JP3791731B2 - 角質剥離剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、角化亢進した角質層の剥離を促進し、皮膚の状態及びくすみを改善して美しい状態に保つ角質剥離剤に関する。さらに詳しくは、トロポロン及びその誘導体より選択した1種又は2種以上を有効成分として含有してなる角質剥離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線等の外部刺激やアレルギー疾患等により皮膚に炎症が生じると、表皮の増殖が亢進して角化速度も速くなり、不全角化の状態を呈して表皮の肥厚が生じ、くすんで荒れた状態となる。さらに角化が亢進した場合には、俗にタコ,ウオノメといわれるベンチ腫や鶏眼といった皮膚疾患を生じることがある。
【0003】
かかる角化亢進による皮膚症状を改善するため、角質剥離作用を有する物質が用いられてきた。角質剥離剤としては、グリコール酸,乳酸等の2-ヒドロキシ酸及びその塩或いは誘導体、サリチル酸等の3-ヒドロキシ酸及びその塩或いは誘導体、尿素等が用いられている。
【0004】
しかしながら、上記したような角質剥離剤は、有効な角質剥離作用を得るには相当高濃度を配合する必要があり、皮膚に対する刺激性が問題となっていた。さらに、尿素等は製剤中での安定性維持が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、低濃度で有効な角質剥離作用を示し、皮膚刺激性等の皮膚に対する悪影響や、製剤安定性に及ぼす影響の少ない角質剥離剤を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため種々検討したところ、トロポロン及びその誘導体が非常に優れた角質剥離作用を有することを見い出し、それらを有効成分として基剤或いは担体に含有させることにより、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、トロポロン及びその誘導体より選択した1種又は2種以上を有効成分として、基剤又は担体に含有させて成る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において有効成分として用いるトロポロンは、2個の酸素を有する安定な7員環である。その誘導体としては、3-ブロムトロポロン,3,7-ジブロムトロポロン,5-ニトロトロポロン,4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール),7-ブロムヒノキチオール,5,7-ジニトロヒノキチオール等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。角質剥離作用の強さ及び皮膚への適用を考慮すると、トロポロン及びヒノキチオールが最も好ましく使用できる。角質剥離剤中における含有量としては、0.01〜2.0重量%程度とするのが適切である。
【0009】
本発明に係る角質剥離剤において、トロポロン及びその誘導体より選択した1種又は2種以上を含有させる基剤又は担体としては、水,各種緩衝液,エタノール等の低級アルコールといった溶媒、ゲル基剤,クリーム基剤,軟膏基剤等が挙げられる。また、マイクロカプセル化したり、リポソーム等のベシクルに内包させたりして含有させることもできる。角質剥離作用をより有効に発揮させるには、角質剥離剤のpHを7.5〜9.0程度とすることが好ましい。
【0010】
従って本発明に係る角質剥離剤は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏剤等の形態で提供することができる。
【0011】
なお本発明に係る角質剥離剤には、油性成分,界面活性剤,保湿剤,抗炎症剤,防菌防黴剤,色素類,粉体,顔料,香料等、一般的な皮膚外用剤又は化粧料用の添加成分を含有させることができる。さらには、2-ヒドロキシ酸類,3-ヒドロキシ酸類,アラニン,セリン等の角質剥離作用を有する成分をも併用することができる。
【0012】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0013】
1.0(w/v)%のTriton X−100を含む0.1MTris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)緩衝液(pH8.5)に、トロポロンを1.0重量%、ヒノキチオールを0.05重量%,0.17重量%及び0.5重量%となるようにそれぞれ含有させて、それぞれ実施例1〜実施例4とした。
【0014】
実施例1〜実施例4について、角質剥離作用の評価を行った。角質剥離作用は、前記実施例1〜実施例4各200μl中にユカタンブタの表皮2mgを入れ、37℃で24時間インキュベートし、剥離した角質細胞の数を血球計を用いて計測し、単位体積当たりの剥離細胞数を比較して評価した。なお、グリコール酸,サリチル酸及び尿素を各1.0重量%となるように含有させたものをそれぞれ比較例1〜比較例3とし、同時に評価した。また、Triton X−100を含む0.1MTris緩衝液のみにユカタンブタ表皮を入れて同様に処理した場合を対照とした。結果は図1に示した。
【0015】
図1より明らかなように、本発明の実施例1〜実施例4のいずれについても、剥離した角質細胞数は対照に比べて有意に高く、有効な角質剥離作用が認められていた。これに対し比較例1〜比較例3については、いずれにおいても剥離した角質細胞数は1.25×105個以下であり、対照との間に有意差は認められなかった。
【0016】
続いて、本発明の他の実施例に係る角質剥離剤の処方を示す。
【0017】
[実施例5] 角質剥離用ローション
(1)エタノール 15.0(重量%)
(2)グリセリン 2.0
(3)ポリオキシエチレン(50.E.O.)硬化ヒマシ油 0.6
(4)ヒノキチオール 0.5
(5)精製水 81.9
製法:(1)に(4)を溶解し、(2),(3)とともに順次(5)に添加して、均一に混合,溶解する。
【0018】
[実施例6] 角質剥離用乳剤
(1)ステアリン酸 0.2(重量%)
(2)セタノール 1.5
(3)ワセリン 3.0
(4)流動パラフィン 7.0
(5)ポリオキシエチレン(10.E.O.)モノオレイン酸 1.5
エステル
(6)グリセリン 5.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)精製水 79.8
(9)トロポロン 1.0
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,加熱溶解して70℃とする。一方、(6)〜(8)の水相成分を混合,加熱溶解して70℃とし、これに前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却後40℃にて(9)を添加し、均一に混合する。
【0019】
[実施例7] 角質剥離用ゲル剤
(1)ジプロピレングリコール 10.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5
(3)水酸化カリウム 0.1
(4)3-ブロムトロポロン 0.5
(5)精製水 88.9
製法:(5)に(2)を均一に溶解した後、(1),(4)を添加して溶解し、次いで(3)を添加して増粘させる。
【0020】
[実施例8] 角質剥離用クリーム(水中油型)
(1)ミツロウ 6.0(重量%)
(2)セタノール 5.0
(3)還元ラノリン 8.0
(4)スクワラン 27.5
(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0
(6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0
(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 5.0
モノラウリン酸エステル
(8)プロピレングリコール 5.0
(9)精製水 36.9
(10)トロポロン 0.5
(11)ヒノキチオール 0.1
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(8),(9)の水相成分を混合,溶解して75℃とする。この水相に前記油相を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(10),(11)を添加し、溶解する。
【0021】
[実施例9] 角質剥離用クリーム(油中水型)
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリルジオレイン酸エステル 5.0
(5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.6
(6)L-セリン 0.4
(7)トロポロン 1.0
(8)3-ブロムトロポロン 0.2
(9)精製水 54.8
製法:(5),(6)を(9)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し70℃に加熱した(1)〜(3)に均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に溶解して70℃に加熱したものを攪拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化し、冷却する。
【0022】
[実施例10] 角質剥離用軟膏
(1)白色ワセリン 25.00(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.00
(3)グリセリン 12.00
(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.00
(5)精製水 36.35
(6)トロポロン 0.50
(7)7-ブロムヒノキチオール 0.15
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して70℃とし、これを70℃に加熱した(5)に攪拌しながら徐々に添加して乳化する。冷却後40℃にて(6),(7)を添加し、溶解する。
【0023】
上記本発明の実施例5〜実施例10について、角化亢進による皮膚症状を有するパネラーを用いて使用試験を行った。その際、各実施例において有効成分として配合したトロポロン及びその誘導体をすべて乳酸ナトリウムに代替し、適宜調製したものを、それぞれ比較例4〜比較例9とした。
【0024】
まず、角化亢進により皮膚のくすみの顕著な20才〜50才代の男女パネラー20名を1群として用い、上記実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回,1週間連続して使用させ、使用開始前と使用終了後の皮膚のくすみの状態を観察した。結果は、皮膚のくすみの改善状況について「改善」,「やや改善」,「変化なし」,「悪化」の4段階にて評価し、各評価を得たパネラー数にて表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
表1より明らかなように、本発明の実施例5〜実施例10使用群では全パネラーにおいてくずみの改善傾向が認められ、50%以上のパネラーにおいて明確な改善を認めていた。これに対し、比較例4〜比較例9使用群では60%以上のパネラーにおいてくすみの改善傾向が認められておらず、一部には症状の悪化したパネラーも存在していた。また各実施例使用群では、皮膚刺激性反応又は皮膚感作性反応を示したパネラーは存在せず、使用時に痛みや刺激感を訴えたパネラーも存在しなかった。
【0027】
次に、角化亢進症状として皮膚に「タコ」或いは「ウオノメ」と呼ばれるベンチ症状を有する20才〜50才代の男女パネラー20名を1群として用い、上記実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回,1週間連続して使用させ、使用開始前と使用終了後の皮膚の状態を観察した。結果は、皮膚のベンチ症状の改善状況について「改善」,「やや改善」,「変化なし」,「悪化」の4段階にて評価し、各評価を得たパネラー数にて表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】
表2より明らかなように、本発明の実施例5〜実施例10使用群では全パネラーにおいてベンチ症状の改善傾向が認められ、35%以上のパネラーにおいて明確な改善を認めていた。これに対し、比較例4〜比較例9使用群では70%以上のパネラーにおいてベンチ症状の改善傾向が認められておらず、症状の悪化したパネラーも若干存在していた。また各実施例使用群では、皮膚刺激性反応又は皮膚感作性反応を示したパネラーは存在せず、使用時に痛みや刺激感を訴えたパネラーも存在しなかった。
【0030】
なお、本発明の実施例1〜実施例10については、25℃で6ヵ月間保存したところ、変色,変臭,内容物の分離,凝集,析出といった状態の変化は全く観察されなかった。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、低濃度で有効な角質剥離作用を示し、皮膚刺激性等の皮膚に対する悪影響や、製剤安定性に及ぼす影響の少ない角質剥離剤を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜実施例4の角質剥離作用を、比較例1〜比較例3と比較して示す図である。
【符号の説明】
1 実施例1
2 実施例2
3 実施例3
4 実施例4
5 比較例1
6 比較例2
7 比較例3
8 対照
Claims (1)
- トロポロンからなる角質剥離剤。
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