JP3794442B2 - 照明装置および露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被照明物体を円弧状に照明する照明装置、及び該照明(装置)系を備えた露光装置に関するものであり、特に、軟X線光学系等のミラープロジェクション方式によりフォトマスク(マスクまたはレチクル)上の回路パターンを反射型等の投影光学系を介して、ウェファー等の基板上に転写するのに用いて好適な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造における露光では、物体面としてのフォトマスク(以下、マスクと称する)面上に形成された回路パターンを投影光学系を介してウェファー等の基板(以下、ウェファーと称する)上に投影転写している。
この投影光学系は複数の反射鏡を有しており、投影光学系の軸外の円弧状の良像領域のみが利用されて、マスク上の円弧領域のみがウェファー上に投影転写される。従って、マスク全体の回路パターンのウェファー上への転写は、マスクとウェファーとを一定方向に走査することにより行われている。
【0003】
この走査方式による露光は、比較的高いスループットで、しかも高解像力が得られるという利点がある。
この種の露光においては、マスク上の円弧領域を均一に、しかも一定の開口数(NA)にて効率よく照明できる照明光学系が望まれており、本願と同一出願人による出願(特開平7−235470)には、平行光束を供給する光源部と反射型のオプティカルインテグレータと放物トーリック面形状の凹面鏡とを有し、マスク上を円弧上に均一照明できる照明光学系が提案されている。その概念図を図5に示す。
【0004】
この照明光学系では、平行光束を供給する光源部1が用いられ、サジタル面内(紙面に垂直な面)のみにパワーを持つ一次元的なオプティカルインテグレータ2によりサジタル面内で多重化された二次光源Iを作る。ただし、メリジオナル面内(紙面に平行な面)では平行な光束のままである。
そして、放物トーリック面形状のミラー3により、この二次光源Iからの光束を集光することにより、メリジオナル面内では光源の像をマスク上に結像する臨界照明(クリティカル照明)を行い、またサジタル面内では平行光が異なる方向からマスクを照明するケーラー照明を行うものである。
【0005】
ケーラー照明は、広い領域で均一な照明を行うのには有効であるが、前記の場合(特開平7−235470)にはオプティカルインテグレータを使用するので効率が良くない。そこで、特開平7−235470においては、照明する幅の狭いメリジオナル面内では臨界照明とすることにより光学系の効率を向上させている。
【0006】
また、X線波長域にて使用できる反射型のオプティカルインテグレータについては、本願と同一出願人による出願(特開平6−235797)に記載されている。
なお、ここで用いられている放物トーリック面形状の凹面鏡の機能については、本願と同一出願人による出願(特開平6−97047)に詳しく説明されている。その原理図を図6に示す。
【0007】
この放物トーリック面反射鏡は、放物線PAの対称軸Ax0 上に、これに垂直な軸AX1を設け、この軸AX1の回りに放物線PAを回転した形状を有している。対称軸AX0に平行な光束は、放物トーリック面反射鏡3で反射して放物線PAの焦点CBFへ集光する。
一方、回転中心軸AX1上に点光源Iを設け、そこから発散する光束に着目すると、点光源Iから反射面までの距離と反射面から焦点CBFまでの距離が等しいならば、放物トーリック面反射鏡3で反射した後に平行な光束になる。
【0008】
以上のメリジオナル面(紙面に平行な面)内における光線の挙動は容易に理解できるが、サジタル面(紙面に垂直な面)内においても全く同様に、平行光束は焦点に集まり、回転中心軸AX1上から発散する光束は平行光束になることが放物トーリック面形状の凹面鏡の大きな特徴である。
従って、オプティカルインテグレータを用いて回転中心軸AX1上に複数の二次光源を形成すれば、マスク上をケーラー照明することができる。また、この光学系は回転中心軸AX1の回りに回転対称なので、円弧状の領域が照明されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の技術では、いずれもオプティカルインテグレータを使用して光束を発散させるため、照明に寄与しない光線が多くなり、照明光学系の効率が低下してしまうという問題点があった。
また、平行光束を供給する光源部が必要であるため、放射光光源のような平行光を発生する光源を用いる場合は良いが、レーザープラズマX線源のような発散光束を供給する光源を用いる場合には、放物面鏡等により予め発散光束を平行光束に変換する必要がある。
【0010】
ところが、軟X線領域では反射鏡の反射率が低いので、反射面の増加は光学系の効率を大幅に低下させるという問題点があった。
露光装置において、照明光学系または照明装置の効率が低下すると、スループット(単位時間に処理できるウェファーの枚数)が低下するので、重大な問題点となる。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、オプティカルインテグレータを使用する必要が無く、単純な構成により効率を向上させることができる照明装置、および該照明(装置)系を備えることにより、スループットを向上させた露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明では第一に「少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して被照明物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置において、
前記集光光学系は、第1の凹面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に配置され、
前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
前記第1の凹面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、前記第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなることを特徴とする照明装置(請求項1)」を提供する。
【0013】
また、本発明は第二に「少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して被照明物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置において、
前記集光光学系は、第1の凹面鏡と凸面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する楕円シリンドリカル面の一部により構成され、
前記凸面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第1の焦点またはその近傍に配置され、
前記凸面鏡は、そのメリジオナル断面である放物線の焦点と、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第2の焦点とが一致するように配置され、
前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては集束光束、サジタル面内では発散光束となり、続いて凸面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡および凸面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
前記第1の凹面鏡および凸面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなることを特徴とする照明装置(請求項2)」を提供する。
【0014】
また、本発明は第三に「前記第1の凹面鏡および第2の凹面鏡の反射面に、或いは前記第1の凹面鏡、第2の凹面鏡および凸面鏡の反射面に、所定波長のX線を反射する多層膜を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置(請求項3)」を提供する。
また、本発明は第四に「前記多層膜が、モリブデン/珪素、モリブデン/珪素化合物、モリブデン/ベリリウム、ルテニウム/珪素、ルテニウム/珪素化合物、ルテニウム/ベリリウム、ロジウム/珪素、ロジウム/珪素化合物、またはロジウム/ベリリウムの組み合わせのうち、いずれか一つの組み合わせで交互に複数回積層した交互多層膜により形成されてなることを特徴とする請求項3記載の照明装置(請求項4)」を提供する。
【0015】
また、本発明は第五に「所定のパターンが設けられた第1物体の像を投影結像光学系を介して第2物体上に形成し、前記第1物体と前記第2物体とを移動させつつ露光を行う露光装置において、
少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して前記第1物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置系を備えており、
前記集光光学系は、第1の凹面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に配置され、
前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
前記第1の凹面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなり、
前記第2の凹面鏡のメリジオナル面内の集束点を含み、該凹面鏡の回転基準軸に対して垂直な面内に被照射物体である前記第1物体が設置され、
前記第2の凹面鏡の回転基準軸が前記投影結像光学系の光軸に一致し、
前記第2の凹面鏡によるサジタル面内の集束点の位置が前記投影結像光学系の入射瞳上に配置されてなることを特徴とする露光装置(請求項 5)」を提供する。
【0016】
また、本発明は第六に「所定のパターンが設けられた第1物体の像を投影結像光学系を介して第2物体上に形成し、前記第1物体と前記第2物体とを移動させつつ露光を行う露光装置において、
少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して前記第1物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置系を備えており、
前記集光光学系は、第1の凹面鏡と凸面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する楕円シリンドリカル面の一部により構成され、
前記凸面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第1の焦点またはその近傍に配置され、
前記凸面鏡は、そのメリジオナル断面である放物線の焦点と、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第2の焦点とが一致するように配置され、
前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては集束光束、サジタル面内では発散光束となり、続いて凸面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡および凸面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
前記第1の凹面鏡および凸面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなり、
前記第2の凹面鏡のメリジオナル面内の集束点を含み、該凹面鏡の回転基準軸に対して垂直な面内に被照射物体である前記第1物体が設置され、
前記第2の凹面鏡の回転基準軸が前記投影結像光学系の光軸に一致し、
前記第2の凹面鏡によるサジタル面内の集束点の位置が前記投影結像光学系の入射瞳上に配置されてなることを特徴とする露光装置(請求項 6)」を提供する。
【0017】
また、本発明は第七に「前記第1の凹面鏡および第2の凹面鏡の反射面に、或いは前記第1の凹面鏡、第2の凹面鏡および凸面鏡の反射面に、所定波長のX線を反射する多層膜を設けたことを特徴とする請求項5または6記載の露光装置(請求項7)」を提供する。
また、本発明は第八に「前記多層膜が、モリブデン/珪素、モリブデン/珪素化合物、モリブデン/ベリリウム、ルテニウム/珪素、ルテニウム/珪素化合物、ルテニウム/ベリリウム、ロジウム/珪素、ロジウム/珪素化合物、またはロジウム/ベリリウムの組み合わせのうち、いずれか一つの組み合わせで交互に複数回積層した交互多層膜により形成されてなることを特徴とする請求項7記載の露光装置(請求項8)」を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる第1の照明装置(一例)が有する光学系の原理を示す図である。
第1の凹面鏡1は、放物シリンドリカル面形状を有しており、メリジオナル面内(図1の紙面内)でのみパワーを持つ。
【0019】
光源部Sは、この第1の凹面鏡1のメリジオナル断面である放物線の焦点位置F1に配置される。光源部Sから発散した光束は第1の凹面鏡1で反射した後、メリジオナル面内では放物線の軸l1 と平行な平行光束CRとなり、サジタル面内では光源部Sの第1の凹面鏡1による虚像S’から発散する光束となる。
第2の凹面鏡2は、メリジオナル面内にあり光源の虚像S’を通る基準軸lの回りに放物線を回転して得られる放物トーリック面形状を有する。この第2の凹面鏡2のメリジオナル断面である放物線の軸l2 は、前記の平行光束CRに対して平行になるよう配置され、メリジオナル面内の光束は、第2の凹面鏡2で反射した後、その焦点F2へ集束する。この位置にマスクMを配置する。
【0020】
第2の凹面鏡2は基準軸lについて回転対称なので、マスクM上では円弧状の領域が照明される。
メリジオナル面内では、図1から容易に理解される用に、光源部Sの像(実像)がマスクM上に形成される臨界照明(クリティカル照明)が行われる。臨界照明では、光源側の開口数が照明の開口数を決め、光源の大きさが照明領域の大きさを決める。また、サジタル面内では、第2の凹面鏡で反射した光束は基準軸lとの交点Tに円錐状に集束する。
【0021】
図1において、主光線CRに沿って、光源Sから第1の凹面鏡1の反射面Pを経て第2の凹面鏡2の反射面までの距離をa(これは光源Sの虚像S’から第2の凹面鏡2の反射面Qまでの距離に等しい)、反射面Qから基準軸lとの交点Tまでの距離をb、反射面QからマスクMまでの距離をcとする。
ここで理解しやすいように、図2にミラーをレンズ系に置き換えて光線の様子を示す。
【0022】
まず、メリジオナル面内では、光源Sから出た発散光束はPの位置に置かれたレンズ(以下、レンズPと称する)で平行光束となり、Qの位置に置かれたレンズ(以下、レンズQと称する)でマスクM上に集束する(図2(a))。
サジタル面内では、第1の凹面鏡1は単なる平面鏡の役割のみでレンズ作用は無いため、光源Sの虚像S’を作るだけである。光源の虚像S’から出た発散光束はレンズQによりTに集束する(図2(b))。
【0023】
このとき、
1/a+1/b=1/c ・・・1式
なる条件を満足すれば、光源上の異なる点から発した互いに平行な光線がマスクM上で同一の点に集束する。この条件を満たすときに、マスクM上の各点は、均一な照度と均一な開口数で照明されることになる。即ち、ケーラー照明が達成される。ケーラー照明の場合には、光源Sの大きさが照明の開口数を決め、光源側の開口数が照明領域の大きさを決める。
【0024】
図1において、基準軸lを投影光学系(不図示)の光軸と一致させ、交点Tが投影光学系の入射瞳面EP上に来るように配置すれば、マスクM上の円弧上の領域において、サジタル面内ではケーラー照明が行われ、メリジオナル面内では臨界照明が行われる。
次に、凹面鏡をレンズ系に置き換えた図2により、光源の大きさおよび広がり角と、照明の開口数および照明領域の大きさの関係を説明する。
【0025】
まず、図2(a)に示すメリジオナル面内では、光源Sの大きさをWMO、光源から発散する光束の広がり角をθMO、マスクM上での照明領域の大きさをWM 、照明の開口数(NA)をsinθM とし、光源SからレンズPまでの距離(レンズPの焦点距離)をf1 、レンズQからマスクMまでの距離(レンズQの焦点距離)をf2 とすると、
f1 ・sinθMO=f2 ・sinθM であるから、照明の開口数は、sin
θM =(f1 /f2 )・sinθMOで与えられる。軟X線縮小投影露光の光学系では開口数はあまり大きくない(0.1 程度以下)ので、メリジオナル方向の照明の開口数sinθM は〜θM =(f1 /f2 )・θMO=k・θMOとなる。
【0026】
また、メリジオナル方向の照明領域の大きさはWM =(f2 /f1 )・WMO=k・WMOで与えられる。
kはこの光学系のメリジオナル面内での倍率であるが、レンズPの位置を動かすことによって任意の値を得ることが出来る。一般に軟X線の光源として用いられるレーザープラズマ光源は、寸法が小さく(φ数百μm程度)等方的な光源であるので、倍率kを大きく取ると、光源側の有効立体角を大きくし照明領域を広くすることが出来るので有効である。
【0027】
以上の様に、メリジオナル面内ではθMOがθM を決め、WMOがWM を決める。θMOはメリジオナル方向における第1の凹面鏡1または第2の凹面鏡2の反射面の寸法により決められる。
次に、図2(b)に示すサジタル面内では、光源の大きさをWSO、光源から発散する光束の広がり角をθSO、マスクM上での照明領域の大きさをWS 、照明の開口数をsinθS とすると、
SO=2c・sinθS であるから、サジタル方向の照明の開口数は、sinθS =WSO/2cで与えられる。また、サジタル方向の照明領域の大きさはWS =2c・tanθSOで与えられる。WS は円弧上の照明領域の弦の長さを表す。
【0028】
以上のように、サジタル面内ではWSOがθS を決め、θSOがWS を決める。
θSOはサジタル方向における第1の凹面鏡1または第2の凹面鏡2の反射面の寸法により決められる。
各凹面鏡の反射面の範囲は上記のθMOとθSOをカバーするように決められる。本発明の照明系の寸法形状を決めるパラメータは、以下のようにして決められる。
【0029】
まず、第1の凹面鏡である放物シリンドリカルミラーが満たすべき条件は以下の二つである。
(1) メリジオナル面内の平行光束の幅を所定の値にする。これでメリジオナル面内の照明の開口数が決まる。
(2) 光源の虚像S’が第2の凹面鏡2である放物トーリック面の回転基準軸l上に来るよう配置する。
【0030】
これらの条件さえ満たせば第1の凹面鏡1である放物シリンドリカルミラーは自由に配置することができるので、このミラーを光源Sに接近させることによって集光立体角を拡大することができる。
次に、第2の凹面鏡2である放物トーリック面の自由度は3であり、例えば図1において、主光線CRのミラー2への入射角θ1 とマスクMへの入射角θ2 を指定すると全体の形状が決まり、さらに円弧状の照明領域の半径Rを指定すると全ての寸法が決定する。
【0031】
表1〜3に楕円の放物トーリック面の設計値の例を示す。fは放物線の焦点距離、a、b、cはそれぞれ図1の(主光線CRに沿った)距離SQ、QT、QMである。円弧状の照明領域の半径Rは120mmとした。表1はマスクへの主光線CRの入射角θ2 が0゜のテレセントリック条件の場合、表2と表3はマスクへの主光線CRの入射角θ2 がそれぞれ5゜と10゜の非テレセントリック条件の場合である。
【0032】
第2の凹面鏡2(放物トーリック面)への主光線CRの入射角θ1 を5゜から80゜まで変えた場合の放物線の設計値はこれらの表の通りになる。露光装置全体の光学系の配置を勘案して適切なパラメータを選択することができる。
【0033】
【表1】
Figure 0003794442
【0034】
【表2】
Figure 0003794442
【0035】
【表3】
Figure 0003794442
【0036】
以上、第1の凹面鏡1に放物シリンドリカルミラー、第2の凹面鏡2に放物トーリックミラーを用いた場合について詳しく説明したが、本発明では、第1の凹面鏡1の代わりに、凹面鏡と凸面鏡の組み合わせを用いることもできる。
図3は、本発明にかかる第2の照明装置(一例)の光学系の原理を示す図である。
【0037】
第1の凹面鏡101は、楕円シリンドリカル面形状を有しており、メリジオナル面内(図3の紙面内)でのみパワーを持つ。
光源部Sは、この第1の凹面鏡101のメリジオナル断面である楕円の第1の焦点位置F1に配置される。光源部Sから発散した光束は第1の凹面鏡101で反射した後、メリジオナル面内では楕円の第2の焦点F2へ集束する光束となり、サジタル面内では光源部Sの第1の凹面鏡101による虚像S’から発散する光束となる。
【0038】
凸面鏡102は、放物シリンドリカル面形状を有しており、メリジオナル面内でのみパワーを持つ。
メリジオナル断面において、前記第1の凹面鏡101の楕円の第2の焦点位置F2と、凸面鏡102の放物線の焦点位置とは一致するよう配置される。
メリジオナル面内では、F2に向かって集束する光束は、凸面鏡102で反射した後、その放物線の軸l1 に平行な平行光束となり、サジタル面内では虚像
S’の凸面鏡102による虚像S”から発散する光束となる。
【0039】
第2の凹面鏡2は、メリジオナル面内にあり光源の虚像S”を通る基準軸lの回りに放物線を回転して得られる放物トーリック面形状を有する。この第2の凹面鏡2のメリジオナル断面である放物線の軸l2 は、前記の平行光束に対して平行になるよう配置され、メリジオナル面内の光束は、第2の凹面鏡2で反射した後、その焦点F3へ集束する。この位置にマスクMを配置する。
【0040】
第2の凹面鏡2は基準軸lについて回転対称なので、マスクM上で円弧状の領域が照明される。
メリジオナル面内では、図3から容易に理解されるように、光源部Sの像(実像)がマスクM上に形成される臨界照明(クリティカル照明)が行われる。臨界照明では、光源側の開口数が照明の開口数を決め、光源の大きさが照明領域の大きさを決める。また、サジタル面内では、第2の凹面鏡2で反射した光束は基準軸lとの交点Tに円錐状に集束する。
【0041】
図3において、主光線CRに沿って、光源Sから第1の凹面鏡101の反射面P1および凸面鏡102の反射面P2を経て第2の凹面鏡2の反射面Qまでの距離をa(これは光源Sの虚像S”から第2の凹面鏡2の反射面Qまでの距離に等しい)、反射面Qから基準軸lとの交点Tまでの距離をb、反射面QからマスクMまでの距離をcとする。
【0042】
ここで理解しやすいように、図4に凹面鏡をレンズ系に置き換えて光線の様子を示す。
まず、メリジオナル面内では、光源Sから出た発散光束はP1の位置に置かれたレンズ(以下、レンズP1と称する)とP2の位置に置かれたレンズ(以下、レンズP2と称する)により平行光束となり、Qの位置に置かれたレンズ(以下、レンズQと称する)でマスクM上に集束する(図4(a))。
【0043】
サジタル面内では、第1の凹面鏡101と凸面鏡102は単なる平面鏡の役割のみでレンズ作用は無いので、光源Sの虚像S”を作るだけである。光源の虚像S”から出た発散光束はレンズQによりTに集束する(図4(b))。
このとき、
1/a+1/b=1/c ・・・1式
なる条件を満足すれば、光源上の異なる点から発した互いに平行な光線がマスクM上で同一の点に集束する。この条件を満たすときに、マスクM上の各点は、均一な照度と均一な開口数で照明されることになる。即ち、ケーラー照明が達成される。ケーラー照明の場合には、光源Sの大きさが照明の開口数を決め、光源側の開口数が照明領域の大きさを決める。
【0044】
図3において、基準軸lを投影光学系(不図示)の光軸と一致させ、交点Tが投影光学系の入射瞳面EP上に来るように配置すれば、マスクM上の円弧上の領域で、サジタル面内ではケーラー照明が行われ、メリジオナル面内は臨界照明が行われる。
光源の大きさおよび広がり角と、照明の開口数および照明領域の大きさの関係、および照明系の寸法形状を決めるパラメータの決め方は、本発明にかかる第1の照明装置と同様であるので、説明は省略する。
【0045】
本発明にかかる第2の照明装置は、本発明にかかる第1の照明装置と比べて、反射面の数が増加してしまうものの、メリジオナル面内で光源Sからの集光角(図4のθMO)が大きく取れるので、光源の利用効率が高まり、露光装置に適用したときにスループットが増加するという利点がある。
以上のように、本発明の照明光学系は、2枚または3枚という比較的少ない反射面により、メリジオナル面内では臨界照明(クリティカル照明)を、サジタル面内ではケーラー照明を実現することが出来る。
【0046】
図1および図3では、マスクMに対する照明光の主光線CRの入射が垂直ではない(マスク側)非テレセントリックの場合を示してある。
一般に、軟X線縮小投影露光においては、大面積の透過マスクを作製することが困難であり、反射マスクが使用される。反射マスクを使用する場合には、マスクへの入射光線と反射光線とが重ならないようにするために、非テレセントリックにする必要があり、本発明はそのような使用法に適している。
【0047】
但し、本発明による照明系をテレセントリックの場合に適用することも可能であり、その場合はbが無限大となり円筒状の光束がマスクを照明し、基準軸lとは交わらない(表1の場合)。
本発明にかかる凹面鏡および凸面鏡の反射面は、所定波長の軟X線を反射する多層膜により形成することが好ましい。
【0048】
また、かかる多層膜は、モリブデン/珪素、モリブデン/珪素化合物、、モリブデン/ベリリウム、ルテニウム/珪素、ルテニウム/珪素化合物、ルテニウム/ベリリウム、ロジウム/珪素、ロジウム/珪素化合物、またはロジウム/ベリリウムの組み合わせのうち、いずれか一つの組み合わせで、交互に複数回積層した交互多層膜により形成することが好ましい。
【0049】
但し、本発明はこれらに限定されることはなく、他の材料の組み合わせの多層膜を使用することもできる。
これらの多層膜のうち、特に、珪素または珪素化合物を一方の材料に用いた多層膜は、波長13nm付近の軟X線を使用する場合に好ましく、ベリリウムを一方の材料に用いた多層膜は、波長11nm付近の軟X線を使用する場合に好ましい。
【0050】
以上のように、本発明によれば、オプティカルインテグレータ等を用いることなく、2枚または3枚という少ない枚数のミラーで照明光学系を構成することができるので、オプティカルインテグレータで光束を発散させることによる光量の損失が無くなり、また、反射面の枚数の増加による光量の損失も最小限に抑えられるので、照明装置の効率を向上させることができる。
【0051】
また、その結果、該照明(装置)系を備えた露光装置のスループットを向上させることが出来る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0052】
【実施例1】
図7は本発明の第1の実施例である照明装置(系)およびこれを備えた露光装置を示す概略構成図である。
軟X線光学系は空気による軟X線の吸収を防ぐために、すべて真空容器中に配置されている。
【0053】
光源SにはレーザープラズマX線源を用いた。Nd:YAGレーザーのパルス状発光を集光して、タンタル(Ta)の板からなるターゲット表面へ照射する(これらは不図示)ことにより、ターゲット表面近傍にプラズマが発生し、このプラズマからX線が放出される。
なお、ターゲット材料は、Taに限定されるものではなく、例えば、Sn、
Pb、Sb、W、Au等でも良い。また、合金や化合物でもかまわない。
【0054】
Nd:YAGレーザー光源は大気中に設置し、レーザー光は真空容器の窓から真空容器中へ導入される。レーザー光を集光する光学系は、大気中に設置しても真空中に設置してもいずれでもかまわない。
このようなレーザープラズマ光源の大きさは、レーザーの集光径によって決まるが、一般に0.1 〜1mm程度の直径になる。これを大きくし過ぎると、投入されるエネルギー密度が低下してしまいX線が発生しなくなる。
【0055】
本実施例では、サジタル面内に大きさを持つ光源Sを得るために、メリジオナル面内では0.3 mm、サジタル面内では4.8 mmの寸法の偏平な楕円形状にレーザーを集光して照射した。
なお、レーザープラズマX線源に使用するレーザーはNd:YAGレーザーに限定されることはなく、高出力のパルスレーザーならば良い。例えば、エキシマレーザー、ガラスレーザー、チタンサファイヤレーザー等のレーザーを使用することができる。
【0056】
このような光源Sから発散する光束は放物シリンドリカル面の一部からなる第1の凹面鏡1で反射される。光源Sは、その第1の凹面鏡1による虚像S’が第2の凹面鏡2である放物トーリック面の回転基準軸5上に来るよう配置される。本実施例では、円弧上の照明領域の半径を120mm、第2の凹面鏡2への主光線4の入射角θ1 は45゜、マスク3への主光線4の入射角θ2 は5゜とするために、
放物シリンドリカル面の放物線の焦点距離f1 を50mm、放物トーリック面の放物線の焦点距離f2 を120mm、光源S(の虚像S’)から第2の凹面鏡2までの距離aを130.997 mm、第2の凹面鏡2から回転基準軸5上のサジタル面内の集光点Tまでの距離bを1497.304mm、第2の凹面鏡2からマスク3までの距離cを120.458 mmとした。
【0057】
メリジオナル面内では、光源Sから発散する光束は、第1の凹面鏡1で反射したあと平行光束となり、第2の凹面鏡2で反射してマスク3上に集光する。即ち、メリジオナル面内では臨界照明(クリティカル照明)が行われる。マスク3上の幅0.8 mmの領域が照明される。照明の開口数は0.02となるように第1の凹面鏡1のメリジオナル面内の幅を決めた。
【0058】
サジタル面内では、光源Sから発散する光束のうち±20゜の範囲を取り込むように第1の凹面鏡1のサジタル面内で光軸に垂直方向の幅を決めたので、円弧状の照明領域の長さ(弦の長さ)は82mmである。
サジタル面内では、光源S上の異なる位置から発して同じ方向に進む光線は、異なる角度でマスク3上の同一の位置に入射する。即ち、サジタル面内ではケーラー照明が行われる。
【0059】
照明の開口数は、光源Sの大きさと第2の凹面鏡2とマスク3の距離cによって決まり0.02となっている。また、照明光の主光線4は、円錐状にマスク3に入射してトーリック面の回転基準軸5上で交わる。
なお、各凹面鏡の反射面には、波長13nmの軟X線を選択的に反射するように構成されたMo(モリブデン)/Si(シリコン)多層膜を形成した。
【0060】
マスク3は反射型のX線マスクであり、波長13nmの軟X線を反射するように構成されたMo/Si多層膜の上にNi(ニッケル)の回路パターンが形成されたものである。
反射型のマスクを使用するために、照明装置(系)は非テレセントリックになっている。照明光の主光線4のマスク3への入射角は5゜とした。マスク3はマスクステージ6上に保持されている。
【0061】
マスク3の直前には、所定の照明領域以外の領域へ入射する光線を遮蔽するためのスリット7が設けられているが、本実施例による照明装置(系)においてはその様な光線はごく僅かであるので、スリット7は省略することも出来る。
投影光学系8は、4枚の非球面ミラーからなる光学系であり、各ミラーの反射面には波長13nmの軟X線を選択的に反射するように構成されたMo/Si多層膜が形成されている。
【0062】
また、投影光学系8は、円弧状の領域で収差が補正された像側テレセントリックな光学系であり、縮小倍率は1/4、縮小側の開口数は0.08である。投影光学系8の光軸9は、照明装置(系)の第2の凹面鏡である放物トーリック面の回転基準軸5と一致するように、また、投影光学系8の入射瞳EP上に照明装置(系)のサジタル面内の集光点Tが来るように配置される。
【0063】
この投影光学系8により、マスク3上の円弧状照明領域の回路パターンは、フォトレジストを塗布したウェファー10上へ縮小転写される。ウェファー10はウェファーホルダー11に保持されている。
この露光装置では一度に円弧状の領域しか露光出来ないので、マスクステージ6とウェファーステージ11とを同期して矢印の方向へ動かすことによってマスク3上の回路パターン全体をウェファー10へ転写する。
【0064】
本露光装置は、幅0.2 mm、長さ20.5mmの円弧状の領域全体で、0.1 μm以下の解像力を有する。
【0065】
【実施例2】
図8は本発明の第2の実施例である照明装置(系)およびこれを備えた露光装置を表す概略構成図である。
光源Sは第1の実施例と同様のレーザープラズマX線源であるので説明は省略する。
【0066】
光源Sから発散する光束は放物シリンドリカル面の一部からなる第1の凹面鏡1で反射される。光源Sは、その第1の凹面鏡1による虚像S’が第2の凹面鏡2である放物トーリック面の回転基準軸5上に来るよう配置される。
本実施例では、円弧上の照明領域の半径を120mm、第2の凹面鏡2への主光線4の入射角θ1 は45゜、マスク3への主光線4の入射角θ2 は0゜(テレセントリック)とするために、
放物シリンドリカル面の放物線の焦点距離f1 を50mm、放物トーリック面の放物線の焦点距離f2 を120mm、光源S(の虚像S’)から第2の凹面鏡2までの距離aを120mm、第2の凹面鏡2から回転基準軸5上のサジタル面内の集光点Tまでの距離bは無限大、第2の凹面鏡2からマスク3までの距離cを120mmとした。
【0067】
メリジオナル面内では、光源Sから発散する光束は、第1の凹面鏡1で反射したあと平行光束となり、第2の凹面鏡2で反射してマスク3上に集光する。即ち、メリジオナル面内では臨界照明(クリティカル照明)が行われる。マスク3上の幅0.8 mmの領域が照明される。照明の開口数は0.02となるように第1の凹面鏡1のメリジオナル面内の幅を決めた。
【0068】
サジタル面内では、光源Sから発散する光束のうち±20゜の範囲を取り込むように第1の凹面鏡1のサジタル面内で光軸に垂直方向の幅を決めたので、円弧状の照明領域の長さ(弦の長さ)は82mmである。
サジタル面内では、光源S上の異なる位置から発して同じ方向に進む光線は、異なる角度でマスク3上の同一の位置に入射する。即ち、サジタル面内ではケーラー照明が行われる。
【0069】
照明の開口数は、光源Sの大きさと第2の凹面鏡2とマスク3の距離cによって決まり0.02となっている。また、照明光の主光線4は、円筒状にマスク3に垂直に入射しテレセントリック条件を満たす。
なお、各凹面鏡の反射面には、波長11nmの軟X線を選択的に反射するように構成されたMo(モリブデン)/Be(ベリリウム)多層膜を形成した。
【0070】
マスク3は透過型のX線マスクであり、厚さ0.1 μmのSiNx (窒化シリコン)からなるメンブレン(自立膜)上にAu(金)の回路パターンが形成されたものである。
マスク3の周辺部(X線を透過させない部分)にはSi(シリコン)とガラスからなる支持枠が形成されている。マスク3はマスクステージ6上に保持されている。
【0071】
マスク3の直前には、所定の照明領域以外の領域へ入射する光線を遮蔽するためのスリット7が設けられているが、本実施例による照明装置(系)においてはその様な光線はごく僅かであるので、スリット7は省略することも出来る。
投影光学系8は、4枚の非球面ミラーからなる光学系であり、各ミラーの反射面には波長11nmの軟X線を選択的に反射するように構成されたMo/Be多層膜が形成されている。
【0072】
また、投影光学系8は、円弧状の領域で収差が補正された像側テレセントリックな光学系であり、縮小倍率は1/4、縮小側の開口数は0.08である。投影光学系8の光軸9は、照明装置(系)の第2の凹面鏡2である放物トーリック面の回転基準軸5と一致するように、また、投影光学系8の入射瞳EP上に照明装置(系)のサジタル面内の集光点Tが来るように配置される。
【0073】
この投影光学系8により、マスク3上の円弧状照明領域の回路パターンは、フォトレジストを塗布したウェファー10上へ縮小転写される。ウェファー10はウェファーホルダー11に保持されている。
この露光装置では一度に円弧状の領域しか露光できないので、マスクステージ6とウェファーステージ11とを同期して矢印の方向へ動かすことにより、マスク3上の回路パターン全体をウェファー10へ転写する。
【0074】
本露光装置は、幅0.2 mm、長さ20.5mmの円弧状の領域全体で、0.085 μm以下の解像力を有する。
【0075】
【実施例3】
図9は本発明の第3の実施例である照明装置(系)およびこれを備えた露光装置を表す概略構成図である。
光源Sは第1の実施例と同様のレーザープラズマX線源であるので説明は省略する。
【0076】
光源Sから発散する光束は、楕円シリンドリカル面の一部からなる第1の凹面鏡101及び放物シリンドリカル面の一部からなる凸面鏡102で反射される。メリジオナル断面において、第1の凹面鏡101の断面である楕円の一方の焦点位置に光源Sが配置され、この楕円のもう一方の焦点位置と凸面鏡102の断面である放物線の焦点位置とは一致するよう配置される。
【0077】
さらに、光源S、第1の凹面鏡101および凸面鏡102は、光源Sの第1の凹面鏡101および凸面鏡102による虚像S”が第2の凹面鏡2である放物トーリック面の回転基準軸5上にくるように配置される。
本実施例では、円弧上の照明領域の半径を120mm、第2の凹面鏡2への主光線4の入射角θ1 は30゜、マスク3への主光線4の入射角θ2 は10゜とするために、
第2の凹面鏡2である放物トーリック面の放物線の焦点距離f2 を192 mm、光源S(の虚像S”)から第2の凹面鏡2までの距離aを151.300 mm、第2の凹面鏡2から回転基準軸上のサジタル面内の集光点Tまでの距離bを818.754 mm、第2の凹面鏡2からマスク3までの距離cを127.701 mmとした。
【0078】
メリジオナル面内では、光源Sから発散する光束は、第1の凹面鏡101および凸面鏡102で反射した後、平行光束となり、第2の凹面鏡2で反射してマスク3上に集光する。
即ち、メリジオナル面内では臨界照明(クリティカル照明)が行われる。マスク3上の幅1.6 mmの領域が照明される。照明の開口数は0.02となるように、第1の凹面鏡101のメリジオナル面内の幅を決めた。
【0079】
サジタル面内では、光源Sから発散する光束のうち±20゜の範囲を取り込むように第1の凹面鏡101のサジタル面内で光軸に垂直方向の幅を決めたので、円弧状の照明領域の長さ(弦の長さ)は82mmである。
サジタル面内では、光源S上の異なる位置から発して同じ方向に進む光線は、異なる角度でマスク3上の同一の位置に入射する。即ち、サジタル面内ではケーラー照明が行われる。
【0080】
照明の開口数は、光源Sの大きさと第2の凹面鏡2とマスク3の距離cによって決まり0.02となっている。また、照明光の主光線4は、円錐状にマスク3に入射してトーリック面の回転基準軸5上で交わる。
なお、各凹面鏡の反射面には、波長13nmの軟X線を選択的に反射するように構成されたMo(モリブデン)/Si(シリコン)多層膜を形成した。
【0081】
マスク3は反射型のX線マスクであり、波長13nmの軟X線を反射するように構成されたMo/Si多層膜の上にNi(ニッケル)の回路パターンが形成されたものである。
反射型のマスクを使用するために、照明装置(系)は非テレセントリックになっている。照明光の主光線4のマスク3への入射角は10゜とした。マスク3はマスクステージ6上に保持されている。
【0082】
マスク3の直前には、所定の照明領域以外の領域へ入射する光線を遮蔽するためのスリット7が設けられているが、本実施例による照明装置(系)においてはその様な光線はごく僅かであるので、スリット7は省略することもできる。
投影光学系8は、4枚の非球面ミラーからなる光学系であり、各ミラーの反射面には波長13nmの軟X線を選択的に反射するように構成されたMo/Si多層膜が形成されている。
【0083】
また、投影光学系8は、円弧状の領域で収差が補正された像側テレセントリックな光学系であり、縮小倍率は1/4、縮小側の開口数は0.08である。投影光学系8の光軸9は、照明装置(系)の第2の凹面鏡である放物トーリック面の回転基準軸5と一致するように、また、投影光学系8の入射瞳EP上に照明装置(系)のサジタル面内の集光点Tが来るように配置される。
【0084】
この投影光学系8により、マスク3上の円弧状照明領域の回路パターンは、フォトレジストを塗布したウェファー10上へ縮小転写される。ウェファー10はウェファーホルダー11に保持されている。
この露光装置では一度に円弧状の領域しか露光出来ないので、マスクステージ6とウェファーステージ11とを同期して矢印の方向へ動かすことによってマスク3上の回路パターン全体をウェファー10へ転写する。
【0085】
本露光装置は、幅0.4 mm、長さ20.5mmの円弧状の領域全体で、0.1 μm以下の解像力を有する。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、オプティカルインテグレータを用いることなく、小数(2〜3枚)のミラーにより照明光学系を構成することができる。そのため、オプティカルインテグレータで光束を発散させることによる光量の損失が無くなり、また反射面の増加による光量の損失も最小限に抑えられるので、照明装置の効率を向上させることができる。
【0087】
また、その結果、該照明装置系を備えた露光装置のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明にかかる照明装置(一例)の光学系であり、メリジオナル面内の断面図である。
【図2】は、本発明による照明装置(一例)の機能を示す説明図である。
【図3】は、本発明にかかる照明装置(一例)の光学系であり、メリジオナル面内の断面図である。
【図4】は、本発明による照明装置(一例)の機能を示す説明図である。
【図5】は、オプティカルインテグレータを用いた従来の照明装置の構成図である。
【図6】は、放物トーリック面形状を有する反射鏡による照明装置(一例)の概念図である。
【図7】は、本発明による照明装置を備えた露光装置の第1の実施例(軟X線縮小投影露光装置)を示す概略構成図である。
【図8】は、本発明による照明装置を備えた露光装置の第2の実施例(軟X線縮小投影露光装置)を示す概略構成図である。
【図9】は、本発明による照明装置を備えた露光装置の第3の実施例(軟X線縮小投影露光装置)を示す概略構成図である。
【主要部分の符号の説明】
S ・・・光源
1 ・・・第1の凹面鏡
2 ・・・第2の凹面鏡
3 ・・・マスク
4 ・・・照明光の主光線
5 ・・・トーリック面の回転基準軸(回転中心軸)
6 ・・・マスクステージ
7 ・・・スリット
8 ・・・投影光学系
9 ・・・投影光学系の光軸
10・・・ウェファー
11・・・ウェファーステージ
以上

Claims (8)

  1. 少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して被照明物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置において、
    前記集光光学系は、第1の凹面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
    前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
    前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に配置され、
    前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
    前記第1の凹面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、前記第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
    主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなることを特徴とする照明装置。
  2. 少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して被照明物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置において、
    前記集光光学系は、第1の凹面鏡と凸面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
    前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する楕円シリンドリカル面の一部により構成され、
    前記凸面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
    前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第1の焦点またはその近傍に配置され、
    前記凸面鏡は、そのメリジオナル断面である放物線の焦点と、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第2の焦点とが一致するように配置され、
    前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては集束光束、サジタル面内では発散光束となり、続いて凸面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡および凸面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
    前記第1の凹面鏡および凸面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
    主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなることを特徴とする照明装置。
  3. 前記第1の凹面鏡および第2の凹面鏡の反射面に、或いは前記第1の凹面鏡、第2の凹面鏡および凸面鏡の反射面に、所定波長のX線を反射する多層膜を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
  4. 前記多層膜が、モリブデン/珪素、モリブデン/珪素化合物、モリブデン/ベリリウム、ルテニウム/珪素、ルテニウム/珪素化合物、ルテニウム/ベリリウム、ロジウム/珪素、ロジウム/珪素化合物、またはロジウム/ベリリウムの組み合わせのうち、いずれか一つの組み合わせで交互に複数回積層した交互多層膜により形成されてなることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
  5. 所定のパターンが設けられた第1物体の像を投影結像光学系を介して第2物体上に形成し、前記第1物体と前記第2物体とを移動させつつ露光を行う露光装置において、
    少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して前記第1物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置系を備えており、
    前記集光光学系は、第1の凹面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
    前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
    前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に配置され、
    前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
    前記第1の凹面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
    主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなり、
    前記第2の凹面鏡のメリジオナル面内の集束点を含み、該凹面鏡の回転基準軸に対して垂直な面内に被照射物体である前記第1物体が設置され、
    前記第2の凹面鏡の回転基準軸が前記投影結像光学系の光軸に一致し、
    前記第2の凹面鏡によるサジタル面内の集束点の位置が前記投影結像光学系の入射瞳上に配置されてなることを特徴とする露光装置。
  6. 所定のパターンが設けられた第1物体の像を投影結像光学系を介して第2物体上に形成し、前記第1物体と前記第2物体とを移動させつつ露光を行う露光装置において、
    少なくとも、所定の大きさの光源またはその像を形成する光源部と、該光源部からの光束を集光して前記第1物体を円弧状に照明する集光光学系とを有する照明装置系を備えており、
    前記集光光学系は、第1の凹面鏡と凸面鏡と第2の凹面鏡とを有し、
    前記第1の凹面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する楕円シリンドリカル面の一部により構成され、
    前記凸面鏡は、メリジオナル面内においてのみパワーを有する放物シリンドリカル面の一部により構成され、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内にある基準軸を中心に放物線を回転させた放物トーリック形状の回転面の一部により構成され、
    前記光源部は発散光束を供給する光源部であり、第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第1の焦点またはその近傍に配置され、
    前記凸面鏡は、そのメリジオナル断面である放物線の焦点と、前記第1の凹面鏡のメリジオナル断面である楕円の第2の焦点とが一致するように配置され、
    前記光源部からの光束のうち前記第1の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては集束光束、サジタル面内では発散光束となり、続いて凸面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては平行光束、サジタル面内では発散光束となり、
    前記第2の凹面鏡は、メリジオナル面内においては、その断面である放物線の軸が前記平行光束と平行であり、サジタル面内においては、前記第1の凹面鏡および凸面鏡による前記光源部の虚像が前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に位置するように配置され、
    前記第1の凹面鏡および凸面鏡で反射した後、前記第2の凹面鏡で反射した光束は、メリジオナル面内においては、第2の凹面鏡のメリジオナル断面である放物線の焦点またはその近傍に集束され、サジタル面内においては、前記第2の凹面鏡を構成する放物トーリック面の回転基準軸上またはその近傍に集束され、
    主光線に沿った、前記光源部から前記第2の凹面鏡までの距離をa、前記第2の凹面鏡から前記回転基準軸上のサジタル面内の集束点までの距離をb、前記第2の凹面鏡からメリジオナル面内の集束点までの距離をcとするとき、1/a+1/b=1/cなる関係が成り立つように構成されてなり、
    前記第2の凹面鏡のメリジオナル面内の集束点を含み、該凹面鏡の回転基準軸に対して垂直な面内に被照射物体である前記第1物体が設置され、
    前記第2の凹面鏡の回転基準軸が前記投影結像光学系の光軸に一致し、
    前記第2の凹面鏡によるサジタル面内の集束点の位置が前記投影結像光学系の入射瞳上に配置されてなることを特徴とする露光装置。
  7. 前記第1の凹面鏡および第2の凹面鏡の反射面に、或いは前記第1の凹面鏡、第2の凹面鏡および凸面鏡の反射面に、所定波長のX線を反射する多層膜を設けたことを特徴とする請求項5または6記載の露光装置。
  8. 前記多層膜が、モリブデン/珪素、モリブデン/珪素化合物、モリブデン/ベリリウム、ルテニウム/珪素、ルテニウム/珪素化合物、ルテニウム/ベリリウム、ロジウム/珪素、ロジウム/珪素化合物、またはロジウム/ベリリウムの組み合わせのうち、いずれか一つの組み合わせで交互に複数回積層した交互多層膜により形成されてなることを特徴とする請求項7記載の露光装置。
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