JP3792875B2 - 光学素子保持装置およびこれを用いた光学機器 - Google Patents

光学素子保持装置およびこれを用いた光学機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子保持装置に関し、さらに詳しくは、例えば一眼レフカメラ用交換レンズ等の光学機器における製造誤差に起因する複数の光学素子(レンズ等)の光軸ずれによって発生する性能劣化を修正するために、製造過程で行なう光学素子の光軸ずれ修正(複数の光学素子の光軸直交方向の相対位置の変更)に適した光学素子保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような光学素子保持装置は従来一般的に用いられている。以下、その代表的な構成および光軸ずれの修正方法を説明する。
【0003】
図3には、従来の一眼レフカメラ用交換レンズの一部を構成する光学素子保持装置を示している。この図において、1は案内筒で、フィルム面に対して定位置に保持されている。この案内筒1には、光軸方向に延びる案内溝1aが形成されている。
【0004】
2はカム筒で、案内筒1の外径に光軸回りでの回転のみが可能に嵌合保持されている。このカム筒2には、カム溝2aが形成されている。
【0005】
3は第1レンズ5を保持する第1鏡筒で、その外径部にて案内筒1の内径に嵌合している。また、この第1鏡筒3には、案内溝1aおよびカム溝2aに係合するコロ4がビス止めされている。これにより、カム筒2を光軸回りで回転させると、コロ4が案内溝1aとカム溝2aとの交点にて従動し、第1鏡筒3は光軸方向に移動する。
【0006】
6は第2レンズ7を保持する第2鏡筒で、第1鏡筒3の光軸方向後方に延びるアーム部の後端面に当接し、ビス9によって上記アーム部にビス止めされている。これにより、第1鏡筒3が光軸方向に移動すると、第2鏡筒6も一体となって移動する。
【0007】
このような構成の光学素子保持装置では、第1鏡筒3と第2鏡筒6の間には光軸直交方向に関して厳密な位置決めを行っておらず、一定範囲の中で概略の位置だけが決まるようになっている。これにより、第1鏡筒3に対する第2鏡筒6の光軸直交方向位置を変更調整することにより、各部品の製造誤差による第1レンズ5と第2レンズ7の光軸ずれ(偏芯)を修正して組み立てることができる。
【0008】
次に、上記光学素子保持装置の製造工程における光軸ずれ修正方法について説明する。調整に際しては、ビス9による第2鏡筒6と第1鏡筒3のビス止め前の状態で案内筒1を不図示の調整治具本体に固定するとともに、調整リング8a、付勢リング8bおよび付勢ばね8cからなる調整治具8をセットする。この状態で、調整リング8aは第2鏡筒6のレンズ保持部外径に嵌合するとともに、調整治具本体に対して光軸直交方向に移動可能となっている。付勢リング8bは調整リング8aの内径に嵌合しており、調整リング8aとの間に配置された付勢ばね8cによって第2鏡筒6に向けて付勢されている。
【0009】
このため、第2鏡筒6は、付勢リング8bによって第1鏡筒3に圧接した状態、すなわち第1鏡筒3と第2鏡筒6の光軸方向間隔が決められた状態に保持される。
【0010】
そして、調整リング8aを光軸直交方向に移動させることにより、第2鏡筒6を所望の光軸直交方向位置に移動させ、上記光軸ずれを修正することができる。こうして、調整治具8を用いて第2鏡筒6を両レンズ5,7の光軸ずれを修正した位置に移動させた後に、ビス9を締め付けることにより、第1鏡筒3と第2鏡筒6とを光軸ずれがない状態で結合させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光軸ずれ修正方法では、以下に挙げるような欠点がある。
【0012】
第1に、付勢リング8bによって第2鏡筒6を第1鏡筒3に対して付勢する構成を採っているため、この付勢力が第1鏡筒3やカム溝2aとコロ4との当接部にも加わることで第1鏡筒3やコロ4を変形させてしまった状態で光軸ずれの修正が行われる。従って、付勢リング8bによる付勢を解除すると同時にこれらの変形が元の状態に戻ることで再び光軸がずれてしまい、実際には真の光軸ずれを精度良く修正できているとは言い難い。
【0013】
第2に、ビス9の締め込み時に発生する部品の変形による修正精度の悪化が挙げられる。例えば第1鏡筒3では、ビス9の締め付け摩擦力によるビス9周りの変形(特にセルフタップビスを使用した場合)が発生する。また第2鏡筒6でも、ビス9の頭部による摩擦力によって同じくビス9周りの変形が発生する。そして、これらの変形が発生したままの状態で調整治具8を取り除くと、第2鏡筒6はこれらの変形により生じた応力を緩和する方向に移動してしまうことになり、やはり真の光軸ずれを精度良く修正できているとは言い難い。
【0014】
第3に、第2鏡筒6を修正中に第1鏡筒3と第2鏡筒6の当接面に発生する摩擦力による第1鏡筒3の変形によっても同じように修正精度の悪化が問題となる。
【0015】
そこで、本発明は、簡単な構成で、光軸ずれ修正を精度良く行うことのできる光学素子保持装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、第1光学素子を保持し、光軸方向に延びる複数の延出部を有する第1保持部材と、第2光学素子を保持する第2保持部材と、該複数の延出部と第2保持部材とを結合させるとともに結合途中にて両保持部材の相対位置の変更を許容する複数の結合部材と、該各結合部材と第2保持部材との間に配置され、少なくとも結合部材による両保持部材の結合途中にて第2保持部材を第1保持部材に対して押圧付勢する複数の付勢部材と、該複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、各延出部の変形に対する補強を行う補強部材とを設けて光学素子保持装置を構成している。
【0017】
これにより、従来のように外部から第2保持部材を第1保持部材に対して押圧付勢する調整治具を用いなくても、第1光学素子と第2光学素子の光軸方向間隔を決めた状態とし、かつ部品変形を防止して精度の良い光軸ずれ修正を行なうことを可能としている。
【0018】
また、上記光学素子保持装置に、該複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、各延出部の変形に対する補強を行う補強部材設けているので、両保持部材の相対位置変更時および結合部材の結合時における第1保持部材の各延出部の変形による光軸ずれ修正精度の悪化を防止することできる
また、補強部材を結合部材と第2保持部材との間に配置して、結合部材の結合におけるこの結合部材と第2保持部材との間の摩擦力の発生を防止するようにして、第2保持部材の変形によ光軸ずれ修正の精度の悪化を防止するのが望ましい。そして、この場合、補強部材の第1保持部材に対する光軸直交方向での移動を阻止して、組み込み後も両保持部材と一体となって可動部を構成できるようにするのが望ましい。
【0019】
さらに付勢部材を結合部材と補強部材との間に配置て、簡単な構成で効率良く部品の変形を防止するのが望ましい。
また、本発明では、第1光学素子を保持し、光軸方向に延びる複数の延出部を有する第1保持部材と、第2光学素子を保持する第2保持部材と、該複数の延出部と第2保持部材とを結合させるとともに結合途中にて両保持部材の相対位置の変更を許容する複数の結合部材と、該複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、該各延出部の変形に対する補強を行う補強部材とを設けて光学素子保持装置を構成している。
さらに、本発明では第1光学素子を保持すると共に、光軸方向へ延び、それぞれが第1ビス穴を有する複数の延出部を備える第1保持部材と、第2光学素子を保持すると共に、該複数の延出部のそれぞれが有する第1ビス穴に対応する位置に第2ビス穴を有するフランジ部を備える第2保持部材と、第2保持部材に関して第1保持部材とは反対側に配置され、第1保持部材と第2保持部材をビス止めする複数のビスと、該複数のビスのそれぞれと第2保持部材との間に配置され、第2保持部材を第1保持部材に対して押圧付勢する複数の付勢部材と、該複数のビスに対応する複数箇所に第3ビス穴を有し、該複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、該各延出部の変形に対する補強を行う補強部材とを設けて光学素子保持装置を構成している。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるレンズ保持装置(光学素子保持装置)を備えた一眼レフカメラ用交換レンズ(光学機器)の内部構造を示している。この交換レンズは、第1〜第6群レンズL1〜L6を有する6群構成のレンズであり、ズーム動作によって全てのレンズL1〜L6が光軸方向に移動し、フォーカス動作によって第2群レンズL2が光軸方向に移動する。
【0021】
このとき、第3群レンズL3と第6群レンズL6とが一体的に移動し、第5群レンズL5は光軸方向への移動とは別に、振れ補正動作を行なうために光軸直交方向にも移動する。
【0022】
101はマウントで、カメラ本体に取り付けるためのバヨネット部を有しており、固定筒102にビス止め固定されている。103は外装環で、マウント101と固定筒102との間に挟み込まれて固定されている。
【0023】
外装環103には、目盛窓104、名称プレート105、SWパネル106が取り付けられており、SWパネル106に設けられたスイッチを切り換えることによって、オートフォーカスや振れ補正などの機能を選択して使用することができる。
【0024】
107は案内筒で、固定筒102がビス止めされることでカメラ本体に対して固定部を構成している。案内筒107の外周には、バヨネット結合によって光軸回りの回転のみ可能となっているカム筒108が嵌合している。これにより、カム筒108を回転させると、案内筒107に設けられた光軸方向の案内溝とカム筒108に設けられたカム溝の交点の移動に従い、第3群レンズL3を保持する3群保持枠109、第4群レンズL4を保持する4群保持枠110、振れ補正ユニット111および直進筒112をそれぞれにビス止めされたコロ113〜116を介して光軸方向へ移動させることができる。
【0025】
3群保持枠109には、絞り駆動部と絞り羽根部とから構成される電磁絞りユニット117がビス止めされている。また3群保持枠109の後端には、第6群レンズL6を保持する6群保持枠118が、補強板119およびばね座金120とともにビス145によってビス止めされている。
【0026】
4群保持枠110の前端にはフック部が設けられており、このフック部には、開放口径の決定および有害光のカットを目的とする移動絞り121が前方より弾性結合されている。これにより、3群保持枠109を間に挟んだ状態での移動絞り121と4群保持枠110との結合を容易としている。
【0027】
振れ補正ユニット111は、第5群レンズL5を光軸直交方向に駆動可能に保持しており、マグネットおよびコイルとから構成される駆動部によって第5群レンズL5を駆動する。
【0028】
直進筒112には、フィルター枠122がビス止めされている。
【0029】
フィルター枠122の先端外周には、バヨネット部が、内周にはネジ部がそれぞれ設けられており、それぞれフード、フィルター等のアクセサリーが装着可能となっている。また、フィルター枠122には、第1群レンズL1を保持する1群保持枠123がビス止めされている。
【0030】
フィルター枠122と1群保持枠123の当接部はそれぞれ周方向に延びる斜面形状に形成されており、1群保持枠123を回転させてフィルター枠122に取り付けることにより、1群保持枠123のフィルター枠122に対する光軸方向の取り付け位置を選択することができる。これにより、製造誤差による広角側と望遠側の焦点位置のずれを補正することができる。
【0031】
124は化粧環で、前面にレンズ名称等の表示が印刷されている。
【0032】
125はフォーカスユニットで、案内筒107にビス止めされている。フォーカスユニット125は、主として振動波モータと差動機構とで構成されており、振動波モータのロータ回転量とマニュアルリング126の回転量に応じたフォーカスキー127の回転量を出力する。
【0033】
フォーカスユニット125の前側には、水平および垂直方向の振れの角速度を検出する一対の振動ジャイロ128が半田付けされたジャイロ基板129が、ゴムダンパー(不図示)を介してビス止めされている。
【0034】
また、フォーカスユニット125から円弧状に延出した突出部の外周には、グレイコードパターンが形成されたエンコーダフレキ130が貼り付けられている。
【0035】
さらに、フォーカスユニット125の前側における振動ジャイロ128、エンコーダフレキ130が設けられていない位相には突出部が設けられており、この突出部にはコロ131がビス止めされている。
【0036】
132はズーム操作環で、周方向に設けられている溝にコロ131が係合することで、光軸方向の移動が規制された状態で光軸回りの回転のみが可能となっている。ズーム操作環132の内周には、カム筒108にビス止めされたズームキー133が係合する凹部が設けられている。これによりズームキー133を介して、ズーム操作環132と一体的にカム筒108を回転させることができる。
【0037】
134は中間筒で、外周にはズーム操作環132の内周に設けられた光軸方向に延びる溝に係合する突起部が、内周にはフィルター枠122の外周に設けられた突起部が係合するリード溝が設けられている。このため、ズーム操作環132と一体的に回転し、ズーム操作環132の回転方向の位置とフィルター枠122の光軸方向の位置に応じて光軸方向に進退する。
【0038】
本交換レンズでは、振動ジャイロ128をカメラ本体から離れた位置(フォーカスユニット125の前)に配置することで、カメラ本体が発生する振動(シャッター幕走行やミラーアップ・ダウンの振動など)が振動ジャイロ128に伝わりにくい構造としており、ケース内に収納するなど従来用いられてきた手法を必要としていない。また、ズーム操作環132の光軸方向の位置規制部を振動ジャイロ128が設けられていない位相に設けることで、レンズ外径を大きくせずに振動ジャイロを配置することができるようにしている。これらの手法により本交換レンズの小型化が達成されている。
【0039】
135はズーム操作環132の外周に巻き付けられたズームゴムで、136はズーム操作環132の前端部に弾性結合しているネームリングである。137はズーム操作環132にビス止めされたズームブラシで、エンコーダフレキ130のグレイコードパターン上を摺動して、ズーム操作環132とエンコーダフレキ130の位置関係を検出するために用いられる。
【0040】
138はインナーカム筒で、コロ139がコイルばねを介してビス止めされている。このコロ139は、案内筒107に設けられたカム溝およびカム筒108に設けられた光軸方向溝に係合する。このため、インナーカム筒138はカム筒108と一体的に回転しながら光軸方向に進退する。
【0041】
140は第2群レンズL2を保持する2群保持枠で、外周に設けられた突起部がインナーカム筒138の内周に設けられたカム溝に係合している。また、2群保持枠140から延出したキー部は、フォーカスキー127と一体的に回転するよう係合している。
【0042】
このため、2群保持枠140は、カム筒108が回転する(フォーカスキー127は停止)と、インナーカム筒138の光軸方向進退量とインナーカム筒138のカム溝の回転に伴う係合点の光軸方向変化量の合計量だけ光軸方向に進退する。
【0043】
また、フォーカスキー127が回転する(カム筒108は停止)と、回転しながらインナーカム筒138のカム溝との係合点の光軸方向変化量に応じて進退する。本交換レンズでは、これらの機構により、インナーフォーカスにおける焦点距離変化に伴なう焦点位置ずれをメカ的に補正して第2群レンズL2を光軸方向に進退させる。
【0044】
141は目盛シートで、フォーカスユニット125の出力であるフォーカスキー127と一体的に回転し、目盛窓104と合わせて焦点位置の表示を行う。
【0045】
142はメイン基板で、フォーカスユニット125、電磁絞りユニット117、振れ補正ユニット111、ジャイロ基板129およびエンコーダフレキ130と可撓性フレキシブル基板を介して又は直接、電気的に接続され、各種制御を行なう。
【0046】
143はマウント101にビス止めされ、メイン基板142とフレキシブル基板を介して接続されてた接点ブロックであり、カメラ本体との通信および電源の供給を行なうために設けられている。
【0047】
144は裏ブタで、マウント101に弾性結合して有害光をカットしている。以上のように構成された交換レンズでは、ズーム操作環132を回転させると、ズームキー133を介してカム筒108が回転し、上記機構に従い全てのレンズL1〜L6が光軸方向に進退し、ズーミングが行われる。なお、この際、第3群レンズL3と第6群レンズL6とは一体的に進退する。
【0048】
一方、オートフォーカス時には振動波モータの駆動により、マニュアルフォーカス時にはマニュアルリング126を回転させることにより、それぞれフォーカスキー127を回転させる。これにより、上記機構に従い第2群レンズL2を進退させ、フォーカシングを行うことができる。
【0049】
また、振れ補正動作時には、振動ジャイロ128の出力およびエンコーダフレキ130の出力に応じて振れ補正ユニット111を制御し、第5群レンズL5を光軸直交面内で、発生している振れによるフィルム面での像の移動を打ち消す方向に駆動する。
【0050】
次に、第3群および第6群レンズL3,L6を保持して一体的に連結する上記レンズ保持装置の構成について図2を用いて詳しく説明する。このレンズ保持装置では、図1で説明した構成部品のうち、マウント101、外装環103、マニュアルリング126、メイン基板142、裏ブタ144及びこれらに固定された部品を組み込む前に、固定筒102を調整治具本体(不図示)に固定した状態で、第6群レンズL6を保持させた6群保持枠(請求の範囲にいう第2保持部材)118を、第3群レンズL3を保持させた3群保持枠(同、第1保持部材)109に光軸直交方向位置を調整して取り付ける。
【0051】
これにより、第1から第6群レンズL1〜L6およびこれらを保持する各部品の製造誤差によって生ずる光学性能の劣化を修正し、所望の光学性能を得ることができる。
【0052】
3群保持枠109は、第3群レンズL3を保持する円筒部からフランジ部を介してレンズ後方、すなわち光軸方向へと延出する3本の足部(請求の範囲にいう延出部)109aを有している。各足部109aの後端には、光軸直交面である6群保持枠との当接面109b、ビス下穴109dおよび一対の円柱状突起109cが設けられている。
【0053】
6群保持枠118の第6群レンズL6を保持する円筒部の外周における3群保持枠109の当接面109bおよびビス下穴109dに対応する位置の3箇所には、3群保持枠109との当接面とビス穴118bとが設けられたフランジ部118aが形成されている。
【0054】
補強板(請求の範囲にいう補強部材)119は、3つの足部109aを連結するように延びる略中空円盤状の形状をした1つの部材であり、3群保持枠109のビス下穴109dおよび円筒状突起109cに対応する3箇所の位置に、ビス穴119a、丸穴119bおよび長穴119cがそれぞれ設けられている。
【0055】
これら部品により構成されるレンズ保持装置は、以下のようにして組み立てられる。まず、3群保持枠109の当接面109bに6群保持枠118のフランジ部118aを突き当てる。次に、補強板119を6群保持枠118のフランジ部118aに乗せた状態で、ネジ軸部回りにばね座金(請求の範囲にいう付勢部材)120を取り付けたセルフタップ用ビス(請求の範囲にいう結合部材)145によって3箇所でビス止めされる。
【0056】
次に、本レンズ保持装置における光軸ずれ修正は、ビス145を途中まで締め付けた状態、すなわち6群保持枠118を3群保持枠109に完全に固定できていないが、ばね座金120によるばね力によって補強板119を介して6群保持枠118を3群保持枠109に対して押し付けた状態(請求の範囲にいう結合途中)で行われる。
【0057】
6群保持枠118には、従来の調整リング8aに相当する調整治具(不図示)が取り付けられている。そして、この調整治具を介して6群保持枠118を光軸直交面内で移動させる。
【0058】
ここで、6群保持枠118のビス穴118bの径は、想定される必要ずれ修正量分だけ6群保持枠118が移動できるように、ビス145のネジ軸部外径に対して大きく設定されている。
【0059】
また、3群保持枠109の円筒状突起109cの根元位置の当接面109bに対する光軸方向後方への突出量t1と、6群保持枠118のフランジ部118aの厚みt2とは、t1<t2の関係にある。このため、補強板119を介して6群保持枠118を確実に3群保持枠109に押し付けることで、第3群レンズL3と第6群レンズL6との光軸方向間隔を決めることができる。
【0060】
さらに、補強板119の丸穴119bおよび長穴119cに3群保持枠109の3本の足部109aに設けられた円筒状突起109cが嵌合することにより、補強板119は3群保持枠109に対して両保持枠109,118の光軸修正面(請求の範囲にいう光軸直交面)内で位置決めされるとともに、3群保持枠109の足部109aの変形もそれぞれ規制される。このため、補強板119は3群保持枠109(さらには6群保持枠118)と一体となり、全体で可動部を構成することが可能となる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のレンズ保持装置では、6群保持枠118を3群保持枠109に結合させるためのビス145を締め付ける途中において、ばね座金120のばね力によって6群保持枠118と3群保持枠109の光軸方向間隔を決めた状態で光軸ずれ修正のために6群保持枠118を3群保持枠109に対して光軸直交方向に移動させることができるように構成されている。このため、図3で示したように調整治具による外部からの付勢力(付勢リング8bおよび付勢ばね8cによる付勢力)によって各構成部品が変形してしまうといった不具合が発生しないため、真の光軸ずれを精度良く修正することができる。
【0062】
なお、本発明の具体的構成は本実施形態で説明したものに限られるものではない。例えば、スペース的に許されるのであれば、ばね座金120によるばね力を、ビス145の下とは別の位置で発生させることも可能であるし、ばね座金120と補強板119の位置を入れ換えて構成してもよい。また、ばね座金120に代えて、皿ばね、波形座金、板ばね、コイルばねといったばね性を有する部品を用いることも可能である。
【0063】
また、本実施形態のレンズ保持装置では、ビス145を締め付ける際にビス145のネジ軸部と3群保持枠109のビス下穴109dとの間やビス145の頭部と6群保持枠118のフランジ部118aとの間に発生する摩擦力、又は6群保持枠118を3群保持枠109に対して光軸直交方向に移動させる際に当接面109bに発生する摩擦力による3群保持枠109の足部119aの変形・ねじれや6群保持枠118のフランジ部118aのねじれを、以下のように防止している。
【0064】
第1に、ビス145のネジ軸部とL3保持枠109のビス下穴109dとの間や6群保持枠118と3群保持枠109との当接面に発生する摩擦力による3群保持枠109の足部109aの変形・ねじれに関しては、補強板119によって足部109aの変形を規制することでこれを防止している。
【0065】
第2に、ビス145の頭部と6群保持枠118のフランジ部118aとの間に発生する摩擦力によるフランジ部118aのねじれに関しては、3群保持枠109との間の相対移動が規制された補強板119を間に挟むことによって、上記摩擦力の発生を補強板119とビス145との間に限定することで防止している
【0066】
また、それぞれの部品変形要因に対してそれぞれ別体の変形防止部材を設けても構わないし、テフロンシート等の摩擦係数の低い部品を変形防止部材とは別に挟み込むようにして摩擦力の発生・伝達を防止するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、結合部材と第2保持部材との間、すなわち装置内部に配置された付勢部材の付勢力によって、光軸ずれ修正中における両保持部材に保持された光学素子の間隔を決めるようにしているので、従来のように装置外部から付勢力を加える調整治具を用いた場合のような部品変形を防止して、精度の良い光軸ずれ修正を行なうことができる。
【0068】
また、補強部材を設けているので両保持部材の相対位置変更時および結合部材の結合時における第1保持部材の各延出部の変形により光軸ずれ修正精度が悪化することを防止することができる。
【0069】
また、補強部材を結合部材と第2保持部材との間に設ければ、結合部材と第2保持部材との間での摩擦による第2保持部材の変形により光軸ずれ修正精度が悪化することも防止することができる。
【0070】
そして、この場合、補強部材の第1保持部材に対する両保持部材の相対位置変更面(光軸直交面)内での移動を規制すれば、組み込み後も両保持部材と一体となって可動部を構成させることができる。
【0071】
さらに付勢部材を結合部材と補強部材との間に配置すれば、簡単な構成で効率良く部品の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である一眼レフカメラ用交換レンズの断面図。
【図2】上記交換レンズに備えられたレンズ保持装置の構造を示す分解斜視図。
【図3】従来の一眼レフカメラ用交換レンズに備えられたレンズ保持装置における光軸ずれ修正方法を示す一部断面図。
【符号の説明】
107 案内筒
108 カム筒
109 3群保持枠
110 4群保持枠
111 振れ補正ユニット
112 直進筒
117 電磁絞りユニット
118 6群保持枠
119 補強板
120 ばね座金
122 フィルター枠
123 1群保持枠
125 フォーカスユニット
138 インナーカム筒
140 2群保持枠

Claims (10)

  1. 第1光学素子を保持し、光軸方向に延びる複数の延出部を有する第1保持部材と、
    第2光学素子を保持する第2保持部材と、
    前記複数の延出部と前記第2保持部材とを結合させるとともに結合途中にて前記両保持部材の相対位置の変更を許容する複数の結合部材と、
    前記結合部材と前記第2保持部材との間に配置され、少なくとも前記結合部材による前記両保持部材の結合途中にて前記第2保持部材を前記第1保持部材に対して押圧付勢する複数の付勢部材と
    前記複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、前記各延出部の変形に対する補強を行う補強部材とを有することを特徴とする光学素子保持装置。
  2. 前記結合部材が、前記両保持部材を締め付けにより結合させるビスであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  3. 前記付勢部材が、前記ビスの軸回りに配置された環状部材であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子保持装置。
  4. 前記補強部材を、前記複数の結合部材と前記複数の延出部との間に配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光学素子保持装置。
  5. 前記付勢部材を、前記結合部材と前記補強部材との間に配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光学素子保持装置。
  6. 前記補強部材を、前記複数の結合部材と前記第2保持部材との間に配置したことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学素子保持装置。
  7. 前記補強部材は、前記第1保持部材に対する光軸直交面内での移動が阻止されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の光学素子保持装置。
  8. 第1光学素子を保持し、光軸方向に延びる複数の延出部を有する第1保持部材と、
    第2光学素子を保持する第2保持部材と、
    前記複数の延出部と前記第2保持部材とを結合させるとともに結合途中にて前記両保持部材の相対位置の変更を許容する複数の結合部材と、
    前記複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、前記各延出部の変形に対する補強を行う補強部材とを有することを特徴とする光学素子保持装置。
  9. 第1光学素子を保持すると共に、光軸方向へ延び、それぞれが第1ビス穴を有する複数の延出部を備える第1保持部材と、
    第2光学素子を保持すると共に、前記複数の延出部のそれぞれが有する第1ビス穴に対応する位置に第2ビス穴を有するフランジ部を備える第2保持部材と、
    前記第2保持部材に関して前記第1保持部材とは反対側に配置され、前記第1保持部材と前記第2保持部材をビス止めする複数のビスと、
    前記複数のビスのそれぞれと前記第2保持部材との間に配置され、前記第2保持部材を前記第1保持部材に対して押圧付勢する複数の付勢部材と、
    前記複数のビスに対応する複数箇所に第3ビス穴を有し、前記複数の延出部に対して取り付けられる1つの部材であって、前記各延出部の変形に対する補強を行う補強部材とを有することを特徴とする光学素子保持装置
  10. 請求項1からのいずれか1つに記載の光学素子保持装置を用いたことを特徴とする光学機器。
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