では4回)目の屈曲であるか否かを判定する。そして、所定回数目の屈曲でなければ、当該車両位置検出処理を一旦終了するが、所定回数目の屈曲であれば、車両が、駐車場の如く地図メモリ4に道路データが記憶されていない場所を走行しているものと判断して、S160に進む。
【0042】
そして、このS160にて、前述した駐車場走行判定フラグFをONし、更に続くS170にて、S130で道路離脱状態であると判定されてからS150で所定回数目の屈曲であると判定されるまでの車両の走行軌跡を含む領域を、駐車場領域Wとして設定し、その後、当該車両位置検出処理を一旦終了する。
【0043】
ここで、S130〜S170の処理について、図5(A)を用い具体的に説明する。尚、図5(A)において、点線は、車両が走行した軌跡の一例を表しており、符号「R」を付した実線は、地図メモリ4に道路データが記憶された道路を表している。また、一点鎖線は、S170で設定される駐車場領域Wを表している。
【0044】
図5(A)に例示するように、車両が、地図メモリ4に道路データが記憶された道路Rから外れて走行すると、まず地点P1で道路離脱状態と判定される(S130:YES)。そして、その後、車両が所定距離だけ走行するまでの間に4回屈曲走行すると(S140:YES及びS150:YES)、その4回目の屈曲を判定した地点PFonで、駐車場走行判定フラグFがONされると共に(S160)、道路離脱状態であると判定されてから4回目の屈曲を判定した地点PFonまでの車両の走行軌跡を含む一点鎖線の領域が、駐車場領域Wとして設定されるのである(S170)。
【0045】
一方、前述したようにS160で駐車場走行判定フラグFがONされると、次回に当該車両位置検出処理が実行された場合には、S120で肯定判定されて、S180に移行する。
そして、このS180にて、未だ道路離脱状態であるか否かを判定し、道路離脱状態であれば、続くS190にて、S110で決定された車両の現在位置がS170で設定した駐車場領域W内にあるか否かを判定する。そして、現在位置が駐車場領域W内にある場合には、S200に進んで仮想道路生成処理を実行する。
【0046】
この仮想道路生成処理は、駐車場領域W内における車両の走行軌跡を、道路データ化して、RAM26の仮想道路データ領域に仮想道路として記憶するための処理であり、図3に示す手順で実行される。
即ち、仮想道路生成処理の実行が開始されると、まずS310にて、駐車場走行判定フラグFの変化状態を判定し、駐車場走行判定フラグFがOFFからONに変化した直後であれば、S320に進んで、前述したS130で道路離脱状態と判定されてからS160で駐車場走行判定フラグFがONとなるまでの間に、S110の処理でRAM26に記憶された車両の走行軌跡(つまり、S110で決定した車両の現在位置を蓄積してなる走行軌跡)を読み出し、その読み出した走行軌跡を所定距離間隔毎の直線に分解する。
【0047】
また、S310にて、駐車場走行判定フラグFが前回から継続してONであると判定した場合には、S315に移行する。そして、このS315にて、方位センサ2からの検出信号等に基づき車両が屈曲走行中であるか否かを判定し、屈曲走行中であれば、S320に進んで、車両が前回に屈曲走行を終えてから今回の屈曲走行を開始するまでの間に、S110の処理でRAM26に記憶された車両の走行軌跡を読み出し、その読み出した走行軌跡を所定距離間隔毎の直線に分解する。
【0048】
そして、このようにS320にて車両の走行軌跡が直線に分割されると、続くS330にて、S320で分解した直線の夫々について、道路データに変換する必要があるか否かを判定し、道路データに変換する必要のある直線があれば、続くS340で、その直線を図6に例示したような道路データに変換し、更に続くS350にて、上記変換した道路データをRAM26の仮想道路データ領域に記憶する。そして、その後、当該仮想道路生成処理から図2の車両位置検出処理に戻って、この車両位置検出処理を一旦終了する。すると、S350でRAM26の仮想道路データ領域に記憶された道路データは、次回からのS110にて、地図メモリ4に予め記憶された道路データと共にマップマッチング処理に用いられることとなる。
【0049】
また、S330にて、道路データに変換すべき直線がないと判定した場合、或いは、S315にて、車両が屈曲走行中ではないと判定した場合には、そのまま当該仮想道路生成処理から図2の車両位置検出処理に戻って、この車両位置検出処理を一旦終了する。
【0050】
尚、S330の判定は次のように行われる。即ち、走行軌跡を分解してなる直線の方向(方位)及び両端点の座標が、RAM26の仮想道路データ領域に道路データとして既に記憶されている直線の方向(=「道路方位」)及び両端点の座標(=「ノード座標」)に対し、所定方向差以内且つ所定距離差以内であれば、今回分解した直線を道路データ化しても、既に記憶した道路データと同じものになるとして、道路データに変換する必要がないと判定するようにしている。そして、このような判定を行うことにより、既にRAM26の仮想道路データ領域に記憶されている道路データに対し一致度が所定範囲内である走行軌跡は、道路データ化して記憶する対象から除外するようにしている。
【0051】
一方、前述した図2のS180にて、道路離脱状態ではないと判定されるか、或いは、S190にて、S110で決定された車両の現在位置がS170で設定した駐車場領域W内にないと判定した場合には、S210に移行して、駐車場走行判定フラグFをOFFし、更に続くS220にて、仮想道路生成処理の実行によりRAM26の仮想道路データ領域に記憶した道路データを全て消去すると共に、S170で設定した駐車場領域Wを破棄する(RAMクリア)。そして、その後、当該車両位置検出処理を一旦終了する。すると、次回からのS110では、地図メモリ4に予め記憶された道路データだけがマップマッチング処理に用いられ、通常の処理に戻ることとなる。
【0052】
ここで、S180〜S200(S310〜S350),S210,S220の処理について、車両が図5(A)の点線で示したように走行した場合を例に挙げて具体的に説明する。
まず、前述したように、図5(A)の地点PFonで駐車場走行判定フラグFがONされると、S180とS190とで肯定(YES)判定されると共に、図3の仮想道路生成処理では、S310にて駐車場走行判定フラグFがOFFからONに変化した直後であると判定されて、S320以降の処理が実行される。
【0053】
すると、道路離脱状態と判定された地点P1から駐車場走行判定フラグFがONとなった地点PFonまでの車両の走行軌跡が、図5(A)及び(B)に示すように、地点P1〜P13を夫々端点とする所定距離間隔毎の直線L1〜L9に分解される(S320)。
【0054】
尚、この場合のS320では、道路離脱状態と判定された地点P1から車両が1回目の屈曲走行を開始した地点P3までの走行軌跡が所定距離毎の直線L1,L2に分解され、車両が1回目の屈曲走行を終えた地点P4から車両が2回目の屈曲走行を開始した地点P7までの走行軌跡が所定距離毎の直線L3〜L5に分解され、車両が2回目の屈曲走行を終えた地点P8から車両が3回目の屈曲走行を開始した地点P9までの走行軌跡が所定距離毎の直線(この例では1つの直線L6)に分解され、車両が3回目の屈曲走行を終えた地点P10から車両が4回目の屈曲走行を開始した地点P13までの走行軌跡が所定距離毎の直線L7〜L9に分解される、といった具合いに、車両の走行軌跡のうちで屈曲走行部分を含まない部分が直線に分解される。
【0055】
そして、このように駐車場走行判定フラグFがOFFからONに変化した直後の場合には、RAM26の仮想道路データ領域に道路データが未だ記憶されておらず、しかも、図5(A)の如く車両が走行した場合には、S320の分割により得られる各直線L1〜L9の方向(方位)及び両端点の座標は、夫々が互いに異なるものとなるため、S320に続くS330の判定では、全ての直線L1〜L9を道路データに変換する必要があると判定される。
【0056】
よって、続くS340及びS350の処理により、図5(B)の如く分割された各直線L1〜L9が、図6に示すような道路データに変換されて、RAM26の仮想道路データ領域に格納される。
尚、図6は、図5(B)に示す各直線L1〜L9に、「道路ID」として1〜9を順に設定した場合の道路データを表している。よって、例えば直線L1については、「ノード座標」として、地点P1の座標(X1,Y1)と地点P2の座標(X2,Y2)とが設定され、「道路方位」として、南方(図5における下方)を示す270゜が設定され、「接続情報」として、一方のノード座標(X1,Y1)に接続する直線が無く、他方のノード座標(X2,Y2)に接続する直線が道路ID=2のものであることを示す(−1,2)が設定される。また、例えば直線L4については、「ノード座標」として、地点P5の座標(X5,Y5)と地点P6の座標(X6,Y6)とが設定され、「道路方位」として、東方(図5における右方)を示す0゜が設定され、「接続情報」として、一方のノード座標(X5,Y5)に接続する直線が道路ID=3のものであり、他方のノード座標(X6,Y6)に接続する直線が道路ID=5のものであることを示す(3,5)が設定される。そして、これら各直線L1〜L9については、その「道路属性」として、地図メモリ4に予め記憶された道路データと区別可能な様に、駐車場を示すデータが設定される。
【0057】
一方、次回以降に図3の仮想道路生成処理が実行される場合には、S310にて駐車場走行判定フラグFが継続してONであると判定されて、S315以降の処理が実行される。
そして、この場合には、車両が屈曲走行を行う度に(S315:YES)、車両が前回の屈曲走行を終えた地点から今回の屈曲走行を開始した地点までの走行軌跡が、所定距離毎の直線に分割される(S320)。そして、その分割された直線の方向及び両端点の座標が、RAM26の仮想道路データ領域に道路データとして既に記憶されている直線の方向(=「道路方位」)及び両端点の座標(=「ノード座標」)に対し、所定方向差以内且つ所定距離差以内でなければ(S330:YES)、上記分割された直線が図6の如き道路データに変換されてRAM26の仮想道路データ領域に追加して記憶され、所定方向差以内且つ所定距離差以内であれば(S330:NO)、上記分割された直線は道路データに変換されることなく破棄される。
【0058】
よって、図5(A)に例示するように、車両が駐車場走行判定フラグFのONされた地点PFonから、以前に走行したのと同じ経路を繰り返して走行した場合には、その2回目の走行軌跡については、道路データとしてRAM26に記憶されることが禁止される。
【0059】
そして、その後、図5(A)の地点PFoffに示すように車両がS170で設定した駐車場領域Wから出るか(S190:NO)、或いは、S110のマップマッチング処理により、地図メモリ4に道路データが予め記憶された道路Rの上に車両の現在位置が変更されて(引き込まれて)、道路離脱状態ではなくなると(S180:NO)、駐車場走行判定フラグFがOFFされると共に、RAM26の仮想道路データ領域に記憶した車両の走行軌跡に基づく道路データが消去されて(S210,S220)、地図メモリ4に予め記憶された道路データだけがS110でのマップマッチング処理に用いられる状態に戻ることとなる。
【0060】
尚、本実施例では、図2の車両位置検出処理において、S130及びS180が、道路離脱判定手段としての処理に相当し、S140及びS150が、屈曲走行判定手段としての処理に相当し、S170が、領域設定手段としての処理に相当しており、更にS190が、車両位置判定手段としての処理に相当している。そして、S200の仮想道路生成処理及びS220が、仮想道路作成手段としての処理に相当している。また、S140は、屈曲検出手段としての処理にも相当している。
【0061】
次に、以上のような車両位置検出処理(図2)と並行して、電子制御回路20で所定時間毎に実行されるパラメータ変更処理について、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
このパラメータ変更処理は、車両位置検出処理におけるS110のマップマッチング処理で用いられる演算パラメータを変更するために実行されるものであり、その実行が開始されると、まずS410にて、駐車場走行判定フラグFがONされているか否かを判定する。
【0062】
そして、駐車場走行判定フラグFがONされている場合、即ち、RAM26の仮想道路データ領域に記憶された車両の走行軌跡に基づく道路データが、地図メモリ4に予め記憶された道路データと共にマップマッチング処理に用いられる場合には、S420に進み、S110のマップマッチング処理で用いられる演算パラメータを、地図メモリ4内の道路データに対してはマップマッチングされ難くなるように変更する。
【0063】
具体的には、前述したようにS110のマップマッチング処理では、地図メモリ4とRAM26の仮想道路データ領域に記憶された道路データから、位置演算処理の実行で求めた車両の走行軌跡に対して道路形状の一致度が所定範囲内である道路を検索するのであるが、S420の処理では、地図メモリ4に記憶された道路データから道路を検索する場合の前記所定範囲のみ、通常時よりも狭く設定する。そして、この設定変更により、駐車場走行判定フラグFがONされている場合には、位置演算処理の実行で算出した車両の現在位置が、地図メモリ4に道路データが記憶された道路上の位置に変更され難く(マップマッチングされ難く)している。そして、このS420の処理を実行した後、当該パラメータ変更処理を一旦終了する。
【0064】
一方、S410にて、駐車場走行判定フラグFがONされていないと判定した場合、即ち、地図メモリ4に予め記憶された道路データだけがマップマッチング処理に用いられる場合には、S430に移行して、S110のマップマッチング処理で用いられる演算パラメータを、通常値に設定する。つまり、前述したS420での設定変更を無効にするのである。そして、このS430の処理を実行した後、当該パラメータ変更処理を一旦終了する。
以上詳述したように、本実施例の車載用ナビゲーション装置では、マップマッチング処理により検出(決定)した車両の現在位置が地図メモリ4に予め道路データの記憶された道路上にない道路離脱状態になってから、車両が所定回数だけ屈曲走行すると(S130及びS150:YES)、その後に車両はその付近を繰り返して走行する可能性があると推測して、道路離脱状態となってから車両が所定回数だけ屈曲走行するまでの走行軌跡を含む駐車場領域Wを設定し(S170)、その駐車場領域W内から車両の現在位置が出るか、或いは、道路離脱状態でなくなるまでの間、駐車場領域W内での車両の走行軌跡を道路データに変換してRAM26の仮想道路データ領域に記憶すると共に、その記憶した道路データを、地図メモリ4に予め記憶された道路データと共にマップマッチング処理の実行に用いるようにしている(S180及びS190:YES,S200)。
【0065】
よって、車両が、駐車場の如く地図メモリ4に道路データが記憶されていな場所において、図5(A)に例示したように同じ経路を繰り返して走行しても、車両が一度走行した経路を再び走行した場合には、既に走行している経路の軌跡が仮想の道路データとして記憶されており、その道路データを対象としてマップマッチング処理が行われるため、位置演算処理の実行で算出した車両の現在位置(計算位置)が上記仮想の道路データ上の所定位置に変更されることとなる。
【0066】
この結果、地図メモリ4に道路データが記憶されていな場所において、車両が同じ経路を繰り返して走行しても、検出される車両の現在位置が実際の位置に対して次第に大きくずれていってしまう、といったことが防止される。
例えば、図5(A)の点線で例示したように、車両が、地図メモリ4に道路データが記憶された道路Rから外れて長方形状に繰り返し周回走行した場合に、本実施例の如き処理を行わない従来の装置では、方位センサ2の検出誤差や演算誤差が次第に蓄積されて、車両の検出位置が実際の位置に対し次第に大きくずれていってしまうのであるが、本実施例では、既に走行した経路の軌跡に応じた仮想の道路データを対象としてマップマッチング処理が行われるため、このような問題を効果的に解決することができるのである。
【0067】
従って、このような本実施例の車載用ナビゲーション装置によれば、地図メモリ4に道路データが予め記憶されていない場所を車両が走行した場合にも、車両の現在位置を正確に検出することができ、延いては、当該装置の使用者に対して、車両の現在位置を常に正確に案内することができるようになる。
【0068】
また更に、本実施例の車載用ナビゲーション装置では、図4に示したパラメータ変更処理を実行して、駐車場領域W内から車両の現在位置が出るか、或いは、道路離脱状態でなくなるまでの間、即ち、RAM26に記憶した仮想の道路データを地図メモリ4に予め記憶された道路データと共にマップマッチング処理の実行に用いる場合に(S410:YES)、地図メモリ4内の道路データに対してはマップマッチングされ難くしている(S420)。
【0069】
よって、車両が、図5(A)に例示した如く地図メモリ4に道路データが記憶されていな場所を走行している場合に、位置演算処理の実行で算出した車両の計算位置が、地図メモリ4に予め記憶された道路データ上の何れかの位置に強引に変更されてしまうことが抑制され、車両位置の検出精度をより一層向上させることができる。
【0070】
一方、本実施例の車載用ナビゲーション装置では、駐車場領域W内から車両の現在位置が出るか、或いは、道路離脱状態でなくなると(S180又はS190:NO)、RAM26に記憶した道路データを消去するようにしているため(S220)、RAM26の記憶容量を小さく設定することができる。
【0071】
そして更に、本実施例の車載用ナビゲーション装置では、図3の仮想道路生成処理におけるS330の判定により、既にRAM26に記憶されている道路データに対し一致度が所定範囲内である走行軌跡は、道路データ化して記憶する対象から除外するようにしている。よって、車両が同じ経路を繰り返し走行した場合に、同様の道路データがRAM26に記憶されることが防止され、RAM26の記憶容量を節約しつつ、前述した各効果を得ることができる。
【0072】
尚、上記実施例では、道路離脱状態になってから、車両が所定回数だけ屈曲走行すると、仮想的な駐車場領域Wを設定し、その駐車場領域W内での車両の走行軌跡を、道路データに変換してマップマッチング処理に用いるようにしたが、駐車場領域Wを設定することなく、道路離脱状態であると判定されている場合に、車両の走行軌跡を道路データに変換してマップマッチング処理に用いるようにしても良い。
【0073】
具体的には、まず、図2に示した車両位置検出処理は、S110の処理を実行した後、S180に移行して道路離脱状態であるか否かを判定し、道路離脱状態であれば、S200に移行して仮想道路生成処理を実行し、また道路離脱状態でなければ、S220に移行してRAM26の仮想道路データ領域を消去するように構成する。そして、図3に示した仮想道路生成処理は、S310の判定を行うことなく、最初からS315の判定を行い、車両が屈曲走行中であれば、S320〜S350の道路データ作成のための処理を実行するように構成する。また、この構成の場合、図4のパラメータ変更処理は、実行しないようにしても良いし、また、S410にて道路離脱状態であるか否かを判定し、道路離脱状態である場合にS420の処理を実行するようにしても良い。
【0074】
そして、上記のように構成しても、前述した実施例の車載用ナビゲーション装置と同様の効果を得ることができるが、前述した実施例のように仮想的な駐車場領域Wを設定するようにすれば、駐車場内のように車両が同じ経路を繰り返し屈曲走行して、本当に車両位置の検出精度が低くなってしまう可能性がある場合にのみ、仮想の道路データを対象とするマップマッチング処理を行うようにすることができ、車両位置を検出するための処理の最適化・低減化を図ることができる、という点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】 車両位置検出処理を表すフローチャートである。
【図3】 図2の車両位置検出処理の中で実行される仮想道路生成処理を表すフローチャートである。
【図4】 パラメータ変更処理を表すフローチャートである。
【図5】 図2及び図3の処理の作用を説明する説明図である。
【図6】 道路データを説明する説明図である。
【符号の説明】
1…車速センサ 2…方位センサ 4…地図メモリ
6…コントロールスイッチ 20…電子制御回路 22…CPU
24…ROM 26…RAM 28…入出力回路 30…コモンバス
32…CRTコントローラ 34…CRT
Claims (6)
- 道路地図をデータ化して記憶する地図記憶手段と、
車両の走行方向及び走行距離を検出するための検出器と、
を備え、前記検出器からの検出信号に基づき前記車両の現在位置を算出すると共に、該算出した現在位置と前記地図記憶手段に記憶された道路地図内の何れかの道路とのずれの状態が所定条件を満たす場合に前記算出した現在位置を前記道路上の所定位置に変更するマップマッチング処理を実行して、前記車両の現在位置を検出する車載用ナビゲーション装置において、
前記検出した車両の現在位置が前記地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上にない道路離脱状態であるか否かを判定する道路離脱判定手段と、
該道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定された場合に、前記車両が所定旋回角度以上の屈曲走行をしたか否かを判定する屈曲検出手段と、
該屈曲検出手段により前記車両が所定旋回角度以上の屈曲走行をしたと判定された場合に、前記検出した現在位置を蓄積してなる前記車両の走行軌跡を、所定の記憶手段に仮想道路として記憶する仮想道路作成手段と、
を備え、前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されている場合には、前記所定の記憶手段に記憶された仮想道路を、前記地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路と共に前記マップマッチング処理の実行に用いるように構成されていること、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。 - 請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置において、
前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されてから、前記車両が予め定められた所定の複数回だけ屈曲走行したか否かを判定する屈曲走行判定手段と、
該屈曲走行判定手段により肯定判定されると、前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されてから前記屈曲走行判定手段により肯定判定されるまでの前記車両の走行軌跡を含む所定領域を設定する領域設定手段と、
前記車両の現在位置が前記設定された所定領域内にあるか否かを判定する車両位置判定手段と、
を備え、
当該装置は、前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されており、且つ、前記車両位置判定手段により肯定判定されている場合に、前記所定の記憶手段に記憶された仮想道路を、前記地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路と共に前記マップマッチング処理の実行に用いるように構成されていること、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。 - 請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置において、
当該装置は、前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態であると判定されており、且つ、前記車両位置判定手段により肯定判定されている場合に、前記所定条件を、前記算出した現在位置が前記地図記憶手段に記憶された道路地図内の道路上の所定位置に変更され難く設定するように構成されていること、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。 - 請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置において、
前記仮想道路作成手段は、
前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態ではないと判定されると、前記所定の記憶手段に記憶した仮想道路を消去すること、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置において、
前記仮想道路作成手段は、
前記道路離脱判定手段により前記道路離脱状態ではないと判定されるか、或いは、前記車両位置判定手段により否定判定されると、前記所定の記憶手段に記憶した仮想道路を消去すること、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の車載用ナビゲーション装置において、
前記仮想道路作成手段は、
前記所定の記憶手段に既に記憶した仮想道路と前記車両の新たな走行軌跡とを比較して、その一致度が所定範囲内である走行軌跡は、前記仮想道路として記憶する対象から除外するように構成されていること、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
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