JP3791397B2 - 電鋳薄刃砥石 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子材料等の切断加工に用いられる電鋳薄刃砥石に関し、とくに、延性材料層と脆性材料層とを有する、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板やガラス布・ガラス不織布基材エポキシ樹脂銅張積層板等の電子材料の切断加工に用いられる電鋳薄刃砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子材料として、例えば、図3に示すように、ガラスを基材とするエポキシ樹脂板3からなる脆性材料層の上に、パターンを構成する銅2からなる延性材料層が貼り付けらた、ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板や、ガラス布・ガラス不織布基材エポキシ樹脂銅張積層板のようなものがある。なお、図3に示す電子材料1は、銅2がガラス基材エポキシ樹脂板3の片面側に張り付けられた単層構造の片面タイプであるが、銅2をガラス基材エポキシ樹脂板3の両面側に張り付けた両面タイプや、銅2とガラス基材エポキシ樹脂板3とが交互に複数積層された多層構造のものもある。
【0003】
このような電子材料1を、図3の切断線Aに沿って切断加工するような場合には、通常、平均粒径が10〜50μmの小粒径ダイヤの超砥粒を、金属結合相中に分散配置してなる電鋳薄刃砥石が用いられる。
ところが、このような電鋳薄刃砥石では、超砥粒とされる小粒径ダイヤが金属結合相中から脱落しやすいために、十分な耐摩耗性を得ることができず、寿命が短いという問題や、切断速度を速くすることができないという問題があった。
そこで、平均粒径が30〜70μmの大粒径ダイヤの超砥粒を、金属結合相中に分散配置してなる電鋳薄刃砥石を用いて、上記のような電子材料1の切断加工を行うことが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そうすると、超砥粒とされる大粒径ダイヤと金属結合相とが大きな接触面積を有するため、この超砥粒が金属結合相から脱落しやすいという問題を解消でき、耐摩耗性の向上を図ることが可能となる。
しかしながら、大粒径ダイヤが金属結合相から脱落してしまうと、その粒径の大きい分だけ、金属結合相に大きな穴が形成されることになり、この大きな穴の周囲の金属結合相が摩耗して、図4の刃先部の断面模式図で示すように、刃先部のエッジを維持できなくなってR状になってしまう。このようなR状の刃先部により切断加工を続けていくと、ガラス基材エポキシ樹脂板3の上に位置する銅2を引っ張ることとなり、銅2の切断加工跡に過大なバリが発生してワークの上下面に寸法差が生じてしまう。
【0005】
なお、大粒径ダイヤの金属結合相に対する含有量を大きくしたとしても、刃先部の形状をある程度維持することはできるものの、切断加工に寄与する大粒径ダイヤが多すぎることになって、研削抵抗が上昇し、やはり、銅2を引っ張ってしまい、銅2の切断加工跡にバリが発生してワークの上下面に寸法差が生じてしまうことは免れない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、たとえ延性材料層と脆性材料層とからなるワークに対してもバリの発生を抑制でき、かつ、寿命の長い電鋳薄刃砥石を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達するために、本発明は、金属結合相中に超砥粒が分散配置されてなる電鋳薄刃砥石において、前記超砥粒として、同一の材料からなる大粒径砥粒と小粒径砥粒との混粒が用いられ、前記小粒径砥粒は、前記超砥粒の5〜50vol%であるとともに、平均粒径が前記大粒径砥粒の平均粒径の10〜70%とされ、前記大粒径砥粒と前記小粒径砥粒は、前記金属結合相中に均一に分散配置されていることを特徴とする。このとき、前記小粒径砥粒は小粒径ダイヤであるとともに、前記大粒径砥粒は大粒径ダイヤであることが好ましい。
このような構成とすると、延性材料層と脆性材料層とからなるワークを切断加工した場合に、脆性材料層を確実に切断できるのはもちろんのこと、大粒径砥粒と小粒径砥粒との相乗効果、すなわち、金属結合相から脱落しにくい大粒径砥粒によって耐摩耗性の向上を図り、長い寿命を得るとともに、この大粒径砥粒が金属結合相から脱落した際であっても、小粒径砥粒が存在することによって刃先部の形状を維持することが可能となり、延性材料層の切断加工跡にバリが発生してワークの上下面に寸法差を生じさせることがない。
ここで、小粒径砥粒が超砥粒の5vol%より小さいと、大粒径砥粒に対して小粒径砥粒の割合が小さすぎてしまい、刃先部の形状を維持してバリの発生を抑制する効果が得られず、一方、小粒径砥粒が超砥粒の50vol%より大きいと、小粒径砥粒に対して大粒径砥粒の割合が小さすぎることとなり、耐摩耗性を向上させる効果が得られないとともに、切断速度アップもできない。また、小粒径砥粒の平均粒径が、大粒径砥粒の平均粒径の10%より小さいと、小粒径砥粒よりも大粒径砥粒の特性が目立つこととなり、刃先部がR状になってバリの発生を抑制しきれない。一方、小粒径砥粒の平均粒径が、大粒径砥粒の平均粒径の70%より大きいと、大粒径砥粒よりも小粒径砥粒の特性が目立つこととなり、耐摩耗性が劣ってしまう。
【0008】
また、前記超砥粒は、前記金属結合相の5〜35vol%であることを特徴とする。
ここで、超砥粒が金属結合相の5vol%より小さいと、超砥粒の含有量が少なすぎるため、切断加工が不可能になってしまう。一方、超砥粒が金属結合相の35vol%より大きいと、超砥粒の含有量が多すぎるため、金属結合相の強度が低下するとともに、切断加工に寄与する超砥粒の数が多くなって研削抵抗が上昇し、切れ味が劣化してしまう。
【0010】
また、前記大粒径砥粒の平均粒径は、10〜100μmであることを特徴とする。
ここで、大粒径砥粒の平均粒径が10μmより小さいと、この大粒径砥粒が金属結合相から脱落しやすくなって耐摩耗性に優れず、切断加工が不可能となり、一方、大粒径砥粒の平均粒径が100μmより大きいと、刃先部の形状を維持することができなくなり、ワークの切断加工跡の品位が劣化してしまう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態による電鋳薄刃砥石の刃先部の拡大断面図、図2は同電鋳薄刃砥石の平面図である。
【0012】
本実施形態による電鋳薄刃砥石10は、図1及び図2に示すように、厚みが数十μm〜数百μmの範囲に設定された略リング型薄板状を呈し、その全体が砥粒層とされるとともに、外周側部分がリング状をなす刃先部11とされる。
この電鋳薄刃砥石10は、例えばNi,Coまたはこれらの合金等からなる金属結合相12中に、超砥粒15として、小粒径ダイヤ13と大粒径ダイヤ14との混粒を分散配置したものであり、より詳しくは、金属結合相12中に、小粒径ダイヤ13と大粒径ダイヤ14とがともに均一に分散するように配置されている。
【0013】
また、小粒径ダイヤ13及び大粒径ダイヤ14からなる超砥粒15は、金属結合相12に対して5〜35vol%とされ、かつ、小粒径ダイヤ13が超砥粒15に対して5〜50vol%とされている。
さらに、小粒径ダイヤ13の平均粒径は、大粒径ダイヤ14の平均粒径の10〜70vol%とされるとともに、この大粒径ダイヤ14の平均粒径は、10〜100μmとされている。
【0014】
また、刃先部11には、切断加工時に生じる削り屑を取り込むとともに外部に排出しやすくして目詰まりを生じにくくし、かつ、冷却水を切断加工面により多く導く目的から、外周縁から径方向内周側に向けて所定間隔で複数のスリット16が形成されている。このスリット16は、例えば電鋳薄刃砥石10の外周縁を、ワイヤー等を用いた放電加工、または砥石等を用いた研削加工を施して所定の形状に削り取ることで形成されるものである。
【0015】
このような電鋳薄刃砥石10は、その内周側部分が取り付け用フランジで挟持されて砥石軸に装着されるとともにナットで締め付け固定され、そして、砥石軸の軸線回りに回転されつつ外周側部分の刃先部11で、図3に示すような銅2とガラス基材エポキシ樹脂板3とが積層されてなる電子材料1を切断線Aに沿って切断加工していく。
【0016】
本実施形態による電鋳薄刃砥石10によれば、超砥粒15として、小粒径ダイヤ13と大粒径ダイヤ14との混粒を用いたことにより、それらの相乗効果を得ることができる、すなわち、大粒径ダイヤ14が金属結合相12によって大きな接触面積で固定されて脱落しにくくなっていることにより、耐摩耗性の向上を図ることができ、かつ、たとえ大粒径ダイヤ14が金属結合相12から脱落してしまったとしても、この脱落によって形成される穴の周囲の金属結合相12に小粒径ダイヤ13が分散配置されることとなり、刃先部11のエッジ形状を維持できる。
それゆえ、上記のようなガラス基材エポキシ樹脂板3の上に銅2が積層されている電子材料1を切断加工する際であっても、銅2の切断加工跡にバリが発生することを抑制して、ワークの上下面の寸法を精度良く保つことができるとともに、寿命の延長を図ることができる。
【0017】
また、小粒径ダイヤ13の平均粒径が大粒径ダイヤ14の平均粒径に対して小さすぎると、小粒径ダイヤ13によってもたらされる効果が薄れ、大粒径ダイヤ14の特性のみが目立つことで、切断加工を行うにつれて刃先部11がR状になってしまい、バリの発生を抑制しきれない。一方、小粒径ダイヤ13の平均粒径が大粒径ダイヤ14の平均粒径に対して大きすぎると、大粒径ダイヤ14によってもたらされる効果が薄れ、小粒径ダイヤ13の特性のみが目立つことで、耐摩耗性が劣ってしまう。それゆえ、本実施形態においては、小粒径ダイヤ13の平均粒径を、大粒径ダイヤ14の平均粒径の10〜70%と最適な範囲に設定したことにより、耐摩耗性に優れ、刃先部11のエッジ形状を維持しつつ、良好な切れ味を得ることができる。
なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、小粒径ダイヤ13の平均粒径が、大粒径ダイヤ14の平均粒径の16〜50%の範囲となるように設定するのが好ましい。
【0018】
また、超砥粒15の、金属結合相12に対する割合が小さすぎると、切断加工に供される超砥粒15が少なくなりすぎ、切断加工が不可能になってしまう。一方、超砥粒15の金属結合相12に対する割合が大きすぎると、金属結合相12の強度が低下するとともに、切断加工に寄与する超砥粒15の数が多くなって研削抵抗が上昇し、切れ味が劣化してしまう。それゆえ、本実施形態においては、超砥粒15を金属結合相12の5〜35vol%と最適な範囲に設定したことにより、安定した切断加工を維持しつつ、しかも、金属結合相12の強度低下を招いたり、切れ味を落としてしまってバリの発生を促してしまうこともない。
なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、超砥粒15が、金属結合相12の8〜30vol%の範囲となるように設定するのが好ましい。
【0019】
また、小粒径ダイヤ13の超砥粒15に対する割合が小さすぎると、大粒径ダイヤ14に対して小粒径ダイヤ13の量が小さくなりすぎ、刃先部11のエッジ形状を維持してバリの発生を抑制する効果を期待できず、一方、小粒径ダイヤ13の超砥粒15に対する割合が大きすぎると、小粒径ダイヤ13に対して大粒径ダイヤ14の量が小さすぎてしまい、耐摩耗性を向上させる効果が得られないとともに、切断速度アップもできない。それゆえ、本実施形態においては、小粒径ダイヤ13を超砥粒15の5〜50vol%と最適な範囲に設定したことにより、耐摩耗性の向上と、バリの抑制とを両立できることとなる。
なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、小粒径ダイヤ13が、超砥粒15の25〜50vol%の範囲となるように設定するのが好ましい。
【0020】
さらに、大粒径ダイヤ14の平均粒径が小さすぎても、大粒径ダイヤ14が金属結合相12から脱落しやすくなって、耐摩耗性が劣ってしまうこととなり、一方、大粒径ダイヤ14の平均粒径が大きすぎても、刃先部11のエッジ形状を維持することができなくなってしまうので、本実施形態においては、大粒径ダイヤ14の平均粒径を10〜100μmと最適な範囲に設定したことにより、刃先部11の形状を維持してバリの発生を抑制しつつも、耐摩耗性に優れる電鋳薄刃砥石10を得ることができる。
なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、大粒径ダイヤ14の平均粒径は、14〜70μmの範囲となるように設定するのが好ましい。
【0021】
なお、本実施形態においては、小粒径ダイヤ13を小粒径砥粒として用いるとともに、大粒径ダイヤ14を大粒径砥粒として用いているが、これに限定されることなく、例えば、小粒径cBNを小粒径砥粒として用いるとともに、大粒径cBNを大粒径砥粒として用いることも可能である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の一例である電鋳薄刃砥石を実施例1〜6,11〜15とし、小粒径砥粒(小粒径ダイヤ)の平均粒径の、大粒径砥粒(大粒径ダイヤ)の平均粒径に対する割合、あるいは、小粒径砥粒の超砥粒に対する体積割合が、本発明の範囲から外れた電鋳薄刃砥石を比較例1〜2,11〜12として、それらを用いてワークの切断加工を行うテストを行った。
【0023】
[テスト1]
以下の表1に示すように、大粒径砥粒の粒径を40/60μm(平均粒径50μm)に固定し、小粒径砥粒の粒径(平均粒径)を変化させた電鋳薄刃砥石(実施例1〜6、比較例1〜2)を用いてワークの切断加工を行った。このとき、これら実施例1〜6、比較例1〜2について、小粒径砥粒の超砥粒に対する体積割合を50vol%(大粒径砥粒50vol%:小粒径砥粒50vol%)に設定し、超砥粒の金属結合相に対する体積割合を20vol%に設定した。
また、切断加工条件等は以下に示す通りである。
・使用機械 TSK製ダイサー A−WD−10A
・主軸回転数 30000〔1/min〕
・送り速度 300〔mm/sec〕
・切込み Full Cut
・テープ固定
・使用ワーク ガラス基材エポキシ樹脂銅張積層板(100×100×0.7T)
テスト1における評価としては、ワークを長さ500m切断した後に、電鋳薄刃砥石の外周縁から径方向内周側へ向かって所定距離の位置で、刃先部のT寸法(厚み)を計測し、このうち外周縁からの距離が0.1mm及び0.7mmの位置でのT寸法の差〔μm〕を算出して、このT寸法差が25ミクロン以下を合格(○)とした。このように、外周縁からの距離が0.1mm及び0.7mmの位置でのT寸法差を評価に用いたのは、実際には、ワークがシートに密着された状態で、ワークをシートとともに切り込んで切断加工していくので、刃先部の外周縁から0.1mmまでの部分はテープに切り込むことになり、ワークの寸法生成には寄与しないためである、すなわち、外周縁からの距離が0.1〜0.7mmまでの位置に存在して、ワークの切断加工に寄与する刃先部について、評価を行うためである。
その結果を表2及び図5に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003791397
【0025】
【表2】
Figure 0003791397
【0026】
表2及び図5に示されるように、本発明の一例である実施例1〜6においては、どれもT寸法差が25μm以下となって、刃先部の形状を良好に維持できるという結果が得られた。とくに、小粒径砥粒の平均粒径の、大粒径砥粒の平均粒径に対する割合が、好ましい範囲に設定された実施例3〜6にあっては、T寸法差が20μm以下となって、刃先部の形状をとくに良好に維持できるという結果が得られた。
また、小粒径砥粒の平均粒径の、大粒径砥粒の平均粒径に対する割合が、本発明の範囲よりも小さく設定された比較例1では、大粒径砥粒の特性が目立っていたので、刃先部の形状を良好に維持できず、T寸法差が27μmとなってしまった。
さらに、小粒径砥粒の平均粒径の、大粒径砥粒の平均粒径に対する割合が、本発明の範囲よりも大きく設定された比較例2では、小粒径砥粒の特性が目立っていたので、摩耗を抑制しきれず、これに伴い、刃先部の形状も良好に維持できなくなって、T寸法差が28μmとなってしまった。
【0027】
[テスト2]
表3に示すように、大粒径砥粒と小粒径砥粒との混合比率(小粒径砥粒の超砥粒に対する体積割合)を変化させた電鋳薄刃砥石(実施例11〜15、比較例11〜12)を用いてワークの切断加工を行った。このとき、これら実施例11〜15、比較例11〜12について、大粒径砥粒の粒径を40/60μm(平均粒径50μm)に設定するとともに小粒径砥粒の粒径を8/20μm(平均粒径14μm)に設定し、超砥粒の金属結合相に対する体積割合を20vol%に設定した。
また、切断加工条件等は上記のテスト1と同様である。
テスト2における評価としては、ワークを長さ500m切断した後に、電鋳薄刃砥石の刃先部における所定位置での片面側の摩耗量〔μm〕(摩耗深さ)を計測し、この摩耗量が35μm以下を合格(○)とした。
その結果を表3及び図6に示す。
【0028】
【表3】
Figure 0003791397
【0029】
表3及び図6に示されるように、本発明の一例である実施例11〜15においては、どれも摩耗量が35μm以下となって、耐摩耗性が優れるという結果が得られた。とくに、小粒径砥粒の超砥粒に対する体積割合が、好ましい範囲に設定された実施例13〜15にあっては、摩耗量が25μm以下となって、耐摩耗性がとくに優れるという結果が得られた。
また、小粒径砥粒の超砥粒に対する体積割合が、本発明の範囲よりも小さく設定された比較例11では、小粒径砥粒の割合が小さすぎて、刃先部の形状を良好に維持することができず、これに伴い、耐摩耗性も低下して、摩耗量が45μmとなってしまった。
さらに、小粒径砥粒の超砥粒に対する体積割合が、本発明の範囲よりも大きく設定された比較例12では、大粒径砥粒の割合が小さすぎて、耐摩耗性に優れず、摩耗量が55μmとなってしまった。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電鋳薄刃砥石は、超砥粒として、小粒径砥粒と大粒径砥粒との混粒を用いているから、これら小粒径砥粒と大粒径砥粒との相乗効果によって、耐摩耗性を向上させて長い寿命を得るとともに、刃先部のエッジ形状を維持することができるので、たとえ、延性材料層と脆性材料層とからなるワークを切断加工したとしても、脆性材料層を確実に切断加工でき、しかも、延性材料層にバリが発生しないでワークの上下面の寸法を精度良く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態による電鋳薄刃砥石の刃先部の拡大断面図である。
【図2】 本実施形態による電鋳薄刃砥石の平面図である。
【図3】 ワークとしての電子材料を示す断面図である。
【図4】 大粒径ダイヤの超砥粒を用いた電鋳薄刃砥石の刃先部の様子を示す断面模式図である。
【図5】 本発明の範囲限定の根拠を示すデータである。
【図6】 本発明の範囲限定の根拠を示すデータである。
【符号の説明】
1 電子材料(ワーク)
2 銅(延性材料層)
3 ガラス基材エポキシ樹脂板(硬質材料層)
10 電鋳薄刃砥石
11 刃先部
12 金属結合相
13 小粒径ダイヤ(小粒径砥粒)
14 大粒径ダイヤ(大粒径砥粒)
15 超砥粒

Claims (4)

  1. 金属結合相中に超砥粒が分散配置されてなる電鋳薄刃砥石において、
    前記超砥粒として、同一の材料からなる大粒径砥粒と小粒径砥粒との混粒が用いられ、
    前記小粒径砥粒は、前記超砥粒の5〜50vol%であるとともに、平均粒径が前記大粒径砥粒の平均粒径の10〜70%とされ、前記大粒径砥粒と前記小粒径砥粒は、前記金属結合相中に均一に分散配置されていることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  2. 請求項1に記載の電鋳薄刃砥石において、
    前記小粒径砥粒は小粒径ダイヤであるとともに、前記大粒径砥粒は大粒径ダイヤであることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電鋳薄刃砥石において、
    前記超砥粒は、前記金属結合相の5〜35vol%であることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電鋳薄刃砥石において、
    前記大粒径砥粒の平均粒径は、10〜100μmであることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
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